JP4398181B2 - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化アルミニウム焼結体の新規な製造方法に関する。詳しくは、焼結助剤を添加した窒化アルミニウム板状焼結体を還元雰囲気下で焼成して焼結助剤を低減せしめる工程を含む、高い熱伝導性を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法において、焼成過程で焼結体に発生する反りを効果的に低減することが可能な窒化アルミニウム焼結体の新規な製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
窒化アルミニウムの焼結体は理論上高い熱伝導率を有しており、かかる特性を十分に発揮させるための焼結方法が数多く提案されている。
【0003】
そのうち、窒化アルミニウム粉末に希土類金属化合物やアルカリ土類金属化合物等の焼結助剤を添加して得られた成形体を、カーボンを存在させた還元性雰囲気下で焼成する方法が一般的である。かかる還元性雰囲気下での焼成の目的は、焼結助剤にトラップされた酸素を焼結助剤と共に除去することにより、得られる焼結体中の酸素と焼結助剤の濃度を可及的に低減せしめ、得られる窒化アルミニウム焼結体の熱伝導度を向上せしめることにある。
【0004】
従って、かかる還元雰囲気下での焼成は、一般に、焼結助剤を除去するステップ、即ち、窒化アルミニウム粉末、焼結助剤粉末及び有機バインダーとよりなるグリーン体を脱脂して得られる仮焼結体である脱脂体を焼成して焼結する際に同時に実施されるか、或いは該脱脂体を中性雰囲気下で一旦焼結した焼結助剤を含有する焼結体について実施される。
【0005】
一方、窒化アルミニウム焼結体の製造においては、得られる焼結体の反りや色むらを防止するため、種々の提案がなされている。
【0006】
例えば、グリーンシートを焼成済みの窒化アルミニウム焼結体で挟んだ状態で脱脂、焼結する方法(特許文献1)等が挙げられる。
【0007】
上記方法は、中性雰囲気下での焼成においては、十分効果を発揮することができるが、これを窒化アルミニウム焼結体よりなる板状物を窒化アルミニウム板状焼結体の還元性雰囲気下での焼成に適用した場合、焼成の過程で成形体に反りが発生し、得られる焼結体の寸法安定性が低下するという問題を生ずることが判明した。また、得られる窒化アルミニウム焼結体の表面に焼結助剤に起因するシミが発生し、商品の外観不良を招く場合がある。
【0008】
上記現象は、焼結助剤を含有する窒化アルミニウム焼結体を還元性雰囲気下で焼成することによって初めて発生する問題であり、高熱伝導性を有する窒化アルミニウム焼結体の製造において、大きな問題となっていた。
【特許文献1】
特開平10−59772号公報
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、焼結助剤を含有する窒化アルミニウム板状焼結体を還元性雰囲気下で焼成する窒化アルミニウム焼結体の製造方法において、焼成過程における該成形体の反りの発生を効果的に防止した窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記技術課題を解決すべく、得られる窒化アルミニウム焼結体の反りの原因について鋭意研究を行ってきた。その結果、窒化アルミニウム板状焼結体を窒化アルミニウム板状焼結体よりなる板状体で挟んで還元雰囲気下で焼成する場合、該板状体に焼結助剤が移行し易いことに起因して、該窒化アルミニウム板状焼結体中の焼結助剤が、重力により厚み方向に移動する現象を助長し、これにより焼結助剤の除去過程における焼結助剤濃度の偏りが該窒化アルミニウム板状焼結体の厚み方向に生じ、反りを発生するという知見を得た。
【0010】
上記知見に基づき、研究を重ねた結果、窒化アルミニウム板状焼結体を板状体で挟んで還元雰囲気下で焼成する際、焼結助剤の移行を抑制できる物質を介在せしめることにより、上記現象を防止し、反りのない窒化アルミニウム焼結体を得ることができること、及びかかる物質として、窒化ホウ素緻密体が極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、焼結助剤を含有する窒化アルミニウム板状焼結体をカーボン還元性雰囲気下で、且つ、少なくとも表層が窒化ホウ素緻密体により構成された板状体を該窒化アルミニウム板状焼結体の上下に積層した状態で、1550〜1900℃の温度で、5〜50時間焼成を行い、焼結助剤が低減された窒化アルミニウム焼結体を得た後、更に、中性雰囲気下、1550〜1850℃の温度で、5〜50時間焼成を行なうことを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法である。
【0012】
尚、グリーンシートを脱脂した後、窒化ホウ素の焼結体よりなるセッター(板状体)で脱脂体を挟んで中性雰囲気で焼成する場合は、前記窒化アルミニウム焼結体よりなる板状物を使用する場合と同様の効果をしめすが、還元性雰囲気下での焼結助剤を含む窒化アルミニウム焼結体の焼成において、このような作用を示すことは、本発明において初めて見出されたことである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において、焼結助剤を含有する窒化アルミニウム板状焼結体は、如何なる方法によって得られたものでもよい。例えば、焼結助剤と窒化アルミニウム粉末とを有機バインダーによって板状に成形したグリーン体を酸化性雰囲気、或いは非酸化性雰囲気下にて有機物を分解除去(脱脂)して得られた仮焼結体、焼結助剤と窒化アルミニウム粉末との混合粉を加熱プレス成形して得られた焼結体、上記脱脂後の仮焼結体を中性雰囲気下で焼成して、焼結を進行せしめた焼結体等が挙げられる。
【0014】
そのうち、前記グリーン体を脱脂後、中性雰囲気下で焼成して焼結を進行せしめた窒化アルミニウム板状焼結体が高熱伝導性の窒化アルミニウム板状焼結体を得るために最も好ましい。
【0015】
尚、本発明において、「板状」とは、特に厳密な意味を有するものではないが、一般に、面積(S)に対して厚みが0.01S〜2Sの関係にあるものが、本発明の効果が顕著であり、好適である。
【0016】
上記焼結助剤としては、公知のものが特に制限無く使用されるが、一般的には、希土類金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用される。
【0017】
上記アルカリ土類金属化合物を例示するとマグネシウム[Mg]、カルシウム[Ca]、ストロンチウム[Sr]、バリウム[Ba]等の金属の酸化物、リン酸塩等が挙げられ、熱伝導率の向上を勘案すると、酸化カルシウム、アルミン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のカルシウムの酸化物、アルミン酸塩、リン酸塩が好適である。
【0018】
また、上記希土類金属化合物を例示するとイットリウム[Y]、ランタン[La]、セリウム[Ce]等の金属の酸化物等が挙げられ、熱伝導率の向上を勘案すると、酸化イットリウム及び酸化ランタンが好適である。
【0019】
上記した焼結助剤の中でも、アルカリ土類金属化合物、特にカルシウム[Ca]化合物が好適であり、その中でもリン酸三カルシウム等のリン酸カルシウム類が最も好適である。
【0020】
また、上記希土類金属化合物とアルカリ土類金属化合物とは併用しても良く、さらに、それぞれ数種類を用いても良い。
【0021】
焼結助剤粉末の粒径は、特に制限されないが、一般に小さい程、活性が高くなる為、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることが更に好ましい。
【0022】
上記焼結助剤粉末の添加量は、何ら制限されないが、窒化アルミニウム粉末100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、1〜7重量部が更に好ましい。焼結助剤粉末の添加量をこの範囲に制御することにより、焼結体を十分緻密化して得られる焼結体の熱伝導率を向上せしめると共に、後述の還元雰囲気下での該焼結助剤の除去を速やかに行うために好ましい。
【0023】
前記窒化アルミニウム粉末としては、平均粒子径が0.3〜3μm、特に、0.3〜2.5μmであることが好ましい。また、窒化アルミニウム粉末中の酸素原子の含有量は、得られる焼結体の熱伝導率を勘案すると、1重量%以下であることが好ましく、0.8重量%以下であることが更に好ましい。
【0024】
また、有機バインダーとしては、ポリビニルブチラール等のブチラール樹脂、ポリメタクリルブチル等のアクリル樹脂等、公知のものが挙げられる。
【0025】
上記有機バインダーは、窒化アルミニウム粉末100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは、1〜15重量部の割合で配合することが好ましい。
【0026】
また、上記組成物中には、必要に応じて、グリセリン化合物類などの分散剤及びフタル酸エステル類などの可塑剤も添加してよい。
【0027】
前記仮焼結体を得るための脱脂条件は、公知の条件が特に制限なく採用される。例えば、酸化性雰囲気下或いは非酸化性雰囲気下で、温度300〜1200℃で1〜10時間処理する方法が一般的である。
【0028】
さらに、前記板状脱脂体或いは板状プレス体を中性雰囲気下で焼成する条件としては、非酸化性雰囲気下で、炭素を存在させることなく、温度1550〜1900℃で、35〜100時間焼成を行うことが好ましい。この場合、焼結助剤の殆どは、成形体中に残存する。
【0029】
上述した方法で準備される、焼結助剤を含有する窒化アルミニウム板状焼結体は、これを還元雰囲気下で焼成することによって、酸素をトラップした焼結助剤が除去され、高熱伝導性を示す。
【0030】
本発明において、最大の特徴は、上記焼結助剤を含有する窒化アルミニウム板状焼結体を還元雰囲気下で焼成する際、少なくとも表層が窒化ホウ素緻密体により構成された板状体を該窒化アルミニウム板状焼結体の上下に積層した状態で焼成を行うことにある。
【0031】
即ち、少なくとも表層が窒化ホウ素緻密体により構成された焼結助剤を含有する板状体を窒化アルミニウム板状焼結体の上下に積層せしめることによって、得られる窒化アルミニウム焼結体の反りが著しく抑制されると共に、該焼結体表面に生成するシミの量も著しく低減することができる。
【0032】
上記作用について、本発明者らは、少なくとも表層が窒化ホウ素緻密体により構成された板状体が、焼結助剤の厚み方向への移行を遮断し、これにより焼結過程における焼結助剤の厚み方向の偏りが防止でき、焼結助剤の揮散は、板状成形体の接触面からは抑制された量で行われ、専ら、成形体の周辺部から行われるようになり、その結果、焼結過程における反りや焼結助剤の染み出しを防止できるものと推定している。
【0033】
上記の機能より、少なくとも表層が窒化ホウ素緻密体により構成された板状体は、焼結助剤遮蔽板ともいうことができる。
【0034】
本発明において、窒化ホウ素緻密体は、窒化ホウ素によって形成され、焼結助剤が通過しない程度に窒化ホウ素が高い密度で存在した状態の材料をいい、窒化ホウ素粉末を塗布、スプレー等により付着せしめた状態と区別されるものである。かかる緻密体は、密度が1.8g/cm3以上のものであることが好ましい。また、電子顕微鏡等で粒子の状態を観察した場合、粒界に隙間の無い状態が好ましい。具体的には、窒化ホウ素の焼結体、窒化ホウ素を真空蒸着法、スパッタ法等の物理蒸着法によって析出せしめて形成される蒸着体、窒化ホウ素を気相蒸着法等の化学蒸着法によって析出せしめて形成される気相成長体等が挙げられる。
【0035】
また、上記緻密体の形成方法に応じて、少なくとも表層を窒化ホウ素緻密体により構成する態様も適宜選択することができる。例えば、焼結によって窒化ホウ素緻密体を形成する場合は、板状体の全体を窒化ホウ素焼結体によって構成する態様が一般的であり、窒化ホウ素を蒸着等の方法によって緻密に付着せしめる方法においては、窒化アルミニウム焼結体等のセラミックスよりなる板状体の表面に窒化ホウ素緻密体を層状に形成する態様が好適である。表層にのみ窒化ホウ素緻密体を形成する場合、かかる厚みは、還元下の焼結において、焼結助剤が浸透しない程度の厚みであればよく、一般には、0.5〜200μm、好ましくは、1〜100μmである。
【0036】
上記板状体の厚みは、特に制限されないが、強度の面から0.5mm以上、特に、1mm以上であることが好ましく、嵩張りの点から、50mm以下程度が好ましい。
【0037】
本発明において、窒化アルミニウム板状焼結体に積層する前記板状体は、窒化アルミニウム板状焼結体の一部又は全部を覆うように設けることができるが、全部を覆うように設けることが、本発明の効果をより発揮するために好ましい。
【0038】
また、上記板状体は、窒化アルミニウム板状焼結体の上下に積層されればよく、これを複数段重ねて焼成を行うことも可能であり、特に、大量処理において効果を発揮する。
【0039】
本発明において、少なくとも表層が窒化ホウ素緻密体により構成された板状体を介して積層した状態の窒化アルミニウム板状焼結体を、カーボン還元性雰囲気下で焼結する条件は、焼結助剤の除去が効率的に行われ、また、窒化アルミニウム焼結体の結晶粒径の成長が過度に進まない条件が好適に採用される。即ち、窒化アルミニウム板状焼結体を、還元性雰囲気下で、温度1550〜1900℃の還元性雰囲気下で10〜50時間焼成することが焼結助剤を効率よく除去し、結晶粒径の増大による機械的強度の低下、加工性の低下を防止するために好ましい。
【0040】
上記条件は、前記窒化アルミニウムグリーン体を脱脂後、中性雰囲気下で焼成して焼結を進行せしめた焼結体に対して実施する場合特に効果的であり、好ましい。
【0041】
本発明において、上記還元性雰囲気を実現する方法としては、窒化アルミニウム板状焼結体とカーボンとを容器内に共存させる方法、カーボン製の容器を用いる方法等が挙げられるが、その中でも、得られる熱伝導率や色ムラ等を勘案すると、窒化アルミニウム板状焼結体とカーボンとを容器内に共存させる方法が好適であり、特に、密閉容器内に窒化アルミニウム板状焼結体とカーボンとを収容する方法が、より高い熱伝導率を得ることを勘案すると、さらに好適である。
【0042】
また、上記カーボンの発生源は特に制限されず、無定形炭素や黒鉛等の公知の形態のカーボンを用いることができ、固体状のカーボンが好適である。上記カーボンの形状としては、特に制限されず、粉末状、繊維状、フェルト状、シート状、板状のいずれもよく、またそれらを組み合わせてもよい。その中でも、より高い熱伝導率を得ることを勘案すると、板状の無定形炭素や黒鉛が好適である。
【0043】
上記第焼成によって得られた窒化アルミニウム焼結体は、反りの発生が抑えられ、また、良好な熱伝導性と共に、機械的強度、加工性においても優れたものであるが、該焼結体の表面状態を更に改良するため、かかる焼成に続いて、更に、温度1550〜1850℃、好ましくは、1600〜1800℃の中性雰囲気下で5〜50時間、好ましくは、10〜40時間焼成する工程を付加することが、より表面状態を良好にするために好ましい。
【0044】
【実施例】
以下、実施例にて本発明の代表的な態様を説明するが、本発明は、これらの実施例に限定さるものでないことは、いうまでもない。
【0045】
1)熱伝導率
真空理工(株)製「LF/TCM−FA8510B」を使用して、レーザーフラッシュ法により、2次元法で測定した。
【0046】
2)色むら目視により以下の基準を設けて評価した。
【0047】
A:色むら面積0〜5%未満
B:色むら面積5%以上20%未満
C:色むら面積20%以上
3)反り検査
株式会社ミツトヨ製デジマチックインジケータを使用して焼結体の反りを測定した。
【0048】
参考例1
(グリーンシートの作成)
平均粒子径1.5μmの窒化アルミニウム粉末100重量部に対して、焼結助剤として酸化イットリウム粉末を5重量部、リン酸三カルシウム粉末を0.5重量部、分散剤としてソルビタントリオレエートを0.65重量部、結合剤としてポリビニルブチラールを8重量部、可塑剤としてジブチルフタレートを4.72重量部、溶媒としてトルエンを62.4重量部、エタノールを36.4重量部、ブタノールを5.2重量部加えた混合物をボールミルで混合し、脱溶媒した後、ドクタ−ブレード法によりシート成形を行った。
【0049】
(仮焼結体の作成)
得られたシートより69mm角、厚さ1.4mmの成形体を作成した。この成形体を窒素雰囲気中、500℃で3時間脱脂した。得られた脱脂体の炭素濃度は5540ppmであった。
【0050】
(焼結体の作成)
次いで、脱脂体を窒化アルミニウム製の容器内に1枚入れ、窒素雰囲気中、1780℃で80時間焼成した(第1段焼成)。その後、窒化アルミニウム容器内にカーボン板(比表面積0.365m2/g、重量18.5g)を入れ、上記焼結体をその上下に窒化ホウ素焼結体(密度1.8g/cm3)の板状物(72mm×72mm×t1.6mm)を積層して収容し、窒素雰囲気中、1780℃で24時間焼成した(第2段焼成)。得られた焼結体の物性は表3に示す。
【0051】
参考例2
参考例1と同様にして脱脂体を作成した。次に脱脂体を窒化アルミニウム製の容器内に1枚入れ、窒素雰囲気中、1780℃で80時間焼成した。その後、窒化アルミニウム製の容器内にカーボン板(比表面積0.365m2/g、重量18.5g)を入れ、スパッタ蒸着にて表面に窒化ホウ素を50μmの厚みで蒸着させた窒化アルミニウム製敷板で上下を挟んだ上記焼結体を仕込み、窒素雰囲気中、1780℃で24時間焼成した。得られた焼結体の物性を表3に示す。
【0052】
実施例1
参考例1と同様にして成形体を作成した。この成形体を乾燥空気中、550℃で4時間脱脂した。得られた脱脂体の炭素濃度は400ppmであった。次いで、窒化アルミニウム製の容器内にカーボン板(比表面積0.365m2/g、重量18.5g)を入れ、上記脱脂体をその上下に窒化ホウ素焼結体(密度1.8g/cm3)の板状物(72mm×72mm×t1.6mm)を積層して収容し、窒素雰囲気中、1780℃で50時間焼成した(第1段焼成)。その後、窒化アルミニウム製容器内よりカーボン板を取り出し、窒素雰囲気中、1730℃で50時間焼成した(第2段焼成)。得られた焼結体の物性は表3に示す。
【0053】
実施例2
実施例1と同様にして脱脂体を作成した。次に窒化アルミニウム製の容器内にカーボン板(比表面積0.365m2/g、重量18.5g)を入れ、スパッタ蒸着にて表面に50μmの厚みで窒化ホウ素を蒸着させた窒化アルミニウム製敷板で上下を挟んだ脱脂体を仕込んだ。これを1780℃で50時間焼成した後、窒化アルミニウム製容器内に移し、窒素雰囲気中、1730℃で50時間焼成した。得られた焼結体の物性を表3に示す。
【0054】
比較例1
実施例1で作成した脱脂体を用いて、敷板を窒化アルミニウム製の板とした以外は実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の物性は表3に示す。
【0055】
比較例2
実施例1で作成した脱脂体を用いて、敷板を窒化アルミニウム製の板に窒化ホウ素スプレー(昭和電工製LBNスプレー)を塗布したものを使用した以外は実施例1と同様にして焼成を行った。得られた焼結体の物性は表3に示す。
【0056】
参考例3
参考例1と同様にして第1段焼成を行い、焼結体を得た。次に窒素ホウ素焼結体(密度1.8g/cm3)の板状物(72mm×72mm×t1.6mm)と上記窒化アルミニウム焼結体4枚を交互に積層し、カーボン製の容器(比表面積0.365m2/g)にて窒素雰囲気中、1780℃で24時間焼成を行った。得られた焼結体の物性は表4に示す。
【0057】
参考例4
窒化ホウ素焼結体をスパッタ蒸着にて表面に窒化ホウ素を蒸着させた窒化アルミニウム製敷板とした以外は参考例3と同様にして焼結体を得た。得られた焼結体の物性は表4に示す。
【0058】
実施例3
実施例1と同様にして脱脂体を得た。次に窒素ホウ素焼結体(密度1.8g/cm3)の板状物(72mm×72mm×t1.6mm)と上記窒化アルミニウム脱脂体4枚を交互に積層し、カーボン製の容器(比表面積0.365m2/g)にて窒素雰囲気中、1780℃で50時間焼成を行った。その後窒化アルミニウム製容器に移し、窒素雰囲気下、1730℃で50時間焼成を行った。得られた焼結体の物性は表4に示す。
【0059】
実施例4
窒化ホウ素焼結体をスパッタ蒸着にて表面に窒化ホウ素を蒸着させた窒化アルミニウム製敷板とした以外は実施例3と同様にして焼結体を得た。得られた焼結体の物性は表4に示す。
【0060】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
Claims (2)
- 焼結助剤を含有する窒化アルミニウム板状焼結体をカーボン還元性雰囲気下で、且つ、少なくとも表層が窒化ホウ素緻密体により構成された板状体を該窒化アルミニウム板状焼結体の上下に積層した状態で、1550〜1900℃の温度で、5〜50時間焼成を行い、焼結助剤が低減された窒化アルミニウム焼結体を得た後、更に、中性雰囲気下、1550〜1850℃の温度で、5〜50時間焼成を行なうことを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
- 焼結助剤を含有する窒化アルミニウム板状焼結体が、窒化アルミニウム粉末、焼結助剤粉末及び有機バインダーを含有する板状成形体を、脱脂して得られた仮焼結体である請求項1記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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