JP5328871B2 - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な窒化アルミニウム焼結体の製造方法に関する。詳しくは、優れた光線透過特性を有し、特に、発光効率の高い光源の透光性カバーとして好適に使用することができる窒化アルミニウム焼結体の製造方法に関する。
従来、透光性材料は、透明樹脂、ガラス、石英、透光性アルミナなど可視光に透明な材料が、使用環境、コスト等に応じて適宜用いられている。例えば、低エネルギー強度の光源用のカバー(窓材)や比較的紫外光が含まれない波長の光を透過させるための透光性材料としては、透明樹脂或いはガラスが用いられている。また、比較的紫外光を含むような光源用或いはエネルギー強度が大きく使用に際して高温となる光源用の透光性カバーとしては、石英、アルミナを用いた材料が使用される。さらに、ハロゲンガス等腐食性ガスを使用する光源用の透光性カバーとしては、腐食耐性を有するアルミナ材が使用されている。
また、最近では、光源の改良がさらに進み、より発光効率の高い光源も製造されるようになってきており、例えば、Na、Sc、Sn、Th、Tl、In、Li、Tm、Ho、Dyなどの金属のハライド(特にヨウ化物及び臭化物)を含む封入物を発光材料とする光源も知られている。しかしながら、光源の高輝度化は、発生する熱を増大させるため、このような発光効率の高い光源では、これに適用されるカバーなどの透光性部材の材質が問題となる。即ち、上記アルミナ材料はハロゲンガス耐性があるものの、まだまだ不十分であるばかりか、熱伝導率が30W/mKと小さいため、光源の放熱が不十分となり、かかる光源の寿命を縮めることが懸念される。さらには、発光管表面の温度が不均一となるため演色性に劣るという問題点がある。したがって、ハロゲンガス耐性および熱伝導性の高い、透光性部材が要望される。
上記の問題を解決するために、赤外線やレーダーなどを透過する透光性窓材用材料として、耐熱、熱伝導、機械強度特性の良い窒化アルミニウムが提案されている(特許文献1参照)。当該公報によれば、原料粉末の粒径、金属不純物含量、酸素含量を特定した原料を用いて1700〜2100℃の不活性雰囲気で焼成した場合に0.2μm〜30μmの波長範囲で75%の透過率を示すAlN焼結体が得られることが開示されている。
また、0.3D〜1.8D(D:平均粒子径)の径を有する粒子が70%以上である粒度分布を有する原料窒化アルミニウム粉末を使用して製造される窒化アルミニウム焼結体よりなる透光性カバー(中空管)を備えた発光管が開示されている(特許文献2)。そして、当該公報実施例には、全光線透過率84%の窒化アルミニウム焼結体が示されている。
上述した技術によれば、透光性が改善されたAlN焼結体を製造することが可能である。しかしながら、光線透過率に関してはさらに改善の余地が残されている。即ち、窒化アルミニウム焼結体を透光性カバーとして使用する場合、400nm〜800nmの可視域での透過率は、反射率を考慮した場合、85%を越える透過率が望まれるが、上記の公知の技術で得られる窒化アルミニウム焼結体の透過率(400nm〜800nm)は、最大でも85%である。これに対し、上記したアルミナ材料は、ハロゲンガス耐性、熱伝導性に関しては、窒化アルミニウム焼結体に劣るものの、透過率は95%を超える。したがって、アルミナ材料と比較した場合、窒化アルミニウム焼結体は、さらに透過率の向上が求められる。
また、紫外線領域の透光性に関し、従来の透光性窒化アルミニウム焼結体は、光透過率の立ち上がり特性において改善の余地がある。かかる光透過率の立ち上がり特性は、透光性カバーとしての用途において、紫外領域〜赤外領域における広い波長範囲での高い光透過率を実現するために重要な特性である。
特許文献3には、酸素濃度が400ppm以下、金属不純物濃度が150ppm以下、且つ炭素濃度が200ppm以下に抑制されているとともに、2μm〜20μmの平均結晶粒径を有していることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体が開示されている。この焼結体は、260〜300nmの波長領域における分光スペクトル曲線の傾きが1.0(%/nm)以上、400〜800nmの波長領域における光透過率が86%以上であり、分光スペクトルにおける光透過率が60%に到達するときの波長が400nm以下である。
特開平2−26871号公報 特開昭60−193254号公報 特開2005−119953号公報
しかしながら、特許文献3の実施例において具体的に開示されている窒化アルミニウム焼結体の光透過率(全透過率)は、最大でも87%であり、従来の窒化アルミニウム焼結体に比べて改善はみられるものの、既に実用化されているアルミナ材料に劣り、なお向上が求められる。
したがって、本発明は、プラズマガス耐性、高熱伝導を有し、優れた光学特性を有する窒化アルミニウム焼結体を提供することを目的としている。
窒化アルミニウム焼結体において、酸素含量、金属不純物含量が光学特性に影響を与えることは、特許文献1、3に記載されている。窒化アルミニウム焼結体は、一般に窒化アルミニウム結晶粒と、粒界相とから形成される。粒界相は、イットリア等の焼結助剤を主成分としている。特許文献1、3における酸素含量、金属不純物含量は、焼結体の全量に基づいて評価される値であり、したがって、その多くは粒界相に存在する酸素、金属(イットリウム等)に起因すると考えられる。つまり、特許文献1、3の発明では、粒界相を含む焼結体の全組成を制御することで、光学特性の改善を図っている。
一方、多結晶体である窒化アルミニウム焼結体を構成する窒化アルミニウム結晶に関しては、とくに光学特性との関連について、ほとんど検討されていない。
このような状況下において、本発明者らは、窒化アルミニウム焼結体を構成する窒化アルミニウム結晶の性質と、焼結体の光学特性との関連を調査、検討した結果、窒化アルミニウム結晶中の欠陥(たとえば空孔型欠陥)が、焼結体の光学特性に影響を与える可能性があるとの知見を得た。すなわち、結晶中の欠陥が増大するにつれ、焼結体の光透過性が損なわれる傾向があることを見出した。このことは、結晶の欠陥を減少させることで、焼結体の光学特性が改善されうることを示唆している。そして、本発明者らは、アルミニウム空孔型欠陥を減少させる手段を案出し、本発明を完成するに至った。
なお、アルミニウム結晶粒の欠陥は、陽電子消滅法により評価される。
本発明が提供する上記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
(1)窒化アルミニウム粉末100重量部とアルカリ土類系酸化物の焼結助剤2重量部〜20重量部とを含む混合物を成形し、得られた成形体を、還元雰囲気下、1500〜2000℃で、少なくとも3時間、200時間以内焼成した後、1000℃以上の温度において安定に存在し尚且つアルミニウム系ガスを放出する、高温分解性アルミニウム化合物の共存下、1600〜2000℃で1〜200時間アニールすることを特徴とする、陽電子消滅法における欠陥分析において、窒化アルミニウム結晶中で、180ps(ピコ秒)内に消滅する陽電子の割合が90%以上である窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
(2)窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率が200W/mK以上である(1)に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
本発明によれば、プラズマガス耐性、高熱伝導性を有し、優れた光学特性を有する窒化アルミニウム焼結体が提供される。このような窒化アルミニウム焼結体は、たとえば高輝度放電ランプ発光管の材料として有望である。
以下、本発明について、最良の形態を含めて、さらに具体的に説明する。
窒化アルミニウム焼結体は、一般に窒化アルミニウム結晶粒と、焼結助剤を主成分とした粒界相とからなる。ただし、粒界相は必ずしも必須ではなく、粒界相がなく窒化アルミニウム結晶粒のみからなる焼結体も本発明に含まれる。
本発明に係る窒化アルミニウム焼結体は、陽電子消滅法における欠陥分析において、窒化アルミニウム結晶中で、180ps(ピコ秒)内に消滅する陽電子の割合が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上である。上限については、理論的には100%であり、本発明によれば、照射陽電子の100%が180ps(ピコ秒)内に消滅する窒化アルミニウム焼結体が提供される。
陽電子消滅測定法は、22Naや58Co等の放射性同位元素を陽電子線源として用い、放射性同位元素のβ+崩壊の結果生じた陽電子が試料中に入射し、主として試料中の自由電子と対消滅するまでの陽電子寿命を測定することによって試料中の空孔や欠陥等を検出する方法である。ここで、「陽電子寿命」とは、陽電子に試料が入射してから電子と対消滅するまでの時間を意味する。
陽電子は電子の反粒子で,電子と同じ質量を持つが,その電荷は正である。陽電子は、試料に入射すると、数ps(ピコ秒)で熱エネルギー程度に減速される。これを熱化陽電子と呼ぶ。この熱化陽電子は、結晶中を10-7m程度の距離を拡散移動し、次いで結晶中の電子のうちの1つと対消滅し、同時に消滅γ線を放出する。この消滅γ線を検出することで、陽電子寿命を測定する。窒化アルミニウム結晶においては、空孔型欠陥等が無い場合(完全結晶)では、陽電子寿命は138±10ps程度である。
ところで陽電子は正の電荷を持つため、結晶を構成する正イオン殻(アルミニウムイオン)と反発し、遠ざかろうとする。したがって、正イオン殻の抜けた欠陥、たとえば原子空孔、マイクロボイド(1nm程度の三次元空孔クラスター)、ボイド(以下、これらを空孔型欠陥と呼ぶ)が存在すると、空孔型欠陥に到達した陽電子は、そこで捕獲される(捕獲陽電子と呼ぶ)。空孔型欠陥における電子密度は完全結晶中よりも低いため、捕獲陽電子の寿命は、完全結晶中の寿命よりも長くなり、通常150psから200psを超える。
したがって、陽電子寿命を測定することで、焼結体を構成する窒化アルミニウム結晶の空孔型欠陥を評価できる。
本発明に係る窒化アルミニウム焼結体は、陽電子消滅法における欠陥分析において、窒化アルミニウム結晶中で、180ps(ピコ秒)内に消滅する陽電子の割合が90%以上であり、空孔型欠陥が実質的に存在しない、完全結晶から構成されていることが理解される。
また、本発明に係る窒化アルミニウム焼結体は、その熱伝導率が好ましくは200W/mK以上、さらに好ましくは210W/mK以上、特に好ましくは230W/mK以上であり、窒化アルミニウム焼結体が本来有する高熱伝導性をも兼ね備える。
このような本発明に係る窒化アルミニウム焼結体は、優れた光透過性を有し、全透過率は70%以上、好ましくは70〜90%、さらに好ましくは90〜98%である。全透過率の具体的評価方法は、実施例において詳述する。
上記特性を有する窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウムが元来有する高い熱伝導性や高い化学的耐食性に加え、上記のような光学特性を有しているため、高輝度の光源を用いた発光管に適用した場合においても、光源の長寿命化を実現することができる。
また、紫外線透過窓のような透光性カバーの用途に適用した場合においては、前記光学的特性により、高い紫外線透過率を実現可能である。
次に本発明に係る窒化アルミニウム焼結体の製造方法について説明するが、本発明の窒化アルミニウム焼結体は、上記物性を有する限り、その製造方法は特に限定はされない。
本発明の窒化アルミニウム焼結体は、たとえば一般的な焼結法により得られた窒化アルミニウム焼結体(以下、「原料焼結体」と呼ぶことがある)を、高温分解性アルミニウム化合物の共存下で熱処理することで得られる。
原料焼結体は、陽電子消滅法における欠陥分析において、窒化アルミニウム結晶中で、180ps(ピコ秒)内に消滅する陽電子の割合が90%未満であり、好ましくは50%〜90%の範囲にある窒化アルミニウム焼結体が用いられる。すなわち、比較的空孔型欠陥の少ない窒化アルミニウム焼結体が原料焼結体として好ましく用いられる。
原料焼結体としては、種々の窒化アルミニウム焼結体が用いられ、以下にその製法の一例を説明するが、これに限定されることはない。
原料焼結体は、窒化アルミニウム粉末と焼結助剤との混合物を所定形状に成形し、成形体を還元雰囲気下で焼成することにより製造される。
原料として用いる窒化アルミニウム粉末としては、焼結によって、2μm〜20μmの結晶粒径が達成可能な粒子径を有するものが好ましく使用される。一般には、焼成に際しての粒成長を考慮して、前記結晶粒径より若干小さい平均粒子径を有するものが好適に使用され、例えば、平均粒子径が0.5μm〜15μm、より好ましくは1μm〜10μmのものが好適である。
また、焼結体中の不純物濃度を低濃度の範囲に抑制するため、窒化アルミニウム粉末は、純度97重量%以上、望ましくは99重量%以上の高純度のものが好ましく、最も好適には、金属不純物濃度(Al以外の金属の濃度)が50ppm以下であり、且つ酸素濃度が1重量%以下、特に0.8重量%以下に低減されている高純度の窒化アルミニウムが使用される。
さらに、空孔型格子欠陥の要因である焼結体中の酸素濃度を低減させるため、不純物成分として炭素を含有する窒化アルミニウム粉末を用いることもできる。即ち、炭素の存在下で焼成を行うことにより、不純物として含まれている酸素が炭素と反応し、炭酸ガスとして取り除かれるからである。但し、このような炭素が原料粉末中に多く含まれると、焼結体中に不純物として残存してしまい透光性を損なうおそれがあるため、窒化アルミニウム粉末中の炭素濃度は、450ppm以下とするのがよい。
焼結助剤としては、例えば、CaO、SrO、Ca3Al26などのアルカリ土類系酸化物を例示することができる。また、焼結助剤の添加量は、窒化アルミニウム粉末100重量部当たり2重量部〜20重量部の範囲が好ましい。2重量部より少ないと窒化アルミニウム焼結体の高純度化が実現されず、光透過率や熱伝導率とった特性が低下する。さらに、20重量部を超えた場合も、添加した焼結助剤が効率的に揮散できず、光透過率や熱伝導率といった特性が低下する。
窒化アルミニウム粉末と焼結助剤粉末との混合は、公知の方法によって行なうことができる。例えば、ボールミル等の混合機によって、乾式または湿式により混合する方法が好適に採用できる。また、湿式混合では、アルコール類、炭化水素類等の分散媒を使用するが、分散性の点でアルコール類、炭化水素類を用いることが好ましい。
なお、この混合にあたっては、焼結助剤の水分吸着或いは凝集を生じないように、ドライエア中で保存され、必要により真空乾燥された焼結助剤の粉末を直ちに窒化アルミニウム粉末と混合するのがよい。
焼成に先立っては、上記混合粉末を、用途に応じて所定形状に成形するが、このような成形は、それ自体公知の手段で行うことができるが、強度の高い成形体を成形し、歩留まりを高めるためには、有機バインダーを用いて成形を行うことが好ましい。
例えば、上記混合粉末を有機バインダーと、必要により分散剤、可塑剤、溶媒などと混合して成形用スラリー乃至ペーストを調製し、この成形用スラリー乃至ペーストを、ドクターブレード法、押出成形法、射出成形法、鋳込み成形法などの成形手段によって成形体を作製することができる。有機バインダーとしては、ポリビニルブチラール等のブチラール樹脂、ポリメタクリルブチル等のアクリル樹脂等を例示することができ、このような有機バインダーは、窒化アルミニウム粉末100重量部当り、0.1〜30重量部、特に1〜15重量部の量で使用することができる。また、分散剤としては、グリセリン化合物類などを例示することができ、可塑剤としては、フタル酸エステル類などを挙げることができ、溶媒には、イソプロピルアルコールや炭化水素類などが使用される。
また、有機バインダーを用いずに、圧縮成形法により成形を行うこともできる。例えば、窒化アルミニウム粉末と焼結助剤粉末との混合粉末を、一軸成形機にて、仮成形体を製造し、これを、CIP(冷間アイソスタテックプレス)成形機にて1t/cm2〜4t/cm2で加圧成形することにより、成形体を作製することができる。
得られた成形体は、脱脂(脱バインダー)した後、焼成に付される。
脱脂は、空気中、窒素中、水素中等の任意の雰囲気で加熱することにより行うことができるが、残留炭素量の調整がし易い、窒素中で脱脂を行うことが好ましい。また、脱脂温度は、有機バインダーの種類によっても異なるが、一般には、300℃〜900℃、特に300℃〜700℃が好適である。尚、圧縮成形法のように、有機バインダーを用いずに成形を行った場合には、上記の脱脂工程は不要である。
焼結助剤の除去を有効に行い、焼結体中の金属不純物濃度や酸素濃度を低減するために、焼成は、還元雰囲気下で行われる。
上記還元性雰囲気を実現する方法としては、焼成用の容器内に、成形体とともにカーボン発生源を共存させる方法、焼成用の容器としてカーボン製のものを用いる方法等が挙げられるが、その中でも、得られる焼結体の熱伝導率や色ムラ等を勘案すると、成形体とカーボン発生源とを焼成用の容器内に共存させる方法が好適であり、特に、高い熱伝導率を得るためには、焼成用の容器を密閉容器とし、この密閉容器内に成形体とカーボン発生源とを収容する方法が最も好適である。
また、上記カーボンの発生源は特に制限されず、無定形炭素や黒鉛等の公知の形態のカーボンを用いることができ、固体状のカーボンが好適である。上記カーボンの形状としては、特に制限されず、粉末状、繊維状、フェルト状、シート状、板状のいずれもよく、またそれらを組み合わせてもよい。その中でも、より高い熱伝導率を得ることを勘案すると、板状の無定形炭素や黒鉛が好適である。
更に、成形体とカーボンとを容器内に収容する方法は、特に制限されず、また、カーボンと成形体とを非接触、接触のいずれの形態で収容してもよい。その中でも、非接触の形態の方が、得られる焼結体の熱伝導率の制御の容易さの点で好ましい。また、上記非接触の形態は、公知の形態を採用すればよく、たとえば、単にカーボンと成形体との間に間隔を設ける方法、カーボンと成形体との間に窒化ホウ素等の粉末を介在させることにより非接触にする方法、カーボンと成形体との間に窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のセラミックス製の板等を設置して非接触にする方法等が挙げられるが、熱伝導率の向上を勘案すると、カーボンと成形体との間に板等を設置して非接触にする方法が好適であり、特に密閉容器内においてカーボンを収容した空間と、成形体を収容した空間をできるだけ遮断するように板を設置する方法が、さらに高い熱伝導率を有する原料焼結体を得るために好ましい。
上記還元雰囲気下における焼成は、温度1500℃〜2000℃で、少なくとも3時間、特に10時間実施することが好ましい。また、上記焼成は、長時間行うことによって、窒化アルミニウム焼結体の結晶粒子の成長を伴い、さらには、焼結体中の炭素濃度が増大してしまうため、還元雰囲気下での焼成時間を200時間以内、特に100時間以内、最も好適には、50時間以内とすることが好ましい。
また、焼結体中の炭素濃度を前述した範囲内に確実に低減させるため、上記の還元雰囲気下での焼成と組み合わせて中性雰囲気下での焼成を実施することが好適である。例えば、中性雰囲気下での焼成後、還元雰囲気下での焼成を行う態様、中性雰囲気下での焼成後、還元雰囲気下での焼成を行い、更に中性雰囲気下での焼成を行なう態様等を採用することが好ましい。即ち、還元雰囲気下での焼成を長時間行うと、金属不純物濃度は前述した範囲内に抑制されるとしても、炭素濃度が増大してしまい、結局、焼結体の光学特性が損なわれてしまうからである。従って、還元雰囲気下での焼成時間を、上記範囲内に制限し、さらに中性雰囲気下での焼成を適度に行うことにより、緻密な高強度の焼結体を得ることができる。
尚、上記中性雰囲気とは、雰囲気中に酸素[O2]及び炭素[C]が実質的に存在しない状態を意味し、具体的には、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気を意味する。中性雰囲気下での焼成は、例えば密閉容器内を不活性ガスに置換することにより行われる。また、密閉容器としては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のセラミックスや、タングステン[W]、モリブデン[Mo]等の非炭素製の材料よりなる容器が使用され、特に、耐久性の点から窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のセラミックス製の容器が好ましい。また、カーボン質の容器内面を、上記した非カーボン質でガスを透過しない材料で被覆したものも使用することができる。要するに、密閉容器内空間に、成形体中の残存炭素以外に炭素源を存在させない状態で焼成が行われればよい。
上記のような中性雰囲気下での焼成温度は1500℃〜1900℃が好ましく、また焼成時間は、還元雰囲気下での焼成時間によっても異なるが、一般には、3時間〜100時間、特に30時間〜50時間が好適である。
次いで、得られた原料焼結体を高温分解性アルミニウム化合物の共存下で加熱処理することで本発明に係る窒化アルミニウム焼結体が得られる。共存させる高温分解性アルミニウム化合物は、窒化アルミニウムの焼成中期、さらには、焼成後期において安定に存在し尚且つ、アルミニウム系ガスを気相に放出する材料が好ましい。すなわち、1000℃以上の温度において安定に存在し尚且つアルミニウム系ガスを放出する材料が好ましい。例えば、Al23、Al23、AlF3、AlNなどが挙げられる。なお、高温分解性アルミニウム化合物として用いられる窒化アルミニウムは、上記原料焼結体とは異なり、1500℃程度の温度においてアルミニウム系ガスを徐放する。高温分解性窒化アルミニウムのガス徐放性は、粒界相の組成や構造に起因するものと考えられる。これら高温分解性アルミニウム化合物は、粉末、成形体、焼結体などのいずれの形態であっても構わず、ガス化したアルミニウム系化合物を原料焼結体に曝すことによっても同様の効果が得られる。アニール工程では、N2ガスを0.1L/min〜30L/minの条件でフローさせる。アニール温度は、1600〜2000℃で、1時間〜200時間、緻密質なカーボン、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの材質からなる焼成容器を用いて、高温分解性アルミニウム化合物を焼成容器内に共存させることにより行われる。
なんら理論的に拘束されるものではないが、上記のような加熱処理により、原料焼結体中の空孔型欠陥に、アルミニウムが補完され、完全結晶あるいはそれに近い窒化アルミニウム結晶粒が形成され、光透過性等の光学特性が向上するものと考えられる。
このようにして得られる本発明の窒化アルミニウム焼結体は、透光性カバー等の用途における構造に応じて、種々の形状、例えば、チューブ状、板状、曲面状、球状、楕円球状、カップ状、お碗状等の形状で使用に供される。
(実施例)
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における各種の物性の測定は次の方法により行った。
1)陽電子寿命
陽電子発生源として22Naを使用した。22Naのβ+崩壊により、陽電子とともに1275keVのγ線(γ0)を放出する。γ0をシンチレーターで検出することにより、陽電子の発生時刻を確認した。発生した最大540keVの陽電子を窒化アルミニウムに照射した。窒化アルミニウム中において陽電子は熱エネルギー程度に減速した後、電子と対消滅し、2本の511keVの消滅γ線(γ1)を放出する。窒化アルミニウムから放出したγ1をシンチレーターで検出し陽電子の消滅時刻とする。この時間差を時間測定回路で測定することにより、陽電子寿命スペクトルを得る。
窒化アルミニウム結晶においては、空孔型欠陥等が無い場合(完全結晶)では、陽電子寿命は138±10ps程度である。窒化アルミニウム焼結体に陽電子を照射した際に、180ps(ピコ秒)内に消滅する割合を求めた。
2)熱伝導率
理学電気(株)製の熱定数測定装置PS−7を使用して、レーザーフラッシュ法により測定した。厚み補正は検量線により行った。
3)光透過率
窒化アルミニウム焼結体の光透過率は、窒化アルミニウム焼結体を直径30mm、厚み0.3mmの形状に加工し、スガ試験機株式会社製「HZ−1」を用いて測定した。
4)分光スペクトル
窒化アルミニウム焼結体の240−800nmの波長領域における分光スペクトルは、窒化アルミニウム焼結体を、直径30mm、厚み0.3mm、平均表面粗さRa(JIS B 0601)を0.05μm以下の形状に加工し、島津製作所製「UV−2100」を用いて測定した。この分光スペクトル曲線から、260〜300nmの波長領域の傾き(立上り特性)と、光線透過率が60%に到達するときの波長を求めた。
(実施例1)
内容積が2.4Lのナイロン製ポットに、鉄心をナイロンで被覆した、直径15mmのナイロンボール(表面硬度100kgf/mm2以下、密度3.5g/cm3)を入れ、次いで、平均粒径が1.3μm、比表面積が3.39m2/g、酸素濃度0.8wt%、金属元素濃度35ppmの窒化アルミニウム粉末100重量部に対して、焼結助剤粉末として平均粒径が1.8μm、比表面積が3.75m2/gのカルシウムアルミネート化合物(Ca3Al26)を2部、次いで、エタノールを溶媒として40重量部加えて湿式混合した。この時、前記ナイロンボールはポットの内容積の40%(見かけの体積)充填した。混合はポットの回転数70rpmで3時間行った。更に、得られたスラリーを乾燥して窒化アルミニウム粉末を得た。
次に、得られた窒化アルミニウム粉末10gを一軸成形機にて直径40mm、厚み6mmの成形体に仮成形した後、CIP成形機にて3t/cm2の荷重をかけて本成形を行った。
上記、操作にて得られた成形体を窒化アルミニウム製のセッターを用いて窒素に還元性物質が含まれたガス雰囲気中で、焼成温度1880℃、30時間で焼成し、直径30mm、厚み5mmの焼結体を得た。さらに、高温分解性アルミニウム化合物としてアルミナ粉末を3g入れた窒化アルミニウム製のセッターに得られた焼結体を入れ、温度1880℃、30時間でアニールを行い、窒化アルミニウム焼結体を得た。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(実施例2)
焼結助剤の量を3部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(実施例3)
焼結助剤の量を5部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(実施例4)
焼結助剤の量を7部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(実施例5)
焼結助剤の量を10部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(実施例6)
焼結助剤の量を5部とし、アニール処理における高温分解性アルミニウム化合物の種類を硫化アルミニウムとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(実施例7)
焼結助剤の量を5部とし、アニール処理における高温分解性アルミニウム化合物の種類をフッ化アルミニウムとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(実施例8)
焼結助剤の量を5部とし、アニール処理における高温分解性アルミニウム化合物の種類をAlNとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、アニール処理で使用した高温分解性窒化アルミニウムは、SH30(トクヤマ製窒化アルミニウム焼結体)である。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(比較例1)
焼結助剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(比較例2)
焼結助剤の量を0.5部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(比較例3)
焼結助剤の量を1部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(比較例4)
焼結助剤の量を5部とし、アニール処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(比較例5)
焼結助剤をY2O3とし、その添加量を5部とした、さらに、焼成温度を1780℃、保持時間を5時間とし、中性雰囲気にて焼成した、加えてアニール処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
(比較例6)
焼結助剤を添加しないこと、焼成温度を1880℃、保持時間を5時間とし、中性雰囲気にて焼成した、加えてアニール処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。窒化アルミニウム焼結体の製造条件及び得られた窒化アルミニウム焼結体の特性を表1に示した。
Figure 0005328871
本発明に係る窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウムが元来有する高い熱伝導性や高い化学的耐食性に加え、光透過性等の優れた光学特性を有しているため、高輝度光源の発光管材料として使用でき、しかも光源の長寿命化を実現することができる。

Claims (2)

  1. 窒化アルミニウム粉末100重量部とアルカリ土類系酸化物の焼結助剤2重量部〜20重量部とを含む混合物を成形し、得られた成形体を、還元雰囲気下、1500〜2000℃で、少なくとも3時間、200時間以内焼成した後、1000℃以上の温度において安定に存在し尚且つアルミニウム系ガスを放出する、高温分解性アルミニウム化合物の共存下、1600〜2000℃で1〜200時間アニールすることを特徴とする、陽電子消滅法における欠陥分析において、窒化アルミニウム結晶中で、180ps(ピコ秒)内に消滅する陽電子の割合が90%以上である窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  2. 窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率が200W/mK以上である請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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