JP6122185B2 - カーテンエアバッグ - Google Patents

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Description

本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグに関するものである。
近年、車両には高い安全性が求められている。この傾向は世界各国に共通していて、現在では世界各国でエアバッグが車両の安全装置としてほぼ標準装備されている。そして、車両開発に関係する事業者ではさらなる安全性向上が重要な開発テーマとして掲げられていて、これに伴って日々新たなエアバッグが開発されている。
車両の安全性の評価基準は各国において異なっていて、各事業者は製造品が多国の評価基準に対応し得るよう開発を行っている。例えば世界最大の自動車保有台数をほこる米国では、NHTSA(米国高速道路交通安全局)によってFMVSS(米国連邦自動車安全基準)が制定されている。そして現在、NHTSAが今後定める予定のFMVSSの規則策定の通知(NPRM;Notice of Proposed Rule Making:Docket Number;NHTSA-2009-0183)には「側突時・ロールオーバ(横転)時において、放出緩和システムによりサイドウィンドウを通した乗員の車外放出の見込みを減少させる」という要件が提案されている。この要件は、放出緩和システムを成す車外放出軽減対策装置としてカーテンエアバッグを備えることで達成可能である。
カーテンエアバッグは、ドア上方に設置されていて、衝撃発生時に車両のサイドウィンドウに沿って膨張展開するエアバッグである。カーテンエアバッグの膨張領域は、ガスの流れやすさ等を考慮して複数の小部屋(チャンバ)に区画されている。例えば、特許文献1に記載のカーテンエアバッグでは、乗員の頭部の高さ位置の差異に広く対応できるよう、チャンバを上下2つのチャンバに分けている。
特開2009−274540号公報
現在、カーテンエアバッグに対して製造コストの低下が要請されている。製造コストの低下は、例えばガス容量を低減することで達成できる。ガス容量が小さければ、低出力で安価なインフレータ(ガス発生装置)が利用可能になるからである。ここで、特許文献1に記載のカーテンエアバッグでは、センタピラーに重なる範囲にまでチャンバが設けられている。一般的な車両ではセンタピラーは前部座席の背もたれの真横に位置していることが多く、センタピラーは乗員の衝突するおそれが殆どない部位である。すなわち、センタピラーに重なる領域に位置するチャンバは、直接的には乗員保護の役割を殆ど担っていない。このようなチャンバを省略すれば、製造コストの低下が期待できる。
しかし、チャンバがセンタピラーに重なって膨張することは、カーテンエアバッグの有する乗員の車外放出防止性能を向上させるという利点もある。車外放出防止性能は、衝撃発生時に乗員を早期に拘束することで向上する。早期に拘束すれば、その分、乗員の移動量も減少するからである。この「乗員の早期拘束」を実現するには、カーテンエアバッグがより車内側へ膨張展開することが有効である。ここで、センタピラーはサイドウィンドウよりも車内側へ突出している。上述したようにチャンバがセンタピラーに重なって膨張すれば、そのチャンバはセンタピラーに反発してより車内側へ移動する。そして、そのチャンバに引っ張られるように他のチャンバも車内側へ移動する。したがって、乗員との距離が近接し、乗員の早期拘束が達成可能になる。
上記説明したように、センタピラーに重なる領域に位置するチャンバは、乗員と直接接触することはないものの、カーテンエアバッグと乗員との距離を近づける役割を果たしている。そのため、むやみにセンタピラーに重なるチャンバを省略してしまうと、乗員の車外放出防止性能の低下を招きかねない。
本発明は、このような課題に鑑み、膨張展開に必要なガス容量を抑えて製造コストを低下させながら、車外放出防止性能をさらに向上可能なカーテンエアバッグを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるカーテンエアバッグの代表的な構成は、車両室内の側面部上方に収納されて側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグであって、側面部のサイドウィンドウよりも車内側に突出するピラーに重なっていてガスが流入しない区間領域と、区間領域の車両前後方向の両側でガスが流入して膨張するチャンバと、当該カーテンエアバッグの車外側に区間領域を跨いで結合される反発部と、を備え、反発部の長さは、反発部なしに当該カーテンエアバッグが膨張展開した場合の反発部の結合位置同士を当該カーテンエアバッグの外部を通って結ぶ最短の経路の長さと略同じであることを特徴とする。
上記の構成によれば、カーテンエアバッグが膨張展開すると、反発部は緊張してピラーに反発する。また、反発部は完全には緊張せずに多少の弛みが生じた状態でもピラーに反発する。これに伴って、チャンバも車内側に移動する。したがってチャンバと乗員との距離が近くなり、乗員の早期拘束が可能となる。ここで従来のカーテンエアバッグは、チャンバがピラーに重なって膨張展開してこれに反発することで車内側へ移動していた。しかし、本実施形態では、チャンバではなく反発部がピラーに反発している。反発部は、チャンバと異なりガスを流入させる必要はない。したがって上記構成であれば、膨張展開に必要なガス容量を抑えながら、車外放出防止性能を向上させることが可能である。
上記課題を解決するために、本発明にかかるカーテンエアバッグの他の代表的な構成は、車両室内の側面部上方に収納されて側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグであって、ガスが流入して膨張するチャンバと、当該カーテンエアバッグの車外側に結合され、チャンバ上および側面部のサイドウィンドウよりも車内側に突出するピラー上を通過して車両に結合される反発部と、を備え、反発部は、膨張展開後の当該カーテンエアバッグによって車両前後方向に緊張する形状であることを特徴とする。
上記構成によっても、反発部が緊張してピラーに反発し、チャンバは車内側に移動する。したがって、チャンバと乗員との距離が近くなり、乗員の早期拘束が可能となる。また、反発部によってピラーに反発することで、ピラーに重なる位置のチャンバを省略してガス容量を抑えることができる。これらのように、上記構成によっても、膨張展開に必要なガス容量を抑えながら、車外放出防止性能を向上させることが可能である。
上記の反発部は、帯形状の部材であって、1または複数設けられてもよい。この構成によれば、反発部を帯形状とすることで、反発部の製造に必要となる材料が削減できる。したがって、製造コストの低下に資することが可能となる。
上記の反発部は、車外放出防止性能評価試験において乗員を模擬したインパクタの衝突目標となる打点を通過するように設置されるとよい。車外放出防止性能評価試験とは、NPRM(NHTSA-2009-0183)に定められる試験を示す。インパクタは、同NPRM(NHTSA-2009-0183)のV.「Proposed Ejection Mitigation Requirements and Test Procedures」で規定されている。インパクタの衝突目標は、同NPRM(NHTSA-2009-0183)のV.「Proposed Ejection Mitigation Requirements and Test Procedures」、d.「Locations Where the Device Would Impact the Ejection Mitigation Countermeasure To Asses Efficacy」、4.「Method for Determining Impactor Target Locations」で定められるターゲットロケーション(Target locations)に規定されている。これらの打点は、同NPRMで記載されている各ターゲットの打点位置、たとえばA1〜A4、B1〜B4などに示されている各ポイントによって示される。
なお、本願明細書で示される規則策定通知(NPRM:Docket No. NHTSA-2009-0183)は、正式に制定されたFMVSS226の基になっている。
上記構成によれば、チャンバ上の打点に的確にピラーに対する反発力が加えられる。これにより、打点におけるチャンバとインパクタ、すなわち乗員との距離が近くなる。また、反発部の反発力を利用して乗員からの荷重を吸収し、チャンバの車外側への移動量を低減させることができる。これらのように、上記構成であれば、乗員の車外放出防止性能のさらなる向上が可能である。
上記の反発部は、複数のサイドウィンドウにわたって複数の打点を通過するように設置されてもよい。この構成によれば、広く複数の打点に反発力を加え、乗員の車外放出防止をより効率的に達成することが可能となる。
本発明によれば、膨張展開に必要なガス容量を抑え抑えて製造コストを低下させながら、車外放出防止性能をさらに向上可能なカーテンエアバッグを提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。 図1(b)の展開状態のカーテンエアバッグを各方向から例示する図である。 第1実施形態にかかるカーテンエアバッグと従来のカーテンエアバッグとを比較する図である。 本発明の第2実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。 本発明の第2実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。 車外放出防止性能評価試験を例示する図である。 本発明の第3実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。 本発明の第3実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。 図8の各断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略す
る。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。図1(a)は第1実施形態にかかるカーテンエアバッグ(以下、「エアバッグ100」と記載する。)の非展開時、図1(b)はエアバッグ100の展開時をそれぞれ例示する。以下すべての実施形態を、図1のように車両102の右側面用のカーテンエアバッグとして説明するが、左側面用のカーテンエアバッグも同様の対称な構造を有する。
図1(a)に例示するように、エアバッグ100はガス発生装置であるインフレータ104を備えている。エアバッグ100は、インフレータ104から供給されるガスの圧力により膨張して乗員を拘束する。特に当該エアバッグ100は、インフレータ104に必要な出力を抑えながら、車外放出防止性能を向上させることが可能となっている。
エアバッグ100は、図1(a)のように巻回された状態で、または折り畳まれた状態(図示省略)で、車両室内の側面部上方のルーフサイドレール106(図中、仮想線で例示する。)に取り付けられて収納される。通常、ルーフサイドレールはルーフトリムで覆われ、車両室内からは視認不能である。エアバッグ100は、例えば、その表面を構成する基布を表裏で縫製したり、OPW(One-Piece Woven)を用いて紡織したりすることにより袋状に形成される。
本実施形態ではエアバッグ100が実施される車両として、2列シート(車両前方から前部座席108、後部座席110)を有する車両102を例示している。車両102の側面部には、複数のサイドウィンドウ(車両前方からサイドウィンドウ114、116)が設置されている。各サイドウィンドウの車両前後方向にはルーフ(天井)を支えるピラー(柱)が設けられている。これらは車両102の前方から、Aピラー120、Bピラー122、Cピラー124と呼ばれる。
車両102に側面衝突時やロールオーバ(横転)等が発生すると、まず車両102に備えられたセンサ(図示省略)による衝撃の感知に起因して、インフレータ104へ発火信号が発信される。すると、インフレータ104の火薬が燃焼し、発生したガスがエアバッグ100へ供給される。エアバッグ100は、インフレータ104からのガスを受給すると、図1(b)に例示するように、車室の側面部(サイドウィンドウ114等)に沿うように下方へ膨張展開し、乗員の保護を行う。
図2は、図1(b)の展開状態のカーテンエアバッグを各方向から例示する図である。図2(a)はエアバッグ100を車内側から見た状態で例示していて、図2(b)はエアバッグ100を車外側から見た状態で例示している。
図2(a)に例示するように、エアバッグ100の上縁にはタブ130が設けられている。タブ130はエアバッグ100を車両102に取り付ける際に用いる帯状の部材である。タブ130には、車両102への締結用のボルトを通すボルト穴132が設けられている。
膨張領域134は、ガスが流入して膨張する領域である。膨張領域134は、大きく分けて、ガスの流通経路となるダクト部136と、乗員との接触が想定される複数のチャンバ138a〜138hとに区画されている。ダクト部136は、エアバッグ100の上縁側で車両前後方向に延びている。チャンバ138a〜138hは、車両102の側面部および座席の構成から想定される乗員との接触位置に配置されている。ダクト部136およびチャンバ138a〜138hは、非膨張領域であるシーム部140a〜140c、140e〜140gにより区画されている。シーム部140a〜140c、140e〜140gは膨張しない領域であり、例えばエアバッグ100の表裏の基布を接合する等により形成されている。
チャンバ138dとチャンバ138eとの間であるBピラー122(図1(a)参照)に重なる領域には区間領域142が形成されている。区間領域142はガスが流入しない領域である。本実施形態では区間領域142は布状の非膨張領域が設けられた構成となっている。
図2(b)に例示するように、区間領域142の車外側は反発部144によって覆われている。反発部144は、エアバッグ100の車外側に区間領域142を跨いで結合される。本実施形態では、反発部144は上下方向に幅広な布形状であり、区間領域142およびチャンバ138d、138eを跨いで、シーム部140c、140eに結合されている。
図3は、第1実施形態にかかるカーテンエアバッグと従来のカーテンエアバッグとを比較する図である。図3(a)は図1(b)のA−A断面図であり、図3(b)は図3(a)に対応する従来のカーテンエアバッグの断面図である。
図3(b)に例示するように、従来のカーテンエアバッグ(以下、単に「エアバッグ10」と記載する。)では、Bピラー122にチャンバ12が重なって膨張展開している。Bピラー122はサイドウィンドウ114、116よりも車内側へ突出していて、チャンバ12がBピラー122に反発することで他のチャンバ138d等もサイドウィンドウ114、116から離れてより車内側へ移動している。その結果、各チャンバと乗員との距離が近接し、乗員の早期拘束に資することが可能となっている。しかし、Bピラー122およびチャンバ12は前部座席108の背もたれ109の真横に位置している。この位置は、乗員の衝突するおそれが殆どない位置である。したがって、チャンバ12を省略しても、エアバッグ10の安全性が低下することはない。
一方、図3(a)に例示する当該エアバッグ100では、Bピラー122に重なる位置に反発部144が設けられている。反発部144の車両前後方向の長さは、反発部144なしにエアバッグ100が膨張展開した場合において、反発部144の結合位置同士(シーム部140c〜シーム部140e間)をエアバッグ100の外部(車外側)を通って結ぶ最短の経路の長さと略同じになっている。これにより、エアバッグ100が膨張展開すると反発部144は車両前後方向に引っ張られて緊張し、Bピラー122に反発する。また、反発部114は、完全には緊張せずに多少の弛みが生じた状態でもBピラー122に反発する。これに伴って、各チャンバがサイドウィンドウ114、116から離れてより車内側へ移動する。このようにエアバッグ100では、ガスの流入の必要のない反発部144によってBピラー122に反発している。したがって、図3(b)のエアバッグ10と比較してチャンバ12を省略している分、膨張展開に必要なガス容量が抑えられている。
再び図2を参照する。図2(a)に例示するように、エアバッグ100は車両前後方向の後端側に、さらなる他の反発部(後部反発部146)を備えている。図2(b)に例示するように、後部反発部146は帯形状であって、その前端側はエアバッグ100の車外側のシーム部140gに結合される。そして、図1(b)に例示するように、後部反発部146の後端側はCピラー124の車内側の面へボルト締結等により結合される(結合位置P1)。
図3(a)に例示するように、後部反発部146は、チャンバ138h上とCピラー124上とを通過している。後部反発部146は、膨張展開後のエアバッグ100によって車両前後方向に緊張する形状となっている。詳細には、後部反発部146の長さは、後部反発部146なしにエアバッグ100が膨張展開した場合において、シーム部140gとCピラー上の結合位置P1とをチャンバ138hの車外側を通って結ぶ最短の経路の長さと略同じ長さとなっている。これによりエアバッグ100が膨張展開すると、後部反発部146は車両前後方向に引っ張られて緊張する。そして後部反発部146はCピラー124に反発し、チャンバ138h等を車内側へ移動させる。したがって、チャンバ138h等と乗員との距離が近くなり、乗員の早期拘束が可能となる。
一方、図3(b)に例示するように、従来のエアバッグ10では、Cピラー124にチャンバ14が重なって膨張展開している。Cピラー124は後部座席110の背もたれ111の真横に位置していて、乗員の衝突するおそれが殆どない。すなわち、チャンバ14もまたチャンバ12と同じく乗員と接触することがなく、直接的には乗員保護の役割を担っていない。そのため、チャンバ14を省略してもエアバッグ10の安全性が低下することはない。そこで、エアバッグ100ではチャンバ14を省略し、代わりに後部反発部146によってCピラー124に反発している。これにより従来のエアバッグ10と比較して、ガス容量を抑えることが可能となっている。
以上説明したように、本実施形態にかかるエアバッグ100であれば、膨張展開に必要なガス容量を抑えながら、車外放出防止性能を向上させることが可能である。
(第2実施形態)
図4および図5は、本発明の第2実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。図4は、第2実施形態にかかるカーテンエアバッグ(以下、「エアバッグ200」と記載する。)を車外側から見た状態で例示している。図5は車両102に取り付けたエアバッグ200を車内側から見た状態で例示している。エアバッグ200は、反発部および後部反発部の形状において第1実施形態のエアバッグと異なる。
図4に例示するように、エアバッグ200では、上下に2つの帯形状の反発部244a、244bが区間領域142を車両前後方向にわたって結合されている。反発部244aは、シーム部140cとシーム部140eとに結合され、区間領域142およびチャンバ138d、138eを跨いでいる。反発部244bはシーム部140bとシーム部140fとに結合され、区間領域142およびチャンバ138c〜チャンバ130fを跨いでいる。
エアバッグ200には、2つの後部反発部246a、246bが設けられている。後部反発部246aはシーム部140fに結合され、後部反発部246bはシーム部140gに結合されている。後部反発部246aはチャンバ138g、138h上を通過し、また後部反発部246bはチャンバ138h上を通過し、それぞれの後端はCピラー124上の同じ結合位置P1(図5参照)に結合される。
図5を参照して、反発部244a、244bおよび後部反発部246a、246bの取付位置を説明する。図5の記号A1〜A4、B1〜B4は前述の通り、NPRM(NHTSA-2009-0183)に基づく車外放出防止性能評価試験においてインパクタ160(図6参照)の衝突目標として定められる打点である。インパクタ160は乗員を模擬した試験装置である。同NPRMに基づく側面衝突試験時では、インパクタ160がサイドウィンドウの内面に触れている状態におけるインパクタ160の最も車外表面に接している垂直面を基準として、そこからのインパクタ160の車外方向への移動量を測定する。
エアバッグ200では、反発部244aはA4、B3打点を通過するように取り付けられ、反発部244bはA2、B1打点を通過するように取り付けられる。また、後部反発部246aはB4打点を通過するように取り付けられ、後部反発部246bはB2打点を通過するように取り付けられる。
図6は、車外放出防止性能評価試験を例示する図である。図6(a)は図5のB−B断面図、図6(b)は図5のC−C断面図に対応している。なお、車両放出防止性能評価試験はサイドウィンドウを開口させた状態または取り払った状態で行われるため、図6ではサイドウィンドウを仮想線で示している。
図6(a)では、図5のA4打点をインパクタ160の衝突目標とした場合を例示している。図6(a)に例示するように、A4打点には反発部244aが設けられている。反発部244aは車両前後方向(図中、左右方向)に緊張していて、Bピラー122に反発している。したがって、A4打点にインパクタ160が衝突してチャンバ138dが反発部244aに押し付けられると、インパクタ160からの荷重は反発部244の反発力によって吸収される。
図6(b)では、図5のB2打点をインパクタ160の衝突目標とした場合を例示している。図6(b)に例示するように、B2打点には後部反発部246bが設けられている。後部反発部246bは車両前後方向(図中、左右方向)に緊張していて、Cピラー124に反発している。したがって、B2打点にインパクタ160が衝突してチャンバ138hが後部反発部246bに押し付けられると、インパクタ160からの荷重は後部反発部246bの反発力によって吸収される。
上記説明したように、各打点に反発部244a、244bまたは後部反発部246a、246bの反発力を加えることで、インパクタ160(すなわち乗員)からの荷重を吸収し、各チャンバの車外側への移動量を低減することができる。また、反発部244a、244bおよび後部反発部246a、246bが各ピラーに反発することで、各打点においてそれぞれチャンバと乗員との距離が近くなる。これらによって、乗員の車外放出防止性能のさらなる向上が可能である。さらに、反発部244a、244bを帯形状としているため、図2(b)の反発部144と比較して、製造に必要となる材料を削減して製造コストの低下に資することが可能となる。
(第3実施形態)
図7および図8は、本発明の第3実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。図7は第3実施形態にかかるカーテンエアバッグ(以下、「エアバッグ300」と記載する。)を車外側から見た状態で例示している。図8は、車両102に取り付けたエアバッグ300を車内側から見た状態で例示している。エアバッグ300は、反発部の形状において各実施形態と異なる。
図7に例示するように、エアバッグ300では、車両前後方向に膨張領域全体よりも長尺な帯形状の2つの反発部344a、344bを備えている。反発部344a、344bはその中央側の各位置においてエアバッグ300の車外側に結合している。反発部344aは、シーム部140a、140c、140gに結合している。反発部344bは、シーム部140aおよびチャンバ138hの後の縁部139に結合している。
図8に例示するように、反発部344a、344bの前端および後端は、それぞれAピラー120上の結合位置P2およびCピラー124上の結合位置P1にボルト締結等によって結合される。設置された反発部344aは上段のA4、B3、B4打点を通過している。また、反発部344bは下段のA1、A2、B1、B2打点を通過している。なお、Aピラー120上の結合位置P2からシーム部140aにかけて、反発部344aと反発部344bは重なっている。
図9は図8の各断面図である。図9(a)は、図8のD−D断面図である。図9(a)に例示する反発部344aにおけるシーム部140cからシーム部140gまでの長さは、反発部344aなしにエアバッグ300が膨張展開した場合において、シーム部140cとシーム部140gとをエアバッグ100の車外側を通って結ぶ最短の経路の長さと略同じになっている。これにより、エアバッグ300が膨張展開すると反発部344aのシーム部140cからシーム部140gまでの区間は車両前後方向に緊張し、Bピラー122に反発する。また、その区間は完全には緊張せずに多少の弛みが生じた状態でもBピラー122に反発する。さらに、シーム部140gからCピラー124の結合位置P1までの長さも、エアバッグ300の膨張展開によって緊張する形状(長さ)となっていて、Cピラー124に反発することが可能となっている。これらによって、各チャンバはサイドウィンドウ114等よりも車内側に移動している。
図9(b)は、図8のE−E断面図である。図9(b)に例示するように、反発部344bにおけるシーム部140aから縁部139までの長さは、反発部344bなしにエアバッグ300が膨張展開した場合において、シーム部140aと縁部139とをエアバッグ100の車外側を通って結ぶ最短の経路の長さと略同じになっている。そのため、反発部344aもまたエアバッグ300が膨張展開すると車両前後方向に緊張し、Bピラー122に反発する。
また、反発部344a、344bの前端側は共にシーム部140aに結合している。そして、反発部344a、344bはチャンバ138a上を通過して、Aピラー120上の結合位置P2に結合している。反発部344a、344bのシーム部140aから結合位置P2までの長さは、反発部344a、344bなしにエアバッグ300が膨張展開した場合において、シーム部140aと結合位置P2とをエアバッグ100の車外側を通って結ぶ最短の経路の長さと略同じになっている。すなわち、反発部344a、344bはエアバッグ300の膨張展開によって、シーム部140aから結合位置P2にかけて緊張する形状となっている。これにより、チャンバ138aは反発部344aによって車内側に押し出され、車内側に偏った姿勢で膨張展開する。したがって、チャンバ138aと乗員との距離が近くなるため、チャンバ138aの車外放出防止性能をさらに向上させることが可能である。
上記説明したように、エアバッグ300では、反発部344a、344bが複数のサイドウィンドウ114、116にわたって複数の打点を通過するように設置されているため、複数の打点に広く反発力を加え、乗員の車外放出防止をより効率的に達成することが可能となっている。
なお、各実施形態における反発部および後部反発部の長さおよび結合位置は一例であり、これに限るものではない。例えば、反発部はシーム部ではなく、チャンバに結合することも可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態においては本発明にかかるカーテンエアバッグを自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグに利用することができる。
A1〜A4、B1〜B4 …打点、P1、P2 …結合位置、100、200,300、10 …エアバッグ、102 …車両、104 …インフレータ、106 …ルーフサイドレール、108 …前部座席、109、111 …背もたれ、110 …後部座席、114、116 …サイドウィンドウ、120 …Aピラー、122 …Bピラー、124 …Cピラー、130 …タブ、132 …ボルト穴、134 …膨張領域、136 …ダクト部、138a〜138f、12、14 …チャンバ、139 …縁部、140a〜144c、140e〜144g …シーム部、142 …区間領域、144、244a、244b、344a、344b …反発部、146、246a、246b …後部反発部、160 …インパクタ、

Claims (3)

  1. 車両室内の側面部上方に収納されて該側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグであって、
    前記側面部のサイドウィンドウよりも車内側に突出するピラーに重なっていてガスが流入しない区間領域と、
    前記区間領域の車両前後方向の両側でガスが流入して膨張するチャンバと、
    当該カーテンエアバッグの車外側に前記区間領域を跨いで結合される2条の反発部と、
    前記2条の反発部よりも車両後方側に配置され、一端が当該カーテンエアバッグの車外側に結合され、他端が当該カーテンエアバッグよりも車両後方に配置されるピラーに結合される2条の後部反発部と、を備え、
    前記2条の反発部は、車両前後方向に延びる帯形状の部材であって、車外放出防止性能評価試験において乗員を模擬したインパクタの衝突目標となる複数の打点のうち、最も高い位置にある打点および最も低い位置にある打点をそれぞれ通るように配置されていて、
    前記2条の後部反発部は、前記最も高い位置にある打点および最も低い位置にある打点それぞれと同じ高さから車両後方に向かって延び前記ピラーに結合されることを特徴とするカーテンエアバッグ。
  2. 車両室内の側面部上方に収納されて該側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグであって、
    前記側面部のサイドウィンドウよりも車内側に突出するピラーに重なっていてガスが流入しない区間領域と、
    前記区間領域の車両前後方向の両側でガスが流入して膨張するチャンバと、
    当該カーテンエアバッグの車外側に前記区間領域を跨いで結合される2条の反発部と、を備え、
    前記2条の反発部は、車両前後方向に延びる帯形状の部材であって、車外放出防止性能評価試験において乗員を模擬したインパクタの衝突目標となる複数の打点のうち、最も高い位置にある打点および最も低い位置にある打点をそれぞれ通るように配置されていて、
    前記2条の反発部の後端は、当該カーテンエアバッグよりも車両後方に配置されるピラーに結合されることを特徴とするカーテンエアバッグ。
  3. 前記2条の反発部の前端は、当該カーテンエアバッグよりも車両前方に配置されるピラーに結合されることを特徴とする請求項2に記載のカーテンエアバッグ。
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