JP2007285400A - 変速機用同期装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己サーボ作用による同期性能を向上させた変速機用同期装置において、シフト操作感を向上する。
【解決手段】ハブ18の切り欠き18fの軸方向端部四隅に回転方向の力を軸方向の力に転換可能な斜面18h、18i、18j、18kを形成し、この切り欠き18fとスリーブ24の内側に挿入され、四隅に斜面28d、28eを形成したスラストピース28を設け、同期リング16からトルクを受けたスラストピース28が、ハブ18とスラストピース28の斜面間でトルクを軸方向のスラストに変換して同期リング16を押圧するとともに、スラストピース28の中央部に設けた孔28hにボール30を挿入し、スリーブ24の内側に形成した溝24gに係合するよう、スプリング32の張力でボール30を押圧するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用変速機のシフト操作(ギヤ切り替え)時に、スリーブから同期リングへの押圧力を、同期リングで発生する摩擦トルクによって増大させることにより、同期能力を高めることが可能な変速機用同期装置に関するものである。
従来、この種の変速機用同期装置としては、ハブと同期リングとの間で斜面による接点を形成して、同期リングで発生する摩擦トルクの一部をハブに伝達する過程で生ずるスラストを同期リングの押圧荷重の一部に利用する作用、すなわち自己サーボ作用によって同期能力を高める作用を得るようにしたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記の、従来のハブと同期リングとの間で斜面による接点を形成してスラストを発生させる方式(特許文献1のFig.3)にあっては、同期作用を行っていない状態、たとえばスリーブが中立位置にある場合のような、当該同期リング以外のポジションで走行中などの場合にあっても、同期リングに生じる引きずり摩擦トルクによるスラストが発生してしまい、同期リングと相手変速ギヤとの間で引きずり摩擦が増大するという課題があった。
これにより、引きずり摩擦が増大して燃費を悪化させ、変速機の油温を上昇させるという問題を引き起こす。
このため、同期リングを常時歯車とは反対側へ引き寄せる(たとえば、特許文献2参照)などの対策が必要であり、部品点数が増えて組み立て作業も複雑になる結果、製造コストが高くなるという問題がある。
米国特許 第2,410,511号 EP 第0 743 466 A1号
解決しようとする問題点は、同期作用をしていない状態において同期リングと変速ギヤとの間の引きずり摩擦が増大する点である。
本発明の目的は、簡単な構造で自己サーボ作用を確保しながらも、スリーブが中立位置にあるような、同期作用を行っていない場合において同期リングと変速ギヤとの間のひきずり摩擦の増大を来さない同期装置を提供することにある。
本発明の変速機用同期装置は、スリーブが移動する際にボールを介してスラストピースを押圧するようにして、同期作用終了後において、スリーブとスラストピースとの間に大きな摩擦を生じないように構成したことを最も主要な特徴とする。
すなわち、本発明は、動力を伝える軸と、該軸に固定したボス部から径方向外側に延ばしたフランジ部の外周に複数の切り欠きとスプラインとを形成するとともに、切り欠きの軸方向端部四隅に回転方向の力を軸方向の力に転換可能な斜面をそれぞれ形成したハブと、内周にスプラインと該スプラインの内側に斜面を有する溝部とをそれぞれ形成し、ハブのスプラインに軸方向摺動可能に支持したスリーブと、該スリーブが嵌合可能なスプラインおよび摩擦面をハブ側に一体的に設け、ハブの軸方向両側にそれぞれ配置した変速ギヤと、該変速ギヤの摩擦面に圧接可能な摩擦面を形成するとともに、外周にチャンファを有するスプラインと突起とを形成し、各変速ギヤにそれぞれ対応してハブの軸方向両側で該ハブと各変速ギヤとの間に配置した同期リングと、スリーブのスプライン内側に接して、ハブの切り欠き内で両側の同期リングの間を軸方向移動可能であるとともに、径方向外側から見て四隅に突起部を形成し、該突起部に前記ハブの斜面に対応させた斜面を形成したスラストピースと、を備え、該スラストピースの中央部に形成した径方向へ貫通する孔に挿入したボールがスリーブの溝部に係合するように、ボールを付勢するスプリングをハブとボールとの間に設けて、スリーブが軸方向に移動する場合に、ボールとスラストピースとを一緒に軸方向に移動させて同期リングを押圧するように構成した。
本発明の変速機用同期装置は、簡単な構造で、同期リングに生ずる摩擦トルクの一部を軸方向のスラストに変換して、これを、同期リングを押圧する力の一部にすることで、自己サーボ作用を実現しながらも、車両が走行中のようにスリーブが中立位置にある場合には、同期リングと相手変速歯車との間で引きずり摩擦の増大を来さない。したがって、燃費を悪化させたり、変速機の油温を上昇させたりするのを抑制することができる。また、スラストピースの中央部に径方向の孔を形成して、該孔にスプリングの張力で径方向へ押圧されたボールを挿入し、スリーブの溝部に係合させたことで、同期作用が終わって、スリーブがスラストピースの外面を滑って進む際に、ボールを転動させて進むので、スリーブとスラストピースとの間に大きな摩擦が生じず、シフト操作感をよくすることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る変速機用同期装置を、各実施例に基づき図とともに説明する。
図1は、本発明の1実施例に係る変速機用同期装置の主要部の断面図であって、図2におけるA−A線に沿って切断した断面に相当する部分を表す。図2は、図1における入力軸10と3速ギヤ12と4速ギヤ14および両側の同期リング16を取り去って図1中右側(3速ギヤ12側)から見た図1の上側の要部を拡大した外観図である。また、図3は図1の上側の要部を拡大し、詳細の符号を記入したものである。
入力軸10は、図示しないクラッチを介してエンジンと連結可能になっている。
入力軸10にはハブ18が、これらに形成したスプライン10a、18a同士で回転方向に一体に結合されており、また同図中左側からブッシュ20が入力軸10に圧入されている。したがって、ハブ18は入力軸10に、入力軸10の大径部10bとブッシュ20とに挟まれた状態で軸方向に固定されている。
ハブ18は、ボス部18bと、これから半径方向外側へ延びるフランジ部18cと、このフランジ部18cの外周に設けた環状部18dとを有する。ハブ18の外周側には、スリーブ24を配置して、これらに形成されたスプライン18e、24a同士で軸方向に相対移動可能に係合させている。
そして、入力軸10には、ベアリング26aを介して3速ギヤ12が、またブッシュ20の外側にはベアリング26bを介して4速ギヤ14が、それぞれハブ18を挟むように配置され、回転自在に支持されている。
なお、3速ギヤ12および4速ギヤ14は本発明の変速ギヤを構成し、それぞれ図示しない出力軸側の相手ギヤと噛み合っており、それらを通じて車両の車輪と連結されている。
3速ギヤ12および4速ギヤ14のハブ18側には、図3に示すように、スリーブ24のスプライン24aと噛み合うスプライン12aおよび14aと、円錐状の摩擦面12b、14bとが形成してある。
スリーブ24にはこの外周にフォーク溝24bが形成され、ここに図示しないシフトフォークが摺動可能に嵌め合わされて、図示しないシフトレバーからの手動またはアクチュエータの出力により、これに連動するシフトフォークを介してスリーブ24を軸方向に移動可能としている。
スリーブ24は、図1の状態のようにハブ18のスプライン18eのみに噛み合いスプライン12a、14aとは噛み合わない中立位置、図1の状態から右方へ所定量移動したときは、スリーブ24の左方部分がハブ18のスプライン18eに噛み合ったまま右方部分が3速ギヤ12のスプライン12aに噛み合う3速位置、図1の状態から左方へ所定量移動したときは、スリーブ24の右方部分がハブ18のスプライン18eに噛み合ったまま左方部分が4速ギヤ14のスプライン14aに噛み合う4速位置となるように、スリーブ24の長さおよび位置関係を設定してある。
3速ギヤ12および4速ギヤ14とハブ18との間には、互いに同じ形状の同期リング16がそれぞれ逆向きに配置されている。
これらの同期リング16には、摩擦面12b、14bに対応した摩擦面16aがそれぞれ形成されており、後述するように摩擦面12bおよび16a同士と、摩擦面14bおよび16a同士とが、圧接されたときそれぞれ同期作用を行う。
ハブ18は、図4に示すように、フランジ部18cから環状部18dにかけて、周上に切り欠き18fが3カ所形成してあり、この切り欠き18fの中には、図1乃至図3に示すように、同期リング16、16同士とハブ18およびスリーブ24との間に、3個のスラストピース28がそれぞれ配置されている。
以上のように主要な各構成部品が配置されているが、その他の構成部品を含めて、これらの形状と各構成部品間の関係を詳述する。
ハブ18は図4、図5に示してあり、図4は図2に対応したハブ18の外観図であり、図5は図4の上方から展開形状で見たハブ18の外観図である。
これらの図で分かるように、切り欠き18fの軸方向両端4カ所に斜面18h、18i、18j、18kが形成してある。
これらの斜面18h、18i、18j、18kは、後述するようにスラストピース28が当接してここに回転方向の力が作用すると、これを軸方向の力に方向変換してスラストピース28を軸方向に押圧するようになっている。
スリーブ24は単独の形状図を示していないが、図2、図3に見るように、スプライン24aには、軸方向両端部にそれぞれチャンファ24c、24dが形成されるとともに、軸方向中央部の内側に斜面24e、24fを有する溝24gが形成されている。
なお、溝24gには、後述するようにボール30が係合している。
同期リング16は図6、図7、図8に示してあり、図6は図1に対応した断面図であり、図7は図6を左側から見た外観図である。
また、図8は図7を上から展開形状で見た部分拡大外観図である。
前述のように同期リング16の内側は円錐状の摩擦面16aになっており、3速ギヤ12および4速ギヤ14の摩擦面12b、14bに対面するようにしてある。
同期リング16の外周にはスリーブ24に対応したスプライン16bを有し、ハブ18側の端部にチャンファ面16c、16dが形成されている。
また、3速ギヤ12、4速ギヤ14に面した側の外周3カ所に突起16eが設けられており、ハブ18側にA端面16fを、回転方向に側面16g、16hを形成する。
この突起16eは後述するスラストピース28が係合する。
スラストピース28は、後述するボール30、スプリング32、スプリングシート34、ホルダー36、ストッパー38を組み込んだ状態で、図9、図10にいずれも拡大表示してある。
図9は図2に対応したスラストピース28などの、さらに拡大した断面図であり、ここでは、スラストピース28、スプリング32、スプリングシート34、ホルダー36を断面で表し、ボール30およびストッパー38は外観を表している。
図10は図9を上側(径方向外側)から見た外観図であり、展開形状で描いてある。
図10に示すように、スラストピース28はハブ18の径方向外側からその中心へ向けて見るとほぼH字形状をしており、対称2カ所の凹部28a、28aを有しており、それぞれ底面28b、側面28cを形成している。
図10に示すように、スラストピース28の四隅には斜面28d、28eを有する突起部28f、28gが中央の孔28hに対し対称となる位置に形成してある。
両側の斜面28d、28eはハブ18の斜面18h、18i、18j、18kに対応しているが、厳密にはやや円弧形状になっており隅には丸みがついている。
スラストピース28は、図9に示すように正面から見た全体形状は円弧状になっており、図2に示すようにスリーブ24の内側に接している。
なお、後述する図14は、図3におけるB−B部の周方向展開断面および外観を右へ90°回転させて描いた部分拡大図である。ここでは、分かりやすくするため、陰になる線も実線で記してあり、スプライン24aは細線で描いてある。
また、スラストピース28は図14に示すようにハブ18の切り欠き18fに係合しているとともに、凹部28aには2個の同期リング16の突起16eがそれぞれ係合している。
さらに、孔28hに挿入されたボール30が図1乃至図3に示すようにスリーブ24の溝24gに係合して、スリーブ24に対するスラストピース28の軸方向の位置決めがされている。
ボール30はスプリングシート34を介してスプリング32の張力を受けており、これらはホルダー36によって保持されている。
スプリングシート34は図11、図12に示すような形状である。
すなわち、図12は図2に対応しており、図12のA−A断面である。
図12は図11の上方から見た外観図であり、上面は円錐面34aを形成している。
図13は、図9に示したホルダー36を左から見た外観であり、その正面には後述するストッパー38を係合する孔36aが形成してある。
また、図9で分かるように、上部の先端部36b、36cはボール30を包み込むように軽く曲げてある。このため、図9のようにボール30、スプリング32、スプリングシート34を組み込んだ状態において、スラストピース28の孔28hに挿入すると、ボール30は先端部36b、36cに押さえられてスプリング32の張力で飛び出すことはない。
図2および図3に示すように、スラストピース28とともに、これらをハブ18とスリーブ24の間に組み込んだ場合は、ホルダー36の底面36dがハブ18の切り欠き18fに接している。
ボール30はスリーブ24の溝24gの斜面24e、24fに当接して、スプリング32の張力はこれらの切り欠き18fおよび斜面24e、24fが受けるので、図3に示すように組み込んだ場合は、先端部36b、36cとボール30は離れる。
ホルダー36の孔36aにはストッパー38の一端38aが係合しており、図2および図3には描いてないが、他端38bはスリーブ24の溝24gに係合しているので、スリーブ24が軸方向に移動すると他端38b側が揺動する。
後述するように他端38b側が揺動した状態を外観で描いたのが図16であり、図16は図9を左側から見た外観図で、ストッパー38とスラストピース28のみを描いてある。
ストッパー38は、本発明の係止部材を形成する。
次に、図1に示した同期装置の作動を説明する。
作動は、図3および図14以降に示す展開図を基に説明する。
図14、図15は、前述のように図3のB−B断面を表すもので、90°回転させて描いてある。
図3および図14はスリーブ24が中立位置にある状態を示し、この状態ではボール30がスプリング32により外側へ押し広げられてスリーブ24の溝24gに係合している。
したがって、スラストピース28は、ボール30やスプリングシート34とともに、軸方向にスリーブ24と一体になっている。
ここから、スリーブ24が3速ギヤ12側へ移動する場合について説明する。
図3において、同期リング16の端面16fとスラストピース28の底面28bとの間の軸方向隙間zより、同期リング16のB端面18iとスプリングシート34の押圧面34bとの間の軸方向隙間yの方が小さくなっている。
このため、スリーブ24が3速ギヤ12側へ移動すると、最初にスプリングシート34の押圧面34bが同期リングの端面16iに当接してこれを押圧する。
すなわち、スプリングシート34の円錐面34aの作用で、スプリング32の張力に応じた荷重でスプリングシート34が同期リング16を軸方向に押圧する。
これによって、同期リング16の摩擦面16aが3速ギヤ12の摩擦面12aに圧接される。
この際、入力軸10と3速ギヤ18との間に回転速度差があると、両摩擦面16a、12a間で摩擦が起きて、同期リング16はハブ18に対して回転速度差のある方へ相対回転する。
このため、同期リング16の突起16eと係合しているスラストピース28も一緒に動き、後述の図15に見るようにハブ18に対してわずかに揺動する。
スリーブ24がさらに3速ギヤ12側へ移動すると、図15に示すようにスラストピース28の凹部28aの底面28bが同期リング16の端面16fに当接するとともに、スリーブ24のチャンファ24c、24dのいずれかが同期リング16のチャンファ16c、16dの一方に当接し、これを軸方向に押圧する。
スリーブ24が、チャンファ24cで同期リング16のチャンファ16cを押すようになると、力の関係は以下のようになる。
すなわち、一般的なボーグワーナー型同期装置と同様に、チャンファ24cがチャンファ16cを押すことによって生じる摩擦面16a、12b間の摩擦トルクTfと、チャンファ24c、16c間で生じる押し分けトルクTsとの関係は、常にTfが大きくなるようにチャンファ24c、16cの角度を設定してある。
したがって、摩擦面16a、12b間に摩擦トルクTfが生じている限り、スリーブ24は同期リング16を押しのけて3速ギヤ12側へ進むことができず、チャンファ24c、16cで同期リング16を押し続ける。
このとき、摩擦トルクTfと押し分けトルクTsの差のトルクは同期リング16の突起16eからスラストピース28の側面28cに作用して、最終的に斜面28dからハブ18の斜面18iへ作用する。
この結果、斜面28d、18i間に作用した前述の差のトルクは軸方向の力に変換されてスラストピース28を3速ギヤ12側へ押し、この力は底面28bから同期リング16の端面16fを押圧することになる。
したがって、摩擦面16a、12b間の摩擦トルクは、スリーブ24から同期リング16を押す力と、斜面28d、18i間で生ずる軸方向の力との合計で生ずることになる。
すなわち、スリーブ24から同期リング16を押す力だけの一般的なボーグワーナー型同期装置と較べて、斜面28d、18i間で生ずる軸方向の力の分だけ、摩擦トルクが増大することになり、いわゆる同期性能(摩擦トルク)が向上する。
これらの結果、入力軸10側と3速ギヤ12側の回転速度差がなくなると、摩擦面16a、12b間の摩擦トルクは生じなくなり、スリーブ24はチャンファ24cが同期リング16のチャンファ16cを押しのけて3速ギヤ12側へ進む。
この際、スリーブ24はスプリング32の張力に打ち勝つようにボール30を径方向内側へ押し込みながら進行する。
このとき、同期リング16は回転方向位置が図14の状態に押し戻され、同様に突起16eと係合しているスラストピース28も揺動して図14の状態に戻される。
図16はスリーブ24がさらに移動して、3速ギヤ12のスプライン12aと噛み合った状態、すなわち、シフト操作が完了した状態における、スラストピース28とストッパー38の状態を示す。
前述のように、ストッパー38の一端38aはホルダー36の孔36aに係合しており、その位置はあまり変化しないが、他端38bはスリーブ24の溝24gに係合しており、これの軸方向の移動とともに図16のように一端38aがやや上方に移動しながら揺動する。
このため、スラストピース28が図16の位置から右方への移動しようとすると突起部28dがストッパー38に当接するので、移動を規制されることになる。
したがって、スリーブ24が3速ギヤ12側へシフトした状態において、スラストピース28が4速ギヤ14側へ移動することはないので、仮に4速ギヤ14の同期リング16に引きずり摩擦トルクが生じても、上記の同期性能が向上する作用と同じ理屈で引きずりトルクが増大することを防止することができる。
以上の説明でわかるように、同じ同期容量(摩擦トルク)を得るためにスリーブ24が同期リング16を押圧する荷重は、一般的なボーグワーナー型同期装置と較べて、より小さく済むのでその分だけ同期性能が高くなる。
また、同期作用を行っていない状態、すなわちスラストピース28が中立位置にある場合や、変速操作が終了した状態にあってはスラストピース28に何らかのトルクが作用しても軸方向の力を発生することはなく、同期リング16と変速ギヤ12、14との間に引きずり摩擦が生じても、これを助長する恐れがない。したがって、燃費を悪化させたり、変速機の油温を上昇させたりするのを抑制することができる。
この場合、従来のように引きずり抵抗の増大を防ぐための方策が不要になるので、組み立ても容易になり、製造コストを削減することができる。
また、同期作用が終了した後、スリーブ24がスプリング32の張力に打ち勝ってボール30を内側へ押し込みながら進行する際、ボール30が転動しながら押し込まれるので、スリーブ24の進行に伴う摩擦抵抗を小さくできるので、操作感が向上することができる。
なお、実施例1は、入力軸10上に同期装置を配置した場合について説明したが、出力軸側に配置した場合も同様の作用をすることは言うまでもない。
また、ハブ18の斜面18h、18i、18j、18kとこれらに対応するスラストピース28の斜面28d、28eは、傾斜面として説明したが、螺旋面であってもよい。また、変速ギヤも第3速用と第4速用とに限られない。
本発明の変速機用同期装置は、当業者の一般的な知識に基づいて、摩擦面における摩擦係数を高めるために同期リングの摩擦面にネジや油溝を形成するなどの変更を加えた態様で実施することができるとともに、摩擦面に適切な材料を用いることによってより、さらに高い同期性能を得ることや、マルチコーンと呼ばれる摩擦面を複数備えた同期装置に応用することができる。
摩擦トルクの一部を軸方向の力に変えて同期リングを押圧補助することによる同期性能の向上を果たしながら、スラストピースが中立位置にある場合や、変速操作が終了した状態にあって引きずり摩擦を助長する恐れがないので、特に製造コストの低減を要求される乗用車用変速機に適用してメリットを得ることができるとともに、アクチュエーターで変速操作を行う同期装置を備えた変速機などにも適用することができる。また、同期作用が終わった後のスリーブの移動に伴う摩擦抵抗が小さく、操作感の向上を果たすので、特に操作感を重要視される乗用車用変速機に適用するのに最適である。
3速、4速用同期装置における要部の断面図である。(実施例1) 図1から3速、4速ギヤ、同期リングを取り去って3速ギヤ側から見た部分拡大外観図である。 図1の部分拡大図である。 ハブの正面部分外観図である。 図4の上方から見た展開外観図である。 同期リングの断面図である。 図6の左側から見た外観図である。 図7の上方から見た部分拡大展開外観図である。 スラストピースの拡大断面図である。 図9の上方から見た外観図である。 スプリングシートの拡大断面図である。 図11を上方から見た外観図である。 図11の上方から見た拡大展開外観図である。 作動を説明する図である。 作動を説明する図である。 ストッパーの作動を説明する図である。
符号の説明
10 入力軸
12 3速ギヤ
14 4速ギヤ
16 同期リング
18 ハブ
20 ブッシュ
24 スリーブ
26 ベアリング
28 スラストピース
30 ボール
32 スプリング
34 スプリングシート
36 ホルダー
38 ストッパー

Claims (3)

  1. 動力を伝える軸と、
    該軸に固定したボス部から径方向外側に延ばしたフランジ部の外周に複数の切り欠きとスプラインとを形成するとともに、前記切り欠きの軸方向端部四隅に回転方向の力を軸方向の力に転換可能な斜面をそれぞれ形成したハブと、
    内周にスプラインと該スプラインの内側に斜面を有する溝部とをそれぞれ形成し、前記ハブの前記スプラインに軸方向摺動可能に支持したスリーブと、
    該スリーブが嵌合可能なスプラインおよび摩擦面を前記ハブ側に一体的に設け、前記ハブの軸方向両側にそれぞれ配置した変速ギヤと、
    該変速ギヤの前記摩擦面に圧接可能な摩擦面を形成するとともに、外周にチャンファを有するスプラインと突起とを形成し、前記各変速ギヤにそれぞれ対応して前記ハブの軸方向両側で該ハブと前記各変速ギヤとの間に配置した同期リングと、
    前記スリーブの前記スプライン内側に接して、前記ハブの切り欠き内で前記両側の同期リングの間を軸方向移動可能であるとともに、径方向外側から見て四隅に突起部を形成し、該突起部に前記ハブの斜面に対応させた斜面を形成したスラストピースと、
    を備え、
    該スラストピースの中央部に形成した径方向へ貫通する孔に挿入したボールが前記スリーブの前記溝部に係合するように、前記ボールを付勢するスプリングを前記ハブと前記ボールとの間に設けて、前記スリーブが軸方向に移動する場合に、前記ボールと前記スラストピースとを一緒に軸方向に移動させて前記同期リングを押圧するように構成したことを特徴とする変速機用同期装置。
  2. 前記ボールと前記スプリングとの間にスプリングシートを挿入し、前記スリーブが軸方向に移動する場合に、前記ボールおよび前記スラストピースとともに前記スプリングシートを一緒に軸方向に移動させ、最初に前記スプリングシートが前記同期リングを押圧し、次に前記スラストピースが前記同期リングを押圧するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の変速機用同期装置。
  3. 前記変速ギヤを前記ハブの両側にそれぞれ配置するとともに、前記スリーブの前記溝部に端部が係合した係止部材を設け、前記スリーブが一方の前記変速ギヤと噛み合った状態において、前記スラストピースが前記係止部材により、他方の前記変速ギヤ側への軸方向の移動を規制されることを特徴とする請求項1または2に記載の変速機用同期装置。
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