JP2010025293A - 車両用手動変速機の同期かみあい装置 - Google Patents

車両用手動変速機の同期かみあい装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一層軽い操作でシフト操作が可能な車両用自動変速機の同期かみあい装置を提供する。
【解決手段】クラッチハブ12にキー16を周方向の移動不能に嵌め入れるために形成された溝26の内壁面28とそのクラッチハブ12の端面30との間に、その端面30に近づくほどその溝26の内壁面28の間隔が大きくなるように形成された一対の傾斜面32と、シンクロナイザリング18に形成され、スリーブ14が軸心C方向に操作されたときにそれと共に移動するキー16のキー本体40と当接させられる当接面62と、シンクロナイザリング18に形成され、当接面62の周方向の両側に位置して上記一対の傾斜面32にそれぞれ対向するように形成された一対のテーパ面64とを、備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両用手動変速機の同期かみあい装置に関し、特に、シフト操作力を低減し、シフト操作感を改善する技術に関するものである。
車両の手動変速機において、変速のためのシフト操作が行われるとき、新しくギヤ段を成立させるために回転同期させてからシフト操作を完了させる同期かみあい装置を用いることが知られている。この同期かみあい装置は、一般に、回転軸に固定されたハブと、そのハブの外周歯と噛み合う内周歯を備えてそのハブに相対回転不能且つ軸心方向の移動可能に装着されたスリーブと、ハブに周方向の移動不能且つ径方向および軸心方向の移動可能に設けられ、弾性部材によってスリーブの内周面に設けられた位置決め面に押圧されてそのスリーブを軸心方向の所定範囲内に位置させるが、スリーブに加えられる軸心方向の操作力により前記弾性部材が弾性変形させられるとそのスリーブの軸心方向の移動を許容するキーと、スリーブの内周歯と係合してそのスリーブの軸心方向の移動を阻止するための外周歯と円錐状内周面とを有するシンクロナイザリングと、そのシンクロナイザリングの円錐状内周面に面接触状態で摺接する円錐状外周面とスリーブの内周歯に噛み合い可能な外周歯とを有して前記回転軸と同心に且つ相対回転可能に設けられたギヤピースとを備え、スリーブに軸心方向の操作力が加えられたときには、そのスリーブの回転とギヤピースの回転とが同期したときにシンクロナイザリングによりそのスリーブの軸心方向の移動が許容されてそのスリーブの内周歯とギヤピースの外周歯との噛み合いが行われるようにする。たとえば、特許文献1に記載された同期かみあい装置がそれである。
特開2007−40491号公報
ところで、上記従来の手動変速機の同期かみあい装置では、シフト操作によってスリーブが軸心方向に移動させられると、キーがシンクロナイザリングを軸心方向に押圧することにより、シンクロナイザリングの円錐状内周面とギヤピースの円錐状外周面との間の油膜が取り除かれて同期が進行させられており、速やかに変速を完了させるために上記シフト操作力には一定の大きさが必要とされていた。このため、軽い操作で変速を行うことができず、シフト操作のフィーリングが十分に得られないという問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、一層軽い操作でシフト操作が可能な車両用自動変速機の同期かみあい装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a-1) 回転軸に固定されたハブと、(a-2) そのハブの外周歯と噛み合う内周歯を備えてそのハブに相対回転不能且つ軸心方向の移動可能に装着されたスリーブと、(a-3) そのハブに周方向の移動不能且つ軸心方向の移動可能に設けられ、弾性部材によってそのスリーブの内周面に設けられた位置決め面に押圧されてそのスリーブを予め設定された中立位置に位置させるが、そのスリーブに加えられる軸心方向の操作力により前記弾性部材が弾性変形させられるとそのスリーブの軸心方向の移動を許容するキーと、(a-4) 前記スリーブの内周歯と係合してそのスリーブの軸心方向の移動を阻止するための外周歯と円錐状内周面とを有するシンクロナイザリングと、(a-5) そのシンクロナイザリングの円錐状内周面と面接触状態で摺接する円錐状外周面と前記スリーブの内周歯と噛み合い可能な外周歯とを有して前記回転軸と同心に且つ相対回転可能に設けられたギヤピースとを備え、(a-6) 前記スリーブに軸心方向の操作力が加えられたときには、そのスリーブの回転と前記ギヤピースの回転とが同期したときに前記シンクロナイザリングによりそのスリーブの軸心方向の移動が許容されてそのスリーブの内周歯と前記ギヤピースの外周歯との噛み合いが行われるようにする車両用手動変速機の同期かみあい装置であって、(b) 前記ハブの前記キーを周方向の移動不能に嵌め入れるために形成された溝の内壁面とそのハブの端面との間に、その端面に近づくほどその溝の内壁面の間隔が大きくなるように形成された一対の傾斜面と、(c) 前記シンクロナイザリングに形成され、前記スリーブが軸心方向に操作されたときにそれと共に移動するキーと当接させられる当接面と、(d) 前記シンクロナイザリングに形成され、上記当接面の周方向の両側に位置して上記一対の傾斜面に対向するように形成された一対のテーパ面とを、含むことにある。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、前記スリーブの内周面に設けられた位置決め面は、凹面であり、前記キーは、その凹面に係合する凸状突起を備えたものであることにある。
請求項1にかかる車両用手動変速機の同期かみあい装置は、弾性部材によって径方向へ押圧されたキーが周方向の移動不能に嵌め入れられたハブに形成され、そのハブにそのキーを周方向の移動不能に嵌め入れるために形成された溝の内壁面とそのハブの端面との間に、その端面に近づくほどその溝の内壁面の間隔が大きくなるように形成された一対の傾斜面と、シンクロナイザリングに形成され、スリーブが軸心方向に操作されたときにそれと共に移動するキーと当接させられる当接面と、シンクロナイザリングに形成され、上記当接面の周方向の両側に位置して上記一対の傾斜面に対向するように形成された一対のテーパ面とを、含むものである。このことから、上記同期かみあい装置によれば、シフト操作中においてスリーブの回転とギヤピースの回転とが非同期状態である間は、そのスリーブの軸心方向移動を阻止するために、シンクロナイザリングの円錐状内周面とギヤピースの円錐状外周面との間に介在する油膜が取り除かれてその円錐状内周面と円錐状外周面とを摺接させることによって、スリーブに対するシンクロナイザリングの周方向の相対位置がそのスリーブの内周歯とシンクロナイザリングの外周歯とが係合させられる所定位置となるように、シンクロナイザリングには、軸心方向へ押し付ける力として、キーがシンクロナイザリングの当接面を軸心方向へ押圧する、前記弾性部材の付勢力に由来する力に加えて、シンクロナイザリングの一対のテーパ面のうちの一方とそれに対向するハブの一対の傾斜面のうちの一方とが係合することによるそのハブからの反力の軸心方向成分が働くので、上記ハブからの反力が働かない従来のものに比較して弾性部材の付勢力を小さく設定でき、シフト操作力を小さくすることができる。このため、従来のものに比較して一層軽い操作でシフト操作を行うことができ、シフト操作のフィーリングが向上させられる。
また、請求項2にかかる車両用手動変速機の同期かみあい装置によれば、弾性部材によってキーがスリーブに押圧されることでそのスリーブを軸心方向の所定範囲内に位置させるために、スリーブの内周面に設けられた位置決め面は、凹面であり、上記キーは、その凹面に係合する凸状突起を備えたものであることから、シンクロナイザリングには、軸心方向へ押し付ける力として、前記弾性部材の付勢力に由来する力に加えてハブからの反力の軸心方向成分が働くので、スリーブを軸心方向のギヤピース側へ移動させるために弾性部材の付勢力に抗してキーの凸状突起をスリーブの凹面に形成された位置決め面から抜け出させるためのシフト操作力を小さくすることができる。このため、従来のものに比較して一層軽い操作でシフト操作を行うことができ、シフト操作のフィーリングが向上させられる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の車両用手動変速機の同期かみあい装置10、11を示す断面図である。この図1は、動力伝達を遮断する中立状態の同期かみあい装置10、11を表している。図1および図2において、同期かみあい装置10は、クラッチハブ(ハブ)12と、スリーブ14と、キー16と、シンクロナイザリング18と、ギヤピース20とを備えている。なお、同期かみあい装置11は、同期かみあい装置10と共通の部材として上記クラッチハブ12、スリーブ14、およびキー16に加え、シンクロナイザリング19と、ギヤピース21とを備えているが、基本的には同期かみあい装置10と同じ構成であるため、以下では同期かみあい装置10に関して説明する。
図2は、図1におけるII矢視部のクラッチハブ12だけを示すクラッチハブ12の正面図であり、図3は、図2におけるIII矢視部を示すクラッチハブ12の上面図である。図1乃至図3において、クラッチハブ12は、軸心Cを有する回転軸22の外周に例えばスプライン嵌合されることによりその回転軸22に固定された中空円筒状部材である。そのクラッチハブ12の外周には、軸心Cまわりに等間隔に且つその軸心Cに平行に突設された複数の外周歯24と、軸心Cまわりに等間隔に且つその軸心Cに平行な方向に貫通して設けられた複数(本実施例では3つ)の溝26が設けられている。クラッチハブ12の外周部においてキー16をそのクラッチハブ12に対して周方向の移動不能且つ軸心C方向の移動可能に嵌め入れるために形成された溝26は、そのキー16の周方向の両側面にそれぞれ当接する一対の内壁面28を周方向の両側に有している。そして、一対の内壁面28には、内壁面28とクラッチハブ12の端面30との間に、その端面30に近づくほどその内壁面28の間隔が大きくなるように形成された一対の傾斜面32が設けられている。本実施例では、一対の傾斜面32は、平面状であって、軸心Cを通る平面に対して45度程度の傾斜角を有して形成されているが、これに限らず、上記軸心Cを通る平面に対して傾斜させられていればよい。
図4は、図1におけるクラッチハブ12の外周歯24、スリーブ14の内周歯34、シンクロナイザリング18の外周歯58、およびギヤピース20の外周歯56の周方向の断面を含むIV−IV矢視断面を一平面内に示した展開図である。図1および図4に示すように、スリーブ14は、クラッチハブ12の複数の外周歯24に噛み合うように、軸心Cまわりに等間隔に且つその軸心Cに平行に設けられた複数の内周歯34を備えており、クラッチハブ12に対して軸心Cまわりの相対回転不能且つ軸心C方向の相対移動可能に装着されている。そして、スリーブ14は、このスリーブ14に対して軸心Cまわりの相対回転可能に設けられるとともに軸心C方向においてスリーブ14と係合可能に設けられたフォーク36が運転者のシフト操作に応じて軸心C方向に移動することにより、そのフォーク36とともに軸心C方向に移動させられて、クラッチハブ12の軸心C方向の両側にそれぞれ設けられたギヤピース20、21とそれぞれ噛み合う一対の変速位置と、それら一対の変速位置の略中間に位置して動力伝達を遮断する予め設定された中立位置とへそれぞれ位置させられるようになっている。
キー16は、クラッチハブ12に軸心Cまわりに等間隔に設けられた複数の溝26において、クラッチハブ12に対して周方向の移動不能且つ軸心C方向の移動可能にそれぞれ設けられている。具体的には、図1および図4に示すように、本実施例におけるキー16は、軸心Cに平行な方向に貫通して設けられた溝26に軸心Cまわりの周方向の両側面がその溝26の内壁面28にそれぞれ当接するように嵌め入れられるとともに、軸心Cを中心とする径方向外方の端面に内部と連通する貫通穴38が形成された中空直方体状のキー本体40と、その貫通穴38の径よりも大きい直径を有してキー本体40の内部に収容された球体であるボール42と、キー本体40の内部に収容されて上記ボール42を貫通穴38に向けて付勢するキースプリング(弾性部材)46とを備えている。このキー16においては、キースプリング46によってキー本体40の貫通穴38から一部突き出されたボール42がスリーブ14の内周面に凹面に形成された位置決め面48に押圧されてスリーブ14を軸心C方向の所定位置すなわち予め設定された中立位置またはその付近に位置させるが、スリーブ14に加えられる軸心C方向の操作力によりキースプリング46が弾性変形させられると、ボール42がキー本体40内部に沈み込んで位置決め面48がボール42から抜け出すことで、スリーブ14の軸心C方向の移動を許容するようになっている。本実施例において、キー本体40の貫通穴38から一部突き出されたボール42は、スリーブ14の位置決め面48に係合する凸状突起に相当するものである。
ギヤピース20は、クラッチハブ12に隣接するとともに例えばニードルベアリング50を介して回転軸22に相対回転可能に支持された動力伝達歯車52のクラッチハブ12側に例えばスプライン嵌合されることにより固定された中空円筒状部材であり、シンクロナイザリング18の内周面すなわち後述の円錐状内周面60と面接触状態で摺接する円錐状外周面54と、スリーブ14の複数の内周歯34と噛み合い可能な複数の外周歯56とを有して、回転軸22と同心に且つ相対回転可能に設けられている。上記円錐状外周面54は、上記複数の外周歯56とクラッチハブ12との間においてそのクラッチハブ12に接近するほど小径となるテーパ状に形成されている。
図5は、シンクロナイザリング18の一部を切り欠いて示す斜視図である。図4および図5において、シンクロナイザリング18は、クラッチハブ12とギヤピース20との間における円錐状外周面54の径方向外方において、クラッチハブ12およびギヤピース20に対して相対回転可能且つ軸心C方向の相対移動可能に配設された中空円筒状部材である。このシンクロナイザリング18は、スリーブ14の回転とギヤピース20の回転とが非同期状態である場合にはスリーブ14の複数の内周歯34と係合してそのスリーブ14の軸心C方向の移動、すなわちスリーブ14のギヤピース20との噛み合いを阻止するために、径方向外方に突設された複数の外周歯58と、クラッチハブ12に接近するほど小径となる円錐状内周面60とを有している。そして、シンクロナイザリング18には、スリーブ14が軸心C方向に操作されたときに、そのスリーブ14の内周歯34とギヤピース20の外周歯とが係合させられる前にそのスリーブ14と共に移動するキー16と当接させられる当接面62と、その当接面62の周方向の両側に位置してクラッチハブ12の一対の傾斜面32にそれぞれ対向するように形成された一対のテーパ面64とが、形成されている。上記一対のテーパ面64は、シンクロナイザリング18のスリーブ14およびクラッチハブ12に対する周方向の相対回転位置が、スリーブ14がシンクロナイザリング18に阻止されずにギヤピース20側へ移動可能な図4に示す許容位置から、ギヤピース20の一対の傾斜面32の一方とシンクロナイザリング18の一対のテーパ面64の一方とが係合させられるとともにスリーブ14がシンクロナイザリング18に阻止される図7に示す阻止位置まで、変更させられるように設定されている。シンクロナイザリング18の円錐状内周面60は、スリーブ14の回転とギヤピース20の回転とが非同期状態である場合には、スリーブ14の内周歯34とギヤピース20の外周歯56とが係合させられる前にシンクロナイザリング18が当接面62を介してスリーブ14と共に移動するキー16によって、ギヤピース20側へ押圧されるようになっている。この押圧によって、シンクロナイザリング18の円錐状内周面60とギヤピース20の円錐状外周面54とがテーパ嵌合させられて摩擦係合させられることにより、スリーブ14およびギヤピース20の相互の回転速度差を減少させるようになっている。
このように構成された同期かみあい装置10において、スリーブ14に軸心C方向の操作力が加えられたときには、そのスリーブ14の回転とギヤピース20の回転とが同期したときにシンクロナイザリング18によりそのスリーブ14の軸心C方向の移動が許容され、スリーブ14の内周歯34とギヤピース20の外周歯56との噛み合いが行われて変速を成立させるようになっている。以下、この同期かみあい装置10の作動の一例として、図1に示す中立状態から図10に示す変速完了の状態までの作動を、図6乃至図13を用いて説明する。ここで、図6および図8は、図1および図4に示す中立状態から図10に示す変速完了の状態までの途中の状態の要部を示す図である。また、図7、図9、および図11は、それぞれクラッチハブの外周歯24、スリーブ14の内周歯34、シンクロナイザリング18の外周歯58、およびギヤピース20の外周歯56の周方向の断面を含む、図6におけるVII-VII矢視部、図8におけるIX-IX矢視部、および図10におけるXI-XI矢視部を一平面内に展開した断面図である。また、図12は、変速に際して、スリーブ14の軸心C方向の移動量(ストローク)S[mm]と、フォーク36を介してスリーブ14に加えられる軸心C方向の操作力すなわちシフト操作力F[N]との関係を示す図である。なお、この一例では、図1に示す中立状態において、スリーブ14の回転とギヤピース20の回転とが非同期状態である場合を想定している。
同期かみあい装置10は、図1に示す中立状態から変速のためのシフト操作によりスリーブ14が軸心C方向へ移動開始されると、先ず、そのスリーブ14と共に移動するキー16のキー本体40がシンクロナイザリング18の当接面62に当接させられて、シンクロナイザリング18がギヤピース20側へ押圧されることにより、シンクロナイザリング18の円錐状内周面60とギヤピース20の円錐状外周面54との間に介在する油膜が取り除かれて、その円錐状内周面60と円錐状外周面54とが面接触状態で摺接させられる、所謂プレボークが開始させられる。図12におけるストロークS1は、上記プレボークが開始させられたストロークSに対応している。上記のように円錐状内周面60と円錐状外周面54とが面接触状態で摺接させられた場合、シンクロナイザリング18とギヤピース20との相対回転速度差があるうちは、それらの間に発生する摩擦力がシンクロナイザリング18の回転とギヤピース20の回転とを同期させるように作用する。
図6および図7は、上記円錐状内周面60と円錐状外周面54との摺接によりスリーブ14に対するシンクロナイザリング18の位相すなわち周方向の相対回転位置が、スリーブ14の内周歯34とシンクロナイザリング18の外周歯58とが係合させられる所定位置に位置させられた状態を示している。図13は、図7におけるXIII矢視部を拡大して示した図である。図13に示すように、シンクロナイザリング18は、上記摺接によりそのシンクロナイザリング18に作用する軸心Cまわりトルクによってシンクロナイザリング18の一対のテーパ面64の一方がクラッチハブ12の一対の傾斜面32の一方に当接することにより、クラッチハブ12から反力Rhを受ける。Rh1は、反力Rhの軸心C方向成分であり、Rh2は、反力Rhの周方向成分である。この反力Rhが作用することにより、シンクロナイザリング18には、軸心C方向へ押し付ける力として、キースプリング46の付勢力に由来するキースプリング力Fsに加えて、クラッチハブ12からの反力Rhの軸心方向成分すなわち軸心方向反力Rh1が作用する。すなわち、クラッチハブ12からの軸心方向反力Rh1が作用しない従来のものに比較して、その軸心方向反力Rh1の分だけシフト操作力Fが小さく設定される。
次いで、図6よび図7に示す所謂プレボークの状態からシフト操作によりスリーブ14が更に軸心C方向へ移動させられると、シンクロナイザリング18の外周歯58とスリーブ14の内周歯34とが係合させられる、所謂ボークが開始させられる。図8および図9は、その状態を示している。この場合、シンクロナイザリング18とギヤピース20との相対回転速度差があるうちは、スリーブ14の更なる軸心C方向への移動がシンクロナイザリング18によって阻止されるとともに、それらシンクロナイザリング18とギヤピース20との間に発生する摩擦力がシンクロナイザリング18の回転とギヤピース20の回転とを同期させるように作用する。なお、図8および図9に示すような所謂ボークの状態においては、シフト操作力Fは、主に、スリーブ14からシンクロナイザリング18へ直接的に伝達されるようになる。
次いで、図8および図9に示す所謂ボークの状態においてシンクロナイザリング18の回転とギヤピース20の回転とが同期させられると、上記摩擦力が減少してスリーブ14の内周歯34に対するシンクロナイザリング18の外周歯58の阻止力が弱くなり、スリーブ14のギヤピース20側の軸心C方向への更なる移動が許容される。そして、スリーブ14に加えられるシフト操作力によりキースプリング46の付勢力に抗してキー16のボール42がスリーブ14の位置決め面48から抜け出すと、スリーブ14がギヤピース20側へ移動させられ、図10および図11に示すように、スリーブ14の内周歯34とギヤピース20の外周歯56とが互いに噛み合わされて同期かみあい装置10が動力伝達状態とされる。これにより、回転軸22に入力された動力がクラッチハブ12、スリーブ14、およびギヤピース20をそれぞれ介して動力伝達歯車52に伝達される。図12におけるストロークS2は、上記キー16のボール42がスリーブ14の位置決め面48から抜け出すストロークSに対応している。
なお、図13に示すように、シンクロナイザリング18の当接面62と一対のテーパ面64との間には、内壁面28に平行な面66が設けられている。この面66は、シンクロナイザリング18の円錐状内周面60が摩耗することにより、前記プレボークにより円錐状内周面60と円錐状外周面54とが摺接させられた際のシンクロナイザリング18のクラッチハブ12およびスリーブ14に対する周方向の相対回転位置(シンクロナイザリング18とスリーブ14とのインデックス)が回転軸22の回転方向へ変化していった場合に、内壁面28と当接することによって、それ以上の相対回転位置の変化を規制するものである。
上述のように、本実施例の車両用手動変速機の同期かみあい装置10は、キー16が周方向の移動不能に嵌め入れられたクラッチハブ12に形成され、そのクラッチハブ12にキー16を周方向の移動不能に嵌め入れるために形成された溝26の内壁面28とそのクラッチハブ12の端面30との間に、その端面30に近づくほどその溝26の内壁面28の間隔が大きくなるように形成された一対の傾斜面32と、シンクロナイザリング18に形成され、スリーブ14が軸心C方向に操作されたときにそれと共に移動するキー16のキー本体40と当接させられる当接面62と、シンクロナイザリング18に形成され、当接面62の周方向の両側に位置して上記一対の傾斜面32にそれぞれ対向するように形成された一対のテーパ面64とを、含むものである。このことから、この同期かみあい装置10によれば、シフト操作中においてスリーブ14の回転とギヤピース20の回転とが非同期状態である間は、そのスリーブ14の軸心C方向移動を阻止するために、シンクロナイザリング18の円錐状内周面60とギヤピース20の円錐状外周面54との間に介在する油膜が取り除かれてその円錐状内周面60と円錐状外周面54とを摺接させることによって、スリーブ14に対するシンクロナイザリング18の周方向の相対位置がそのスリーブ14の内周歯34とシンクロナイザリング18の外周歯58とが係合させられる所定位置となるように、シンクロナイザリング18には、軸心方向へ押し付ける力として、キー16がシンクロナイザリング18の当接面62を軸心C方向へ押圧する、キースプリング46の付勢力に由来するキースプリング力Fsに加えて、シンクロナイザリング18の一対のテーパ面64のうちの一方とそれに対向するクラッチハブ12の一対の傾斜面32のうちの一方とが係合することによるそのクラッチハブ12からの反力Rhの軸心方向成分すなわち軸方向反力Rh1が働くので、上記軸方向反力Rh1が働かない従来のものに比較してキースプリング46の付勢力を小さく設定でき、シフト操作力Fを小さくすることができる。このため、従来のものに比較して一層軽い操作でシフト操作を行うことができ、シフト操作のフィーリングが向上させられる。
また、本実施例の車両用手動変速機の同期かみあい装置10によれば、キースプリング46によってキー16がスリーブ14に押圧されることでそのスリーブ14を予め設定された中立位置に位置させるために、スリーブ14の内周面に設けられた位置決め面48は、凹面であり、上記キー16は、その位置決め面48に係合するボール(凸状突起)42を備えたものであることから、シンクロナイザリング18には、軸心C方向へ押し付ける力として、キースプリング46の付勢力に由来するキースプリング力Fsに加えてクラッチハブ12からの軸方向反力Rh1が働くので、スリーブ14を軸心C方向のギヤピース20側へ移動させるためにキースプリング力Fsに抗してキー16のボール42をスリーブ14の凹面に形成された位置決め面48から抜け出させるためのシフト操作力Fを小さくすることができる。このため、従来のものに比較して一層軽い操作でシフト操作を行うことができ、シフト操作のフィーリングが向上させられる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
たとえば、前述の実施例における同期かみあい装置10は、ハブインデックスタイプの同期装置であったが、キンクロナイザリング18にキー溝が形成され、そのキー溝にキーが係合させられるキーインデックスタイプの同期装置であってもよい。また、同期のための摩擦力が円錐状外周面54と円錐状内周面60との摩擦により得られるシングルコーンタイプのシンクロ機構を備えた同期装置であったが、例えばダブルコーンタイプやトリプルコーンタイプなどシンクロナイザリングが重ねられたマルチコーンタイプのシンクロ機構を備えたものであっても、本発明は適用可能である。
また、前述の実施例において、キー16はキースプリング46を内蔵するタイプのものであったが、これに限られない。例えば、スリーブ14の位置決め面48に対向して突設された凸状突起を有する例えば直方体状のキーと、そのキーとクラッチハブ12の溝26の底部との間に配設されたコイルばねやリング状のばねとを備えて、上記キーをクラッチハブ12の径方向へ付勢するタイプ等、種々のタイプに本発明は適用可能である。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例の車両用手動変速機の同期かみあい装置を示す断面図である。 図1におけるII矢視部のクラッチハブだけを示すクラッチハブの正面図である。 図2におけるIII矢視部を示すクラッチハブの上面図である。 図1におけるクラッチハブの外周歯、スリーブの内周歯、シンクロナイザリングの外周歯、およびギヤピースの外周歯の周方向の断面を含むIV−IV矢視断面を一平面内に示した展開図である。 図1に示すシンクロナイザリングの一部を切り欠いて示す斜視図である。 変速に際して、スリーブに対するシンクロナイザリングの位相すなわち周方向の相対回転位置が、スリーブの内周歯とシンクロナイザリングの外周歯とが係合させられる所定位置に位置させられた状態を示す図であって、図1に対応する断面図である。 変速に際して、スリーブに対するシンクロナイザリングの位相すなわち周方向の相対回転位置が、スリーブの内周歯とシンクロナイザリングの外周歯とが係合させられる所定位置に位置させられた状態を示す図であって、図4に対応する断面図である。 変速に際して、シンクロナイザリングの外周歯とスリーブの内周歯とが係合させられた状態を示す図であって、図1に対応する断面図である。 変速に際して、シンクロナイザリングの外周歯とスリーブの内周歯とが係合させられた状態を示す図であって、図4に対応する断面図である。 変速に際して、スリーブの内周歯とギヤピースの外周歯とが互いに噛み合わされて同期かみあい装置が動力伝達状態とさせられた状態を示す図であって、図1に対応する断面図である。 変速に際して、スリーブの内周歯とギヤピースの外周歯とが互いに噛み合わされて同期かみあい装置が動力伝達状態とさせられた状態を示す図であって、図4に対応する断面図である。 変速に際して、スリーブの軸心方向の移動量と、スリーブに加えられる軸心方向の操作力すなわちシフト操作力との関係を示す図である。 図7におけるXIII矢視部を拡大して示した図である。
符号の説明
10、11:同期かみあい装置
12:クラッチハブ(ハブ)
14:スリーブ
16:キー
18、19:シンクロナイザリング
20、21:ギヤピース
22:回転軸
24:外周歯
26:溝
28:内壁面
30:端面
32:傾斜面
34:内周歯
46:キースプリング(弾性部材)
48:位置決め凹面(位置決め面)
54:円錐状外周面
56:外周歯
58:外周歯
60:円錐状内周面
62:当接面
64:テーパ面
C:軸心

Claims (2)

  1. 回転軸に固定されたハブと、該ハブの外周歯と噛み合う内周歯を備えて該ハブに相対回転不能且つ軸心方向の移動可能に装着されたスリーブと、該ハブに周方向の移動不能且つ軸心方向の移動可能に設けられ、弾性部材によって該スリーブの内周面に設けられた位置決め面に押圧されて該スリーブを予め設定された中立位置に位置させるが、該スリーブに加えられる軸心方向の操作力により前記弾性部材が弾性変形させられると該スリーブの軸心方向の移動を許容するキーと、前記スリーブの内周歯と係合して該スリーブの軸心方向の移動を阻止するための外周歯と円錐状内周面とを有するシンクロナイザリングと、該シンクロナイザリングの円錐状内周面と面接触状態で摺接する円錐状外周面と前記スリーブの内周歯と噛み合い可能な外周歯とを有して前記回転軸と同心に且つ相対回転可能に設けられたギヤピースとを備え、前記スリーブに軸心方向の操作力が加えられたときには、該スリーブの回転と前記ギヤピースの回転とが同期したときに前記シンクロナイザリングにより該スリーブの軸心方向の移動が許容されて該スリーブの内周歯と前記ギヤピースの外周歯との噛み合いが行われるようにする車両用手動変速機の同期かみあい装置であって、
    前記ハブの前記キーを周方向の移動不能に嵌め入れるために形成された溝の内壁面と該ハブの端面との間に、該端面に近づくほど該溝の内壁面の間隔が大きくなるように形成された一対の傾斜面と、
    前記シンクロナイザリングに形成され、前記スリーブが軸心方向に操作されたときにそれと共に移動するキーと当接させられる当接面と、
    前記シンクロナイザリングに形成され、前記当接面の周方向の両側に位置して前記一対の傾斜面に対向するように形成された一対のテーパ面と
    を、含むことを特徴とする車両用手動変速機の同期かみあい装置。
  2. 前記スリーブの内周面に設けられた位置決め面は、凹面であり、
    前記キーは、該凹面に係合する凸状突起を備えたものである請求項1の車両用手動変速機の同期かみあい装置。
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