JP2013203597A - 窒化アルミニウム焼結基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 窒化アルミニウム焼結基板であり、焼成後、未加工の状態において、図1に示すように、基板全体の反りが5μm/インチ以下であり、且つ、周辺から5mm以内の範囲における外周部の反りの絶対値が最大で10μm以下、平均で6μm以下、更には表面荒さ(Ra)が、0.1〜0.2μmの範囲にあることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明における窒化アルミニウム焼結基板は焼成後、未加工の状態において、基板全体の反りが5μm/インチ以下、特に、4μm以下であり、且つ周辺から5mm以内の範囲における外周部の反りの絶対値が最大で10μm以下、平均で6μm以下、特に、4μm以下、更には、表面荒さ(Ra)が、0.1〜0.2μmの範囲にあるという特徴を有する。
また、基板の端部反りは、前記未加工の焼結基板を、図1に示すように、平坦なガラス基板上に置き、デジマチックインジケータ(商品名 株式会社ミツトヨ製)を用い、基板外周部から5mmの位置の高さゼロとし、そこから外周部に向かって針を走査した時の最大値(絶対値)を端部反りと定義している。
本発明は、後述する特定の製造方法を採用することによって、未加工従来の基板においては、表・裏面を重ねて積層体を作製し重石を載せた状態であってもの端部反りが20μm程度あるものが半数を占めていたのに対し、本基板においてはその半分以下である6μm以下にすることが可能となった。
本発明の窒化アルミニウム焼結基板の製造方法は、特に制限されるものではないが、代表的な製造方法を示せば、D50が0.8〜1.2μm、D90/D10が4以下、タップ嵩密度が0.9g/cm3以上の窒化アルミニウム粉末を使用し、該窒化アルミニウム粉末を有機バインダーと有機溶剤とを含み、TI値(η(10S−1)/η(0.01S−1))が、2〜4の範囲となるように調整された窒化アルミニウムスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形した後、脱脂、焼成する方法が挙げられる。
上記製造方法において、D50が0.8〜1.2μm、D90/D10が4以下、タップ嵩密度が0.9g/cm3以上である窒化アルミニウム粉末を使用することが必要である。本発明の趣旨である反りの少ない基板を得るためには、グリーンシートの面方向及び断面方向の収縮が均一に起こることが必要であり、その為には、AlN粒子がグリーンシートの面方向及び断面方向に均一に充填されているというシート構造を達成する必要がある。
前記シート構造を達成するためには、原料である窒化アルミニウム粉末は凝集粒が少なく、粒度分布がシャープで、また角が丸い形状、好ましくは、角が無い球形状であることが好ましい。即ち、窒化アルミニウム粉末において粒子の形状が角ばっている場合は、全体として粒子の充填性が低下するとともに、充填性の差が生じ易い。
上記TI値は、以下の式でと表わされ、1に近いほどニュートン流動になり、TI値が大きくなるほど構造粘性が高い。
なお、N2>N1である。本発明においては沈降などの現象が起こる0.01S−1から、スラリーがブレード通過時にかかるせん断速度である10S−1の範囲から求めたTI値を指標としており、この値を前記範囲に調製することが、均一な粒子充填率を有する成形体を得る上で重要である。即ち、TI値(η(10S−1)/η(0.01S−1))が2よりも小さい場合、グリーンシートの密度は比較的高く、ボイドは少ないものの、原料として使用した窒化アルミニウム粒子の内比較的粒度の大きい粒子が下に、小さい粒子が上に偏る傾向にあり、シート断面方向で焼結性に差が生じるため、反り増大の原因となる。これは、TI値(η(10S−1)/η(0.01S−1))が2よりも小さい場合にはニュートン流動に近い為、粒子沈降が起こりやすくストークスの方式に従って、粒度の大きいものが優先的に沈降するためと推定する。また、流動性が高すぎるとシート幅の制御が困難となり歩留まりに悪影響を与えるため望ましくない。一方でTI値(η(10S−1)/η(0.01S−1))が4よりも大きい場合は、シート上面方向の粒子充填率が下面よりも低く、シート全体で均一な粒子充填状態を達成することができず、反りの低減が達成できない。TI値(η(10S−1)/η(0.01S−1))が4よりも大きいスラリー中で窒化アルミニウム粒子が凝集している事を意味し、更に沈降も遅く、凝集粒がシート上面に偏るため、シート断面方向に粒子充填むらが発生すると考えられる。
1)粒度分布
日機装製MICROTRACK−HRAを用いて、レーザー回折法により求めた。水90mlに対し、5%ピロリン酸ソーダ水溶液を加えた溶液の中に窒化アルミニウム粉末を加え、これをホモジナイザーにて出力200mA,3分間分散させたものを測定した。前記方法からD90を求めた。なお、データは個数分布である。
JIS:R1628(−1997)を用いて求めた。
島津製作所製流動式表面積自動測定装置フローソーブ2300形を用いてN2吸着によるBET法により求めた。
(株)堀場製作所製 酸素・窒素同時分析装置(EMGA−620W/C)を用いて、不活性ガス中でインパルス加熱融解法によりAlNを融解して抽出された酸素を一酸化炭素の形態として、この一酸化炭素を非分散赤外線検出器にて測定した。キャリアガスとしてHeガス(純度:99.995%以上)を用いた。
ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製 レオメーター AR−2000exを用いて、23℃にてスラリーのフローカーブを測定し、せん断速度TI値10S−1及びせん断速度0.01S−1の粘度を測定し、その比率(η(10S−1)/η(0.01S−1))からTI値を求めた。
成形前のスラリー粘度は東機産業株式会社製B型粘度計 TVB−10を用いて測定した。
焼結体を平坦なガラス基板上に置き、株式会社ミツトヨ製デジマチックインジケータを用い、焼結体裏表両面にて中央部の高さを測定し、その最大値と最小値の差を反りとし基板20 枚の平均値を求めた。
8)端部反り
焼結体を平坦なガラス基板上に置き、株式会社ミツトヨ製デジマチックインジケータを用い、基板外周部から5mmの位置をゼロとし、そこから外周部に向かって針を走査した時の最大値を反りとした。基板一枚につき8点測定し、基板20枚の内の最大値と平均値を求めた。
東京精密株式会社製表面粗さ形状測定器(サーフコム480A)を用いて、評価長さ2.5mm、測定速度:0.3mm/sで針を走査させ、基板の裏表の外周部、中央部を拡散点ずつ測定し、20枚の平均値を求めた。
グリーンシート及び焼結体の密度はアルキメデス法により測定した。
作製したAlN焼結体の熱伝導率は京都電子工業製LFA−502を用いてレーザーフラッシュ法により測定した。
JIS R1601に準拠して、クロスヘッド速度0.5mm/分、スパン30m mで3点曲げ強度を測定した。試験片の幅は4mmで平面研削して作製した。20サンプルの平均値を求めた。
実施例1
D50が0.99μm、D90/D10=3.7、タップ嵩密度0.93g/cm3、比表面積2.6μm、酸素濃度0.84wt%のAlN粉末を使用し、希土類化合物(酸化イットリウム粉末)5質量%を添加して、更に分散剤と溶媒を添加してボールミルを用いて混合した。その後、バインダーとしてポリビニルブチラール及び可塑剤を添加して混合し、AlNスラリーをTI値(η(10S−1)/η(0.01S−1)が2.3となるように調整し、ドクターブレード法で厚み0.75mmの成形体を作製した。調製したスラリーの粘度は6rpmで23,000mPa・sであった。
D50が0.85μm、D90/D10=3.6、タップ嵩密度0.91g/cm3、比表面積2.7μm、酸素濃度0.86wt%のAlN粉末を使用し、希土類化合物(酸化イットリウム粉末)5質量%を添加して、更に分散剤と溶媒を添加してボールミルを用いて混合した。その後、バインダーとして実施例1の70%の量のポリビニルブチラール及び同量の可塑剤を添加して混合して、AlNスラリーをTI値(η(10S−1)/η(0.01S−1)が3.7となるように調整し、ドクターブレード法で厚み0.75mmの成形体を作製した。調製したスラリーの粘度は6rpmで23,000mPa・sであった。
D50が1.16μm、D90/D10=3.9、タップ嵩密度0.93g/cm3、比表面積2.4μm、酸素濃度0.79wt%のAlN粉末を使用し、希土類化合物(酸化イットリウム粉末)5質量%を添加して、更に分散剤と溶媒を添加してボールミルを用いて混合した。その後、バインダーとして実施例1で使用したものよりも分子量が1.2倍のポリビニルブチラール及び可塑剤を添加して混合して、AlNスラリーをTI値(η(10S−1)/η(0.01S−1)が2.1となるように調整し、ドクターブレード法で厚み0.75mmの成形体を作製した。調製したスラリーの粘度は6rpmで24,000mPa・sであった。
実施例1の窒化アルミニウム粉末を用いて、TI値(η(10S−1)/η(0.01S−1)が5.4となるように調製し、ドクターブレード法で厚み0.75mmの成形体を作製した。調製したスラリーの粘度は6rpmで27,000mPa・sであった。
得られた成形体は実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。得られた焼結体の物性を表1に示す。
実施例1の窒化アルミニウム粉末を用いて、TI値(η(10S−1)/η(0.01S−1)が1.8となるように調製し、ドクターブレード法で厚み0.75mmの成形体を作製した。調製したスラリーの粘度は6rpmで24,000mPa・sであった。
得られた成形体は実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。得られた焼結体の物性を表1に示す。
D50が1.0μm、D90/D10=8.5、タップ嵩密度0.47g/cm3、比表面積2.6μm、酸素濃度0.82wt%のAlN粉末を使用し、実施例と同じ条件でAlNスラリーを混合した。
D50が1.6μm、D90/D10=1.5、タップ嵩密度0.92g/cm3、比表面積2.7μm、酸素濃度2.00wt%のAlN粉末を使用し、実施例と同じ条件でAlNスラリーを混合した。
Claims (3)
- 焼成後、未加工の状態において、基板全体の反りが5μm/インチ以下であり、周辺から5mm以内の範囲における外周部の反りの絶対値が最大で10μm以下、平均で6μm以下であり、且つ、表面荒さ(Ra)が、0.1〜0.2μmの範囲にあることを特徴とする窒化アルミニウム焼結基板。
- ドクターブレード法によって得られたグリーンシートを焼成して得られる請求項1記載の窒化アルミニウム焼結基板。
- D50が0.8〜1.2μm、D90/D10が4以下、タップ嵩密度が0.9g/cm3以上の窒化アルミニウム粉末を使用し、該窒化アルミニウム粉末を有機バインダーと有機溶剤とを含み、TI値(η(10S−1)/η(0.01S−1))が、2〜4の範囲となるように調整された窒化アルミニウムスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形した後、脱脂、焼成することを特徴とする窒化アルミニウム焼結基板の製造方法。
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JP2007063124A (ja) * | 1998-07-10 | 2007-03-15 | Sumitomo Electric Ind Ltd | セラミックス基材 |
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