JP2005105211A - 粒状洗剤粒子の製造方法、高嵩密度粒状洗剤粒子及び洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 洗剤粒子を空気輸送により移動を行う工程を含む粒状洗剤粒子の製造方法において、上記洗剤粒子の粘弾性指標となる下記式(I)で示されるtanδと、表面付着性指標となる圧裂引張強度K値とが下記(A)及び(B)の範囲となる関係を有するように造粒品物性を調節することを特徴とする粒状洗剤粒子の製造方法。
式(I):tanδ=損失弾性率G´´/貯蔵弾性率G´
(A):tanδが0.075未満又は0.2を超えるとき、圧裂引張強度Kが0〜70kPaであること。
(B)tanδ=0.075〜0.2であるとき、圧裂引張強度Kが0〜200kPaであること。
【選択図】 なし
Description
そこで、本願出願人は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルのアルカリ金属塩を含む造粒物に付着防止剤を添加し、空気輸送することにより、輸送配管への付着・固着等のトラブルを回避する製法を出願している(例えば、特許文献1参照)。
このように、空気輸送時の洗剤粒子の物性値、すなわち、粘弾性と表面付着性の範囲を調整することにより付着の問題を解決した技術は未だないのが現状である。
(1) 洗剤粒子を空気輸送により移動を行う工程を含む粒状洗剤粒子の製造方法において、上記洗剤粒子の粘弾性指標となる下記式(I)で示されるtanδと、表面付着性指標となる圧裂引張強度K値とが下記(A)及び(B)の範囲となる関係を有するように造粒品物性を調節することを特徴とする粒状洗剤粒子の製造方法。
式(I):tanδ=損失弾性率G´´/貯蔵弾性率G´
(A):tanδが0.075未満又は0.200を超えるとき、圧裂引張強度Kが0〜70kPaであること。
(B)tanδ=0.075〜0.200であるとき、圧裂引張強度Kが0〜200kPaであること。
(2)上記(1)に記載の製造方法により得られることを特徴とする高嵩密度粒状洗剤粒子。
(3)上記(2)に記載の高嵩密度粒状洗剤粒子を含有することを特徴とする洗剤組成物。
本発明の粒状洗剤粒子の製造方法は、洗剤粒子を空気輸送により移動を行う工程を含む粒状洗剤粒子の製造方法において、上記洗剤粒子の粘弾性指標となる下記式(I)で示されるtanδと、表面付着性指標となる圧裂引張強度K値とが下記(A)及び(B)の範囲となる関係を有するように造粒品物性を調節することを特徴とするものである。
式(I):tanδ=損失弾性率G´´/貯蔵弾性率G´
(A):tanδが0.075未満又は0.200を超えるとき、圧裂引張強度Kが0〜70kPaであること。
(B)tanδ=0.075〜0.200であるとき、圧裂引張強度Kが0〜200kPaであること。
また、本発明の高嵩密度粒状洗剤粒子は、上記の製造方法により得られることを特徴とするものであり、また、本発明の洗剤組成物は、上記高嵩密度粒状洗剤粒子を含有することを特徴とするものである。
本発明で用いる空気輸送としては、圧送式や吸引式を用いることができ、輸送する粉体および量によって適宜選定される。
嵩密度:0.45g/cc以上、
平均粒径:200μm以上5mm以下
特に、空気ポンプの配置により、真空(吸引)式、圧送式及び両者を組み合わせた組み合わせ式等の形式があるが、これらの形式については、いずれのものも使用できる。
真空(吸引)式の空気輸送装置は、輸送管内が大気圧以下で運転され、排気ブロアー、真空ポンプ等で配管内に粉粒体を吸引し、輸送後、サイクロン等の分離器で粉粒体を分離するもので、市販品として、例えば、日研テクノ(株)製のパウローダー、不二パウダル(株)製のバキューマックス等が挙げられる。
粉体の空気輸送を行なうための送風装置には、ファンやブロワーなどが挙げられるが、大量の粉体を空気輸送するためにはより吐出圧の大きいブロワーが有効である。ブロワーには遠心式やルーツ型などの形式があり、遠心式ブロワーの具体例として、昭和風力(株)製の高圧ターボブロワー等が挙げられる。ルーツ型の送風装置の例としては(株)荏原製作所製の回転容積型ブロワー、(株)アンレット製の3葉ルーツブロワ、(株)宇野澤組鐵工所のARK型ロータリブロワ等が挙げられる。
すなわち、洗剤粒子または粉体を空気輸送する際には、粉体が空気輸送配管内壁等に衝突した際に付着が起こる恐れがある。このような付着が起こった場合には、局所的にはこれを取り除くために、配管の外側から振動を与えたりまたは局部的にエアーを当てることなどにより改善することが可能である。既存設備に新たに設備付加をおこなうことにより付着を軽減することが可能であるが、これは抜本的な対策にはなり得ない。すなわち、粉体の種類や洗剤粒子の組成を変更する都度、付着の度合いや付着の起こる部位も異なってくる。このような配管内への粉体の付着により配管が閉塞し、洗剤の生産性が低下するだけでなく、配管内圧の上昇による危険度が増すことや、さらに配管内に付着した物質が製品に混入し、外観・性能が劣化する恐れがある。
一般的な粉体の付着に影響を及ぼす因子として、表面物性(表面付着力)と、バルクの物性(粘弾性)、分子間力、静電気力、磁気的な力などが挙げられる。そこで上記各物性について洗剤粒子の壁面への付着を鋭意検討した結果、これらの中で、表面付着力と粘弾性の2つが特に重要であることが本発明者らによって解明されたのである。
すなわち、表面付着力に関しては、その発現原因は特定できないが、要因としては以下のものが考えられる。洗剤粒子が配管内壁などに衝突したとき、液体状バインダー成分の染み出しが起こり、ぶつかったとき粒子と内壁との間に液架橋膜を形成する場合や、配管内の湿度が高い場合にはエアー中の水分が粒子表面に凝縮し、べたつきにより同様に内壁に衝突した際に粒子の付着が起こるというメカニズムが考えられる。逆に、このような問題がなく粒子が跳ね返されると付着は起こらない。この表面での付着の起こりやすさを示す尺度が表面付着力である。この表面付着力の評価法として、パウダーベットテスター、アグロボット、錠剤硬度計などによる粒子−粒子間の付着力、粒子−固体表面間の付着力の測定で判断できる。
a) 粒子に加えられる力・圧力に対してこの弾性・粘性のバランスが適当であれば、粒子は、瞬間的に変形は起こしても回復して元の形状を維持することができる。
b) 粘弾性が大きくなりすぎると、塑性変形で見られるように、粒子はつぶれて表面積が大きくなり壁に付着する。
c) 粘弾性が小さくなりすぎると、脆性破壊のように衝撃に対して脆く崩れてしまい、結果、表面積が大きくなり壁に付着する。
この粘弾性を測定する装置として、本発明では、一般的な粘弾性測定装置であれば良いが、具体的にはReo Stress RS75(HAAKE社製)等が挙げられる。測定の方法について、ずり、剪断応力等による測定が可能であるが、本発明では、ずり、剪断応力に対応する損失弾性率、貯蔵弾性率から粘弾性の測定を行っている。すなわち、
1)tanδの値が適当であれば、粒子は、瞬間的に変形は起こしても回復して元の形状を維持することができる。
2)tanδの値が大きくなりすぎると、塑性変形で見られるように、粒子はつぶれて表面積が大きくなり壁に付着する。
3)tanδの値が小さくなりすぎると、脆性破壊のように衝撃に対して脆く崩れてしまい、結果、表面積が大きくなり壁に付着する。
式(I):tanδ=損失弾性率G´´/貯蔵弾性率G´
(A):tanδが0.075未満又は0.200を超えるとき、圧裂引張強度Kが0〜70kPaであること。
(B)tanδ=0.075〜0.200であるとき、圧裂引張強度Kが0〜200kPaであること。
好ましくは、粘弾性に関して、洗剤粒子の粘弾性tanδを、tanδ=0.080〜0.170、更に好ましくは0.085〜0.150となるように洗剤粒子を調整することが望ましい。また、損失弾性率G´´は、G´´=1.00×105Pa〜1.00×107Pa、更に好ましくは1.00×106Pa〜1.00×107Paとなることが望ましい。貯蔵弾性率G´は、G´=1.00×106Pa〜1.00×108Pa、更に好ましくは1.00×107Pa〜1.00×108Paとなることが望ましい。
なお、本発明において、粘弾性と圧裂引張強度の測定方法としては、後述する実施例に示した方法等が挙げられる。
tanδが0.075未満で、圧裂引張強度K=70kPa超過では、粒子が脆く、空気輸送する際に、配管内で衝突した際に脆く壊れて付着し、また、tanδが0.200超過で、圧裂引張強度K=70kPa超過では、粒子が柔らかく、空気輸送する際につぶれて配管に付着することとなる。
本発明では、洗剤粒子の粘弾性と圧裂引張強度を適正な値(本発明のA、Bの範囲)に調整すること(及び後述する実施例及び比較例でサポート)により、粒子は配管内衝突時に反発し、付着を防ぐことができ、これにより洗剤生産性の確保、安全性の確保、洗剤粒子付着物の製品への混入による外観・性能の劣化の防止を達成することができることとなる。
なお、配管内風速が大きいほど洗剤粒子は、衝突時に付着しやすくなるため、風速によって粘弾性、表面付着力の適正な範囲は異なってくる。配管内風速は、洗剤粒子を輸送でき、かつ衝突時の付着を防ぐことができる速度が必要であり、好ましくは、8〜38m/sec、更に好ましくは、15〜35m/sec、特に好ましくは25〜35m/secとすることが望ましい。
用いることができる界面活性剤としては、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、石鹸等のアニオン界面活性剤、高級アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコキシレート等のノニオン界面活性剤等が使用できる。
ビルダーとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、結晶性シリケート、アルミノ珪酸塩、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、芒硝等の無機ビルダー、クエン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ3酢酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体等の有機ビルダー等が挙げられる。
また、洗剤組成は、界面活性剤、洗浄ビルダー、その他添加成分を任意に配合することができ、特にその組成は限定されるものではない。
(乾燥工程)
(1)洗剤スラリー
洗剤スラリーの水分としては、30〜60質量%(単に、「%」という)にすることが好ましく、より好ましくは、30〜50%、最も好ましくは35〜45%とすることが望ましい。水分が30%より低いと、洗剤スラリーの粘度が高くなりハンドリングに問題が生ずる。また、水溶性無機ビルダーを配合している場合、無機ビルダーが溶解せず残存してしまい、凝集あるいは沈殿等の問題を引き起こすこともある。水分が60%を超えて高いと乾燥する際に必要なエネルギーが多くなり、経済的に不利となる。
また、洗剤スラリー中の界面活性剤量としては、60%以下、好ましくは50%以下とすることが望ましい。60%超過の活性剤が含まれると、ノズル出口でのスラリーの微粒化が悪くなり、乾燥効率の低下に繋がることとなる。
また、洗剤スラリー中の無機ビルダー量としては、15〜70%、好ましくは、20〜65%とすることが望ましい。この量が15%未満であると、スラリーの粘度が高くなり、ノズル出口でのスラリー微粒化が悪くなり乾燥効率の悪化に繋がる。また、70%超過であると、溶け残った無機ビルダーが凝集あるいは沈殿といった問題を引き起こす。
なお、洗剤スラリーの調整方法及び組成物の添加順序に関しては特に限定されないが、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルカリビルダー、またはゼオライトが含まれる場合、特願平4−349787にあるように直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を含むスラリーにアルカリビルダー、またはゼオライトを添加した後にαスルホ脂肪酸アルキルエステル塩を添加することが好ましい。
更に、洗剤スラリーの温度としては、50〜90℃することが好ましく、より好ましくは55〜85℃、最も好ましくは55〜80℃とすることが望ましい。
また、洗剤スラリー調整時に撹拌と同時に循環を行うことも好ましい。行うことによりスラリーの混合が促進し、無機ビルダーの沈殿等の問題も解消することができる。また、特願平07−184928にあるように未中和のアニオン活性剤をスラリー調整時に中和させる場合はポンプの剪断力を利用できる循環ラインからの添加が好ましい。
洗剤スラリーの粘度はハンドリングの面より好ましくは300P以下、より好ましくは250P以下、最も好ましくは200P以下とすることが望ましい。
洗剤スラリーの全成分添加後、乾燥されるまでの撹拌時間は特に限定されないが、好ましくは3min以上、より好ましくは5min以上撹拌後乾燥することが好ましい。3minより短いと、特に無機ビルダーの溶解残分が多くなり、高嵩密度粒状洗剤の溶解性が低下することがある。
本発明では、上記方法等に従い調整された洗剤スラリーの乾燥方法としては、特に限定されるものではないが、大量の洗剤スラリーを乾燥する能力上、噴霧乾燥が特に好ましい。
噴霧乾燥塔としては、向流、並流何れの形態でも構わないが、熱効率や、乾燥粉の低水分までの乾燥が可能なことから向流式がより好ましい。乾燥塔に供給される高温ガスの温度としては通常、好ましくは150〜350℃、より好ましくは170〜300℃、最も好ましくは200〜280℃であることが望ましい。この範囲(350℃)より高いと、連続運転を行った場合に噴霧乾燥塔内に付着した固形物中の有機物が燃焼を起こし、トラブルの原因となり得る。また、乾燥塔より排出されるガスの温度は、通常、好ましくは70〜125℃、より好ましくは70〜115℃であることが望ましい。この範囲(125℃)より高いと、乾燥塔の熱効率が低下する。
また、向流接触による乾燥の場合、得られる乾燥粉の温度が高い場合がある。乾燥粉の温度が高いと流動性の悪化、付着等が問題となる。この場合、乾燥塔の下部より冷風を投入することにより粉温を下げることができる。また、この時同時に、熱風吹出口の下部より無機微粒子を導入し、乾燥粒子と接触させることにより、熱風吹出口下部のコニカル部壁への付着を防止しすると共に、洗剤粒子の流動性を向上させることができる。
スラリーの微粒化装置としては、例えば、圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式のいずれの形態でも構わないが、乾燥粉の平均粒径が100〜700μm、好ましくは150〜500μmであることから、該粒径を得ることができる噴霧装置として、圧力噴霧ノズルが特に好ましい。
更に、圧力ノズルの形状としては、特に限定されず、例えば、実公昭40−26461、実公昭40−27165号公報、特公昭41−16342号公報、実開昭53−24510号公報、特公昭55−39376号公報、特開平04−63154号公報、特開平09−75786号公報記載のノズルを用いることができる。噴霧時の圧力としては、15〜45kg/cm2が好ましい。より好ましくは20〜40kg/cm2とすることが望ましい。なお、噴霧時のスラリーの温度は、洗剤スラリー調整時の温度と同様で、特に問題はない。
上記製法等により得られる洗剤スラリーを乾燥して得られる乾燥粉の温度は、55℃以下が好ましく、より好ましくは50℃以下であることが望ましい。この温度が55℃を超えると、乾燥粉中の有機分等が軟化し、乾燥粉の流動性が劣化することがある。また、乾燥粉物性としては、嵩比重0.10〜0.50g/cc、ハンドリングの面より安息角は好ましくは60°以下、より好ましくは55°以下であることが望ましい。この安息角が60°超過の場合には、サイロ等からの排出性が著しく悪化することがある。
上記方法等により得られる洗剤スラリーを乾燥する際、乾燥塔を使用すると必ず排気ガスが発生することとなる。この排気ガスは、ほとんどが水分であるが微量には活性剤等からの揮発成分が含まれることがある。そこで、本発明では、環境に配慮するとともに乾燥塔の負荷を減らすため従来洗剤スラリーに配合していた界面活性剤の一部または全量を別の装置で水分を減じ(下記濃縮方法等で濃縮し)、得られた濃縮品とその他の成分を乾燥した乾燥粉とを造粒工程で混合して洗剤顆粒を得ることもできる。
濃縮工程の濃縮方法としては、特に限定されるものではない。例えば、リサイクルフラッシュ濃縮、真空薄膜蒸発、加熱撹拌蒸発などが挙げられる。
(2)濃縮原料ペースト
原料ペーストに含まれる活性剤、ビルダーは、前述の洗剤スラリーの段で記載したいずれの物も用いることができる。また、当然のことながらこれに限定されるものではない。
原料ペーストの水分は、5〜50%が好ましい。より好ましくは、7〜45%、最も好ましくは9〜42%であることが望ましい。
アニオン活性剤を濃縮する場合、濃縮後の低水分状態でのハンドリング性が問題になることがある。この問題を回避するため、減粘化に寄与するものを添加剤として加えることが好ましい。以下に、減粘化剤として機能する物質を例示するが、これに限定されるされものではない。
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル:炭素数8〜40の飽和又は不飽和、EO、PO又はBO、好ましくはEO、POが単独であるいは混合して3〜35モル、好ましくは5〜30モル付加した物が望ましい。
・ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル:アルキル基又はアルケニル基の炭素数が8〜12のアルキルフェノールにEO、PO又はBOが好ましくはEOまたはPOが単独であるいは混合して5〜25モル、好ましくは8〜20モル付加した物が好ましい。
・ポリエチレングリコール:重量平均分子量200〜20000のものが好ましい。
・ポリエチレングリコール脂肪酸エステル:脂肪酸基の炭素数8〜22、エチレングリコールの重合度(エチレンオキシドの付加モル数)5〜25。
・デカグリセリン脂肪酸エステル:脂肪酸基の炭素数8〜22。
・ソルビタン脂肪酸エステル:脂肪酸残基の炭素数8〜22。
・水溶性ポリカルボン酸及びその塩:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸から選ばれる1種あるいはこれから選ばれる2種以上からなるコポリマーが好適に用いられる。対イオンとしては、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムから選択される1種以上が好ましい。平均分子量は10000以下、好ましくは300〜10000とするのが好ましい。
濃縮物の粘度は、ハンドリングの面より20000P以下が好ましい。より好ましくは10000P以下、最も好ましくは5000P以下とすることが望ましい。この粘度が20000P超過では輸送が非常に困難となる場合がある。
また、濃縮物の水分は、好ましくは2〜26%、より好ましくは5〜25%とすることが望ましい。濃縮物の温度は濃縮機内真空度に依存し、該真空度での沸点とほぼ同様な温度を示す。撹拌翼からの摩擦熱が多い場合には沸点以上になることもある。濃縮物の温度は、好ましくは50〜98℃、より好ましくは52〜96℃であることが望ましい。
次に、粒状洗剤粒子の高密度化の方法等について説明する。本発明では、少なくとも一種の洗剤成分から構成される噴霧乾燥粒子及び/又は粉体原料を、捏和(混練)押出後、破砕する捏和造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法から選ばれる造粒方法により高密度化することができる。以下に、それぞれの造粒方法について説明する。
<捏和造粒法>
捏和造粒法は、洗剤原料や噴霧乾燥粒子を捏和(混練)して、洗剤の固形物を調製した後、該固形物を破砕造粒機で破砕処理して粒状化する方法である。洗剤原料や噴霧乾燥粒子は、捏和(混練)装置内に導入され、剪断力を付与しながら輸送、圧密化、捏和(混練)と段階的に混合され、固体洗剤を形成する。
捏和(混練)装置としては、各種の装置を使用することができる。具体的には、密閉式の圧密化処理装置、更に好ましくは横型連続式のニーダーが好適に挙げることができる。ニーダーの他に、一軸又は二軸スクリュー押出機などを用いることができる。これらの装置は、回分式、連続式の何れであっても良い。
(1)連続式捏和(混練)装置
例1:KRCニーダー〔(株)栗本鐵工所社製〕
例2:エクストルードオーミックス〔ホソカワミクロン(株)社製〕
例3:ファインリューザー〔不二パウダル(株)社製〕
例4:コンティニュアスニーダー〔(株)ダルトン社製〕
例5:特開昭63−242334号公報、特開平6−23251号公報、同6−23252号公報、同7−265679号公報に記載の装置
例6:ツインドームグラン〔不二パウダル(株)社製〕
例7:ドームグラン〔不二パウダル(株)社製〕
(2)回分式捏和(混練)装置
例1:ニーダー〔(株)ダルトン社製〕
例2:万能混合攪拌機〔(株)ダルトン社製〕
(1)温度
一般に30〜80℃、好ましくは35〜75℃、更に好ましくは40〜70℃で操作することが望ましい。温度が30℃よりも低い場合には、捏和(混練)装置への負荷が過大となり易く、好ましくない。一方、温度が80℃よりも高くなると、逆に、捏和(混練)が粉砕機等の後工程で使用する装置に付着し易くなり、好ましくない。
回分式の場合の処理時間は、通常、1〜20分、好ましくは2〜15分、更に好ましくは3〜10分である。
連続式の場合の処理時間は、通常、10〜120秒、好ましくは20〜90秒、更に好ましくは30〜60秒である。
(3)圧力
特開昭61−118500号公報に開示されているように、ニーダーの内圧は0.01〜5kg/cm2・Gに制御して連続的に捏和(混練)する。
捏和(混練)の際のバインダーとしては、一般に、水、アニオン界面活性剤水溶液、ノニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤水溶液、及びそれらの混合物などが用いられ、ノニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤水溶液及びアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の混合水溶液が好適である。
(5)冷却
捏和(混練)による洗剤固形物の温度上昇を抑制するため、捏和(混練)装置のジャケットに冷媒を通しながら捏和(混練)を行うことが望ましい。冷媒としては、エチレングリコールの水溶液が好適であり、その濃度は15〜30%、好ましくは20〜25%のものを使用する。
得られた捏和(混練)物の嵩密度は、一般に、0.5〜1.2g/cc 、好ましくは0.6〜1.0g/ccであり、寸法は、一般に、10〜500mmであるが、捏和(混練)物を導入する押出機のスクリューのピッチの大きさよりも小さければ、特に制限はない。
押出装置としては、一般に、一軸又は二軸スクリュー型押出機やディスク型押出機やロール型押出機を使用することができるが、洗剤の場合スクリュー型が好ましく、二軸型がより好ましい。代表的に押出機を以下に例示する。
(1)一軸スクリュー型
例1:ドームグラン〔不二パウダル(株)社製〕
例2:スクリュー一軸連続造粒機〔深江工業(株)社製〕
(2)二軸スクリュー型
例1:ペレッターダブル〔不二パウダル(株)社製〕
例2:ツインドームグラン〔不二パウダル(株)社製〕
例3:TEX65αII二軸押出機〔日本製鋼所(株)社製〕
例4:スクリューW式連続造粒機〔深江工業(株)社製〕
(3)ディスク型
例1:ディスク・ペレッター〔不二パウダル(株)社製〕
(4)ロール型
例1:円筒式造粒機〔深江工業(株)社製〕
例2:オープンロール連続押出機〔三井鉱山(株)社製〕
(1)ダイス厚み
一般に、押出圧力によって設定する。通常、洗剤を押し出す場合、10〜30mmであり、好ましくは15〜20mmであることが望ましい。
(2)ダイス開孔率
一般に、処理能力と押出圧力によって設定する。通常、洗剤を押し出す場合、10〜60%、好ましくは15〜50%、更に好ましくは20〜40%であることが望ましい。
(3)ダイス孔径
一般に、所望のペレットサイズによって決定するが、破砕造粒工程での負荷を考慮した場合、1〜20mmφが好適であり、好ましくは3〜15mmφ、更に好ましくは5〜12mmφであることが望ましい。ダイス孔径が小さくなりすぎると、押出し圧力の上昇により押出し機に取付けられたダイス変形等のトラブルの原因となる。一方、ダイス孔径が大きすぎると、破砕機への負荷が増大する。
(4)ダイス形状
孔の形状は、摩耗や圧力(負荷)を考慮すると円形が好ましい。また、ダイスへの被押出物の導入を改善したり、圧力上昇を抑制するために、ダイス入り口の孔径を出口孔径よりも大きく設計することが好ましい。
(1)温度
一般に20〜80℃、好ましくは30〜70℃、更に好ましくは40〜60℃で操作することが望ましい。温度が20℃よりも低い場合には、押出し機への負荷が過大となり易く好ましくない。一方、温度が80℃よりも高くなると、被押出物が付着し易くなり好ましくない。
(2)処理時間
一般に、1〜20秒、好ましくは3〜15秒であることが望ましい。時間が1秒よりも短い場合には、ペレット成形性が悪く且つ成分の均一化が低下する好ましくない。一方、時間が20秒よりも長くなると、生産性が低下するため好ましくない。
(3)カッティング
ペレットの切断は、一般にカッターや硬線などの切断器具を回転させて押出機のダイスから排出されるペレットを切断する。この周速は1〜5m/sが好ましい。周速が遅いと得られるペレットが大きくなりすぎ、一方、速すぎるとペレット同士の合一が起きる。ダイスとカッターとのクリアランスは可能な限りゼロが好ましい。クリアランスが大きいと、ペレットがカッテングされる際、カッターの回転方向にペレットが動きペレット同士の合一が起こる。ただし、実際には10mm以下程度に設定することが好ましい。
(4)付着対策
被押出物が押出機のスクリューに付着し、押出能力を低下させる場合、ジャケットによって冷却したり加温したりする。また、洗剤の場合はスチームをスクリュー表面に導入すると付着抑制の効果が大きい。
本工程で得られたペレットの直径は、一般に、1〜20mmφが好適であり、好ましくは3〜15mmφ、更に好ましくは5〜12mmφであることが望ましい。。ペレット径が小さくなりすぎると、押出し圧力の上昇により押出し機に取付けられたダイス変形等のトラブルの原因となる。一方、ペレット径が大きすぎると、破砕機への負荷が増大する。
また、ペレットの長さは、ペレット切断用ナイフへの付着や破砕機への負荷を考慮すると、5〜30mmが適当であり、好ましくは5〜15mmである。
撹拌造粒法は、洗剤原料や噴霧乾燥粒子を撹拌造粒装置(内部撹拌型混合機)に導入して、剪断作用と圧密作用と転動作用を利用して造粒する方法である。
本方法で使用される撹拌造粒装置は、撹拌羽根を備えた撹拌軸を内部の中心に有し、撹拌羽根が回転する際に撹拌羽根と器壁との間にクリアランスを形成する構造であることがものが好ましい。平均クリアランスは1〜30mmが好ましく、更に好ましくは3〜10mmであることが望ましい。この平均クリアランスが1mm未満では、付着層により、混合機が過動力となり易い。また、30mmを超えると、圧密化の効率が低下するため粒度分布がブロードになる。また造粒時間が長くなり生産性が低下する。
この様な構造を有する撹拌型混合機としては、例えばヘンシェルミキサー〔三井三池化工機(株)社製〕、ハイスピードミキサー〔深江工業(株)社製〕、バーチカルグラニュレーター〔(株)パウレック社製〕等の装置があり、特に好ましくは横型の混合槽で円筒の中心に撹拌軸を有し、この軸に撹拌羽根を取付けて粉末の混合を行う形式のミキサーであり、例えば、レディゲミキサー〔(株)マツボー社製〕、ブロシェアミキサー〔太平洋機工(株)社製〕が挙げられる。
(1)フルード数(Fr数)
下記式IIで定義されるフルード数が1〜4であることが好ましく、更に好ましくは1.2 〜3であることが望ましい。フルード数が1未満では、圧密化が促進されず好ましくない。また4を超えると粒度分布が広くなり好ましくない。
〔式II〕
Fr=V/(R×g)0.5
V:攪拌羽根の先端の周速〔m/s〕
R:攪拌羽根の回転半径〔m〕
g:重力加速度〔m/s2〕
(2)造粒時間
好適な造粒物を得るための回文式の造粒における造粒時間、及び連続式の造粒における平均滞留時間は、0.5〜20分が好ましく、更に好ましくは3〜10分であることが望ましい。なお、0.5 分未満では造粒時間が短すぎて好適な平均粒径及び嵩密度を得るための造粒制御が困難であり、粒度分布がブロードになる。また20分を超えると造粒時間が長すぎて生産性が低下する。
(3)洗剤原料の充填率
洗剤原料の造粒機への充填率(仕込み量)は、混合機の全内容積の70容量%以下が好ましく、更に好ましくは15〜40容量%であることが望ましい。なお、70容量%を超えると混合機内での洗剤原料の混合効率が低下するため好適な造粒を行うことができない。
(4)温度
造粒機は、ジャケットを備えた構造が好ましく、ジャケットに通液する媒体の温度は、5〜40℃が好ましく、更に好ましくは10〜20℃であることが望ましい。この温度範囲にすることにより、好適な造粒物を得るための造粒時間が短くなり生産性が向上し、粒度分布がシャープになる。また洗剤原料のうち粉体原料は常温で、ノニオン活性剤は溶融している温度で供給すればよく、混合機内の温度は特に制御する必要はない。尚、造粒物の温度は、供給原料の温度、撹拌熱等により通常30〜60℃である。
(5)添加剤
造粒時に造粒を促進するために、バインダーを添加してもよい。バインダーの例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダの如きポリカルボン酸塩等の水溶性ポリマー溶液、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等のノニオン性物質、脂肪酸、珪酸ソーダ水溶液、水等を挙げることができる。バインダーの配合量は混合物又は造粒物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、特に0.5〜5質量部ことが望ましい。
転動造粒法は、洗剤原料や噴霧乾燥粒子を転動造粒装置(容器回転型混合機)に導入して、剪断作用と圧密作用と転動作用を利用して造粒する方法である。
転動造粒装置としては、以下の容器回転型混合機を好適に使用することができる。
(回分式装置)
(1)V字型をした混合槽が回転することにより混合を行う形式のミキサー。
例1:V型ミキサー〔不二パウダル(株)社製〕
例2:V型混合機〔セイシン企業(株)社製〕
(2)円筒型をした混合槽が回転することにより混合を行う形式のミキサー。
例1:ロッキングミキサー〔愛知電気商事(株)社製〕
例2:ドリアコーター〔(株)パウレック社製〕
例3:ロータリー型混合機〔明和工業(株)社製〕
例4:ドラムミキサー〔杉山重工(株)社製〕
(3)二重円錐型をした混合槽が回転することにより混合を行う形式のミキサー。
例1:W型混合機〔セイシン企業(株)社製〕
例2:ダブルコーンミキサー〔ASR社製〕
(4)円筒型をした混合槽が自転と公転をすることにより混合を行う形式のミキサー。
例1:ダイナミキサー〔モリマシナリー(株)社製〕
例2:クロスロータリーミキサー〔明和工業(株)社製〕
(1)円筒型をした混合槽が回転することにより混合を行う形式のミキサーが挙げられる。
例1:ロッキングミキサー〔愛知電気商事(株)社製〕
例2:ドリアコーター〔(株)パウレック社製〕
転動造粒の操作条件(処理時間、フルード数、容積充填率)として好ましい実施態様を以下に例示する。
(1)処理時間
回分式における高嵩密度化の処理時間、又は連続式における下記式IIIで定義される平均滞留時間は、5〜120分、好ましくは10〜90分、特に好ましくは10〜40分であることが望ましい。嵩密度を充分上昇させる観点から、処理時間又は平均滞留時間は5分以上が好ましく、生産性の低下又は洗剤造粒物粒子の崩壊を防ぐ観点から120分間以下が好ましい。
〔式III〕
Tm=(m/Q)×60
Tm:平均滞留時間(hr)
m:容器回転型混合機内の洗剤造粒物滞留量(kg)
Q:連続運転における能力(kg/hr)
下記〔式IV〕で定義されるフルード数が、0.01〜0.8となるような条件を選択することが好ましく、より好ましくは、0.05〜0.7、さらに好ましくは0.1〜0.65であることが望ましい。均一でかつ高嵩密度の洗剤粒子を得る観点から、フルード数は0.01以上が好ましく、例えばドラム型混合機の場合、洗剤造粒物粒子が飛散することなく反転し得る正常な剪断混合を発生させる観点から0.8以下が好ましい。
〔式IV〕
Fr=V2/(R×g)
V:容器回転型混合機最外周の周速(m/s)
R:容器回転型混合機最外周の回転中心からの半径(m)
g:重力加速度(m/s2)
下記〔式V〕で定義される容積充填率が、15〜50%となる条件を選択する。好ましくは20〜45%、さらに好ましくは25〜40%であることが望ましい。生産性の観点から容積充填率は15%以上が好ましく、良好な剪断混合を生じさせる観点から50%以下が好ましい。
〔式V〕
X=(M/p)/V×100
M:容器回転型混合機への洗剤造粒物粒子の仕込量(g)
p:洗剤造粒物粒子の嵩密度(g/L)
V:容器回転型混合機の容積(L)
また、連続式の場合、容器回転型混合機においてプラグフローにより近い混合特性をさらに高めるためには、容器回転の回転中心線に垂直な仕切板複数枚を回転中心線方向に数箇所取りつけ、粒子層斜面を粒子が流下する際の排出方向への転がりを防ぐことで改善できる。
容器回転型混合機の内壁と撹拌羽根の間隔が小さくなると洗剤造粒物粒子に強力な剪断力が加わり、その結果洗剤造粒物粒子を崩壊させ、造粒が妨げられる、という事態を防ぐ観点から、撹拌羽根の回転半径は、容器回転型混合機の回転半径の0.8倍以下が好ましい。撹拌羽根の先端部速度は、1〜6m/secとする。好ましくは、2.5〜5m/secである。なお、洗剤造粒物粒子に充分な撹拌力を与える観点からその速度は1m/sec以上が好ましく、洗剤造粒物粒子の崩壊により造粒が妨げられるのを防ぐ観点から6m/sec以下が好ましい。
この粉砕工程は、洗剤の混合物、混練物、ペレット或いは造粒物を破砕造粒機によって粉砕し、所望の粒子径に調製する工程である。
本発明において、特に好ましい粉砕方法としては、界面活性剤とビルダーとから成る洗剤固形物(混合物、混練物、ペレット或いは造粒物)を破砕造粒するにあたり、分級スクリーンを有したカッターミルタイプの破砕機を用い、スクリーン穴径の大きい破砕機から小さい破砕機へ順次供給して多段破砕することが特に好ましい。以下に、具体的な破砕造粒機を挙げて説明する。
造粒機
一般に、内部に下記に示す回転体とスクリーンを装着した破砕造粒機、好ましくは、ハンマーミル、アトマイザー、パルペライザー等の衝撃式破砕機、カッターミル、フェザーミル等の切断・剪断式破砕機などが用いられる。
例1:フィッツミル〔ホソカワミクロン(株)社製〕
例2:スピードミル〔岡田精工(株)社製〕
例3:破砕式造粒機パワーミル〔不二パウダル(株)社製〕
例4:アトマイザー〔不二パウダル(株)社製〕
例5:パルベライザー〔ホソカワミクロン(株)社製〕
例6:コミニューター〔不二パウダル(株)社製〕
破砕機としては、特にその形式はは問わないが、下記破砕条件などによると共に、解砕室内に回転解砕刃を有し、回転解砕刃により粉砕し、粉砕された洗剤造粒物を所定穴径のスクリーンから排出するものなどが好適に用いられる。
スクリーンは、金網タイプ、ヘリンボンタイプ、パンチングメタルタイプなど特に限定されないが、スクリーン強度、破砕物の形状を考慮すると、パンチングメタルが好ましい。
(3)回転体
ハンマーやカッターを用いるが、衝撃破砕による微粉の発生を避けるため、カッタータイプが好ましい。但し、長時間の運転で、カッターの刃が摩耗するのを防ぐため、ステライトやタングステンカーバイト等による処理が望ましい。
(1)回転体の周速度
一般に、被粉砕物(砕料)の粉砕性と所望の粒子径によって設定する。通常、洗剤の場合、10〜70m/secの範囲で使用できる。砕料が、脆い場合や、付着性が強い場合には、50m/sec以下での粉砕が好ましく、40m/sec以下がより好ましい(一部あるいは/または全部)。逆に、粘弾性が強く、付着性が弱い場合には、50m/sec以上での粉砕が生産性と粒度コントロールの点で好ましい。
(2)冷風導入
一般に、破砕熱により破砕物が軟化して破砕機に付着することを防止するために、破砕機内へ冷風を導入することが望ましい。冷風温度は5〜25℃が適当であり、好ましくは10〜25℃である。また、冷風量は0.1〜5m3/kg(破砕物)が好ましい。冷風量が多すぎると、破砕物の温度が著しく低下し破砕物が硬く脆くなるため、過粉砕となり微粉増加および形状劣化の原因となる。冷風の導入方法としては、1段目への必要量の一括導入、各段への分割導入のいずれでもよい。また、破砕機より排出された冷風は、粉体と分離した後にリサイクルすることが経済性から見て得策である。この時のリサイクルエアー中の揮発分回収率は0.1〜1.5%であり、フレッシュエアー投入量としては、リサイクルエアーに対して0〜15%である。
組成によっては、洗剤粒子の粘弾性が温度によって変化・改善するものも確認されており、前記冷風条件とは異なり室温よりも高い温風の導入も可能である。これは、単なる組成変更で洗剤本来の持つ洗浄性能、流動性・発塵性などの粉体物性が満足できない場合などに有効な手段となり得る。結果として、粉砕機への粉体の付着のみならず、配管への付着も軽減する条件が見出せている。この場合、温風温度は26〜45℃が適当であり、好ましくは30〜40℃である。また、温風量は0.1〜5m3/kg(破砕物)が適当である。温風の導入方法としては、1段目への必要量の一括導入、各段への分割導入のいずれでもよい。また、破砕機より排出された温風は、粉体と分離した後にリサイクルすることが経済性から見て得策である。この時のリサイクルエアー中の揮発分回収率は1.0〜3.5%であり、フレッシュエアー投入量としては、リサイクルエアーに対して0〜15%である。
破砕に際しては、破砕助剤を添加することが好ましい。破砕助剤は,一般に粉砕助剤(grinndinng aid)として知られており、粉砕機中に少量添加することにより、粉砕動力の低減、粉砕粒度の改善、粉砕製品の性状の改善などの作用を有する。破砕助剤の粒度は50μm以下が好適であり、好ましくは20μm以下であることが望ましい。また、添加量は破砕量に対して0.5〜10%が好適である。
破砕助剤の種類としては、例えば、ステアリン酸塩、A型ゼオライト等のアルミノ珪酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルカリ土類金属炭酸塩、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、タルク、ベントナイト等の粘土鉱物、二酸化珪素、二酸化チタン、微粉砕された炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムが望ましい。これらの破砕助剤が破砕物表面に付着し、破砕物の表面活性を低下させることにより、破砕機への付着防止およびこれに伴なう破砕動力の低減や、破砕物の流動性改善が図られる。助剤の添加方法としては、予め破砕前に混合する方法と、多段破砕の1段目に必要量の全量を一括添加する方法と、各段毎に分割添加する方法とがある。いずれを選定するも任意であるが、助剤効果および経済性の点で一括添加が望ましい。さらに、破砕機同士を直結し、各段間を密閉する系とすることにより(密閉直結型)、助剤の損失が少なくなり、少量の助剤添加量で効果的に作用させることができる。
通常、1〜30秒、好ましくは3〜30秒である。
(6)スクリーン孔径
一般に、被粉砕物(砕料)の粉砕性と所望の粒子径によって設定する。通常、洗剤の場合、所望平均粒子径の3.0〜30.0倍、好ましくは4.0〜25.0倍の孔径のスクリーンを使用できる。平均粒子径500μmの洗剤粒子を得ようとした場合、1.5〜15mmの孔径のスクリーンを砕料の大きさによって選定して使用すればよい。また、一段内に2種以上の穴径のものを設定することで、より効果的な粉砕を行なうこともある。
(7)多段破砕
高嵩密度洗剤の多段破砕における破砕能力は、破砕機が直列に接続されるため、大能力で且つ各段共通となるようにすることが好ましい。これを実現するためには、スクリーン穴径の選定により得られる破砕機入口、出口の平均粒子径の比に最適な値があることが見出された。破砕処理開始時の平均粒子径と所望する破砕造粒物の平均粒子径とが設定されると、これに従っておのずと破砕段数が決定される。そのとき、スクリーン穴径と得られる破砕物の平均粒子径との関係を予め予測できれば、さらに効果的である。また、大きい粒子径では粉体表面積が小さく破砕機にかかる負荷も小さいので、入口−出口での平均粒子径の比が広くとれる。そこで、多段破砕に際しては、上段の破砕機で可能な限り破砕粒径を小さくすることが望ましい。多段破砕に際しては、各段毎の破砕機の排出口に篩を設け、所望程度の破砕物のみを次段の破砕機に供給することもできるが、篩の目詰まり、系の複雑化、据付面積の増加の点で不利である。そこで、1段目の破砕機からの排出物(破砕物)をそのまま2段目(さらには順次3段目以降)の破砕機に供給する直結型が好ましい。
破砕造粒物の平均粒径は、200〜1500μmが良好で、好ましくは300〜1000μmであることが望ましい。粒径が1500μmを超えて大きいと、洗濯中での溶解性が遅くなり、布付着、洗浄力低下の問題が生じ、逆に200μm未満より小さいと、微粉の増加による発塵量の増大と破砕収率の低下、流動性の悪化につながる。
造粒後に流動性と非ケーキング性を向上させるために、微粉体を表面被覆剤として添加し造粒物の表面を被覆することが好ましい。
用いることができる表面被覆剤は、造粒の初期あるいは中期に添加すると造粒物の内部に取り込まれ、造粒物の流動性と非ケーキング性の向上に寄与しなくなるため、造粒後に添加する。ここで言う造粒後とは、造粒物の平均粒径が所望の平均粒径に造粒された時点である。
本発明において、造粒物の流動性及び非ケーキング性を向上させるために造粒物を表面被覆するための微粉体の配合量としては、造粒物100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜20質量部であることが望ましい。また、微粉体は一次粒子の平均粒径が10μm以下であることが好ましい。
この表面被覆剤としては、アルミノケイ酸塩が洗濯時にカルシウムイオン捕捉剤として作用するので望ましく、特に一次粒子の平均粒径が10μm以下のアルミノケイ酸塩が望ましい。アルミノケイ酸塩以外に一次粒子の平均粒径が10μm以下の二酸化珪素、ベントナイト、タルク、クレイ、無定形シリカ誘導体等のシリケート化合物の様な無機微粉体も好ましい。また、一次粒子の平均粒径が10μm以下の金属石鹸も同様に用いることができる。造粒物に対する上記の表面被覆剤の添加量が0.1質量部未満では、良好な流動性を示す粉末を得ることが困難であり、一方30質量部を超えると、流動性が低下し、粉塵が発生し消費者の使用感を損なう恐れがある。一次粒子の平均粒径が10μm以下の微粉体の平均粒径は、光散乱を利用した方法、例えばパーティクルアナライザー(堀場製作所(株)製)により、また顕微鏡観察による測定等で測定される。
コーティング装置としては特に限定しないが、以下に示すものを好適に使用する事が出来る。また、一般的なコーティング条件は以下に示した。
転動ドラム(水平円筒混合機)、二重円錐型混合機、V型混合機、レーディゲミキサー、リボンミキサーが挙げられる。
(コーティング条件)
・Fr数 :一般に0.01〜0.8、好ましくは0.05〜0.6、但しレーディゲ・リボンは1.0〜3.0
・混合時間:一般に0.5〜5分
(1)嵩密度は、一般に0.6〜1.2g/ccであり、好ましくは、0.7〜1.0g/ccであることが望ましい。この嵩密度が1.2g/ccを超えると、溶解性が悪化する傾向がある。
(2)平均粒径は、一般に300〜1500μmであり、好ましくは400〜1000μmであることが望ましい。この平均粒径が300μm未満になると粉塵が発生し、一方、1500μmを超えると溶解性が悪化する傾向がある。
(3)流動性は、安息角として60°以下である。60°を超えると、洗剤の取扱性が悪化するので好ましくない。
下記表1〜5に示す乾燥粉成分の内、ノニオン活性剤、塔下ゼオライト、助剤を除いた成分を水道水(東京都江戸川区)に溶解分散させ(回転数60rpm、ジャケット温度70℃)、固形分濃度約60質量%のスラリーを調製した。これを向流式乾燥塔を用いて後記の条件でスプレー乾燥し、後記の物性の乾燥粒子を得た。
この乾燥粒子と共に、造粒工程添加成分および水道水(東京都江戸川区)を連続ニーダー(栗本鐵工所社製、KRC−S4型)に投入し、捏和して(回転数135rpm、ジャケット温度25〜75℃)不定形固形洗剤を形成し、これをペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXD−100型)に投入し、約10mmφのダイスから押し出すと同時に切断し、ペレット状固形洗剤(直径約10mm、長さ70mm以下)を得た(ペレッター(カッター)のカッター周速は5m/s)。
次いで、得られたペレット状固形洗剤に粉砕助剤としてのゼオライト(1次粒子凝集造粒物の平均粒径100μm)または炭酸ナトリウム(1次粒子凝集造粒物の平均粒径10〜20μm)を添加し(添加量は組成表参照)、送風(風速は表1〜5に記載。温度は10〜40℃、風(気)と捏和物(固)の比率は気/固=2.5〜3.5m3/kgであるが、温度と気/固比の詳細は、造粒物温度が下記表1〜3に示す温度になるように随時調整した。)共存下で3段直列に配置されたフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKSO−6型)を用いて粉砕した(回転解砕刃の周速、スクリーン径は表1〜5参照)。得られた粉砕品の温度は25〜40℃であった。
下記にスラリー調製条件、噴霧乾燥条件、噴霧乾燥粒子の物性、捏和条件、押出条件及び粉砕条件を示す。
・配合しない成分:ノニオン界面活性剤、塔下ゼオライト、助剤
・固形分濃度:40〜70質量%、好ましくは50〜68質量%
・温度:50〜90℃、好ましくは60〜80℃
・不純物:廃粉を水に再溶解し、これをスラリーに一部配合する操作があり、洗剤の常用成分が微量混入する
・pH:7〜12
・噴霧乾燥装置:向流式、塔径2.0m、有効長5.0m
・微粒化方式:加圧ノズル方式、(2流体ノズル方式、高速回転円盤方式も使用可能)
・噴霧圧力:30kg/cm2(一般に20〜40kg/cm2)
・熱風入口温度:300℃(一般に100〜500℃、好ましくは200〜300℃)
・熱風出口温度:100℃(一般に70〜150℃、好ましくは80〜120℃)
・平均粒子径:約400μm(一般に100〜600μm)
・目開き150μmの篩通過:約10質量%
・目開き1000μmの篩上:約3質量%
*粒度はスラリーの構成成分、固形分濃度及び微粒化条件(ノズル種類、噴霧圧力)によって変化する
・嵩密度:300g/L(一般に100〜500g/L)
・安息角:40度(一般に30〜60度)
・水分:5質量%(一般に2〜10質量%)
・捏和装置:回分式ニーダー、連続式ニーダ−、押出機、混練・押出一体型装置
・投入物:噴霧乾燥粒子、ノニオン等の界面活性剤、塔下ゼオライト、水
・ノニオンの水分:一般に0〜20質量%であるが、ハンドリング性(粘度)や危険物性を考慮して設定
・捏和物(固形洗剤)温度:一般に40〜80℃
・温度制御:捏和装置のジャケットに通水
・処理速度:KRC−S4型の場合、一般に100〜300kg/hr
・ダイス孔径:一般に0.3〜50mm
・ダイス厚み:一般に5〜50mm
・ペレット寸法:一般に、直径0.3〜50mmφ、長さ0.5〜100mm
・粉砕装置:カッターミルやハンマーミルを使用、多段にした方が粒度分布がシャープになる
・粉砕助剤:ゼオライトまたは炭酸ナトリウム等の粉末を固形洗剤に対し例示の量添加した
・送風温度:通常は10〜20℃、但し固形洗剤の組成によって異なり、20〜30℃、30〜40℃の温風を使用する場合もあり
・気/固比:一般に1.0〜3.0m3/kg、好ましくは2.0〜3.0m3/kg
・スクリーン径:通常固形洗剤の組成によって変える、多段粉砕の場合は下段に行くほど小さくする
・粉砕機回転数:DKASO−6型の最高回転数は4700rpm(周速約60m/s)、固形洗剤の組成によって変える
・処理速度:DKASO−6型の場合、一般に300kg/hr以下
下記表1に示す乾燥粉成分の内、α−SF、ノニオン活性剤、塔下ゼオライト、助剤を除いた成分を水道水(東京都江戸川区)に溶解分散させ(回転数60rpm、ジャケット温度70℃)、固形分濃度約60質量%のスラリーを調製した。これを向流式乾燥塔を用いてスプレー乾燥し(条件は製造法1参照)、乾燥粒子を得た(粒子物性は製造法1参照)。この乾燥粒子と共に、造粒工程添加成分および水道水(東京都江戸川区)を連続ニーダー(株栗本鐵工所社製、KRC−S4型)に投入し、捏和して(回転数135rpm、ジャケット温度60〜75℃)不定形固形洗剤を形成し、これをペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXD−100型)に投入し、約10mmφのダイスから押し出すと同時に切断し、ペレット状固形洗剤(直径約10mm、長さ70mm以下)得た(ペレッター(カッター)のカッター周速は5m/s)。
次いで、得られたペレット状固形洗剤に粉砕助剤としてのゼオライト(1次粒子凝集造粒物の平均粒径100μm)を添加し(添加量は表1参照)、送風(風速は表1〜5に記載。温度は10〜40℃、風(気)と捏和物(固)の比率は気/固=2.5〜3.5m3/kgであるが、温度と気/固比の詳細は、造粒物温度が表1〜5に示す温度になるように随時調整。)共存下で3段直列に配置されたフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKSO−6型)を用いて粉砕した(回転解砕刃の周速、スクリーン径は表1〜5参照)。得られた粉砕品の温度は25〜40℃であった。
下記にスラリー調製条件、噴霧乾燥条件、噴霧乾燥粒子の物性、捏和条件、押出条件及び粉砕条件を示す。
配合しない成分:α−SF、ノニオン界面活性剤、塔下ゼオライト、助剤
〔噴霧乾燥条件〕
上記製造法1参照
〔噴霧乾燥粒子の物性〕
上記製造法1参照
〔捏和条件〕
投入物:噴霧乾燥粒子、ノニオン等の界面活性剤、α−SF−Naのノニオン界面活性剤の混合濃縮物、塔下ゼオライト、水
温度制御:捏和装置のジャケットに65〜75℃温水を通水
その他:上記製造法1参照
原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られたα−SF−Na(水分濃度29〜31%)に、ノニオン界面活性剤の一部(α−SF−Naに対して25%)を添加し、リサイクルフラッシュ蒸発機(プレート熱交換器EX−11型(伝熱面積424.6m2)、(株)日阪製作所製)を用いて、加熱管温度110〜120℃、熱交換器内圧0.3MPa以下加圧、循環圧0.6MPa以下で蒸発操作を行ない、水分を10〜13%になるまで常圧フラッシュ濃縮して、α−SF−Naとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
〔押出条件〕 上記製造法1参照
〔粉砕条件〕 上記製造法1参照
(A)粘弾性tanδの測定
HAAKE製 Reo Stress RS75を用いて、粒子の粘弾性測定を行った。
(1)サンプル調整
製造法1および2にて得られたペレット状固形洗剤約1.7gを、50℃で、直径20mm、圧力200kgf/cm2で厚み約3mmになるように成形する。
(2)測定方法
サンプル成形後、ステージ上(30℃)にサンプルを移し、応力が10000Paで、周波数0.01から100Hzまで変化させ、1Hzの時の、損失弾性率G´´〔Pa〕及び貯蔵弾性率G´〔Pa〕を測定し、粘弾性tanδを求めた。(tanδ=損失弾性率G´´〔Pa〕/貯蔵粘弾性G´〔Pa〕)
岡田精工(株)製、錠剤硬度計(TD−50)を用いて、粒子の圧裂引張強度の測定を行った。
(1)サンプル調整
710μm〜350μmの粒子18gを30℃で、岡田精工製、単発式打錠機(ND60E)を用いて成形体を調整した。成形体調製条件は以下の通りである。
−条件−
・臼内径 34mm
・臼・杵間クリアランス 0.1mm
・圧縮時稼働杵 上杵及び下杵
・上杵/下杵圧力比 1.25/1
・圧縮時間 0.175秒
(2)測定方法
上記条件で得られた成形体を錠剤硬度計にかけ、毎分20mmの速度で加圧アームを動かし、成形体の直径方向に力を加えて、崩れるまでの最大応力を測定し、以下の式より圧裂引張強度を求めた。
圧裂引張強度(Pa)
=(2/π)×最大応力(N)/〔錠剤径(m)×錠剤厚み(m)〕
得られた洗剤粒子を図1に示すような配管付着性の評価装置を用いて評価した。すなわち、空気輸送配管内で下記表1〜表5に示す風速、絶対湿度条件で、90°配管への粒子の衝突を、無垢のSUS板上に粒子を衝突させることにより再現し、SUS板上での付着状況から下記評価基準で評価を行なった。
付着状況の評価基準:
○:評価法においてSUS板上への付着がほとんどなく、洗剤生産性、製品の外観・性能もほぼ良好である。
△:評価法においてSUS板上への付着がやや見られ、洗剤生産性、製品の外観・性能がやや劣化する。
×:評価法においてSUS板上への付着が多く、洗剤生産性、製品の外観・性能の劣化が見られる。
下記表1に示す組成とそれぞれの組成での製造法(上記製造法1又は2)に従ってまず乾燥粒子を得、次いでこれと造粒工程添加成分および水道水を連続ニーダーに投入して捏和して不定形固形洗剤を形成し、この不定形固形洗剤をペレッターダブルに投入し、ダイスから押し出すと同時に切断し、ペレット状固形洗剤を得た。
得られたペレット状固形洗剤に粉砕助剤を添加し、送風(温度は10〜40℃で、造粒物温度が30〜40℃になるように調整した。)共存下で3段直列に配置されたフィッツミルを用いて粉砕し、洗剤粒子を得た。
これらの洗剤粒子の物性値および付着状況を下記表1に示す。
下記表2に示す組成とその組成での製造法(上記製造法1)に従って、実施例1〜7と同様に、乾燥、捏和、粉砕工程を経て製造した洗剤粒子を得た。ただし、粉砕時の送風温度は35〜40℃にし、得られた造粒物の温度は41℃であった。この洗剤粒子の物性値および付着状況を下記表2に示す。
下記表3に示す組成とその組成での製造法(上記製造法1)に従って、実施例1〜7と同様に、乾燥、捏和、粉砕工程を経て製造した洗剤粒子を得た。ただし、比較例1においては実施例8と同等の組成で粉砕条件を変更した。
すなわち、粉砕時の送風温度は10〜15℃にし、得られた造粒物の温度は26℃あった。一方、比較例2におていは粉砕時の送風温度は実施例8と同様に35〜40℃にし、組成を変更した。得られた造粒物の温度は42℃であった。これらの洗剤粒子の物性値および付着状況を下記表3に示す。
下記表4に示す組成とその組成での製造法(上記製造法1)に従って、実施例1〜7と同様に、乾燥、捏和、粉砕工程を経て製造した洗剤粒子を得た。ただし、粉砕時の送風温度は25〜30℃にし、得られた造粒物の温度は39℃であった。この洗剤粒子の物性値および付着状況を下記表4に示す。
下記表5に示す組成とその組成での製造法(上記製造法1)に従って、実施例1〜7と同様に、乾燥、捏和、粉砕工程を経て製造した洗剤粒子を得た。ただし、比較例3においては実施例9の組成からノニオンを増量し、この増量分は炭酸ナトリウムバランスで減量し、粉砕時の送風温度は実施例9と同様に25〜30℃にし、得られた造粒物の温度は40℃であった。これらの洗剤粒子の物性値および付着状況を下記表5に示す。
下記表1〜表5に使用した具体的な原料は下記のとおりである。
・α−SF−Na:ライオン(株)製、C14:C16=18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(純分約67%の水性ペースト)
(不純分:Free Oil約1.5%、芒硝約1.1%、メチルサルフェート約3.3%、メタノール約0.65%等、残りは水分)
・LAS塩:C10〜C14のアルキル鎖を持つ、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ライオン(株)製、ライポンLH−200)のナトリウム塩およびカリウム塩の混合物(LAS−Na:LAS−K=3:7)(純分約96%の水性ペースト)
(不純分:芒硝、Free Oil、その他微量例えばスルフォン等、残りは水分)
・AOS−K:炭素数14:16:18=15:50:35のα−オレフィンスルホン酸カリウムとヒドロキシアルキルスルホン酸カリウムの混合物(純分70%、α−オレフィンスルホン酸カリウム:ヒドロキシアルキルスルホン酸カリウムの比率は7:3、残部は未反応α−オレフィン、硫酸ナトリウム、サルトン、水酸化ナトリウム、水など)
・AS−Na:炭素数10:12:14=20:70:10のアルキル硫酸ナトリウム(純分94%)
・石鹸:C16:C18:TMD(C10〜20のエステル系混合物)=1:3:1の脂肪酸ナトリウム(純分67%)
・ノニオンA:ダイアドール13(三菱化学(株)製)の酸化エチレン平均12付加体(純分84%)
・ノニオンB:ダイアドール13(三菱化学(株)製)の酸化エチレン平均25モル付加体(純分84%)
・ノニオンC:C12:C14:C16=70:25:5のアルコールに平均15モルのエチレンオキサイドを付加したアルコールエトキシレート(純度=90%、残部は未反応アルコール、PEG(ポリエチレングリコール)、水など)
・ゼオライト:日本化学工業(株) 製、RTK−19(純分47.5%スラリー)
・非晶質アルミノ珪酸塩:非晶質アルミノケイ酸ナトリウム(組成は、Al2O3:Si02:Na2O=27:22:22、吸油能186mL/100g)
・炭酸カリウム:旭硝子(株)社製、食添グレード、粉砕品、純分99%、嵩比重0.77g/cm3
・亜硫酸ナトリウム:神洲化学(株)製、無水亜硫酸曹達
・炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)社製)、純分99%、嵩比重1.07g/cm3
・MA剤:日本触媒(株)製、商品名アクアリックTL−300(純分40%水溶液)
・芒硝:日本化学工業(株)製、中性無水芒硝
・PAA:日本純薬(株)製、ジュンロンPW−111、平均分子量400万
・珪酸ナトリウム:日本化学工業製、JIS1号珪酸ナトリウム
・蛍光剤:チバスペシャリティケミカルズ製、チノパールCBS−Xまたは/あるいはチバスペシャリティケミカルズ製、AMS−GX
・ゼオライト(塔下):水澤化学(株)社製、微分、商品名;シルトンB、純分80%、嵩比重0.30g/cm3
・ゼオライト(粉砕助剤):コスモ社製、顆粒、純分80%、嵩比重0.77g/cm3
・炭酸ナトリウム(粉砕助剤):粒灰(旭硝子(株)製)を平均粒径10〜20μmに粉砕したもの
上記表1の結果(図2)から明らかなように、実施例1〜7の洗剤粒子においては、tanδが0.075〜0.200であり、かつ圧裂引張強度が200以下である、もしくはtanδが0.075未満または0.200を超え、かつ圧裂引張強度が70以下である範囲にあり、洗剤粒子の付着状況は良好であることが明らかとなった。
また、上記表2の結果(図2)を見ると、実施例8の洗剤粒子においては、tanδが0.075〜0.200であり、かつ圧裂引張強度が200以下である範囲にあり、洗剤粒子の付着状況は良好であった。
更に、上記表3の結果(図2)を見ると、比較例1及び2の洗剤粒子は、tanδが0.075未満であり、かつ圧裂引張強度が70を超える範囲にあり、粒子が脆いことによる壊れが激しく微粉量も多く、洗剤粒子の付着評価においても付着が起こるということが明らかとなった。洗剤粒子の粘弾性が低いことにより生じた付着を改善するためには組成を変更する、または、組成によっては造粒温度を変更する等の操作により物性値を改善する方法がある。比較例1は、実施例8と同等の組成であるが、温度条件を低くしたことにより粘弾性が0.075よりも低くなり、かつ圧裂引張強度が70よりも大きくなり、付着が生じたことが判った。
また、上記表4の結果(図2)から明らかなように、実施例9の洗剤粒子においては、tanδが0.075〜0.200であり、かつ圧裂引張強度が200以下である範囲にあり、洗剤粒子の付着状況は良好であった。
更に、上記表5の結果(図2)を見ると、比較例3の洗剤粒子は、tanδが0.200超過であり、かつ圧裂引張強度が70をこえる範囲であり、洗剤粒子の付着評価においても付着が起こるということが明らかとなった。洗剤粒子の粘弾性が大きすぎ、粒子がつぶれることによって生じた付着を改善するためには組成を変更する、または組成によっては造粒温度を変更する等の操作により物性値を改善する方法がある。この比較例3は、実施例9と同等の組成であるが、ノニオン量を増量し、炭酸ナトリウムを減量したために、この組成ではバインダー過多気味になり粘弾性が0.200よりも大きくなり、かつ圧裂引張強度が70よりも大きくなり、付着が生じたことが判った。
以上を総合すると、実施例1〜9では、比較例1〜3と比べてtanδ、圧裂引張強度が適正な領域に存在し(図2参照)、付着状況が良好であり、これにより洗剤製造性の確保、安全性の確保、洗剤粒子付着物の製品への混入による外観・性能の劣化の防止を達成できることが明らかとなった。
Claims (3)
- 洗剤粒子を空気輸送により移動を行う工程を含む粒状洗剤粒子の製造方法において、上記洗剤粒子の粘弾性指標となる下記式(I)で示されるtanδと、表面付着性指標となる圧裂引張強度K値とが下記(A)及び(B)の範囲となる関係を有するように造粒品物性を調節することを特徴とする粒状洗剤粒子の製造方法。
式(I):tanδ=損失弾性率G´´/貯蔵弾性率G´
(A):tanδが0.075未満又は0.200を超えるとき、圧裂引張強度Kが0〜70kPaであること。
(B)tanδ=0.075〜0.200であるとき、圧裂引張強度Kが0〜200kPaであること。 - 請求項1に記載の製造方法により得られることを特徴とする高嵩密度粒状洗剤粒子。
- 請求項2に記載の高嵩密度粒状洗剤粒子を含有することを特徴とする洗剤組成物。
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