JP4389847B2 - 車両の前面部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、前面衝突時における歩行者の脚部の保護性能を高めた車両の前面部構造に関する。
下記特許文献1には、歩行者と前面衝突した際のフードパネルの変形抵抗をラジエータグリルによって補う技術が開示されている。
特開2004−98912号公報
しかしながら、SUV等、車高の高い車両では、歩行者と前面衝突した際に、フロントバンパリインフォースメントが歩行者の膝の辺りに位置することがあるため、フロントバンパリインフォースメントからフロントバンパカバーまでの距離が短い場合には、歩行者の膝にラジエータグリル上部より先にフロントバンパリインフォースメントが衝突する可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、前面衝突時にフロントバンパリインフォースメントによる歩行者の脚部の膝への荷重入力量を低減させることができる車両の前面部構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両の前面部構造は、車両の前端部に車両幅方向に延在するフロントバンパカバーと、このフロントバンパカバーの車両後方側に所定距離離間して配置されると共にフロントバンパカバーに沿って車両幅方向に延在する長尺状のフロントバンパリインフォースメントと、エンジンルームを開閉するフードの閉止状態において当該フードの本体部の前端よりも車両前方下側へ張り出されかつフロントバンパカバーの上端側とフードの本体部の前端側との間に配置されるラジエータグリルと、フード閉止状態においてラジエータグリルの車両後方側に配置されて部材を支持又は補強するリテーナと、を含んで構成された車両の前面部構造であって、前記リテーナは前記フロントバンパリインフォースメントに沿って車両幅方向に延在する部材として構成されており、当該リテーナを前記ラジエータグリルの背面上部側でかつフロントバンパリインフォースメントよりも実質的に車両前方側に配置し、前記フロントバンパリインフォースメントの車両下方側には、当該フロントバンパリインフォースメントの前面よりも車両前方側でかつ車両幅方向に沿って延在する衝撃吸収部材が設けられ、前記フロントバンパリインフォースメントの前面の車両前方側には衝撃吸収部材が設けられていない、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係る車両の前面部構造は、請求項1記載の発明において、前記リテーナは、フロントバンパカバーを車体側に支持させる部材である、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係る車両の前面部構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記リテーナは長尺状に形成されており、当該リテーナを少なくともフロントバンパカバーの両サイドに相当する範囲に設定した、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明に係る車両の前面部構造は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記リテーナの車両幅方向に沿った幅は、前記フロントバンパリインフォースメントの車両幅方向の幅と略同一に設定されている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、フロントバンパカバーの上端側とフードの本体部の前端側との間にはラジエータグリルが配置されており、更にラジエータグリルの車両後方側には部材を支持又は補強するリテーナが配置されている。
ここで、本発明では、上記リテーナがフロントバンパリインフォースメントに沿って車両幅方向に延在する部材として構成されており、当該リテーナをラジエータグリルの背面上部側でかつフロントバンパリインフォースメントよりも実質的に車両前方側に配置したので、歩行者と前面衝突した場合、まず歩行者の膝がフロントバンパカバーに当たってこれを変形させ始め、続いて膝がフロントバンパリインフォースメントから衝突反力を受ける前に、歩行者の脚部(膝から上の大腿部)がラジエータグリル側へ倒れ込み、ラジエータグリル更にはリテーナを変形させる。この過程で、前面衝突時のエネルギー吸収がなされると共に歩行者の特に膝関節が保護される。
また、フロントバンパリインフォースメントの車両下方側には、当該フロントバンパリインフォースメントの前面よりも車両前方側でかつ車両幅方向に沿って延在する衝撃吸収部材が設けられ、さらに、フロントバンパリインフォースメントの前面の車両前方側には衝撃吸収部材が設けられていないので、歩行者と前面衝突した際には、歩行者の膝がフロントバンパリインフォースメントから衝突反力を受ける前に、脛部が衝撃吸収部材によって受け止められて衝突時のエネルギーが吸収される。従って、歩行者の脚部の屈曲を抑制することができる。
請求項2記載の本発明によれば、リテーナはフロントバンパカバーを車体側に支持する部材(フロントバンパリテーナ)として構成されているため、既存の部品を利用することができる。
請求項3記載の本発明によれば、リテーナが長尺状に形成されており、当該リテーナを少なくともフロントバンパカバーの両サイドに相当する範囲に設定したので、以下の作用が得られる。すなわち、一般に車両が歩行者と前面衝突する場合、フロントバンパカバーの中央部において歩行者の脚部と接触するよりもフロントバンパカバーの両サイドにおいて歩行者の脚部と接触する方が多い。従って、この範囲にリテーナを設置しておくことにより、歩行者の脚部の保護の有効性・実効性を高めることができる。
請求項4記載の本発明によれば、リテーナの車両幅方向に沿った幅を、フロントバンパリインフォースメントの車両幅方向の幅と略同一に設定したので、フロントバンパカバーの両サイドだけではなく、フロントバンパカバーの中央部において歩行者の脚部との接触があった場合にも上記の歩行者の脚部の保護効果が得られる。
以上説明したように、請求項1記載の車両の前面部構造は、車両の前端部に車両幅方向に延在するフロントバンパカバーと、このフロントバンパカバーの車両後方側に所定距離離間して配置されると共にフロントバンパカバーに沿って車両幅方向に延在する長尺状のフロントバンパリインフォースメントと、エンジンルームを開閉するフードの閉止状態において当該フードの本体部の前端よりも車両前方下側へ張り出されかつフロントバンパカバーの上端側とフードの本体部の前端側との間に配置されるラジエータグリルと、フード閉止状態においてラジエータグリルの車両後方側に配置されて部材を支持又は補強するリテーナと、を含んで構成されたものにおいて、リテーナをフロントバンパリインフォースメントに沿って車両幅方向に延在する部材として構成し、更に当該リテーナをラジエータグリルの背面上部側でかつフロントバンパリインフォースメントよりも実質的に車両前方側に配置し、フロントバンパリインフォースメントの車両下方側には、当該フロントバンパリインフォースメントの前面よりも車両前方側でかつ車両幅方向に沿って延在する衝撃吸収部材を設け、フロントバンパリインフォースメントの前面の車両前方側には衝撃吸収部材を設けていないので、前面衝突時に歩行者の膝がフロントバンパリインフォースメントから衝突反力を受ける前に、ラジエータグリル及びリテーナ並びに衝撃吸収部材によって衝突エネルギーを吸収することができ、その結果、前面衝突時にフロントバンパリインフォースメントによる歩行者の膝への荷重入力量を低減させることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両の前面部構造は、請求項1記載の発明において、リテーナがフロントバンパカバーを車体側に支持させる部材(フロントバンパリテーナ)であるため、既存の部品を利用することができ、その結果、低コストで請求項1記載の効果を得ることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両の前面部構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、リテーナは長尺状に形成されており、当該リテーナを少なくともフロントバンパカバーの両サイドに相当する範囲に設定したので、歩行者の脚部との接触の可能性が高い部分を効果的にカバーすることができ、その結果、歩行者の脚部の保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両の前面部構造は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明において、リテーナの車両幅方向に沿った幅を、フロントバンパリインフォースメントの車両幅方向の幅と略同一に設定したので、フロントバンパカバーの両サイドだけではなく、中央部において歩行者の脚部との接触があった場合にも上記の歩行者の脚部の保護効果が得られ、その結果、フロントバンパカバーの全範囲について歩行者の脚部の保護性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
以下、図1〜図5を用いて、本発明に係る車両の前面部構造の幾つかの実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1には、本実施形態に係る車両の前面部構造の全体構成を示す縦断面図が示されている。また、図2には、当該車両の前面部構造の要部の平面配置図が示されている。
これらの図に示されるように、車両の前面部には、平面視で湾曲した形状を成すフロントバンパ10が配設されている。フロントバンパ10は、車両幅方向に沿って延在する樹脂製のフロントバンパカバー12を備えている。なお、縦断面視では、フロントバンパカバー12は、上部12A及び下部12Bに分かれている。フロントバンパカバー12の車両後方側には、所定距離だけ離間した位置にフロントバンパリインフォースメント14が配設されている。フロントバンパリインフォースメント14は縦断面形状が矩形枠状に形成されており、その長手方向の両端部は左右一対のフロントサイドメンバ16の前端部に結合されている。
上述したフロントバンパリインフォースメント14の車両上方側には、エンジンルーム18を開閉するフード20の本体部22の前端が配置されている。なお、フード20の本体部22は、フードアウタパネル24及びフードインナパネル26によって構成されている。
フロントバンパカバー12における車両幅方向中央部には、ラジエータグリル28が配設される上端平面部12Cが形成されている。ラジエータグリル28は、フード20の閉止状態においてフード20の本体部22の前端よりも車両前方下側へ張り出されかつフロントバンパカバー12の上端平面部12Cとフード20の本体部22の前端との間に配設されている。
ここで、上述したラジエータグリル28の車両後方側には、金属材料によって構成された長尺状のフロントバンパリテーナ30が配設されている。フロントバンパリテーナ30の縦断面形状は車両後方側が開放された略コ字状とされており、図2に示されるように、フロントバンパリインフォースメント14の車両前方側に車両幅方向に沿って延在されている。なお、上記フロントバンパリテーナ30はフロントバンパカバー12を車体側に支持させるための部材であり、より詳細には図示しないラジエータサポートの左右一対の縦柱の上端側に設定されたブラケットにフロントバンパリテーナ30が取り付けられることにより、フロントバンパカバー12が車体側構成部材であるラジエータサポートに支持されるようになっている。
フロントバンパリテーナ30の配置関係について詳細に説明すると、図1に示されるように、フロントバンパリテーナ30は、ラジエータグリル28の背面上部側でかつフロントバンパリインフォースメント14の前面位置よりも車両前方側となる位置に配置されている。因みに、歩行者の脚部を模擬したインパクタ32との対比で説明すると、仮にフロントバンパリインフォースメント14の車両前方側にインパクタ32の回転中心(膝関節に相当)Oが対向して位置するとした場合に、当該回転中心Oから車両上方側へ高さhだけ高い位置(大腿部に相当するインパクタ32の上部32Aの重心Gよりも高い位置)にフロントバンパリテーナ30は配置されており、かつフロントバンパリテーナ30の前端部30Aはフロントバンパリインフォースメント14の前面位置(一点鎖線P)よりも距離Lだけ車両前方側に離間した位置に配置されている。
さらに、図2に示されるように、上記フロントバンパリテーナ30の平面形状はフロントバンパリインフォースメント14に沿った湾曲形状とされており、その車両幅方向の幅はフロントバンパリインフォースメント14の車両幅方向の幅と略同一に設定されている。
また、図1に示されるように、フロントバンパリインフォースメント14の車両下方側には、フロントバンパリインフォースメント14の前面よりも車両前方側でかつ車両幅方向に沿って延在する衝撃吸収部材としてのフロントバンパロアアブソーバ34が配設されている。フロントバンパロアアブソーバ34はフロントバンパカバー12の下部形状に沿うように略台形形状を成しており、支持部材36を介してフロントバンパリインフォースメント14に取り付けられている。
補足すると、上述した本実施形態に係る車両の前面部構造が適用された図1図示の車両は、乗用車よりも車高が高く作られているSUVである。
(作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1に示される状態が、車両の前面部が歩行者の脚部を模擬したインパクタ32と衝突する前の状態である。このときには、本実施形態の車両が一般の乗用車より車高が高いSUVタイプの車両であるため、インパクタ32の回転中心O(歩行者の膝に相当)がフロントバンパリインフォースメント14に対して対向した位置に存在する。
この状態から車両の前面部をインパクタ32に前面衝突させると、まず車両の最前端に位置するフロントバンパカバー12にインパクタ32の上部32A及び下部32Bから衝突荷重が入力される。このため、図3に示されるように、フロントバンパカバー12の上部12A及び下部12Bは互いに接近する方向へ弾性変形しつつ、その変形量に応じたストロークだけ車両後方側へ変位される。
ここで、本実施形態では、フロントバンパリテーナ30をフロントバンパリインフォースメント14に沿って車両幅方向に延在する長尺状の金属製部材として構成し、当該フロントバンパリテーナ30をラジエータグリル28の背面上部側(図1に示されるように、インパクタ32の回転中心Oから高さhだけ上方となる位置であり、この位置はインパクタ32の上部32Aの重心Gよりも上方側となる位置である。)でかつフロントバンパリインフォースメント14の前面位置(図1の一点鎖線P)よりも距離Lだけ車両前方側となる位置に配置したので、インパクタ32の回転中心O(歩行者の膝に相当)がフロントバンパリインフォースメント14に衝突する前に(換言すると、インパクタ32の回転中心Oがフロントバンパリインフォースメント14から衝突反力を受ける前に)、インパクタ32の上部32Aが回転中心Oを中心として図3において時計方向へ若干回転し、即ちフロントバンパカバー12の上端平面部12Cとフード20の前端との間に斜めに配置されたラジエータグリル28に倒れ込み、ラジエータグリル28更にはフロントバンパリテーナ30を変形させる。この過程で、前面衝突時のエネルギー吸収がなされると共に歩行者の特に膝関節が保護される。
一方、インパクタ32の下部32B(歩行者の脚部の脛部に相当)は、インパクタ32の回転中心Oがフロントバンパリインフォースメント14から衝突反力を受ける前に、フロントバンパリインフォースメント14の下方前側に配置された長尺状のフロントバンパロアアブソーバ34に受け止められて前面衝突時のエネルギー吸収がなされる。従って、上記フロントバンパリテーナ30側でのエネルギー吸収効果と相まって、歩行者の脚部の膝を中心とした屈曲を抑制することができる。
以上より、本実施形態に係る車両の前面部構造によれば、前面衝突時に歩行者の膝がフロントバンパリインフォースメント14から衝突反力を受ける前に、ラジエータグリル28及びフロントバンパリテーナ30によって衝突エネルギーを吸収することができる。その結果、前面衝突時にフロントバンパリインフォースメント14による歩行者の膝への荷重入力量を大幅に低減させることができ、歩行者の脚部の保護性能を向上させることができる。
さらに、前記効果に加え、フロントバンパリインフォースメント14の下方前側にフロントバンパロアアブソーバ34を配設したので、歩行者の脚部の膝を中心とした屈曲を極力抑制することができる。
つまり、本実施形態によれば、フロントバンパリテーナ30側でのエネルギー吸収とフロントバンパロアアブソーバ34側でのエネルギー吸収とで、理想的には歩行者の脚部が平行移動しつつもフロントバンパリインフォースメント14には接触しないという衝突モードに近づけることができる。
また、本実施形態に係る車両の前面部構造では、フロントバンパリテーナ30がフロントバンパカバー12を車体側に支持する部材(フロントバンパフロントバンパリテーナ)として構成されているため、既存部品を利用することができる。その結果、本実施形態によれば、低コストで上記歩行者の脚部の保護性能の向上効果を得ることができる
さらに、本実施形態に係る車両の前面部構造では、フロントバンパリテーナ30の車両幅方向の幅がフロントバンパリインフォースメント14の車両幅方向の幅と略同一に設定されているので、フロントバンパカバー12の両サイドだけではなく、中央部において歩行者の脚部との接触があった場合にも、上記の歩行者の脚部の保護効果が得られる。従って、フロントバンパカバー12の車両幅方向の全範囲について歩行者の脚部の保護性能を向上させることができる。
〔実施形態の補足説明〕
なお、上述した本実施形態では、フロントバンパリテーナ30の車両幅方向の幅をフロントバンパリインフォースメント14の車両幅方向の幅と略同一に設定し、一本物として構成したが、これに限らず、図4に示されるように、フロントバンパリインフォースメント14の左右両サイドに対応する範囲に左右一対のフロントバンパリテーナ40を設けるようにしてもよい。
すなわち、一般に車両が歩行者と前面衝突する場合、フロントバンパカバー12の中央部において歩行者の脚部と接触するケースよりも、フロントバンパカバー12の両サイドにおいて歩行者の脚部と接触するケースの方が多い。従って、この範囲にフロントバンパリテーナ40を設置しておくことにより、歩行者の脚部の保護の有効性・実効性は基本的には担保される。その結果、この構成によっても、歩行者の脚部の保護性能を向上させることができる。
また、例えばフロントバンパリテーナ30を三分割して左右のフロントバンパリテーナ40についてはラジエータサポートの縦柱に支持させ、中央部のフロントバンパリテーナについてはラジエータサポートアッパにブラケットを介して支持させるといった複数分割構造を採ることも可能である。
さらに、上述した本実施形態では、ラジエータグリル28がフロントバンパカバー12側に設けられるタイプを例にして本発明を適用したが、これに限らず、ラジエータグリルがフードの前端部側に一体的に設けられたタイプに対して本発明を適用してもよい。この場合のフロントバンパリテーナはフロントバンパカバーを車体側に支持させる部材として機能するのではなく、フード側に設けられたラジエータグリル或いはフードの前端部を補強するための部材として機能する。その意味では、この場合のフロントバンパリテーナはフードリインフォースと捉えてもよい。
また、前記に関連し、本実施形態では、ラジエータグリル28がフロントバンパカバー12の中央部にのみ配設されるタイプを例にして説明したが、これに限らず、フロントバンパカバーの車両幅方向の全幅に亘ってラジエータグリルが配設されるタイプに対して本発明を適用してもよい。
さらに、上述した本実施形態では、車両後方側が開放された断面コ字状のフロントバンパリテーナ30を使用したが、これに限らず、図5に示されるように、縦断面形状がハット状に形成されたフロントバンパリテーナ42を用いてもよい。このフロントバンパリテーナ42は、縦断面形状が車両下方側が開放されたハット形状に形成されており、前部壁42Aよりも後部壁42Bの方が上下方向寸法が長く設定されている。そして、フロントバンパリテーナ42の断面内方にホーン44を収容させ、この状態で取付ブラケット46を介してボルト48がウエルドナット50へ螺合されることにより、左右一対のホーン44が後部壁42Bの車両幅方向の両端部近傍等の所定位置に取り付けられている。つまり、このフロントバンパリテーナ42では、フロントバンパリテーナ42の後部壁42Bをホーン44の取付座として利用する構成を採っており、ホーン44の適切な設定位置に適当な取付座が無い場合には非常に有効である。
また、上述した本実施形態では、フロントバンパリテーナ30に所定の剛性をもたせるためにフロントバンパリテーナ30を金属製としたが、これに限らず、樹脂製にしてもよい。
さらに、請求項1の「当該リテーナを前記ラジエータグリルの背面上部側でかつフロントバンパリインフォースメントよりも実質的に車両前方側に配置した、」という記載における「フロントバンパリインフォースメントよりも実質的に車両前方側」の意味合いについて補足すると、理想的には、前述した実施形態の中で説明したように、フロントバンパリテーナ42がフロントバンパリインフォースメント14の前面位置(図1の一点鎖線P)よりも(距離Lだけ)車両前方側となる位置に配置されている方が好ましい。しかし、一般に車種ごとにフロントバンパカバーの形状は異なっており、フロントバンパカバーの形状が異なれば衝突形態(変形のモード)も多少は異なってくる。さらに、歩行者の大腿部がラジエータグリル28側へ倒れ込んでくることも考慮すると、「前面衝突時に歩行者の膝がフロントバンパリインフォースメントから衝突反力を受ける前に、ラジエータグリル及びフロントバンパリテーナによって衝突エネルギーを吸収する」という本発明の本来的な効果が得られる限度において、フロントバンパリテーナとフロントバンパリインフォースメントとの前後位置関係が多少ずれていても差し支えないという意味で、「実質的に」としている。
従って、例えば、歩行者の脚部の膝がフロントバンパリインフォースメントに当接する前に歩行者の大腿部をフロントバンパリテーナ側へ倒れ込ませる目的で、フロントバンパリテーナの前端部をフロントバンパリインフォースメントの上方側でフロントバンパリインフォースメントの前面位置と全く同じ位置に配置した構成や、フロントバンパリテーナの前端部をフロントバンパリインフォースメントの上方側でフロントバンパリインフォースメントの前面位置よりも僅かに車両後方側にずらして配置した構成も、請求項1記載の本発明に含まれる。つまり、「或る車種において、フロントバンパリインフォースメントの前後位置を固定的に考えた場合に、フロントバンパリテーナをフロントバンパリインフォースメントの車両後方側から車両前方側へ徐々にずらしていき、前記本発明の本来的な効果がある程度得られることが予測又は確認された最初の位置にフロントバンパリテーナを配置した構成は、たとえそれがフロントバンパリインフォースメントの前面位置よりも多少後方側にあったとしても、そうしたことの狙いがフロントバンパリテーナをなるべく車両前方側に配置してフロントバンパリインフォースメントから歩行者の膝への荷重入力量を極力抑えることにある限り、技術的思想としては「リテーナをフロントバンパリインフォースメントよりも実質的に車両前方側に配置した」ものとみなすことができるから、請求項1記載の本発明に含まれる。
本実施形態に係る車両の前面部構造の全体構成を示す縦断面図である。 図1に示されるフロントバンパリテーナとフロントバンパリインフォースメントとの長さ関係を示す平面配置図である。 図1に示される車両の前面部構造を採用した車両が歩行者と前面衝突した際の状態を示す図1に対応する縦断面図である。 フロントバンパリテーナの平面配置範囲の変形例を示す図2に対応する平面配置図である。 フロントバンパリテーナの断面形状の変形例を示す要部拡大縦断面図である。
符号の説明
10 フロントバンパ
12 フロントバンパカバー
14 フロントバンパリインフォースメント
18 エンジンルーム
20 フード
22 本体部
28 ラジエータグリル
30 フロントバンパリテーナ(リテーナ)
34 フロントバンパロアアブソーバ(衝撃吸収部材)
40 フロントバンパリテーナ(リテーナ)
42 フロントバンパリテーナ(リテーナ)

Claims (4)

  1. 車両の前端部に車両幅方向に延在するフロントバンパカバーと、
    このフロントバンパカバーの車両後方側に所定距離離間して配置されると共にフロントバンパカバーに沿って車両幅方向に延在する長尺状のフロントバンパリインフォースメントと、
    エンジンルームを開閉するフードの閉止状態において当該フードの本体部の前端よりも車両前方下側へ張り出されかつフロントバンパカバーの上端側とフードの本体部の前端側との間に配置されるラジエータグリルと、
    フード閉止状態においてラジエータグリルの車両後方側に配置されて部材を支持又は補強するリテーナと、
    を含んで構成された車両の前面部構造であって、
    前記リテーナは前記フロントバンパリインフォースメントに沿って車両幅方向に延在する部材として構成されており、当該リテーナを前記ラジエータグリルの背面上部側でかつフロントバンパリインフォースメントよりも実質的に車両前方側に配置し、
    前記フロントバンパリインフォースメントの車両下方側には、当該フロントバンパリインフォースメントの前面よりも車両前方側でかつ車両幅方向に沿って延在する衝撃吸収部材が設けられ、
    前記フロントバンパリインフォースメントの前面の車両前方側には衝撃吸収部材が設けられていない、
    ことを特徴とする車両の前面部構造。
  2. 前記リテーナは、フロントバンパカバーを車体側に支持させる部材である、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両の前面部構造。
  3. 前記リテーナは長尺状に形成されており、当該リテーナを少なくともフロントバンパカバーの両サイドに相当する範囲に設定した、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の前面部構造。
  4. 前記リテーナの車両幅方向に沿った幅は、前記フロントバンパリインフォースメントの車両幅方向の幅と略同一に設定されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両の前面部構造。
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