JPH10291865A - セラミックス薄板の製造方法 - Google Patents

セラミックス薄板の製造方法

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JPH10291865A
JPH10291865A JP9104129A JP10412997A JPH10291865A JP H10291865 A JPH10291865 A JP H10291865A JP 9104129 A JP9104129 A JP 9104129A JP 10412997 A JP10412997 A JP 10412997A JP H10291865 A JPH10291865 A JP H10291865A
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JP
Japan
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molded body
thin plate
green sheet
spacer
ceramic thin
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JP9104129A
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English (en)
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Noriyuki Matsukaze
紀之 松風
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原料費、工数等の増加を抑え、反りやうねりの
無い平坦なセラミックス薄板を容易に得られる方法を提
供する。 【解決手段】平均粒径2μmのAlN粉末Aからドクタ
ーブレード法により作製したグリーンシート成形体1
と、平均粒径1μmのAlN粉末Bからドクターブレー
ド法により作製したスペーサー成形体3とが焼成後にほ
ぼ同じ厚さになるように、グリーンシート成形体1より
厚く、収縮率がグリーンシート成形体1のそれよりも大
きいスペーサー成形体3を介して保持された上下の台板
4、2間にグリーンシート成形体1を置き、窒素雰囲気
中で1850℃×2時間、焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体チップを搭載す
る半導体装置用絶縁基板等に使用されるセラミックス薄
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体チップが搭載される半導体
パッケージ用の絶縁基板として、アルミナ(Al
2 3 )等の酸化物系セラミックス薄板、あるいは窒化
アルミニウム(以下AlNと略す)などの非酸化物系セ
ラミックス薄板が使用されている。その際に、セラミッ
クス薄板には、反りやうねりのない、高い平坦性が要求
される。
【0003】焼成前のセラミックス薄板であるグリーン
シートまたはそれを成形したグリーンシート成形体は、
各種製法によって作製されるが、その薄さのため焼成す
る際に、反りやうねりが発生する場合が多い。一般に、
平坦なセラミックス薄板を得るためには以下のような方
法が取られている。 一度焼成して得られたセラミックス薄板を、平坦な台
板上に載せ、上にもう一枚の台板を載せ荷重を加えなが
ら、一回または複数回の再焼成処理を行って、平坦化す
る方法。
【0004】グリーンシートを上下から台板で挟ん
で、焼成時の反りを防ぎ、1回の焼成によって作製する
方法。 予め所望の厚さ以上に焼成した厚いセラミックス薄板
を、機械的研磨によって、薄板にする方法。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような製造方法や反り矯正方法には、それぞれ以下のよ
うな問題点が挙げられる。 セラミックス中の組織内における粒成長を促進させ、
そのセラミックスが本来有する特性を抑制させる。ま
た、焼成が複数回必要となるため、工数増加、製造コス
ト増加の要因となる。
【0006】上部から荷重を加えて焼成を行う場合、
グリーンシートに含まれているバインダーを除去する工
程(この工程を脱脂工程と呼ぶ)において生じる反りな
どを防止するために、脱脂工程前から荷重を加える必要
がある。しかし、脱脂工程を行った焼成用試料は非常に
脆いため、上からの荷重などによる破損の確率が高くな
る。また、上からの荷重により、グリーンシートとそれ
を挟持する台板間で反応が生じ、両者の融着を引き起こ
し、焼成時の収縮により試料に割れなどが生じたりす
る。これらを防止するために、同一組成や反応性の低い
材質による敷き粉などの緩衝層を設けることもある。し
かし、その敷き粉は、焼成終了後除去する必要があり、
工数増加の一因となる。
【0007】研磨代を有する厚めの板材が必要なだけ
でなく、焼成後の研磨工程に多くの時間や労力を要し、
原料費、工数増加が避けられない。本発明は上記の問題
に鑑みなされたものであって、原料費、工数等の増加を
抑え、平坦なセラミックス薄板を容易に得られる方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明のセラミックス薄板の製造方法は、セラミックス
薄板の焼成前のグリーンシート成形体を、グリーンシー
ト成形体より厚く、収縮率がグリーンシート成形体のそ
れよりも大きいスペーサー成形体を介して保持された上
下の台板間に置き、台板間のスペース内で焼成し、グリ
ーンシート成形体とスペーサー成形体とが焼成後にほぼ
同じ厚さになるようにするものとする。
【0009】スペーサー成形体の厚さが、グリーンシー
ト成形体のそれよりも厚いものとすれば、厚さの差によ
り、グリーンシート成形体と上の台板間には空間を生じ
ている。この両者間の空間は、試料設置時はもちろんの
こと、脱脂時も保持される。これにより、試料設置時や
脱脂時にグリーンシート成形体には荷重が掛かることが
無く、割れなどの事態を避けることが可能である。
【0010】また、焼成温度におけるスペーサー成形体
の収縮率が、グリーンシート成形体のそれよりも大き
く、グリーンシート成形体とスペーサーとが焼成後にほ
ぼ同じ厚さになるようにするものとすれば、グリーンシ
ート成形体と上の台板間には空間は、徐々に減少し、上
の台板がグリーンシート成形体に接するようになるの
で、反りを生じない。
【0011】セラミックス薄板のグリーンシートが、押
出成形法、ドクターブレード法、鋳込み成形、射出成
形、プレス成形法のいずれによるものであってもよい。
また、セラミックス薄板の材料がアルミナ、ジルコニア
のような酸化物系セラミックス、AlNまたは窒化珪素
のような非酸化物系セラミックスのいずれかであっても
よい。
【0012】上記いずれの方法、何れの材料であって
も、厚さおよび収縮率に関して、他の材料やプロセスの
条件設定によって制御することが可能である。例えば、
原料粉末の粒度や、圧縮する圧力等を変えることによ
り、制御することが可能である。酸化物系セラミックス
については、焼成雰囲気を酸化性として、材料の安定化
を図り、非酸化物系セラミックスについては、焼成雰囲
気を不活性のものとして、材料の酸化を防止する。特に
空気や窒素であれば、容易に調製できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら本発明の
実施の形態について説明する。なお以下に示す混合比
は、質量%で表したが、重量%でも同じである。最初
に、一例としてドクターブレード法によるセラミックス
薄板の製造方法を説明する。
【0014】まず、平均粒径2μmの窒化アルミニウム
(以下AlNと記す)粉末Aにイットリアを5%添加し
て、さらにバインダーとしてポリビニルブチラール(以
下PVBと記す)を10%、溶剤としてキシレン混合
液、可塑剤としてフタル酸ジオクチル(以下DOPと記
す)を添加して約24時間混合した後、ドクターブレー
ド法によりシート状に成形してグリーンシートを得た。
次にそのグリーンシートをプレス加工により、所定の形
状に型抜きしたグリーンシート成形体を作製する。
【0015】一方、スペーサ材用に、平均粒径1μmの
AlN粉末Bを出発原料として、同様の条件下でドクタ
ーブレード法によって成形したスペーサシートを得、プ
レス加工により、所定の形状に型抜きしスペーサ成形体
を作製する。次に、そのグリーンシート成形体およびス
ペーサ成形体を、例えば、窒化ほう素(以下BNと記
す)の台板上に載せ、酸化雰囲気中で700℃に昇温加
熱し、成形体中のバインダーを除去する。更に、その成
形体を、常圧の窒素あるいは窒素を含むアルゴンの不活
性雰囲気中で、温度1800℃以上で焼成してセラミッ
クス薄板の焼結体を得る。
【0016】[実験1]まず最初に、各シートの焼成温
度における挙動を調べるために、1800〜1875℃
の範囲で各シート単独で焼成を行った。図3は各温度に
おける収縮率を調べた結果である。横軸は焼成温度、縦
軸は収縮率である。AlN粉末Aのグリーンシートの収
縮率は、11〜16%であるのに対し、AlN粉末Bの
スペーサシートの収縮率は28%と、各焼成温度におい
て粉末Aのそれを大きく上回っており、本発明用のスペ
ーサーとしての条件を満たしていることが分かる。
【0017】[実施例1]まず、上述のドクターブレー
ド法により作製したAlN粉末Aのグリーンシート(厚
さ:0.6mm)をプレス加工により、所定の形状(5
0mm×20mm)に型抜きしたグリーンシート成形体
を作製する。一方、同様にしてスペーサ材としてAlN
粉末Bのスペーサシート(厚さ:0.7mm)を得、プ
レス加工により、所定の形状に型抜きしスペーサ成形体
を作製する。これらの厚さは、目的の厚さ(この場合約
0.5mm)に対して、図3に示した焼成時の収縮率を
見込んで設定している。
【0018】図1および図2(a)、(b)は、それぞ
れ本発明のセラミックス薄板の製造方法を説明する斜視
図と、断面図である。図1のように、BNの台板2上
に、スペーサ成形体3を並べ、その間にグリーンシート
成形体1を配置し、スペーサ成形体3の上に台板4を置
く。この時、台板2上には敷き粉等は特に必要ではな
い。
【0019】図2(a)は、焼成前の断面図である。ス
ペーサ成形体3は、グリーンシート成形体1より厚いた
め、台板4はスペーサ成形体3で支えられていて、グリ
ーンシート成形体1と台板4との間には、空間5があ
る。この状態で、酸化雰囲気中で約700℃に昇温加熱
し、成形体中のバインダーを除去する。空間5は、試料
設置時はもちろんのこと、脱脂時も保持される。これに
より、試料設置時や脱脂時にグリーンシート成形体1に
は荷重は掛かることなく、反りを生じた場合も割れなど
の事態を避けることが可能である。更に、常圧の窒素雰
囲気中で、温度1850℃×2時間焼成した。
【0020】図2(b)は、焼成後の断面図である。ス
ペーサ焼成体3aは、グリーンシート焼成体1aとほぼ
同じ厚さになっている。グリーンシート焼成体1aの上
方には空間が無くなり、台板4はスペーサ焼成体3aと
グリーンシート焼成体1aとで支えられている。図4の
収縮率によって、収縮するので、グリーンシート成形体
の焼成体1aの厚さは0.6×0.84=0.504m
mとなり、またスペーサ成形体の焼成体3aの厚さも
0.7×0.72=0.504mmとなって、目的とし
た厚さが実現されていることがわかる。
【0021】焼成後のAlN薄板はほぼ平坦であった。
表面粗さ計で平坦度を測定した結果は、x方向(長さ5
0mm)で最大20μm、y方向(幅20mm)で6μ
mであった。また、このAlN薄板上に、直接厚さ0.
3mmの銅板を接合することができた。なお、比較のた
め、本発明の焼成方法を用いずに、BNの台板上にグリ
ーンシート成形体だけを載せた状態で焼成し、比較試料
を作製したが、その比較試料では長さ方向で1mm以上
の反りが発生した。
【0022】本発明の製造方法によれば、ドクターブレ
ード法に限らず、押出成形法、鋳込み成形法等の湿式成
形と言われるプロセスによって成形されたグリーンシー
ト成形体を平坦に焼成することが可能であった。 [実施例2]平均粒径2μmのAlN粉末Aにイットリ
アを5%添加して、さらにバインダーとしてPVBを5
%、溶剤としてIPAを添加して約24時間混合した
後、スプレードライ法により、直径50〜100μmの
造粒を行った。これらの造粒粉末を、超鋼製の金型を用
いて、約1×108 Paの成形圧力で圧縮し、30mm
×60mm(厚さ:0.9mm)の成形体を作製した。
【0023】一方、スペーサー材は同じAlN粉末Aを
出発原料として同様の条件下で厚さ1.0mmに作製し
た。ただし、成形圧力は約5×107 Paとした。実験
1と同様にして、各温度における収縮率を検討した結
果、焼成用試料は16%、スペーサーは24%であった
ので、目的の厚さ(この場合約0.75mm)に対し
て、それらの収縮率を見込んで設定した。
【0024】成形体とスペーサー材とを、図1のように
BNの台板に載せ、実施例1と同様にして、脱脂、焼成
をおこなった。この場合も、スペーサ成形体は収縮率が
大きいので、焼成後は、グリーンシート成形体とほぼ同
じ厚さになり、台板はスペーサ焼成体とグリーンシート
焼成体とで支えられていた。この場合は、グリーンシー
ト焼成体の厚さは、0.9×0.84=0.756mm
となり、またスペーサ焼成体の厚さは、1.0×0.7
6=0.76mmとなる。
【0025】焼成後のAlN薄板はほぼ平坦であり、直
接銅板を接合することが可能であった。このように乾式
製法であるプレス成形法においても、本発明が適用で
き、平坦なセラミックス薄板が容易に得られた。しか
も、プレス成形法の場合、実施例1の場合と異なり、一
種類のAlN粉末だけを用いて、その成形圧力によって
成形体の充填率を変えることができ、その結果、収縮率
を制御することが可能である。
【0026】なお、上記の実施例では、セラミックス薄
板もスペーサーもAlNの例を取り上げたが、スペーサ
ーは焼成する試料組成と同一である必要はなく、焼成す
る材料によって適切な条件を有するものを選択すること
が可能である。試料汚染の問題から、同一材料という条
件の場合ならば、原料粉末の粒度を細かくしたり、成形
圧力を変えたり、プロセスの条件設定によって厚さおよ
び収縮率の制御が可能である。
【0027】また、セラミックス薄板の材料がアルミ
ナ、ジルコニア等の酸化物系セラミックスの場合には、
空気等、酸化性の雰囲気で、窒化アルミニウムまたは窒
化珪素等の非酸化物系セラミックスの場合には、窒素等
の不活性ガス雰囲気で焼成すればよい。なお、前記の材
料組成で添加した5%のイットリアは、AlNの焼結助
剤として添加したものであり、イットリア以外に、カル
シア、マグネシア、セリア、酸化マンガンおよびシリカ
のうち、一種類または複数種類添加しても同様の焼結と
しての効果が得られることが確認されている。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、グ
リーンシート成形体より厚く、収縮率が大きいスペーサ
ー成形体を介して保持された上下の台板間にグリーンシ
ート成形体を置き、両台板間で焼成することによって、
従来のように複数回の焼成や、厚板の機械的な研磨等を
することなく、容易に、歩留り良く、反りやうねりの無
い平坦な低コストのセラミックス薄板を得ることができ
る。
【0029】特に、同一材料のスペーサー成形体を用
い、プロセス条件により収縮率を制御することによっ
て、汚染の問題も回避できる。このセラミックス薄板
は、半導体チップを搭載する個別素子パッケージ、IC
パッケージ、ハイブリッドIC回路基板などに適用でき
る。更に、実施例にも示したように、銅の薄板を接合す
ることができるので、放熱性の高いCBC(Ceramic Bo
nding Copper Substrate)基板が得られ、特にパワート
ランジスタモジュールなどのパワー半導体装置の小型
化、低コスト化並びに電流容量の増大化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるセラミックス薄板の製造方法を示
す斜視図
【図2】(a)、(b)は、それぞれ焼成前、焼成後の
断面図
【図3】実施例1におけるAlN粉末A、Bの焼成温度
と収縮率との関係を表す図 1 グリーンシート成形体 1a グリーンシート焼成体 2 台板 3 スペーサー成形体 3a スペーサー焼成体 4 台板 5 空間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス薄板の焼成前のグリーンシー
    ト成形体を、グリーンシート成形体より厚く、収縮率が
    グリーンシート成形体のそれよりも大きいスペーサー成
    形体を介して保持された上下の台板間に置き、両台板間
    で焼成し、グリーンシート成形体とスペーサー成形体と
    が焼成後にほぼ同じ厚さになるようにすることを特徴と
    するセラミックス薄板の製造方法。
  2. 【請求項2】セラミックス薄板のグリーンシートが、押
    出成形法、ドクターブレード法、鋳込み成形、射出成
    形、プレス成形法のいずれかによるものであることを特
    徴とする請求項1記載のセラミックス薄板の製造方法。
  3. 【請求項3】セラミックス薄板の主材料が酸化物系セラ
    ミックスであることを特徴とする請求項1または2に記
    載のセラミックス薄板の製造方法。
  4. 【請求項4】セラミックス薄板の主材料が非酸化物系セ
    ラミックスであることを特徴とする請求項1または2に
    記載のセラミックス薄板の製造方法。
  5. 【請求項5】焼成雰囲気が空気であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載のセラミックス薄板
    の製造方法。
  6. 【請求項6】焼成雰囲気が不活性ガスであることを特徴
    とする請求項1、2または4のいずれかに記載のセラミ
    ックス薄板の製造方法。
  7. 【請求項7】スペーサーが焼成する試料と同一の主材料
    を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか
    に記載のセラミックス薄板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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