JP2009137435A - 車体前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体前部構造10は、左フロントサイドフレーム11および左アッパメンバー15の前端部に内外側の衝撃吸収部62,63を設け、外側衝撃吸収部が内側衝撃吸収部の突出量に対して短くなるように内外側の衝撃吸収部の突出量を異ならせた。これにより、内側衝撃吸収部のうち、外側衝撃吸収部から前方に突出した部位62aが衝撃エネルギーで変形するときの加速度と、内外側の衝撃吸収部が衝撃エネルギーで変形するときの加速度との範囲内にエアバッグ113を展開させるしきい値Gsを設定可能とした。
【選択図】図5
Description
加速度センサーで検知した加速度に基づいて衝突の有無を判断し、衝突したと判断されたときエアバッグを展開させて乗員を保護する(例えば、特許文献1参照。)。
低速衝突の衝撃エネルギーを吸収することで、衝突した物体を保護することが可能である。
一方、高速衝突の衝撃エネルギーを吸収することで、乗員を保護することが可能である。
ここで、衝撃エネルギーが作用して発生する加速度は、ある程度のばらつきを生じる。このため、しきい値を精度良く検知するためには、加速度のばらつきに影響されないように、加速度が急激に上昇して加速度段差が大きな範囲内(すなわち、「明確な加速度段差」の範囲内)にしきい値を設定することが好ましい。
このため、高速衝突時に、加速度を急激に上昇させて加速度段差を大きく確保することが難しく、明確な加速度段差の範囲内にしきい値を設定することは難しいとされていた。
これにより、内側衝撃吸収部のうち、外側衝撃吸収部から前方に突出した部位を変形させて低速衝突の衝撃エネルギーを吸収可能で、かつ、内外側の衝撃吸収部を変形させて高速衝突の衝撃エネルギーを吸収可能に構成することができる。
「低速衝突」の例としては、相手車両が車体に対して左右にずれて衝突する、いわゆる、低速オフセット衝突が考えられる。
また、「高速衝突」とは、一例として、20km/h以上の速度で衝突する場合をいう。
「高速衝突」の例としては、相手車両が車体に対して左右にずれて衝突する、いわゆる、高速オフセット衝突や、相手車両が車体の前面全域(全面)に対して衝突する、いわゆる、高速全面衝突が考えられる。
なお、本明細書においては、発明の理解を容易にするため、「高速衝突」を高速オフセット衝突を例に説明する。
よって、内側衝撃吸収部のみで衝撃エネルギーを吸収していたときの加速度と、内外側の衝撃吸収部で衝撃エネルギーを吸収するときの加速度との段差(以下、「加速度段差」という)を大きくできる。
これにより、加速度が急激に上昇して加速度段差が大きな範囲内(すなわち、「明確な加速度段差」の範囲内)にしきい値を設定することが可能なり、加速度のばらつきに影響を受けることなく、しきい値を精度良く検知することができる。
内側衝撃吸収部から離れた部位に加速度センサーを設けることで、内側衝撃吸収部のうち、外側衝撃吸収部から前方に突出した部位の変形中に、加速度センサーに衝撃エネルギーは伝わり難い。
一方、外側衝撃吸収部に近い部位に加速度センサーを設けることで、外側衝撃吸収部の変形中に、加速度センサーに衝撃エネルギーを効率よく伝えることができる。
このように、アッパメンバーのうち、内側衝撃吸収部から離れた部位で、かつ外側衝撃吸収部に近い部位に加速度センサーを設けることで、加速度センサーでしきい値を一層精度良く検知することができる。
車体前部構造10は、車体前部の左右側に左右のフロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)11,12を備え、左フロントサイドフレーム11の上側後方に左フロントピラー(フロントピラー)13を設け、左フロントピラー13の下端部13aから前方に向けて左アッパメンバー(アッパメンバー)15を延ばすとともに、左アッパメンバー15を左フロントサイドフレーム11の外側に配置し、右フロントサイドフレーム12の上側後方に右フロントピラー(フロントピラー)14を設け、右フロントピラー14の下端部14aから前方に向けて右アッパメンバー(アッパメンバー)16を延ばすとともに、右アッパメンバー16を右フロントサイドフレーム12の外側に配置したものである。
右フロントサイドフレーム12と右アッパメンバー16との間に、右前輪(図示せず)を覆う右ホイールハウス19が設けられている。
車体前部構造10は、左フロントサイドフレーム11の前端部11aと左アッパメンバー15の前端部15aとが車体幅方向に向けて配置されて各前端部11a,15aが互いに連結され、右フロントサイドフレーム12の前端部12aと右アッパメンバー16の前端部16aとが車体幅方向に向けて配置されて各前端部12a,16aが互いに連結され、前端部11a,15aおよび前端部12a,16aに衝撃吸収構造20が備えられ、左右のアッパメンバー15,16に左右の加速度センサー30(右加速度センサーは図示せず)がそれぞれ設けられている。
なお、左加速度センサー30については後で詳しく説明する。
すなわち、バンパービーム27は、左端部27aが左衝撃吸収ユニット25に取り付けられ、右端部27bが右衝撃吸収ユニット26に取り付けられている。
また、左右の衝撃吸収ユニット25,26は左右対称の部材であり、右衝撃吸収ユニット26の構成部材に左衝撃吸収ユニット25と同じ符号を付して説明を省略する。
さらに、左右の加速度センサー30(右加速度センサーは図示せず)は左右対称の部材であり、右加速度センサーの説明を省略する。
左フロントサイドフレーム11は、車体前後方向に延びるとともに開口部32が車体外側に向けて配置された断面略コ字形のサイドフレーム部材31と、サイドフレーム部材31の開口部32に嵌合した断面略コ字形のサイド外側壁(外壁部)33とを備える。
サイド外側壁33は、上下の折曲片33a,33bがサイドフレーム部材31の開口部32に沿って設けられている。
アッパメンバー部材41は、車幅方向に水平に延びた上面部44と、上面部44の外側辺から下方に延びた外壁部45と、外壁部45の下辺から車体幅方向内側に向けて延びた下面部46とを備える。
上面部44は、前端部に車体中心に向けて張り出す上張出部51が設けられている。上張出部51は先端部51aがサイドフレーム部材31の上面部34に溶接で接合されている。
下張出部52は先端部52aがサイドフレーム部材31の下面部36に溶接で接合されている。
左フロントサイドフレーム11の前端部11aには、取付片37が張り出されている。また、左アッパメンバー15の前端部15aには、取付片47が張り出されている。
左フロントサイドフレーム11は、上面部34は、左フロントサイドフレーム11の略中央部11bから前端部11aに向けて外側辺34aが徐々に車体外側(左アッパメンバー15側)に移動するように傾斜角θ1で傾斜状に形成されている。
図4に示す下面部36も、上面部34と同様に、略中央部から前端部に向けて外側辺が徐々に車体外側に移動するように傾斜角θ1で傾斜状に形成されている。
以下、左フロントサイドフレーム11のうち、略中央部11bから前端部11aまでの部位をサイド前半部54として説明する。
以下、左アッパメンバー15のうち、略中央部15bから前端部15aまでの部位をアッパ前半部55として説明する。
これにより、サイドフレーム前端部11aおよびアッパメンバー前端部15aが近接された状態に配置される。
これにより、左フロントサイドフレーム11の前端部11aおよび左アッパメンバー15の前端部15aが強固に連結されている。
左衝撃吸収ユニット25にバンパービーム27の左端部27aが取り付けられている。
内側取付部21aは、車幅方向に沿って平行に取り付けられたプレートである。
外側取付部21bは、内側取付部21aに対して角度θ3だけ後方に向けて傾斜させたプレートである。
内筒体65は、平面視で先細状に形成されている。
この内側衝撃吸収部62は、内後フランジ66が、左取付プレート21の内側取付部21aを介して左フロントサイドフレーム11の取付片37にボルト68…、ナット69…で取り付けられている。
よって、内側衝撃吸収部62は、左フロントサイドフレーム11の前方に設けられている。
内側衝撃吸収部62は、左取付プレート21から車体前方への突出量がL1に設定されている。
この外側衝撃吸収部63は、内側衝撃吸収部62に対して外側に所定間隔離間させて配置され、外後フランジ76が、左取付プレート21の外側取付部21bを介して左アッパメンバー15の取付片47にボルト68…、ナット69…で取り付けられている。
よって、外側衝撃吸収部63は、左アッパメンバー15の前方に設けられている。
外側衝撃吸収部63は、左取付プレート21から車体前方への突出量がL2に設定されている。
さらに、左衝撃吸収ユニット25は、内側衝撃吸収部62のうち、外側衝撃吸収部63から前方に突出した部位62aを変形させて低速衝突の衝撃エネルギーを吸収可能で、かつ、内外側の衝撃吸収部62,63を変形させて高速衝突の衝撃エネルギーを吸収可能に構成されている。
そこで、前述したように、左取付プレート21の外側取付部21bを内側取付部21aに対して角度θ3だけ後方に向けて傾斜させることにした。
これにより、外側衝撃吸収部63の内外側の側壁78,79を略同じ長さに確保することが可能になり、外側衝撃吸収部63の潰し代を良好に確保することができる。
ここで、傾斜角θ4は、左フロントサイドフレーム11の外側辺34aの傾斜角θ1と略同じ傾斜角に設定されている。すなわち、傾斜角θ4および傾斜角θ1の関係は、θ4≒θ1の関係が成立する。
これにより、外筒体75の後端部75bおよび左フロントサイドフレーム11の前端部11aで一部重ね合わされた重複部81が形成されている。
内側壁78寄りの部位とサイド外側壁33寄りの部位との重複幅はWである。
バンパービーム27は、左端部27aが車体側へ向けて後方に曲げられ、左端部27aにおいて、前部を切り欠くことで凹状の脆弱部29が形成されている。
エネルギー吸収部材28は、樹脂製のビームであり、バンパービーム27の凹状の前部29に沿って左端部28aが配置されている。
前述したように、バンパービーム27は、左端部27aが車体側へ向けて後方に曲げられ、前部が凹状の脆弱部29に形成されている。
これにより、エネルギー吸収部材28の左端部28aの前方に比較的大きな空間70を確保することができる。
なお、エネルギー吸収部材28の左端部28aの前方に比較的大きな空間70を確保した理由については図8で詳しく説明する。
(a)に示すように、バンパービーム27は、車幅方向の中央部27d(図2参照)が、鉛直に配置された前壁部91と、前壁部91の上半部に設けられた上コ字状部材92と、前壁部91の下半部に設けられた下コ字状部材93とを備えている。
前壁部91は、上端部近傍に後方に突出した上リブ91aが形成され、下端部近傍に後方に突出した下リブ91bが形成されている。
以下、上稜線部98を「上高強度部(高強度部)」と称し、上中央稜線部99を「上中央高強度部(高強度部)」と称す。
以下、下稜線部105を「下高強度部(高強度部)」と称し、下中央稜線部106を「下中央高強度部(高強度部)」と称す。
よって、バンパービーム27の後半部27eに上高強度部98、上中央高強度部99、下高強度部105および下中央高強度部106が設けられている。
よって、後半部27eのうち、左端部27aに対応する端部後半部27gにも上高強度部98、上中央高強度部99、下高強度部105および下中央高強度部106が設けられている。
また、左端部27aの端部後半部27gのうち、図3に示すように、車幅方向の内側に内側衝撃吸収部62の内前取付片67が接合されている。
これにより、内外側の衝撃吸収部62,63を、高強度部98,99,105,106を有する端部後半部27gで強固に一体化させることができる。
また、図2に示すエネルギー吸収部材28の右端部28bは、左端部28aと左右対称の部位であり、右端部28bの説明を省略する。
左加速度センサー30は、内外側の衝撃吸収部62,63に衝撃加重が作用したときの加速度(減速度)Gを検知する加速度センサーである。
制御部110は、左加速度センサー30で検知した加速度が、予め記憶されているしきい値Gsを超えているか否を判断し、検知した加速度がしきい値Gsを超えている場合にエアバッグ装置112に展開信号を伝えるものである。
このエアバッグ装置112は、ステアリングホイール114にエアバッグ113が折り畳まれた状態で内蔵されるとともにインフレータ(図示せず)が内蔵されている。
制御部110からの展開信号に基づいてインフレータからガスを供給し、ガスをエアバッグ113内に充填することでエアバッグ113を展開させる。
以下、加速度のしきい値Gsを図5、図7に基づいて詳しく説明する。
相手車両が左側にずれてオフセット衝突(高速衝突)した場合に、エネルギー吸収部材28に衝撃エネルギーが作用して車両に加速度G1が発生する。
エネルギー吸収部材28がストロークS1潰され(変形し)、エネルギー吸収部材28で衝撃エネルギーE1が吸収される。
バンパービーム27がストロークS2潰され(変形し)、バンパービーム27で衝撃エネルギーE2が吸収される。
よって、バンパービーム27が潰れることで、内側衝撃吸収部62のうち、外側衝撃吸収部63から前方に突出した部位62aに残りの衝撃エネルギーが作用して車両に加速度G3が発生する。
内側衝撃吸収部62の部位62aが潰れることで、内側衝撃吸収部62の変形が外側衝撃吸収部63に達する。
2部材で残りの衝撃エネルギーを支えることで、大きな衝撃エネルギーが支えられ、車両の加速度G4の増量が大きくなる。
これにより、内側衝撃吸収部62の残部62bおよび外側衝撃吸収部63に残りの衝撃エネルギーが作用して車両に大きな加速度G4が発生する(すなわち、加速度が急激に上昇する)。
よって、加速度が急激に上昇して加速度段差Gdが大きな範囲内(すなわち、「明確な加速度段差Gd」の範囲内)にしきい値Gsを設定することが可能なる。
このように、加速度G3と加速度G4との段差を明確な加速度段差Gdとすることで、加速度のばらつきに影響を受けることなく、しきい値Gsを制御部110(図1参照)で精度良く検知することができる。
外壁部45の前端壁部45aは、左アッパメンバー15のうち、内側衝撃吸収部62から離れた部位で、かつ外側衝撃吸収部63に近い部位である。
これにより、内側衝撃吸収部62のうち、外側衝撃吸収部63から前方に突出した部位62aの変形中に、左アッパメンバー15の前端壁部45aに衝撃エネルギーは伝わり難い。
左アッパメンバー15の前端壁部45aに生じる加速度G3は比較的小さくなる。
これにより、外側衝撃吸収部63の変形中に、左アッパメンバー15の前端壁部45aに近い部位に衝撃エネルギーを効率よく伝えることができる。
大きな加速度G4を発生させることで、加速度G3と加速度G4とに大きな段差(すなわち、明確な加速度段差)Gdを一層確実に生じさせることができる。
これにより、前端壁部45aに加速度センサー30を設けることで、しきい値Gsを一層精度良く検知することができる。
よって、内側衝撃吸収部62の残部62bおよび外側衝撃吸収部63で衝撃エネルギーE4が吸収される。
左フロントサイドフレーム11および左アッパメンバー15がストロークS5潰され(変形し)、左フロントサイドフレーム11および左アッパメンバー15で衝撃エネルギーE5が吸収される。
これにより、高速衝突で作用した衝撃エネルギーを吸収することができる。
図8は本発明に係る衝撃吸収構造のエネルギー吸収部材の左端部の前方に比較的大きな空間を確保した状態を示す図である。
外側衝撃吸収部63の突出量L2が内側衝撃吸収部62の突出量L1に対して短くなるように、内外側の衝撃吸収部62,63の突出量を異ならせた。
よって、バンパービーム27の左端部27aを車体側へ向けて曲げることができる。
加えて、左端部27aの前面に脆弱部29が形成されている。
したがって、車両前部(すなわち、バンパーフェイス)82の左前角部82aを比較的大きな湾曲状に形成することができ、車両の意匠性を一層高めることができる。
図9(a),(b)は本発明に係る衝撃吸収構造でオフセット低速衝突の衝突エネルギーを吸収する例を説明する図である。
(a)において、相手車両85が衝撃吸収構造20に対して左側にずれてエネルギー吸収部材28の左端部28aにオフセット衝突(オフセット軽衝突)する。
具体的には、内側衝撃吸収部62に矢印Aの如く衝撃エネルギーが伝わるとともに、外側衝撃吸収部63に矢印Bの如く衝撃エネルギーが伝わる。
内側衝撃吸収部62の部位62aが突出しているので、内側衝撃吸収部62に作用する衝撃エネルギーは、外側衝撃吸収部63に作用する衝撃エネルギーより大きい。
よって、内側衝撃吸収部62の部位62aは外側衝撃吸収部63と比較して潰れやすくなる。
ところで、低速衝突の場合、左加速度センサー30で検知する加速度は、しきい値Gsより小さいので、エアバッグ113を展開しない状態に保つことができる。
残りの衝撃エネルギーを、内側衝撃吸収部62のうち、外側衝撃吸収部63から前方に突出した部位62aを潰す(変形する)ことで吸収する。
なお、内側衝撃吸収部62の変形にともなって、外側衝撃吸収部63が僅かに潰れる(変形する)ことが考えられる。
よって、オフセット軽衝突後に、エネルギー吸収部材28、バンパービーム27および左衝撃吸収ユニット25をボルト68…を外して交換するという簡単な修理で対応することができる。
図10(a),(b)は本発明に係る衝撃吸収構造にオフセット高速衝突する例を説明する図である。
(a)において、相手車両85が衝撃吸収構造20に対して左側にずれてエネルギー吸収部材28の左端部28aにオフセット衝突(オフセット高速衝突)する。
高速衝突により生じた衝撃エネルギーEhighは、エネルギー吸収部材28の左端部28aおよびバンパービーム27の左端部27aを経て左衝撃吸収ユニット25に伝わる。
具体的には、内側衝撃吸収部62に矢印Cの如く衝撃エネルギーが伝わるとともに、外側衝撃吸収部63に矢印Dの如く衝撃エネルギーが伝わる。
内側衝撃吸収部62の部位62aが突出しているので、内側衝撃吸収部62に作用する衝撃エネルギーは、外側衝撃吸収部63に作用する衝撃エネルギーより大きい。
よって、内側衝撃吸収部62の部位62aは外側衝撃吸収部63と比較して潰れやすい。
残りの衝撃エネルギーの一部(E3(図7参照))を、内側衝撃吸収部62のうち、外側衝撃吸収部63から前方に突出した部位62aを潰す(変形する)ことで吸収する。
このため、内側衝撃吸収部62に伝わった衝撃エネルギーを、左加速度センサー30に伝わり難い状態に保つことができる。
よって、左アッパメンバー15の前端壁部45aに生じる加速度G3(図7参照)は比較的小さくなる。
よって、残りの衝撃エネルギーを内側衝撃吸収部62および外側衝撃吸収部63の2部材で支えることになり車両の加速度が増す。
よって、左アッパメンバー15の前端壁部45aに大きな加速度G4(図7参照)を発生させることができる。
これにより、車両の加速度のばらつきに影響を受けることなく、車両の加速度の増加を左加速度センサー30で確実に検知することができる。
制御部110からの展開信号に基づいて、エアバッグ装置112のエアバッグ113が展開して運転者(図示せず)を拘束保護する。
(a)において、内側衝撃吸収部62および外側衝撃吸収部63を潰す(変形する)ことで、残りの衝撃エネルギーの一部を吸収する。
(b)において、左フロントサイドフレーム11を変形(すなわち、潰すように変形)する。
これにより、左フロントサイドフレーム11の略中央部11bを略く字状に変形させて衝撃エネルギーE5(図7参照)を良好に吸収することができる。
これにより、左フロントサイドフレーム11の変形量を十分に確保して、エンジンルーム86の後方の車室内が変形することを抑えることができる。
よって、図8に示すように、車両前部(バンパーフェイス)82の左前角部82aを比較的大きな湾曲状に形成した車両に、明確な加速度段差Gdを発生させて、エアバッグ113の展開操作を適正化することができる。
Claims (2)
- 車体前後方向にフロントサイドフレームを延ばし、前記フロントサイドフレームの上側後方にフロントピラーを設け、前記フロントピラーから前方に向けてアッパメンバーを延ばすとともに、前記アッパメンバーを前記フロントサイドフレームの外側に配置し、前記フロントサイドフレームおよび前記アッパメンバーの前端部に内外側の衝撃吸収部を内側と外側とに設け、前記内外側の衝撃吸収部に衝撃加重が作用したときにエアバッグを展開させるための加速度を検知する加速度センサーを設けた車体前部構造において、
前記外側衝撃吸収部および前記内側衝撃吸収部は、
前記外側衝撃吸収部が前記内側衝撃吸収部の突出量に対して短くなるように、前記内外側の衝撃吸収部の突出量を異ならせることで、
前記内側衝撃吸収部のうち、前記外側衝撃吸収部から前方に突出した部位が衝撃エネルギーで変形するときの加速度と、前記内側衝撃吸収部の変形が前記外側衝撃吸収部に達した後、前記内外側の衝撃吸収部が衝撃エネルギーで変形するときの加速度との範囲内に、前記エアバッグを展開させるしきい値を設定可能としたことを特徴とする車体前部構造。 - 前記加速度センサーは、前記アッパメンバーのうち、前記内側衝撃吸収部から離れた部位で、かつ前記外側衝撃吸収部に近い部位に設けられたことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
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