JP2014184903A - 車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行者大腿部保護性能を向上するとともに軽衝突時における車体の損傷を軽減した車体前部構造を提供する。
【解決手段】フード前端部の下方に設けられ車幅方向にほぼ沿って伸びた車体構造部材22と、車体構造部材から車両前方側に突出しかつ車幅方向にほぼ沿って伸びて形成され、車両の衝突時に変形することによってエネルギを吸収するエネルギ吸収部材130とを有する車体前部構造を、エネルギ吸収部材は、車幅方向における両端部において車体構造部材に固定されかつ車幅方向中央部においては前記車体構造部材との間に間隔130aが設けられる構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車等の車体前部構造に関し、特に歩行者大腿部保護性能を向上するとともに軽衝突時における車体の損傷を軽減したものに関する。
自動車等の車両の車体前部構造においては、歩行者と衝突した場合に歩行者の傷害を軽減する歩行者保護性能の向上が要求されている。
一般的な車高の乗用車においては、フード前端部付近が歩行者の大腿部に衝突する場合が多いことから、大腿部の傷害を抑制するためにはこの領域で効果的にエネルギを吸収可能な構造とすることが要求される。
車体前部構造における歩行者大腿部保護に関する従来技術として、例えば特許文献1には、フード前端部の下側に配置されるラジエータアッパサポートから前方側に突き出して配置されたブラケットによって歩行者衝突時にエネルギを吸収し、傷害の軽減を図ることが記載されている。
また、特許文献2には、バンパビーム前方に板金パネルによって形成された歩行者保護部材を設けることが記載されている。
特願2006−264495号公報 特願2007− 1358号公報
特許文献1に記載した従来技術のようにラジエータ上端の保持部材にエネルギ吸収部材を取付けることによって、歩行者保護性能の向上を図ることが可能である。
しかし、例えば他車両や壁面等との軽衝突時に、エネルギ吸収部材が歩行者衝突時よりも大きい荷重を受けた場合には、エネルギ吸収部材が車体構造部材を押すことによって、車体構造部材の損傷が発生して修理に要する工数、コスト等が増加することが懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、歩行者大腿部保護性能を向上するとともに軽衝突時における車体の損傷を軽減した車体前部構造を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、フード前端部の下方に設けられ車幅方向にほぼ沿って伸びた車体構造部材と、前記車体構造部材から車両前方側に突出しかつ車幅方向にほぼ沿って伸びて形成され、車両の衝突時に変形することによってエネルギを吸収するエネルギ吸収部材とを有する車体前部構造であって、前記エネルギ吸収部材は、車幅方向における両端部において前記車体構造部材に固定されかつ車幅方向中央部においては前記車体構造部材との間に間隔が設けられることを特徴とする車体前部構造である。
これによれば、歩行者大腿部との衝突によってエネルギ吸収部材の中央部に局所的に荷重が入力された場合には、エネルギ吸収部材が弓なりに湾曲変形することによってエネルギを吸収する。また、エネルギ吸収部材の車幅方向外側の領域に局所的に荷重が入力された場合には、エネルギ吸収部材の車体構造部材との連結部が圧壊することによってエネルギを吸収し、傷害を抑制することができる。
一方、他車両等との軽衝突によってエネルギ吸収部材が車幅方向の比較的広範囲にわたって車両後方側へ押された場合には、エネルギ吸収部材が弓なりに変形することによってエネルギを吸収する。このとき、エネルギ吸収部材の中央部と車体構造部材との間に間隔が設けられているため、エネルギ吸収部材が車体構造部材を直接押すことが防止され、車体の損傷を抑制することができる。
さらに、エネルギ吸収部材の湾曲変形ではエネルギを吸収しきれない場合には、エネルギ吸収部材と車体側部材との連結部が圧壊することによってエネルギを吸収し、車体側部材へ伝達される荷重を抑制して車体側部材の損傷を抑制することができる。
請求項2に係る発明は、前記エネルギ吸収部材と前記車体構造部材との結合部近傍に、車両前後方向の圧縮荷重に対する変形破壊強度を低くした脆弱部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造である。
これによれば、歩行者大腿部がエネルギ吸収部材の両端部近傍に衝突した場合には、脆弱部が変形破壊することによってエネルギ吸収し、傷害を抑制することができる。
また、軽衝突時においても、脆弱部が変形破壊することによって車体構造部材に伝達される荷重を低減し、車体の損傷を抑制することができる。
請求項3に係る発明は、前記エネルギ吸収部材の車幅方向中央部における後縁部を車両前方側が凸となるアーチ状に形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造である。
これによれば、荷重入力時に入力された荷重を車幅方向に伝搬させてエネルギ吸収部材の中央部を確実に弓なり状に変形させることが可能となり、上述した効果を確実に得ることが可能となる。
請求項4に係る発明は、前記エネルギ吸収部材が取り付けられる前記車体構造部材は冷却装置を保持する実質的に矩形状の枠状部材であって、前記エネルギ吸収部材の両端部は前記枠状部材の上辺部と側辺部との接続箇所近傍に取り付けられることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車体前部構造である。
これによれば、車体構造部材として比較的強固な枠状部材のコーナ部にエネルギ吸収部材を取付けることによって、上述した効果をより確実に得ることができる。
請求項5に係る発明は、前記エネルギ吸収部材の下方にバンパビームが設けられ、前記エネルギ吸収部材の前端部は、前記フード前端部と前記バンパビームの前端部とを結んだ直線よりも車両前方側に突出して配置されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車体前部構造である。
これによれば、歩行者との衝突時に歩行者大腿部がフード前端部に干渉する前にエネルギ吸収部材によって確実にエネルギ吸収を行うことができ、フード前端部による歩行者大腿部への加害を抑制することができる。
請求項6に係る発明は、前記エネルギ吸収部材の前面部は、車幅方向に延在する凹凸形状を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車体前部構造である。
これによれば、歩行者脚部との衝突により局所的に荷重が入力された場合であっても車幅方向に荷重を分散させ、良好にエネルギ吸収を行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、歩行者大腿部保護性能を向上するとともに軽衝突時における車体の損傷を軽減した車体前部構造を提供することができる。
本発明を適用した車体前部構造の実施例を車両前方側の斜め上方側から見た斜視図である。 実施例の車体前部構造を車両前方側の斜め下方側から見た斜視図である。 実施例の車体前部構造を上方から見た平面図である。 実施例の車体前部構造におけるエネルギ吸収部材周辺の部品構成を示す分解斜視図である。 図3のV−V部矢視断面図である。 図3のVI−VI部矢視断面図である。 実施例の車体前部構造におけるエネルギ吸収部材の歩行者大腿部との衝突時における挙動を示す模式図である。 実施例の車体前部構造におけるエネルギ吸収部材の対車両軽衝突時における挙動を示す模式図である。
本発明は、歩行者大腿部保護性能を向上するとともに軽衝突時における車体の損傷を軽減した車体前部構造を提供する課題を、後縁部が車両前方側が凸となるよう弓なり状に湾曲したエネルギ吸収部材の両端部を、脆弱部を介してラジエータパネルに取付け、エネルギ吸収部材の中央部とラジエータパネルとの間に間隔を設けることによって解決した。
以下、本発明を適用した車体前部構造の実施例について説明する。
実施例の車体前部構造は、例えば乗用車等の自動車の車体前部に設けられるものである。
図1は、実施例の車体前部構造を車両前方側の斜め上方側から見た斜視図である。
図2は、実施例の車体前部構造を車両前方側の斜め下方側から見た斜視図である。
図3は、実施例の車体前部構造を上方から見た平面図である。
図4は、実施例の車体前部構造におけるエネルギ吸収部材周辺の部品構成を示す分解斜視図である。
図5は、図3のV−V部矢視断面図である。
図6は、図3のVI−VI部矢視断面図である。
なお、図1乃至4において、車両外装部材やエンジン、補機類、サスペンション等は理解を容易にするために図示を省略している。
車体前部構造1は、フロントサイドフレーム10、ラジエータパネル20、ストラット収容部30、フロントアッパフレーム40、フード50、バンパフェイス60、バンパビーム70、エネルギ吸収部材100等を有して構成されている。
フロントサイドフレーム10は、車両の前後方向にほぼ沿って伸びるとともに、車幅方向に離間して一対が配置された車体の主要構造部材である。
フロントサイドフレーム10は、車室とその前方側のエンジンルームとを区画する隔壁である図示しないトーボードの下部から、車両前方側に突出している。
フロントサイドフレーム10は、エンジンルームの左右に沿って配置されている。
フロントサイドフレーム10は、車両前方側から見た断面形状が矩形の閉断面となっている。
ラジエータパネル20は、フロントサイドフレーム10の前端部に取り付けられた枠状の部分であって、図示しないラジエータコア及びエアコンディショナのコンデンサを保持するものである。
ラジエータパネル20は、ラジエータパネルサイド21、ラジエータパネルアッパ22、ラジエータパネルロワ23、センターメンバ24等を有して構成されている。
ラジエータパネルサイド21は、ラジエータパネル20の左右の側辺部を構成する部材である。
ラジエータパネルサイド21は、上下方向に延びた柱状に形成されている。
ラジエータパネルサイド21は、上下方向における中間部の車幅方向外側の部分を、フロントサイドフレーム10の前端部近傍における車幅方向内側の面部に結合されている。
ラジエータパネルアッパ22は、左右のラジエータパネルサイド21の上端部間を連結する部材である。
ラジエータパネルアッパ22は、車幅方向に延びた梁状に形成されている。
ラジエータパネルロワ23は、左右のラジエータパネルサイド21の下端部間を連結する部材である。
ラジエータパネルロワ23は、車幅方向に延びた梁状に形成されている。
センターメンバ24は、ラジエータパネルアッパ22、ラジエータパネルロワ23の車幅方向における中間部の間を上下方向に連結する梁状の部材である。
また、ラジエータパネルアッパ22の車幅方向における中央部には、フード50の前端部を係止する図示しないフードキャッチャが取り付けられている。
ストラット収容部30は、図示しないマクファーソンストラット式フロントサスペンションに設けられるストラットを収容する部分である。
ストラット収容部30は、フロントサイドフレーム10の後部における車幅方向外側の部分から、上方かつ車幅方向外側に張り出して形成されている。
ストラット収容部30の上端部に設けられたストラットアッパマウント31は、ストラットの上端部をロッド中心軸回りに回動可能に支持するものである。
フロントアッパフレーム40は、ヘッドライトアッパメンバ41と協働してストラット収容部30の上部とラジエータパネルアッパ22の側端部との間を連結する部材である。
フロントアッパフレーム40は、ストラット収容部30の上部から前方側に突き出して形成され、その前端部は図示しないヘッドライトユニットの上部を保持するヘッドライトアッパメンバ41に接続されている。
ヘッドライトアッパメンバ41は、ラジエータパネルアッパ22の左右側端部から車幅方向外側に突き出して形成されている。
図5、図6に示すフード50は、エンジンルームの上部に開閉可能に設けられるリッドである。
フード50は、後端部に設けられる図示しないヒンジ回りに回動可能に車体に取り付けられている。
フード50の前端部近傍における下部には、ラジエータパネルアッパ22に取り付けられたフードキャッチに係止される図示しないストライカが設けられている。
フード50の前端部には、ゴム製のシール51が設けられている。
図5、図6に示すバンパフェイス60は、例えばPP系等の樹脂材料によって形成された外装部材であって、車両の前端部に設けられるものである。
バンパフェイス60の上端部は、フード50の前端部と隣接して配置されている。
バンパフェイス60の前面部には、走行風を導入する枠状体であるグリル61等が設けられている。
バンパビーム70は、バンパフェイス60の車両後方側の面部に対向して配置され、車幅方向にほぼ沿って延びた梁状の部材である。
バンパビーム70は、車両の前面衝突時に荷重伝達を行うものである。
バンパビーム70の後面部は、図示しないステーを介して、フロントサイドフレーム10の前端部に結合されている。
バンパビーム70は、例えば、鋼板をプレス成型したパネルを集成する等して、閉断面を有するように構成されている。
バンパビーム70の前面部には、例えばフォーム材等によって形成されたエネルギ吸収材71が前方側へ突き出して取り付けられている。
エネルギ吸収部材100は、ラジエータパネルアッパ22から車両前方側に突き出して配置され、歩行者大腿部との衝突時、あるいは、他車両との軽衝突時等に変形することによってエネルギ吸収を行う部材である。
エネルギ吸収部材100は、ベースパネル110、ブラケット120、本体部130等を有して構成されている。
これら各部材はそれぞれ鋼板をプレス成型したパネルとして形成され、スポット溶接等によって相互に接合されている。
ベースパネル110は、本体部130が取り付けられる基部となるパネル状の部材である。
ベースパネル110は、上下方向及び車幅方向にほぼ沿って延び、上部が下部に対して段状に前方側に突き出して形成されている。
ベースパネル110の上端部は、バンパフェイス60の上端部に固定されている。
ブラケット120は、ベースパネル110の左右側端部を、ラジエータパネル20におけるラジエータパネルアッパ22の側端部とラジエータパネルサイド21の上端部との接合部(コーナ部)に結合するものである。
ブラケット120は、ベースパネル110の後面部から車両後方側に突き出して配置されている。
本体部130は、ベースパネル110の前面部に、前方側に突き出して取り付けられ、衝突時にエネルギ吸収を主に行う部材である。
図5、図6等に示すように、本体部130は、前面部131、上面部132、下面部133等を一体に形成して構成されている。
前面部131は、上下方向及び車幅方向に沿って延びた面部である。
前面部131は、バンパフェイス60の上端部近傍における後面部に対して、間隔を隔てて対向して配置されている。
前面部131の下部には、車両前方側へ突き出したリブ131aが形成されている。
リブ131aは、本体部130の長手方向(左右方向)に沿って実質的に全長にわたって形成されている。
リブ131aの前端部は、フード50の前端部とバンパビーム70のエネルギ吸収材71の前端部とを結んだ直線L(図6参照)に対して、車両前方側に突き出して配置されている。
上面部132は、前面部131の上端部から後方側へ突き出している。
上面部132の後端部には、上方へ突き出したフランジ部132aが形成されている。
フランジ部132aは、ベースパネル110の前面部の上部に、例えばスポット溶接等によって固定されている。
上面部132の車幅方向両端部における前後方向の中間部には、図6に示すように、上方が凸となるように上面部132を屈曲させて形成される稜線132bが配置されている。
稜線132bは、実質的に車幅方向に沿って延在している。
この稜線132bは、本体部130に前後方向の圧縮荷重が作用した場合に、上面部132の座屈変形を誘発させる脆弱部として機能する。
また、前面部131と上面部132との接続部の裏面には、エネルギ吸収部材の前端ぶの剛性を高め、衝突初期の荷重立ち上がりをより早くするため、図示しないパッチ(ダブラ)を設ける構成としてもよい。
下面部133は、前面部131の下端部から後方側へ突き出している。
下面部133の後端部には、下方へ突き出したフランジ部133aが形成されている。
フランジ部133aは、ベースパネル110の前面部の下部に、例えばスポット溶接等によって固定されている。
前面部131は、上方から見たときに、車両前方側が凸となるように、わずかに湾曲して形成されている。
また、本体部130の車幅方向中央部における後部には、上面部132、下面部133の後縁部を前方側にアーチ状に凹ませて形成された空間部130aが形成されている。
空間部130aにおいては、上面部132、下面部133の後縁部は、ベースパネル110に対して間隔を隔てて対向して配置される。
上面部132における稜線132bは、この空間部130aにおいて分断され、その両側に配置されている。
次に、上述した実施例における衝突時の挙動、作用効果について説明する。
図7は、実施例の車体前部構造におけるエネルギ吸収部材の歩行者大腿部との衝突時における挙動を示す模式図である。
図7(a)は、歩行者大腿部を模したインパクタが車幅方向中央部に衝突した状態を上方から見た模式図である。
インパクタIは、歩行者の大腿部のサイズ、質量、硬さ等を模した円柱状に形成されている。
インパクタIが中央部に衝突した場合、本体部130は、中央部が側端部に対して後退し、空間部130aが狭まる方向に湾曲変形することによってエネルギを吸収する。
このとき、前面部131に形成されたリブ131aは、本体部130の局所的な変形を抑制するため、車幅方向に荷重を伝搬する機能を有する。
図7(b)は、インパクタが車幅方向における側端部近傍に衝突した状態を上方から見た模式図である。
図7(c)は、図7(b)のc−c部模式的矢視断面図である。
インパクタIが側端部近傍に衝突した場合にも本体部130の湾曲変形は生じるが、中央部に対して変形し難い傾向となる。
そこで、本実施例では、側端部近傍にインパクタIが衝突した場合には、図7(c)に示すように上面部132、下面部133が座屈変形するよう断面変形させることによって、エネルギ吸収を行い、中央部、側端部のどちらにインパクタIが衝突した場合にも、発生する荷重が実質的に同等となるようにチューニングしている。
図7(c)に示すように、前後方向に所定以上の圧縮荷重が負荷されると、上面部132は上方に凸となり、下面部133は下方に凸となるように座屈変形する。
上面部132は、稜線132bを設けたことによって、座屈変形が生じる荷重を低下させ、ブラケット120、ラジエータパネル20等へ伝達される荷重が低下するようにチューニングされている。
図8は、実施例の車体前部構造におけるエネルギ吸収部材の対車両軽衝突時における挙動を示す模式図である。
図8は、他車両の前部を模したバリアBが、本体部130の車幅方向における中央部に正面衝突した状態を上方から見た模式図である。
バリアBは、車幅方向における比較的広範囲にわたって本体部130の前面部131に荷重を負荷する。
これによって、本体部130は、中央部が側端部に後退し、空間部130aが狭まる方向に湾曲変形することによってエネルギを吸収し、さらに、この湾曲変形によって吸収しきれないエネルギを、図7(c)に示した例と同様の断面変形によって吸収する。
このとき、本体部130の上面部132、下面部133の側端部から、ベースパネル110、ブラケット120に伝達される荷重は、ラジエータパネル20の変形破壊が生じないことを考慮して設定された所定値以下となるように設定されている。
以上説明したように、本実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本体部130の後縁部をアーチ状に形成してベースパネル110との間に空間部130aを形成したことによって、歩行者大腿部との衝突や対車両の軽衝突時に本体部130の中央部が後退する方向に湾曲変形させてエネルギ吸収を行うことができる。
このとき、本体部130がフードキャッチャ等の後方側に設けられた他部品を押圧しないため、他部品の損傷を防止することができる。
(2)本体部130の湾曲変形のみでは十分なエネルギ吸収ができない場合に、上面部132、下面部133の側端部近傍の領域を座屈変形させる構成としたことによって、本体部130の側端部近傍に歩行者の大腿部が衝突した場合や、軽衝突時に、効果的にエネルギ吸収を図ることができる。
また、これによって、歩行者の大腿部が衝突する位置が車幅方向に変化した場合であっても荷重が極端に変化することを防止でき、歩行者保護性能を向上することができる。
(3)本体部130の前面部131に、車幅方向に延びたリブ131aを設けたことによって、局所的に歩行者大腿部が衝突した場合であっても、車幅方向に荷重を分散させて効率よくエネルギ吸収を行うことができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
例えば、車体前部構造を構成する各部材の形状、構造、材質、製法等は上述した実施例に限定されず、適宜変更することが可能である。
10 フロントサイドフレーム 20 ラジエータパネル
21 ラジエータパネルサイド 22 ラジエータパネルアッパ
23 ラジエータパネルロワ 24 センターメンバ
30 ストラット収容部 31 ストラットアッパマウント
40 フロントアッパフレーム 41 ヘッドライトアッパメンバ
50 フード 51 シール
60 バンパフェイス 61 グリル
70 バンパビーム 71 エネルギ吸収材
100 エネルギ吸収部材 110 ベースパネル
120 ブラケット 130 本体部
131 前面部 131a リブ
132 上面部 132a フランジ部
132b 稜線 133 下面部
133a フランジ部

Claims (6)

  1. フード前端部の下方に設けられ車幅方向にほぼ沿って伸びた車体構造部材と、
    前記車体構造部材から車両前方側に突出しかつ車幅方向にほぼ沿って伸びて形成され、車両の衝突時に変形することによってエネルギを吸収するエネルギ吸収部材と
    を有する車体前部構造であって、
    前記エネルギ吸収部材は、車幅方向における両端部において前記車体構造部材に固定されかつ車幅方向中央部においては前記車体構造部材との間に間隔が設けられること
    を特徴とする車体前部構造。
  2. 前記エネルギ吸収部材と前記車体構造部材との結合部近傍に、車両前後方向の圧縮荷重に対する変形破壊強度を低くした脆弱部を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記エネルギ吸収部材の車幅方向中央部における後縁部を車両前方側が凸となるアーチ状に形成したこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造。
  4. 前記エネルギ吸収部材が取り付けられる前記車体構造部材は冷却装置を保持する実質的に矩形状の枠状部材であって、
    前記エネルギ吸収部材の両端部は前記枠状部材の上辺部と側辺部との接続箇所近傍に取り付けられること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車体前部構造。
  5. 前記エネルギ吸収部材の下方にバンパビームが設けられ、
    前記エネルギ吸収部材の前端部は、前記フード前端部と前記バンパビームの前端部とを結んだ直線よりも車両前方側に突出して配置されること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車体前部構造。
  6. 前記エネルギ吸収部材の前面部は、車幅方向に延在する凹凸形状を有すること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車体前部構造。
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