JP2004250241A - 焼成用セッター及び焼成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼成工程における焼成体の変形が少なく、焼成体の汚染がなく、かつ、焼成体との溶着がない焼成用セッター、及びそれを用いた焼成方法を提供すること。
【解決手段】焼成用セッター10の焼成体の載置面に、幅が0.2〜1.5mm、深さが焼成用セッター厚みの10〜30%の溝11を、平行に形成したことを特徴とする焼成セッター10を用いる。また、焼成用セッター10の材質は、アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニアなどのセラミックス、またはこれらを主成分とする複合材料からなることを特徴とする。また、焼成セッター10の厚みは、0.5〜5.0mmの範囲内とする。以上の焼成用セッター10を用いて、電子部品用セラミックス成形体などを焼成することで、焼成体の汚染、変形、焼成用セッター10との溶着を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックスからなる電子部品などの焼成に好適な、焼成用セッター及びそれを用いた焼成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層コンデンサや高電圧コンデンサなどを含むセラミックスコンデンサ、積層圧電トランスや積層圧電アクチュエータ及び圧電振動子などを含む圧電セラミックスには、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)などの酸化物、あるいは、これらの複合体が用いられている。
【0003】
これらの電子部品は、原料を秤量し、混合、仮焼、粉砕、成形し、焼成用セッターに載置し、800〜1400℃で焼成することで、セラミックスの素地を作り、これに電極を形成することによって素子が製造され、最終的に電子部品となる。
【0004】
近年、AV機器、OA機器、家電製品の小型化が求められ、それに伴い、電子部品の小型化、薄型化が進んでおり、焼成工程における焼成体の変形、焼成体と焼成用セッターの接触による焼成体の汚染、焼成体と焼成用セッターの溶着による不良品の発生が大きな問題になっている。
【0005】
また、原料粉末の成形にバインダーを用いた場合は、焼成工程に先立って脱バインダー処理を行うこともあるが、成形体を焼成用セッターに載置して脱バインダーを施し、そのまま、焼結工程に供することがほとんどである。従って、前記の不良発生の一因は、脱バインダー工程にもある。
【0006】
この対策の一つとして、焼成用セッターの上に、焼成体と反応し難いセラミックス粉末を敷粉として敷き、焼成する方法が行われている。しかし、この方法では、焼成物の変形を解消することができない。また、焼成体表面に敷粉が溶着することがあるため、敷粉の除去が困難となったり、焼成体表面に敷粉の跡が付いたりするため、表面研磨仕上げが必要となるなどの問題が生じている。
【0007】
一方、焼成体と焼成用セッターの接触を点接触に近づけることで、前記の問題に対処する方法として、下記特許技術1が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−79852号公報
【0009】
前記特許文献1には、厚みが0.5mmから5mmの範囲内にあり、理論密度の95%以上に相当する焼結体密度を有し、焼成体との接触面に、種々の形状の独立した陥没が形成されたことを特徴とする、焼成用セッターが開示されている。
【0010】
前記特許技術で得られる焼成用セッターには、前記のように陥没が形成されているので、平板形状の焼成用セッターに比較して、焼成体との接触を、点接触に近づけることが可能である。しかしこの方法では、焼成体の汚染、焼成体と焼成用セッターの溶着を防ぐことはできるが、焼成体の変形を低減することはできない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の技術的な課題は、焼成工程における焼成体の変形が少なく、焼成体の汚染がなく、かつ、焼成体との溶着がない焼成用セッター、及びそれを用いた焼成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題解決のため、焼成用セッターにおける、焼成体の載置面の構造を検討した結果なされたものである。
【0013】
即ち、本発明は、脱バインダー及び焼成の少なくともいずれかの工程で、粉末とバインダー、または粉末からなる成形体を載置する焼成用セッターにおいて、前記成形体との接触面に、幅が0.2〜1.5mm、深さが前記焼成用セッターの厚みの10〜30%の、複数の溝を形成したこと特徴とする焼成用セッターである。
【0014】
また、本発明は、厚みが0.5〜5.0mmの範囲内にあることを特徴とする、前記の焼成用セッターである。
【0015】
また、本発明は、セラミックスからなることを特徴とする、前記の焼成用セッターである。
【0016】
また、本発明は、前記セラミックスが、アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニアから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする、前記の焼成用セッターである。
【0017】
また、本発明は、前記の焼成用セッターに、前記成形体を載置して焼成することを特徴とする焼成方法である。
【0018】
本発明の焼成用セッターは、焼成体との接触面に溝が形成されているため、焼成体を載置した際、焼成体と焼成用セッターが点接触に近い状態となる。従って、焼成用セッターと焼成体との界面における熱の伝導がなく、焼成体が均一に加熱され、焼成用セッター上での温度差による焼成体の焼成のむらが生じない。また、焼成用セッター上での焼成体の安定性も確保できる。
【0019】
その結果、焼成時の焼成体の変形が少なく、焼成温度が高い場合でも、焼成体と焼成用セッターの溶着が生じ難い。一方、焼成用セッターの表面側には、敷粉や焼成体の溶着物などがなくなる。
【0020】
また、本発明の焼成用セッターを用いた場合、陥没が設けられた前記特許文献1に開示された焼成用セッターを用いた場合と異なり、脱バインダー工程で、バインダーの分解で生じたガスが、焼成体全体の表面から拡散する。陥没の加工が施されたセッターでは、陥没の上に成形体を配置すると、焼成体の周囲が陥没によって閉塞された状態に近くなるため、バインダーの分解ガスの拡散が妨げられ、焼成工程での焼成むらや変形の発生に繋がる。
【0021】
本発明による溝加工が施された焼成用セッターでは、焼成体表面が雰囲気に開放されているので、バインダーの分解ガスの拡散が容易で、その結果、焼成体の変形が少なくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記焼成用セッターを用いて、電子部品用などのセラミックス成形体を焼成することを特徴とする。適用の対象となるのは、主に、セラミックスコンデンサ、圧電アクチュエータ、圧電トランス、圧電振動子などで、形状については特に制限がない。また、積層部品、単板部品に関係なく焼成することができる。以下、本発明の焼成用セッターが充足すべき要件について、詳細に説明する。
【0023】
焼成用セッターの厚みとしては、0.5〜5.0mmの範囲内とする。また、セッターの材質としては、アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニアなどのセラミックス、またはこれらを主成分とする複合材料とする。セッターの焼成体密度は、その材質における理論密度95%以上が好ましい。
【0024】
厚みを前記のように限定する理由は、一般にセラミックスは脆弱であり、0.5mm未満の厚みでは、強度が不十分で、使用中の破損が頻発するからであり、5.0mmを超えると重量増加による取扱性低下などが生じるからである。また、焼成体密度を前記のように限定する理由も同様であり、焼成体密度が低いと十分な機械的強度が得られないからである。さらに、用いる材質を前記のように限定したのは、焼成用セッターの耐熱性を確保するためである。
【0025】
焼成用セッターの表面の溝としては、幅0.2mm〜1.5mm、深さは焼成用セッター厚みの10〜30%とする。幅を前記のように限定したのは、0.2mm未満では、溝がその機能を十分に発現しないからであり、1.5mmを超えると、特に小型の焼成体では、焼成体の一部または全体が溝に陥没してしまうからである。
【0026】
溝の深さを前記のように限定したのは、焼成用セッターの厚みにもよるが、10%未満では、溝の機能を十分に発現できないからであり、30%を超えると、焼成用セッターの機械的強度の低下を引き起こすからである。
【0027】
また、溝は焼成用セッター表面に、平行に複数形成するのが好ましく、溝の間隔は0.2〜1.5mmとするのが好ましいが、溝の間隔は、焼成体の大きさや溝の深さや断面形状によって、適宜選択する。
【0028】
図1は、本発明の焼成用セッターで、断面がV字形状の複数の溝を、一方向に、ほぼ平行に設けた例を示す図である。図1において、10は焼成用セッター、11は溝を示す。
【0029】
また、図2は、本発明の焼成用セッターで、断面がV字形状の複数の溝を、二方向に直交させた状態で、ほぼ平行に設けた例を示す図である。図2において、20は焼成用セッター、21は溝を示す。
【0030】
図1、図2に示したように、溝は一方向また二方向、いずれに設けてもよいが、二方向に設けた場合は、焼成体の一部または全体が、溝に陥没する虞が確率的に増加する。従って、溝の配置は、焼成体の大きさ、溝の深さ、溝の間隔によって適宜選択する必要がある。
【0031】
【実施例】
次に、具体的な実施例に基づき、本発明について、さらに詳しく説明する。
【0032】
(実施例1)
本発明の第1の実施例として、本発明の焼成用セッターを、積層圧電トランスに適用した場合について説明する。まず、圧電セラミックスの原料粉末を得るため、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン粉末をボールミルで40時間湿式混合し、脱水乾燥後、850℃で2時間仮焼を行った。仮焼後、ボールミルで40時間湿式粉砕した。
【0033】
粉砕後、脱水乾燥し、粗粉砕して原料粉末を作製した。原料粉末と有機溶剤、可塑剤、分散剤、バインダーを撹絆混合してスラリーを作製し、ドクターブレードを用いて厚み60μmのグリーンシートを作製した。成膜したシートの表面に銀−パラジウム電極ペーストを印刷し、その後、シートを50枚積層して熱プレス成形を行い、シートを密着させた。
【0034】
プレス成形後、成形体を切断し、45×5×3mmの直方体の積層圧電トランス素子を得た。得られた積層圧電トランス素子を脱バインダー処理後、焼成することで積層圧電トランス焼成体が得られた。
【0035】
図3は、脱バインダー工程、及び焼成工程における、成形体または焼成体と焼成用セッターの配置を示す図である。図3において、30は焼成用セッターで、材質はジルコニアである。また、31は焼成体、32はブロック、33、35は匣鉢、34、36は蓋である。ブロック32、匣鉢焼成物33、35、蓋34、36はそれぞれアルミナならなる。
【0036】
図1に示したように、本実施例では、焼成体31を焼成用セッター30の上に、溝の深さ方向に対して垂直に置く。焼成用セッター30は、内側の匣鉢33と、焼成用セッター30の間に、ブロック32を置くことで、匣鉢33の底との間に空間を設けた状態で配置し、内側の蓋34で開口部を閉じる。
【0037】
さらに内側の匣鉢33を、外側の匣鉢35に装入し、外側の蓋36で開口部を閉じる。なお、焼成用セッター30、ブロック32、匣鉢33、35、蓋34、36の材質は、前記のジルコニアやアルミナに限定されるものではない。
【0038】
本実施例では、幅1.0mm、深さ1.0mmの溝が、焼成体載置面全体に、1.0mmの間隔で平行に施された、厚み5.0mmのジルコニア製の焼成用セッターを用いた。この焼成用セッターの上に原料粉末の成形体を60個載置し、500℃で脱バインダー処理を行った。その後、焼成炉で、温度が1100℃、保持時間が2時間という条件で焼成した。
【0039】
その結果、焼成体の汚染がなく、焼成体と焼成用セッターとの溶着は認められなかった。また、焼成体の反りの大きさが、焼結体の寸法に対して5%以上のものは、2個であった。
【0040】
(実施例2)
次に、第2の実施例について説明する。第1の実施例と同条件で成形体の切断までを行った。幅が1.0mm、深さが0.5mmの溝が、成形体の載置面全体に、1.0mmの間隔で平行に設けられた、厚み5.0mmのジルコニア製の焼成用セッターの上に、成形体を60個載置し、500℃で脱バインダー処理を行った。その後、焼成炉で、温度が1100℃、保持時間が2時間という条件で焼成した。
【0041】
その結果、焼成体の汚染が発生したものはなく、焼成体と焼成用セッターとの溶着が見られたものもなかった。また、焼成体の反りの大きさが、焼成体の寸法に対して5%以上のものは2個であった。
【0042】
(実施例3)
次に、第3の実施例について説明する。第1の実施例と同条件で成形体の切断までを行った。幅が1.0mm、深さが1.5mmの溝が、成形体の載置面全体に、1.0mmの間隔で平行に設けられた、厚み5.0mmのジルコニア製の焼成用セッターの上に、成形体を60個載置し、500℃で脱バインダー処理を行った。その後、焼成炉で、温度が1100℃、保持時間が2時間という条件で焼成した。
【0043】
その結果、焼成体の汚染が発生したものはなく、焼成体と焼成用セッターとの溶着が見られたものもなかった。また、焼成体の反りの大きさが、焼成体の寸法に対して5%以上のものは3個であった。
【0044】
(実施例4)
次に、第4の実施例について説明する。第1の実施例と同条件で成形体の切断までを行った。幅が0.2mm、深さが1.0mmの溝が、成形体の載置面全体に、1.0mmの間隔で平行に設けられた、厚み5.0mmのジルコニア製の焼成用セッターの上に、成形体を60個載置し、500℃で脱バインダー処理を行った。その後、焼成炉で、温度が1100℃、保持時間が2時間という条件で焼成した。
【0045】
その結果、焼成体の汚染が発生したものはなく、焼成体と焼成用セッターとの溶着が見られたものもなかった。また、焼成体の反りの大きさが、焼成体の寸法に対して5%以上のものは2個であった。
【0046】
(実施例5)
次に、第5の実施例について説明する。第1の実施例と同条件で成形体の切断までを行った。幅が1.5mm、深さが1.0mmの溝が、成形体の載置面全体に、1.0mmの間隔で平行に設けられた、厚み5.0mmのジルコニア製の焼成用セッターの上に、成形体を60個載置し、500℃で脱バインダー処理を行った。その後、焼成炉で、温度が1100℃、保持時間が2時間という条件で焼成した。
【0047】
その結果、焼成体の汚染が発生したものはなく、焼成体と焼成用セッターとの溶着が見られたものもなかった。また、焼成体の反りの大きさが、焼成体の寸法に対して5%以上のものは3個であった。
【0048】
次に、比較例として、溝加工を施していない焼成用セッターを用いた場合と、溝の寸法を、幅が0.2mm未満または、1.5mmを超える範囲とし、深さを焼成用セッター厚みの10%未満または30%を超える範囲に設定した場合について説明する。
【0049】
(比較例1)
まず、第1の比較例について説明する。第1の実施例と同条件で成形体の切断までを行った。表面に溝のない厚み5.0mmのジルコニア製の焼成用セッターの上に、ジルコニア粉末を敷粉として敷き、その上に成形体を60個載置し、500℃で脱バインダー処理を行った。その後、焼成炉で、温度が1100℃、保持時間が2時間という条件で焼成した。
【0050】
その結果、焼成体の汚染が発生したものが2個、焼成体と焼成用セッターとの溶着が見られたものが3個あった。また、また、焼成体の反りの大きさが、焼成体の寸法に対して、5%以上のものは12個であった。
【0051】
(比較例2)
次に、第2の比較例について説明する。第1の実施例と同条件で成形体の切断までを行った。幅が1.0mm、深さが0.1mmの溝が、成形体の載置面全体に1.0mmの間隔で平行に設けられた、厚み5.0mmのジルコニア製の焼成用セッターの上に、成形体を60個載置し、500℃で脱バインダー処理を行った。その後、焼成炉で、温度が1100℃、保持時間が2時間という条件で焼成した。
【0052】
その結果、焼成物の汚染が発生したものはなく、焼成物と焼成用セッターとの溶着が見られたものが1個あった。また、焼成物の反りの大きさが、焼成体の寸法に対して5%以上のものは11個であった。
【0053】
(比較例3)
次に、第3の比較例について説明する。第1の実施例と同条件で成形体の切断までを行った。幅が1.0mm、深さが2.5mmの溝が、成形体の載置面全体に、1.0mmの間隔で平行に設けられた、厚み5.0mmのジルコニア製の焼成用セッターの上に、成形体を60個載置し、500℃で脱バインダー処理を行った。その後、焼成炉で、温度が1100℃、保持時間が2時間という条件で焼成した。
【0054】
その結果、焼成体の汚染が発生したものはなく、焼成体と焼成用セッターとの溶着が見られたものもなかった。また、焼成体の反りの大きさが、焼成体の寸法に対して5%以上のものは5個であった。しかし、この焼成用セッターは機械的強度に問題があり、繰り返し使用するのは困難であった。
【0055】
(比較例4)
次に、第4の比較例について説明する。第1の実施例と同条件で成形体の切断までを行った。幅が0.1mm、深さが1.0mmの溝が、成形体の載置面全体に、1.0mmの間隔で平行に設けられた、厚み5.0mmのジルコニア製の焼成用セッターの上に、成形体を60個載置し、500℃で脱バインダー処理を行った。その後、焼成炉で、温度が1100℃、保持時間が2時間という条件で焼成した。
【0056】
その結果、焼成体の汚染が発生したものが1個あり、焼成体と焼成用セッターとの溶着が見られたものは2個あった。また、焼成体の反りの大きさが、焼成体の寸法に対して5%以上のものは10個であった。
【0057】
(比較例5)
次に、第5の比較例について説明する。第1の実施例と同条件で成形体の切断までを行った。幅が2.0mm、深さが1.0mmの溝が、成形体の載置面全体に、1.0mmの間隔で平行に設けられた、厚み5.0mmのジルコニア製の焼成用セッターの上に、成形体を60個載置し、500℃で脱バインダー処理を行った。その後、焼成炉で、温度が1100℃、保持時間が2時間という条件で焼成した。
【0058】
その結果、焼成体の汚染が発生したものが1個あり、焼成体と焼成用セッターとの溶着が見られたものもなかった。また、焼成体の反りの大きさが、焼成体の寸法に対して5%以上のものは8個であった。
【0059】
表1は、前記実施例と比較例の結果をまとめて示したものである。
【0060】
【表1】
Figure 2004250241
【0061】
表1によれば、実施例では、焼成体の汚染、溶着、反りが少ない結果が得られている。これに対し、比較例では、溝のない焼成用セッターでは汚染や溶着が発生し、溝を設けた焼成用セッターを用いたものでも、汚染や溶着は見られないものの、反りの発生が実施例に比較すると非常に多くなっていることが明瞭である。
【0062】
なお、特に具体的な実施例を示さなかったが、本発明による焼成用セッターは、セラミックスの焼成体の他に、金属粉末成形体の焼成に用いることも可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の焼成用セッターと、それを用いた焼成方法により、焼成体の変形、焼成体の汚染、焼成体と焼成用セッターの溶着を抑えることができることがわかる。本発明の焼成用セッターを用いると、敷粉を用いる必要がないため、焼成体に敷粉が付着することもなく、焼成体表面に敷粉の跡が付くこともない。
【0064】
従って、本発明の焼成用セッターを用いれば、セラミックス製品の製造工程の中で、脱バインダーや焼成の工程で発生する、変形など不良を低減することが可能となり、研磨加工などの仕上工程の工数削減にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼成用セッターで、断面がV字形状の複数の溝を、一方向に、ほぼ平行に設けた例を示す図。
【図2】本発明の焼成用セッターで、断面がV字形状の複数の溝を、二方向に直交させた状態で、ほぼ平行に設けた例を示す図。
【図3】脱バインダー工程、及び焼成工程における、焼成体と焼成用セッターの配置を示す図。
【符号の説明】
10,20,30 焼成用セッター
11,21 溝
31 焼成体
32 ブロック
33,35 匣鉢
34,36 蓋

Claims (5)

  1. 脱バインダー及び焼成の少なくともいずれかの工程で、粉末とバインダー、または粉末からなる成形体を載置する焼成用セッターにおいて、前記成形体との接触面に、幅が0.2〜1.5mm、深さが前記焼成用セッターの厚みの10〜30%の、複数の溝を形成したこと特徴とする焼成用セッター。
  2. 厚みが0.5〜5.0mmの範囲内にあることを特徴とする、請求項1に記載の焼成用セッター。
  3. セラミックスからなることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の焼成用セッター。
  4. 前記セラミックスは、アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニアから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項3に記載の焼成用セッター。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の焼成用セッターに、前記成形体を載置して焼成することを特徴とする焼成方法。
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