JP4122195B2

JP4122195B2 - エアバッグ装置

Info

Publication number: JP4122195B2
Application number: JP2002250456A
Authority: JP
Inventors: 紀人望月
Original assignee: Nihon Plast Co Ltd
Current assignee: Nihon Plast Co Ltd
Priority date: 2002-08-29
Filing date: 2002-08-29
Publication date: 2008-07-23
Anticipated expiration: 2022-08-29
Also published as: JP2004090662A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車の側方の窓部に沿って展開するエアバッグを備えたエアバッグ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ガスを導入して膨張展開するエアバッグを備えたエアバッグ装置において、自動車の側方の窓部に沿って展開するいわゆるカーテンエアバッグが知られている。そして、このエアバッグは、通常時は、自動車のルーフレール部に細長く折り畳んで収納され、側方からの衝撃を受けた際に、内部にガスが導入され、窓部に沿って下方に膨張展開するようになっている。
【０００３】
さらに、このようなカーテンエアバッグには、例えば、特開２００１−１７１４６４号公報に示されるように、エアバッグの前端部と車体のフロントピラーとを連結し、展開時にエアバッグを支持して張力を生じさせるテンションベルトとも呼ばれるストラップが備えられている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のようにストラップを備えた構成において、より容易に安定してエアバッグを展開できる構成が求められている。
【０００５】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、エアバッグを容易に安定して展開できるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載のエアバッグ装置は、膨張部の外殻を構成する相対向する基布部と、これら基布部を連結して展開時の幅方向を規制する複数の規制部と、これら規制部により区画された互いに連通する複数の分室とを備え、前記膨張部にガスが導入されて自動車の車室の側面を構成する所定面に沿って展開するエアバッグと、このエアバッグに設けた被支持部を前記自動車の車体を構成する支持部材に連結し、前記膨張部の前記所定面側を通らず少なくとも一部が前記膨張部の前記所定面の反対側である車内側に沿って配置されたストラップとを具備し、前記各規制部は、前記エアバッグの長手方向に所定間隔で配置され、それぞれ略上下方向を長手方向とする線状をなす線状結合部を備え、前記被支持部は、前記分室同士の間に位置し前記基布部が重ねられた部分である前記規制部に位置し、前記ストラップは、一端部を、前記被支持部の車内側に重ねて縫い付けられて前記エアバッグに取り付けられ、前記エアバッグの展開時に、前記ストラップが前記膨張部を前記所定面側に押さえ、これらストラップと所定面とで前記膨張部を挟持するものである。
【０００７】
そして、この構成では、エアバッグの展開時に、このエアバッグを支持部材に連結するストラップが、膨張部を所定面側に押さえ、エアバッグが安定して展開する。そして、エアバッグは、膨張部の外殻を構成する相対向する基布部と、これら基布部を連結する規制部とを備え、被支持部は、前記規制部に設けられたので、被支持部を規制部に設けることにより、強度の確保及び気密性の確保が容易になる。そして、所定面は、自動車の車室の側面を構成し、支持部材は、前記自動車の車体を構成するものであり、自動車の車室の側面に沿って安定して展開するエアバッグが提供される。さらに、ストラップは、基布部の車内側に配置されるため、窓部のガラスが割れた場合などにも、ストラップへの影響が抑制される。
【０００８】
請求項２記載のエアバッグ装置は、請求項１記載のエアバッグ装置において、各規制部は、各線状結合部の両端部を囲むように形成された円環状の保護結合部を備え、被支持部は、前記規制部の下側の保護結合部内に位置して設定されたものである。
【０００９】
そして、この構成では、ストラップを縫い合わせた部分からのガスの漏れが容易に防止される。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【００１１】
図１及び図２において、１はエアバッグで、このエアバッグ１を備えたエアバッグ装置２は、車両である自動車の車体３の車室４のルーフレール部(ルーフサイド部)に配置されている。そして、このエアバッグ１は、カーテンエアバッグ、側突用エアバッグ、インフレータブルカーテン、あるいは、頭部保護用エアバッグなどと呼ばれるもので、側面衝突などの衝撃を受けた際に、乗員Ａの側方に面状に展開し、被保護物である乗員を保護するようになっている。
【００１２】
なお、以後、前後及び両側などの方向は、自動車の直進状態を基準にして説明する。また、各図は左側の乗員用のエアバッグ装置２を示し、矢印Ｆは前側、矢印Ｏは車外側、矢印Ｉは車内側を示している。
【００１３】
そして、この車体は、車室４内に乗員Ａが着座可能な前席及び後席を備え、これら前席及び後席に対応して、それぞれ上部に開口可能な所定面７を構成する窓部(サイドウィンドウ)を備えたドアが設けられている。また、車室４の両側には、前側から順に、ピラーとしてのＡピラーとも呼ばれる支持部材としてのフロントピラー11、Ｂピラーとも呼ばれるセンターピラー、Ｃピラーとも呼ばれるリアピラーが設けられ、これらピラー11の上側に、ルーフレール部を介して天井パネルが支持されている。
【００１４】
そして、エアバッグ装置２は、前後の座席の乗員Ａを保護可能な、いわゆる前後席用エアバッグであり、ヘッドライニングなどに覆われてルーフレール部に細長く折り畳んで収納されたエアバッグ１と、後席の乗員の上方に収納されこのエアバッグ１にガスを供給する図示しないインフレータと、折り畳んだエアバッグ１の形状を保持する筒状などのスリーブと、エアバッグ１をフロントピラー11に連結するストラップ20となどを備え、ブラケットを介してルーフレール部に取り付けられている。
【００１５】
そして、エアバッグ１は、図２などに示すように、１枚あるいは複数枚の基布を組み合わせて扁平な袋状に形成されたエアバッグ本体21を備えている。本実施の形態では、一枚の基布を折線23に沿って折り、車外側に配置される基布部としての外側基布部24と、車室４側に配置される基布部としての内側基布部25とを折り重ね、これら外側基布部24と内側基布部25とを接合する接合部である所定の縫製部26で縫い合わせ、ガスが流入して膨張展開する袋状の膨張部27と、エアバッグ１の後端上部などに位置して膨張部27を外部に連通させるガス導入部28と、ガスが流入せず膨張展開しないシート状の非膨張部29となどが設けられている。
【００１６】
さらに、膨張部27は、中空部である気室であり、エアバッグの長手方向すなわち前後方向の中央部の上部に位置する連通部32と、この連通部32の前側に連通する第１膨張部である前席保護室33と、連通部32の後側に連通する第２膨張部である後席保護室34とを備えている。
【００１７】
また、縫製部26は、膨張部27の外周部を縫製する外周縫製部36と、前後の保護室33，34の展開時の幅寸法を規制する規制部40とを備えている。そして、この規制部40は、縫製部26の１カ所あるいは複数カ所に位置し、外周縫製部36と連続しあるいは独立して形成されている。そして、本実施の形態では、規制部40は、前席保護室33では、外周縫製部36とは独立して４カ所に形成され、後席保護室34では、外周縫製部36に連続して２カ所に形成されている。さらに、前席保護室33の規制部40は、第１ないし第４の規制部41，42，43，44がエアバッグ１の長手方向に所定間隔で配置され、膨張部27を構成する前席保護室33を互いに連通する第１ないし第５の分室Ｐ1，Ｐ2，Ｐ3，Ｐ4，Ｐ5に区画している。そして、これら第１ないし第４の規制部41，42，43，44は、それぞれ、略上下方向を長手方向とする線状をなす線状結合部46と、これら線状結合部46の両端部を囲むように形成された円環状の保護結合部47とを備えている。また、後席保護室34の規制部40は、第５及び第６の規制部51，52が、上下方向に配置され、膨張部27を構成する後席保護室34を互いに連通する第６及び第７の分室Ｐ6，Ｐ7に区画している。そして、これら第５及び第６の規制部51，52は、それぞれ、外周縫製部36に連続して略前後方向を長手方向とする線状をなす線状結合部46と、これら線状結合部46の先端部を囲むように形成された円環状の保護結合部47とを備えている。
【００１８】
また、エアバッグ１の外側基布部24と内側基布部25との間には、ガスを案内するインナパイプ55が配置されている。このインナパイプ55は、例えば１枚の基布を折り重ねて筒状に形成され、ガス導入部28の部分に配置されている。
【００１９】
さらに、エアバッグ本体21の上端部には、ブラケットにビスなどにて取り付けられる取付片部57が内側基布部25に連続して形成されている。
【００２０】
また、ストラップ20は、テンションストラップなどとも呼ばれる紐状の基布で、後端部である一端部61は、被支持部62でエアバッグ本体21に縫い付けられて取り付けられている。そして、この被支持部62は、エアバッグ１のエアバッグ本体21の基布同士を連結する規制部40に位置し、すなわち、分室同士の間に位置し、本実施の形態では、第１の分室Ｐ1と第２の分室Ｐ2との間に位置する第１の規制部41を構成する下側の保護結合部47内に位置して設定されている。
【００２１】
一方、ストラップ20の前端部である多端部64は、固着点である支持位置66において、車体３のフロントピラー11に固定され取り付けられている。
【００２２】
そして、このエアバッグ装置２は、車体３の側面衝突などの際に、図示しない制御装置の制御でインフレータが作動し、このインフレータから噴射されるガスがガス導入部28からエアバッグ１に導入される。そして、導入されたガスは、インナパイプ55及び規制部40などに案内されて膨張部27を膨張させる。そして、エアバッグ本体21は、収納されたルーフレール部からヘッドライニングなどを変形させながら下方に突出し、窓部などで構成される所定面７に沿って下方に膨張展開する。さらに、この展開の過程及び展開完了後において、ストラップ20が、エアバッグ本体21に張力を加えるとともに、図１に示すように、エアバッグ本体21の膨張部27の一部、本実施の形態では第１の分室Ｐ1を窓部などで構成される所定面７側に押しつけるため、エアバッグ１を安定して展開させることができる。
【００２３】
このように、本発明のストラップ構造を備えたエアバッグ１によれば、ストラップ20の取付位置である被支持部62を、エアバッグ本体21の前端部ではなく、車室４の内側に偏位させ、膨張部27内、すなわち、膨張部27の分室Ｐ1，Ｐ2同士の間に位置する規制部40の第１の規制部41に設定し、ストラップ20と所定面７とでエアバッグ本体21の膨張部27を挟持するようにしたため、エアバッグ１を安定して展開させ、展開後も安定して位置させることができる。
【００２４】
また、ストラップ20の取付位置である被支持部62は、規制部40に重ねて形成され、さらに、規制部40を構成する円環状の保護結合部47内に位置して設定されている。そこで、ストラップ20の被支持部62は、外側基布部24と内側基布部25との基布が２枚重ねられた部分に縫い付けられることになり、容易に強度を向上でき、エアバッグ１を保護できるとともに、ストラップ20を縫い合わせた部分からのガスの漏れを容易に防止できる。
【００２５】
また、ストラップ20は、エアバッグ本体21の車内側に配置されるため、窓部のガラスが割れた場合などにも、ストラップ20への影響を抑制できる。
【００２６】
さらに、ストラップ20は、取付位置を代えたのみで、部品点数の増加もなく、製造コストの上昇を抑制できる。
【００２７】
なお、上記の実施の形態では、ストラップ20の固定位置である被支持部62は、分室Ｐ1，Ｐ2同士の間に位置する第１の規制部41に設定したが、この構成に限られず、規制部40の他の位置とすることができる。
【００２８】
例えば、図３に示すように、ストラップ20の被支持部62は、第２の分室Ｐ2と第３の分室Ｐ3との間に位置する第２の規制部42に設定することもできる。
【００２９】
【発明の効果】
請求項１記載のエアバッグ装置によれば、エアバッグの展開時に、このエアバッグを支持部材に連結するストラップが、膨張部を所定面側に押さえ、エアバッグを安定して展開させることができる。そして、膨張部の外殻を構成する相対向する基布部を連結する規制部に、被支持部を設けたため、強度の確保及び気密性の確保を容易にできる。そして、所定面は、自動車の車室の側面を構成し、支持部材は、自動車の車体を構成するもので、自動車の車室の側面に沿って安定して展開するエアバッグを提供できる。さらに、ストラップは、基布部の車内側に配置されるため、窓部のガラスが割れた場合などにも、ストラップへの影響を抑制できる。
【００３０】
請求項２記載のエアバッグ装置によれば、請求項１記載の効果に加え、各規制部は、各線状結合部の両端部を囲むように形成された円環状の保護結合部を備え、被支持部は、規制部の下側の保護結合部内に位置して設定されたため、ストラップを縫い合わせた部分からのガスの漏れを容易に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す図２のＩ−Ｉ断面相当位置の説明図である。
【図２】同上エアバッグの側面図である。
【図３】本発明のエアバッグ装置の他の実施の形態を示す図２のＩ−Ｉ断面相当位置の説明図である。
【符号の説明】
１エアバッグ
２エアバッグ装置
３車体
４車室
７所定面
11 支持部材としてのフロントピラー
20 ストラップ
24 基布部としての外側基布部
25 基布部としての内側基布部
27 膨張部
40 規制部
46 線状結合部
47 保護結合部
61 一端部
62 被支持部
Ｐ 1 〜Ｐ 5 分室

Claims

膨張部の外殻を構成する相対向する基布部と、これら基布部を連結して展開時の幅方向を規制する複数の規制部と、これら規制部により区画された互いに連通する複数の分室とを備え、前記膨張部にガスが導入されて自動車の車室の側面を構成する所定面に沿って展開するエアバッグと、
このエアバッグに設けた被支持部を前記自動車の車体を構成する支持部材に連結し、前記膨張部の前記所定面側を通らず少なくとも一部が前記膨張部の前記所定面の反対側である車内側に沿って配置されたストラップとを具備し、
前記各規制部は、前記エアバッグの長手方向に所定間隔で配置され、それぞれ略上下方向を長手方向とする線状をなす線状結合部を備え、
前記被支持部は、前記分室同士の間に位置し前記基布部が重ねられた部分である前記規制部に位置し、
前記ストラップは、一端部を、前記被支持部の車内側に重ねて縫い付けられて前記エアバッグに取り付けられ、
前記エアバッグの展開時に、前記ストラップが前記膨張部を前記所定面側に押さえ、これらストラップと所定面とで前記膨張部を挟持する
ことを特徴とするエアバッグ装置。
各規制部は、各線状結合部の両端部を囲むように形成された円環状の保護結合部を備え、
被支持部は、前記規制部の下側の保護結合部内に位置して設定された
ことを特徴とする請求項１記載のエアバッグ装置。