JP6217515B2 - 歩行者保護エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、歩行者保護エアバッグ装置に関する。
自動車などの車両において、フードの後端部の下面側からエアバッグを膨張展開させて歩行者を保護する歩行者保護エアバッグ装置が知られている。このような歩行者保護エアバッグ装置として、特許文献1には、エンジンフード(フード)の後端部を上昇させるための跳ね上げ手段と、エンジンフードの後端部の下面に配設されたエアバッグ装置とを備えた歩行者保護エアバッグ装置が開示されている。また、特許文献1では、歩行者の衝突予測時又は衝突検出時に、エンジンフードの跳ね上げに同期してエアバッグ装置を跳ね上げつつエアバッグを膨張展開させている。
特開2007−112183号公報
ところで、歩行者との衝突などによってエアバッグが膨張展開された状態では、フードの後端部が上昇されているので、この状態で車両が前面衝突した場合、衝突荷重を受けたフードが膨張展開されたエアバッグ上を滑って車両後方側へ移動する可能性がある。特に、斜め衝突やオフセット衝突においては、フードが平面視で回動しながら車両後方へ移動しようとするため、車両後方への移動が顕著である。
本発明は上記事実を考慮し、エアバッグの膨張展開時にフードの車両後方への移動を抑制することができる歩行者保護エアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置は、フードの後端部の下面に配設されたエアバッグケースと、前記エアバッグケース内に収納され、インフレータが発生させるガスの圧力で車両後方側へ膨張展開されると共に、膨張展開状態でウインドシールドガラスの下部の前面を覆う中央バッグ部及び左右一対のフロントピラーの少なくとも下部の前面を覆う側方バッグ部を備えたエアバッグと、前記膨張展開状態の前記側方バッグ部における前記フードの後端角部車両後側と対向する部位に設けられ、前記膨張展開状態で前記側方バッグ部の車両前方側よりも車両後方側が高くなるように形成されると共に車両平面視にて車両後方側へ凹んだ部分が形成されかつ前記後端角部と係合する又は係合可能に構成されたフード係合部と、を有する。
請求項1に記載の本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置では、フード後端部の下面には、エアバッグケースが配設されており、このエアバッグケース内には、中央バッグ部及び側方バッグ部を備えたエアバッグが収納されている。このため、歩行者との衝突などによってインフレータが作動すると、中央バッグ部及び側方バッグ部へガスが供給されて膨張展開される。そして、中央バッグ部によってウインドシールドガラスの下部の前面が覆われ、側方バッグ部によってフロントピラーの少なくとも下部の前面が覆われて歩行者が保護される。
また、側方バッグ部におけるフードの後端角部車両後側と対向する部位には、フード係合部が設けられており、このフード係合部は、後端角部と係合する又は係合可能に構成されている。これにより、歩行者との衝突に続いて車両が前面衝突した場合、衝突荷重を受けたフードの後端角部をフード係合部に係合させることができる。さらに、エアバッグの膨張展開時に車両が前面衝突した場合、衝突荷重を受けたフードの後端角部を段差部に当接(係合)させることができる。
請求項2に記載の本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置は、請求項1に記載の発明において、前記フード係合部は段差部であり当該段差部は、前記側方バッグ部の上下を車両前後方向に沿って繋いだテザーによって形成されている。
請求項2に記載の本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置では、フード係合部は段差部であり、段差部は、車両前後方向に沿ってテザーを設けたことにより、平面視で段差部のテザーが配設された部位が車両後方側へ凹んだ形状となる。これにより、この凹んだ部分にフードの後端角部が引っ掛かってフードの移動が抑制される。
請求項に記載の本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置は、フードの後端部の下面に配設されたエアバッグケースと、前記エアバッグケース内に収納され、インフレータが発生させるガスの圧力で車両後方側へ膨張展開されると共に、膨張展開状態でウインドシールドガラスの下部の前面を覆う中央バッグ部及び左右一対のフロントピラーの少なくとも下部の前面を覆う側方バッグ部を備えたエアバッグと、前記膨張展開状態の前記側方バッグ部における前記フードの後端角部の車両後側と対向する部位に設けられ、前記膨張展開状態で前記側方バッグ部の上面に固定され、前記後端角部と車両前後方向に対向する側に開口が形成されると共に前記開口から車両後方側へ向けた内部に空間が形成されたポケットとされかつ前記後端角部と係合する又は係合可能に構成されたフード係合部と、を有する
請求項に記載の本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置では、歩行者との衝突に続いて車両が前面衝突した場合、衝突荷重を受けたフードの後端角部がポケットに入り込むことで、フードの移動が抑制される。
以上、説明したように、請求項1に係る発明によれば、エアバッグの膨張展開時にフードの車両後方への移動を抑制することができるという優れた効果を有する。
請求項に係る発明によれば、特に、斜め衝突やオフセット前面衝突時にフードが平面視で回動しながら車両後方へ移動しようとするのを抑制することができるという優れた効果を有する。
請求項に係る発明によれば、簡易な構造でフードの車両後方への移動を抑制することができ、且つ、手間をかけずにフード形状が異なる車種にも適用させることができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置の要部を示す平面図であり、エアバッグが膨張展開された作動状態を示す図である。 図1の2−2線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図である。 第1実施形態に係るエアバッグが膨張展開された作動状態でフードに車両後方側への力が作用した状態を示す要部拡大平面図である。 第1実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置のエアバッグが収納された非作動状態における図1の4−4線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図である。 第1実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置が搭載された車両の前部を示す斜視図であり、エアバッグが膨張展開された作動状態を示す図である。 第2実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置の要部を示す平面図であり、エアバッグが膨張展開された作動状態を示す図である。 図6の7−7線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図である。
<第1実施形態>
以下、図1〜図5を参照して、本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置の第1実施形態について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印RHは車両幅方向の車両右側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
図5に示されるように、本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置を備えた車両12のエンジンルーム(パワーユニット室)14の上方には、フード16が設けられている。このフード16の車両後方には、ウインドシールドガラス30が配設されている。ウインドシールドガラス30は、車両後方斜め上方へ向けて傾斜しており、このウインドシールドガラス30の下部30Aがフード16の後端部16Aに対して車両後方から対向している。
フード16の前端部は、図示しないフードロックによって通常はロック状態とされている。また、フード16の後端部16Aの車両幅方向両側には、図示しないフードヒンジが配設されている。フードヒンジは、車体に固定されるヒンジベースと、一端部がフードに固定されると共に他端部がヒンジベースにピン結合され、結合点回りに揺動可能とされたヒンジアームと、を含んで構成されている。さらに、フード16の後端部16Aの車両幅方向両側には、歩行者との衝突時にフード16の後端部16Aを上昇させるポップアップ装置18が配設されている。なお、図5では、ポップアップ装置18として、ガス発生手段が作動することにより上昇するロッド状の部材を図示しているが、これに限らず、他の構成を適用してもよい。例えば、リンク機構によってフード16の後端部16Aをポップアップさせてもよい。
図4に示されるように、フード16は、車両外側に配置されてフード16の意匠面を形成するフードアウタパネル20と、エンジンルーム14側に配置されてフードアウタパネル20を補強するフードインナパネル22と、を含んで構成されている。また、フードインナパネル22の後端部には、車両下方側へ膨らみ且つ車両幅方向に沿って延在する骨格部23が形成されている。
骨格部23は、フード16の後端部16Aよりも車両前方側へオフセットした位置に形成されており、この骨格部23によって、フードアウタパネル20とフードインナパネル22とからなる閉断面の一部がフード16の後端側で車両下方側へ拡大されている。そして、この骨格部23の車両後方側には、収納スペースが形成されており、この収納スペースに本実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置10(以下、適宜「エアバッグ装置10」と称する。)が配設されている。
(歩行者保護エアバッグ装置の構成)
エアバッグ装置10は、エアバッグケース24と、左右一対のインフレータ26と、エアバッグ34と、を含んで構成されている。また、エアバッグケース24は、車両幅方向から見て車両前後方向に長尺な矩形の中空体状に形成されたケース本体部24Aと、ケース本体部24Aの前端部の下端部から車両前方側へ延びる固定部24Bとによって構成されている。そして、この固定部24Bがボルト40及びウエルドナット42によって骨格部23の底壁23Aに締結固定されることにより、エアバッグケース24がフード16に取り付けられている。なお、本実施形態では一例として、エアバッグケース24を金属で形成しているが、これに限らず、例えば、繊維強化樹脂(FRP)などの樹脂材料で形成してもよい。
ケース本体部24Aは、上下の壁部が互いに略平行に配置されると共に、車両後方側の壁部が上下の壁部に対して略直角に配置されている。また、車両前方側の壁部は、車両後方側の壁部に対して、上方へ向かうにつれて接近するように配置されている。さらに、ケース本体部24Aの後端部の上側の角部には、V字状の溝が形成されることにより薄肉化されたティア部24Cが形成されている。このティア部24Cは、ケース本体部24Aの他の部位(一般部)よりも強度及び剛性が低くなっている。このため、後述するエアバッグ34がエアバッグケース24内で膨張し始めてティア部24Cに加わる引張荷重が増加すると、ティア部24Cが破断するように構成されている。
ケース本体部24Aの内部には、エアバッグ34と、歩行者との衝突時に作動してガスを噴出するインフレータ26と、が収納されている。エアバッグ34は、一例として、二枚の基布の外周部を縫製することにより袋状に構成されており、蛇腹折りやロール折りなどの所定の折り畳み方によって折り畳まれた状態でエアバッグケース24内に収納されている。
また、エアバッグ34は、図1に示されるように、中央バッグ部34Aと側方バッグ部34Bとを備えている。中央バッグ部34Aは、膨張展開した状態(膨張展開状態)で車両幅方向の中央部に配設されており、車両幅方向に沿ってウインドシールドガラス30の下部30Aの前面を覆っている。一方、側方バッグ部34Bは、中央バッグ部34Aと連通されており、膨張展開状態で中央バッグ部34Aの車両幅方向の両端部から車両後方且つ車両上方へ延在されており、左右一対のフロントピラー31の少なくとも下部の前面を覆っている。また、側方バッグ部34Bには、テザー28が配設されており、このテザー28によってフード係合部としての段差部32が形成されている。段差部32については後述する。
インフレータ26は、車両幅方向に間隔をあけて左右に一対設けられており、車両幅方向を長手方向としてエアバッグケース24内の前端部に配設されている。また、本実施形態のインフレータ26は、一例として、所謂シリンダタイプのインフレータを採用しており、車両幅方向に間隔をあけて配設されている。ここで、図4に示されるように、左右のインフレータ26にはそれぞれ、金属製の板材からなる取付ブラケット36が接合されている。これらの取付ブラケット36は、骨格部23の下面側へ延びており、前述したボルト40及びウエルドナット42によって骨格部23の底壁23Aに締結固定されている。これにより、左右のインフレータ26が取付ブラケット36を介してフード16の骨格部23に固定されている。
インフレータ26の軸方向の一端部の軸芯部には、図示しないスクイブ(点火装置)が配設されており、インフレータ26の内部には、燃焼することにより大量のガスを発生するガス発生剤が充填されている。このため、このインフレータ26が発生させるガスの圧力でエアバッグ34を車両後方側へ膨張展開できるように構成されている。
また、インフレータ26の内部には、発生した高温のガスを冷却するためのクーラント及びガス発生剤が燃焼した際に生じる砕片を除去するためのフィルタ等が収容されている。なお、本実施形態のインフレータ26は、ガス発生剤を用いるタイプのものであるが、高圧ガスが封入されたタイプのインフレータを用いてもよい。また、インフレータ26の周壁部には、複数のガス噴出孔が形成されている。
さらに、インフレータ26は、車体フロアの中央部に配設された図示しないコントローラ(エアバッグECU)と接続されている。コントローラは、車両12の前端部に車両幅方向を長手方向として配置された図示しないフロントバンパに配設された衝突検知センサ(図示省略)或いは衝突予知センサ(図示省略)と接続されている。衝突検知センサとしては、例えば、フロントバンパリインフォースメントの前面側にフロントバンパに沿って長尺状の圧力チューブ又は圧力チャンバ及び圧力センサを配置するチャンバ方式や光ファイバ方式等が適用可能である。また、衝突予知センサとしては、例えば、歩行者等の衝突体との衝突をミリ波レーダやステレオカメラを使って予知するプリクラッシュセンサ等が適用可能である。
次に、本実施形態に係るフード係合部としての段差部32について説明する。図1に示されるように、段差部32は、側方バッグ部34Bにおけるフード16の後端角部(後端部16Aの車両幅方向両端部の角部)38車両後側と対向する部位に設けられており、車両幅方向に延在されている。また、この段差部32は、後端角部38と係合する又は係合可能に構成されており、本実施形態では一例として、後端角部38に段差部32の一部が当接して係合可能に構成されている。なお、これに限らず、後端角部38の車両後方側に隙間をあけて段差部32を形成してもよい。
ここで、側方バッグ部34Bの前端部には、側方バッグ部34Bの上下を車両前後方向に沿って繋いだテザー28が配設されており、このテザー28によって段差部32が形成されている。テザー28は、図2に示されるように、側面視で略矩形状に形成されており、フード16の後端部16Aの下方に配設されている。
また、テザー28の上端部は、車両幅方向の一端側へ折り曲げられて側方バッグ部34Bの上側の基布に結合されており、テザー28の下端部は、車両幅方向の一端側へ折り曲げられて側方バッグ部34Bの下側の基布に結合されている。このようにして、膨張展開状態における側方バッグ部34Bの前方側の車両上下方向の厚みを減少させたことにより、側方バッグ部34Bの車両前方側よりも車両後方側が高くなるように構成されている。なお、テザー28の上下端部を折り曲げる方向については特に限定せず、テザー28の上端部を車両幅方向の一端側へ折り曲げて、テザー28の下端部を車両幅方向の他端側へ折り曲げてもよい。また、テザー28の形状についても特に限定せず、例えば、側面視で略多角形状や略楕円状に形成してもよい。
さらに、図1に示されるように、テザー28は、側方バッグ部34Bの車両幅方向の中央部に設けられており、平面視でテザー28の後端部の位置に段差部32が形成されている。ここで、段差部32は、平面視でテザー28より車両幅方向外側に設けられて車両前方側へ膨らむ外側膨出部32Aと、テザー28より車両幅方向内側に設けられて車両前方側へ膨らむ内側膨出部32Bとを備えて二山になるように形成されている。このため、テザー28の後端部が位置する部位は、車両後方側へ凹んだ形状とされている。また、フード16の後端角部38は、テザー28より車両幅方向内側の内側膨出部32Bに当接されている。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
車両12が歩行者と衝突する前の状態では、ポップアップ装置18及びエアバッグ装置10は非作動状態を維持している。すなわち、フード16の後端部16Aは、車両上方へ上昇されておらず、エアバッグ34は、図4に示されるように、エアバッグケース24内に折り畳まれた状態で収納されている。
この状態から、歩行者と衝突すると、フロントバンパリインフォースメントに設けられた図示しない衝突検知センサによって歩行者と衝突したことが検知される。なお、プリクラッシュセンサやステレオカメラを用いて歩行者との衝突が予知された場合も同様である。これにより、図示しないコントローラによってポップアップ装置18が作動され、フード16の後端部16Aが車両上方側へ所定の高さまで上昇(ポップアップ)される(図5参照)。
また、フード16の後端部16Aの上昇量が所定量に達すると、図示しないコントローラによってエアバッグ装置10のインフレータ26が作動される。このため、インフレータ26のガス噴出部からガスが噴出され、ガスは折り畳まれた状態のエアバッグ34内へ供給される。これにより、エアバッグ34がエアバッグケース24内で膨張し始め、エアバッグケース24のティア部24Cに加わる引張荷重が増加していく。そして、ティア部24Cに加わる引張荷重が所定値に達すると、ティア部24Cが破断し、エアバッグケース24が後開き状に上下に展開する。
これにより、図1に示されるように、エアバッグ34は、フード16の後端部16Aとウインドシールドガラス30の下部30Aとの間から車両後方側へ膨張展開される。そして膨張展開状態では、中央バッグ部34Aによってウインドシールドガラス30の下部30Aの前面が覆われる。また、左右一対の側方バッグ部34Bによってフロントピラー31の少なくとも下部の前面が覆われて歩行者を保護する。
ここで、本実施形態の側方バッグ部34Bには、フード16の後端角部(後端部16Aの車両幅方向両端部の角部)38と係合可能な段差部32が設けられている。これにより、歩行者との衝突に続いて車両12が前面衝突した場合、フード16は、図3に示されるように、後端部16Aが上昇された状態で衝突荷重を受けて車両後方に移動しようとする。ここで、このフード16の後端角部38が段差部32の内側膨出部32Bに当接しているので、後端角部38は、内側膨出部32Bに沿って外側膨出部32Aと内側膨出部32Bとの間の凹んだ部分に入り込む。これにより、フード16の車両後方への移動を抑制することができる。
また、斜め衝突やオフセット前面衝突時には、フード16の車両幅方向の一方側が車両後方へ移動するため、フード16は、平面視で回動しながら後方へ移動しようとする。ここで、本実施形態では、車両前後方向に沿ってテザー28を設けたことにより、上記の通り、段差部32に車両後方側へ凹んだ部分が形成されている。これにより、この凹んだ部分にフード16の後端角部38が引掛かることで、フード16の回動を抑制することができる。すなわち、フルラップ前面衝突に限らず、オフセット前面衝突、微小ラップ衝突、及び斜め衝突などの前面衝突時にもフード16の車両後方への移動を抑制することができる。
なお、本実施形態では、テザー28を車両前後方向に設けて段差部32を形成したが、これに限らず、他の構造としてもよい。例えば、側方バッグ部34Bを横切るように車両幅方向に沿ってテザーを設けることで段差部を形成してもよい。この場合、テザーを平面視で車両前方側が開放された略V字状や略U字状に配設すれば、段差部に車両後方へ凹んだ部分を形成することができる。このため、車両後方へ移動しようとするフード16を引掛けてフード16の車両後方への移動を確実に抑制することができる。また、側方バッグ部34Bの上下の基布を縫製することによって段差部を形成してもよい。この場合、テザーを用いることなく段差部を形成することができる。さらに、膨張展開状態で段差部32を備えた形状となるように基布を縫製することで側方バッグ部34Bを形成してもよい。
また、本実施形態では、側方バッグ部34Bのみにテザー28を設けて段差部32を形成したが、これに限らず、中央バッグ部34Aにもテザーを設けるなどして段差部を形成してもよい。この場合、側方バッグ部34Bのみに段差部32を形成した構成と比較して、より確実にフード16の車両後方への移動を抑制することができる。さらに、本実施形態では、左右両側の側方バッグ部34Bに段差部32を形成したが、これに限らず、片方のみに段差部32が形成された構成としてもよい。
<第2実施形態>
次に、図6、7を用いて、本発明に係る車両用歩行者保護エアバッグ装置の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置50(以下、適宜「エアバッグ装置50」と称する。)は、フード係合部としてポケット52を設けた点を除いて前述した第1実施形態と同様の構成である。また、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
図6に示されるように、本実施形態のエアバッグ装置50は、膨張展開状態で車両幅方向の中央部に配設されて車両幅方向の中央部に配設されてウインドシールドガラス30の下部30Aの前面を覆う中央バッグ部34Aを備えている。また、中央バッグ部34Aの車両幅方向の両端部には、膨張展開状態で左右一対のフロントピラー31の少なくとも下部の前面を覆う側方バッグ部34Bが設けられている。ここで、側方バッグ部34Bには、フード係合部としてのポケット52が形成されている。
ポケット52は、膨張展開状態で側方バッグ部34Bの上面に縫製(固定)されており、平面視で略三角形状に形成されている。また、ポケット52は、フード16の後端角部38と車両前後方向に対向する辺を除いて、縫製部54によって縫製されている。これにより、ポケット52は、後端角部38側(車両前方側)が開口された形状となっており、図7に示されるように、ポケット52の内部には、後端角部38が収容可能な大きさの空間56が形成されている。
一方、中央バッグ部34Aには、フード16の後端部16Aに沿ってテザー58が設けられている。テザー58は、車両幅方向に間隔を開けて2つ配設されており、それぞれ車両幅方向に延在されている。そして、このテザー58によって中央バッグ部34Aのフード16の下面側に配設された部分の厚みが減少されている。
(作用並びに効果)
本実施形態のエアバッグ装置50によれば、エアバッグ34が膨張展開された状態で車両12が前面衝突した場合、衝突荷重を受けたフード16が車両後方へ移動すると、フード16の後端角部38がポケット52の空間56に入り込んで係止される。これにより、フード16の回動や車両後方への移動を抑制することができる。
また、本実施形態では、側方バッグ部34Bの表面にポケット52を縫製するだけの簡易な構造でフード16の車両後方への移動を抑制することができる。このため、例えば、既成のエアバッグを利用し、この既成エアバッグにポケット52を縫製するだけで本発明の効果を得ることができる。さらに、ポケット52の形状を変更すれば、フード16の形状が異なる車種についてもフードの車両後方への移動を抑制することができる。
また、本実施形態では、中央バッグ部34Aにテザー58を配設しているため、膨張展開状態でテザー58より車両後方側の部位の方が高さ高くなり、フード16の後端部16Aを係止する効果を期待することができる。さらに、テザー58より車両前方側の部分、すなわち、中央バッグ部34Aのフード16の下面側に配設された部分の厚みが減少されるため、歩行者の頭部などがフード16の後端部16Aの上面に衝突した際に、中央バッグ部34Aからの反力が作用するのを阻止又は抑制することができる。
なお、本実施形態では、図6に示されるように、ポケット52を平面視で略三角形状に形成したが、これに限らず、他の形状のポケットを形成してもよい。例えば、略半円状や略矩形状のポケットを形成してもよい。また、ポケット52の大きさについても特に限定せず、例えば、側方バッグ部34Bの膨張展開時における車両幅方向の寸法と略同一の幅のポケットを形成してもよい。
さらに、本実施形態では、ポケット52を側方バッグ部34Bの表面に縫製することによって固定したが、これに限らず、接着剤などで接着したり、溶着してもよい。また、第1実施形態の段差部32と組み合わせてもよい。すなわち、図6において、側方バッグ部34Bの上下を繋ぐテザーを設けてポケット52の入り口部分に段差部を形成してもよい。
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置について説明したが、これらの実施形態を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。また、フード係合部は、段差部やポケット以外の構造を適用してもよく、例えば、側方バッグ部34Bの上面に車両幅方向に沿ってリブを形成することによってフードの車両後方への移動を抑制してもよい。また、ポップアップ装置を備えていない車両に本発明を適用してもよく、例えば、エアバッグの膨張展開時の圧力でフードの後端部を上昇させる構成でもよい。
10 歩行者保護エアバッグ装置
16 フード
16A 後端部(フードの後端部)
24 エアバッグケース
26 インフレータ
28 テザー
30 ウインドシールドガラス
30A 下部(ウインドシールドガラスの下部)
31 フロントピラー
32 段差部(フード係合部)
34 エアバッグ
34A 中央バッグ部
34B 側方バッグ部
38 後端角部
50 歩行者保護エアバッグ装置
52 ポケット(フード係合部)

Claims (3)

  1. フードの後端部の下面に配設されたエアバッグケースと、
    前記エアバッグケース内に収納され、インフレータが発生させるガスの圧力で車両後方側へ膨張展開されると共に、膨張展開状態でウインドシールドガラスの下部の前面を覆う中央バッグ部及び左右一対のフロントピラーの少なくとも下部の前面を覆う側方バッグ部を備えたエアバッグと、
    前記膨張展開状態の前記側方バッグ部における前記フードの後端角部の車両後側と対向する部位に設けられ、前記膨張展開状態で前記側方バッグ部の車両前方側よりも車両後方側が高くなるように形成されると共に車両平面視にて車両後方側へ凹んだ部分が形成されかつ前記後端角部と係合する又は係合可能に構成されたフード係合部と、
    を有する歩行者保護エアバッグ装置。
  2. 前記フード係合部は段差部であり当該段差部は、前記側方バッグ部の上下を車両前後方向に沿って繋いだテザーによって形成されている請求項1に記載の歩行者保護エアバッグ装置。
  3. フードの後端部の下面に配設されたエアバッグケースと、
    前記エアバッグケース内に収納され、インフレータが発生させるガスの圧力で車両後方側へ膨張展開されると共に、膨張展開状態でウインドシールドガラスの下部の前面を覆う中央バッグ部及び左右一対のフロントピラーの少なくとも下部の前面を覆う側方バッグ部を備えたエアバッグと、
    前記膨張展開状態の前記側方バッグ部における前記フードの後端角部の車両後側と対向する部位に設けられ、前記膨張展開状態で前記側方バッグ部の上面に固定され、前記後端角部と車両前後方向に対向する側に開口が形成されると共に前記開口から車両後方側へ向けた内部に空間が形成されたポケットとされかつ前記後端角部と係合する又は係合可能に構成されたフード係合部と、
    を有する歩行者保護エアバッグ装置。
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