JP6137075B2 - 歩行者保護エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、歩行者保護エアバッグ装置に関する。
自動車などの車両において、フード後端部の下面側からエアバッグを膨張展開させて歩行者を保護する歩行者保護エアバッグ装置が知られている。このような歩行者保護エアバッグ装置として、特許文献1には、エンジンフード(フード)の後端部を上昇させるための跳ね上げ手段と、エンジンフードの後端部の下面に配設されたエアバッグ装置とを備えた歩行者保護エアバッグ装置が開示されている。また、特許文献1のエアバッグ装置には、膨張展開状態でフロントピラーを覆う側方バッグ部が設けられている。
特開2007−112183号公報
しかしながら、上記引用文献1に記載された側方バッグ部の形状は、前端側の根元部分から後端部まで一様に形成されている。このため、インフレータから側方バッグ部へガスが供給されると、車両後方へ向かうガスと、側方バッグ部の後端部から跳ね返って車両前方へ向かうガスとが衝突(干渉)することがある。そして、この衝突によって側方バッグ部が局所的に膨張し、フロントピラー及びウインドシールドガラスから車両上方の反力が作用する。この結果、側方バッグ部がフロントピラー及びウインドシールドガラスから浮き上がって、側方バッグ部の展開挙動が不安定となる可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、側方バッグ部の展開挙動を安定化することができる歩行者保護エアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置は、フード後端部の下面に配設され、インフレータが発生させるガスの圧力で前記フード後端部とウインドシールドガラスとの間の隙間から車両後方側へ膨張展開されて、フロントピラーの少なくとも下部の前面を覆う側方バッグ部を備えたエアバッグと、膨張展開状態における前記側方バッグ部の後端部に形成され、一般部よりも内部空間が拡大された球状拡大部と、を有し、前記球状拡大部は、前記一般部よりも車両上方側へ膨出するように形成されている。
請求項1に記載の本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置では、フード後端部の下面には、フロントピラーの少なくとも下部の前面を覆う側方バッグ部を備えたエアバッグが配設されている。このため、歩行者との衝突などによってインフレータが作動すると、側方バッグ部は、インフレータが発生させるガスの圧力でフード後端部とウインドシールドガラスとの間の隙間から車両後方側へ膨張展開される。そして、側方バッグ部によってフロントピラーの少なくとも下部の前面が覆われることで歩行者を保護する。
また、側方バッグ部の後端部には、一般部よりも内部空間が拡大された球状拡大部が形成されている。このため、インフレータの作動時にインフレータから車両後方へ流れて球状拡大部へ到達したガスは、球状拡大部の内面に沿って向きが変えられ、往路とは異なる流路を車両前方へ流れる。このようにして、膨張展開時に車両後方へ向かうガスと車両前方へ向かうガスとの衝突を抑制することができる。なお、車両後方へ向かうガスと車両前方へ向かうガスの流路とが一部重なる場合であっても、球状拡大部が形成されていない場合と比較して、ガスの衝突に起因する側方バッグ部の浮き上がりを抑制することができる。
さらに、本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置では、インフレータから車両後方へ流れたガスは、球状拡大部の内面に沿って車両上方へ案内される。そして、その後、球状拡大部から一般部へ向かって斜め下方へ流れるガスによって、側方バッグ部を車両下方側へ押さえ付けることができ、側方バッグ部がフロントピラー及びウインドシールドガラスから浮き上がるのを効果的に抑制することができる。
請求項に記載の本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置は、請求項1に記載の発明において、前記側方バッグ部における前記一般部と前記球状拡大部との境界部分には、前記側方バッグ部の上下の基布を連結する連結部材が設けられている。
請求項に記載の本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置では、連結部材によって球状拡大部の形状を良好に維持することができる。
以上、説明したように、請求項1に係る発明によれば、側方バッグ部の展開挙動を安定化することができるという優れた効果を有する。
また、請求項に係る発明によれば、側方バッグ部の浮き上がりを効果的に抑制することができるという優れた効果を有する。
請求項に係る発明によれば、球状拡大部が変形するのを抑制することができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置の要部を示す平面図であり、エアバッグが膨張展開された作動状態を示す図である。 図1の2−2線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図である。 第1実施形態に係る側方バッグ部の膨張展開時におけるガスの流路を示す、図2に対応した図である。 第1実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置のエアバッグが収納された非作動状態を示す、図2に対応する断面図である。 第1実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置が搭載された車両の前部を示す斜視図であり、エアバッグが膨張展開された作動状態を示す図である。 第2実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置の要部を示す平面図であり、エアバッグが膨張展開された作動状態を示す図である。 比較例の歩行者保護エアバッグ装置の側方バッグ部の膨張展開時におけるガスの流路を示す、図2に対応した図である。 比較例の歩行者保護エアバッグ装置の側方バッグ部がウインドシールドガラスから反力を受けて浮き上がった状態を示す、図2に対応した図である。
<第1実施形態>
以下、図1〜図5を参照して、本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置の第1実施形態について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印RHは車両幅方向の車両右側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
図5に示されるように、本発明に係る歩行者保護エアバッグ装置を備えた車両12のエンジンルーム(パワーユニット室)14の上方には、フード16が設けられている。このフード16の車両後方には、ウインドシールドガラス30が配設されている。ウインドシールドガラス30は、車両後方斜め上方へ向けて傾斜しており、このウインドシールドガラス30の下部30Aがフード16の後端部16Aに対して車両後方から対向している。
フード16の前端部は、図示しないフードロックによって通常はロック状態とされている。また、フード16の後端部16Aの車両幅方向両側には、図示しないフードヒンジが配設されている。フードヒンジは、車体に固定されるヒンジベースと、一端部がフードに固定されると共に他端部がヒンジベースにピン結合され、結合点回りに揺動可能とされたヒンジアームと、を含んで構成されている。さらに、フード16の後端部16Aの車両幅方向両側には、歩行者との衝突時にフード16の後端部16Aを上昇させるポップアップ装置18が配設されている。なお、図5では、ポップアップ装置18として、ガス発生手段が作動することにより上昇するロッド状の部材を図示しているが、これに限らず、他の構成を適用してもよい。例えば、リンク機構によってフード16の後端部16Aをポップアップさせてもよい。
図4に示されるように、フード16は、車両外側に配置されてフード16の意匠面を形成するフードアウタパネル20と、エンジンルーム14側に配置されてフードアウタパネル20を補強するフードインナパネル22と、を含んで構成されている。また、フードインナパネル22の後端部には、車両下方側へ膨らみ且つ車両幅方向に沿って延在する骨格部23が形成されている。
骨格部23は、フード16の後端部16Aよりも車両前方側へオフセットした位置に形成されており、この骨格部23によって、フードアウタパネル20とフードインナパネル22とからなる閉断面の一部がフード16の後端側で車両下方側へ拡大されている。そして、この骨格部23の車両後方側には、収納スペースが形成されており、この収納スペースに本実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置10(以下、適宜「エアバッグ装置10」と称する。)が配設されている。
(歩行者保護エアバッグ装置の構成)
エアバッグ装置10は、エアバッグケース24と、左右一対のインフレータ26と、エアバッグ34と、を含んで構成されている。また、エアバッグケース24は、車両幅方向から見て車両前後方向に長尺な矩形の中空体状に形成されたケース本体部24Aと、ケース本体部24Aの前端部の下端部から車両前方側へ延びる固定部24Bとによって構成されている。そして、この固定部24Bがボルト40及びウエルドナット42によって骨格部23に締結固定されることにより、エアバッグケース24がフード16に取り付けられている。なお、本実施形態では一例として、エアバッグケース24を金属で形成しているが、これに限らず、例えば、繊維強化樹脂(FRP)などの樹脂材料で形成してもよい。
ケース本体部24Aは、上下の壁部が互いに略平行に配置されると共に、車両後方側の壁部が上下の壁部に対して略直角に配置されている。また、車両前方側の壁部は、車両後方側の壁部に対して、上方へ向かうにつれて接近するように配置されている。さらに、ケース本体部24Aの後端部の上側の角部には、V字状の溝が形成されることにより薄肉化されたティア部24Cが形成されている。このティア部24Cは、ケース本体部24Aの他の部位(一般部)よりも強度及び剛性が低くなっている。このため、後述するエアバッグ34がエアバッグケース24内で膨張し始めてティア部24Cに加わる引張荷重が増加すると、ティア部24Cが破断するように構成されている。
ケース本体部24Aの内部には、エアバッグ34と、歩行者との衝突時に作動してガスを噴出するインフレータ26と、が収納されている。エアバッグ34は、一例として、二枚の基布の外周部を縫製することにより袋状に構成されており、蛇腹折りやロール折りなどの所定の折り畳み方によって折り畳まれた状態でエアバッグケース24内に収納されている。
また、エアバッグ34は、図1に示されるように、中央バッグ部32と側方バッグ部33とを備えている。中央バッグ部32は、膨張展開した状態(膨張展開状態)で車両幅方向の中央部に配設されており、車両幅方向に沿ってウインドシールドガラス30の下部30Aの前面を覆っている。一方、側方バッグ部33は、中央バッグ部32と連通されており、膨張展開状態で中央バッグ部32の車両幅方向の両端部から車両後方且つ車両上方へ延在されており、左右一対のフロントピラー31の少なくとも下部の前面を覆っている。ここで、側方バッグ部33の後端部には、球状拡大部28が形成されている。球状拡大部28については後述する。
インフレータ26は、車両幅方向に間隔をあけて左右に一対設けられており、車両幅方向を長手方向としてエアバッグケース24内の前端部に配設されている。また、本実施形態のインフレータ26は、一例として、所謂シリンダタイプのインフレータを採用しており、車両幅方向に間隔をあけて配設されている。ここで、図4に示されるように、左右のインフレータ26にはそれぞれ、金属製の板材からなる取付ブラケット36が接合されている。これらの取付ブラケット36は、骨格部23の下面側へ延びており、前述したボルト40及びウエルドナット42によって骨格部23に締結固定されている。これにより、左右のインフレータ26が取付ブラケット36を介してフード16の骨格部23に固定されている。
インフレータ26の軸方向の一端部の軸芯部には、図示しないスクイブ(点火装置)が配設されており、インフレータ26の内部には、燃焼することにより大量のガスを発生するガス発生剤が充填されている。このため、このインフレータ26が発生させるガスの圧力でエアバッグ34を車両後方側へ膨張展開できるように構成されている。
また、インフレータ26の内部には、発生した高温のガスを冷却するためのクーラント及びガス発生剤が燃焼した際に生じる砕片を除去するためのフィルタ等が収容されている。なお、本実施形態のインフレータ26は、ガス発生剤を用いるタイプのものであるが、高圧ガスが封入されたタイプのインフレータを用いてもよい。また、インフレータ26の周壁部には、複数のガス噴出孔が形成されている。
さらに、インフレータ26は、車体フロアの中央部に配設された図示しないコントローラ(エアバッグECU)と接続されている。コントローラは、車両12の前端部に車両幅方向を長手方向として配置された図示しないフロントバンパに配設された衝突検知センサ(図示省略)或いは衝突予知センサ(図示省略)と接続されている。衝突検知センサとしては、例えば、フロントバンパリインフォースメントの前面側にフロントバンパに沿って長尺状の圧力チューブ又は圧力チャンバ及び圧力センサを配置するチャンバ方式や光ファイバ方式等が適用可能である。また、衝突予知センサとしては、例えば、歩行者等の衝突体との衝突をミリ波レーダやステレオカメラを使って予知するプリクラッシュセンサ等が適用可能である。
次に、本実施形態に係る球状拡大部28について説明する。図2に示されるように、膨張展開状態における側方バッグ部33の後端部33Aには、球状拡大部28が形成されている。球状拡大部28は、側方バッグ部33の他の部位(一般部33B)よりも内部空間が拡大するように形成されており、本実施形態では一例として、一般部33Bにおける側方バッグ部33の厚みAよりも球状拡大部28における厚みBの方が厚く形成されている。すなわち、球状拡大部28を車両前後方向に沿って上下に切断した切断面が一般部33Bよりも拡大されており、一般部33Bよりも球状拡大部28が車両上方側へ膨出するように形成されている。なお、これに限らず、一般部33Bよりも内部空間が拡大されていればよいため、一般部33Bと略同一の厚みで、一般部33Bよりも車両幅方向に広幅の球状拡大部としてもよい。
また、球状拡大部28は、略球状に形成されており、球状拡大部28の後端部28Aは、車両幅方向から見た断面が略円弧状とされている。さらに、球状拡大部28の下部は、一般部33Bと連続して形成されており、フロントピラー31及びウインドシールドガラス30に接している。また、球状拡大部28の上端部は、後端部28Aから連続して側面視で略円弧の断面とされている。なお、ここでいう「球状」とは、真球状に限らず、半球状や半楕円球状などを含むものであり、また、一部が球状とされた形状を広く含む。
ここで、側方バッグ部33における一般部33Bと球状拡大部28との境界部分33Cには、連結部材としてのストラップ38が設けられており、このストラップ38によって球状拡大部28の形状が維持されている。
ストラップ38は、図1に示されるように、側方バッグ部33の車両幅方向の中央部に設けられて上下方向に延在された略紐状の部材であり、側方バッグ部33の上下の基布を連結している。ここで、本実施形態では一例として、側方バッグ部33の幅寸法Dと、球状拡大部28の後端部28Aからストラップ38の車両上下方向中央部までの距離L(図2参照)とがほぼ等しくなる位置にストラップ38を設けることで、球状拡大部28を真球状に近づけている。
また、図2に示されるように、ストラップ38の上端部は、車両前方側へ折り曲げられており、上側の基布に縫製されている。一方、ストラップ38の下端部は、上端部と同様に車両前方側へ折り曲げられており、下側の基布に縫製されている。なお、これに限らず、ストラップ38の上端部と下端部とを互いに反対側へ折り曲げてもよい。
また、本実施形態では、縫製によってストラップ38を基布に取り付けたが、これに限らず、他の手段で取り付けてもよく、例えば、接着剤等を用いてストラップ38を上下の基布に取り付けてもよい。さらに、本実施形態では、側方バッグ部33の車両幅方向の中央部にストラップ38を設けたが、これに限らず、ストラップ38の数や配置については限定しない。さらに、略紐状のストラップ38の代わりに、テザー等の仕切布を用いてもよく、他の連結部材を用いてもよい。
また、ストラップ38等の連結部材を用いずに球状拡大部28を形成してもよい。この場合、例えば、側方バッグ部33の後端部33Aが一般部33Bよりも車両上方側へ膨出するように基布を繋ぎ合わせればよい。さらに、OPWと言われるワンピースウーブン(One Piece Woven)方式によって一体に袋織りするようにしてもよい。OPW方式のエアバッグとは、ジャガード織機を用いて、二枚の布を同時に製織しながら、必要な個所を連結織りし袋状にする無縫製のバッグのことである。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
車両12が歩行者と衝突する前の状態では、ポップアップ装置18及びエアバッグ装置10は非作動状態を維持している。すなわち、フード16の後端部16Aは、車両上方へ上昇されておらず、エアバッグ34は、図4に示されるように、エアバッグケース24内に折り畳まれた状態で収納されている。
この状態から、歩行者と衝突すると、フロントバンパリインフォースメントに設けられた図示しない衝突検知センサによって歩行者と衝突したことが検知される。なお、プリクラッシュセンサやステレオカメラを用いて歩行者との衝突が予知された場合も同様である。これにより、図示しないコントローラによってポップアップ装置18が作動され、フード16の後端部16Aが車両上方側へ所定の高さまで上昇(ポップアップ)される(図5参照)。
また、フード16の後端部16Aの上昇量が所定量に達すると、図示しないコントローラによってエアバッグ装置10のインフレータ26が作動される。このため、インフレータ26のガス噴出部からガスが噴出され、ガスは折り畳まれた状態のエアバッグ34内へ供給される。これにより、エアバッグ34がエアバッグケース24内で膨張し始め、エアバッグケース24のティア部24Cに加わる引張荷重が増加していく。そして、ティア部24Cに加わる引張荷重が所定値に達すると、ティア部24Cが破断し、エアバッグケース24が後開き状に上下に展開する。
これにより、図1に示されるように、エアバッグ34は、フード16の後端部16Aとウインドシールドガラス30の下部30Aとの間の隙間から車両後方側へ膨張展開される。そして膨張展開状態では、中央バッグ部32によってウインドシールドガラス30の下部30Aの前面が覆われる。また、左右一対の側方バッグ部33によってフロントピラー31の少なくとも下部の前面が覆われて歩行者を保護する。
ここで、本実施形態に係る側方バッグ部33と比較例の側方バッグ部100のそれぞれについて、膨張展開時の挙動について説明する。先ず、図7、8を参照して比較例の側方バッグ部100の膨張展開時の挙動について説明する。なお、比較例の側方バッグ部100は、球状拡大部28が形成されておらず、後端部100Aまで一様に形成されている。すなわち、側方バッグ部100の後端部100Aにおける内部空間と、一般部100Bにおける内部空間とが略同一の大きさとされている。その他の構成については、本実施形態に係る側方バッグ部33と同様に構成されている。
図7に示されるように、インフレータ26から比較例の側方バッグ部100にガスが供給されると、インフレータ26から車両後方へ流れるガスと、側方バッグ部100の後端部100Aから跳ね返って車両前方へ流れるガスとが衝突(干渉)する。これにより、側方バッグ部100におけるガスが衝突した部位には、互いに外側へ向かう力F1及びF2が作用し、局所的に膨張しようとする。
ガスが衝突した部位で側方バッグ部100が局所的に膨張すると、図8に示されるように、ウインドシールドガラス30から側方バッグ部100に対して車両上方の反力F3が作用する。この結果、側方バッグ部100がウインドシールドガラス30から浮き上がる。このため、浮き上がった反動で側方バッグ部100の位置がずれることがあり、側方バッグ部100の膨張展開時の挙動が不安定になる。なお、図7中の二点鎖線G3及び二点鎖線G4は、インフレータ26から供給されたガスの主要な流路を示すものであり、全てのガスが流れる流路を示すものではない。また、図7及び図8では、フロントピラーを図示していないが、ウインドシールドガラス30と同様にフロントピラーからも側方バッグ部100へ反力F3が作用する。
次に、本実施形態に係る側方バッグ部33の膨張展開時の挙動について説明する。図3に示されるように、インフレータ26から本実施形態に係る側方バッグ部33にガスが供給されると、ガスは、図中二点鎖線G1で示すように、側方バッグ部33内を車両後方且つ車両上方へ流れて球状拡大部28の後端部28Aへ到達する。
ここで、後端部28Aに到達したガスは、球状拡大部28の略円弧状の内面に沿って上方へ案内されながら方向転換され、図中二点鎖線G2で示すように、側方バッグ部33の上面に沿って車両前方且つ車両下方へ流れる。このようにして、球状拡大部28で方向転換されたガスの大半が車両後方へ向かって往路を流れるガスとは異なる流路を流れるため、ガス同士が衝突するのを抑制(回避)することができる。この結果、側方バッグ部33の浮き上がりが抑制され、側方バッグ部33の展開挙動を安定化することができる。
なお、図3中の二点鎖線G1及び二点鎖線G2は、インフレータ26から供給されたガスの主要な流路を示すものであり、全てのガスが流れる流路を示すものではない。また、車両後方へ流れるガスと車両前方へ流れるガスの一部が衝突した場合であっても、球状拡大部28が形成されていない比較例の側方バッグ部100を備えた構成と比較して、ガスの衝突に起因する側方バッグ部33の浮き上がりを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、球状拡大部28を一般部33Bよりも車両上方側へ膨出するように形成したので、球状拡大部28で上方に案内されて方向転換されたガスは、球状拡大部28から一般部33Bへ向かって斜め下方へ流れる。これにより、側方バッグ部33に車両下方側の力が作用し、側方バッグ部33をウインドシールドガラス30へ押さえ付けることができる。この結果、側方バッグ部33がフロントピラー31及びウインドシールドガラス30から浮き上がるのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、側方バッグ部33における一般部33Bと球状拡大部28との境界部分33Cにストラップ38を設けて上下の基布を連結している。これにより、球状拡大部28の形状を良好に維持することができる。すなわち、ストラップ38によって球状拡大部28が変形するのを抑制することができ、この変形に伴って側方バッグ部33の展開挙動が不安定になるのを回避することができる。
なお、本実施形態では、ポップアップ装置18が設けられた構成について説明したが、これに限らず、ポップアップ装置を備えていない車両に本発明を適用してもよい。この場合、例えば、エアバッグの膨張展開時の圧力でフードの後端部を上昇させる構成としてもよい。
<第2実施形態>
次に、図6を参照して、本発明に係る車両用歩行者保護エアバッグ装置の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置50(以下、適宜「エアバッグ装置50」と称する。)は、球状拡大部58の形状が異なる点を除いて前述した第1実施形態と同様の構成である。また、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
図6に示されるように、本実施形態のエアバッグ装置50は、エアバッグ52を備えており、このエアバッグ52は、中央バッグ部54と側方バッグ部56とを備えている。中央バッグ部54は、膨張展開状態で車両幅方向の中央部に配設されており、車両幅方向に沿ってウインドシールドガラス30の下部30Aの前面を覆っている。一方、側方バッグ部56は、中央バッグ部54と連通されており、膨張展開状態で中央バッグ部54の車両幅方向の両端部から車両後方且つ車両上方へ延在されており、左右一対のフロントピラー31の少なくとも下部の前面を覆っている。
ここで、膨張展開状態における側方バッグ部56の後端部56Aには、球状拡大部58が形成されている。球状拡大部58は、一般部56Bよりも内部空間が拡大されるように形成されており、本実施形態では一例として、一般部56Bにおける側方バッグ部56の幅よりも球状拡大部58における幅の方が広幅に形成されている。すなわち、球状拡大部58を車両幅方向に沿って上下に切断した切断面が一般部56Bよりも拡大されている。
また、球状拡大部58は、略球状に形成されており、球状拡大部58の後端部58Aは、車両幅方向から見た断面が略円弧状とされている。さらに、球状拡大部58の下部は、一般部56Bと連続して形成されており、フロントピラー31及びウインドシールドガラス30に接している。
なお、本実施形態では、一般部56Bと球状拡大部58とが側面視で連続するように形成されているが、これに限らず、第1実施形態と同様に球状拡大部58を一般部56Bよりも車両上方へ膨出するように形成してもよい。また、この場合、ストラップ38を設けてもよい。
(作用並びに効果)
本実施形態のエアバッグ装置50によれば、第1実施形態と同様に、膨張展開時におけるガスの衝突を回避して、側方バッグ部56の展開挙動を安定させることができる。
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る歩行者保護エアバッグ装置について説明したが、これらの実施形態を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 歩行者保護エアバッグ装置
16 フード
16A 後端部(フード後端部)
26 インフレータ
28 球状拡大部
30 ウインドシールドガラス
31 フロントピラー
34 エアバッグ
33 側方バッグ部
33A 後端部(側方バッグ部の後端部)
33B 一般部(側方バッグ部の一般部)
33C 境界部分
38 ストラップ(連結部材)
50 歩行者保護エアバッグ装置
52 エアバッグ
56 側方バッグ部
56A 後端部(側方バッグ部の後端部)
56B 一般部(側方バッグ部の一般部)
58 球状拡大部

Claims (2)

  1. フード後端部の下面に配設され、インフレータが発生させるガスの圧力で前記フード後端部とウインドシールドガラスとの間の隙間から車両後方側へ膨張展開されて、フロントピラーの少なくとも下部の前面を覆う側方バッグ部を備えたエアバッグと、
    膨張展開状態における前記側方バッグ部の後端部に形成され、一般部よりも内部空間が拡大された球状拡大部と、を有し、
    前記球状拡大部は、前記一般部よりも車両上方側へ膨出するように形成されている歩行者保護エアバッグ装置。
  2. 前記側方バッグ部における前記一般部と前記球状拡大部との境界部分には、前記側方バッグ部の上下の基布を連結する連結部材が設けられている請求項1に記載の歩行者保護エアバッグ装置。
JP2014135059A 2014-06-30 2014-06-30 歩行者保護エアバッグ装置 Active JP6137075B2 (ja)

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