JP7294765B2 - エネルギ吸収構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の衝突が発生した場合に、その衝突エネルギを吸収し、衝撃を緩和することが可能なエネルギ吸収構造体に関する。
エネルギ吸収構造体の具体例として、特許文献1,2に記載のものがある。
これらの文献に記載のエネルギ吸収構造体は、具体的には、車両の前部に位置する車体骨格部材としてのサイドメンバである。このサイドメンバは、車両前後方向に延びる中空矩形角柱状(矩形筒状)であり、車両の前突が発生し、車両前方側からサイドメンバの前端部に衝突荷重が入力したときに、このサイドメンバに座屈変形を生じさせて、エネルギ吸収を図るための手段として、ビード部を設ける手段が採用されている。
前記ビード部の具体例としては、サイドメンバの上壁部、側壁部、および下壁部のそれぞれに形成され、かつサイドメンバの周方向に一連に繋がった凹溝状のビード部がある。また、サイドメンバの側壁部の一部の領域を、波状断面とする凹凸状のビード部もある。
このようなビード部が設けられた構成によれば、サイドメンバに圧縮荷重としての衝突荷重が作用した際に、ビード部が設けられた剛性の低い箇所において、サイドメンバの長手方向の潰れ変形を積極的に生じさせることが可能となる。このことにより、衝突時のエネルギ吸収を図ることが可能である。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地がある。
すなわち、サイドメンバは、上壁部と側壁部とを繋ぐ角部、側壁部と下壁部とを繋ぐ角部などを有しており、これらの角部がサイドメンバの長手方向に一連に延びていれば、サイドメンバの全体の剛性は高いものとなる。ところが、前記従来技術によれば、凹溝状のビード部は、サイドメンバの上壁部、側壁部、および下壁部のそれぞれに跨がったかたちで一連に繋がっており、サイドメンバの前記した角部を、サイドメンバの長手方向において分断している。このため、サイドメンバ全体の強度は、かなり低いものとなってしまう。これでは、車両の衝突に対する強度不足を生じるばかりか、車体骨格部材として相応しい十分な強度をもたないものとなる虞がある。このような虞を解消する手段としては、サイドメンバ全体の板厚を大きくする手段があるが、このような手段を採用したのでは、車両重量の増加や、製造コストの上昇を生じる不利を招く。
また、サイドメンバの側壁部の一部の領域に凹凸状のビード部を設ける手段によれば、この凹凸状のビード部を設けた箇所の潰れ変形を部分的に促進する上では比較的有効であるものの、サイドメンバ全体のエネルギ吸収性能を優れたものとする上では未だ改善の余地がある。さらに、凹凸状のビード部は、サイドメンバの長手方向一端部およびその近傍部分には設けられていないため、車両の衝突発生時において、それらの部分を適切に潰れ変形させることも困難なものとなっている。
特開平8-324454号公報 特開2009-173236号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、全体の強度が低下す
るなどの不具合を適切に抑制しつつ、車両の衝突時の荷重入力に対するエネルギ吸収性能を優れたものとすることが可能なエネルギ吸収構造体を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供されるエネルギ吸収構造体は、複数の壁部が中空角柱状に繋がり、かつ前記複数の壁部として、角部を介して互いに交差した角度で繋がった第1および第2の壁部を含む構造体であり、車両に所定の衝突が発生した際に、その衝突荷重が前記第1および第2の壁部の長手方向一端部に対し、前記長手方向の圧縮荷重として入力可能な状態に設けられている、エネルギ吸収構造体であって、前記第1の壁部には、この第1の壁部の内側に窪んだ凹部または外側に膨出した凸部が、この第1の壁部の長手方向一端部からその他端部側に向けて延びるように形成されていることにより、前記凹部または前記凸部の一部をなす起立壁部として、前記角部の近傍に位置して前記第1の壁部の厚み方向に起立し、かつ前記第1の壁部の長手方向一端部からその他端部側に向けて延びるとともに、前記第1の壁部の短手方向に間隔を隔てて位置する一対の起立壁部が設けられている一方、 前記第2の壁部の少なくとも長手方向一端部からその他端部側に向かう所定長さ領域は、前記第1の壁部よりも剛性の変化が少ない平板状の壁部として構成されており、前記第1の壁部の前記凹部または前記凸部には、前記凹部の一部が前記第1の壁部の外側に所定の膨出寸法で膨出した凸状ビード部として、または前記凸部の一部が前記第1の壁部の内方側に所定の窪み寸法で窪んだ凹状ビード部としての複数のビード部が、前記長手方向に間隔を隔てた配置で形成されており、これら複数のビード部は、前記一対の起立壁部を橋渡し接続するように前記一対の起立壁部の相互間に位置して前記短手方向に延び、かつ前記角部を避けた配置に設けられているとともに、前記第1の壁部の長手方向一端部に最も接近した最端位置のビード部の前記膨出寸法または前記窪み寸法が最も大きく、かつ前記第1の壁部の長手方向一端部から遠いビード部ほど前記膨出寸法または前記窪み寸法が小さくされており、前記最端位置のビード部の前記膨出寸法または前記窪み寸法は、前記凹部の深さまたは前記凸部の突出高さと略同一であることを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、本発明においては、後述する説明からも理解されるように、車両の衝突が発生し、その衝突荷重が、圧縮荷重として、第1および第2の壁部の長手方向一端部に入力した際に、第1および第2の壁部には、これらの短手方向の幅が拡大する方向の横ひずみが発生し、第1および第2の壁部は、これらの相互間の角部が外方に膨出するように変形する。本発明においては、第1の壁部のうち、角部の近傍に、所定の起立壁部が設けられており、その位置は剛性が急変した剛性断点となるため、前記した横ひずみによって角部が外方に向けて大きく膨出する量は、増大化する。その結果、第1および第2の壁部の全体の変形量、ひいては本発明に係るエネルギ吸収構造体の変形量を多くし、車両の衝突時の荷重入力に対するエネルギ吸収性能を優れたものとすることが可能である。
また、本発明においては、第1および第2の壁部の相互間の角部ビード部は設けられておらず、前記角部が分断されることに起因する全体の強度低下を生じないようにすることが可能である。したがって、全体の板厚を不必要に大きくするようなことなく、エネルギ吸収構造体の強度を適切に確保することが可能である。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
(a)は、本発明に係るエネルギ吸収構造体を備えた車両構造の概略構成の一例を示す側面図であり、(b)は、(a)の概略底面図である。 (a)は、図1に示すエネルギ吸収構造体の一部破断要部斜視図であり、(b)は、(a)とは反対側の一部破断要部斜視図である。 図2(a)のIII-III断面図である。 (a)は、図2(a)のIVa-IVa断面図であり、(b)は、(a)の基本構造を示す断面図である。 (a)~(d)は、それぞれ図2(a)のVa-Va断面図、Vb-Vb断面図、Vc-Vc断面図、Vd-Vd断面図である。 図4(a)に示す構造に圧縮荷重が入力したときの横ひずみの状況を示す説明図である。 図1(a)に示す構造において、衝突荷重が入力した場合の状況を模式的に示す側面図である。 (a)は、中空矩形角柱状の部材に圧縮荷重が作用する場合の例を示す斜視図であり、(b)は、(a)の正面図であり、(c)は、(a)の平面断面図である。 (a)は、本発明の他の例を示す一部破断要部斜視図であり、(b)は、(a)のIXb-IXb断面図であり、(c)は、(a)のIXc-IXc断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示す車両1は、この車両1の前部に位置して車両前後方向に延びる左右一対のサイドメンバA(フロントサイドメンバ)を備えている。このサイドメンバAが、本発明に係るエネルギ吸収構造体の一例に相当している。図1中、符号10は、前輪を示している。
左右一対のサイドメンバAの前端部には、蓋11、およびフロントバンパ用のリインフォース12が取付けられている。各サイドメンバAは、エンジンルーム13に位置して車両前後方向に延びるフロント部2、このフロント部2の後部に繋がった後下がり傾斜部6a、およびその後部に繋がって車両前後方向に延びる後側延設部6bを有している。後側延設部6bの上側に、フロアパネル14が配設されている。
この車両1においては、前突が発生した場合、後述するように、サイドメンバAのフロント部2の前端部(本発明でいう長手方向一端部)に、衝突荷重Fが圧縮荷重として入力し、この衝突荷重Fが所定以上である場合、フロント部2には提灯座屈が生じる。
図2および図3に示すように、サイドメンバAのフロント部2は、断面ハット状部材m1に、略平板状の補助部材m2が接合された閉断面構造とされ、かつその左右両側壁部20b,20dには、凹部3,3’が形成され、かつ複数の凸状ビード部4,4’が設けられた構成とされている。
より詳細に説明すると、サイドメンバAのフロント部2は、図4(b)に示すような基本構造Sをもつ。同図に示す基本構造Sにおいては、一対のフランジ部20eを備えた断面ハット状部材m1と、略平板状の補助部材m2とが接合されている。このことにより、サイドメンバAのフロント部2は、上壁部20a、左右両側壁部20b,20d、および下壁部20cを備え、かつこれらが角部C1,C2を介して中空矩形角柱状(矩形筒状)に繋がった構成となっている。
両側壁部20b,20dは、本発明でいう第1の壁部の具体例に相当し、上壁部20aおよび下壁部20cは、本発明でいう第2の壁部の具体例に相当する。
フロント部2には、一対の突出片部21も具備されている。この突出片部21は、フランジ部20eと、補助部材m2の一部とが互いに重なった状態で、上下一対の角部C2からその上方または下方に突出した部位である。
角部C1は、側壁部20bに対し、上壁部20aおよび下壁部20cがそれぞれ交差して繋がっており、車両前後方向に延びる稜線Lを有している。これに対し、角部C2は、突出片部21が連設された部位とされており、稜線Lに相当する部位を有していないものの、側壁部20dに対して上壁部20aおよび下壁部20cがそれぞれ交差して繋がった部位である。角部C1,C2は、いずれも本発明でいう角部の具体例に相当する。
図4(a)に示す凹部3,3’は、側壁部20b,20dのそれぞれの一部分をこれらの内側方向に窪ませた部位であり、少なくとも車両前後方向に延びるように設けられている。本実施形態においては、図1(a)に示すように、凹部3,3’がフロント部2の全
長域L2にわたって設けられている。ただし、これに代えて、フロント部2の前端部寄りの適当な範囲(前端部を含む)のみに凹部3,3’が設けられている構成とすることもできる。
図4(a)によく表れているように、側壁部20bの凹部3の上部および下部は、上側および下側の角部C1のそれぞれの近傍に位置して、側壁部20bの厚み方向である水平方向に起立(斜め状の起立も含む、以下同様)する起立壁部30となっている。一方、側壁部20dの凹部3’の上部および下部は、上側および下側の角部C2のそれぞれの近傍に位置して水平方向に起立する起立壁部30’となっている。これらの起立壁部30,30’は、フロント部2の前端部から後端部側に向けて延びている。
複数の凸状ビード部4(4a~4d)は、凹部3の上側および下側の起立壁部30を橋渡し接続するように、それらの起立壁部30の相互間に位置して上下高さ方向に延びたビード部であり、車両前後方向に間隔を隔てて並んだ配置に設けられている。複数の凸状ビード部4は、図3に示すように、いずれも平面断面視略V字状であるが、これらの水平方向の突出高さHa~Hdは、互いに相違している(図5も参照)。
具体的には、複数の凸状ビード部4は、サイドメンバAの前端部に最も接近している凸状ビード部4aの突出高さHa(本発明でいう膨出寸法に相当)が最も高く、サイドメンバAの前端部から遠ざかるにしたがって、突出高さHb~Hdが順次低くなる構成、つまり、Ha>Hb>Hc>Hdの関係に設けられている。凸状ビード部4aの突出高さHaは、たとえば凹部3の深さdと略同一であり、この凸状ビード部4aの上端部および下端部と、側壁部20bの上部および下部(凹部3ではない部分)とは、略面一状である。これに対し、他の凸状ビード部4b~4dのそれぞれの突出高さHb~Hdは、凹部3の深さdよりも小寸法である。
複数の凸状ビード部4は、前記したような突出高さに設けられているため、起立壁部30のうち、各凸状ビード部4の形成箇所の剛性は相違している。具体的には、起立壁部30の各部のうち、凸状ビード部4aの形成箇所が最も剛性が低い箇所となっており、凸状ビード部4b,4c,4dの順序で凸状ビード部4の形成箇所の剛性は順次高くなっている。このことに基づき、車両1の前突が発生した際には、複数の凸状ビード部4a~4dのそれぞれの形成箇所は、後述するように、剛性が低い順序で変形していき、提灯座屈を生じさせる。
サイドメンバAのフロント部2の他方の側壁部20dには、凹部3’、およびこの凹部3’の上側および下側の起立壁部30’の相互間を橋渡しする複数の凸状ビード部4’(4a’~4d’)が設けられている。これらの部位は、既述した側壁部20bに設けられた凹部3や凸状ビード部4(4a~4d)と同様な構成であり、略対称な関係にある。したがって、それらの部位の詳細な説明については省略する。
フロント部2の上壁部20aおよび下壁部20cは、既述したように、本発明でいう第2の壁部の具体例に相当しており、側壁部20b,20dとは異なり、凹部3,3’や、凸状ビード部4,4’に相当する部位は設けられていない。本実施形態では、上壁部20aおよび下壁部20cの前端部から最も車両後方側に位置する凸状ビード部4d,4d’の形成箇所に至る領域にわたり、凹凸部や曲げ部などが設けられていない平板状とされており、側壁部20b,20dと比較して、剛性の変化が少ない壁部として構成されている。なお、上壁部20aおよび下壁部20cに、たとえば所望の機器を取付けるためのボルト挿通用などの孔部を設けることは許容される。
次に、前記したサイドメンバA(エネルギ吸収構造体)の作用について説明する。
車両1の前突が発生することに起因し、その衝突荷重FがサイドメンバAの前端部に対する車両前方側からの圧縮荷重として入力すると、サイドメンバAのフロント部2には、図6に示すような横ひずみε2が発生する。その結果、フロント部2は、角部C1,C2およびそれらの近傍部分がN1,N1’で示す方向に膨出する変形を生じる。
この現象を、図8を参照して説明する。同図においては、中空矩形角柱状の部材9に、圧縮荷重Fa(衝突荷重)を作用させている。部材9に圧縮荷重Faの衝撃波が伝達している極初期においては、部材9の壁部9a~9dのそれぞれの縦ひずみε1に対応し、所定のポアソン比分の横ひずみε2を生じる。この横ひずみε2は、図8(c)に示すように、4つの壁部9a~9dのそれぞれにおいて生じる結果、部材9は、4つの角部が矢印N2で示す方向に膨出するように変形する。
図6に示したサイドメンバAのフロント部2の変形は、図8に示した現象と同様な原理に基づく。ただし、図6に示したフロント部2においては、角部C2に突出片部21が繋がっており、この部分に生じる横ひずみε2の影響により、角部C2およびその近傍部分が膨出する方向は、矢印N1’で示すような方向となる。
側壁部20bのうち、角部C1の近傍には、凹部3の上側および下側の起立壁部30が位置しているが、これら起立壁部30が位置する部分の強度は、他の部分と比較すると低い。したがって、起立壁部30の存在は、角部C1の外方への膨出量が多くなり、ひいてはフロント部2の全体の変形量も多くなる作用を生じさせる。これと同様に、側壁部20dには、起立壁部30’が設けられているため、前記した作用と同様に、角部C2の外方への膨出量が多くなる作用も得られる。
サイドメンバAのフロント部2には、複数の凸状ビード部4,4’が設けられているが、これらの箇所は、凸状ビード部4,4’が設けられていない箇所と比較して剛性が低く、衝突荷重Fによる圧縮変形を相対的に生じ易い。ただし、複数の凸状ビード部4,4’は、それらの突出高さHa~Hdが、Ha>Hb>Hc>Hdとされているため、凸状ビード部4a,4a’の形成箇所が最も剛性が低く、車両後方側になるほど剛性が順次高くなっている。
以上より、フロント部2に衝突荷重Fが入力した際には、まず、剛性が最も低い凸状ビード部4a,4a’の形成箇所において、角部C1,C2が矢印N1,N1’方向に膨出するように大きく変形し、次いで凸状ビード部4b,4b’の形成箇所が変形する。その後は、凸状ビード部4c,4c’の形成箇所、凸状ビード部4d,4d’の形成箇所の順序で変形する。フロント部2の前端部寄り領域のうち、凸状ビード部4,4’の非形成箇所においても角部C1,C2が外方に膨出するように変形するが、その変形量は凸状ビード部4,4’の形成箇所の変形量よりも少なくなる。
このようなことから、凸状ビード部4,4’の形成箇所は、フロント部2の外方側に大きく広がるようにして車両前後方向に圧縮変形(潰れ変形)し、またそれ以外の箇所は、凸状ビード部4,4’の変形度合いよりも外方側への広がり度合いが少ない態様で車両前後方向に圧縮変形する。その結果、外方側への広がり度合いが大きい凸状ビード部4,4’の圧縮変形箇所の間に、それよりも外方側への広がり度合いが小さい圧縮変形箇所が挟まれる態様の変形を生じさせることが可能となる。このことにより、サイドメンバAのフロント部2には、図7に模式的に示すような提灯座屈(蛇腹状に圧縮変形した座屈)を生じさせることができる。サイドメンバAに提灯座屈を生じさせれば、サイドメンバAのトータルの変形量を大きくし、車両1の前突時におけるエネルギ吸収性能を優れたものとすることが可能である。
本実施形態のサイドメンバAにおいては、フロント部2の角部C1,C2を分断するビード部は設けておらず、角部C1,C2は、衝突荷重Fに対する強度が高い部位として機能する(角部C1,C2が、衝突荷重Fの多くを負担する)。したがって、サイドメンバAの板厚を比較的小さくし、サイドメンバAの軽量化を図りながらも、サイドメンバAに必要とされる強度を適切に確保することも可能となる。
図9は、本発明の他の実施形態を示している。同図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付すこととし、重複説明は省略する。
図9に示すサイドメンバAaのフロント部2aにおいては、側壁部20b,20dに、前記実施形態の凹部3,3’に代えて、側壁部20b,20dの外方側に膨出する凸部3A,3A’を形成している。上側および下側の角部C1の近傍には、凸部3A3の上側および下側の起立壁部30が位置しており、上側および下側の角部C2の近傍には、凸部3A’の上側および下側の起立壁部30’が位置している。凸部3A,3A’には、複数の凹状ビード部5(5a~5d),5’(5a’~5d’)が車両前後方向に間隔を隔てて設けられているが、これらの窪み寸法Da~Ddは相違している。具体的には、フロント部2aの前端部に最も接近している凹状ビード部5a,5a’の窪み寸法Daが最も大きく、車両後方側の部分ほど窪み寸法が徐々に小さくなっている(Da>Db>Dc>Dd)。
本実施形態においては、このサイドメンバAaのフロント部2aのうち、凹状ビード部5a,5a’の形成箇所が、最も剛性が低い箇所であり、これに次いで、凹状ビード部5b~5d、および5b’~5d’の順次で剛性が低くなっている。凹状ビード部5,5’の非形成箇所は、凹状ビード部5,5’の形成箇所よりも剛性が高い。したがって、車両1の前突が発生し、フロント部2aの前端部に衝突荷重が入力した際には、複数の凹状ビード部5a~5d、および5a’~5d’の形成箇所が外方側に大きく広がるように圧縮変形し、かつそれらの相互間には、凹状ビード部5a~5dおよび5a’~5d’の非形成箇所が圧縮変形して挟まれた態様となる。その結果、前記実施形態と同様に、フロント部2aに提灯座屈を生じさせ、エネルギ吸収性能を優れたものとすることが可能である。角部C1,C2を分断するビード部は設けられていないため、サイドメンバAaの強度確保も適切に図ることができる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るエネルギ吸収構造体の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
上述の実施形態においては、本発明に係るエネルギ吸収構造体が、フロントサイドメンバとして構成されているが、これに限定されない。たとえば、車両の後部に位置して車両前後方向に延び、かつ車両の後突が発生した際に車両後方側から衝突荷重を受けるリヤサイドメンバ、あるいは車両のフロア部の上側あるいは下側に位置して車幅方向に延び、かつ車両の側突が発生した際に車幅方向外方側から衝突荷重を受けるフロアクロス部材などとして構成することができる。また、車体骨格部材でなくてもよく、車両の衝突時のエネルギ吸収を主目的とする部材として構成されていてもよい。
本発明に係るエネルギ吸収構造体は、複数の壁部が中空角柱状に繋がった構造を有しているが、前記実施形態から理解されるように、この構造は、複数部材を用いて構成されている場合(たとえば、断面ハット状部材と平板状部材との組み合わせ、2つの断面ハット状部材の組み合わせ、2つの凹状部材の組み合わせなど)、および単一部材によって構成されている場合(角パイプ状など)のいずれであってもよい。
好ましくは、本発明のエネルギ吸収構造体は、上述の実施形態のように、中空矩形角柱状に構成され、2つずつの第1の壁部(側壁部20b,20d)と、第2の壁部(上壁部20a、下壁部20c)とを備え、かつこれらが左右対称とされるが、これに限定されない。中空矩形角柱状を構成する複数の壁部中に、本発明でいう第1および第2の壁部が1組のみ具備されている構成も、本発明の技術的範囲に包摂される。
本発明でいう中空角柱状は、中空矩形角柱状(矩形筒状)に限定されず、それよりも多角形の中空角柱状とすることが可能である。偶数角形(六角形など)が好ましいが、奇数角形(五角形など)であってもよい。
A,Aa サイドメンバ(エネルギ吸収構造体)
1 車両
20a 上壁部(第2の壁部)
20b 側壁部(第1の壁部)
20c 下壁部(第2の壁部)
20d 側壁部(第1の壁部)
3,3’ 凹部
30,30’ 起立壁部
4,4’凸状ビード部
5,5’ 凹状ビード部

Claims (1)

  1. 複数の壁部が中空角柱状に繋がり、かつ前記複数の壁部として、角部を介して互いに交差した角度で繋がった第1および第2の壁部を含む構造体であり、
    車両に所定の衝突が発生した際に、その衝突荷重が前記第1および第2の壁部の長手方向一端部に対し、前記長手方向の圧縮荷重として入力可能な状態に設けられている、エネルギ吸収構造体であって、
    前記第1の壁部には、この第1の壁部の内側に窪んだ凹部または外側に膨出した凸部が、この第1の壁部の長手方向一端部からその他端部側に向けて延びるように形成されていることにより、前記凹部または前記凸部の一部をなす起立壁部として、前記角部の近傍に位置して前記第1の壁部の厚み方向に起立し、かつ前記第1の壁部の長手方向一端部からその他端部側に向けて延びるとともに、前記第1の壁部の短手方向に間隔を隔てて位置する一対の起立壁部が設けられている一方、
    前記第2の壁部の少なくとも長手方向一端部からその他端部側に向かう所定長さ領域は、前記第1の壁部よりも剛性の変化が少ない平板状の壁部として構成されており、
    前記第1の壁部の前記凹部または前記凸部には、前記凹部の一部が前記第1の壁部の外側に所定の膨出寸法で膨出した凸状ビード部として、または前記凸部の一部が前記第1の壁部の内方側に所定の窪み寸法で窪んだ凹状ビード部としての複数のビード部が、前記長手方向に間隔を隔てた配置で形成されており、
    これら複数のビード部は、前記一対の起立壁部を橋渡し接続するように前記一対の起立壁部の相互間に位置して前記短手方向に延び、かつ前記角部を避けた配置に設けられているとともに、
    前記第1の壁部の長手方向一端部に最も接近した最端位置のビード部の前記膨出寸法または前記窪み寸法が最も大きく、かつ前記第1の壁部の長手方向一端部から遠いビード部ほど前記膨出寸法または前記窪み寸法が小さくされており、
    前記最端位置のビード部の前記膨出寸法または前記窪み寸法は、前記凹部の深さまたは前記凸部の突出高さと略同一であることを特徴とする、エネルギ吸収構造体。
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