JP7512142B2 - カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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本発明は、カーテンエアバッグ装置に関する。より詳しくは、自動車等の車両のルーフサイドレールに取り付けられ、車両の緊急時に車両側壁の上方から下方へ膨張展開し、乗員を保護するカーテンエアバッグ装置に関するものである。
カーテンエアバッグ装置は、ルーフサイドレールと天井材との間の空間等に収納され、車両の側面衝突時等の緊急時に、乗員を保護するために、ガスが導入されて膨張したエアバッグを車室内(以下、単に「車内」ともいう)に展開させる装置である。従来、カーテンエアバッグ装置について、車室内の乗員を受け止める衝撃吸収機能(クッション性)を向上させる方法が種々検討されており、例えば、特許文献1には、一端がフロントピラーに接続され、他端が端部チャンバ(フロントチャンバ)よりも車両後方のシーム部(非膨張領域)に固定されたフロントストラップを備えるエアバッグによって、フロントチャンバの展開位置を車両内側に寄せつつエアバッグのテンションを向上させた車両用カーテンエアバッグ装置が記載されている。
国際公開第2012/144404号
ところで、カーテンエアバッグ装置に求められる主な性能としては、乗員の頭部保護や車外放出防止が挙げられ、側面衝突だけでなく、斜め衝突(オブリーク衝突)にも対応可能であることも求められる。ここで、車外放出防止とは、車両の横転時に乗員が窓から車外に放り出されることを防止することを意味する。
これに対して、特許文献1に記載の車両用カーテンエアバッグ装置の場合、フロントストラップの他端は、エアバッグの非膨張領域に設けられていることから、フロントストラップは一端を中心として移動可能である。そのため、乗員の頭部を受け止める乗員拘束時に、エアバッグ全体が車外側へ移動し乗員の頭部と離れてしまい、乗員の頭部を拘束するまで時間が掛かるおそれがある。したがって、乗員の頭部の初期拘束性能を向上することが求められていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、乗員の頭部の初期拘束性能を向上することができるカーテンエアバッグ装置を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、少なくとも車両の複数のピラーの間に位置するルーフサイドレールに取り付けられるカーテンエアバッグ装置であって、ガスを発生するインフレータと、収納時に折り畳まれており、上記ガスの流入によって上記ルーフサイドレールから車室内下方へ向かって膨張展開する保護膨張部と、上記保護膨張部の上部に設けられ上記ルーフサイドレールに取り付けられる複数の取付部と、を有するエアバッグと、一端が上記ピラーの第1固定部に固定され、他端が上記ルーフサイドレールの第2固定部に固定された規制部材と、を備え、上記第1固定部と上記第2固定部が車両前後方向で異なる位置に設けられ、上記エアバッグの膨張展開状態において、上記保護膨張部の車幅方向外側に上記規制部材が位置するカーテンエアバッグ装置である。
本発明のカーテンエアバッグ装置によれば、乗員の頭部の初期拘束性能を向上することができる。
車両に取り付けた実施形態のカーテンエアバッグ装置の初期状態を模式的に示しており、車両側壁を正面視している。 図1のカーテンエアバッグ装置が備えるエアバッグ及び規制部材の初期状態を模式的に示す図である。 図1のカーテンエアバッグ装置が備えるエアバッグ及び規制部材の展開状態を模式的に示す図である。 車両に取り付けた実施形態のカーテンエアバッグ装置の展開状態を模式的に示しており、車外側から車両側壁を正面視している。 図4のカーテンエアバッグ装置を車両下方側から見た図である。 図4中のA-A線に沿ったカーテンエアバッグ装置の断面を模式的に示す図である。 フロントピラー、センターピラー及びルーフサイドレールの位置関係を模式的に示しており、車両上方から見た図である。 実施形態のカーテンエアバッグ装置における保護膨張部及び規制部材と乗員の頭部との位置関係を模式的に示す図である。 車両に取り付けた比較形態のカーテンエアバッグ装置の展開状態を模式的に示しており、車外側から車両側壁を正面視している。 図9のカーテンエアバッグ装置を車両下方側から見た図である。 図9中のB-B線に沿ったカーテンエアバッグ装置の断面を模式的に示す図である。 比較形態のカーテンエアバッグ装置における保護膨張部及び規制部材と乗員の頭部との位置関係を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のカーテンエアバッグ装置の一実施形態について説明する。なお、各図中に示される矢印REは、車両後方を示し、矢印UPは、車両上方を示し、矢印INは、車幅方向内側を示している。
図1は、車両に取り付けた実施形態のカーテンエアバッグ装置の初期状態を模式的に示しており、車両側壁を正面視している。「初期状態」は、エアバッグ20が膨張展開を開始する前の状態を意味する。図1に示すように、車両50の側壁は、車両前方のフロントピラー(Aピラー)52、車両中央のセンターピラー(Bピラー)53、車両後方のリアピラー(Cピラー)54等の複数のピラーと、少なくとも複数のピラーの間であって車両上方に位置するルーフサイドレール51と、を含んで構成される。カーテンエアバッグ装置1は、ルーフサイドレール51に取り付けられる。初期状態のカーテンエアバッグ装置1は、車両50の車内側の側壁と内装材との間に形成された空間(車両側壁の収納部)に収納されており、車内の乗員からは視認できない。内装材は、車両50の車内側の側壁を覆う部材であり、例えば、ルーフサイドレール51を覆う天井材、フロントピラー52を覆うフロントピラートリム、センターピラー53を覆うセンターピラートリム、リアピラーを覆うリアピラートリムが挙げられる。
カーテンエアバッグ装置1は、ガスを発生するインフレータ10と、エアバッグ(カーテンエアバッグ)20と、規制部材(テザー)30とを備える。
インフレータ10は、シリンダー状(円柱状)のガス発生装置であり、車両前後方向の一端にガス噴出孔を有する。ガス噴出孔は、筒状に縫製されて形成されたエアバッグ20のガス導入部21に挿入されている。インフレータ10が発生したガスは、インフレータ10のガス噴出孔からエアバッグ20のガス導入部21を通じて、エアバッグ20内部に導入される。ガス導入部21は、ガスが漏れ出さないように、挿入されたインフレータ10とともにバンド11で締め付けられている。インフレータ10は、センターピラー53の上方で、ルーフサイドレール51に取り付けられており、エアバッグ20のガス導入部21は、エアバッグ20の上縁(車両高さ方向の上端)に配置されている。ガス導入部21が車両50の前後方向の中央付近に設けられていることから、エアバッグ20内部では、車両50の前後方向の中央付近から前端へ向かうガスの流れと、車両50の前後方向の中央付近から後端へ向かうガスの流れとが生じることになる。
インフレータ10は、車両50の緊急時に作動する。例えば、車両50に搭載された衝突検知センサが車両50の側面衝突や斜め衝突(オブリーク衝突)を検知した場合、衝突検知センサから送られた信号をECUが演算し、衝突のレベルが判定される。判定された衝突のレベルが、エアバッグ20を膨らませる場合に該当すると、インフレータ10が着火され、燃焼による化学反応でガスが発生する。
図2は、図1のカーテンエアバッグ装置が備えるエアバッグ及び規制部材の初期状態を模式的に示す図であり、図3は、図1のカーテンエアバッグ装置が備えるエアバッグ及び規制部材の展開状態を模式的に示す図である。エアバッグ20は、図3に示す平面形状を有し、内部にガスを充填することで膨張可能な袋状の保護膨張部23と、保護膨張部23の上部に設けられ、ルーフサイドレール51等の車両側壁への取り付けに用いられる複数の取付部22と、を備える。初期状態では、保護膨張部23が折り畳まれ、膨張時に破断可能なラッピング材(図示せず)が周囲に巻き付けられることによって、図2に示す棒状にされる。棒状のエアバッグ20は、フロントピラー52及びルーフサイドレール51に取り付けられ、車両側壁の収納部に収納される。車両50の緊急時には、インフレータ10が発生したガスが保護膨張部23の内部に充填されることで、保護膨張部23は、膨張しながら折り畳みが解ける。そして、膨張した保護膨張部23の圧力によって内装材が押し開けられると、保護膨張部23は車内に降下して更に膨張し、車内側壁に沿って車両50の下方へ向かってカーテン状に展開し、図3に示す形状になる。膨張展開した保護膨張部23が、車両50の前後方向に沿って側壁及び窓を車内側から覆うことにより、車内の乗員は、頭部を中心に保護される。
エアバッグ20は、重ね合わせた基布を外周接合部24で接合することによって袋状の保護膨張部23が形成される。基布は、例えば、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の糸で形成することができる。また、基布は、耐熱性や気密性の向上等のために、シリコン等で表面が被覆されたものであってもよい。上記重ね合わせた基布は、互いに独立した2枚の基布であってもよいし、1枚の基布を2つ折りにして作製した同一の基布の対向する部分であってもよい。
外周接合部24は、気密性を有する袋状の保護膨張部23が形成されるように、ガス導入部21を除いて基布を環状に接合した部分であり、保護膨張部23の外縁形状を規定する。本発明において、接合の方法は特に限定されず、例えば、縫製、接着、溶着、それらの組み合わせが挙げられる。外周接合部24の接合には、気密性及び接合強度が求められることから、縫製と接着の併用が好適である。
また、外周接合部24に囲まれた領域内には、表裏で対向する基布を互いに接合した接合部25が設けられてもよい。接合部25を設けることにより、保護膨張部23の車幅方向における膨張時の厚みを部分的に規制し、保護膨張部23の膨張形状を制御することができる。これにより、保護膨張部23の内部容量や膨張厚みを調整したりすることで乗員保護性能を高めることができる。
保護膨張部23の上部には、複数の取付部22がエアバッグ20の上縁から突出するように設けられている。取付部22は、ボルトやクリップを用いてルーフサイドレール51及びフロントピラー52に固定される。
また、エアバッグ20は、規制部材30の中間部34を移動可能に保持するガイド部26を有することが好ましい。ガイド部26によって規制部材30の中間部34が保持されることにより、エアバッグ20がルーフサイドレール51から車室内下方へ膨張展開するのに合わせて、規制部材30も車室内下方へ展開することができる。ガイド部26は、図3に示すように、規制部材30の中間部34を車両前後方向に移動可能にしつつ保持するものであることが好ましい。これにより、保護膨張部23の膨張展開とガイド部26の展開とがより円滑に行われる。また、ガイド部26の具体的形態としては、図3に示すように、規制部材30を移動可能に挿入するための開口(スリット)が挙げられる。開口は、保護膨張部23を構成する気室の内部と連通しないように設けられることが好ましい。例えば、開口は、気室から離れた位置で基布を貫通するものであってもよいし、基布に両端が接合された帯状部材(ベルト)により形成された空間であってもよい。また、本実施形態では、ガイド部(開口)26は2つ設けられているが、ガイド部(開口)26の数は特に限定されない。
規制部材30は、インフレータ10が発生したガスの流入によって、保護膨張部23がルーフサイドレール51から車室内下方へ向かって膨張展開する際に、保護膨張部23の位置及び膨張形状を規制する役割を有する帯状又は紐状の部材であり、初期状態では、折り畳まれた保護膨張部23に巻き込まれている。規制部材30の一端32は、ピラーの第1固定部57に固定され、規制部材30の他端36は、ルーフサイドレール51の第2固定部58に固定される。第1固定部57と第2固定部58とは、車両前後方向で異なる位置に設けられる。すなわち、規制部材30は、車室側方において車両前後方向に延在する。
図1に示すように、第1固定部57は、フロントピラー52に位置することが好ましく、第2固定部58は、ルーフサイドレール51に位置し、好ましくは、センターピラー53よりも車両後方に位置する。なお、後部座席の乗員頭部の初期拘束性能を向上させる目的で規制部材30を設ける場合等には、第1固定部57が車両後方のリアピラー54に位置してもよい。
また、第1固定部57と第2固定部58とは、車両上下方向で異なる高さに設けられることが好ましい。すなわち、規制部材30は、車室側方において斜めに延在することが好ましく、保護膨張部23と乗員との接触部(打点)に対して車両幅方向に平行に延在することがより好ましい。
規制部材30は、両端が車両に固定されていることから、保護膨張部23が車室内下方へ向かって膨張展開することでその経路の長さが収納時の経路よりも長くなりテンション(張力)を生じる。このテンションによって、保護膨張部23の位置及び膨張形状を規制することができる。また、規制部材30は、エアバッグ20の膨張展開状態において、保護膨張部23の車幅方向外側に位置するように配置される。これにより、膨張した保護膨張部23が車外側へ突出及び移動することを抑制できる。
規制部材30は、エアバッグ20に設けられたガイド部26によって、中間部34が移動可能に保持されることが好ましく、例えば開口を通過していることが好ましい。開口を通過させることにより、膨張展開時の保護膨張部23の膨張及び移動の自由を一定程度確保しつつ、規制部材30によって膨張展開時の保護膨張部23の位置及び膨張形状を的確に規制することができる。
規制部材30の材料は特に限定されないが、高強度で伸びにくいものが好適である。規制部材30の材料としては、例えば、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の糸で織られた布の表面をシリコン処理して形成される、シリコンコート布が用いられる。
次に、図4~12を用いて、実施形態のカーテンエアバッグ装置1におけるエアバッグ20の展開挙動について、比較形態のカーテンエアバッグ装置と対比しつつ、より詳細に説明する。
まず、規制部材30が設けられない場合について考えると、取付部22の下で展開する保護膨張部23は、取付部22を中心として車幅方向に厚みを持って膨張する。複数の取付部22は、ルーフサイドレール51に取り付けられることから、保護膨張部23は、ルーフサイドレール51の車内側及び車外側の両方に向かって膨張することになる。
次に、図9~11に示す比較形態のカーテンエアバッグ装置のように、規制部材130の一端32がフロントピラー(Aピラー)52に固定され、規制部材130の他端がエアバッグ20に固定される場合について考える。図9は、車両に取り付けた比較形態のカーテンエアバッグ装置の展開状態を模式的に示しており、車外側から車両側壁を正面視している。図10は、図9のカーテンエアバッグ装置を車両下方側から見た図である。図11は、図9中のB-B線に沿ったカーテンエアバッグ装置の断面を模式的に示す図である。
規制部材130が設けられている場合、膨張した保護膨張部23の車幅方向の厚みが増大することに伴い、エアバッグ20の車両前後方向の見かけ長さが短くなる。その結果、一端32がフロントピラー52に固定されている規制部材130は、エアバッグ20に固定されている他端を介してガス導入部21側(ガスの上流側)へ引っ張られることになる。すなわち、丸く膨張しようとすることで車幅方向に厚みが増すエアバッグ20に対し、規制部材30は他端から一端32まで最短距離を通るように真っ直ぐになろうとするため、エアバッグ20の形状変化に伴い規制部材130には張力(テンション)が発生する。図9~11に示すように、規制部材130の車内側に保護膨張部23が配置されているので、保護膨張部23は、張力が発生した規制部材130によって車内側に押されることによって、規制部材130がない場合よりも乗員の頭部に近づけられる。また、車両50の側面衝突時又は斜め衝突時に、乗員の頭部は車外側に移動し、乗員の頭部と保護膨張部23とが接触すると、保護膨張部23は車外側に移動しようとするが、規制部材130が車内側に押し戻そうとするため、反力が発生し乗員の頭部を拘束することができる。しかしながら、規制部材130の他端は一端32を支点として移動可能であることから、乗員の頭部を受け止める乗員拘束時に、上記張力又は乗員の頭部の移動によって保護膨張部23全体が車外側へ移動し乗員の頭部と離れてしまうおそれがあり、乗員の頭部を充分に拘束するまでに時間が掛かってしまう。
次に、図4~6に示す実施形態のカーテンエアバッグ装置のように、規制部材30の一端32がフロントピラー(Aピラー)52に固定され、規制部材30の他端36がルーフサイドレール51に固定される場合について考える。図4は、車両に取り付けた実施形態のカーテンエアバッグ装置の展開状態を模式的に示しており、車外側から車両側壁を正面視している。図5は、図4のカーテンエアバッグ装置を車両下方側から見た図である。図6は、図4中のA-A線に沿ったカーテンエアバッグ装置の断面を模式的に示す図である。
規制部材30の両端が車両側壁に固定されている場合、規制部材30の一端32だけでなく他端36も移動しないので、乗員の頭部を受け止める乗員拘束時にすぐに反力が発生し、保護膨張部23が車外側へ移動することを抑制することができる。したがって、本実施形態のカーテンエアバッグ装置1によれば、両端が車両側壁に固定された規制部材30によって保護膨張部23が車内側に押されることにより、保護膨張部23と乗員の頭部との距離が近くなり、かつ規制部材30によって充分な反力が得られることから、保護膨張部23による乗員頭部の初期拘束を早くすることができる。乗員頭部の拘束を早くすれば、乗員の頭部の移動量を小さくし、反力を抑制することができるので、頭部が回転することで脳が受ける傷害値(BrIC:Brain Injury Criteria)を低減することが可能である。
また、本実施形態では、第1固定部57は、フロントピラー52に位置し、第2固定部58は、センターピラー53よりも車両後方に位置する。言い換えれば、規制部材30の一端32は、車両50のフロントピラー52に取り付けられ、規制部材30の他端36は、センターピラー53よりも車両後方に固定されている。図7は、フロントピラー、センターピラー及びルーフサイドレールの位置関係を模式的に示しており、車両上方から見た図である。図8は、実施形態のカーテンエアバッグ装置における保護膨張部及び規制部材と乗員の頭部との位置関係を模式的に示す図である。図12は、比較形態のカーテンエアバッグ装置における保護膨張部及び規制部材と乗員の頭部との位置関係を説明する図である。説明を分かりやすくするために、図8及び12では、各気室の長手方向が車両上下方向にある複数の縦気室23Bによって構成される保護膨張部23を示しているが、本発明における保護膨張部23は、気室が1つのみであってもよく、各気室の短手方向が車両上下方向にある複数の横気室によって構成されるものであってもよい。
車両50を上方から見ると、フロントピラー52はルーフサイドレール51に対して車外側へ開いている。図7、8及び12において、点Aが、フロントピラー52の車両下方側の端部を示し、点Bが、フロントピラー52の車両上方側の端部(フロントピラー52とルーフサイドレール51との接合点)の位置を示し、点Cが、センターピラー53とルーフサイドレール51の接合点の位置を示しており、点Aを通る線と点Cを通る線との距離が、フロントピラー52が車外側に開いた量に相当する。フロントピラー52が車外側に開いていることにより、規制部材30の一端32をフロントピラー52、他端36をルーフサイドレール51に固定した場合には、規制部材30の中間部34が、車両後方から前方に向かうにつれて上から下へ、また、車内側から車外側に位置することになる。したがって、第1固定部57がフロントピラー52に位置する場合、図8と図12との対比から分かるように、第2固定部58が乗員90の頭部91よりも後方に位置すると、保護膨張部23の乗員90の頭部91側方で膨張展開する部分と乗員90の頭部91との距離を近づけ、両者を早期に接触させることができる。また、規制部材30が張っていることで接触直後から保護膨張部23による反力が得られるので、保護膨張部23による乗員90の頭部91の初期拘束を早くすることができる。更に、第2固定部58がセンターピラー53よりも車両後方であれば、規制部材30がセンターピラー53と当接することによって、規制部材30の車外側への移動をより充分に抑制することができる。
また、本実施形態では、エアバッグ20は、規制部材30の中間部34を車両前後方向に移動可能にしつつ保持するガイド部26を有する。ガイド部26によって、規制部材30の中間部34が車両前後方向(エアバッグ20の長手方向)に移動可能に保持されることから、エアバッグ20は、規制部材30に規制されずに車両前後方向(エアバッグ20の長手方向)に展開することが可能である。また、ガイド部26によって規制部材30が保持されているので、エアバッグ20がルーフサイドレール51から下方へ膨張展開するのに合わせて、規制部材30も下方へ展開することができる。更に、図9~11に示す比較形態のように、規制部材130の他端がエアバッグ20に固定される場合には、規制部材130によってエアバッグ20が引っ張られるために保護膨張部23の車幅方向の厚みが抑制されるが、本実施形態のように、エアバッグ20と規制部材30とが固定されずに保持されている場合には、エアバッグ20が規制部材30に沿って移動することで保護膨張部23の車幅方向の厚みが抑制されず、保護膨張部23の膨張時の厚みを大きくすることが可能である。
更に、ガイド部26は、保護膨張部23の車幅方向における車外側最大突出部23Aに設けられている。言い換えれば、図6に示したように、膨張展開状態のエアバッグにおけるガイド部26が配置された領域の断面を見たときに、ガイド部26が、保護膨張部23の最も車外側に膨らんだ部分(車両上下方向における保護膨張部の車外側の頂点)に設けられ、当該部分に規制部材30が当接していることが好ましい。これにより、乗員拘束時に、保護膨張部23が規制部材30に対してずれることを抑制できる。
ガイド部26は、保護膨張部23の車幅方向における最大幅部に設けられていてもよい。この場合においても、乗員拘束時に、保護膨張部23が規制部材30に対してずれることを抑制する効果が得られる。なお、保護膨張部23の車幅方向における車外側最大突出部23Aと保護膨張部23の車幅方向における最大幅部とは一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
また、本実施形態では、保護膨張部23は、エアバッグ20の膨張展開状態において、車両50のドアトリム55の上端よりも車両下側に位置する係止膨張部27を含む。係止膨張部27がドアトリム55と当接することにより、保護膨張部23はドアトリム55から反力を得ることができ、この反力を利用して保護膨張部23が車外側に移動するのを抑制することができる。なお、乗員90の頭部91と保護膨張部23とが当接した時点ではドアトリム55と係止膨張部27が当接していなくてもよく、この時点では保護膨張部23は規制部材30から反力を得ることができる。その後、頭部91が更に車外側に移動すると、ドアトリム55と係止膨張部27とが当接することによる反力を得ることができるので、保護膨張部23が車外側に移動するのを抑制することができる。
上記した本実施形態のカーテンエアバッグ装置によれば、規制部材30の機能により、頭部保護、及び、車外放出防止の効果を奏することが可能であり、側面衝突だけでなく斜め衝突(オブリーク衝突)にも対応することが可能である。
本発明は、上記実施形態に記載された内容に限定されるものではなく、実施形態に記載された各構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜削除されてもよいし、追加されてもよいし、変更されてもよいし、組み合わされてもよい。
1:カーテンエアバッグ装置
10:インフレータ
11:バンド
20:エアバッグ(カーテンエアバッグ)
21:ガス導入部
22:取付部
23:保護膨張部
23A:車外側最大突出部
23B:縦気室
24:外周接合部
25:接合部
26:ガイド部
27:係止膨張部
30、130:規制部材(テザー)
32:一端
34:中間部
36:他端
50:車両
51:ルーフサイドレール
52:フロントピラー
53:センターピラー
54:リアピラー
55:ドアトリム
57:第1固定部
58:第2固定部
90:乗員
91:頭部

Claims (3)

  1. 少なくとも車両の複数のピラーの間に位置するルーフサイドレールに取り付けられるカーテンエアバッグ装置であって、
    ガスを発生するインフレータと、
    収納時に折り畳まれており、前記ガスの流入によって前記ルーフサイドレールから車室内下方へ向かって膨張展開する保護膨張部と、前記保護膨張部の上部に設けられ前記ルーフサイドレールに取り付けられる複数の取付部と、を有するエアバッグと、
    一端が前記ピラーの第1固定部に固定され、他端が前記ルーフサイドレールの第2固定部に固定された規制部材と、を備え、
    前記第1固定部と前記第2固定部が車両前後方向で異なる位置に設けられ、
    前記エアバッグの膨張展開状態において、前記保護膨張部の車幅方向外側に前記規制部材が位置し、
    前記エアバッグは、前記規制部材を移動可能に保持するガイド部を有し、
    前記エアバッグの膨張展開時、前記ガイド部は、前記エアバッグが前記規制部材に対して車両前後方向に移動可能にしつつ、車両上下方向への移動を規制し、
    前記ガイド部は、前記保護膨張部の車幅方向における車外側最大突出部に設けられていることを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  2. 請求項1に記載のカーテンエアバッグ装置であって、
    前記複数のピラーは、フロントピラー及びセンターピラーを含み、
    前記第1固定部は、前記フロントピラーに位置し、前記第2固定部は、前記センターピラーよりも車両後方に位置することを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のカーテンエアバッグ装置であって、
    前記保護膨張部は、前記エアバッグの膨張展開状態において、車両のドアトリムの上端よりも車両下側に位置することを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
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