JP2005112172A - 自動車の前部車体構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 自動車の前部車体構造10は、車体の前後方向にフロントサイドフレーム11を延ばし、車体の前後方向での座屈強度を高めるためにフロントサイドフレーム11の外側壁11bにビード部25を膨出形成し、このビード部25に略波状の折曲部43…を設けることで座屈しやすくしたものである。また、自動車の前部車体構造10は、ビード部25の前端部44をフロントサイドフレーム11の前端面11cから後方に一定間隔Lだけ離したものである。
【選択図】 図5
Description
ここで、ビード部とは、板材の剛性増加を図るために、板材に型押で膨出形成した突条部などをいう。
図11は従来の基本構成を説明する図である。
自動車の前部車体構造100は、車体の前後方向にフロントサイドフレーム101を延ばし、このフロントサイドフレーム101の側壁102にビード部103,103を形成し、フロントサイドフレーム101でエンジンルーム105を構成し、このエンジンルーム105にエンジン106やトランスミッション(図示せず)を配置したものである。
フロントサイドフレーム101の側壁102にビード部103,103を成形することで、フロントサイドフレーム101の前端部101aに荷重F1が矢印の如くかかった際に、荷重F1に対するフロントサイドフレーム101の座屈強度を高める。
これにより、万が一、自動車が障害物に衝突した際に、フロントサイドフレーム101を良好に潰して、衝突エネルギーを好適に吸収することが可能になる。
このため、フロントサイドフレーム101の座屈強度をより簡単に調整して、衝突エネルギーをより好適に吸収することができる技術の実用化が望まれていた。
図12は従来のもう一つの基本構成を説明する図である。
自動車の前部車体構造110は、フロントサイドフレーム111を車体の前後方向に向けて延ばし、フロントサイドフレーム111の前端部111aにエクステンションフレーム112の基端部112aを設け、このエクステンションフレーム112をフロントバンパー114の手前まで延ばし、フロントサイドフレーム111の前端部111aとフロントバンパー114との間の空間115にエクステンションフレーム112を設けたものである。
このように、フロントサイドフレーム111とフロントバンパー114との間の空間115にエクステンションフレーム112を設けることで、衝突エネルギーを効率よく吸収することが可能になる。
このため、万が一、自動車が障害物に衝突した場合には、エクステンションフレーム112の先端面112bの全域が、フロントバンパー114を介して障害物に同時に当接する。
よって、エクステンションフレーム112は、比較的小さな荷重では潰れ難くなり、衝突エネルギーをより好適に好適に吸収することは難しい。
このため、衝突エネルギーをより好適に吸収することができる自動車の前部車体構造の実用化が望まれていた。
このように、ビード部に略波状の折曲部を形成することで、フロントサイドフレームの座屈強度を簡単に調整することが可能になる。
これにより、万が一、自動車が障害物に衝突した際に、フロントサイドフレームを良好に潰すことができる。
このように、前端部からビード部を除去することで、フロントサイドフレームの前端部を比較的潰れやすくする。
これにより、万が一、自動車が障害物に衝突した際に、フロントサイドフレームの前端部を比較的小さな荷重で良好に潰すことが可能になる。
このように、先端面のうちの一部を前方に突出させることで、エクステンション部材の先端面が障害物に当接する面積を小さく抑える。
これにより、万が一、自動車が障害物に衝突した際に、エクステンション部材の先端面を比較的小さな荷重で潰すことができる。
このように、先端面を比較的小さな荷重で潰すことで、エクステンション部材を良好に潰すことができる。
図1は本発明に係る自動車の前部車体構造を示す斜視図である。
自動車の前部車体構造10は、車体前部の左右側に左右のフロントサイドフレーム11,12を備え、左右のフロントサイドフレーム11,12の外側で、かつ上方にそれぞれ左右のアッパメンバー13,14を設け、左右のフロントサイドフレーム11,12および左右のアッパメンバー13とでエンジンルーム15の骨格を形成したものである。
なお、左右のアッパメンバー13,14の略中央部に、平面視で略コ字形のバルクヘッドアッパフレーム29を設ける。
加えて、左右のエクステンション部材21,22は、左右対称の部材であり、以下、左エクステンション部材21について説明し、右エクステンション部材22の説明を省略する。
左フロントサイドフレーム11の前端部11aから車体前方に向けて左エクステンション部材(エクステンション)21を延ばし、このエクステンション部材21の先端面21a近傍にフロントバンパー24を配置する。
この左アッパメンバー13を略直線状に形成するとともに、車体後方に向けて上がり勾配に配置することで、左アッパメンバー13の前端部13aにかかった荷重を、左フロントピラー27まで伝え、この左フロントピラー27で受ける。
この左アッパメンバー13の前端部13a近傍に、エアバッグ用の検知センサー31を設ける。
検知センサー31から出力した信号を、制御部で受け、この信号に基づいて制御部からエアバッグ(図示せず)を展開するための信号を出力することで、エアバッグが展開する。
車体の前後方向に左フロントサイドフレーム11を延ばし、この左フロントサイドフレーム11の上側後方に左フロントピラー27を設け、この左フロントピラー27の下端部27aから車体前方に向けて左アッパメンバー13を延ばす。
この左アッパメンバー13を左フロントサイドフレーム11の外側に配置する。
よって、側面視において、左アッパメンバー13の前端部13aから後端部13bまで略直線状とすることが可能になった。
加えて、左アッパメンバー13の前端部13aから後端部13bまで車体後方に向けて上がり勾配に配置し、左アッパメンバー13の後端部13bを左フロントピラー27の下端部27aに連結した。
左フロントサイドフレーム11の前端部11aに、左エクステンション部材(エクステンション)21をボルト37で取り付ける。
この左エクステンション部材21は、左フロントサイドフレーム11の前端部11aから車体前方に向けて延びる。
また、左アッパメンバー13の後端部13b側を僅かに上向きに湾曲させた理由は、前輪34などの部品を配置するための空間を確保するためである。
このように、ヘッドライトなどの付属部品を配置するための空間や、前輪34などの部品を配置するための空間を確保しつつ、左アッパメンバー13を、側面視で可能な限り直線に近づける。
すなわち、前端部13aを、いわゆるラッパ状に形成し、左アッパメンバー13の前端部13a、具体的には前縁13cの高さ寸法H1を他の部位より増大する。
よって、万が一、相手車両に衝突した際に、左アッパメンバー13の前端部13aを相手車両の構造物に、より一層確実に当接させることが可能になる。
ここで、左アッパメンバー13の前端部13aは、左フロントサイドフレーム11の前端部11aより後方に位置している。
このため、左フロントサイドフレーム11の前端部11aに、比較的小さな荷重がかかった場合には、検知センサー31は作動し難くなる。
よって、エアバッグの展開が必要な荷重がかかった場合にのみ、検知センサー31が作動してエアバッグをより確実に展開することができる。
車体の前後方向に左フロントサイドフレーム11を延ばし、このフロントサイドフレーム11の外側に左アッパメンバー13を延ばし、左アッパメンバー13の前端部13aを連結部材28を介して左フロントサイドフレーム11の外壁11bに連結する。
左フロントサイドフレーム11の前端部11aに左エクステンション部材21をボルト37…で取り付けることで、前端部11aから左エクステンション部材を前方に向けて延ばす。
センターエクステンション部材19および左エクステンション部材21の前方にフロントバンパー24を設ける。
左アッパメンバー13の剛性を高めるために、左アッパメンバー13の前端部13aに補強部材を設ける必要はない。
よって、左アッパメンバー13の前端部13aに比較的大きな空間36を確保することが可能になり、フロントフォグライト33などの構造物を配置する際に、設計の自由度を高めることができる。
なお、左フロントサイドフレーム11と左アッパメンバー13との間に、左前輪の上方を覆う左ホイールハウス39を設ける。
自動車の前部車体構造10は、車体の前後方向に左フロントサイドフレーム11を延ばし、車体の前後方向での座屈強度を高めるために左フロントサイドフレーム11の外側壁(側壁)11bにビード部25を膨出形成したものである。
このビード部25は、左フロントサイドフレーム11の外側壁11bからビード壁41を突出し、このビード壁41の外周41aに脚部42を設け、この脚部42を、左フロントサイドフレーム11の外側壁11bに一体形成したものである。
折曲部43は、ビード壁41に一定間隔をおいて、ビード壁41から外側に突出するように形成した突条部である。
ビード部25に略波状の折曲部43…を形成することで、左フロントサイドフレーム11の座屈強度を簡単に調整することが可能になる。
これにより、万が一、自動車が障害物に衝突した際に、左フロントサイドフレーム11を良好に潰すことができる。
ビード部25の前端部44を、左フロントサイドフレーム11の前端面11cから一定間隔Lだけ離すことで、左フロントサイドフレーム11の前端部11aからビード部25を除去する。
これにより、万が一、自動車が障害物に衝突した際に、左フロントサイドフレーム11の前端部11aを比較的小さな荷重で良好に潰すことが可能になる。
すなわち、左エクステンション部材21を断面略矩形の中空体に形成し、この左エクステンション部材21の基部に上下の取付片47,48を設け、上下の取付片47,48を、左フロントサイドフレーム11の前端部11aの上下辺に被せ、前端部11aの上辺に上取付片47をボルト37,37で取り付け、前端部11aの下辺に下取付片48をボルト37,37(図5参照)で取り付ける。
エクステンション部材21の先端面21aを、内外の縦辺51,52および上下の横辺53,54で略矩形に形成する。
上横辺53は、上辺外隅部56から上辺内隅部58まで、車体前方に向けて徐々に延びる傾斜辺である。
内縦辺51は、上辺内隅部58から下辺内隅部59まで、車体前方に向けて徐々に延びる下り勾配の傾斜辺である。
よって、エクステンション部材21の先端面21aのうち、一部の部位(すなわち、下辺内隅部)59を、他の部位より車体前方側に突出させる。
よって、エクステンション部材21の先端面21aにかかる単位当たりの荷重が大きくなり、エクステンション部材21の先端面21aを比較的潰れやすくする。
このように、先端面21を比較的小さな荷重で潰すことで、エクステンション部材21を良好に潰すことが可能になる。
左フロントサイドフレーム11の外側壁11bにビード部25を膨出形成する。
すなわち、(b)に示すように、一例として、左フロントサイドフレーム11の一部を構成する部材61をプレス成形する際に、部材61から外側に膨出するようにビード部25をプレス成形する。
ビード部25を、左フロントサイドフレーム11の外側壁11bに沿って前後方向に延ばすことで、左フロントサイドフレーム11の座屈強度を高める。
ビード壁41に一定間隔をおいて、ビード壁41から外側に突出するように突条の折曲部43…を複数個形成する。
このビード壁41の外周41aを、脚部42を介して外側壁11bに一体形成する。
これにより、エクステンション部材21の先端面21aのうち、一部の部位(すなわち、下辺内隅部)59を、他の部位より車体前方側に突出させる。
エクステンション部材21の先端面21a近傍にフロントバンパー24(図3も参照)を配置した。
先ず、左フロントサイドフレーム11の前端部11aに左エクステンション部材21を設けた例を図6〜図7に基づいて説明する。
図6(a),(b)は自動車が障害物に衝突して左エクステンション部材が潰れる例を説明した図である。
(a)において、万が一、自動車65が矢印bの如く障害物66に衝突した際に、エクステンション部材21の先端面21aのうちの下辺内隅部59が、フロントバンパー24を介して障害物66に当接する。
よって、下辺内隅部59が障害物66に当接した際に、下辺内隅部59の単位当たりの荷重が大きくなる。このため、先端面21aの下辺内隅部59に比較的小さな荷重がかかった時点で、エクステンション部材21の先端面21aが下辺内隅部59から潰れ始める。
このため、エクステンション部材21を潰すために必要な荷重、いわゆるピーク荷重を低く抑えることができる。
ここで、左フロントサイドフレーム11の前端面11cから一定間隔Lだけビード部25を除去している。
(a)において、左フロントサイドフレーム11の前端面11cから一定間隔L(図6(b)参照)だけビード部25を除去しているので、左フロントサイドフレーム11の前端部11aが比較的小さな荷重で良好に潰れる。
左フロントサイドフレーム11の前端部11aが良好に潰れて、左フロントサイドフレーム11の前端部11aで、残りの衝突エネルギーの一部を好適に吸収する。
ビード部25に略波状の折曲部43…を形成することで、左フロントサイドフレーム11の座屈強度を簡単に調整することが可能になる。
略波状の折曲部43…が良好に潰れることで、残りの衝撃エネルギーを好適に吸収する。
図8(a),(b)は自動車が障害物に衝突して左フロントサイドフレームの前端部が潰れる例を説明した図である。
(a)において、万が一、自動車70が矢印cの如く障害物66に衝突した際に、左フロントサイドフレーム11の前端面11cが、フロントバンパー24を介して障害物66に当接する。
ここで、左フロントサイドフレーム11の前端面11cから一定間隔Lだけビード部25を除去している。
このため、左フロントサイドフレーム11の前端部11aを潰すために必要な荷重、いわゆるピーク荷重をある程度低く抑えることができる。
左フロントサイドフレーム11の前端部11aが良好に潰れて、左フロントサイドフレーム11の前端部11aで、衝突エネルギーの一部を好適に吸収する。
ビード部25に略波状の折曲部43…を形成することで、左フロントサイドフレーム11の座屈強度を簡単に調整することが可能になる。
左フロントサイドフレーム11の前端部11aを潰した後、ビード部25に略波状の折曲部43…を良好に潰す。
略波状の折曲部43…を良好に潰すことで、残りの衝撃エネルギーを好適に吸収する。
図10(a),(b)は自動車が障害物に衝突して比較例の左フロントサイドフレームが潰れる例を説明した図である。
比較例は、左フロントサイドフレーム151の前端面151aまでビード部152を延ばし、ビード部152に折曲部43…(図5参照)を設けないようにしたものである。
(a)において、万が一、自動車150が矢印dの如く障害物66に衝突した際に、左フロントサイドフレーム151の前端面151aが、フロントバンパー154を介して障害物66に当接する。
このため、左フロントサイドフレーム151を潰すために必要な荷重、いわゆるピーク荷重が比較的高くなることが考えられる。
さらに、左フロントサイドフレーム11の外側壁11bおよび内側壁の両面にそれぞれビード部25を膨出形成することも可能である。
要は、エクステンション部材21の先端面21aに突出部を設け、衝突の際に当接する面積を小さくして単位当たりの荷重を上げることができればよい。
Claims (3)
- 車体の前後方向にフロントサイドフレームを延ばし、車体の前後方向での座屈強度を高めるためにフロントサイドフレームの側壁にビード部を膨出形成した自動車の前部車体構造において、前記ビード部に略波状の折曲部を形成することで座屈しやすくしたことを特徴とする自動車の前部車体構造。
- 前記ビード部の前端部を前記フロントサイドフレームの前端面から後方に一定間隔離したことを特徴とする請求項1記載の自動車の前部車体構造。
- 前記フロントサイドフレームの前端部から車体前方に向けてエクステンション部材を延ばし、このエクステンション部材の先端面のうちの一部を、他の部位より前方に突出させ、エクステンション部材の先端面近傍にフロントバンパーを配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動車の前部車体構造。
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