JP2005093274A - 固体高分子型燃料電池のセル部材及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池のセル部材及び固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 取り扱い性に優れ、燃料極同士及び空気極同士の絶縁を確実に行う。燃料極と空気極とを容易に直列接続する。
【解決手段】 電解質層15と、この電解質層15を挟む複数対のシート状の導電性多孔質体20と、電解質層15を挟んで一方側に位置する複数の導電性多孔質体20同士及び他方側に位置する複数の導電性多孔質体20同士のそれぞれを一体化する樹脂部25とを備える。燃料極とされる複数の導電性多孔質体20と、空気極とされる複数の導電性多孔質体20とを、電解質層15に形成された穴部16を介して直列接続する。燃料極とされる複数の導電性多孔質体20から穴部16側へ向けて突出する端子用タブ30と、空気極とされる複数の導電性多孔質体20から穴部16側へ向けて突出する端子用タブ30とを、穴部16の中で接続する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池のセル部材及び固体高分子型燃料電池に関するものである。
近年、固体高分子電解質の利用により、携帯可能な小型の固体高分子型燃料電池の開発が進められている。通常、固体高分子型燃料電池では、一対の電極(単セル)による起電力が小さいので、複数の単セルを直列に接続する構造となっている。
ところで、複数の単セルを順次接続するために、単セルを積み重ねた構成(いわゆるスタック型)を採用すると、積み重ねた各単セル間にセパレータ板を配置しなければならず、また、積み重ねた狭い流路に燃料であるメタノール水溶液や空気を送る必要が生じ、ポンプなどの補機が必要となる。そのため、体積、重量、コスト等の点で不利となる。そこで、セパレータ板を用いずに単セルを平面に並べて接続することにより省スペース化を図る、いわゆる平面型の開発が進められている。
平面型燃料電池としては、電解質層と、この電解質層を挟む複数対のシート状の電極とを備え、電解質層を挟んで一方側に位置して燃料極とされる複数の電極と、他方側に位置して空気極とされる複数の電極とを、電解質層に形成されたスルーホールを介して接続する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−110215号公報(第8図)
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、燃料電池のより一層の小型化が図られた場合、取り扱い性が困難となるばかりか、燃料極及び空気極の大きさを確保しようとしたときに、これら燃料極同士及び空気極同士の絶縁が困難となる問題があった。加えて、スルーホールを用いて空気極と燃料極とを直列接続していることから、その接続に手間がかかるという問題もあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、取り扱い性に優れ、燃料極同士及び空気極同士の絶縁を確実に行うことができる燃料電池を実現することを第1の目的とし、燃料極と空気極とを容易に直列接続することができる燃料電池を実現することを第2の目的とする。
本発明による固体高分子型燃料電池のセル部材は、電解質層と、この電解質層を挟む複数対のシート状の導電性多孔質体と、前記電解質層を挟んで一方側に位置する複数の前記導電性多孔質体同士及び他方側に位置する複数の前記導電性多孔質体同士のそれぞれを一体化する樹脂部とを備え、前記一方側に位置して燃料極とされる複数の前記導電性多孔質体と、前記他方側に位置して空気極とされる複数の前記導電性多孔質体とが、前記電解質層に形成された穴部を介して直列接続されていることを特徴とするものである。
また、本発明の固体高分子型燃料電池は、本発明のセル部材と、前記燃料極とされる複数の前記導電性多孔質体に対して燃料を供給するための燃料供給部とを備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、まず、導電性多孔質体がガス拡散層及び集電部材を兼ねるので、厚みが小さく、簡易な構成で集電効率の高いセル部材が実現できるだけでなく、燃料や空気を送るポンプなどの補機がなくても導電性多孔質体(ガス拡散層)全体に燃料(水素)あるいは空気(酸素)を効率よく供給することができる。そして、燃料極とされる複数の導電性多孔質体同士が樹脂部によって一体化され、かつ、空気極とされる複数の導電性多孔質体同士も樹脂部によって一体化されていることから、これら燃料極同士及び空気極同士が補強されて、その取り扱い性を向上させることができ、しかも、燃料極同士及び空気極同士の絶縁を確実に行うことができる。
なお、固体高分子型燃料電池に用いられる代表的な燃料としては水素ガスとメタノール水溶液の2種類があり、メタノール水溶液を用いる場合には導電性多孔質体を流れる燃料は液体であるが、この部分は慣用的にガス拡散層と呼ばれている。ここでは、液体燃料を用いる場合も含めて、慣用に従いガス拡散層と呼んでいるのであって、気体燃料用に限定するものではない。
導電性多孔質体としては、カーボンペーパー、カーボンクロスといったカーボン製多孔質体を用いてもよいが、ガス拡散性と導電性がともに良好な、3次元網目構造を有する金属製のもの、例えば金属粉末を焼結したシート、金属不織布、積層メッシュ等を用いることが好ましい。なかでも、気孔率や厚さを適宜調節でき、使用できる原料金属も多様である金属粉末を焼結したシートは、このセル部材の導電性多孔質体として、より好ましい。さらにまた、金属粉末をバインダ、溶媒を加えて混練したものに発泡剤を混ぜて発泡性スラリーとし、発泡成形後に焼結して得られる発泡金属焼結シートでは、高い気孔率までも製造可能であることから、より好ましい。
また、本発明において、前記燃料極とされる複数の前記導電性多孔質体から前記穴部側へ向けて突出する端子用タブと、前記空気極とされる複数の前記導電性多孔質体から前記穴部側へ向けて突出する端子用タブとが、前記穴部の中で接続されているようにすると、燃料極と空気極とを容易に直列接続することができて、燃料電池の生産性をより向上させることが可能となる。なお、導電性多孔質体に直接配線することができれば、端子用タブを別体として設ける必要はない。
以下、本発明の実施形態を添付した図1〜図6を参照しながら説明する。
本発明の実施形態による固体高分子型燃料電池のセル部材10は、図1に示すように、1枚の電解質層15と、この電解質層15を挟む複数対のシート状の導電性多孔質体20と、電解質層15を挟んで一方側に位置する複数の導電性多孔質体20同士及び他方側に位置する複数の導電性多孔質体同士20のそれぞれを一体化する樹脂部25と、各導電性多孔質体20から突出する端子用タブ30とを備えている。
このセル部材10では、電解質層15を挟んで一方側に配置された燃料極としての各導電性多孔質体20に燃料(ここではメタノール水溶液)を供給すると、燃料中の水素が、電解質層15と各導電性多孔質体20との間に配置される触媒層21上で触媒反応によりイオン化して電解質層15を移動し、電解質層15を挟んで他方側に配置された空気極としての各導電性多孔質体20に到達して、触媒反応により空気中の酸素と反応して水を生成する。一方で、水素のイオン化により発生した電子は、燃料極(複数の導電性多孔質体20)から空気極(複数の導電性多孔質体20)へと移動する。この電子の移動により、電気エネルギを発生させることができる。
水素イオンを伝導させる電解質層15は、例えばフッ素樹脂系の高分子電解膜で構成されており、この電解質層15の略中央部には、その厚み方向に穴部16が形成されている。また、電解質層15の内周縁部、つまり、穴部16の縁部には封止リング17が取り付けられている一方、電解質層15の外周縁部には樹脂枠18が取り付けられている。
電解質層15に接するガス拡散層および集電材を兼ねる電極として、図2に示すように(図2では、説明上分かりやすくするため、複数の導電性多孔質体が樹脂部によって一体化されたもの一つだけを示している。)、導電性多孔質体20が穴部16の周囲を取り囲むように複数配置されている。導電性多孔質体20は、この固体高分子型燃料電池において、3次元網目構造による通気性および導電性を備えることによりガス拡散層と集電板とを兼ねるシート状部材であって、具体的には、例えば金属粉末を焼結したシート、発泡金属焼結シート、金属不織布、積層メッシュなどを所要形状に形成したものである。
この導電性多孔質体20には、電解質層15に接することになる片面に、触媒層21が設けられている。触媒層21は、白金系触媒微粒子を担持させたカーボン粒子を含む高分子電解質溶液を、導電性多孔質体20の表面に塗布することにより形成される。なお、触媒層21は、電解質層15と導電性多孔質体20との間に介在していればよく、本実施形態では導電性多孔質体20の表面部分に触媒層21を設けたが、電解質層15の表面部分に形成することもできる。
また、導電性多孔質体20には、この導電性多孔質体20から電解質層15の穴部16側へ向けて突出する端子用タブ30が、電解質層15へ接することになる片面側に配置されて接続されている。また、一つの導電性多孔質体20には、燃料電池の正極あるいは負極となる外部接続用端子31が接続されている。なお、本実施形態では、端子用タブ30及び外部接続用端子31は金属製薄板で形成され、導電性多孔質体20に対してスポット溶接、抵抗溶接、超音波接合等により固定されている。
さらに、このセル部材10では、触媒層21上での反応による電子が導電性多孔質体20、端子用タブ30及び外部接続用端子31を流れるので、導電性多孔質体20、端子用タブ30、外部接続用端子31は導電性に優れた材質で形成されている。腐食が問題となる場合には、これらの部材(導電性多孔質体21、端子用タブ30、外部接続用端子31)にステンレス鋼などの耐食材料を用いることが好ましい。
そして、各導電性多孔質体20、端子用タブ30及び外部接続用端子31は、樹脂部25によって一体化されており、この樹脂部25は、間隔をおいて並んだ複数の導電性多孔質体20の同士の間を埋める接続部25Aと外枠部25Bとから構成されて、導電性多孔質体20の面方向に延びている。なお、電解質層15の穴部16の位置と厚み方向で重なる部分も樹脂部25で埋められている。
この樹脂部25は、電解質層15を挟んで一方側に位置する複数の導電性多孔質体20同士及び他方側に位置する複数の導電性多孔質体20同士を一体化するとともに、これら導電性多孔質体20と電解質層15とを一体化している。また、上記一方側に位置して燃料極とされる複数の導電性多孔質体20同士及び上記他方側に位置して空気極とされる複数の導電性多孔質体20同士の間を電気絶縁し、さらに、導電性多孔質体20の側面をシールして導電性多孔質体20に供給される空気あるいは燃料(メタノール)の漏えいを防ぐ機能を有している。
したがって、樹脂部25の材質としては、熱可塑性樹脂、エラストマー(ゴムを含む)など、導電性および通気性を有していなければよいので、耐熱温度や硬度等を考慮し、適宜選択すればよい。また、射出成形可能であれば、低コスト化できることからより好ましい。例えば軟質な樹脂を用いれば、シール性を高めることができる。
なお、この樹脂部20の外面(本実施形態では片面及び側面)に露出している端子用タブ30及び外部接続用端子31も、導電性多孔質体20を通過する燃料あるいは空気を漏えいさせないために、通気性がない材質(本実施形態では金属)から形成される。
この樹脂部25には、部材同士を固定したり、位置を固定したりするためのネジ穴を設けてもよい。また、外周のシール性をより向上させるため、Oリング用の溝を設けたり、軟質の樹脂で凸部を設けたりしてもよい。
ここで、本実施形態においては、電解質層15を挟んで一方側に位置して燃料極とされる複数の導電性多孔質体20に接続された端子用タブ30aと、他方側に位置して空気極とされる複数の導電性多孔質体20に接続された端子用タブ30bとについて、それぞれ互いに接続するべきもの同士が、電解質層15の厚み方向で見て(図3参照)互いに重なりあうように配置されており、これらの端子用タブ30同士が穴部16の中で接続されている。
これにより、燃料極とされる複数の導電性多孔質体20と、空気極とされる複数の導電性多孔質体20とが、それらの面方向で隣り合っているもの同士、電解質層15に形成された穴部16を介して直列接続されている。
また、端子用タブ30同士の接続は、電解質層15を、複数の導電性多孔質体20同士が樹脂部25で一体化された部材によって例えばホットプレスで挟み込む際に接続されるようにしたり、ポンチを打って機械的に接合したり、あるいは、ハンダで接合したりすることが考えられる。
以上のように構成された本実施形態による固体高分子型燃料電池のセル部材10は、図4に示すように、電解質層15を挟んで一方側に位置して燃料極とされる複数の導電性多孔質体20に対して燃料を供給するために、例えばフェルトなどからなる多孔質体部41が樹脂枠42によって取り囲まれた燃料供給部40が、例えば上記燃料極側に積層されることによって、固体高分子型燃料電池を構成することができる。
ここで、本実施形態によるセル部材10の製造方法の一例について説明する。
まず、各導電性多孔質体20に端子用タブ30及び外部接続用端子31を溶接して一体としておき、この端子用タブ30及び外部接続用端子31が溶接された各導電性多孔質体20を、互いに面方向に間隔を空けて、図5に示す射出成形用金型の一対の型板50,51間に形成されたキャビティ52内に配置しておく。
キャビティ52内では、キャビティ52内に突出するピン部材(図示略)によって各端子用タブ30及び外部接続用端子31(図示略)を押さえるとともに、各型板50,51によって各導電性多孔質体20を挟持させ、射出される樹脂の圧力によってキャビティ52内で導電性多孔質体20、端子用タブ30及び外部接続用端子31が移動しないように固定する。したがって、溶融樹脂を発泡金属焼結シート11とほぼ同じ厚さで充填させることになるので、導電性多孔質体20の両面の大部分をセル部材10の表面に露出させることができる。
なお、型閉時のキャビティ52の厚さを導電性多孔質体20よりも若干小さくして、型閉時に型板50,51間で導電性多孔質体20が3〜90%圧縮するようにすると、射出樹脂圧に対して導電性多孔質体20をキャビティ52に固定できるとともに、導電性多孔質体20の平坦度を向上させることができる。
そして、型閉したキャビティ52内に、ランナ53からゲート54を通じて射出した溶融樹脂を充填することにより、各導電性多孔質体20の周囲に導電性多孔質体20と等しい厚さの樹脂部25が一体に形成される。
このとき、導電性多孔質体20の両面には型板50,51に接しているので、この両面全体を樹脂が被覆することはなく、樹脂部25から導電性多孔質体20の両面は露出している。
また、導電性多孔質体20の側部に開口する気孔中、5μm〜1000μm程度の深さまで溶融樹脂が入り込んで硬化することにより、導電性多孔質体20と樹脂部25とは強固に接合され、導電性多孔質体20の側部は全体が樹脂部25によって覆われる。
ここで、導電性多孔質体20の気孔径や気孔率が小さすぎると溶融樹脂が気孔中に入り込めないので、ガスシール効果およびアンカー効果が不十分となる虞がある。一方、気孔径や気孔率が大きすぎると、強度が不足して樹脂成形圧および樹脂硬化時の圧縮に耐えられず、変形のおそれがある。したがって、導電性多孔質体20は、気孔径10μm〜2mm程度、気孔率40〜98%程度であるとより好ましい。
また、樹脂部25の材質は、熱可塑性樹脂、エラストマー(ゴムを含む)など、射出成形可能な材質で、かつ導電性および通気性を有していなければよいので、耐熱温度や硬度等を考慮し、適宜選択すればよい。たとえば軟質な樹脂を用いれば、導電性多孔質体20の側部のシール性を高めることができる。
そして、このようにして樹脂部25によって一体化された導電性多孔質体20において、端子用タブ30が配置されている片面側に、スクリーン印刷等により白金系触媒を塗布し、ここに触媒層21を形成する。
その後、樹脂部25によって一体化された導電性多孔質体20、端子用タブ30及び外部接続用端子31からなる部材によって、電解質層15を挟み込むようにしてホットプレスする。
このとき、触媒層21は導電性多孔質体20の表面に触媒を塗布して形成されているので、その表面に開放気孔を有している。そして、この気孔内に電解質層15が押し込まれることにより、触媒層21と電解質層15とが大きな面積で接触するので、触媒層21と電解質層15との間の電気抵抗が抑えられる。
さらにこのとき、電解質層15を挟んで一方側に位置する燃料極と他方側に位置する空気極とが、上述した端子用タブ30によって、電解質層15の穴部16を介して直列接続されることとなり、本実施形態によるセル部材10が形成される。
ここで、導電性多孔質体20に好適な発泡金属焼結シートの製造方法について説明する。この発泡金属焼結シートは、たとえば、金属粉末を含むスラリーSを薄く成形して乾燥させたグリーンシートGを焼成することにより製造される。
スラリーSは、導電性を有する金属粉末、発泡剤(ヘキサン)、有機バインダ(メチルセルロース)、溶媒(水)等を混合したものである。このスラリーSをドクターブレード法により薄く成形するグリーンシート製造装置60を図6に示す。
グリーンシート製造装置60において、まず、スラリーSが貯蔵されたホッパー61から、キャリアシート63上にスラリーSが供給される。キャリアシート63はローラ62によって搬送されており、キャリアシート63上のスラリーSは、移動するキャリアシート63とドクターブレード64との間で延ばされ、所要の厚さに成形される。
成形されたスラリーSは、さらにキャリアシート63によって搬送され、加熱処理を行う発泡槽65および加熱炉66を順次通過する。発泡槽65では高湿度雰囲気下にて加熱処理を行うので、スラリーSにひび割れを生じさせずに発泡剤を発泡させることができる。そして、発泡により空洞が形成されたスラリーSが加熱炉66にて乾燥されると、粒子間に空洞を形成している金属粉末が有機バインダによって接合された状態のグリーンシートGが形成される。
このグリーンシートGを、キャリアシート63から取り外した後、図示しない真空炉にて脱脂・焼成することにより、有機バインダが取り除かれ、金属粉末同士が焼結した発泡金属焼結シート(導電性多孔質体20)が得られる。
以上説明したような本実施形態によれば、まず、導電性多孔質体20がガス拡散層及び集電部材を兼ねているために、その厚みが小さくて、簡易な構成で集電効率の高いセル部材が実現できるのに加えて、燃料や空気を送るポンプなどの補機がなくても導電性多孔質体(ガス拡散層)全体に燃料(水素)あるいは空気(酸素)を効率よく供給することができる。
そして、燃料極とされる複数の導電性多孔質体20同士及び空気極とされる複数の導電性多孔質体20同士が樹脂部25によって一体化されているために、これら燃料極同士及び空気極同士を補強して、その取扱い性を向上させることができ、しかも、燃料極同士及び空気極同士の電気絶縁を確実に行うことができるようになっている。
とくに、本実施形態においては、燃料極とされる複数の導電性多孔質体20と、空気極とされる複数の導電性多孔質体20とを直列接続するのに、各導電性多孔質体20から穴部21側へ突出させられるようにして端子用タブ30を導電性多孔質体20に接続し、これら端子用タブ30を穴部21の中で接続するようにしていることから、燃料極と空気極との直列接続を容易に行うことができ、燃料電池の生産性をより向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では、導電性多孔質体20に接続される端子用タブ30を、この導電性多孔質体20において電解質層15へ接することになる片面側へ配置しているが、これに限定されることはない。例えば、図7〜図9に示す変形例のように、端子用タブ30を、導電性多孔質体20において電解質層15へ接しない片面側へ配置されるようにしてもよい。
この変形例では、複数の導電性多孔質体20を一体化している樹脂部25における略中央部(電解質層15の穴部16の位置と厚み方向で重なる部分)に、厚み方向に穴部26を形成している。そして、端子用タブ30を穴部26側へ向けて突出させるように設けることで、燃料極に接続された端子用タブ30と、空気極に接続された端子用タブ30との接続に不具合を生じさせないようにしている。
ここで、このような変形例によるセル部材10を用い、図9に示すように、燃料供給部40を例えば上記燃料極側に積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成したとする。その場合、上述したような穴部26が樹脂部25に形成されていると、燃料供給部40の多孔質体部41から穴部26へ燃料が漏出してしまうおそれがあるので、図9に示した例では、燃料極同士を一体化している樹脂部25に形成された穴部26に対して栓45を嵌め込むようにしている。
なお、上述した実施形態及びその変形例においては、電解質層15の略中央部に対して厚み方向に穴部16を一つ形成して、この一つの穴部16を介して燃料極及び空気極を直列接続するようにしたが、これに限定されることはなく、穴部16の位置や数は任意に設定してよい。また、上述した実施形態及び変形例では、例えば4つの導電性多孔質体20を樹脂部25で一体化したものを用いているが、さらに電圧を上げたい場合には、樹脂部25で一体化する導電性多孔質体20の枚数を増やしてもよい。さらに、外部接続用端子31を通じて、複数のセル部材10接続するようにしても構わない。
本実施形態による固体高分子型燃料電池のセル部材を示す断面説明図である。 本実施形態による固体高分子型燃料電池のセル部材における導電性多孔質体が樹脂部によって一体化された状態を示す平面説明図である。 本実施形態による固体高分子型燃料電池のセル部材における燃料極と空気極との接続状態を示す平面説明図である。 本実施形態による固体高分子型燃料電池を示す断面説明図である。 複数の導電性多孔質体を樹脂部によって一体化するためのインサート成形用金型を示す断面説明図である。 導電性多孔質体を製造するための装置を示す断面説明図である。 本実施形態による固体高分子型燃料電池のセル部材を示す断面説明図である。 本実施形態の変形例による固体高分子型燃料電池のセル部材における導電性多孔質体が樹脂部によって一体化された状態を示す平面説明図である。 本実施形態による固体高分子型燃料電池を示す断面説明図である。
符号の説明
10 セル部材
15 電解質層
16 穴部
20 導電性多孔質体
25 樹脂部
30 端子用タブ

Claims (3)

  1. 電解質層と、この電解質層を挟む複数対のシート状の導電性多孔質体と、前記電解質層を挟んで一方側に位置する複数の前記導電性多孔質体同士及び他方側に位置する複数の前記導電性多孔質体同士のそれぞれを一体化する樹脂部とを備え、
    前記一方側に位置して燃料極とされる複数の前記導電性多孔質体と、前記他方側に位置して空気極とされる複数の前記導電性多孔質体とが、前記電解質層に形成された穴部を介して直列接続されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池のセル部材。
  2. 請求項1に記載の固体高分子型燃料電池のセル部材において、
    前記燃料極とされる複数の前記導電性多孔質体から前記穴部側へ向けて突出する端子用タブと、前記空気極とされる複数の前記導電性多孔質体から前記穴部側へ向けて突出する端子用タブとが、前記穴部の中で接続されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池のセル部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセル部材と、前記燃料極とされる複数の前記導電性多孔質体に対して燃料を供給するための燃料供給部とを備えていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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