JP2005114156A - 変速機の同期装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 同期中の動作荷重のピーク値を有効に下げることができる変速機の同期装置を提供すること。
【解決手段】 カップリングスリーブ6と、シンクロハブ9と、ボークリング7,8と、クラッチギヤ3,5と、を備えた変速機の同期装置において、変速時であって、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとの間で摩擦トルクが発生することにより、前記シンクロハブ9と前記ボークリング7,8との間に相対回転が発生しているとき、前記相対回転による周方向の力を、前記ボークリング7,8をクラッチギヤ3,5に押し付ける軸方向のサポート同期力Faに変換するサポート同期力発生機構を設けた。
【選択図】 図6
【解決手段】 カップリングスリーブ6と、シンクロハブ9と、ボークリング7,8と、クラッチギヤ3,5と、を備えた変速機の同期装置において、変速時であって、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとの間で摩擦トルクが発生することにより、前記シンクロハブ9と前記ボークリング7,8との間に相対回転が発生しているとき、前記相対回転による周方向の力を、前記ボークリング7,8をクラッチギヤ3,5に押し付ける軸方向のサポート同期力Faに変換するサポート同期力発生機構を設けた。
【選択図】 図6
Description
本発明は、車両用歯車変速機等に適用され、少なくともカップリングスリーブとシンクロハブとボークリングとクラッチギヤとを備えた変速機の同期装置に関する。
従来、手動変速機の同期装置は、変速時、ドライバーがシフトレバー操作を行うことによりカップリングスリーブを動かすと、カップリングスリーブとボークリングとのチャンファ同士が接触し、カップリングスリーブの動きを阻止し、ボークリングコーン面がクラッチギヤコーン面を押して摩擦トルク(同期力)を発生することで、ボークリングとシンクロハブとの回転同期作用を行うようにしている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平6−33952号公報
実開平6−8824号公報
しかしながら、従来の手動変速機の同期装置にあっては、カップリングスリーブとボークリングのチャンファ同士が接触し、ボークリングコーン面がクラッチギヤコーン面を押すことで発生する摩擦トルク(同期力)の全てが、カップリングスリーブからシフトレバーにダイレクトに伝わる構成となっていたため、ドライバーのシフト操作力が重くなる、という問題があった。また、クラッチを切り離しておいてカップリングスリーブをシフト方向に動作させる力を、モータアクチュエータ等により得る自動変速型平行2軸式歯車変速機(以下、自動MTという。)の場合には、高出力のモータアクチュエータ等が必要であり、大型化するし、コスト的にも不利である、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、同期中の動作荷重のピーク値を有効に下げることができる変速機の同期装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、カップリングスリーブと、シンクロハブと、ボークリングと、クラッチギヤと、を備えた変速機の同期装置において、
変速時であって、ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面との間で摩擦トルクが発生することにより、前記シンクロハブと前記ボークリングとの間に相対回転が発生しているとき、前記相対回転による周方向の力を、前記ボークリングをクラッチギヤに押し付ける軸方向のサポート同期力に変換するサポート同期力発生機構を設けた。
なお、キー式同期装置の場合には、インサートキーとボークリングとの間にサポート同期力発生機構を設けても良い。
変速時であって、ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面との間で摩擦トルクが発生することにより、前記シンクロハブと前記ボークリングとの間に相対回転が発生しているとき、前記相対回転による周方向の力を、前記ボークリングをクラッチギヤに押し付ける軸方向のサポート同期力に変換するサポート同期力発生機構を設けた。
なお、キー式同期装置の場合には、インサートキーとボークリングとの間にサポート同期力発生機構を設けても良い。
よって、本発明の変速機の同期装置にあっては、変速時であって、ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面との間で摩擦トルクが発生することにより、シンクロハブとボークリングとの間に相対回転が発生しているとき、サポート同期力発生機構において、相対回転による周方向の力が、ボークリングをクラッチギヤに押し付ける軸方向のサポート同期力に変換される。このサポート同期力は、シンクロハブとボークリングとの間で発生し、その反力はシンクロハブで受けられ、カップリングスリーブ側に伝わるものではないため、メカ的な同期力ということができる。そして、回転同期のために必要とするシフト動作荷重は、メカ的なサポート同期力により予め低くなった相対回転数から相対回転数をゼロにするまでの荷重で良いため、同期中の動作荷重のピーク値を有効に下げることができる。
以下、本発明の変速機の同期装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例6に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の変速機の同期装置を示すインサートキー部の断面図、図2は実施例1の変速機の同期装置を示す戻しキー部の断面図である。
図1は実施例1の変速機の同期装置を示すインサートキー部の断面図、図2は実施例1の変速機の同期装置を示す戻しキー部の断面図である。
実施例1の変速機の同期装置は、図1及び図2に示すように、変速軸1と、第1ギヤ2と、第1クラッチギヤ3と、第2ギヤ4と、第2クラッチギヤ5と、カップリングスリーブ6と、第1ボークリング7と、第2ボークリング8と、シンクロハブ9と、インサートキー10と、を備えている。
前記変速軸1には、第1ギヤ2と第2ギヤ4とが離れた位置にそれぞれ回転可能に設けられ、前記第1ギヤ2には第1クラッチギヤ3が圧入等により一体化され、前記第2ギヤ4には第2クラッチギヤ5が圧入等により一体化され、かつ、第1クラッチギヤ3と第2クラッチギヤ5とが対向配置されている。前記第1クラッチギヤ3と第2クラッチギヤ5のそれぞれには、同じ形状の第1クラッチギヤコーン面3aと第2クラッチギヤコーン面5aとが対向位置に形成されている。
前記カップリングスリーブ6は、前記第1ギヤ2と第2ギヤ4との間に配置された変速動作荷重の入力部材で、前記シンクロハブ9とはスプライン嵌合されており、シンクロハブ9と一体に回転し、且つ、軸方向に移動可能である。このカップリングスリーブ6のスリーブ内面には、インサートキー10を支持するキー溝6aとチャンファ6b,6bを有するスプライン歯6c,6cとが形成され、スリーブ外面には、図外のシフトフォークが嵌着するフォーク溝6dが形成されている。
前記第1ボークリング7は、第1ギヤ2の回転をシンクロハブ9の回転と同期させる同期部材で、軸方向に移動可能で、且つ、シンクロハブ9に対して所定量(スプライン歯のチャンファ位置合わせ量:以下、「割り出し量」という。)だけ相対回転可能である。この第1ボークリング7のリング内面には、前記第1クラッチギヤコーン面3aとテーパー嵌合する第1ボークリングコーン面7aが形成され、リング外面には、第1チャンファ7bが形成されている。
前記第2ボークリング8は、第2ギヤ4の回転をシンクロハブ9の回転と同期させる同期部材で、軸方向に移動可能で、且つ、シンクロハブ9に対して割り出し量だけ相対回転可能である。この第2ボークリング8のリング内面には、前記第2クラッチギヤコーン面4aとテーパー嵌合する第2ボークリングコーン面8aが形成され、リング外面には、第2チャンファ8bが形成されている。
前記シンクロハブ9は、前記両ボークリング7,9の間に挟まれた位置に配置され、変速軸1にスプライン固定された同期部材である。このシンクロハブ9のハブ内面には、変速軸1のスプライン歯1aと嵌合するスプライン歯9aが形成され、シンクロハブ9のハブ外面には、前記カップリングスリーブ6のスプライン歯6b,6bと嵌合するスプライン歯9bが形成されている。
前記インサートキー10は、前記シンクロハブ9の外周に3箇所形成されたキー溝9cの位置に配置された同期部材である。このインサートキー10は、シンクロハブ9とカップリングスリーブ6とキースプリング11により支持され、インサートキー10の外周に設けられたキー突起とカップリングスリーブ6のキー溝6aとがロックした状態で位置決めされており、シンクロハブ9と一体回転し、且つ、カップリングスリーブ6と連動して軸方向に移動可能である。
図3は実施例1の同期装置におけるボークリングを示す平面図及び正面図、図4は実施例1の同期装置におけるシンクロハブを示す平面図及び正面図、図5は実施例1の同期装置におけるサポート同期力発生機構を示すボークリングの斜視図(a)とサポート同期力発生機構を示すシンクロハブの斜視図(b)と戻し機構を示すボークリングの斜視図(c)であり、以下、サポート同期力発生機構及び戻し機構の構成について説明する。
前記サポート同期力発生機構とは、カップリングスリーブ6と第1ボークリング7のチャンファ6b,7b同士が接触して第1ボークリングコーン面7aを押す前に、第1ボークリング7に対し第1ボークリングコーン面7aを押すサポート同期力を発生させる機構と、カップリングスリーブ6と第2ボークリング8のチャンファ同士6b,8bが接触して第2ボークリングコーン面8aを押す前に、第2ボークリング8に対し第2ボークリングコーン面8aを押すサポート同期力を発生させる機構と、をいう。
実施例1のサポート同期力発生機構は、一対の斜面によるカム凸面7d,7d(凸部)を、図5(a)に示すように、第1ボークリング7のキー溝部7cの両側に形成し、かつ、一対のカム凸面7d,7dを、図3に示すように、周方向の3箇所位置に配置する。そして、一対の斜面によるカム凹面9d,9d(凹部)を、図5(b)に示すように、前記一対のカム凸面7d,7dと対応するシンクロハブ9のキー溝9cの両側位置に形成し、かつ、一対のカム凹面9d,9dを、図4に示すように、周方向の3箇所位置に配置する。
前記第2ボークリング8についても第1ボークリング7と同様であり、第1ボークリング7に、図外の一対のカム凸面を周方向の3箇所位置に配置し、これと対応する位置のシンクロハブ9に一対のカム凹面9d,9dを周方向の3箇所位置に配置する。なお、各カム面の傾斜角度は、適正なサポート同期力を得るべく決められるものであり、実施例1では、サポート同期力Faを発生するのに有効な45°程度の一定傾斜角を持つ傾斜面としている。また、図5(a),(b)に示すように、一対のカム凸面7d,7dが形成されるキー溝部7cの両端幅L1は、一対のカム凹面9d,9dの対向幅L2より少し狭い幅となるように設定されている。
前記戻し機構は、カップリングスリーブ6が中立位置にあるとき、および、カップリングスリーブ6と第1クラッチギヤ3(または第2クラッチギヤ5)のスプライン歯が噛み合っているとき(同期終了後)、前記サポート同期力が発生しないように、前記第1ボークリング7または第2ボークリング8を初期位置に戻し、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとを離す機構をいう。
実施例1の戻し機構は、図2,図3及び図5(c)に示すように、シンクロハブ9の両ボークリング7,8と径方向に対向する面に形成された一対のキー斜面部9e,9eと、該キー斜面部9e,9eに対し周方向3箇所位置で嵌合する戻しキー12,12と、該戻しキー12,12をそれぞれ外径方向に付勢するスプリング13,13と、該スプリング13,13を収容するべく両ボークリング7,8にそれぞれ形成されたスプリング溝7e,8eと、により構成されている。
次に、作用を説明する。
[変速同期作用]
実施例1の同期装置による変速同期作用について、図6及び図7を用いて説明する。ここでは、カップリングスリーブ6を図1の左方向に移動させ、高速で回転している第1ギヤ2の回転を低速で回転している変速軸1の回転数に同期させ、第1ギヤ2を変速軸1と一体回転させる変速例について説明する。
実施例1の同期装置による変速同期作用について、図6及び図7を用いて説明する。ここでは、カップリングスリーブ6を図1の左方向に移動させ、高速で回転している第1ギヤ2の回転を低速で回転している変速軸1の回転数に同期させ、第1ギヤ2を変速軸1と一体回転させる変速例について説明する。
例えば、手動変速機の場合、図6のt0の時点でシフトレバーに対するシフト操作を開始すると、中立状態からカップリングスリーブ6とインサートキー10とが図1の左方向に移動して徐々に動作荷重が増し、t1の時点に近づくと、シフトレバーに加えた荷重が伝達されるシフト操作機構の途中位置に設けられたシフトチェックボールをスプリング付勢力に抗して乗り上げ、乗り上げるt1の時点で最大のシフトチェック荷重が作用し、その後、t2の時点まで動作荷重は低下する。なお、自動MTの場合、図6のt0の時点でシフト動作を開始すると、t2の時点まで徐々に動作荷重が上昇する。以下述べる作用は、手動変速機の場合も自動MTの場合も同様である。
次に、インサートキー10が第1ボークリング7の溝壁面とのクリアランスを詰めて接触を開始すると、インサートキー荷重が上昇する。このインサートキー荷重の上昇により第1ボークリング7が図1の左方向に移動すると、第1クラッチギヤコーン面3aと第1ボークリングコーン面7aとが接触して摩擦トルクが発生し、t3の時点からサポート同期力による同期が開始される。
このサポート同期が開始されると、両ボークリングコーン面3a,7aとの間で摩擦トルクが発生することにより、シンクロハブ9と第1ボークリング7との間に相対回転が発生し、インサートキー10とキー溝7cとの周方向隙間のうち、一方の周方向隙間を無くす割り出しが行われ、図7(b)のボークリング割り出し状態に示すように、第1ボークリング7のカム凸面7dとシンクロハブ9のカム凹面9dとが接触する。このカム凹凸面7d,9dの接触により発生する周方向の相対回転力Fは、傾斜角度を持つカム面に垂直な方向に変えられて第1ボークリング7に作用し、相対回転力Fの軸方向分力がFaとなり、相対回転力Fの周方向分力がFbとなる。このうち、軸方向分力であるFaが、第1ボークリング7を第1ギヤ2側に押す方向に作用するサポート同期力となる。
前記サポート同期力Faは、図6に示すように、t3(同期開始点)〜t4(最大点)〜t5(切り替え点)の間で山なりの特性を示し、サポート同期力Faにより第1クラッチギヤコーン面3aと第1ボークリングコーン面7aとの間で摩擦トルクが発生し、変速軸1(=シンクロハブ9)と第1ギヤ2(=第1クラッチギヤ3)との相対回転数△Nは、初期相対回転数△N1から相対回転数△N0まで低下する。また、このサポート同期は、シンクロハブ9と第1ボークリング7との間で行われ、サポート同期力Faの反力は変速軸1に固定されたシンクロハブ9により受けられるため、サポート同期力Faの反力がカップリングスリーブ6に伝達されることは無い。つまり、メカ的に発生するサポート同期力Faは、シフト動作荷重を全く増大させることなく、シフト動作のために必要とする荷重をサポートすることになる。
さらに、カップリングスリーブ6が移動し、サポート同期力Faが低下する特性と、カップリングスリーブ6に加えられる動作荷重が増大する特性とが交差する交点となる時点t5からは、カップリングスリーブ6のチャンファ6bと第1ボークリング7の第1チャンファ7bとが接触し、カップリングスリーブ6の動きは阻止され、そのときの接触力の0大きさにより、第1クラッチギヤコーン面3aと第1ボークリングコーン面7aとの間で摩擦トルクが発生し、従来と同様にボーク状態での同期が行われる。
このチャンファ同士を接触させての同期では、変速軸1(=シンクロハブ9)と第1ギヤ2(=第1クラッチギヤ3)との相対回転数△Nを、予めメカ同期作用により低下させられていた相対回転数△N0から相対回転数ゼロまで低下するだけで良いため、t6時点での動作荷重のピーク値は低く、相対回転数がゼロとなるt7の時点で同期は終了する。
そして、同期が終了すると、摩擦トルクは消滅し、カップリングスリーブ6の阻止力も解除され、カップリングスリーブ6の移動が可能となり、t6の時点以降でカップリングスリーブ6が軸方向の移動に伴いインサートキー10がカップリングスリーブ6のキー溝6aから抜け、t7の時点で第1ボークリング7を押し分け、さらに、t8の時点でカップリングスリーブ6が第1クラッチギヤ3のスプライン歯へ噛み合い、t9の時点で変速動作が終了する。
よって、従来の同期装置のように、同期中はカップリングスリーブとボークリングのチャンファ同士を接触させ、カップリングスリーブから加えられる動作荷重のみにより、初期相対回転数△N1から相対回転数ゼロまで低下させる同期作用を行う場合、図6の従来動作力の特性に示すように、t4の時点から少し遅れた時点から動作荷重が大きく上昇し、t6の時点から動作荷重が低下するという特性を示し、動作荷重のピーク値が高くなる。
これに対し、実施例1では、上記のように、初期相対回転数△N1から相対回転数△N0まで低下させる同期力を、カップリングスリーブ6と第1ボークリング7のチャンファ6b,7b同士を接触させる前に、第1ボークリング7とシンクロハブ9とに形成したカム凹凸面7d,9dを接触させることにより発生するサポート同期力Faで予め補うようにしたため、図6の今回動作力の特性に示すように、t5〜t6〜t7までの領域による山なりの動作荷重特性を示す。
よって、動作荷重のピーク値については、図6の動作荷重のピーク値低減代に示すように、従来装置に比べて大幅に低下させることができる。この結果、例えば、アクチュエータによりシフト動作力を付与する場合、低くなった動作荷重のピーク値を出し得る定格出力を持つ小型アクチュエータを用いることができる。
加えて、図6のハッチングに示す領域が、従来装置での同期仕事量に対する同期仕事量低減代となり、従来装置での同期仕事量に比べ、カップリングスリーブ6に動作荷重を加えることなく行われるサポート同期による同期仕事量の分が減少し、同期仕事量の大幅な低減を図ることができる。
[ボークリングの戻し作用]
実施例1の同期装置では、例えば、上記のようにシフトアップを行う時(回転を下げる方向に同期する時)の必要シフト動作荷重を低減することができるが、この後、シフトダウンを行う時(回転を上げる方向に同期する時)、第1ボークリング7はシンクロハブ9と一緒に回転しているので、両ボークリングコーン面3a,7aに引き摺りトルクが発生し、シフトダウンの動作荷重が重くなるという問題があった。
これに対し、実施例1では、同期終了後、第1ボークリング7は、スプリング13の付勢力により、戻しキー12がシンクロハブ9に形成されたキー斜面部9eを滑り上がる。その結果、第1ボークリング7がシンクロハブ9の方向に戻されることになる。このように、第1ボークリング7がシンクロハブ9の方向に戻されるため、両ボークリングコーン面3a,7aの引き摺りトルク(フリクション)が無くなり、このフリクションに抗して行われるシフトダウン時の動作荷重が軽くなる。
ここで、戻し機構の必要性をより詳しく説明すると、両ボークリング7,8が、シンクロハブ9に対して所定量相対回転可能であり、且つ、軸方向移動可能であるため、以下のような問題が発生する。
すなわち、非選択段のサポート同期量発生機構において、ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面との間のクリアランスが確保されず、コーン面間に介在する潤滑油が油膜を形成し、この油膜によってコーン面間に引き摺りトルク(摩擦トルク)が発生して、シンクロハブとボークリングとの間に相対回転が発生してしまうと、カップリングスリーブにシフト動作力が入力されていなくても勝手にサポート同期力発生機構が作動してサポート同期力を発生させてしまい、ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面とが必要以上に摩耗し、同期装置の寿命を低下させてしまうと共に、最悪の場合には、このサポート同期力によってシンクロハブとボークリングとの間の相対回転が0となって2重シフト(選択段と非選択段が同時に選択されロックしてしまう状態)が発生するという問題(問題1)が生じる。
また、選択段のサポート同期力発生機構において、同期終了後(変速終了後)、カップリングスリーブとクラッチギヤのスプライン歯が噛み合っているときには、通常、ボークリングを押し付ける力が作用しないため、ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面とは外れた状態にあるが、エンジンの回転変動によってシンクロハブとボークリングとの間に相対回転が発生し、場合によっては相対回転量が大きくなってサポート同期力発生機構が作動し、ボークリングをクラッチギヤに押し付けてボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面とが嵌合状態(食い付き状態)となってしまうおそれがある。このような状態になると、当該変速段から他の変速段へ変速するに際に、上記ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面との嵌合を外すための力が必要となり、カップリングスリーブへ入力するシフト動作力を大きくしなければならないといった問題(問題2)が生じる。
ゆえに、実施例1のように戻し機構を設けると、カップリングスリーブ6がニュートラル位置にあるとき、第1ボークリング7または第2ボークリング8を初期位置に戻し、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとを離すことで、非選択段のボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面とのクリアランスを確実に確保して上記問題1の発生を防止できる。併せて、カップリングスリーブ6と第1クラッチギヤ3(または第2クラッチギヤ5)のスプライン歯が噛み合っているときに、第1ボークリング7または第2ボークリング8を初期位置に戻し、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとを離すことで、変速終了後に選択段のボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面とが嵌合状態になることを防止して上記問題2の発生を防止できる。
次に、効果を説明する。
実施例1の変速機の同期装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例1の変速機の同期装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) カップリングスリーブ6と、シンクロハブ9と、ボークリング7,8と、クラッチギヤ3,5と、を備えた変速機の同期装置において、変速時であって、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとの間で摩擦トルクが発生することにより、前記シンクロハブ9と前記ボークリング7,8との間に相対回転が発生しているとき、前記相対回転による周方向の力を、前記ボークリング7,8をクラッチギヤ3,5に押し付ける軸方向のサポート同期力Faに変換するサポート同期力発生機構を設けたため、同期中の動作荷重のピーク値を有効に下げることができる。この結果、手動変速機の場合には、ドライバーがシフトレバーに加えるシフト操作力が軽減されるし、また、自動MTの場合には、シフトアクチュエータとして、コスト的にもスペース的にも有利な小型アクチュエータを用いることができる。
(2) 前記カップリングスリーブ6が中立位置にあるとき、および、カップリングスリーブ6と第1クラッチギヤ3(または第2クラッチギヤ5)のスプライン歯が噛み合っているとき、サポート同期力が発生しないように、第1ボークリング7または第2ボークリング8を初期位置に戻し、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとを離す戻し機構を設けたため、非選択段のボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとのクリアランスを確実に確保して摩耗等の問題の発生を防止することができると共に、変速終了後に選択段のボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとが嵌合状態になることを防止することができる。
(3) 前記シンクロハブ9と前記ボークリング7,8との一方に凸部を設け、前記シンクロハブ9と前記ボークリング7,8との他方に凹部を設け、前記シンクロハブ9と前記ボークリング7,8との間に相対回転が発生しているとき、前記凸部と前記凹部とがカム面接触をして、前記サポート同期力Faを発生するため、部品点数を増大させることがなく、コスト的にもスペース的にも有利な凹凸構造によりサポート同期力Faを発生することができる。
(4) 前記凸部は、前記ボークリング7,8のキー溝部7c,(8c)の両端位置に形成した斜面によるカム凸面7d,(8d)であり、前記凹部は、前記シンクロハブ9のスプライン歯のキー溝部9cの両端位置に形成した斜面によるカム凹面9d,9dであるため、斜面接触による割り出し動作を確保しつつ、周方向の相対回転力Fを斜面の設定角度で決まる軸方向分力(サポート同期力Fa)に変換することができる。
(5) 前記戻し機構は、シンクロハブ9の内面に形成された一対のキー斜面部9e,9eに嵌合し、外径方向にスプリング付勢された戻しキー12,12であるため、両ボークリング7,8とシンクロハブ9との径方向の対向隙間を利用して戻し機構を内蔵することができる。
実施例2は、サポート同期力Faを発生する凸部と凹部を、実施例1とは異なる設定とした例である。
すなわち、実施例2のサポート同期力発生機構は、図8〜図12に示すように、台形状凸部7d’を、第1ボークリング7の端面位置に形成し(図12)、かつ、周方向の3箇所位置に配置する(図10)。そして、台形状凹部9d’を、前記台形状凸部7d’と対応するシンクロハブ9の端面位置に形成し(図12)、かつ、周方向の3箇所位置に配置する(図11)。
前記第2ボークリング8についても第1ボークリング7と同様であり、第1ボークリング7の端面位置に、台形状凸部8d’を周方向の3箇所位置に配置し(図9)、これと対応するシンクロハブ9の端面位置に台形状凹部9d’を周方向の3箇所位置に配置する。ここで、台形状凹凸部7d’,8d’,9d’の周方向両側位置に形成されたカム斜面の傾斜角度は、適正なサポート同期力Faを得るべく決められるものであり、実施例2では、例えば、同期力Faを発生するのに有効な45°程度の傾斜角度としている。なお、他の構成は実施例1と同様であるので、同一構成には図面に同一符号を付して説明を省略する。
サポート同期作用については、実施例1と同様に、両ボークリングコーン面3a,7aの接触によるサポート同期が開始されると、図13(a)に示すように、第1ギヤ2に引きずられて回転する第1ボークリング7の回転数が早いことで、図13(b)に示すように、第1ボークリング7のカム斜面を付けた台形状凸部7d’と、シンクロハブ9のカム斜面を付けた台形状凹部9d’とが接触する。このカム斜面を付けた台形状凹凸部7d’,9d’の接触により発生する周方向の相対回転力Fは、傾斜角度を持つカム面に対し垂直な方向に変えられて第1ボークリング7に作用し、相対回転力Fの軸方向分力がFaとなり、相対回転力Fの周方向分力がFbとなる。このうち、軸方向分力であるFaが、第1ボークリング7を第1ギヤ2側に押す方向に作用するサポート同期力となる。なお、ボークリング7,8の戻し作用を含めた他の作用は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
この実施例2の変速機の同期装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
この実施例2の変速機の同期装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記凸部は、シンクロハブ9に形成されたスプライン歯9bの両端面位置に形成したカム斜面を有する台形状凸部9d’,9d’であり、前記凹部は、前記台形状凸部9d’,9d’に対応するボークリング7,8の位置に形成したカム斜面を有する台形状凹部7d’,8d’であるため、両ボークリング7,8とシンクロハブ9との設計変更を最小限度に抑えてコスト的に有利としながら、ボークリング7,8とクラッチギヤ3,5とのテーパー嵌合面に近い位置にてサポート同期力Faを有効に発生することができる。
実施例3は、サポート同期力Faを発生する凸部と凹部を、実施例1,2とは異なる設定とした例である。
すなわち、実施例3のサポート同期力発生機構は、図14〜図16に示すように、凸部を、カム曲面を有する半円弧状凸部18a,18aとし、シンクロハブ9に形成されたスプライン歯9bの一部を取り除いた部分の軸方向幅を狭くし、この狭くした両端面位置に形成している。また、凹部を、カム曲面を有する半円弧状凹部17a,17aとし、前記半円弧状凸部18a,18aに対応する両ボークリング7,8の位置に形成している。この実施例3の半円弧状凸部18a,18aと半円弧状凹部17a,17aを一対とするサポート同期力発生機構は、例えば、周方向の3箇所位置に配置する。
ここで、半円弧状凸部18a,18aと半円弧状凹部17a,17aの長さの設定条件は、図15に示すように、割り出し量をL1、半円弧状凸部18aの中心位置からサポート同期力Faが発生する際の接触位置までの長さをL2とした場合、L2>L1の関係が成立するように設定し、ボークリング7,8とクラッチギヤ3,5とのニュートラル状態での軸方向隙間をL3とし、サポート同期力Faが発生する際の接触位置と半円弧状凹部17aの最底位置までの軸方向長さをL4としたとき、L4>L3の関係が成立するように設定する。また、円弧半径条件(円弧R条件)は、図16に示すように、(半円弧状凹部17aの円弧半径)>(半円弧状凸部18aの円弧半径)の関係が成立するように設定する。なお、他の構成は実施例1と同様であるので、同一構成には図面に同一符号を付して説明を省略する。
サポート同期作用については、実施例1と同様に、両ボークリングコーン面3a,7aの接触によるサポート同期が開始されると、第2ボークリング8の半円弧状凹部17aとシンクロハブ9の半円弧状凸部18aとの接触位置が、図15(a)の位置から図15(b)の位置へと徐々に移動する。この半円弧状凹部17aと半円弧状凸部18aとの移動接触により円弧状接触面の角度が変化しながら第2ボークリング8を軸方向に移動させ、図15(b)の位置まで移動するとサポート同期力Faを発生し、第2ボークリング8を第2ギヤ4側に押す。なお、図示していないが、実施例1と同様に戻し機構も設けていて、ボークリング7,8の戻し作用を含めた他の作用は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
この実施例3の変速機の同期装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
この実施例3の変速機の同期装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記凸部は、シンクロハブ9に形成されたスプライン歯9bの一部を取り除いた部分の両端面位置に形成したカム曲面を有する半円弧状凸部18a,18aであり、前記凹部は、半円弧状凸部18a,18aに対応する両ボークリング7,8の位置に形成したカム曲面を有する半円弧状凹部17a,17aであるため、両ボークリング7,8とシンクロハブ9との相対回転の開始からボークリング7または8を軸方向に移動させ、所定量相対回転すると応答良くサポート同期力Faを発生することができる。
実施例4は、サポート同期力Faを発生する方式を、カム分力によりサポート同期力Faを発生する実施例1,2,3とは異なる方式とした例である。
すなわち、実施例4のサポート同期力発生機構は、図17〜図19に示すように、前記シンクロハブ9の割り出し量を設定する位置に保持され、コイルバネ16,16(弾性体)によってボークリング7,8に対して押付力を作用するピン15,15を備え、前記ピン15,15に円錐斜面による凸部15d,15dを設けると共に、前記ボークリング7,8に円錐斜面による凸部15d,15dに符合する台形状の凹部7f’,7f’を設ける。
そして、図18(a)に示すように、ニュートラル状態のとき、前記コイルバネ16,16が弾性力を発生することなく前記凸部15d,15dと前記凹部7f’,7f’とがロックした状態であり、図18(b)に示すように、前記シンクロハブ9と前記第2ボークリング8との間に相対回転が発生しているとき、前記凸部15dと前記凹部7f’とのロックが外れて前記凸部15dが前記凹部7f’を乗り上げ、弾性力を発生したピン15,15の先端面が第2ボークリング8に弾性接触して、サポート同期力Faを発生する構造としている。
ここで、第1ボークリング7側に作用するピン15を有するコイルバネ15と、第2ボークリング8側に作用するピン15を有するコイルバネ15とは、シンクロハブ9の切り欠凹部に中間壁を介し独立した設定とし、コイルバネ16,16を縮めることによる発生する弾性力(=サポート同期力Fa)の反力をシンクロハブ9にて受けるようにしている。また、ピン15,15に設ける円錐斜面による凸部15d,15dに代え、図20に示すように、ドーム形状の凸部15d’,15d’としても良く、この場合、円筒面による凹部7f",7f"とする。なお、他の構成は実施例1と同様であるので、同一構成には図面に同一符号を付して説明を省略する。
サポート同期作用については、ボークリングコーン面8aとクラッチギヤコーン面5aとの間で摩擦トルクが発生することにより、シンクロハブ9と第2ボークリング8との間に相対回転が発生しているとき、相対回転により凸部15dと凹部7f’とのロックが外れて凸部15dが凹部7f’を乗り上げてコイルバネ16を縮める。この縮められたコイルバネ16で発生した弾性力によりピン15の先端面が第2ボークリング8に弾性接触して、サポート同期力Faを発生する。すなわち、実施例1,2,3では、相対回転力Fをカム面接触による軸方向分力に変換してサポート同期力Faを発生するのに対し、この実施例4では、相対回転力Fをコイルバネ16の弾性力に変換してサポート同期力Faを発生する。なお、図示していないが、実施例1と同様に戻し機構も設けていて、ボークリング7,8の戻し作用を含めた他の作用は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
この実施例4の変速機の同期装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
この実施例4の変速機の同期装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8) シンクロハブ9の割り出し量を設定する位置に保持され、コイルバネ16,16によってボークリング7,8に対して押付力を作用するピン15,15を備え、前記ピン15,15に円錐斜面による凸部15d,15dを設けると共に、前記ボークリング7,8に円錐斜面による凸部15d,15dに符合する台形状の凹部7f’,7f’を設け、ニュートラル状態のとき、前記コイルバネ16,16が弾性力を発生することなく前記凸部15d,15dと前記凹部7f’,7f’とがロックした状態であり、前記シンクロハブ9と前記第2ボークリング8との間に相対回転が発生しているとき、前記凸部15dと前記凹部7f’とのロックが外れて前記凸部15dが前記凹部7f’を乗り上げ、弾性力を発生したピン15,15の先端面が第2ボークリング8に弾性接触して、サポート同期力Faを発生する構造としたため、相対回転力Fをコイルバネ16の弾性力に変換することにより、確実にサポート同期力Faを発生することができる。
実施例5は、サポート同期力発生機構については実施例1〜実施例4と同様の構成を採用しているが、実施例1,2とは異なるボークリング7,8の戻し機構を採用した例である。
すなわち、実施例5-1の戻し機構は、実施例2のサポート同期力発生機構を利用したものであり、図21〜図23に示すように、対向する一対のボークリング7,8間に介装した戻しスプリング14としている。そして、戻しスプリング14を引っかける穴7f,8fを、両ボークリング7,8の台形状凸部7d’,8d’の位置に形成し、かつ、戻しスプリング14を貫通する穴9fをシンクロハブ9の台形状凹部9d’,9d’の位置に形成している。
また、実施例5-2の戻し機構は、例えば、実施例1の戻し機構に代えて採用されたものであり、図24および図25に示すように、対向する一対のボークリング7,8間に介装した戻しスプリング14’としている。そして、戻しスプリング14’を引っかける穴7g,8gを、両ボークリング7,8のスプライン歯7b,8bの直ぐ下の位置に軸方向に形成し、かつ、戻しスプリング14’を貫通する穴9gをカップリングスリーブ6とシンクロハブ9のスプライン歯6c,9bを一部切除した位置に形成している。なお、他の構成は実施例1,2と同様であるので、同一構成には図面に同一符号を付して説明を省略する。
ボークリング7,8の戻し作用について、実施例5では、カップリングスリーブ6が中立位置にあるとき、および、カップリングスリーブ6と第1クラッチギヤ3(または第2クラッチギヤ5)のスプライン歯が噛み合っているとき、一対のボークリング7,8間に介装した戻しスプリング14または戻しスプリング14’の付勢力により、サポート同期力が発生しないように、第1ボークリング7または第2ボークリング8を初期位置に戻し、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとを引き離す作用を示す。
次に、効果を説明する。
この実施例5の変速機の同期装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4)の効果、実施例2の(6)の効果、実施例3の(7)の効果、実施例4の(8)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
この実施例5の変速機の同期装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4)の効果、実施例2の(6)の効果、実施例3の(7)の効果、実施例4の(8)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記戻し機構は、対向する一対のボークリング7,8間に介装した戻しスプリング14または戻しスプリング14’あるため、実施例1,2に比べ、部品点数の少ない簡単な構成にて、非選択段のボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとのクリアランスを確実に確保して摩耗等の問題の発生を防止することができると共に、変速終了後に選択段のボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとが嵌合状態になることを防止することができる。
実施例6は、実施例1〜実施例5がシンクロハブ9とボークリング7,8間にサポート同期力発生機構を設けた例であったのに対し、インサートキー10とボークリング7,8間にサポート同期力発生機構を設けた例である。
実施例6の変速機の同期装置は、図26〜図28に示すように、カップリングスリーブ6と、インサートキー10と、シンクロハブ9と、ボークリング7,8と、クラッチギヤ3,5と、を備えた変速機の同期装置において、変速時であって、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとの間で摩擦トルクが発生することにより、前記インサートキー10と前記ボークリング7,8との間に相対回転が発生しているとき、前記相対回転による周方向の力を、前記ボークリングをクラッチギヤに押し付ける軸方向のサポート同期力Faに変換するサポート同期力発生機構を設けた。
このサポート同期力発生機構は、前記ボークリング7,8に一対の斜面によるカム凸面7f,8f(凸部)を設け、前記インサートキー10に一対の斜面によるカム凹面10d,10d(凹部)を設け、前記インサートキー10と前記ボークリング7,8との間に相対回転が発生しているとき、前記カム凸面7f,8fと前記カム凹面10d,10dとがカム面接触をして、前記サポート同期力Faを発生し、インサートキー10が受けるサポート同期力Faの反力を、図29に示すように、キー溝6aの傾斜面を介してカップリングスリーブ6にて受けるようにしている。
ここで、カム凸面7f,8fとカム凹面10d,10dの長さの設定条件は、図27に示すように、インサートキー幅をL1、カム凸面7f,8fの最大幅をL2とした場合、L2>L1の関係が成立するように設定し、ボークリング7,8とインサートキー10とのニュートラル状態での周方向隙間をL3とし、割り出し量をL4としたとき、L4>L3の関係が成立するように設定する。なお、他の構成について実施例1と同様であるので説明を省略する。また、戻し機構については図示していないが、例えば、実施例5に記載したような戻しスプリング14または戻しスプリング14’を設けている。
次に、変速同期作用を説明する。
[変速同期作用]
実施例6の同期装置による変速を開始し、中立状態からカップリングスリーブ6とインサートキー10とを移動させ、インサートキー10が第1ボークリング7の溝壁面とのクリアランスを詰めて接触を開始すると、インサートキー荷重が上昇し、ボークリング7または8が移動すると、第1クラッチギヤコーン面3aとボークリングコーン面7aまたは8aとが接触して摩擦トルクが発生し、図30のt3の時点からサポート同期力による同期が開始される。
実施例6の同期装置による変速を開始し、中立状態からカップリングスリーブ6とインサートキー10とを移動させ、インサートキー10が第1ボークリング7の溝壁面とのクリアランスを詰めて接触を開始すると、インサートキー荷重が上昇し、ボークリング7または8が移動すると、第1クラッチギヤコーン面3aとボークリングコーン面7aまたは8aとが接触して摩擦トルクが発生し、図30のt3の時点からサポート同期力による同期が開始される。
このサポート同期が開始されると、両ボークリングコーン面3a,7aとの間で摩擦トルクが発生することにより、インサートキー10とボークリング7または8との間に相対回転が発生し、一方の周方向隙間を無くす割り出しが行われ、ボークリング7または8のカム凸面7fまたは8fとインサートキー10のカム凹面10dとが接触する。このカム凹凸面7d(8d),10dの接触により発生する周方向の相対回転力Fは、傾斜角度を持つカム面に垂直な方向に変えられてボークリング7または8に作用し、相対回転力Fの軸方向分力がFaとなり、相対回転力Fの周方向分力がFbとなる。このうち、軸方向分力であるFaが、ボークリング7または8をギヤ2または4側に押す方向に作用するサポート同期力となる。
前記サポート同期力Faは、図30に示すように、t3(同期開始点)〜t4(最大点)〜t5(切り替え点)の間で山なりの特性を示し、サポート同期力Faによりクラッチギヤコーン面3a(5a)とボークリングコーン面7a(8a)との間で摩擦トルクが発生し、変速軸1(=シンクロハブ9)とクラッチギヤ3または5との相対回転数△Nは、初期相対回転数△N1から相対回転数△N0まで低下する。なお、このサポート同期は、インサートキー10とボークリング7または8との間で行われ、サポート同期力Faの反力はキー溝6aを介してカップリングスリーブ6により受けられるため、図29に示すように、サポート同期力Faの反力がキー溝6aの傾斜角度により傾斜接触面に垂直な方向に変更され、軸方向分力f1と径方向分力f2とに分けられるため、サポート同期力Faに対抗してカップリングスリーブ6に加える動作荷重は、軸方向分力f1(<Fa)に軽減されることになる。つまり、メカ的に発生するサポート同期力Faは、僅かにシフト動作荷重を増大させるものの、シフト動作のために必要とする荷重をサポートすることになる。なお、これ以降の同期が終了するまでの作用は、実施例1と同様である。
よって、従来の同期装置のように、同期中はカップリングスリーブとボークリングのチャンファ同士を接触させ、カップリングスリーブから加えられる動作荷重のみにより、初期相対回転数△N1から相対回転数ゼロまで低下させる同期作用を行う場合、図30の従来動作力の特性に示すように、t4の時点から少し遅れた時点から動作荷重が大きく上昇し、t6の時点から動作荷重が低下するという特性を示すというように、短い時間△tbの間で必要とする動作荷重を得るため、動作荷重のピーク値が高くなる。
これに対し、実施例6では、上記のように、初期相対回転数△N1から相対回転数△N0まで低下させる同期力を、インサートキー10とボークリング7または8とに形成したカム凹凸面7d(8d),10dを接触させることにより発生するサポート同期力Faで予め補うようにし、カップリングスリーブ6で受けるサポート同期力Faの反力も小さな力f1で受けるようにしたため、図30の今回動作力の特性に示すように、t3〜t4〜t5dでの山なりとt5〜t6〜t7での山なりとを合わせた動作荷重特性を示す。
よって、t3の時点から少し遅れた時点から同期のための動作荷重が発生するという特性となり、長い時間△ta(>△tb)の間で必要とする動作荷重を得るため、動作荷重のピーク値が低くなる。動作荷重のピーク値については、図30の動作荷重のピーク値低減代に示すように、従来装置に比べて大幅に低下させることができる。この結果、例えば、アクチュエータによりシフト動作力を付与する場合、低くなった動作荷重のピーク値を出し得る定格出力を持つ小型アクチュエータを用いることができる。
加えて、従来装置での同期仕事量に比べ、カップリングスリーブ6に僅かの動作荷重を加えることで行われるサポート同期による同期仕事量の分が減少し、同期仕事量の低減を図ることができる。なお、他の作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例6の変速機の同期装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例6の変速機の同期装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(10) カップリングスリーブ6と、インサートキー10と、シンクロハブ9と、ボークリング7,8と、クラッチギヤ3,5と、を備えた変速機の同期装置において、変速時であって、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとの間で摩擦トルクが発生することにより、前記インサートキー10と前記ボークリング7,8との間に相対回転が発生しているとき、前記相対回転による周方向の力を、前記ボークリングをクラッチギヤに押し付ける軸方向のサポート同期力Faに変換するサポート同期力発生機構を設けたため、同期中の動作荷重のピーク値を有効に下げることができる。この結果、手動変速機の場合には、ドライバーがシフトレバーに加えるシフト操作力が軽減されるし、また、自動MTの場合には、シフトアクチュエータとして、コスト的にもスペース的にも有利な小型アクチュエータを用いることができる。
(11) 前記カップリングスリーブ6が中立位置にあるとき、および、カップリングスリーブ6と第1クラッチギヤ3(または第2クラッチギヤ5)のスプライン歯が噛み合っているとき、サポート同期力が発生しないように、第1ボークリング7または第2ボークリング8を初期位置に戻し、ボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとを離す戻し機構を設けたため、非選択段のボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとのクリアランスを確実に確保して摩耗等の問題の発生を防止することができると共に、変速終了後に選択段のボークリングコーン面7a,8aとクラッチギヤコーン面3a,5aとが嵌合状態になることを防止することができる。
(12) 前記インサートキー10と前記ボークリング7,8との一方に凸部を設け、前記インサートキー10と前記ボークリング7,8との他方に凹部を設け、前記インサートキー10と前記ボークリング7,8との間に相対回転が発生しているとき、前記凸部と前記凹部とがカム面接触をして、前記サポート同期力Faを発生し、インサートキー10が受けるサポート同期力Faの反力を、キー溝6aの傾斜面を介してカップリングスリーブ6にて受けるため、部品点数を増大させることがなく、コスト的にもスペース的にも有利な凹凸構造によりサポート同期力Faを発生することができると共に、カップリングスリーブ6に加えるサポート同期力Faの反力負担分も小さく抑えることができる。
以上、本発明の変速機の同期装置を実施例1〜実施例6に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1〜5のシンクロハブとボークリングとの間のサポート同期力発生機構は、キー式同期装置に限らず、ピン式同期装置や、同期初期に相対回転するシンクロハブとボークリングを有する他の方式の同期装置にも適用することができる。
サポート同期力発生機構として、実施例1〜6では斜面や曲面によるカム面接触を利用したものと、コイルスプリングに蓄える弾性力を利用したものを示したが、シンクロハブ(またはインサートキー)とボークリングとの間に相対回転が発生しているとき、相対回転による周方向の力を、ボークリングをクラッチギヤに押し付ける軸方向のサポート同期力に変換する機構であれば、その具体的な機構は、実施例1〜6に記載した機構に限られることはない。
戻し機構として、実施例1〜6では戻しキーと戻しスプリングによるものを示したが、カップリングスリーブが中立位置にあるとき、および、カップリングスリーブとクラッチギヤのスプライン歯が噛み合っているとき、サポート同期力が発生しないように、ボークリングを初期位置に戻し、ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面とを離す機構であれば、その具体的な機構は、実施例1〜6に記載した機構に限られることはない。
本発明の同期装置は、シフトレバーをドライバーによる手動動作により変速する手動変速機に適用することができるし、また、エンジンとの間に制御型クラッチを有し、変速時、制御型クラッチを切り離している間にモータアクチュエータ等により変速する、いわゆる自動MTと呼ばれる変速機にも適用することができる。
1 変速軸
2 第1ギヤ
3 第1クラッチギヤ
4 第2ギヤ
5 第2クラッチギヤ
6 カップリングスリーブ
6b チャンファ
7 第1ボークリング
7b 第1チャンファ
7d カム凸面(凸部)
7d’ 台形状凸部(凸部)
8 第2ボークリング
8b 第2チャンファ
8d カム凸面(凸部)
8d’ 台形状凸部(凸部)
9 シンクロハブ
9d カム凹面(凹部)
9d’ 台形状凹部(凹部)
10 インサートキー
11 キースプリング
12 戻しキー(戻し機構)
13 スプリング
14,14’ 戻しスプリング(戻し機構)
2 第1ギヤ
3 第1クラッチギヤ
4 第2ギヤ
5 第2クラッチギヤ
6 カップリングスリーブ
6b チャンファ
7 第1ボークリング
7b 第1チャンファ
7d カム凸面(凸部)
7d’ 台形状凸部(凸部)
8 第2ボークリング
8b 第2チャンファ
8d カム凸面(凸部)
8d’ 台形状凸部(凸部)
9 シンクロハブ
9d カム凹面(凹部)
9d’ 台形状凹部(凹部)
10 インサートキー
11 キースプリング
12 戻しキー(戻し機構)
13 スプリング
14,14’ 戻しスプリング(戻し機構)
Claims (12)
- カップリングスリーブと、シンクロハブと、ボークリングと、クラッチギヤと、を備えた変速機の同期装置において、
変速時であって、ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面との間で摩擦トルクが発生することにより、前記シンクロハブと前記ボークリングとの間に相対回転が発生しているとき、前記相対回転による周方向の力を、前記ボークリングをクラッチギヤに押し付ける軸方向のサポート同期力に変換するサポート同期力発生機構を設けたことを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項1に記載された変速機の同期装置において、
前記カップリングスリーブが中立位置にあるとき、および、前記カップリングスリーブとクラッチギヤのスプライン歯が噛み合っているとき、前記サポート同期力が発生しないように、前記ボークリングを初期位置に戻し、前記ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面とを離す戻し機構を設けたことを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項1,2の何れか1項に記載された変速機の同期装置において、
前記シンクロハブと前記ボークリングとの一方に凸部を設け、前記シンクロハブと前記ボークリングとの他方に凹部を設け、
前記シンクロハブと前記ボークリングとの間に相対回転が発生しているとき、前記凸部と前記凹部とがカム面接触をして、前記サポート同期力を発生することを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項3に記載された変速機の同期装置において、
前記凸部は、前記ボークリングのキー溝部の両端位置に形成した斜面または曲面によるカム凸面であり、
前記凹部は、前記シンクロハブのスプライン歯のキー溝部の両端位置に形成した斜面または曲面によるカム凹面であることを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項3に記載された変速機の同期装置において、
前記凸部は、シンクロハブに形成されたスプライン歯部分の両端面位置に形成したカム斜面を有する台形状凸部であり、
前記凹部は、前記台形状凸部に対応するボークリングの位置に形成したカム斜面を有する台形状凹部であることを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項3に記載された変速機の同期装置において、
前記凸部は、前記シンクロハブに形成されたスプライン歯部分の両端面位置に形成したカム曲面を有する半円弧状凸部であり、
前記凹部は、前記半円弧状凸部に対応するボークリングの位置に形成したカム曲面を有する半円弧状凹部であることを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項1,2の何れか1項に記載された変速機の同期装置において、
前記シンクロハブに保持され、弾性体によってボークリングに対して押付力を作用するピンを備え、
前記ピンに凸部を設けると共に、前記ボークリングに凹部を設け、
ニュートラル状態のとき、前記弾性体が弾性力を発生することなく前記凸部と前記凹部とがロックした状態であり、
前記シンクロハブと前記ボークリングとの間に相対回転が発生しているとき、前記凸部と前記凹部とのロックが外れて前記凸部が前記凹部を乗り上げ、弾性力を発生したピンがボークリングに弾性接触して、前記サポート同期力を発生することを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項2乃至7の何れか1項に記載された変速機の同期装置において、
前記戻し機構は、シンクロハブの内面に形成された一対のキー斜面部に嵌合し、外径方向にスプリング付勢された戻しキーであることを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項2乃至7の何れか1項に記載された変速機の同期装置において、
前記戻し機構は、対向する一対のボークリング間に介装した戻しスプリングであることを特徴とする変速機の同期装置。 - カップリングスリーブと、インサートキーと、シンクロハブと、ボークリングと、クラッチギヤと、を備えた変速機の同期装置において、
変速時であって、ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面との間で摩擦トルクが発生することにより、前記インサートキーと前記ボークリングとの間に相対回転が発生しているとき、前記相対回転による周方向の力を、前記ボークリングをクラッチギヤに押し付ける軸方向のサポート同期力に変換するサポート同期力発生機構を設けたことを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項10に記載された変速機の同期装置において、
前記カップリングスリーブが中立位置にあるとき、および、前記カップリングスリーブとクラッチギヤのスプライン歯が噛み合っているとき、前記サポート同期力が発生しないように、前記ボークリングを初期位置に戻し、前記ボークリングコーン面とクラッチギヤコーン面とを離す戻し機構を設けたことを特徴とする変速機の同期装置。 - 請求項10,11の何れか1項に記載された変速機の同期装置において、
前記インサートキーと前記ボークリングとの一方に凸部を設け、前記インサートキーと前記ボークリングとの他方に凹部を設け、
前記インサートキーと前記ボークリングとの間に相対回転が発生しているとき、前記凸部と前記凹部とがカム面接触をして、前記サポート同期力を発生し、インサートキーが受けるサポート同期力の反力を、キー溝の傾斜面を介してカップリングスリーブにて受けることを特徴とする変速機の同期装置。
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