JP5646060B2 - カーテンエアバッグ - Google Patents

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    • B60R21/231Inflatable members characterised by their shape, construction or spatial configuration
    • B60R21/232Curtain-type airbags deploying mainly in a vertical direction from their top edge

Description

本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車室内の側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグに関するものである。
近年、車両には高い安全性が求められている。この傾向は世界各国に共通していて、現在では世界各国でエアバッグが車両の安全装置としてほぼ標準装備されている。そして、車両開発に関係する事業者ではさらなる安全性向上が重要な開発テーマとして掲げられていて、これに伴って日々新たなエアバッグが開発されている。
車両の安全性の評価基準は各国において異なっていて、各事業者は製造品が多国の評価基準に対応し得るよう開発を行っている。例えば世界最大の自動車保有台数をほこる米国では、米国高速道路交通安全局(NHTSA)によって米国連邦自動車安全基準(FMVSS)が制定されている。そして現在、NHTSAが定めるFMVSS226には「側突時・ロールオーバ(横転)時において、放出緩和システムによりサイドウィンドウを通した乗員の車外放出の見込みを減少させる」という主旨の内容要件が提案されている。この要件は、放出緩和システムを構成する車外放出軽減対策装置として、カーテンエアバッグを備えることで達成可能である。
カーテンエアバッグは、車室内のサイドドアの上方に設置されていて、衝撃発生時に車両のサイドウィンドウに沿って膨張展開するエアバッグである。例えば特許文献1には、ロールオーバ時における乗員の保護が的確に行えるよう考慮されたカーテンエアバッグが記載されている。このカーテンエアバッグは下縁側に車両前後方向へ伸びた下側膨張部を備えていて、この下側膨張部がセンタピラーによって支えられるために乗員の車外への移動を抑えることができるとされている。
特開2004−148976号公報
特許文献1のカーテンエアバッグでは、下側膨張部はカーテンエアバッグの車両前後方向の全長にわたった広い領域に設けられていて、この下側膨張部を膨張させるために第2のインフレータが必要となっている。しかし、現在の車両にはより簡潔で軽量な構成が望まれている。乗員の車外放出が発生しやすい領域に焦点を当てることで、特許文献1のカーテンエアバッグよりも簡潔な構成で車外放出防止性能の高いカーテンエアバッグが実現できると考えられる。
本発明は、このような課題に鑑み、簡潔な構成でさらなる車外放出防止性能の向上が可能なカーテンエアバッグを提供することを目的としている。
上記課題について発明者らは鋭意検討し、チャンバと呼ばれる区分けされた膨張領域のうち、車両前後方向の前端のチャンバが中央側のチャンバに比べて張力がかかりにくいことを発見した。この前端のチャンバ(フロントチャンバ)は、自体の前方に他のチャンバが存在しておらず、中央側のチャンバに比べて周囲の部位からの支持を受けにくい。このフロントチャンバはロールオーバ時に姿勢を大きく崩した乗員を受け止めるために有効な部位であり、カーテンエアバッグの車外放出防止性能を向上させるためには重要なチャンバである。
以上のことから、上記課題を解決するために、本発明にかかるカーテンエアバッグの代表的な構成は、車室内の側面部上方に収納され、側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグにおいて、ガスが流入して膨張するチャンバのうち車両前後方向の最前に区画されるフロントチャンバであって、ドアトリムに重なって膨張するオーバラップ部を有するフロントチャンバと、車両前後方向の中央側からオーバラップ部へ向かってドアトリムに重なって伸びるガス流入路であって、少なくとも一部がセンタピラーに重なって配置されているガス流入路と、を備えることを特徴とする。
上記のガス流入路によって、フロントチャンバはドアトリムに重なっているオーバラップ部から膨張を開始する。また上記構成では、ガス流入路もまたドアトリムおよびセンタピラーへ重なる位置に配置されている。特にセンタピラーは、車室内の側面部のうち最も車内側へ突出している部位である。これらによって、当該カーテンエアバッグは、ガス流入路からフロントチャンバにかけて、車外側がセンタピラーおよびドアトリムによって支えられている部位に沿って膨張展開する。そのため、当該カーテンエアバッグは、例えサイドウィンドウが開口状態であっても車外へ飛び出してしまうおそれは低く、また膨張展開の当初からより車内側すなわち乗員の近くへ位置することができる。加えて、車外側がドアトリムに支えられているため乗員からの荷重も効率よく吸収することが可能であり、乗員の車外放出量を好適に抑えることが可能である。
上記のガス流入路の入り口は、センタピラーに重なっているとよい。この構成によって、ガス流入路は膨張展開の開始当初からより車内側に位置することができる。したがって、乗員と早期に接触し、その車外放出量を効率よく抑えることが可能になる。
上記のガス流入路は、所定の位置に、当該カーテンエアバッグ内のすべてのガスの経路のうち最も径が小さい最狭部を有するとよい。このような径の小さい最狭部を有することで、ガス流入路からガスが流出しにくくなる。したがって、ガス流入路およびフロントチャンバはガス圧を高く維持することが可能になり、衝撃吸収性能および車外放出防止性能が向上する。
上記のフロントチャンバおよびガス流入路は、互いに区画することなく一体となっていてもよい。フロントチャンバおよびガス流入路に境目を設けて区切ると、膨張展開後においてその境目がくびれとなり、乗員を受け止めた際に折れなどが生じて衝撃吸収力等が低下するおそれがある。そこで上記構成では、フロントチャンバおよびガス流入路を全体で1つのチャンバとして膨張展開するよう設定していて、これによって衝撃吸収性能、さらには車外放出防止性能を高めている。
上記フロントチャンバは、オーバラップ部から当該カーテンエアバッグの上部へ向かってガスが流入するよう形成されるとよい。このようにして、ドアトリムに支えられているオーバラップ部から膨張展開を開始することで、フロントチャンバの衝撃吸収性能等を向上させることができる。また、通常のカーテンエアバッグは、その上部が締結部材等によって車両に固定されている。この上部は車両に固定されていることで揺動が起こりにくいため、上記フロントチャンバでは上部へ向かってガスを流入させることで揺動を抑えている。
上記フロントチャンバは、車両放出防止性能評価試験における試験装置であるインパクタの複数の打点位置のうち車両最前の打点位置を保護する部分に設けられていてもよい。一般のカーテンエアバッグのうち車両最前の打点位置を覆う部分は、それよりも前方に他のチャンバが存在していないため、周囲にあまり支えられておらず、張力が低下しやすい。しかし上記構成のフロントチャンバであれば、高い衝撃吸収性能等をもって、車両最前の打点位置を好適に保護することが可能になる。
上記のオーバラップ部は、少なくとも複数の打点位置よりも下方に位置するよう設けられているとよい。この構成によって、オーバラップ部は、各打点位置からの加重を吸収し、フロントチャンバをより好適に支えることが可能になる。
当該カーテンエアバッグは、フロントチャンバの後方であって座席の側方に配置されて当該カーテンエアバッグの膨張展開の当初にガスが流入するメインチャンバと、当該カーテンエアバッグの所定領域の表裏の基布が接合または一体化されて形成されメインチャンバからガス流入路へ向かってガスを案内する第1シーム部と、をさらに有するとよい。
上記のメインチャンバによれば、正規着座位置の乗員を迅速に保護することが可能となる。また、上記の第1シーム部によって、メインチャンバからガス流入路を介してフロントチャンバへという流れで膨張展開が進行する。フロントチャンバは、姿勢を崩した乗員が接触する場合が多く、特に乗員が姿勢を崩しやすいロールオーバ時に効果が期待される部位である。ロールオーバは側面衝突等に続いて起こる現象であって、その発生には最初の衝撃の発生との間にわずかながらの時間差が生じる。したがって、上記のようにメインチャンバに続いてフロントチャンバが膨張展開するという構成であれば、最初の側面衝突時と、続いて起こるロールオーバ時の両方に対応して乗員を好適に保護することが可能になる。
上記のフロントチャンバはメインチャンバに遅れて膨張展開が完了するディレーチャンバであるとよい。この構成であれば、フロントチャンバは、最初の側面衝突等に続いて起こるロールオーバに好適に対応することが可能になる。
上記のメインチャンバは、所定領域の表裏の基布が接合または一体化されて形成されメインチャンバの膨張展開後の厚みを抑える第2シーム部を有してもよい。メインチャンバを所定の厚みに抑えることで、過度に膨張して目的の位置から外れてしまうおそれを低減できる。また、ガス容量を削減することで、フロントチャンバへのガスの供給を早めることが可能になる。
本発明によれば、このような課題に鑑み、簡潔な構成でさらなる車外放出防止性能の向上が可能なカーテンエアバッグを提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。 図1のカーテンエアバッグを車両に取り付けた状態で例示する図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。
D1 …流出口の径、D2 …流入口の径、100・200 …エアバッグ、102 …インフレータ、104 …タブ、106 …ルーフサイドレール、108 …車両、109 …ドア、110 …サイドウィンドウ、112 …第1シーム部、114・202 …メインチャンバ、116 …前部座席、118 …経路、120・206 …ガス流入路、120a・206a …流入口、122 …フロントチャンバ、122a …オーバラップ部、124 …センタピラー、126 …ドアトリム、204 …第2シーム部、206b …流出口
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。図1では膨張展開した状態のカーテンエアバッグ(以下、エアバッグ100と記載する)を例示している。なお、以下では図1に例示している車室内の右側面用のエアバッグ100を参照して説明を行うが、左側面用のエアバッグも同様の対称な構造を有する。
エアバッグ100は、例えば表裏の面を構成する計2枚の基布から縫製する方法や、OPW(One-Piece Woven)を用いて紡織する方法などによって袋状に形成されている。エアバッグ100はガス発生装置であるインフレータ102を備えていて、エアバッグ100はインフレータ102から供給されるガスの圧力によって膨張して乗員を拘束する。
エアバッグ100の上縁には車両108(図2参照)への取付け用の部位として、複数のタブ104が設けられている。タブ104は帯状に形成されていて、タブ104はボルトを使用するなどして車両108に固定される。
図2は、図1のカーテンエアバッグを車両108に取り付けた状態で例示する図である。通常、エアバッグ100は、巻回された状態または折り畳まれた状態で、車室内の側面部上方のルーフサイドレール106に取り付けられる。その際、エアバッグ100はルーフトリムの内側に収納されるため、車室内からは視認不能である。
車両108に側面衝突時等が発生すると、まず車両108に備えられたセンサ(図示省略)がその衝撃を検知し、これに起因してインフレータ102へ発火信号が発信される。すると、インフレータ102の火薬が燃焼し、発生したガスがエアバッグ100の内部へ供給される。このガスによって、エアバッグ100はサイドウィンドウ110等に沿って下方へ膨張展開して乗員の保護を行う。
エアバッグ100の膨張領域は、座席の位置などを考慮して複数の小部屋(チャンバ)に区画されている。以下、図1と図2とを参照しながら、当該エアバッグ100に設けられている各チャンバについて詳しく説明する。
図2に例示するように、インフレータ102よりも車両前方の領域へは、第1シーム部112によってガスが導かれる。第1シーム部112は、エアバッグ100の所定領域の表裏の基布を接合または一体化させた部位である。エアバッグ100は、インフレータ102が車両前後方向の中央付近に設けられたいわゆるセンターフィルタイプであって、第1シーム部112はインフレータ102の下方からガスを車両前方へ導けるように形成されている。
上記の第1シーム部112によって、車両前方側ではまずメインチャンバ114が膨張展開する。メインチャンバ114は、前部座席(図示省略)の側方に配置されていて、この前部座席における正規着座位置の乗員の主に頭部を保護する。
ここで、図2には記号A1〜A4、B1〜B4およびC1で示される9個の打点を例示している。これらの打点は、FMVSS226(米国連邦自動車安全基準)セクション5.2:衝撃標的位置の決定(Determination of impact target locations)によって定められた車外放出防止性能評価試験における、試験装置であるインパクタ(図示省略)の衝突の打点位置である。FMVSS226ではこれらの打点にA1〜A4、B1〜B4およびC1などの名称はついていないが、これら各打点位置は、フロントサイドウィンドウおよびリアサイドウィンドウ(2列目以降すべてのサイドウィンドウ)のそれぞれにおける一次目標位置(Primary target)と二次目標位置(Secondary target)で定められるターゲットの位置、およびそれらを再構成して得られるターゲットの位置に一致している。本実施形態におけるこれら各打点位置は、ドア109の開口領域すなわちサイドウィンドウ110などの範囲を基準にして設定される。そして、エアバッグ100の車外放出防止性能評価試験では、エアバッグ100上の各打点にインパクタを衝突させ、エアバッグ100の車外放出量を測定する。メインチャンバ114は、これら複数の打点のうち主にA2〜A4打点を保護している。
メインチャンバ114へ流入したガスは、第1シーム部112の下方に形成されている経路118を通ってガス流入路120へと案内される。ガス流入路120は、当該エアバッグ100の最前に区画されているフロントチャンバ122へとガスを導く通路である。
ここで、当該エアバッグ100では、特にフロントチャンバ122における車外放出防止性能を向上させた構成となっている。以下、その具体的な構成および作用を詳述する。
まず図2に例示するように、当該エアバッグ100ではフロントチャンバ122へガスを供給するガス流入路120が、センタピラー124およびドアトリム126に重なるよう配置されている。特にガス流入路120は、そのガスの入り口である流入口120aの位置がセンタピラー124上に重なるよう設定されている。
図3は、図2のA−A断面図である。図3に例示するように、ガス流入路120は、センタピラー124上の流入口120aから膨張を開始し、さらにドアトリム126上に沿って膨張してガスをフロントチャンバ122へと導く。センタピラー124は、サイドウィンドウ110等を含む車室内の側面部のうち、最も車内側へ突出している部位である。そして、ドアトリム126もまたサイドウィンドウ110よりも車内側へ突出している部位である。すなわち、ガス流入路120は、より車内側に突出している領域に沿って、車両中央側からフロントチャンバ122へ向かって伸びている。
図2に例示するように、ガス流入路120は、フロントチャンバ122の下部であるオーバラップ部122aに接続している。このオーバラップ部122aは、ドアトリム126に重なって膨張する部位である。そして、フロントチャンバ122はオーバラップ部122aから膨張を開始し、車両前方の主にA1打点付近において乗員の保護を行う。
図4は、図2のB−B断面図である。図4に例示するように、フロントチャンバ122は、ドアトリム126に重なったオーバラップ部122aから膨張することで、膨張展開の当初からより車内側、すなわち乗員の近くへ位置して乗員と早期に接触することが可能になっている。加えて、フロントチャンバ122は、車外側がドアトリム126に支えられているために乗員からの荷重を効率よく吸収してその車外放出量を抑えることも可能になっている。また、フロントチャンバ122は、例えばサイドウィンドウ110が開口状態となった場合や、側面衝突によってドア109が車内側へ向かって変形した場合であっても、車外へ飛び出してしまうおそれが低くなる。
また、フロントチャンバ122は、オーバラップ部122aから当該エアバッグ100の上部へ向かってガスが流入するよう形成されている。ここで、エアバッグ100の上部は、タブ104によってルーフサイドレール106に固定されていて、揺動が起こりにくくなっている。したがって、フロントチャンバ122は、エアバッグ100の上部へ向かうようガスが流入されることで、膨張展開時に起こり得る揺動が抑えられている。
再び、図2を参照する。本実施形態では、フロントチャンバ122およびガス流入路120は、互いに区画されることなく、全体として一体のチャンバとなっている。例えば、フロントチャンバ122とガス流入路120との境目にシーム(縫い目などの接合部)を設けて区切ると、膨張展開後においてそこにくびれが発生し、乗員を受け止めた際に折れなどが生じて衝撃吸収力等が低下するおそれがある。そこで本実施形態では、フロントチャンバ122およびガス流入路120が全体で1つのチャンバとして膨張展開するよう設定していて、これによって衝撃吸収性能、さらには車外放出防止性能を高めている。
また、ガス流入路120は、特に流入口120aが、当該エアバッグ100内のガスの経路のうち最も径が小さい、最狭部となっている。ここで、「ガスの経路」とは、主にシームで区切られている膨張領域のことであり、「径」とは一方のシーム上の一点からその近隣の他方のシームに到達するまでの距離のことである。径の測り方は、具体的には、一方のシーム上の所定の位置にコンパスの芯を置き、そこを中心として半径が徐々に大きくなるよう円を描いていき、他方のシームに初めて接触したときのその円の半径が、そのガスの経路における径である。当該エアバッグ100内のガスの経路では、流入口120a(最狭部)が最も小さい径となっていて、この構成によってガス流入路120からはガスが流出しにくくなっている。したがって、ガス流入路120およびフロントチャンバ122はガス圧を高く維持することが可能になり、衝撃吸収性能および車外放出防止性能が向上している。
以上説明したように、当該エアバッグ100は、ガス流入路120からフロントチャンバ122にかけて、車外側がセンタピラー124およびドアトリム126によって支えられている部位に沿って膨張展開する構成となっている。そして、これらによって当該エアバッグ100は、簡潔な構成で高い衝撃吸収性能および車外放出防止性能を発揮可能となっている。
当該エアバッグ100では、上記説明したフロントチャンバ122を利用して、図2に例示したA1打点の位置を保護している。このA1打点は、車両最前の打点位置である。通常、カーテンエアバッグ上におけるA1打点を保護する部分は、それよりも前方に他のチャンバが存在していないため、周囲にあまり支えられておらず、張力が低下しやすい。しかし当該エアバッグ100のフロントチャンバ122であれば、高い衝撃吸収性能等をもって、A1打点を好適に保護することが可能である。
また、フロントチャンバ122のオーバラップ部122aは、少なくとも複数の打点位置よりも下方に位置するよう設けてある。具体的には、オーバラップ部122aは、下列に位置するA2打点よりも下方に位置している。この構成によって、オーバラップ部122aを利用して、各打点位置からの加重を吸収し、フロントチャンバ122およびメインチャンバ114等をより好適に支えることが可能になっている。
また、図2に例示するように、当該エアバッグ100では、第1シーム部112やガス流入路120によるガスの流れによって、メインチャンバ114からフロントチャンバ122へという順序で膨張展開が進行する。このように、フロントチャンバ122はメインチャンバ114に遅れて膨張展開が完了するディレーチャンバとして設定されている。
フロントチャンバ122は、姿勢を崩した乗員が接触する場合が多く、特にロールオーバ時に効果が期待される部位である。ロールオーバは側面衝突等に続いて起こる現象であって、その発生には最初の衝撃の検知からわずかながらの時間差が生じる。したがって、上記のようにメインチャンバ114に続いてフロントチャンバ122が膨張展開するという構成であれば、側面衝突時にはメインチャンバ114によって正規着座位置における乗員を迅速に保護し、続いて起こるロールオーバ時には姿勢を崩した乗員をフロントチャンバ122によって保護することができる。このように、当該エアバッグ100は、側面衝突時とロールオーバ時の両方に好適に対応することが可能となっている。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。当該カーテンエアバッグ(以下、エアバッグ200と記載する)は、シーム部等の構成の点で、第1実施形態のエアバッグ100と異なっている。
本実施形態のエアバッグ200では、メインチャンバ202に第2シーム部204が備えられている。第2シーム部204は、メインチャンバ202の所定領域の表裏の基布が接合または一体化した構成となっていて、メインチャンバ202の膨張展開後の厚みを抑えることが可能になっている。このようにメインチャンバ202を所定の厚みに抑えることで、メインチャンバ202は過度に膨張して目的の位置から外れてしまうおそれが低減されている。また第2シーム部204を設けることで、例えばメインチャンバ202のガス容量を削減してフロントチャンバ122へのガスの供給を早めるなど、エアバッグ200の膨張展開の進行具合も任意に設定することが可能になる。
当該エアバッグ200の、ガス流入路206における流出口206bの径D1は、流入口206aの径D2よりも小径に設定されている(D1<D2)。また、この流出口206bは、当該エアバッグ200のすべてのガスの経路のうちで最も狭い最狭部であって、すべてのガスの経路のうち最も径の小さい部分となっている。これにより、フロントチャンバ122は、ガスの流出量が抑えられ、内圧を高く維持することが可能になっている。またこの構成によって、フロントチャンバ122への単位時間あたりのガスの供給量が制限され、フロントチャンバ122の膨張完了時点をロールオーバの発生時に合わせて遅らせることができる。このように、ガス流入路206は、流入口206aと流出口との大小関係を任意に設定することで、フロントチャンバ122の膨張完了時点も任意に設定することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態においては本発明にかかるカーテンエアバッグを自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車室内の側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグに利用することができる。

Claims (9)

  1. 車室内の側面部上方に収納され、該側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグにおいて、
    ガスが流入して膨張するチャンバのうち車両前後方向の最前に区画されるフロントチャンバであって、ドアトリムに重なって膨張するオーバラップ部を有するフロントチャンバと、
    車両前後方向の中央側から前記オーバラップ部へ向かって前記ドアトリムに重なって伸びるガス流入路であって、少なくとも一部がセンタピラーに重なって配置されているガス流入路と、を備え
    前記フロントチャンバは、車両放出防止性能評価試験における試験装置であるインパクタの複数の打点位置のうち車両最前の打点位置を保護する部分に設けられていることを特徴とするカーテンエアバッグ。
  2. 前記ガス流入路の入り口は、前記センタピラーに重なっていることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ。
  3. 前記ガス流入路は、所定の位置に、当該カーテンエアバッグ内のガスの経路のうち最も径が小さい最狭部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のカーテンエアバッグ。
  4. 前記フロントチャンバおよびガス流入路は、互いに区画することなく一体となっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  5. 前記フロントチャンバは、前記オーバラップ部から当該カーテンエアバッグの上部へ向かってガスが流入するよう形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  6. 前記オーバラップ部は、少なくとも前記複数の打点位置よりも下方に位置するよう設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  7. 前記フロントチャンバの後方であって座席の側方に配置されて当該カーテンエアバッグの膨張展開の当初にガスが流入するメインチャンバと、
    当該カーテンエアバッグの所定領域の表裏の基布が接合または一体化されて形成され前記メインチャンバから前記ガス流入路へ向かってガスを案内する第1シーム部と、をさらに有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  8. 前記フロントチャンバはメインチャンバに遅れて膨張展開が完了するディレーチャンバであることを特徴とする請求項に記載のカーテンエアバッグ。
  9. 前記メインチャンバは、所定領域の表裏の基布が接合または一体化されて形成され該メインチャンバの膨張展開後の厚みを抑える第2シーム部を有することを特徴とする請求項またはに記載のカーテンエアバッグ。
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