JPH069243A - 結晶化により主たる結晶相として六方晶コーディエライトを含有する焼結ガラスセラミックを生じ得るガラス粉末 - Google Patents

結晶化により主たる結晶相として六方晶コーディエライトを含有する焼結ガラスセラミックを生じ得るガラス粉末

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JPH069243A
JPH069243A JP4023446A JP2344692A JPH069243A JP H069243 A JPH069243 A JP H069243A JP 4023446 A JP4023446 A JP 4023446A JP 2344692 A JP2344692 A JP 2344692A JP H069243 A JPH069243 A JP H069243A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 970℃以下の焼結温度で比較的に広い焼結
温度範囲において結晶化して、特に電気工学部品及び電
子部品の製造に適した良好な電気的性質、誘電特性及び
機械的特性を有し、かつ主たる結晶相として六方晶コー
ディエライトを含有する焼結ガラスセラミックを生じ得
るような組成を有するガラス粉末を提供する。 【構成】 ガラス粉末は、酸化物基準でSiO2 48
〜61モル%、Al2 O3 10〜16モル%、MgO
23〜35モル%、B2 O3 0〜 4モル%、P2
5 0〜 2.5モル%、ΣB2 O3 +P2 O5 0.
5〜5モル%、ZnO 0〜3モル%、CaO 0〜3
モル%、BaO 0〜1.5モル%及びO代替物として
のF 0.5〜12モル%の組成を有する。更に酸化物
PbO、SrO及びSnO2 の1種以上を合計3モル%
以下含有し得る。焼結条件は得られる製品にいかなる悪
影響も及ぼすことなく比較的広範囲の制限内で変え得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶化により主たる結
晶相として六方晶コーディエライトを含有する焼結ガラ
スセラミックを生じ得るガラス粉末に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】コーディ
エライトは、その良好な機械的及び電気的特性の結果と
して、電子部品、特に多層回路板の基材として極めて好
適である。純粋なコーディエライトは非常に高い焼結温
度を有し、その温度では焼結前に塗布された導電路が破
壊されるので、出発点は、比較的に低い温度で焼結され
そして同時に実質的に結晶相に転換し得るガラス粉末で
ある。
【0003】その組成が化学量論的に純粋なコーディエ
ライトに相応するガラス粉末のみが所定の焼結能力を有
する、ということは知られている。1200℃までの温
度でのプレス及び熱処理は、多孔質で低い機械的強度を
有する焼結ガラスセラミックスを生ずる。劣悪な焼結性
はガラス粒子の早過ぎる表面結晶化のためであり、これ
は何倍ものオーダーの劇的な粘度上昇を生じ、これがガ
ラス相のそれ以上の焼結を妨げる。さらに不利益なこと
は、初期にMgOを含有する高石英混合の結晶相が形成
されることである。このシリーズの混晶の代表例は、
2:2:5のMgO:Al2 O3 :SiO2 酸化物比率
を有するμ−コーディエライト及び1:1:4の比率を
有するアルミノ珪酸マグネシウム(MAS)である。こ
れらの準安定な結晶相の存在により、六方晶コーディエ
ライトを生ずる結晶化がさらに遅れる。
【0004】変性された組成及び改善された焼結性を有
するガラス粉末は、従って既に開示されている。例え
ば、米国特許第3,926,648号には、0.5〜2
重量%のK2 O及び/又はCs2 Oの添加により焼結性
が改善されることが記載されている。しかしながら、こ
れらのガラス粉末から製造された焼結材は、電気特性及
び誘電特性が劣っており、従って一般的に電気工学部品
及び電子部品用には不適当であり、特にその要求が高い
場合には不適当である。ドイツ特許第26 02429
号では、変性用酸化物BaO,PbO,SrO及びCa
Oの一種以上を0.7〜5.6モル%添加することによ
り、上記の修正を行っている。これらの酸化物は、コー
ディエライト構造中に混晶を形成することができる。し
かしながら、低残留ガラス相分が粉末の焼結性を制限す
るので、この粉末は主としてセラミック、ガラス又はガ
ラスセラミック製品の塗料として用いられている。ドイ
ツ特許第29 01 172号には二つの異なる焼結ガ
ラスセラミックスが記載されており、第一のものは最も
重要な結晶相としてβ−スポジュメンをベースとするガ
ラスセラミックであり、第二のものは最も重要な結晶相
としてコーディエライトをベースとする焼結ガラスセラ
ミックである。後者の焼結ガラスセラミックの構造は、
更にクリノエンスタタイトを含有し、いくつかの場合に
は六方晶コーディエライトに加えてμ−コーディエライ
トを含有している。この複雑な構造により、一様な構造
形成を達成し、従って再現可能な特性を達成するために
は、化学組成、粉末特性、及び焼結プログラムなどのプ
ロセスパラメータの全てについて狭い許容差で監視する
ことが必要となる。従って、これらの焼結ガラスセラミ
ックスの製造は複雑になり、いろいろなユーザーの種々
のプロセス条件にマッチさせることが困難になる。米国
特許第4,540,671号には、焼結して焼結ガラス
セラミックを生ずることができ、焼結状態のコーディエ
ライト及び固溶体の高石英混合結晶相を含有するガラス
粉末が記載されている。しかしながら、準安定高石英混
合結晶相の出現により、既に最初に述べたような不利益
を生ずる結果となる。
【0005】従って、本発明の目的は、結晶化により主
たる結晶相として六方晶コーディエライトを含有する焼
結ガラスセラミックを生ずることができ、970℃以下
の温度で空気不浸透状態で焼結し、良好な電気的及び機
械的特性を有し、そして加熱速度、焼結温度、及び焼結
時間に関して焼結条件の選択に際してユーザーにかなり
の自由度を与えるような組成を有するガラス粉末を見出
すことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するために、酸化物基準で以下の組成 SiO2 48〜61モル%、 ZnO 0〜3モル%、 Al2 O3 10〜16モル%、 CaO 0〜3モル%、 MgO 23〜35モル%、 BaO 0〜1.5モル%、 B2 O3 0〜 4モル%、 O代替物としてのF 0.5〜12モル%、 P2 O5 0〜 2.5モル%、 ΣB2 O3 +P2 O5 0.5〜5モル% を有することを特徴とする、結晶化により主たる結晶相
として六方晶コーディエライトを含有する焼結ガラスセ
ラミックを生じ得るガラス粉末が提供される。
【0007】
【発明の作用及び態様】稠密な即ち開放気孔を有さない
高結晶相分を有する焼結ガラスセラミックを得るために
は、焼結及び結晶化の過程が重要である。二酸化チタニ
ウムや二酸化ジルコニウムなどの成核剤の添加の結果と
して内部に容積核形成を生ずる圧縮ガラス粉末とは対照
的に、ガラス粉末からの焼結ガラスセラミックの調製に
おける結晶化はガラス粉末粒子の原表面から進行する。
稠密な焼結は実質的に依然としてガラス状態において完
了されねばならない。もしも早過ぎる表面結晶化が起こ
ると、ガラス粒子の表面層の粘度は、もし中断されない
場合にはそれ以上の稠密な焼結が著しく妨げられるほど
増大する。これに対し、もしもガラスの結晶化能力が例
えば比較的多量の変性用酸化物を添加することにより抑
圧されると、所望の高結晶相分を有する均質で微細な結
晶構造はもはや製造することができない。その時には殆
どの用途に不適当な低強度の荒い結晶の焼結ガラスセラ
ミックが製造される。
【0008】ガラス粉末中のSiO2 含量は48〜61
モル%であるべきである。もしSiO2 含量が48モル
%未満に低下すれば、適正な六方晶コーディエライト相
の結晶化を伴う焼結は970℃以下では可能でなくな
る。もしSiO2 含量が61モル%を超えると、準安定
なアルミノ珪酸マグネシウム結晶が優先的に晶出し、先
に述べた不利益を伴うことになる。特に好適なSiO2
含量は51〜57モル%である。Al2 O3 含量は10
〜16モル%である。もしも16モル%の上限を超える
と、稠密な焼結ガラスセラミックの製造に必要な温度が
上昇し、一方、Al2 O3 含量が10モル%未満に低下
すると、所望の六方晶コーディエライト相の結晶相分が
低下し、また誘電定数を上昇せしめるMgO及びSiO
2 含有結晶相がかなりの量的割合で形成される。好適な
Al2 O3 含量は12.5〜15.5モル%である。M
gO含量は23〜35モル%であるべきである。もしこ
の範囲を超えると六方晶コーディエライトの含有量が低
下し、一方、この範囲未満のMgO含量ではガラス粉末
の焼結特性が低下する。好適なMgO含量は26〜31
モル%である。
【0009】焼結温度を低下させるために、ガラス粉末
は4モル%以下のB2 O3 及び2.5モル%以下のP2
O5 を含有し、これら二つの化合物の合計含量は0.5
〜5モル%であるべきである。これらの範囲の上限を超
えるべきではなく、さもなくば残留ガラス相が豊富にな
り、特性の低下を生ずるからである。しかしながら、B
2 O3 及び/又はP2 O5 の添加は焼結温度の低下に寄
与するので合計量で0.5モル%未満とすべきではな
い。
【0010】酸化亜鉛の添加は低い温度での六方晶コー
ディエライトの結晶化を促進する。しかしながら、酸化
亜鉛含量は3モル%を超えるべきではなく、さもなくば
早過ぎる表面結晶化の結果として稠密体を生ずる焼結が
より困難となるからである。好適な酸化亜鉛含量は0.
3〜2.5モル%である。同様にCaO分は低い温度で
の結晶化を促進するが、その含量は3モル%を超えるべ
きではなく、さもないと付加的な望ましくない結晶相と
してのアノルタイト(灰長石)がこのような低い含量で
さえも生ずるからである。BaOの添加はガラス溶融体
の均質性及び安定性を改善するが、BaO含量は1.5
モル%を超えるべきではなく、さもないとそのような高
含量ではガラス粉末の結晶化が抑制され、受け入れ難い
ような高温にシフトするからである。
【0011】本発明の必須成分は0.5〜12モル%、
好ましくは0.5〜11モル%のフッ素分であり、フッ
素イオンは結晶格子中の相当する量の酸素イオンを置換
する。驚くべきことに、フッ素の添加により、焼結作業
に悪影響を及ぼすことなくガラス粉末の結晶化温度が9
00℃以下の低温にシフトすることが見出された。この
挙動は、常に稠密焼結と低結晶化温度との間で妥協がな
されねばならない酸化亜鉛や酸化バリウムなどの結晶化
促進添加剤とは対照的である。フッ素の添加は六方晶コ
ーディエライト相の結晶化を促進し、望ましくない先駆
体相μ−コーディエライト及びアルミノ珪酸マグネシウ
ムを抑制する。構造は広い温度範囲にわたって焼結及び
結晶化に対して安定なままである。フッ素含量は12モ
ル%を超えるべきではなく、さもないと新しいフッ素含
有結晶相が生じ、構造の安定性に悪影響を及ぼし焼結温
度の変化を生ずるからである。さらに、ガラス溶融体の
均質性及び焼結ガラスセラミックの加水分解安定性もま
た低下する。少量のフッ素添加でさえも結晶化温度の著
しい低下を生じ、それと共に焼結温度を低下しもしくは
焼結時間を減少するが、フッ素含量は0.5モル%未満
には低下すべきではなく、さもないとフッ素添加の効果
がこのレベル以下では常に充分ではないからである。
【0012】さらに結晶化促進添加剤としてPbO,S
rO又はSnO2 を添加することもできる。これらの個
々の酸化物の最大量は3モル%を超えるべきではない。
もしもこれら三つの酸化物の一種以上が併用される場合
には、使用される合計含量は同様に3モル%を超えるべ
きではない。3モル%を超える多量の添加は早過ぎる結
晶化を生じ、したがって良好な焼結を妨げる。もしPb
Oが用いられる場合には、還元性焼結雰囲気中での高い
焼結温度で酸化鉛が金属鉛に還元され得、これによって
受け入れられないような体積抵抗の低減を生ずる結果と
なる、ということにさらに注意すべきである。
【0013】本発明のガラス粉末製造用のガラスの製造
においては、例えばSb2 O3 ,As2 O3 又はセリウ
ム化合物などの慣用の清澄剤を約1重量%以下の慣用の
量でガラスにその特性に悪影響を及ぼすことなく添加す
ることができる。しかしながら、これらは絶対に必要と
いうものではない。
【0014】焼結可能なガラス粉末の粒子サイズは、焼
結及び引き続いての表面結晶化の最適化において重要な
部分を占める。一般に、1〜12μmの平均粒子サイズ
を有するガラス粉末を用いて良好な結果が得られる。粒
子サイズが小さ過ぎると、大きな表面/体積比のために
ガラス粉末が早過ぎる表面結晶化に向かう傾向を生じ、
良好な焼結を妨げる。他方、過剰に大きな粒子サイズで
は後期の結晶化がより困難となり、低い機械的強度を有
する比較的荒い結晶構造を生じ、また表面荒さが増大し
た焼結製品を生ずる結果となる。特に好適な結果は、ガ
ラス粉末の平均粒子サイズが1.5〜7μmの場合に得
られる。
【0015】ガラス粉末は、前記した組成のガラスを生
ずるように慣用のガラス原料を約1450〜1650℃
の温度で融解し、次いで溶融ガラスを冷水中に又は冷却
金属ローラ上に流し込むことにより急冷し、ガラス・カ
レットを生成し、これが公知のフリット法もしくは粉砕
法により前記した粒子サイズを有する粉末に変えられる
それ自体公知の方法により製造される。
【0016】このようにして得られたガラス粉末は、次
いでそれ自体公知の方法で、例えば乾式プレス、押出、
射出成形、カレンダリング等のセラミックス工業におい
て通常の成形方法を用いて成形製品に変えられる。この
変換は市販の有機助剤及び/又は適当な沈殿防止剤を添
加して行われる。したがって、例えば押出は可塑性を有
する可塑化された組成物から行われる。乾式プレスは、
プレス助剤を添加することにより行われ、さらさらした
プレス顆粒を生ずるまで進められる。柔軟な未処理のフ
ィルム(これから電子基材が後で製造される)の製造の
ためには、セラミック・スラリーからのカレンダリング
がうまくいくことが実証されている。沈殿防止剤が添加
される場合には、乾燥工程もまた焼結前に必要である。
存在する全ゆる有機助剤は、ガラスの顕著な焼結が生起
する前に、焼結プログラムにおける適当な温度制御によ
り加熱段階中に焼失する。ガラス粉末の焼結及び結晶化
は、ガラス粉末の組成に応じて約850〜970℃の温
度で起こる。必要な焼結時間は使用した焼結温度に依存
し、約15分から数時間の間である。低い焼結温度では
焼結時間を長くする必要がある。所定のガラス組成につ
いては、所望であれば、高い焼結温度及び短い焼結時間
で得られるものと同様な構造が、所望の低い焼結温度及
び長い焼結時間で得ることができる。したがって、気孔
フリーの焼結ガラスセラミックが、前記組成を有するガ
ラスを製造し、このガラスを1〜12μmの粒子サイズ
に微粉砕し、ガラス粒子を所望の形状に成形し、ガラス
粒子を金型中で970℃以下の温度に連続的に加熱し、
この温度を粒子が一緒に焼結されるまで保持し、ガラス
を失透させ、次いで焼結製品を冷却することにより製造
される。加熱及び焼結の前に、成形製品又はその先駆体
は例えばスクリーン印刷などにより導電路のパターンを
形成しておくことができる。
【0017】
【発明の効果】本発明に係るガラス粉末の組成はコーデ
ィエライトの化学量論的組成とは異なるけれども、それ
にも拘らず混晶形成により六方晶コーディエライト構造
を有する高結晶相分が製造され、コーディエライトを含
まない結晶相又は残留ガラス相は比較的に少なく保たれ
る。この混晶の形成により、結晶化度を損なうことなく
更にAl2 O3 の犠牲において化学量論的量を越えた量
のMgO及びSiO2 の添加が可能になる。しかしなが
ら、ガラス粉末の焼結性は改善され、また必要な変性用
酸化物の量は低減される。
【0018】本発明に係るガラス粉末から製造された焼
結ガラスセラミックスは空気不透過性であり、したがっ
て感受性の電子部品の封入が可能である。その低い誘電
定数により、それから製造された金属被覆電子基板は信
号伝達時間の遅延が殆どなくなる。最高970℃の低い
焼結温度により、銅、銀、銀/パラジウム及び金などの
高導電性金属による金属被覆を採用することが可能にな
る。焼結ガラスセラミックの熱膨張係数はシリコンのそ
れに整合させることができ、それによって基板材料とシ
リコン半導体ウエハとの間の異なる熱膨張係数に起因す
る機械的応力は最小化される。圧縮焼結ガラスセラミッ
ク基板に加えて、内部導電路を有する多層配線基板もま
た製造することができる。本発明に係るガラス粉末から
製造された焼結ガラスセラミック部材は、低い熱伝導
度、高い耐熱性及び良好な熱衝撃挙動により識別され
る。高い体積抵抗及び高い誘電強度により、絶縁用に使
用することが可能である。ガラス粉末は更に、コーティ
ングやセラミックス間のグラウチングに適しており、ま
た高温においてさえも安定である。
【0019】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について更に詳
細に説明する。結果は表1〜4にまとめられている。表
1及び表3は化学組成を示し、表2及び表4は各実施例
の物理的データを示している。物理的データのうち、平
均粒子サイズ(d50 )はレーザ粒度計によって測定し
た。焼結は示した温度で行い、3℃/分の一様な加熱速
度を用いた。結晶相分の決定には以下のX線反射を用い
た:六方晶コーディエライトについては102反射、M
ASについては011反射、フォルステライトについて
は120反射、アルミノ珪酸マグネシウムについては6
10反射(JCPDS 35−310)。幾つかのケー
スにおいては、焼結ガラスセラミックは依然として少量
のエンスタタイト変性物を含んでいた。多数の可能な変
性物及び低含量のため、ここでは定性推定を行うことが
必要であった。六方晶コーディエライト(JCPDS
File No.13−293)、μ−コーディエライ
ト(JCPDS File No.14−249)及び
フォルステライト(JCPDS File No.34
−189)の決定は完全結晶化基準物に対して行った。
MAS相(JCPDS 27−716)についての比較
基準物もまた他の結晶相を含有していたので、ここにお
ける量的データは幾分大きな誤差(約20%のオーダ
ー)の影響を受けている。誘電定数ε及び損失角tan
δは25℃で1MHzの周波数で測定した。ギガヘル
ツ範囲の高い周波数では、誘電定数及び損失角は著しく
低下する。結晶化温度を推定するためには示差熱分析法
を採用した。この方法では高い加熱速度(ここでは5℃
/分)が必要であるので、標準的焼結プログラムでは真
実の結晶化温度は体系的に低い。しかしながら、結晶化
温度に対する化学組成の影響の指示を与えることは可能
である。表は各ケースにおける結晶化ピークの開始及び
結晶化最大を示している。これらの値から、種々の焼結
ガラスセラミックスの結晶化温度をお互いに比較して推
定することが可能となる。
【0020】例1乃至4(表1及び表2)は、フッ素を
含有しない組成物に対してフッ素分の焼結温度及び結晶
化挙動に及ぼす影響を示している。例1は比較のために
用いたものである。表1に示した組成を有するガラス粉
末は、適当なガラスバッチを1600℃で融解し、この
溶融物を二本の金属ローラの間で急冷し、表2に示した
粒子サイズに粉砕することにより調製した。この粉末を
ポリエチレングリコールの水溶液を用いて強力ミキサー
中でそれ自体公知の方法で粗砕することにより、ガラス
粉末からさらさらしたプレス顆粒を得た。焼結試験用の
成形製品は800バールの圧力下での乾式プレスにより
製造した。焼結時間は示した焼結温度で1時間であり、
加熱速度は3℃/分であった。温度は焼結製品からポリ
エチレングリコールを除去するために310℃に1時間
維持した。
【0021】例2乃至4は、例1に比較して、フッ素分
により示される極めて明確な効果を非常に明瞭に示して
いる。表2から、フッ素が結晶化温度をより低温側にシ
フトすることがわかる。六方晶コーディエライトの結晶
化は促進され、他の結晶相は抑制される。構造は安定化
され、結晶相含有量は広い温度範囲においてほんの僅か
に変化するのみである。したがって、例3における六方
晶コーディエライトの含有量は910〜970℃の焼結
温度において実質的に一定である。フッ素分による構造
安定化もまた、本発明に係る組成について熱膨張係数は
910〜970℃の焼結温度において殆ど変化しないこ
とを意味している。これに対して、フッ素を含有しない
組成について実施された例1では、結晶相含有量が非常
に変化しており、また熱膨張係数も変化している。本発
明に係る焼結製品は全て、空気不透過性であるように、
示した焼結温度で焼結された。
【0022】さらに本発明に係るガラス粉末組成物を用
いた例5乃至13は表3及び表4にまとめられている。
例11乃至13は結晶化促進添加剤SrO,PbO及び
SnO2 の効果を示している。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】実施例14 前記例8のガラス粉末から200μmの厚さを有する柔
軟な未処理のフィルムを製造した。有機助剤及び有機溶
剤の混合物をボールミル中のガラス粉末に添加し、混合
物を均質化して注入し得るスラリーを調製した。このバ
ッチはガラス粉末53重量%、トリクロロエチレンとエ
タノールの共沸溶剤混合物37重量%、バインダーとし
てのポリビニルブチラール5重量%、可塑剤としてのジ
オクチルフタレート4重量%、及びシンナーとしてのメ
ンヘーデン魚油1重量%から成っていた。スラリーをガ
ス抜きしてエンドレス移動ベルト上に流し込んだ。注型
用シュー及びベルトは狭い調整可能なギャップにより分
離されており、このギャップを介してフィルムの厚さが
調整される。乾燥ゾーンを通過後、柔軟なフィルムは注
型用ベルトから取り外すことができる。
【0028】これらの未処理のフィルムの幾層かを積み
重ね、積層プレスにより90℃の温度で0.5〜3kN
/cm2 の圧力でプレスし、均一な積層材料を形成し
た。このようにして得られた積層体は平坦な燃焼支持板
上で930℃の温度で1時間の焼結時間、焼結された。
比較的に高い有機助剤含量のために、全体的に2℃/分
の加熱速度を用いた。有機助剤の焼失温度の領域におい
て、すなわち220℃〜330℃の温度領域において加
熱速度を1℃/分に下げた。次いで、有機助剤の除去を
完全なものにするために、積層体を330℃で2時間処
理した。次いで、所望の焼結温度に達するまで2℃/分
で加熱を続けた。このようにして得られた焼結ガラスセ
ラミック基材の構造及び特性は、同様に同じ温度プログ
ラムを用いた焼結圧縮粉で得られた値と合致していた。
【0029】なお、すべての実施例において、室温での
体積抵抗率は1013 Ω−cmよりも大きく、すなわち
材料は非常に良好な電気絶縁体であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物基準で以下の組成 SiO2 48〜61モル%、 ZnO 0〜3モル%、 Al2 O3 10〜16モル%、 CaO 0〜3モル%、 MgO 23〜35モル%、 BaO 0〜1.5モル%、 B2 O3 0〜 4モル%、 O代替物としてのF 0.5〜12モル%、 P2 O5 0〜 2.5モル%、 ΣB2 O3 +P2 O5 0.5〜5モル% を有することを特徴とする、結晶化により主たる結晶相
    として六方晶コーディエライトを含有する焼結ガラスセ
    ラミックを生じ得るガラス粉末。
  2. 【請求項2】 酸化物基準で以下の組成 SiO2 51 〜57 モル% Al2 O3 12.5〜15.5モル% MgO 26 〜31 モル% P2 O5 0.5〜 2.5モル% B2 O3 0.3〜 2.0モル% ΣP2 O5 +B2 O3 1.0〜 3.0モル% ZnO 0.3〜 2.5モル% O代替物としてのF 0.5〜11.0モル% を有することを特徴とする請求項1に記載のガラス粉
    末。
  3. 【請求項3】 酸化物PbO,SrO及びSnO2 の一
    種以上を合計3モル%以下含有することを特徴とする請
    求項1又は2に記載のガラス粉末。
  4. 【請求項4】 平均粒子サイズが1〜12μmであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の
    ガラス粉末。
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