JP3141582B2 - 陶磁器およびその製造方法 - Google Patents
陶磁器およびその製造方法Info
- Publication number
- JP3141582B2 JP3141582B2 JP04306632A JP30663292A JP3141582B2 JP 3141582 B2 JP3141582 B2 JP 3141582B2 JP 04306632 A JP04306632 A JP 04306632A JP 30663292 A JP30663292 A JP 30663292A JP 3141582 B2 JP3141582 B2 JP 3141582B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- manufacturing
- ceramics
- strength
- ceramic
- base material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、タイル、衛生陶器な
どの種々の陶磁器およびその製造方法に関し、特に、機
械的強度の高い陶磁器およびその製造方法に関する。
どの種々の陶磁器およびその製造方法に関し、特に、機
械的強度の高い陶磁器およびその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】機械的強度の高い陶磁器を製造する方法
としては、ムライトの針状結晶を析出させる方法が知ら
れているが、これによって十分な強度が得られない場合
には、陶磁器の肉厚を増加させる必要があった。
としては、ムライトの針状結晶を析出させる方法が知ら
れているが、これによって十分な強度が得られない場合
には、陶磁器の肉厚を増加させる必要があった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、陶磁器
の肉厚を増加すると、陶磁器の重量も増加してしまい、
取扱いにくくなってしまうという問題があった。この発
明は、従来技術における上述の課題を解決するためにな
されたものであり、肉厚を増加することなく陶磁器の機
械的強度を高めることのできる技術を提供することを目
的とする。
の肉厚を増加すると、陶磁器の重量も増加してしまい、
取扱いにくくなってしまうという問題があった。この発
明は、従来技術における上述の課題を解決するためにな
されたものであり、肉厚を増加することなく陶磁器の機
械的強度を高めることのできる技術を提供することを目
的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段および作用】上述の課題を
解決するため、この発明による陶磁器の製造方法では、
陶磁器の素地材料に、バナジウム、タングステン、およ
びモリブデンよりなる群から選ばれた少なくとも１種類
の金属元素を約０．００１〜１重量％添加する。これら
の元素が約０．００１％以下では強度向上の効果が十分
でなく、また、約１％以上では強度向上の効果が飽和す
る。
解決するため、この発明による陶磁器の製造方法では、
陶磁器の素地材料に、バナジウム、タングステン、およ
びモリブデンよりなる群から選ばれた少なくとも１種類
の金属元素を約０．００１〜１重量％添加する。これら
の元素が約０．００１％以下では強度向上の効果が十分
でなく、また、約１％以上では強度向上の効果が飽和す
る。
【０００５】バナジウム、タングステン、およびモリブ
デンは、金属として素地材料に添加しても良く、また、
化合物として添加しても良い。例えばバナジウムについ
ては、メタバナジン酸アンモニウムや５酸化バナジウム
を使用することができ、また、タングステンについては
タングステン酸ナトリウムや酸化タングステンなどが、
モリブデンについては酸化モリブデンなどが使用でき
る。
デンは、金属として素地材料に添加しても良く、また、
化合物として添加しても良い。例えばバナジウムについ
ては、メタバナジン酸アンモニウムや５酸化バナジウム
を使用することができ、また、タングステンについては
タングステン酸ナトリウムや酸化タングステンなどが、
モリブデンについては酸化モリブデンなどが使用でき
る。
【０００６】バナジウム、タングステン、およびモリブ
デンは、陶磁器の焼成の際に、融液の表面張力を低下さ
せる作用を有する。従って、これらの元素を素地原料に
微量添加すると融液の表面張力が低下し、素地材料の粒
子間への融液の拡散・浸透が促進される。そして素地が
冷却されると融液の固化に伴って粒子同士が強く結合さ
れ、陶磁器の機械的強度が向上する。なお、融液の表面
張力を低下させると、ムライトの針状結晶を析出し易く
するので、これによって機械的強度がさらに向上する。
デンは、陶磁器の焼成の際に、融液の表面張力を低下さ
せる作用を有する。従って、これらの元素を素地原料に
微量添加すると融液の表面張力が低下し、素地材料の粒
子間への融液の拡散・浸透が促進される。そして素地が
冷却されると融液の固化に伴って粒子同士が強く結合さ
れ、陶磁器の機械的強度が向上する。なお、融液の表面
張力を低下させると、ムライトの針状結晶を析出し易く
するので、これによって機械的強度がさらに向上する。
【０００７】陶磁器の素地材料は特に限定する必要はな
く、本発明は通常の陶磁器の素地材料一般に適用可能で
ある。従って、本発明の製造方法により、タイル、衛生
陶器などの種々の陶磁器の強度を向上させることができ
る。なお、本発明によって陶磁器の強度が向上するの
で、従来よりも低い焼成温度で従来と同じ強度を達成す
ることができる。このようにすれば、焼成時に必要なエ
ネルギを低減することができる。
く、本発明は通常の陶磁器の素地材料一般に適用可能で
ある。従って、本発明の製造方法により、タイル、衛生
陶器などの種々の陶磁器の強度を向上させることができ
る。なお、本発明によって陶磁器の強度が向上するの
で、従来よりも低い焼成温度で従来と同じ強度を達成す
ることができる。このようにすれば、焼成時に必要なエ
ネルギを低減することができる。
【０００８】
【実施例】表１は、本発明の実施例および比較例を示し
ている。
ている。
【表１】 実施例、比較例とも、長石と陶石と粘土を４０：３０：
５０の割合で混合し、素地材料を得た。そして、実施例
では、この素地材料にメタバナジン酸アンモニウムを添
加物として０．０５％添加した。こうして得られた材料
を、それぞれ１６０mm（Ｌ）×４０mm（Ｗ）×１０mm
（ｔ）の板状に鋳込み成形し、乾燥後、１１８０℃で１
６時間焼成した。その後、実施例と比較例の板状陶磁器
に対してそれぞれ曲げ強度試験（両端支持／中央荷重）
を行なった。試験結果は表１の最下段に示す通りであ
り、実施例の強度は比較例に比べて２４％向上した。
５０の割合で混合し、素地材料を得た。そして、実施例
では、この素地材料にメタバナジン酸アンモニウムを添
加物として０．０５％添加した。こうして得られた材料
を、それぞれ１６０mm（Ｌ）×４０mm（Ｗ）×１０mm
（ｔ）の板状に鋳込み成形し、乾燥後、１１８０℃で１
６時間焼成した。その後、実施例と比較例の板状陶磁器
に対してそれぞれ曲げ強度試験（両端支持／中央荷重）
を行なった。試験結果は表１の最下段に示す通りであ
り、実施例の強度は比較例に比べて２４％向上した。
【０００９】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の陶磁器の
製造方法によれば、陶磁器の厚みを増加させること無く
陶磁器の強度を高めることができるという効果がある。
製造方法によれば、陶磁器の厚みを増加させること無く
陶磁器の強度を高めることができるという効果がある。
Claims (2)
- 【請求項１】 陶磁器の素地材料に、バナジウム、タン
グステン、およびモリブデンよりなる群から選ばれた少
なくとも１種類の金属元素を約０．００１〜１重量％添
加することを特徴とする陶磁器の製造方法。 - 【請求項２】 バナジウム、タングステン、およびモリ
ブデンよりなる群から選ばれた少なくとも１種類の金属
元素が約０．００１〜１重量％添加された素地を有する
陶磁器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04306632A JP3141582B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 陶磁器およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04306632A JP3141582B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 陶磁器およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06128015A JPH06128015A (ja) | 1994-05-10 |
| JP3141582B2 true JP3141582B2 (ja) | 2001-03-05 |
Family
ID=17959434
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04306632A Expired - Lifetime JP3141582B2 (ja) | 1992-10-19 | 1992-10-19 | 陶磁器およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3141582B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-19 JP JP04306632A patent/JP3141582B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06128015A (ja) | 1994-05-10 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP1364930B1 (en) | Honeycomb structure and method for preparation thereof | |
| JP4416191B2 (ja) | 低熱膨張セラミックスおよびその製造方法、並びに半導体製造用部品 | |
| JP2968539B2 (ja) | 窒化アルミニウム構造物の製造方法 | |
| JP3141582B2 (ja) | 陶磁器およびその製造方法 | |
| JPH0351669B2 (ja) | ||
| JP2007112701A (ja) | 非酸化性雰囲気用窯道具 | |
| JPH072575A (ja) | セラミックス接合用コンパウンド及びセラミック接合体 | |
| JPH06191959A (ja) | セラミック部材の接合方法 | |
| JP3142402B2 (ja) | ＳｉＣ質耐火物 | |
| JP3429551B2 (ja) | セッター | |
| JP3111741B2 (ja) | 高強度陶磁器及びその製造方法 | |
| JP3130972B2 (ja) | セラミック基板およびその製造方法 | |
| JPH08208336A (ja) | 耐酸化性及び耐クリープ性を備えたＳｉ−ＳｉＣ質焼結体 | |
| JP3151972B2 (ja) | 多層基板用磁器組成物及び多層基板 | |
| JP2603413B2 (ja) | マット釉 | |
| JPH03177383A (ja) | ジルコニア質コート層を有する耐火物 | |
| JPH07165462A (ja) | アルミナ−βサイアロン−ＹＡＧ複合材 | |
| JP2948946B2 (ja) | セラミック基板およびその製造方法 | |
| JPH07187786A (ja) | ＳｉＣ質耐火物 | |
| JPH08178548A (ja) | ＳｉＣ質窯道具とその製造方法 | |
| JPH09188580A (ja) | ムライト質モルタル及びそれを用いたＳｉＣ質棚板表面形状の修正方法 | |
| JPS6363518B2 (ja) | ||
| JPS6389481A (ja) | メタライズ用組成物 | |
| JP3082478B2 (ja) | 多層基板用磁器組成物 | |
| JP3778949B2 (ja) | 絶縁ペースト及び絶縁ペーストを用いた絶縁層の形成方法 |