JP3142402B2 - SiC質耐火物 - Google Patents
SiC質耐火物Info
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Description
性等の高温特性に優れたSiC質耐火物に関する。ここ
で、「SiC質耐火物」とは、主としてSiC骨材によ
り構成される耐火物をいい、「SiC骨材」とは、Si
C含有量が90%以上の骨材粒子をいうものとする。
優れた耐火性から、工業上重要な地位を占めており、例
えば陶磁器用の棚板、サヤ、その他の焼成用治具などに
多用されている。これらSiC質耐火物は、粘土質、鉱
物を結合材としており結合部に多量のガラス質を形成す
るため、常温の強度は良好であるが高温における強度が
低いという欠点を有していた。また、密度の高い耐火物
を得ることが困難であり、耐酸化性に劣っていた。
の添加量を極力減らしこれに代えて微量の金属酸化物等
と共に混練・成形し、酸化性雰囲気中で焼成することに
より、SiC粒子を部分的に酸化させ、その部分酸化に
より生じた二酸化珪素(SiO2)によってSiC粒子
を結合させる製造方法が注目されている。このように製
造したSiC質耐火物は、従来の粘土鉱物結合のSiC
質耐火物と比べて高い高温強度を有することが知られて
いる。
iC質耐火物は、SiC粒子の部分酸化によってSiO
2 を生成し、このSiO2 が原料中のフラックス(ガラ
ス成分)と反応して強固な粒界結合相を生じて結合する
ことにより生成されるが、生成されるSiC質耐火物の
理論密度比、及び粒界結合部に副相として存在するクリ
ストバライトの総量については何ら検討されておらず不
均一で、SiC質耐火物の変形、膨れ、割れ等が発生し
たり、耐熱衝撃性等が低下する原因となっていた。本発
明は、上記した従来のSiC質耐火物の問題点を解決
し、耐熱衝撃性等の高温特性に優れたSiC質耐火物を
提供することを目的とする。
ば、SiC質骨材粒子が60重量%以上で、SiC粒界
結合部が、SiCの酸化により生成したSiO 2 がカル
シウム及びバナジウム酸化物を含む微量の金属酸化物フ
ラックスと反応してなるSiO2質のSiC質耐火物で
あって、理論密度比が80〜90%であり、かつ、Si
C粒界結合部に副相として存在するSiO 2 から一部転
移したクリストバライトの総量がSiC質耐火物全体の
15.0重量%以下であるSiC質耐火物が提供され
る。
が60重量%以上で、SiC粒界結合部がSiO2 質で
あり、その理論密度比の大きさ、及びSiC粒界結合部
に副相として存在するクリストバライトの総量を所定の
範囲とした。そして、この構成を有するSiC質耐火物
は、耐熱衝撃性等の高温特性に優れている。ここで、
「粒界結合部のSiO2質」とは、結晶質やガラス質の
SiO2を主成分とする状態を意味するものとする。ま
た、「理論密度比」とは、SiCの真密度3.2に対す
る嵩密度の比率(%)をいうものとする。
密度比が80〜90%、好ましくは85〜90%であ
る。このSiC質耐火物は理論密度比が高く、SiC粒
子間に熱伝導を妨げる気泡(気孔)が少ない。そのた
め、例えば、棚板に使用した場合、熱伝導性がよく、棚
板内の温度分布が均一になり、熱応力が小さくなってク
ラックを生じにくくなる。上記理論密度比が80%以下
では、SiC粒子間に熱伝導を妨げる気孔が多くなり、
例えば、棚板にあっては機械強度が低下するばかりか、
この気孔を介してSiCの酸化が促進され、生成するS
iO2による体積膨張で棚板が損壊するため好ましくな
い。また、90%を超えると、粒界結合に係わるSiO
2 が不足し、強度が低下し、耐熱衝撃性の低下に至るの
で好ましくない。
耐火物全体の15.0重量%以下、好ましくは1.0〜
10重量%にするのがよい。SiC質耐火物では、該耐
火物を構成するSiC粒子のうちの大粒子表面の部分酸
化や微粒子の酸化によってSiO2 が生成し、このSi
O2 が原料中のカルシウムやバナジウム酸化物から成る
微量の金属酸化物フラックス(ガラス成分)と反応して
強固な粒界結合相を生じて結合する。この際、SiCの
酸化により生じたSiO2は、一部がガラス質からクリ
ストバライトに転移し副相として残存する。
(1000〜1600℃)とにおける熱膨張差が大きい
ので、昇温、冷却の繰り返しにより粒界結合相(副相)
にマイクロクラックを生じ易くなり、このマイクロクラ
ックは次第につながってSiC質耐火物自体を破壊する
に至り、例えば、棚板にあっては割れを生ずることにな
る。 従って、クリストバライトの総量を上記の値に制
御するのが好ましい。
明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものでは
ない。 (実施例1〜8)SiC質耐火物原料として、粒度8メ
ッシュ以下のSiC骨材粒子95重量%にベントナイト
を5重量%加え、これにCaCO3、V2O5、水分を各
々外配量で0.02重量%、0.45重量%、6重量%
添加して混練した。
さ)の形状に成形した後、乾燥させて水分を十分に除去
し、この成形体を900℃まで加熱して25時間保持し
て焼成した後、更に1450℃まで加熱し、10時間保
持して焼成を行い、理論密度比及びクリストバライト総
量を表1のように種々変化させたSiC質耐火物焼結体
を製作した。得られた該SiC質耐火物について、耐熱
衝撃性(耐スポール性)(△T700-RT)を測定した。そ
の結果を表1に示す。
0×350×10mm(厚さ)の原試料の中心部から、
20×20×10mm(厚さ)の試料を切り出したもの
を試料とし、特開平3−27791号公報記載の定量分
析方法に準拠して行った。すなわち、まず、上記所定形
状の試料を粒径200μm以下に打砕してふっ酸溶液中
に混在させ、予め求めておいたガラス質相を溶解するた
めの最適処理条件にてガラス質相を溶解処理した。次い
で、ガラス質相が分離された残渣を濾別し、この残渣を
再び新たな一定量のふっ酸溶液中に加えて、予め求めて
おいたクリストバライトを溶解するための最適条件にて
処理してクリストラバイトが分離された残渣を濾別し、
濾液中のSi量を吸光光度法により求め、SiO2 量に
換算してクリストバライト量とした。
0mm(厚さ)のSiC質耐火物焼結体を、その上に2
80×245×20mm(厚さ)のA12 O3 板を載置
した状態で、炉内に1時間保持した後、室温中に引き出
し、この際割れが生じるか否かによって破壊強度を求め
た。すなわち、割れが生じた温度を破壊温度とした。 (比較例1〜3)理論密度比及びクリストラバイト総量
を表1に示すような値にした以外は、実施例1〜8と同
じ操作を繰り返し、耐熱衝撃性の測定を行った。その結
果を表1に示す。
施例1〜8については優れた耐熱衝撃性を有しているこ
とが分かる。これに対して、比較例1、2では理論密度
比が低く、過酸化のためSiO2 (クリストバライト)
が気孔を埋め気孔率が減少している。気孔率が10%を
超えるとガラスによる酸化被膜が薄くなって、酸化が防
止できなくなり、耐酸化性に悪影響を及ぼす。また、比
較例3では嵩密度が高くなりすぎ、SiC粒界結合にあ
ずかるSiO2 が不足し、常温曲げ強度が低く、耐熱衝
撃性が低下する。
耐火物によれば、理論密度比及びSiC粒界結合部のク
リストバライトの総量を特定の範囲とすることにより、
曲げ強度等の機械的強度が大であるとともに、昇温、冷
却の繰り返し使用で長時間使用した場合においても、変
形や膨れがほとんどなく、割れ等も生じないという極め
て優れた耐熱衝撃性を有するSiC質耐火物を提供する
ことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 SiC質骨材粒子が60重量%以上で、
SiC粒界結合部が、SiCの酸化により生成したSi
O 2 がカルシウム及びバナジウム酸化物を含む微量の金
属酸化物フラックスと反応してなるSiO2質のSiC
質耐火物であって、理論密度比が80〜90%であり、
かつ、SiC粒界結合部に副相として存在するSiO 2
から一部転移したクリストバライトの総量がSiC質耐
火物全体の15.0重量%以下であることを特徴とする
SiC質耐火物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP04347858A JP3142402B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | SiC質耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04347858A JP3142402B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | SiC質耐火物 |
Publications (2)
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JPH06191944A JPH06191944A (ja) | 1994-07-12 |
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Family
ID=18393081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04347858A Expired - Fee Related JP3142402B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | SiC質耐火物 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (5)
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-
1992
- 1992-12-28 JP JP04347858A patent/JP3142402B2/ja not_active Expired - Fee Related
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