JP4710747B2 - カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、電車、船舶、航空機、宇宙船等の乗り物や、家屋、ビル、宇宙ステーション等の建造物のウインド部に設けられ、該ウインド部を瞬時に覆うカーテンエアバッグ装置に関する技術分野に属する。
従来より、車両のウインド部の上辺部にカーテン状のエアバッグを収容しておき、車両衝突時や横転時に該エアバッグにガスを供給することにより、これを膨張展開させてウインド部を瞬時に覆うようにしたカーテンエアバッグ装置が知られている。この装置の場合、そのカーテン(エアバッグ)にテンションが得られないと、乗員からの衝撃力を受け止めて該乗員を保護することが十分にできなくなる。
そこで、例えば特許文献1に示されているように、エアバッグ及びピラー部間に、ピラー部の長手方向の所定位置に離間して配置された複数のガイド部材と、中間部が上記複数のガイド部材に移動可能に支持されると共に一端部がエアバッグの前端下部或いは後端下部に固定されかつ他端部がエアバッグの前端側所定位置或いは後端側所定位置にそれぞれ固定された可撓性長尺部材(ストラップ)とを含んで構成され、エアバッグの下方展開に伴ってエアバッグの前端下部を車両前方側へ或いは後端下部を車両後方側へ引っ張る張力付与手段を設けるようにすることが提案されている。
また、特許文献2では、カーテン状のエアバッグの展開完了時に下端部となる部位と車体間に、エアバッグの車両略下方への展開力を車両略前後方向の張力に変換する力方向変換手段、つまりエアバッグ側支点と車体側の上方支点及び下方支点とに掛け渡された環状のワイヤを設けることで、エアバッグの後端から車両後方にオーバーハングが少ない車両においても、展開完了時のエアバッグの下縁に沿って必要十分な張力を付与するようにすることが提案されている。
さらに、特許文献3では、ピラーに沿って車体上下方向に延びる棒状のガイド部材を設ける一方、エアバッグの後端部の下側角縁付近にループ状の連結帯を取り付け、この連結帯を上記ガイド部材に掛け回すことにより、エアバッグの後端部をガイド部材に連結して、そのガイド部材に沿ってエアバッグを下方に展開させるようにすることが提案されている。この構成では、展開後に乗員がエアバッグに衝突したときに、エアバッグの下端部がガイド部材に保持されているので、エアバッグに張力が発生して、乗員を保護することが可能になる。
特開2002−347560号公報 特開2003−081048号公報 特開2004−051016号公報
ところで、上記従来例のストラップやワイヤ、連結帯は、カーテンの収容時には、車両のピラーに設けられて、このピラーの車室側の面を構成するピラートリムで覆われており、カーテンの展開時には、その展開に伴って、ストラップの一部が車室内に引き出される。
しかし、上記従来例のものでは、カーテンにおけるストラップ等が設けられたピラー側の側部が、該ピラーのピラートリムのウインド側縁の近傍において該ウインド側縁に略沿って展開するため、この展開するカーテンの側部がピラートリムのウインド側縁部と干渉し易くなる。このような干渉があると、ピラートリムは、通常、合成樹脂製で硬質であるために、カーテンが安定して展開することが困難となる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両等のウインド部に設けられるカーテンエアバッグ装置に対して、その構成に工夫を凝らすことによって、展開したカーテンが乗り物や建造物内部の人や物によって押されて動くことを簡単にかつ確実に阻止できるようにするとともに、カーテンとピラートリム等のトリム部材との干渉を抑制して、カーテンの展開性を出来る限り向上させようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、ウインド部周辺の第1辺部にカーテンを収容し、ウインド部周辺において上記第1辺部に繋がる第2辺部に支持部を設け、展開完了状態にある上記カーテンの上記第2辺部側の側部に、該カーテンの展開先端部がカーテン展開方向に移動することに伴って第1辺部側から上記支持部に向かって移動して該支持部に係合する係合部を設け、上記支持部に対し、展開完了状態にあるカーテンにおける上記第2辺部側の側部のカーテン展開方向中間部及びその展開先端部側に一端部及び他端部をそれぞれ結合した紐状部材の中間部を係合し、カーテンの展開先端部がカーテン展開方向に移動することに伴って、上記紐状部材における上記支持部との係合位置が上記一端部側へ移動することで、上記紐状部材の上記一端部ないし上記カーテンにおける該一端部の結合部位に設けた上記係合部が上記支持部に向かって移動して該支持部に係合するように構成し、上記第2辺部に、上記カーテンの収容状態で上記支持部及び紐状部材を覆う合成樹脂製のトリム部材を設け、上記カーテンの展開時に、上記紐状部材の他端部ないしその近傍部が上記トリム部材を変形させて上記ウインド部側へ引き出されるように構成した。
具体的には、請求項1の発明では、1又は2以上のウインドを有するウインド部に設けられるカーテンエアバッグ装置を対象とする。
そして、ガスが注入される膨張部を有し、上記ウインド部周辺の第1辺部に収容され、上記膨張部の上記ガスの注入による膨張によって上記ウインド部を覆うように展開するカーテンと、上記カーテンの膨張部に上記ガスを供給するガス供給装置と、上記ウインド部周辺において上記第1辺部に繋がる第2辺部の該第1辺部から離間した部位に設けられた支持部と、展開完了状態にある上記カーテンの上記第2辺部側の側部に設けられ、該カーテンの収容状態においては上記支持部よりも上記第1辺部側に位置し、上記膨張部の膨張により該カーテンの展開先端部がカーテン展開方向に移動することに伴って上記第1辺部側から上記支持部に向かって移動して該支持部に係合する係合部とを備え、上記カーテンには、紐状部材が設けられており、上記紐状部材の一端部が、展開完了状態にある上記カーテンにおける上記第2辺部側の側部のカーテン展開方向中間部に結合され、他端部が、上記カーテンにおける上記第2辺部側の側部の上記一端部結合部位よりも展開先端部側に結合され、中間部が、上記カーテンの収容状態において、上記支持部に係合され、上記係合部は、上記紐状部材の上記一端部ないし上記カーテンにおける該一端部の結合部位に設けられていて、上記膨張部の膨張により上記カーテンの展開先端部がカーテン展開方向に移動することに伴って、上記紐状部材における上記支持部との係合位置が上記一端部側へ移動することで、上記支持部に向かって移動して該支持部に係合するように構成され、上記第2辺部には、上記カーテンの収容状態で上記支持部及び紐状部材を覆う合成樹脂製のトリム部材が設けられ、上記カーテンの展開時に、上記紐状部材の他端部ないしその近傍部が上記トリム部材を変形させて上記ウインド部側へ引き出されるように構成されているものとする。
上記の構成により、カーテンの膨張部にガスが注入されると、その膨張部の膨張によりカーテンの展開先端部がカーテン展開方向の前側に移動する。これに伴ってカーテンの第2辺部側の側部に設けた係合部は、ウインド部周辺の第1辺部側から、第2辺部に設けた支持部に向かって移動して、該支持部に係合する。具体的には、カーテンの展開時に、その展開先端部がカーテン展開方向に移動することに伴って、紐状部材が支持部に対して摺動移動して該紐状部材における支持部との係合位置が上記一端部側へ移動することで、係合部が紐状部材に導かれて支持部に係合するようになる。この結果、紐状部材によって係合部を支持部に確実に導くことができ、その係合部を確実に拘束することができる。そして、カーテンにおいて係合部から該カーテンを横断した位置にある端縁部をも拘束することで、それら両拘束部を繋ぐラインが、張力が生じるテンションラインとなる。このテンションラインが形成されていることで、乗り物や建造物の内部の人や物がカーテンに衝突しても、その衝撃力によりカーテンが押されて動くようなことはなく、該衝撃力を受け止めることができる。
また、カーテンの展開時(好ましいのは、展開初期)には、紐状部材の他端部ないしその近傍部がトリム部材を変形させてウインド部側へ引き出される。すなわち、例えば、カーテンの第2辺部側の側部の展開を他の部分よりも遅くすることで、カーテンの第2辺部側の側部が、先に展開した部分の方へ引っ張られる。これにより、カーテンにおける第2辺部側の側部が、収容状態において第1辺部の第2辺部近傍や第2辺部の第1辺部近傍に位置していても、カーテン展開時には第2辺部から離れる側、つまりウインド部側へ移動し、この移動に伴って、カーテンにおける第2辺部側の側部や紐状部材の他端部ないしその近傍部がウインド部側へ引き出される。この結果、カーテンにおける第2辺部側の側部は、合成樹脂製である硬質なトリム部材と殆ど接触しないで展開し、カーテンの展開性が向上するとともに、展開するカーテンの衝撃力を受けてトリム部材が破損してその破片が飛散するようなこともない。
ここで、ウインド部の形状は、その全体が略三角形状であっても、略四角形状であっても、或いはその他の多角形状であってもよく、また、そのウインド部周辺の各辺部は直線状に限らず、円弧状になっていてもよい。
また、カーテンは、例えば蛇腹状に折り畳んで第1辺部に収容する他、ロール状になるように丸く捲き畳んで第1辺部に収容してもよい。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、展開完了状態にある上記カーテンにおける上記第2辺部側の側部は、該カーテンの収容状態において上記第1辺部における上記第2辺部近傍に位置しているものとする。
すなわち、ウインド部の第2辺部側をカーテンで確実に覆うためには、通常、カーテンにおける紐状部材の他端部結合部位を含めた第2辺部側の側部を、カーテン収容状態において第1辺部における第2辺部近傍に位置させる。この場合、カーテンにおける第2辺部側の側部(紐状部材の他端部結合部位)は、カーテンの展開直後に第2辺部に移動し易く、そのまま第2辺部に沿って展開したとすると、トリム部材と干渉する可能性がある。しかし、この発明では、カーテンにおける第2辺部側の側部が、カーテン展開時に第2辺部から離れるように移動するので、トリム部材と干渉することは殆どない。よって、ウインド部の第2辺部側をカーテンで確実に覆うようにしつつ、カーテンの展開性を向上させることができる。
請求項3の発明では、請求項1の発明において、展開完了状態にある上記カーテンにおける上記第2辺部側の側部は、該カーテンの収容状態において上記第2辺部に収容される第2辺部収容部とされ、上記カーテンの第2辺部収容部への上記ガスの供給が、該カーテンにおける上記第1辺部に収容される第1辺部収容部よりも遅くなるようになされているか、又は、該第2辺部収容部へのガスの流動を制限する制限部が設けられているものとする。
すなわち、カーテンにおける第2辺部側の側部(第2辺部収容部)が第2辺部に収容されているために、そのままカーテンが展開すると、第2辺部収容部がトリム部材と干渉してしまう。しかし、この発明では、第2辺部収容部へのガスの供給が第1辺部収容部よりも遅くなるようになされているか、又は、第2辺部収容部へのガスの流動を制限する制限部が設けられているので、第1辺部収容部が第2辺部収容部よりも先に展開し、これにより、第2辺部収容部が、先に展開した第1辺部収容部の方へ引っ張られて、紐状部材と共にウインド部側へ確実に引き出される。よって、カーテンにおける第2辺部側の側部が第2辺部に収容されていても、カーテンの展開性を確実に向上させることができる。
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれか1つの発明において、上記カーテンは、車両のウインド部を覆うように展開するものであり、上記第2辺部は、上記車両のピラーにより構成され、上記トリム部材は、上記ピラーの車室側の面を構成するピラートリムであるものとする。
こうすることで、車両が衝突したり横転したりしたとしても、車両の乗員を適切に保護することができる。また、乗員は、カーテンの展開後に、テンションラインよりも展開先端側部分を車両内側にめくることができ、こうしてウインドから車外へ脱出することができるようになる。
請求項5の発明では、請求項4の発明において、上記ウインド部は、上記車両のサイドウインド部であり、上記第1辺部は、上記車両のルーフサイドレールにより構成され、上記第2辺部は、上記車両の最も後側に位置する後部ピラーにより構成され、上記カーテンは、展開完了時に、該カーテンの車両前側端部が、上記ルーフサイドレールよりも車両前側に位置する前部ピラーの該ルーフサイドレールから離間した部位に固定されるように構成されているものとする。
このことにより、カーテンエアバッグ装置を車両のサイドウインド部に適用した場合に、カーテンの車両前後方向両端部を拘束して、適切なテンションラインを容易に形成することができる。また、カーテンの車両前側端部の固定により、カーテンの車両後側端部が車両後側へ移動するのが阻止され、この結果、カーテンの車両後側端部が後部ピラーより引き出された後に、該後部ピラーに接触することが確実に阻止される。
以上説明したように、本発明のカーテンエアバッグ装置によると、ウインド部周辺において第1辺部に繋がる第2辺部の該第1辺部から離間した部位に設けた支持部に、カーテンにおける上記第2辺部側の側部に設けた係合部を係合させることで拘束してテンションラインを形成するとともに、上記支持部に対し、展開完了状態にあるカーテンにおける上記第2辺部側の側部のカーテン展開方向中間部及びその展開先端部側に一端部及び他端部をそれぞれ結合した紐状部材の中間部を係合し、この紐状部材における該支持部との係合位置の移動によって、紐状部材の上記一端部ないし上記カーテンにおける該一端部の結合部位に設けた上記係合部を支持部に導き、上記第2辺部に、上記カーテンの収容状態で上記支持部及び紐状部材を覆う合成樹脂製のトリム部材を設け、上記カーテンの展開時に、上記紐状部材の他端部ないしその近傍部が上記トリム部材を変形させて上記ウインド部側へ引き出されるように構成したことにより、簡単な構成で、乗り物や建造物内部の人や物によってカーテンが押されて動くことを確実に阻止することができるとともに、カーテンにおける第2辺部側の側部がトリム部材と殆ど接触しないで展開することで、カーテンの展開性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るカーテンエアバッグ装置を示し、このカーテンエアバッグ装置は、車両(自動車)のサイドのウインド部(以下、サイドウインド部という)を覆うように構成されたものである。同図において、1は車体、2は運転席シート5の横のドア6に形成された第1ウインド(フロントウインド)、3は前側後席シート7(運転席シート5の直ぐ後に配設された後席シート)の横のサイドドア16に設けられた第2ウインド(リヤウインド)、4は後側後席シート8(車室内の最も後側に位置する後席シート)の横に設けられた第3ウインド(クォータウインド)である。11はドア6の前側に配置された第1ピラー(フロントピラー)、12はドア6の後側の第2ピラー(前部センタピラー)、13は第2ウインド3と第3ウインド4との間に設けられた第3ピラー(後部センタピラー)、14は第3ウインド4の後側の第4ピラー(クォータピラー)である。
上記各乗員席シート5,7,8には、乗員9を保護するシートベルト15がそれぞれ設けられている。また、各乗員席シート5,7,8は、各々、シートクッション5a,7a,8aとシートバック5b,7b,8bとを有している。
本実施形態では、車体1の上記3つのウインド2〜4が前後に並設された部分を1つのサイドウインド部と捉えている。すなわち、このサイドウインド部は、該サイドウインド部周辺が、上辺部、下辺部、第1側辺部(車両前側の側辺部)及び第2側辺部(車両後側の側辺部)からなる略四角形状に、より具体的には上辺部が下辺部よりも短い略台形状になっている。上記上辺部は車体1のルーフサイドレール32によって構成され、上記下辺部はドア6,16及び車体1のベルトラインによって構成され、上記第1側辺部は第1ピラー11で構成され、上記第2側辺部は第4ピラー14で構成されている。上記上辺部は本発明の第1辺部に相当し、上記第2側辺部は、第1辺部に繋がる第2辺部に相当する。また、上記第1ピラー11は、上記ルーフサイドレール32よりも車両前側に位置する前部ピラーに相当し、第4ピラー14は、車両の最も後側に位置する後部ピラーに相当する。
上記カーテンエアバッグ装置は、ガスが注入されて膨張する膨張部を有するカーテン20と、この膨張部にガスを供給するガス供給装置としてのインフレータ21と、テープ状の横断テザー22と、2つの前端支持テザー38,38と、紐状部材39とを備えている。本実施形態では、カーテン20の略全体が上記膨張部とされているが、上記各乗員席シート5,7,8に着座している乗員9に対応する部分のみが膨張部となるように構成してもよい。
上記カーテン20は蛇腹状に折り畳まれて(ロール状に巻き畳んでもよい)、横断テザー22と共に、サイドウインド部周辺の上辺部ないし第1側辺部の一部に収容されている。この収容状態にあるカーテン20の上記第2側辺部側(車両後側)の端部(展開完了状態にあるカーテン20における第2側辺部側の側部に対応する部分)は、上記上辺部における第2側辺部側の端部近傍に位置している。このカーテン20は、上記膨張部の上記ガスの注入による膨張によって上記サイドウインド部及び該サイドウインド部周辺の下辺部を覆うように展開する。つまり、カーテン20は、サイドウインド部周辺の上辺部から、カーテン展開方向の前側である下側に展開して、その展開先端部が下辺部に達する(下辺部のサイドウインド部側縁を僅かに超える)ようになされている。尚、カーテン20は、折り畳まれた状態が維持されるように、展開時に破れ易い紙等のシート状部材(図示せず)で覆われている。
上記インフレータ21は、車両が所定の状態になったときに作動してガスを発生して供給するものであって、カーテン20の膨張部上部における車両前後方向(上辺部が延びる方向)の略中央部にパイプ28によって繋がっている。上記所定の状態とは、例えば車両の衝突(特に側突)が予知されたとき、該車両の衝突が検出されたとき、又は該車両の横転が判定されたときであり、当該車両にはそれらの状態を検知するためのセンサと、該センサの出力を受けてそれら状態の発生を判定し、インフレータ21を作動させるコントローラとが設けられている。
図2に示すように、上記カーテン20の上端縁は、ピン状の固定用部材55によって、該カーテン20の上記第2側辺部側の端部を含めて複数箇所で、アウタパネル32a及びインナパネル32bからなるルーフサイドレール32の該インナパネル32bに固定されている。そして、折り畳まれたカーテン20の車両内側は、ルーフトリム34によって覆われている。このルーフトリム34は、その側縁がサイドライニング35に脱離可能に係合していて、カーテン20の膨張展開力によってサイドライニング35から外れ、サイドライニング35との間に隙間を形成し、カーテン20の車室内への展開を許容するようになっている。すなわち、カーテン20は、ルーフトリム34とサイドライニング35との隙間から車室内に展開する。このサイドライニング35は、ルーフサイドレール32のフランジ部に保持されている。尚、サイドライニング35は、ウェザーストリップであってもよい。また、上記ルーフトリム34は、第1〜第4ピラー11〜14の箇所では、各ピラーの車室側の面を構成するピラートリム(図3〜図6では、第4ピラーのピラートリムの符号を56としている)と脱離可能に係合しており、カーテン20の膨張展開力によってピラートリムから外れるようになっている。尚、上記第1〜第4ピラー11〜14の各ピラートリムは、ルーフトリム34(発泡性ウレタン樹脂等の軟質材)よりも硬質の合成樹脂(例えばポリプロピレンやサーモプラスチックオレフィン(TPO)等)からなっている。
上記展開完了状態にあるカーテン20の車両前側端部におけるカーテン展開方向(上下方向)中間部の下寄り部分及び下端部の2箇所には、上記2つの前端支持テザー38,38の一端部がそれぞれ結合されている。これら前端支持テザー38,38の他端部は共に、第1ピラー11の下端部(ルーフサイドレール32から離間した部位)に設けた連結部37に回動可能に連結されている。そして、両前端支持テザー38,38は、カーテン20の収容状態では第1側辺部に収容されており、カーテン20が展開すると、それに伴って連結部37の周りに回動しながら、カーテン20の車両前側端部を、その展開が安定するように支持する。カーテン20の展開完了時には、カーテン20の車両前側端部が両前端支持テザー38,38を介して連結部37に固定されることになる。上記両前端支持テザー38,38のうち上側のものは、後述する、カーテン20の上記第2側辺部側(車両後側)の側部の支持(拘束)と共に、カーテン20にテンションライン40を形成する役割を果たす。
図3〜図5に詳細に示すように、上記サイドウインド部周辺において上辺部に繋がる第2側辺部(第4ピラー14)には、支持部材36が設けられている。ここで、上辺部のサイドウインド部側縁と第2側辺部のサイドウインド部側縁との間のサイドウインド部を挟む角度αは、45°〜150°の範囲にあることが好ましい。上記支持部材36は、第4ピラー14のインナパネル14b(第4ピラー14を構成する車体)における上辺部から離間した部位に配置されている。この支持部材36の上下方向両端部が、ボルト53によりインナパネル14bに取付固定されており、支持部材36は、第4ピラー14のインナパネル14bとピラートリム56との間に配置されていることになる。本実施形態では、支持部材36は第2側辺部においてサイドウインド部側縁(第3ウインド4側縁)の近傍位置に配置されている。尚、図5中、14aは第4ピラー14のアウタパネルであり、14cは第4ピラー14のレインフォースメントである。また、51はバックドアであり、54はバックドア51と車体1との間に設けられたウェザーストリップである。
上記支持部材36の上下方向中央部には貫通孔36aが形成されており、この貫通孔36aには紐状部材39が挿通されている。この紐状部材39は、上記カーテン20に設けられたものであって、カーテン20の一部を構成するものである。
上記紐状部材39の一端部は、上記展開完了状態にあるカーテン20における上記第2側辺部側(車両後側)の側部のカーテン展開方向(上下方向)中間部に結合されている。一方、紐状部材39の他端部は、上記カーテン20における上記第2側辺部側の側部の上記一端部結合部位よりも展開先端部側(本実施形態では、展開先端部)に結合されている。そして、カーテン20の収容状態においては、紐状部材39の両端部が上記上辺部に、つまり支持部材36よりも上辺部側に位置しており、紐状部材39の中間部(本実施形態では、長さ方向略中央部)が支持部材36の貫通孔36aと係合した状態にある。また、紐状部材39は、カーテン20の収容状態において、支持部材36と同様に、第4ピラー14のインナパネル14bとピラートリム56との間に配置されている。つまり、ピラートリム56が、カーテン20の収容状態で支持部材36及び紐状部材39を覆っている。
上記紐状部材39において貫通孔36aとの係合部分と上記一端部との間の部分は、貫通孔36aのサイドウインド部側(図3の左側)の開口から出た後に直ぐに上側に曲がって、そのまま第2側辺部を上側へ上昇して、上辺部に収容されたカーテン20の車両後側の端部まで延びている。一方、紐状部材39において貫通孔36aとの係合部分と上記他端部との間の部分は、貫通孔36aの反サイドウインド部側(図3の右側)の開口から出た後、支持部材36の貫通孔36aが形成された突起部分の下側を回ってサイドウインド部側に達した後に第2側辺部を上側へ上昇して、上辺部に収容されたカーテン20の車両後側の端部まで延びている。このように紐状部材39における上記係合部分の他端部側が、支持部材36の貫通孔36aが形成された突起部分の下側を回った後に上昇するようにしているのは、後述の如くカーテン20が展開して、カーテン20の展開先端部(紐状部材39の先端部)が支持部材36の高さ位置よりも下側に位置するまでの間に、紐状部材39が上記突起部分に引っ掛からないようにして、カーテン20の展開性を向上させるためである。
カーテン20が展開すると、その展開先端部がカーテン展開方向の前側である下側に移動し、これに伴って紐状部材39の上記他端部(以下、先端部という)も下側に移動する。このとき、図5に二点鎖線で示すように、ピラートリム56の第3ウインド4側縁部が、紐状部材39の先端部によって車両内側(車室側)に変形させられ、これにより紐状部材39の先端部ないしその近傍部がピラートリム56と第3ウインド4との隙間から車室内に出てくる。すなわち、インフレータ21がカーテン20の車両前後方向略中央部に接続されているので、カーテン20は車両前後方向略中央部から展開し始め、これにより、カーテン20における第2側辺部側の側部は、先に展開した側、つまり車両前側(車両前後方向中央側)へ引っ張られる。この結果、カーテン20における第2側辺部側(車両後側)の側部が、収容状態において上辺部の第2側辺部近傍に位置していても、カーテン20の展開初期に、該側部の展開先端部が第2側辺部から離れる側である車両前側で、かつ下側へ移動し、この移動に伴って該展開先端部に結合された紐状部材39の他端部ないしその近傍部がサイドウインド部側へ引き出されることになる。
ここで、図5に示すように、ピラートリム56の第3ウインド4側縁部は、収容状態にあるカーテン20の車両外側縁における車両後側端の近傍部よりも車両外側に位置しており、平面視で該ピラートリム56の第3ウインド4側縁部と該カーテン20の車両外側縁における車両後側端の近傍部との間の角度θは、鋭角とされている。このことと、上記角度αの好ましい範囲とにより、ピラートリム56の第3ウインド4側縁部が車室内側に変形し易くなって紐状部材39の先端部ないしその近傍部が車室内に出易くなる。
そして、カーテン20の展開先端部(紐状部材39の先端部)が支持部材36の高さ位置よりも下側に位置する状態になると、カーテン20の展開先端部の更なる下側への移動に伴って、紐状部材39が支持部材36の貫通孔36aに対して摺動移動して該紐状部材39における貫通孔36aとの係合位置が上記一端部(以下、基端部という)側へ移動する。これにより、紐状部材39の基端部ないしカーテン20の該基端部結合部位が支持部材36に向かって移動して、やがて支持部材36の貫通孔36aに入り込もうとするが、入り込めずに該貫通孔36aの開口周縁部に当接係合した状態となる(図6参照)。尚、カーテン20の上記基端部結合部位も、上記先端部結合部位と同様に、車両前側に引っ張られるため、紐状部材39の基端部もサイドウインド部側に引き出されるが、紐状部材39の基端部ないしカーテン20の該基端部結合部位は、支持部材36の貫通孔36aとの係合の直前に、ピラートリム56と第3ウインド4との隙間から第4ピラー14内に入り込んで支持部材36に係合する。
上記の紐状部材39の基端部ないしカーテン20の該基端部結合部位と支持部材36の貫通孔36aとの係合により、カーテン20の展開完了状態で、該カーテン20の基端部結合部位ないしその近傍が支持部材36に拘束されることになる。このことで、紐状部材39の基端部ないしカーテン20の該基端部結合部位は、支持部材36に係合する係合部44(図6参照)を構成し、支持部材36(特に貫通孔36a)は、支持部を構成することになる。
一方、カーテン20の車両前側端部は、上記2つの前端支持テザー38,38によって連結部37に支持される。この支持及び上記係合部44の支持部材36との係合により、展開完了状態にあるカーテン20の正面視で、該係合部44と連結部37(又は係合部44とカーテン20における上側の前端支持テザー38の結合部位)とを結ぶ直線がカーテン20のテンションライン40となり、このテンションライン40上でカーテン20に外力が加わっても、カーテン20は煽られないことになる。このように、ルーフサイドレール32のインナパネル32bに固定されているカーテン基端部(上端部)よりも下側に離れた位置で、該カーテン20にテンションライン40が形成されるから、乗員9がウインド2〜4から飛び出すことを防止する上で有利になる。
本実施形態では、乗員席シート5,7,8に着座している乗員9が、アメリカ成人男性の平均の体格を有する者として、その乗員9の頭部の重心の高さ位置が、上記テンションライン40よりも高くなるようにしている。このテンションライン40の高さ位置は、本実施形態では、車両後側ほど高くなるので、車両後側の乗員席シートほど着座位置を高くしている。これにより、乗員9の頭部はカーテン20により確実に保護される。尚、アメリカ成人男性の平均体格よりも小柄な乗員であっても、展開完了状態にあるカーテン20の下端が、サイドウインド部周辺の下辺部のサイドウインド部側縁よりも下側に位置することで、カーテン20には上端から下端に亘って高いテンションが発生するために、確実に保護することができる。
また、本実施形態では、展開完了状態にあるカーテン20の裏面(車両外側の面)に、該カーテン20を横断するように横断テザー22が設けられている。この横断テザー22は、上記テンションライン40上に設けられている。つまり、横断テザー22の車両前側端部が、カーテン20における上記上側の前端支持テザー38の結合部位近傍に結合され、横断テザー22の車両後側端部が、カーテン20における上記紐状部材39の基端部結合部位近傍(係合部44近傍)に結合されている。これにより、カーテン20が展開したときに、上記テンションライン40が形成されるとともに、該テンションライン40に沿って横断テザー22が張られ、このことで、カーテン20の煽りを防止する。尚、上記横断テザー22は、カーテン20の表面(車両内側の面)に設けてもよい。また、この横断テザー22は必ずしも必要なものではなく、上記テンションライン40の形成のみでも、乗員9を十分に保護することが可能である。
図6に示すように、上記カーテン20が完全に展開すると、該カーテン20の展開先端部が下辺部に達し、カーテン20がサイドウインド部のカーテン展開方向(上下方向)全体を覆う。このとき、上記紐状部材39は、略上下方向に略直線状に延びた状態にある。また、係合部44は、上記の如く支持部材36と係合している。
したがって、本実施形態では、係合部44を支持部材36に係合させることで拘束してカーテン20にテンションライン40を形成するようにしたので、展開したカーテン20に乗員が衝突しても、その乗員によってカーテン20が押されて動くことはない。すなわち、カーテン20に上記テンションライン40が形成されていることで、乗員の衝突による衝撃力を受け止めることができる。
また、本実施形態では、カーテン20の展開初期に、カーテン20における第2側辺部側の側部が第2側辺部から離れるように下側へ移動することによって、該側部の展開先端部に結合された紐状部材39の先端部ないしその近傍部がピラートリム56を変形させて第2側辺部側からサイドウインド部側に引き出されるので、カーテン20における第2辺部側の側部が、該カーテン20の収容状態において、上辺部における第2辺部近傍に位置していたとしても、係合部44の支持部材36への係合直前(展開完了直前)を除いてピラートリム56と殆ど接触しないで展開する。よって、カーテン20の展開性が向上するとともに、展開するカーテン20の衝撃力を受けてピラートリム56が破損してその破片が飛散するようなこともない。
さらに、乗員9は、カーテン20の展開後に、テンションライン40よりも展開先端側部分(下側部分)を車両内側にめくり上げることができ、こうしてウインド2〜4のいずれかから車外へ脱出することができるようになる。そして、このようにカーテン20をめくり上げる際に、紐状部材39を弛ませてその一部を貫通孔36aを通して戻すことができるように、例えば貫通孔36aの孔径を大きくしておけば、めくり上げ可能な部分が広がって、車外への脱出が容易となる。
尚、上記実施形態1では、展開完了状態にあるカーテン20の下端部が、サイドウインド部の下辺部を覆うようにしたが、カーテン20が、上辺部から、下辺部よりも上側の位置まで展開するように構成してもよい。
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2を示し(尚、図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、カーテン20における第2側辺部側の側部を第2側辺部に収容するようにしたものである。
すなわち、本実施形態では、展開完了状態にあるカーテン20における第2側辺部側の側部は、図7に二点鎖線で示すように、該カーテン20の収容状態において第2側辺部に収容される第2側辺部収容部20a(第2辺部収容部)とされている。この第2側辺部収容部20aは、固定用部材55によって第4ピラー14のインナパネル14bに固定されてはいない。そして、第2側辺部収容部20aの展開が、カーテン20における上辺部に収容される上辺部収容部20b(第1辺部収容部)よりも遅くなるようになされている。具体的には、上記実施形態1で説明したように、インフレータ21がカーテン20の車両前後方向略中央部に接続されていることに加えて、第2側辺部収容部20aへのガスの流動を制限する制限部61が設けられている。この制限部61は、カーテン20の表面及び裏面同士を縫い合わせてなるものであって、第2側辺部収容部20aの展開を上記上辺部収容部20bよりも、より一層遅くなるようにする。
上記制限部61によって、該制限部61の上側及び下側にガス流路がそれぞれ形成され、この下側のガス流路の断面が上側のものよりも大きく形成されている。これにより、第2側辺部収容部20aにおいては展開先端部が基端部側よりも早く展開することになる。
また、本実施形態では、第2側辺部収容部20aの基端部側には、制限部61と同様の構成の制限部62が設けられ、この制限部62によって、第2側辺部収容部20aにおける基端部側の展開がより一層遅くなるようになされている。尚、上記制限部61を上側に延長して上記上側のガス流路をなくすようにしてもよい。こうすれば、第2側辺部収容部20aにおいて展開先端部が基端部側よりもより一層早く展開することになる。
したがって、本実施形態では、制限部61によって、第2側辺部収容部20aの展開を上辺部収容部20bに対して遅くなるようにしているので、カーテン20が第2側辺部収容部20aを有していても、カーテン20の展開初期に、第2側辺部収容部20aが、先に展開した上辺部収容部20bの方へ大きな力で引っ張られる。これにより、第2側辺部収容部20aが紐状部材39と共にピラートリム56を変形させてサイドウインド部側へ確実に引き出され、その後は、カーテン20における第2辺部側の側部が、ピラートリム56と殆ど接触しないで展開する。この結果、カーテン20の展開初期及び展開完了直前を除いてカーテン20における第2辺部側の側部とピラートリム56との干渉がなく、よって、上記実施形態1と同様の作用効果が得られる。
(実施形態3)
図8は本発明の実施形態3を示し、カーテンエアバッグ装置を、車両のバックドア51に形成されたバックウインド部に設けるようにしたものである。このバックウインド部は、本実施形態では1つのバックウインド58を有していて、該バックウインド部周辺が上辺部、下辺部、第1側辺部(車両左側の側辺部)及び第2側辺部(車両右側の側辺部)からなる略四角形状をなす、より具体的には車幅方向が上下方向よりも長い略長方形状(厳密には上辺部が下辺部よりも短い略台形状)をなしている。このバックウインド部周辺の下辺部は、後側後席シート8のシートバック8aの上端よりも下側に位置している。そして、このカーテンエアバッグ装置は、上記実施形態1と同様に、膨張部を有しかつ該膨張部のガスの注入による膨張によって上記バックウインド部を覆うように展開するカーテン20と、このカーテン20の膨張部上部における車幅方向(上辺部が延びる方向)の略中央部にパイプ28によって接続され、該膨張部にガスを供給するインフレータ21とを備えている。本実施形態においても、上記実施形態1と同様に、カーテン20の略全体が上記膨張部とされているが、後側後席シート8の車幅方向における乗員着座位置に対応する部分のみが膨張部となるように構成してもよい。
上記カーテン20は、バックウインド部周辺の上辺部に蛇腹状に折り畳まれた状態(ロール状に巻き畳んだ状態であってもよい)で収容されている。このカーテン20が収容される上辺部としては、車体1のリヤヘッダー59であってもよく、バックドア51内におけるバックウインド58の上側部分であってもよい。本実施形態では、カーテン20は、固定用部材55によってリヤヘッダー59の車体部材に固定して該リヤヘッダー59に収容している。この収容状態にあるカーテン20の車幅方向両端部(展開完了状態にあるカーテン20の両側部にそれぞれ対応する部分)は、上記上辺部における両端部近傍にそれぞれ位置している。そして、カーテン20は、上記上辺部から下側に展開して、その展開先端部が下辺部に達する(下辺部のバックウインド部側縁を僅かに超える)ようになされている。
上記バックウインド部周辺において上記第1及び第2側辺部の上記上辺部から離間したそれぞれの部位には、支持部材36,36がそれぞれ設けられている。これら両支持部材36,36は、上記実施形態1のものと同じであって、それぞれ第1及び第2側辺部において、支持部材36の貫通孔36aが上記後側後席シート8のシートバック8aの上端よりも上側の高さに位置するように設けられている。
尚、上記支持部材36,36がそれぞれ設けられる第1及び第2側辺部は、本実施形態のようにカーテン20がリヤヘッダー59に収容される場合には、バックドア51に対して左右両側に位置する車体部分(ピラー)で構成され、カーテン20がバックドア51内におけるバックウインド58の上側部分に収容される場合には、バックドア51内におけるバックウインド58の左右両側部分で構成される。上記バックドア51に対して左右両側に位置する車体部分及びバックドア51におけるバックウインド58の左右両側部分の車室側は、上記実施形態1におけるピラートリム56と同様の材料からなる硬質のトリム部材で覆われている。
上記実施形態1と同様に、カーテン20の収容状態において、各支持部材36の貫通孔36aには紐状部材39が挿通されてその略中央部が貫通孔36aに係合しており、車両左側の支持部材36と係合する紐状部材39の両端部は、展開完了状態にあるカーテン20の車両左側の側部のカーテン展開方向(上下方向)中間部と展開先端部とにそれぞれ結合され、車両右側の支持部材36と係合する紐状部材39の両端部は、展開完了状態にあるカーテン20の車両右側の側部のカーテン展開方向(上下方向)中間部と展開先端部とにそれぞれ結合されている。これら両紐状部材39,39の基端部ないしカーテン20の該両基端部結合部位が、それぞれ係合部44,44とされている。これにより、カーテン20が展開したときに、両係合部44,44が両支持部材36,36の貫通孔36a,36aにそれぞれ係合し、このことで、両係合部44,44同士を結ぶテンションライン40が形成される。このテンションライン40は、本実施形態では、水平に延びるように形成される。
また、上記実施形態1と同様に、展開完了状態にあるカーテン20の裏面(車両後側の面)に、上記テンションライン40に沿って横断テザー22が設けられている。この横断テザー22の両端部は、カーテン20における上記両係合部44近傍にそれぞれ結合されている。尚、本実施形態においても、横断テザー22は、カーテン20の表面(車両前側の面)に設けてもよく、或いはなくしてもよい。
上記テンションライン40及び横断テザー22の高さ位置は、上記後側後席シート8に着座している乗員が、アメリカ成人男性の平均の体格を有する者として、その乗員の頭部の重心の高さ位置よりも低くなるようにしている。
本実施形態においても、上記実施形態1と同様に、カーテン20にテンションライン40を形成することで、乗員の衝突による衝撃力を受け止めて乗員を確実に保護することができる。また、上記実施形態1と同様に、カーテン20の車幅方向略中央部に接続されているので、カーテン20は車幅方向略中央部から展開し始め、カーテン20の両側部は、車幅方向中央側へ引っ張られる。これにより、カーテン20の展開初期に、カーテン20の両側部がそれぞれ第1側辺部及び第2側辺部から離れながら下側へ移動し、この移動に伴って両紐状部材39,39の他端部ないしその近傍部がバックウインド部側へ引き出されることになる。この結果、カーテン20の両側部は、支持部材36及び紐状部材39を覆う上記トリム部材と殆ど接触しないで展開し、カーテン20の展開性が向上する。
尚、上記実施形態3では、展開完了状態にあるカーテン20の両側部を、該カーテン20の収容状態において、バックウインド部周辺の上辺部(リヤヘッダー59)における両端部近傍にそれぞれ位置させたが、上記実施形態2と同様に、カーテン20の第1側辺部側の側部を、第1側辺部に収容される第1側辺部収容部とし、カーテン20の第2側辺部側の側部を、第2側辺部に収容される第2側辺部収容部としてもよい。
また、上記実施形態3では、展開完了状態にあるカーテン20の下端部が、バックウインド部の下辺部を覆うようにしたが、カーテン20が、上辺部から、下辺部よりも上側の位置まで展開するように構成してもよい。この場合、カーテン20が、上辺部から後側後席シート8のシートバック8aの上端よりも下側の位置まで展開するように構成することが好ましい。すなわち、後側後席シート8のシートバック8aの存在により、車両後突時にカーテン20に衝突するのは乗員の頭部であり、この頭部の重心位置がテンションライン40よりも上側にあるので、カーテン20がバックウインド部の上下方向全体を覆わなくても、乗員頭部の衝撃力を良好に受け止めることができるようになる。
さらに、バックウインド部は、1つのバックウインド58を有するものとしたが、上記実施形態1のように複数あるものであってもよい。
さらにまた、上記実施形態1〜3では、カーテンエアバッグ装置を車両のサイドウインド部及びバックウインド部にそれぞれ設けたが、車両のルーフのウインド部に設けてもよく、車両以外の他の乗り物のウインド部や、家屋、ビル、宇宙ステーション等の建造物のウインド部に設けることも可能である。
また、ウインド部の形状は、略四角形状である必要はなく、略三角形状であってもよい。この場合、第2辺部の第1辺部とは反対側の端部に第3辺部が繋がり、この第3辺部の第2辺部とは反対側の端部に第1辺部が繋がることになる。或いは、その他の多角形状であってもよい。また、ウインド部周辺の各辺部は、直線状や円弧状を含め、どのような形状であってもよい。
さらに、ウインド部におけるウインドの数は1つであっても2以上であってもよい。ウインドの数が2以上である場合、ウインド部としては、それら2以上のウインドを囲む、最も端のウインド縁に略沿った多角形状とすればよい。
本発明は、乗り物や建造物のウインド部を覆うカーテンを備えたカーテンエアバッグ装置に有用であり、特に車両のサイドウインド部やバックウインド部に設ける場合に有用である。
本発明の実施形態1に係るカーテンエアバッグ装置を示す、車両の車室側から見た図である。 図1のII−II線断面図である。 車両の後端部上側部分を拡大して示す、車室側から見た要部拡大図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV−V線断面図である。 カーテンの展開完了状態を示す図3相当図である。 本発明の実施形態2を示す図6相当図である。 本発明の実施形態3を示す、車両外側(車両後側)から見た図である。
符号の説明
1 車体
2〜4 ウインド
14 第4ピラー(第2辺部)
20 カーテン
20a 第2側辺部収容部(第2辺部収容部)
20b 上辺部収容部(第1辺部収容部)
21 インフレータ(ガス供給装置)
32 ルーフサイドレール(第1辺部)
36 支持部材(支持部)
39 紐状部材
44 係合部
56 第4ピラーのピラートリム(トリム部材)
58 バックウインド
61 制限部

Claims (5)

  1. 1又は2以上のウインドを有するウインド部に設けられるカーテンエアバッグ装置であって、
    ガスが注入される膨張部を有し、上記ウインド部周辺の第1辺部に収容され、上記膨張部の上記ガスの注入による膨張によって上記ウインド部を覆うように展開するカーテンと、
    上記カーテンの膨張部に上記ガスを供給するガス供給装置と、
    上記ウインド部周辺において上記第1辺部に繋がる第2辺部の該第1辺部から離間した部位に設けられた支持部と、
    展開完了状態にある上記カーテンの上記第2辺部側の側部に設けられ、該カーテンの収容状態においては上記支持部よりも上記第1辺部側に位置し、上記膨張部の膨張により該カーテンの展開先端部がカーテン展開方向に移動することに伴って上記第1辺部側から上記支持部に向かって移動して該支持部に係合する係合部とを備え、
    上記カーテンには、紐状部材が設けられており、
    上記紐状部材の一端部が、展開完了状態にある上記カーテンにおける上記第2辺部側の側部のカーテン展開方向中間部に結合され、他端部が、上記カーテンにおける上記第2辺部側の側部の上記一端部結合部位よりも展開先端部側に結合され、中間部が、上記カーテンの収容状態において、上記支持部に係合され、
    上記係合部は、上記紐状部材の上記一端部ないし上記カーテンにおける該一端部の結合部位に設けられていて、上記膨張部の膨張により上記カーテンの展開先端部がカーテン展開方向に移動することに伴って、上記紐状部材における上記支持部との係合位置が上記一端部側へ移動することで、上記支持部に向かって移動して該支持部に係合するように構成され、
    上記第2辺部には、上記カーテンの収容状態で上記支持部及び紐状部材を覆う合成樹脂製のトリム部材が設けられ、
    上記カーテンの展開時に、上記紐状部材の他端部ないしその近傍部が上記トリム部材を変形させて上記ウインド部側へ引き出されるように構成されていることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  2. 請求項1記載のカーテンエアバッグ装置において、
    展開完了状態にある上記カーテンにおける上記第2辺部側の側部は、該カーテンの収容状態において上記第1辺部における上記第2辺部近傍に位置していることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  3. 請求項1記載のカーテンエアバッグ装置において、
    展開完了状態にある上記カーテンにおける上記第2辺部側の側部は、該カーテンの収容状態において上記第2辺部に収容される第2辺部収容部とされ、
    上記カーテンの第2辺部収容部への上記ガスの供給が、該カーテンにおける上記第1辺部に収容される第1辺部収容部よりも遅くなるようになされているか、又は、該第2辺部収容部へのガスの流動を制限する制限部が設けられていることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のカーテンエアバッグ装置において、
    上記カーテンは、車両のウインド部を覆うように展開するものであり、
    上記第2辺部は、上記車両のピラーにより構成され、
    上記トリム部材は、上記ピラーの車室側の面を構成するピラートリムであることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  5. 請求項4記載のカーテンエアバッグ装置において、
    上記ウインド部は、上記車両のサイドウインド部であり、
    上記第1辺部は、上記車両のルーフサイドレールにより構成され、
    上記第2辺部は、上記車両の最も後側に位置する後部ピラーにより構成され、
    上記カーテンは、展開完了時に、該カーテンの車両前側端部が、上記ルーフサイドレールよりも車両前側に位置する前部ピラーの該ルーフサイドレールから離間した部位に固定されるように構成されていることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
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