JP2005082782A - 導電性硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基を共に構造中に含有する変性ノボラック型フェノール樹脂が5〜40重量部、(B)ラジカル重合開始剤が変性ノボラック型フェノール樹脂(A)100重量部に対し0.05〜10重量部、(C)炭素充填剤が60〜95重量部からなることを特徴とする硬化性樹脂組成物及び該硬化性樹脂組成物を硬化して得られる導電性に優れた燃料電池用セパレーター。
【選択図】 図1
Description
この燃料電池の種類としては電解質の種類によりアルカリ型、りん酸型、固体高分子型、溶融炭酸塩型、固体電解質型などがある。これらの燃料電池には、水素含有ガスと酸素含有ガスとの電気化学反応により起電力を生ずる単位電池と積層された単位電池の隣り合う単位電池間に介在し、隣り合う単位電池双方の電極と接触して、これら単位電池間を電気的に接続すると共に、反応ガスを分離する作用をなす燃料電池用セパレーター(以下、セパレーター)とが備えられている。
[1] (A)フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基を共に構造中に含有する変性ノボラック型フェノール樹脂が5〜40重量部、、(B)ラジカル重合開始剤が0.05〜10重量部、、(C)炭素充填剤が55〜95重量部からなることを特徴とする硬化性樹脂組成物、
[2] (A)成分であるフェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基を共に構造中に含有する変性ノボラック型フェノール樹脂が、ノボラック樹脂のフェノール性水酸基当量100に対して当量比20〜90のグリシジル(メタ)アクリレートを反応させることにより得られる変性ノボラック樹脂組成物である上記[1]に記載の硬化性樹脂組成物及びその硬化物、
[3] (A)成分であるフェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基を共に構造中に含有する変性ノボラック型フェノール樹脂が、ノボラック樹脂のフェノール性水酸基当量100に対して当量比20〜200のN−メチロールアクリルアミドを反応させることにより得られる変性ノボラック樹脂である上記[1]に記載の硬化性樹脂組成物、
[4] (B)成分であるラジカル重合開始剤が、有機過酸化物である上記[1]に記載の硬化性樹脂組成物、
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる導電性に優れた燃料電池用セパレーター、を開発することにより上記の課題を解決した。
第三モノマーの配合比は、フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基を共に構造中に含有する変性ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して150重量部以下であり、これらを合計したものが(A)成分として硬化性樹脂組成物中に5〜40重量部配合することになる。
また成形性、硬度、耐久性、耐候性、耐水性等の物性を改良する目的で消泡剤、レベリング剤、離型剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、撥水剤などの添加剤の加えても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物は変性ノボラック型フェノール樹脂成分中にラジカル重合性の不飽和基を有するため、ラジカル重合開始剤の存在により硬化が早く、生産性を向上させることができる。この不飽和基のラジカル重合性分は樹脂骨格中に含まれるためフェノール樹脂特有の脆さが解消され、高強度(靭性)な硬化物を得ることができる。耐熱性としては通常のフェノール樹脂に匹敵するものであり、フェノール樹脂を用いているためラジカル重合のみの硬化物に比して耐熱性は優れている。
体積固有抵抗はJIS H0602に準拠し、4端子測定法により測定した。曲げ強度はJIS K6911に準拠し曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。
温度計、攪拌機、ジムロート冷却管を備えた3口セパラブルフラスコにポリスチレン換算重量平均分子量が3000のノボラック型フェノール樹脂100重量部、メチルエチルケトン100重量部、グリシジルメタクリレート101重量部、ジメチルエタノールアミン2重量部を仕込み、80℃で7時間反応させた。この時のノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量とグリシジルメタクリレートの当量比は約100:75である。その後、減圧下にて溶媒を除去することによりポリスチレン換算重量平均分子量6000の変性ノボラック樹脂を得た。
ポリスチレン換算重量平均分子量が約370のノボラック型フェノール樹脂100重量部を用い、グリシジルメタクリレート68重量部、反応触媒としてジメチルアミンを用いること以外は合成例1と同様の条件で合成を行った。この時のノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量とグリシジルメタクリレートの当量比は約100:50である。このとき、ポリスチレン換算重量平均分子量600の変性ノボラック樹脂を得た。
ポリスチレン換算重量平均分子量が3000のノボラック型フェノール樹脂100重量部を用い、N−メチロールアクリルアミド144重量部、反応触媒としてパラトルエンスルホン酸1重量部を用いること以外は合成例1と同様の条件で合成を行った。この時のノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量とNメチロールアクリルアミドの当量比は約100:150である。このとき、ポリスチレン換算重量平均分子量5000の変性ノボラック樹脂を得た。
ポリスチレン換算重量平均分子量が3000のノボラック型フェノール樹脂100重量部を用い、N−メチロールアクリルアミド72重量部、反応触媒としてパラトルエンスルホン酸1重量部を用いること以外は合成例1と同様の条件で合成を行った。この時のノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量とNメチロールアクリルアミドの当量比は約100:75である。このとき、ポリスチレン換算重量平均分子量5000の変性ノボラック樹脂を得た。
表1の配合に従って、成分Aとして合成例1にて合成した変性ノボラック樹脂、成分Bとしてジクミルパーオキサイド、成分Cとして人造黒鉛(平均粒径35μm)を70℃の小型ニーダーにて30分間混合し、樹脂組成物を得た。この配合物を180℃で3分間加圧加熱成形して作成した厚さ4mm、幅10mm、長さ100mmの試験片を用いて曲げ強度を測定した。さらに、図1に示す、最大厚み2.0mm、最小厚み1.0mm、溝深さ1.0mmの薄板を試作した。硬化条件は180℃で3分であり、アフターキュアは行わなかった。ここで得られた薄板は体積固有抵抗が6mΩcmであり、燃料電池用セパレーターに要求される特性を充分満足していた。
また、成形性を見るため図1に示す、最大厚み2.0mm、最小厚み1.0mm、溝深さ1.0mm、溝幅2mm、条幅2mmの薄板[燃料電池用セパレータ]作製時の180℃−1分以内での脱型の可否の確認を行なった。その結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、表1に示す配合にて厚さ4mm、幅10mm、長さ100mmの試験片と、最大厚み2.0mm、最小厚み1.0mm、溝深さ1.0mm、溝幅2mm、条幅2mmの薄板[燃料電池用セパレータ]を作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、表1に示す配合にて厚さ4mm、幅10mm、長さ100mmの試験片と最大厚み2.0mm、最小厚み1.0mm、溝深さ1.0mm、溝幅2mm、条幅2mmの薄板を作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。
A成分としてフェノール樹脂(レゾール型フェノール樹脂、商品名BRL−274、昭和高分子株式会社製、樹脂固形分76%)を用いる以外は実施例1と同様にして、表1に示す配合にて厚さ4mm、幅10mm、長さ100mmの試験片と、最大厚み2.0mm、最小厚み1.0mm、溝深さ1.0mm、溝幅2mm、条幅2mmの薄板[燃料電池用セパレータ]を作成し、評価を行った。その結果を表1に示す。ただし、表中のフェノール樹脂使用部数は樹脂固形分換算した値とした。
Claims (6)
- (A)フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基を共に構造中に含有する変性ノボラック型フェノール樹脂が5〜40重量部、(B)ラジカル重合開始剤が変性ノボラック型フェノール樹脂(A)100重量部に対し0.05〜10重量部、(C)炭素充填剤が60〜95重量部からなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- (A)フェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基を共に構造中に含有する変性ノボラック型フェノール樹脂が、ノボラック樹脂のフェノール性水酸基当量100に対して当量比20〜90のグリシジル(メタ)アクリレートを反応させることにより得られる変性ノボラック樹脂組成物である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- (A)成分であるフェノール性水酸基とラジカル重合性不飽和基を共に構造中に含有する変性ノボラック型フェノール樹脂が、ノボラック樹脂のフェノール性水酸基当量100に対して当量比20〜200のN−メチロールアクリルアミドを反応させることにより得られる変性ノボラック樹脂である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)成分であるラジカル重合開始剤が、有機過酸化物である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる導電性に優れた硬化物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる導電性に優れた燃料電池用セパレーター。
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JP2015166437A (ja) * | 2014-03-04 | 2015-09-24 | 昭和電工株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物、硬化物及び変性フェノール樹脂の製造方法 |
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2003
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