JP2948946B2 - セラミック基板およびその製造方法 - Google Patents

セラミック基板およびその製造方法

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JP2948946B2 JP3157208A JP15720891A JP2948946B2 JP 2948946 B2 JP2948946 B2 JP 2948946B2 JP 3157208 A JP3157208 A JP 3157208A JP 15720891 A JP15720891 A JP 15720891A JP 2948946 B2 JP2948946 B2 JP 2948946B2
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚膜、抵抗、DBC基
板などに用いる電子部品用セラミック基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、Al2 3 を主成分とするア
ルミナセラミックスからなるセラミック基板が用いられ
てきた。
【0003】このセラミック基板の製造方法は、まず主
成分であるAl2 3 96重量%と、焼結助剤として合
計4重量%のSiO2、CaO、MgOをそれぞれの重
量比がSiO2 :CaO:MgO=70:5:25とな
るように添加混合してセラミック原料を調合し、このセ
ラミック原料を有機溶媒中に混合した後、ドクターブレ
ード法により所定厚みのグリーンシートに成形し、所定
形状に金型で打ち抜いた後、酸化雰囲気、1550〜1
650℃での焼成を行い、得られた焼結体に振動バレ
ル、ブラスト、バフなどの表面処理を行うようになって
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のセラ
ミック基板では、製造工程中1550〜1600℃の高
温での焼成が必要であり、また焼成時間も短縮できない
ため、コストが高いものであった。そこで、焼結助剤の
組成比を変化させることによって、低温焼成を行うこと
が考えられてきたが、例えばCaO量を多くすると低温
焼成は可能であるが、焼結体がベージュ色に着色され、
セラミック基板としての特性に障害を及ぼす結晶が晶出
してしまい、セラミック基板として用いることができな
いという問題点があった。
【0005】なお、上記障害を及ぼす結晶とは、サフィ
リン(4MgO・5Al2 3 ・2SiO2 )、アノー
サイト(CaO・Al2 3 ・2SiO2 )、ハイボナ
イト(CaO・6Al2 3 )、コージライト(2Mg
O・2Al2 3 ・5SiO2 )などのCaO、SiO
2 、Al2 3 、MgOからなる結晶である。特にアノ
ーサイトが少しでも存在すると、厚膜印刷を行った際に
ペーストの粒界への拡散を阻害するため、密着強度がほ
ぼ0となってしまうという問題が生じ、電子部品用セラ
ミック基板として全く使用できないという問題があっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、主成分
であるAl2 3 90〜97重量%と、焼結助剤である
SiO2 、CaO、MgOを合計3〜10重量%含み、
これら焼結助剤の互いの組成比が、SiO2 40〜60
重量%、CaO30〜60重量%、MgO0〜30重量
%の範囲内であり、かつこれら合計100重量部に対
し、0.3〜0.5重量部のTiO2 を含有させてセラ
ミック基板を構成したものである。
【0007】また、本発明は、上記組成のセラミック原
料を所定形状に成形した後、最高焼成温度1550℃以
下で、昇温開始から降温終了までの焼成時間を6時間以
下として高速焼成を行うようにしたものである。
【0008】上記組成中、Al2 3 量が97重量%よ
り多いと低温焼成ができなくなり、一方Al2 3 量が
90重量%より少ないとセラミック基板の特性が劣った
ものになってしまう。したがって、主成分であるAl2
3 の量は90〜97重量%が良い。
【0009】また、残部の3〜10重量%は焼結助剤で
あるが、この焼結助剤中のCaOの比率を30〜60%
と比較的多く含ませることによって低温焼成が可能とな
る。ただし、上記したように、この組成では焼成時にア
ノーサイトが晶出しやすくなるが、この点に関し本発明
では、昇温開始から降温終了までの焼成時間を6時間以
下として高速焼成を行うことによって、アノーサイトが
晶出する前に焼成を終了し、アノーサイトの存在しない
焼結体を得られることを見出した。
【0010】また、このようにCaOの多い組成では、
焼結体がベージュ色に着色されるという問題があった
が、少量のTiO2 を添加することで着色をなくし、白
色の焼結体を得ることができる。また、このTiO2
が0.3重量部よりも少ないと白色化することができ
ず、一方TiO2 量が0.5重量部よりも多いと逆にT
iO2 自体のために灰色に着色されてしまう。したがっ
て、TiO2 添加量は0.3〜0.5重量部がよい。
【0011】さらに、本発明のセラミック基板は、上記
したAl2 3 、SiO2 、CaO、MgO、TiO2
以外にもセラミックス全体に対して0.1重量%以下の
不純物を含有していても良い。
【0012】
【実施例】以下本発明実施例を説明する。
【0013】実験例1 まず、焼結助剤であるSiO2 、CaO、MgOの組成
比と低温焼結性の関係を調べる実験を行った。
【0014】Al2 3 96重量%に焼結助剤として合
計4重量%のSiO2 、CaO、MgOを表1中のN
o.1〜19に示す組成比となるように添加混合し後、
さらに有機溶媒を混合し、ドクターブレード法でグリー
ンシートに成形した後、金型で打ち抜いて板状成形体と
した。各組成の成形体をさまざまな温度で焼成し、得ら
れた焼結体の見掛比重が最大となるときの温度が150
0℃以下であるものを○、1500℃以上であるものを
×として評価した。結果は表1に示す通りである。
【0015】
【表1】
【0016】この結果より明らかに、No.3、9、1
0、11、13の組成のものは、1500℃以下での低
温焼成が可能であり、他の組成のものは1500℃以下
での低温焼結性が悪いことがわかった。また、上記低温
焼成可能な組成は、図1に示す三元図より明らかに、S
iO2 が40〜60重量%、CaOが30〜60重量
%、MgOが0〜30重量%の範囲内であることがわか
る。
【0017】実験例2 次に、上記実験例1中、低温焼成が可能なNo.3、
9、10、11、13の組成について、焼成時間とアノ
ーサイトの晶出との関係を調べる実験を行った。各々の
組成について、最高焼成温度1500℃で、焼成時間を
変化させて焼成し、得られた焼結体中にアノーサイトが
存在するかどうか調べた。なお、上記焼成時間とは、昇
温開始から降温終了までの時間のことである。また、ア
ノーサイトの存在については、X線回折による分析を行
い、アノーサイトのピークがわずかでも検出されたもの
を×、全く検出されなかったものを○で表した。結果は
表2に示す通りである。
【0018】
【表2】
【0019】この結果より明らかに、スーパーバーンに
よる24時間の焼成では、すべての試料にアノーサイト
が晶出したのに対し、高速焼成炉を用いて焼成時間を6
時間以下とすることで、アノーサイトの晶出を押さえら
れることがわかる。これは、アノーサイトが、焼成開始
後ある程度の時間が経過してから晶出するものであるた
め、この晶出前に焼成を終了させているためである。な
お、No.9、13の試料についても、もっと焼成時間
を短くすればアノーサイトの晶出をなくすことが可能で
ある。
【0020】さらに、本発明実施例として、表2中N
o.10の組成で2時間の焼成を行ったものと、比較例
として同じ組成で24時間の焼成を行いアノーサイトが
晶出したものを用意し、それぞれ銅ペーストをスクリー
ン印刷した後の密着強度を比較する実験を行った。その
結果、比較例では密着強度がほぼ0kg/mm2 と極め
て低かったのに対し、本発明実施例では密着強度が4k
g/mm2 と優れており、電子部品用セラミック基板と
して好適に使用できることがわかる。
【0021】実験例3 次に上記実験例中、No.10の組成のものを用いて、
TiO2 添加による色の変化を調べる実験を行った。N
o.10の組成となるように調合したセラミック原料
に、TiO2 を0.1〜2重量%添加し、さらに所定の
バインダー及び溶媒を添加混合した後、噴霧乾燥してセ
ラミック造粒体を得た。このセラミック造粒体をロール
コンパクション法でグリーンシートに成形し、所定形状
に打ち抜いた後、高速焼成炉を用いて焼成した。得られ
た焼結体の色調は表3に示す通りである。
【0022】
【表3】
【0023】この結果より明らかに、TiO2 量が0.
3重量%より少ないとCaOのためにベージュ色を呈
し、逆にTiO2 量が0.5%より多いとTiO2 のた
めに灰色を呈するようになる。したがって、TiO2
加量を0.3〜0.5重量%とすれば、焼結体の色調を
白色とできることがわかる。
【0024】
【発明の効果】このように本発明によれば、主成分であ
るAl2 3 を90〜97重量%と、焼結助剤であるS
iO2 、CaO、MgOを合計3〜10重量%含み、こ
れら焼結助剤の互いの組成比がSiO2 40〜60重量
%、CaO30〜60重量%、MgO0〜30重量%で
あり、かつこれら合計100重量部に対し、0.3〜
0.5重量部のTiO2 を添加してなるセラミック原料
を、所定形状に成形した後、最高焼成温度1550℃以
下で、昇温開始から降温終了までの焼成時間を6時間以
下として高速焼成を行ってセラミック基板を構成したこ
とによって、低温での焼成が可能となり製造コストを低
下することができる。また、本来上記組成は、アノーサ
イトが晶出する領域であるが、高速焼成を行うことでア
ノーサイトの晶出を押さえ、焼結体中にアノーサイトが
存在しないため、銅ペーストなどの密着強度を高くで
き、電子部品用セラミック基板として好適に用いること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック基板に焼結助剤として用い
るSiO2 、CaO、MgOの組成比を示す三元図であ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分であるAl2 3 を90〜97重量
    %と、焼結助剤を合計3〜10重量%含み、該焼結助剤
    の組成比がSiO2 40〜60重量%、CaO30〜6
    0重量%、MgO0〜30重量%の範囲内であり、かつ
    これら合計100重量部に対し0.3〜0.5重量部の
    TiO2 を含有してなるセラミック基板。
  2. 【請求項2】主成分であるAl2 3 90〜97重量%
    と、焼結助剤を合計3〜10重量%含み、該焼結助剤の
    組成比がSiO2 40〜60重量%、CaO30〜60
    重量%、MgO0〜30重量%の範囲内であり、かつこ
    れら合計100重量部に対し0.3〜0.5重量部のT
    iO2 を含有するセラミック原料を、所定形状に成形
    し、最高焼成温度1550℃以下で、昇温開始から降温
    終了までの焼成時間を6時間以下として高速焼成を行う
    ことを特徴とするセラミック基板の製造方法。
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