JP6026437B2 - カーテンエアバッグ - Google Patents

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Description

本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグに関するものである。
近年、車両には高い安全性が求められている。この傾向は世界各国に共通していて、現在では世界各国でエアバッグが車両の安全装置としてほぼ標準装備されている。そして、車両開発に関係する事業者ではさらなる安全性向上が重要な開発テーマとして掲げられていて、これに伴って日々新たなエアバッグが開発されている。
車両の安全性の評価基準は各国において異なっていて、各事業者は製造品が多国の評価基準に対応し得るよう開発を行っている。例えば世界最大の自動車保有台数をほこる米国では、NHTSA(米国高速道路交通安全局)によってFMVSS(米国連邦自動車安全基準)が制定されている。そしてNHTSAが定めるFMVSSの規則策定の通知(NPRM;Notice of Proposed Rule Making:Docket Number;NHTSA-2009-0183)には「側突時・ロールオーバ(横転)時において、放出緩和システムによりサイドウィンドウを通した乗員の車外放出の見込みを減少させる」という要件が提案されている。この要件は、放出緩和システムを成す車外放出軽減対策装置としてカーテンエアバッグを備えることで達成可能である。なお、本願明細書で示される規則策定通知(NPRM:Docket No. NHTSA-2009-0183)は、正式に制定されたFMVSS226の基になっている。
カーテンエアバッグは、ドア上方に設置されていて、衝撃発生時に車両のサイドウィンドウに沿って膨張展開するエアバッグである。カーテンエアバッグの膨張領域となるクッション部は、ガスの流れやすさ等を考慮して複数の小部屋(チャンバ)に区画されている。
特許文献1には、車両前後方向の端部に設置された端部チャンバが、他のチャンバよりも車内側に膨張展開するカーテンエアバッグが開示されている。このカーテンエアバッグでは、車両前後方向の中央側の膨張領域から、端部チャンバの車外側を通ってフロントピラーにテンションクロスが差し渡されている。テンションクロスは、カーテンエアバッグの膨張展開時に張ることで、端部チャンバを車内側に押し出すように移動させる。
なお、米国のNPRM(NHTSA-2009-0183)に定められる車外放出防止性能評価試験において、インパクタは、同NPRM(NHTSA-2009-0183)のV.「Proposed Ejection Mitigation Requirements and Test Procedures」で規定されている。インパクタの衝突目標は、同NPRM(NHTSA-2009-0183)のV.「Proposed Ejection Mitigation Requirements and Test Procedures」、d.「Locations Where the Device Would Impact the Ejection Mitigation Countermeasure To Asses Efficacy」、4.「Method for Determining Impactor Target Locations」で定められるターゲットロケーション(Target locations)に規定されている。これらの打点は、同NPRMで記載されている各ターゲットの打点位置、たとえばA1〜A4、B1〜B4などに示されている各ポイントによって示される。本願において、このA1として示されるポイントを「A1打点」と称する。
特開2008−6895号公報
現在、カーテンエアバッグに対して、乗員の車外放出防止性能のさらなる向上が要請されている。車外放出防止性能の向上には、乗員と早期に接触してこれを拘束することが有効である。拘束が早期であれば、その分の乗員の車外方向への移動量は減少するからである。
この点に関して、特許文献1に記載のカーテンエアバッグは、幅広のテンションクロスにより端部チャンバが車内側に押し出され、従来よりも乗員に近い位置で膨張展開するので、乗員と早期に接触できる。
しかし、特許文献1に記載の技術は、単に、端部チャンバとの接触面積の大きな幅広のテンションクロスを端部チャンバの車外側に通すことで、車外放出防止性能を向上させるものに過ぎない。加えて、テンションクロスでは布部分が多くなりカーテンエアバッグを折り畳むときに嵩張ってしまい収納性が悪くなる。また、そのために大きなフロントピラーを有する車両にしか適用できないという問題があった。
一方、収納性を向上させるために幅広のテンションクロスに代えて、幅の狭いストラップを用いると、乗員の車外放出時に端部チャンバを支える面積が、テンションクロスに対して相対的に小さくなり、車外放出性能を向上させることが困難であるという課題もあった。
本発明者は、テンションクロスに比べて幅の狭いストラップであっても、フロントピラーへの当該ストラップの取付位置を考慮することで、フロントピラーへの収納性を確保し、車外放出防止性能を犠牲にすることなく、むしろ向上できることを見出した。
本発明は、このような課題に鑑み、フロントピラーへの収納性を確保しつつ、車外放出防止性能をより向上できるカーテンエアバッグを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるカーテンエアバッグの代表的な構成は、車両室内の側面部上方に収納され、側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグであって、カーテンエアバッグの前端部に設置され、膨張展開用ガスを受けて膨張する端部チャンバと、車両のフロントピラー上の第1取付点に先端部が取付けられ、端部チャンバの車外側を通って、端部チャンバを区画する区画部にて後端部が取付けられたストラップとを備え、第1取付点は、端部チャンバと重なる衝突想定領域の中心である打点を通る第1平面を、下方に平行移動させた第2平面を含んで設定されることを特徴とする。
ここで、本願でストラップとは、それ自身の長手方向の長さが、それ自身の幅方向の長さに比べて十分に長く、平らな紐状のものである。また、ストラップ自体は、その平らな平面内を押したときに、カーテンエアバッグに用いられているファブリックよりも、曲がりにくい(変形しにくい)剛性を有するものとする。これは言い換えると、ストラップの方がエアバッグファブリックよりも「硬い」とも言える。なお、本願での「上、下」等の表現は、車両の中心から見て、車両のルーフ方向を「上」方向とし、車両の車室床面方向を「下」方向とする。衝突想定領域は、FMVSSに基づく側面衝突試験時に主にインパクタが衝突する領域であり、詳細は後述する。
本願で「平行」「平行移動」における平行は、概ね平行状態にあれば良く、幾何学的に完全な平行という意味ではない。概ね平行状態の範囲は、多少傾いていても本願発明の効果を発揮する領域であると理解される。また、第1平面とは、車両の鉛直方向に対して直交する平面上で、車両の前後方向に平行な直線の集まりであり、当該カーテンエアバッグが展開した際に、カーテンエアバッグの衝突想定領域の中心である打点を横切る直線を含む平面である。さらに、第2平面とは、車両の鉛直方向に対して直交する平面上で、車両の前後方向に平行な直線の集まりであり、当該カーテンエアバッグが展開した際に、衝突想定領域の中心である打点から車両下方側に鉛直方向に移動した点を横切る直線を含む平面である。
上記構成によれば、ストラップは、端部チャンバの車外側を通っているので、カーテンエアバッグの膨張展開時に、端部チャンバを車内側に押し出すように移動させる。このため、端部チャンバは、乗員と早期に接触することになり、乗員を迅速に拘束できる。
本発明者は、車外放出防止性能評価試験において、第1平面と第2平面との距離を適宜設定しながら、乗員を模擬したインパクタを衝突想定領域に衝突させ、車外放出量を確認した。その結果、第1平面からストラップ自体を下方に移動させるだけで車外放出量が減少することを発見した。このため、上記構成では、ストラップの先端部が取付けられる第1取付点を、第1平面から下方に平行移動させた第2平面を含んで設定している。
上記の第2平面は、第1平面を30〜50mm下方に平行移動させた平面であるとよい。本発明者は、第1平面と第2平面との距離が50mmよりも大きいと車外放出量が大きく増え、また、距離が30mm未満であっても車外放出量が大きく増えることを新たに発見した。さらに、距離が40mm程度であるとき、車外放出量が最も小さくなり、最も好ましいことを見つけた。これらのことから、端部チャンバの車外側を通るストラップの第1取付点を、第1平面から30〜50mm下方に平行移動させた第2平面を含んで設定することで、車外放出防止性能をより向上できることを見出した。
また、上記構成では、いわゆる幅広のテンションクロスではなく、幅の狭いストラップを用いている。なお、テンションクロスは、布部分が多いので、カーテンエアバッグを折り畳むときに嵩張ってしまい収納性が悪くなり、例えば、大きなフロントピラーを有する車両にしか適用できない場合がある。これに対して、本願では、フロントピラーに対するストラップの取付位置を考慮し、第1取付点を上記第2平面を含んで設定することで、テンションクロスに比べて幅の狭いストラップを用いて、フロントピラーへの収納性を確保しつつ、車外放出防止性能を犠牲にすることなく、むしろより向上できることも見出した。
上記のストラップの幅方向の中心線が、第2平面の存在可能な範囲内にあるとよい。すなわち、ストラップの幅方向の中心線が、第1平面から車両下方側に30〜50mm鉛直方向に平行移動した範囲内にあることが好ましい。このように、ストラップの幅方向の中心線が上記範囲内に存在するのであれば、この中心線は、第1平面および第2平面に対して必ずしも平行である必要はなく、例えば車両の鉛直方向に傾いていてもよい。これにより、カーテンエアバッグの膨張展開時に、ストラップが上記範囲内に存在することになり、車外放出防止性能を向上できる。
上記のストラップの後端部は、端部チャンバの膨張展開時に第1取付点以下の高さを有する、カーテンエアバッグ上の第2取付点に取付けられていて、第2取付点は、膨張展開した端部チャンバが車外方向に押されて第2平面近傍に移動するとよい。これにより、例えば端部チャンバの一部分が車外に突出している場合に、ストラップは、先端部から後端部まで第2平面近傍に位置することになり、第1平面に対して平行となる。このような場合、ストラップが水平となって端部チャンバの車外側で張るので、車外放出防止性能をより向上できる。
上記の区画部は、細線状の細線部と、細線部の途中で細線部よりも幅広になっている幅広部とを含む非膨張領域であり、第2取付点は、幅広部に位置し、ストラップの後端部は、縫製によって第2取付点を含む縫製領域にわたって幅広部に取付けられているとよい。これにより、ストラップの後端部を、幅広部に含まれる縫製領域にわたって縫製できる。一例として、縫製領域にて第2取付点の周囲も縫製できる。よって、ストラップの後端部を確実に縫製でき、十分な強度を保つことができる。
上記の縫製領域を形成する最も車両前側に位置する縫製ラインは、その近傍における細線部よりも車両前側に位置しているとよい。これにより、ストラップの後端部は、縫製領域の近傍の細線部よりも車両前側の位置に存在する縫製ラインにより縫製される。このため、縫製領域を含む幅広部が存在せず、ストラップの後端を細線部にて縫製するような場合に比べて、ストラップの後端をより車両前側にて縫製できる。したがって、端部チャンバの膨張展開時に、ストラップが車外側に撓む量を小さくできるから、車外放出防止性能をより向上できる。
本発明によれば、フロントピラーへの収納性を確保しつつ、車外放出防止性能をより向上できるカーテンエアバッグを提供することができる。
本発明の実施形態におけるカーテンエアバッグを例示する概略図である。 図1のカーテンエアバッグと比較例のカーテンエアバッグとを比較する図である。 図1のカーテンエアバッグの一部を例示する図である。 図3の端部チャンバにインパクタが衝突する様子を例示する模式図である。 図4の端部チャンバの変位と荷重との関係を概略的に示すグラフである。 衝突想定領域について例示する図である。 車外放出防止性能評価試験の結果を示す図である。 図3のシーム部と比較例のシーム部とを比較する図である。 図3のストラップとシーム部との位置関係を例示する模式図である。
100…カーテンエアバッグ、102…車両、104…ルーフサイドレール、106…前部座席、108…後部座席、110、112…サイドウィンドウ、114…フロントピラー、116…センタピラー、118…リアピラー、120…インフレータ、130…ストラップ、140…クッション部、142a、142b…タブ、144…シーム部、146…端部チャンバ、148…チャンバ、150…幅広部、152…細線部、154…縫製領域、154a…縫製ライン、156…シーリング材、160…インパクタ
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態におけるカーテンエアバッグ100を例示する概略図である。図1(a)は、カーテンエアバッグ100の非展開時を例示している。図1(b)は、カーテンエアバッグ100の膨張展開時を例示している。なお、カーテンエアバッグ100は、車両102の右側面用のものであるが、図示を省略する左側面用のカーテンエアバッグも同様の対称な構造を有する。
カーテンエアバッグ100は、図1(a)に示すように巻回された状態(または折り畳まれた状態)で、車両室内の側面部上方の仮想線で示すルーフサイドレール104に取り付けられて収納される。カーテンエアバッグ100は、例えば、その表面を構成する基布を表裏で縫製したり、OPW(One-Piece Woven)を用いて紡織したりすることにより袋状に形成される。
車両102は、車両前方から前部座席106および後部座席108が配置された2列シートの車両である。車両102の側面部には、車両前方からサイドウィンドウ110、112が設置されている。各サイドウィンドウの車両前後方向には、ルーフ(天井)を支えるピラー(柱)が設けられている。これらのピラーは、ルーフサイドレール104に接続されていて、車両102の前方からフロントピラー114、センタピラー116、リアピラー118と呼ばれる。
カーテンエアバッグ100は、ガス発生装置であるインフレータ120と、ストラップ130と、図1(b)に示すクッション部140とを備えている。なお、カーテンエアバッグ100は、クッション部140を車両102に取り付ける際に用いるタブ142a、142bを有している。
クッション部140は、インフレータ112から供給されるガスの圧力により、車室の側面部となるサイドウィンドウ110、112などに沿うように下方へ膨張展開し(図1(b)参照)、乗員の保護を行う。クッション部140は、例えばシーム部144によって、乗員との接触が想定される端部チャンバ146と他の複数のチャンバ148とに区画されている。端部チャンバ146は、図示のように、クッション部140の車両前後方向の前側端部に設置されている。他のチャンバ148は、シーム部144を介して端部チャンバ148の車両後側に位置している。
ストラップ130は、紐状の部材であって、先端部がフロントピラー114に取り付けられ、端部チャンバ146の車外側を通り、後端部がシーム部144に取り付けられている(詳細は後述する)。
図2は、図1のカーテンエアバッグ100と比較例のカーテンエアバッグ200とを比較する図である。図2(a)は、図1(b)のカーテンエアバッグ100のA−A断面図である。図2(b)は、比較例のカーテンエアバッグ200を示していて、図2(a)に対応した断面図である。
カーテンエアバッグ100では、図2(a)に示すように、ストラップ130の後端部が端部チャンバ146の後方のシーム部144に取り付けられている。カーテンエアバッグ100の展開時の挙動は、その寸法やルーフサイドレール104への取付位置によって異なるが、ここでは、カーテンエアバッグ100が巻回されていた状態から膨張展開すると、シーム部144が当初の位置から後方に移動すると仮定する。この場合、このストラップ130の長さは、ストラップ130の先端部が取り付けられたフロントピラー114上の取付位置から、カーテンエアバッグ100の膨張展開によってシーム部144が移動しようとする位置までの長さよりも短く設定されている。言い換えると、ストラップ130の長さは、シーム部144が目的の位置まで移動するのを阻むほどに短い。
このため、シーム部144は、略直線状になったストラップ130によって止められ、移動しようとする位置まで実際には移動できない。一方、ストラップ130は、膨張展開後に、シーム部144によって車両後方へ引っ張られるように略直線状に張ることになる。
また、ストラップ130の先端部が取り付けられているフロントピラー114は、サイドウィンドウ110よりも車内側に突出する部位である(突出量≒幅W1)。そして、端部チャンバ146は、ストラップ130に車両後方へテンションが加えられることで、ストラップ130により車内側に押されて移動し、車内側に突出する(突出量≒幅W2)。
このため、カーテンエアバッグ100では、図2(a)に示すように、端部チャンバ146のサイドウィンドウ110からの車内側への突出量D1は、フロントピラー114の幅W1と、端部チャンバ146の幅W2とを加えた量(W1+W2)となる。
一方、比較例のカーテンエアバッグ200では、図2(b)に示すように、ストラップ230が端部チャンバ146の前端に取り付けられている。この場合には、ストラップ230は、カーテンエアバッグ200が膨張展開すると、端部チャンバ146によって車両後方へ向かって張力が加えられ張ることになる。そして、カーテンエアバッグ200では、図2(b)に示すように、ストラップ230、端部チャンバ146および他のチャンバ148が、車両側面部のサイドウィンドウ110などに沿ってほぼ一列に並ぶ。
このとき、端部チャンバ146は、ストラップ130により車内側に押されることがない。よって、カーテンエアバッグ200では、図2(b)に示すように、端部チャンバ146の車内側への突出量が小さくなる(突出量≒幅W3、W3<W2)。
このため、カーテンエアバッグ200では、図2(b)に示すように、端部チャンバ146のサイドウィンドウ110からの車内側への突出量D2は、フロントピラー114の幅W1と、端部チャンバ146の幅W3とを加えた量(W1+W3)となる。
このように、カーテンエアバッグ100では、比較例のカーテンエアバッグ200と比較して、端部チャンバ146が車両側へ大きく突出(移動)している。つまり、カーテンエアバッグ100では、上記したように膨張展開時に、端部チャンバ146の車外側を通るストラップ130によって、端部チャンバ146が車内側に押し出され移動することから、端部チャンバ146が、乗員と早期に接触することになり、乗員を迅速に拘束できる。
以下、図3を参照してストラップ130の取付位置について詳述する。図3は、図1のカーテンエアバッグ100の一部を例示する図である。図3(a)は、端部チャンバ146を中心にしてカーテンエアバッグ100を拡大して示す図である。図3(b)は、図3(a)に示すストラップ130の位置を模式的に示す図である。
端部チャンバ146は、図示のように、衝突想定領域Eと重なっている。衝突想定領域Eは、FMVSS(米国連邦自動車安全基準)に基づく車外放出防止性能評価試験においてインパクタ160(図4参照)の衝突目標として窓枠を基準に定められる領域である。なお、インパクタ160とは、試験対象のエアバッグに車内側から衝突する、乗員を模擬した試験装置である。
FMVSSに基づく側面衝突試験時には、試験装置であるインパクタ160を、カーテンエアバッグ100上に設定した所定の打点に衝突させてカーテンエアバッグ100の安全性を評価する(車外放出防止性能評価試験)。特に、サイドウィンドウ110の最も前方における打点(衝突想定領域Eの中心)は、A1打点と称される。
ストラップ130は、図3(a)に示すように、先端部が第1取付点Pにてフロントピラー114に取付けられている。つまり、第1取付点Pは、フロントピラー114に設定されている。また、ストラップ130は、図中点線に示すように端部チャンバ146の車外側を通っていて、後端部が第2取付点Qにてシーム部144に取付けられている。シーム部144には、図3(a)に示すように、周辺よりも幅広で第2取付点Qを含む幅広部150が形成されている。つまり、第2取付点Qは、シーム部144に設定されている。なお、幅広部150は、図3(a)では誇張して示されている。また、図3(b)では、フロントピラー114およびシーム部144を省略している。
第1取付点Pは、図3(a)および図3(b)に示すように、第1平面L1を距離h(例えば、40mm)下方に平行移動させた第2平面L2を含んで設定されている。
ここで、第1平面L1とは、車両鉛直方向に対して直交する平面で、車両前後方向に平行な直線の集まりであり、カーテンエアバッグ100が展開した際に、端部チャンバ146と重なるカーテンエアバッグ100の衝突想定領域Eの中心であるA1打点を横切る直線を含む平面である。また、第2平面L2とは、車両鉛直方向に対して直交する平面で、車両前後方向に平行な直線の集まりであり、カーテンエアバッグ100が展開した際に、上記衝突想定領域Eの中心である打点A1から車両下方側に距離h鉛直方向に移動した点を横切る直線を含む平面である。
上記距離hは、40mmとしたが、これに限らず、30〜50mmの範囲に適宜設定してもよい。なお、本発明者は、距離hを適宜設定しながら、車外放出防止性能評価試験において車外放出量が小さくなる範囲を確認している(図7にて詳述する)。
また、ストラップ130の後端部は、図3(a)に示すように、第1取付点Pと同様に第2平面L2を含んで設定された第2取付点Qに取付けられているが、これに限られない。一例として、ストラップ130の後端部を、図3(b)に示すように第2取付点Qから下方に離れた第2取付点Q´にて上記シーム部144に取り付けてもよい。第2取付点Q、Q´に代表的に示されるように、第2取付点は、端部チャンバ146の膨張展開時に第1取付点P以下の高さを有することが好ましい。
ストラップ130の後端部が第2取付点Q´に取付けられた場合、ストラップ130は、端部チャンバ146の膨張展開時に、第2平面L2上の第1取付点Pから斜め下方に延びる第3平面L3を含んで位置している。そして、端部チャンバ146の膨張展開後、後述するインパクタ160により端部チャンバ146が車外方向に押されて、端部チャンバ146の一部分が車外に出るまでの間に、第2取付点Q´は、図中矢印Fに示すように、第2平面L2上あるいは近傍に移動するようにしてもよい。このとき、ストラップ130は、第1取付点Pおよび第2取付点Q´が第2平面L2を含んで位置するため、車両前後方向に沿って水平になる。
以下、図4および図5を参照して、インパクタ160が端部チャンバ146に衝突した場合について説明する。図4は、図3の端部チャンバ146にインパクタ160が衝突する様子を例示する模式図である。図4(a)は、図3(a)のB−B断面に対応していて、インパクタ160が端部チャンバ146に車内側から接触した状態を例示している。図4(b)は、図4(a)に示すインパクタ160が車外側に移動した状態を示している。図4(c)は、図4(b)に示すインパクタ160が車外側にさらに移動した状態を示している。なお、図中のX0、X1、X2、X3は、端部チャンバ146の変位(mm)を示す座標として例示している。
図5は、図4の端部チャンバ146の変位と荷重との関係を概略的に示すグラフである。ここでの荷重は、インパクタ160が端部チャンバ146から受ける反力である。図中、実線で示すグラフG1は、端部チャンバ146の車外側に上記ストラップ130が通っている場合での変位と荷重との関係を示している。鎖線で示すグラフG2は、上記ストラップ130を有していない場合での変位と荷重との関係を示している。また、グラフG1、G2に示す点R1、R2は、荷重のピークをそれぞれ例示している。
端部チャンバ146は、上記したように、膨張展開時にストラップ130によって車内側に押されて移動する。よって、端部チャンバ146は、ストラップ130に押される分、ストラップ130を有していない場合に比べて、インパクタ160に早い段階で接触する。このため、グラフG1では、座標X0の地点でインパクタ160が既に端部チャンバ146と接触し(図4(a)参照)、端部チャンバ146から荷重を受けている状態が示されている。一方、グラフG2では、ストラップ130を有していないために、座標X0の地点ではインパクタ160が端部チャンバ146と接触せず、あるいは接触した瞬間であり、端部チャンバ146から未だ荷重を受けていない状態が示されている。
また、図4(a)に示す座標X1は、端部チャンバ146がサイドウィンドウ110の位置まで移動したことを示している。グラフG1、G2では、座標X1の地点でインパクタ160が端部チャンバ146から荷重を受けている状態が示されている。なお、端部チャンバ146から受ける荷重が端部チャンバ146の内圧に依存するため、グラフG1、G2の傾きは、ほぼ同一となっている。座標X1での荷重は、グラフG1の値がグラフG2の値よりも大きくなっている。
さらに、図4(b)では、座標X1から座標X2に端部チャンバ146が移動することで、端部チャンバ146がインパクタ160に押されてサイドウィンドウ110の位置で変形している状態が示されている。グラフG1、G2に示すように、座標X2での荷重は、グラフG1の値がグラフG2の値よりも大きくなっている。
そして、図4(c)では、端部チャンバ146がさらに車外側に移動して、端部チャンバ146の一部分がサイドウィンドウ110よりも車外側に位置している状態が示されている。この状態では、端部チャンバ146の車外側にはストラップ130のみが存在する場合がある。このような場合に、図3(b)にて矢印Fで示したように、ストラップ130の上記第2取付点Q´が第2平面L2上に移動し、ストラップ130が車両前後方向に沿って水平となって端部チャンバ146の車外側で張ることが好ましい。
続いて、グラフG1は、座標X2を過ぎて座標X3に至る前に点R1で示すピークに到達する。一方、ストラップ130を有さない場合には、グラフG2は、座標X2から座標X3に至り、座標X3で点R2に示すピークに到達する。ここで、点R1で示すピークは、点R2で示すピークよりも小さい。
このように、グラフG1、G2を比較すると、端部チャンバ146の車外側にストラップ130を通すことで、端部チャンバ146が早い段階でインパクタ160に接触し、その結果、早い段階で衝突エネルギーを吸収できることにより、インパクタ160が受ける荷重のピークを小さくできることが明らかになった。
以下、図6および図7を参照して、上記距離h(図3参照)を適宜設定しながら、車外放出防止性能評価試験を行った結果について説明する。図6は、衝突想定領域について例示する図である。図中では、図3に示す端部チャンバ146と重なる衝突想定領域EおよびA1打点を示している。
図7は、車外放出防止性能評価試験の結果を示す図である。図7(a)は、距離hの値毎に区分されたグループ1〜8と、グループ1〜8での試験結果とを示している。図7(b)は、図7(a)に示す試験結果の根拠となる数値データ(突出量)を示している。
また、図7(a)に示す、「◎」は車外放出量(突出量)が「76mm以下」、「○」は突出量が「76−78mm」、「△」は突出量が「78−80mm」、「×」は突出量が「80mm以上」であることを示している。本発明者らは、図7(b)に示すように、距離hを5mm毎に変更して上記試験を行い、適宜突出量を確認した。なお、これらの突出量や数値データは、本試験に用いたカーテンエアバッグ100によって得られたものであり、チャンバ形状や個別の内圧等によってこれらの適正突出量や数値データは変化する。
試験結果としては、図7(a)に示すように、距離hが0mmのときよりもストラップ130が下方にあれば、突出量は減少していることが分かる。特に、距離hが30〜50mmであれば突出量が小さく、良好であることが分かる。図7(b)に示すように、距離hが40mmであれば、突出量が最も小さくなることが分かる(突出量:74mm)。したがって、距離hは、40mmを基準として±10mmであることが最も好ましい。
インパクタ160がカーテンエアバッグ100を押す時、カーテンエアバッグ100は図4に示されているように、カーテンエアバッグ100の上端部付近を中心に車外方向に回転する。この回転に伴って、ストラップ130も下方から上方に相対的に移動する。仮に、第1平面L1から下方に平行移動させた第2平面L2上にストラップ130を設けず、第2取付点Qだけを下方に設定した場合、このカーテンエアバッグ100の回転により、かえってストラップ130は緩んでしまう。第1平面L1から下方に略平行にストラップ130が設けられると、このカーテンエアバッグ100の回転に伴い、ストラップ130の張力も増す。したがって、ストラップ130は、第1平面L1から下方に略平行に設けられることが好ましい。
したがって、本実施形態におけるカーテンエアバッグ100では、端部チャンバ146の車外側を通るストラップ130の第1取付点Pを、第1平面L1から30〜50mm下方に平行移動させた第2平面L2を含んで設定することで、車外放出防止性能を向上できることが明らかになった。
また、カーテンエアバッグ100では、いわゆる幅広のテンションクロスではなく、幅の狭いストラップ130を用いているので、フロントピラー114への収納性を確保できる。なお、テンションクロスは、布部分が多いので、カーテンエアバッグ100を折り畳むときに嵩張ってしまい収納性が悪くなり、例えば、大きなフロントピラーを有する車両にしか適用できない場合があり得る。
つまり、カーテンエアバッグ100では、フロントピラー114に対するストラップ130の取付位置を考慮し、第1取付点Pを上記第2平面L2を含んで設定することで、テンションクロスに比べて幅の狭いストラップ130を用いても、フロントピラー114への収納性を確保しつつ、車外放出防止性能を犠牲にすることなく、むしろより向上できる。
以下、図8および図9を参照して、シーム部144について説明する。図8は、図3のシーム部144と比較例のシーム部244とを比較する図である。図8(a)は、図3のシーム部144を模式的に示している。図8(b)は、シーム部144に第2取付点Qを設定する場合を示す図である。図8(c)は、シーリング材を用いた場合を示す図である。図8(d)は、比較例のシーム部244を模式的に示している。図8(e)は、シーム部144に第2取付点Qを設定する場合を示す図である。なお、シーム部144、244は、上記端部チャンバ146を区画するものである。
シーム部144は、図8(a)に示すように、幅広部150と、細線状の細線部152とを有している。幅広部150は、細線部152の途中で細線部152よりも幅広になっている。
第2取付点Qは、図8(b)に示すように、幅広部150に位置している。また、幅広部150は、第2取付点Qだけでなく、第2取付点Qの周囲も含む縫製領域154を有している。ストラップ130の後端部は、縫製によって縫製領域154にわたって幅広部150に取付けられている。このように、シーム部144では、図8(b)に示すように、幅広部150に含まれる縫製領域154にて第2取付点Qの周囲も縫製できる。よって、幅広部150を有するシーム部144によれば、ストラップ130の後端部を確実に縫製でき、十分な強度を保つことができる。
また、シーム部144では、幅広部150を有しているので、図8(c)に示すようにシーリング材156を用いた場合でも、縫製領域154にて縫製を行うスペースを確保でき、縫製を容易に行うことができる。
これに対して、比較例のシーム部244は、図8(d)に示すように、上記幅広部150が存在せず、細線状の細線部252を有している。なお、細線部252の幅は、例えば7mm程度しかない。
このため、第2取付点Qは、図8(e)に示すように、幅の小さい細線部252に位置する。つまり、ストラップ130の後端部は、幅の小さい細線部252に縫製ライン254で示されるような縫製を行い、細線部252に取付けられる。よって、比較例のシーム部244では、ストラップ130の後端部を確実に縫製するだけのスペースを確保し難い。
図9は、図3のストラップ130とシーム部144、244との位置関係を例示する模式図である。図9(a)は、ストラップ130をシーム部144、244に取付けた状態を比較する図である。図9(b)は、シーム部144、244に取付けられたストラップ130が車外側に撓んだ状態を比較する図である。図9(c)は、シーム部144の幅広部150と細線部152との位置について説明する図である。
シーム部144では、図9(a)に示すように、上記幅広部150に含まれる縫製領域154にて、第2取付点Qおよびその周囲も縫製することで、ストラップ130の後端部が取付けられている。点線Sは、第2取付点Qの位置を示している。
ここで、図9(a)に示す縫製ライン154aは、縫製領域152を形成する複数の縫製ラインのうち、最も車外側に位置する縫製ラインである。点線Tは、縫製ライン154aの位置を示している。
比較例のシーム部244では、図9(a)に示すように、細線部252に第2取付点Qが位置していて、縫製ライン254に示すように縫製を行い、ストラップ130の後端部が取付けられている。なお、図9(a)では、シーム部144、244での第2取付点Qが、いずれも点線S上に位置するように示している。
ここで、縫製ライン154aを示す点線Tは、シーム部244での第2取付点Qよりも距離Wだけ車両前方側に位置している。つまり、幅広部150を有さず細線部252で形成されたシーム部244に比べて、幅広部150を有するシーム部144では、ストラップ130の後端部を距離Wだけ車両前側にて縫製できる。
このため、ストラップ130の後端部がシーム部144に取付けられた状態では、図9(b)に示すように、ストラップ130は、例えば上記端部チャンバ146の膨張展開時に、第1取付点Pと、第2取付点Qよりも距離Wだけ車両前側に位置する縫製ライン154a(図中、点線T)との間で車外側に撓むことになる。図中では、ストラップ130が撓んだ状態を、図中実線で示すストラップ130aとして示している。
これに対して、ストラップ130の後端部がシーム部244に取付けられた状態では、図9(b)に示すように、ストラップ130は、例えば端部チャンバ146の膨張展開時に、第1取付点Pと第2取付点Qとの間で車外側に撓むことになる。図中では、ストラップ130が撓んだ状態を、図中鎖線で示すストラップ130bとして示している。
そして、図9(b)に示すように、ストラップ130aは、ストラップ130bよりも車外側への撓み量が小さい。図中では、ストラップ130aがストラップ130bよりも距離ΔYだけ撓み量が小さいことを示している。
このように車外側への撓み量が小さくなることから、例えば図5に示したグラフG1の点R1で示すピークが僅かでも小さくなる。したがって、幅広部150を有するシーム部144にストラップ130の後端部を取付けることで、結果として、車外放出防止性能をより向上できる。
シーム部144では、より詳細には図9(c)に示すように、縫製領域154を形成する最も車両前側に位置する縫製ライン154aは、幅広部150と細線部152との境界点152a、152b同士を結んだ直線Zよりも、車両前側に位置している。このような縫製ライン154aと直線Zとの位置関係を満たすことで、図9(b)に示したように、ストラップ130の車外側への撓み量を小さくし、車外放出防止性能をより向上できる。
上記実施形態では、端部チャンバ146の車外側にストラップ130を通し、さらにストラップ130の第1取付点Pを上記第2平面L2上に設定することで、車外放出量を小さくしている。このため、端部チャンバ146は、図3に示したようにサイドウィンドウ110とオーバーラップしない位置に展開しているが、これに限らず、オーバーラップする位置に展開するようにしても構わない。
また、上記実施形態では、ストラップ130の第1取付点Pが第2平面L2を含んで設定されているのであれば、ストラップ130の幅方向の中心線(例えば、図3(b)で第1取付点Pと第2取付点Qとを結ぶ一点鎖線で示す線)は、第2平面L2の存在可能な範囲、すなわち、第1平面L1から車両下方側に30〜50mm鉛直方向に平行移動した範囲内にあることが好ましい。上記中心線が上記範囲内に存在するのであれば、ストラップ130は、第1平面L1および第2平面L2に対して必ずしも平行ではなく、例えば車両鉛直方向に傾いていてもよい。また、カーテンエアバッグ100の膨張展開時に、ストラップ130が上記範囲内に存在することになるので、車外放出防止性能をより向上できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態においては本発明にかかるカーテンエアバッグ100を自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグに利用することができる。

Claims (3)

  1. 車両室内の側面部上方に収納され、該側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグであって、
    当該カーテンエアバッグの前端部に設置され、膨張展開用ガスを受けて膨張し、インパクタによって押された時に上端部付近を中心に車外方向に回転する端部チャンバと、
    車両のフロントピラー上の第1取付点に先端部が取付けられ、前記端部チャンバの車外側を通って、該端部チャンバと該端部チャンバの車両後側に位置する他のチャンバとを区画する区画部にて後端部が取付けられ、前記端部チャンバの車外側を該端部チャンバの車両前後方向の全長にわたって延びるストラップとを備え、
    前記第1取付点は、前記端部チャンバと重なる衝突想定領域の中心であるA1打点を通る第1平面を、下方に平行移動させた第2平面上に設定され、
    前記A1打点は、米国のFMVSS226(NRPM(NHTSA-2009-0183))に定められるターゲットロケーションに規定される衝突想定領域の打点のうち、サイドウィンドウの最も前方の打点であり、
    前記ストラップの後端部は、前記端部チャンバの膨張展開時に前記第1取付点以下の高さを有する、当該カーテンエアバッグ上の第2取付点に取付けられていて、
    前記第2取付点は、膨張展開した前記端部チャンバにおける前記衝突想定領域がインパクタにより車外方向に押された時に、前記第2平面近傍に移動するように構成され
    記第2平面は、前記第1平面を30〜50mm下方に平行移動させた平面であり、
    前記ストラップの幅方向の中心線が、前記第2平面の存在可能な範囲内にあることを特徴とするカーテンエアバッグ。
  2. 前記区画部は、細線状の細線部と、該細線部の途中で該細線部よりも幅広になっている幅広部とを含む非膨張領域であり、
    前記第2取付点は、前記幅広部に位置し、
    前記ストラップの後端部は、縫製によって前記第2取付点を含む縫製領域にわたって前記幅広部に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ。
  3. 前記縫製領域を形成する最も車両前側に位置する縫製ラインは、その近傍における前記細線部よりも車両前側に位置していることを特徴とする請求項2に記載のカーテンエアバッグ。
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