JP4413566B2 - 燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料およびそれを用いた燃料電池セパレータ、燃料電池 - Google Patents

燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料およびそれを用いた燃料電池セパレータ、燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、良好な成形性を有し、かつ、硬化物の導電性、機械的強度、高温での寸法安定性に優れたフェノール樹脂成形材料に係り、特に水素、アルコール等を燃料とする燃料電池のセパレータとしての導電性成形体の製造に有効なフェノール樹脂成形材料およびそれを用いた導電性成形体、燃料電池に関する。
近年、燃料の有する化学エネルギーを電気的エネルギーに直接変換する燃料電池に関する需要が高まっており、実用化も始まっている。一般に、燃料電池は電解質を含有するマトリックスを挟んで電極板が配置され、さらにその外側にセパレータが配置された単位セルを多数積層した構成となっている。
通常、セパレータの一方の側には燃料が、他方の側には気体酸化剤等が供給され、セパレータは両者が混合しないよう、気体不透過性に優れることが必要である。また、単位セルを積層して用いるので、セパレータは高い導電性を有し、かつ、強度にも優れていることが必要とされる。また、燃料電池の発電時の作動温度が200℃程度となる場合もあるため、セパレータには優れた耐熱性、寸法安定性が必要とされている。
従来、このようなものとしては黒鉛粉末に結合材を加え、混練、成形、焼成し、さらに不通気性、導電性を向上させるため結合材を含浸し、焼成した後、切削加工して所望とする形状を得ていた。このようなものにおいては焼成しているため耐熱性が良好であるが、焼成により気孔が生じるため、通常は液状の熱硬化性樹脂を含浸する工程が必要であり、切削加工する工程も必要となるためコスト高になるという課題がある。
さらに、黒鉛粉末と熱硬化性樹脂を用いて成形した成形体をセパレータとして用いることも提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、熱硬化性樹脂自体は導電性ではないため、この成形体の導電性を高めるためには黒鉛粉末の添加量を増やす必要があり、これだけでは実際の燃料電池のセパレータのような複雑な形状の成形体や大型で薄肉の成形体等を製造する場合には強度が低く、壊れやすいという課題がある。また、従来の熱硬化性樹脂を用いたものにおいては耐熱性や高温での寸法安定性が十分でないという課題もある。
特開2001−181519
本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであり、良好な成形性を有し、かつ、硬化物の導電性、機械的強度、高温での寸法安定性に優れたフェノール樹脂成形材料およびそれを用いた導電性成形体、燃料電池を提供することを目的としている。
具体的には水素、アルコール等を燃料とする燃料電池のセパレータとして好適に用いられ、固有体積抵抗が1〜20mΩ・cm、曲げ強度が80MPa以上、成形収縮率0.1以下、200℃での寸法変化率が0.1以下である導電性成形体を得ることのできるフェノール樹脂成形材料およびそれを用いた導電性成形体、燃料電池を提供することを目的としている。
本発明の燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料は、下記化学式(1)で示される重量平均分子量500〜15000の縮合型フェノールアラルキル樹脂および炭素材料を必須成分として含有するものであって、前記化学式(1)で示される重量平均分子量500〜15000の縮合型フェノールアラルキル樹脂の含有量が5〜35重量%、前記炭素材料の含有量が65〜95重量%であることを特徴とする。
Figure 0004413566
(但し、式中、Rは水素原子またはアルキル基、Zは−CH−または−CHOCH−を、x、yは(x+y)≠0であって0または1〜2の整数を、nは1以上の整数をそれぞれ表す。)
また本発明の燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料は、下記化学式(1)で示される重量平均分子量500〜15000の縮合型フェノールアラルキル樹脂、炭素材料および鉱物繊維を必須成分として含有するフェノール樹脂成形材料であって、前記化学式(1)で示される重量平均分子量500〜15000の縮合型フェノールアラルキル樹脂の含有量が5〜35重量%、前記炭素材料の含有量が60〜90重量%、前記鉱物繊維の含有量が5〜20重量%であることを特徴とする。
Figure 0004413566
(但し、式中、Rは水素原子またはアルキル基、Zは−CH−または−CHOCH−を、x、yは(x+y)≠0であって0または1〜2の整数を、nは1以上の整数をそれぞれ表す。)
本発明の燃料電池セパレータは樹脂材料を成形してなるものであって、樹脂材料として上述した燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料を用いることを特徴とする。
また本発明の燃料電池は電解質膜の両面に電極が配置されてなる電解質膜電極接合体がセパレータによって挟持されてなる積層構造を有する燃料電池であって、セパレータとして上述した燃料電池セパレータを用いることを特徴とする。
本発明では、燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料として特定の縮合型フェノールアラルキル樹脂および炭素材料を必須成分とすることで、良好な成形性を有し、かつ、硬化物の導電性、機械的強度、高温での寸法安定性に優れた燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料を提供することができる。また本発明の燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料では鉱物繊維を必須成分として含有させることで、さらに硬化物の機械的特性等に優れた燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料を提供することができる。
また、上述した燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料を成形して得られる導電性成形体を例えば燃料電池のセパレータとして用いることで、優れた特性および信頼性を有する燃料電池を提供することが可能となる。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、下記化学式(1)で示される重量平均分子量500〜15000の縮合型フェノールアラルキル樹脂(以下、単に縮合型フェノールアラルキル樹脂と呼ぶ)および炭素材料を必須成分として含有してなることを特徴とする。
Figure 0004413566
(但し、式中、Rは水素原子またはアルキル基、Zは−CH−または−CHOCH−を、x、yは(x+y)≠0であって0または1〜2の整数を、nは1以上の整数をそれぞれ表す。)
本発明に用いられる縮合型フェノールアラルキル樹脂はフェノールアラルキル樹脂とホルマリン又はパラホルムアルデヒドとを適宜のモル比に配合し、触媒下で反応して得られる樹脂及びその縮合物である。
本発明に用いられる縮合型フェノールアラルキル樹脂は重量平均分子量500〜15000であり、2500〜5000であればより好ましい。重量平均分子量が500未満では保存性や高温での機械的特性に劣り、15000を超えると流動性に劣り好ましくない。
このような縮合型フェノールアラルキル樹脂としては市販されているものを使用してもよく、このようなものとしては例えばMEP−7200(明和化成株式会社製 商品名)が挙げられる。
本発明に用いられる炭素材料としては、例えばカーボン、黒鉛が挙げられる。カーボンを用いる場合には、導電性の点から例えばコークスを焼成温度1400℃以上で焼成して得られるものが好ましい。また黒鉛は人造黒鉛、天然黒鉛を用いることができ、鱗片状、塊状、土状等のいずれを用いてもよい。人造黒鉛、天然黒鉛を用いれば少量で十分な導電性が得られるため、本発明ではこれらを用いることがより好ましい。
本発明に用いられる炭素材料は平均粒径が1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであればより好ましい。平均粒径が1μm未満のものは製造が困難であり、また平均粒径が100μmを超えると分散性が低下し、硬化物の導電性、機械的特性等が不均一となるため好ましくない。
上述した炭素材料としては一般に市販されているものを使用することができ、このようなものとしては例えばカーボン粉末として高品質カーボンSCLシリーズ(株式会社エスイーシー製 商品名)、人造黒鉛粉末としてSGLシリーズ(株式会社エスイーシー製 商品名)、鱗片状黒鉛粉末としてSNO、SNEシリーズ(株式会社エスイーシー製 商品名)等が挙げられる。
本発明のフェノール樹脂成形材料には上述した縮合型フェノールアラルキル樹脂および炭素材料の他に鉱物繊維を含有させてもよい。フェノール樹脂成形材料に鉱物繊維を含有させることで、硬化物の機械的特性を向上させることができる。
鉱物繊維は平均繊維径が1〜50μmで最大繊維径が100μm以下であることが好ましく、平均繊維径が1〜10μmで最大繊維径が50μm以下であるとさらに好ましい。また、平均繊維長が100〜1000μmで最大繊維長が1500μm以下であることが好ましく、平均繊維長が100〜500μmで最大繊維長が1000μm以下であるとさらに好ましい。
鉱物繊維にはアミノシランをはじめとするシランカップリング剤等の表面処理剤によって表面処理が施されていることが好ましく、このような表面処理が施された鉱物繊維を用いることで硬化物の機械的強度をより高めることができる。
鉱物繊維の好ましい具体例としては、例えばLapinus Rockfiber MS610−Roxul 1000(LAPINUS社製 商品名)、RS−840(LAPINUS社製 商品名)が挙げられる。
本発明のフェノール樹脂成形材料では、フェノール樹脂成形材料全体に対して、縮合型フェノールアラルキル樹脂の含有量が5〜35重量%であれば好ましい。縮合型フェノールアラルキル樹脂の含有量が5重量%未満であると流動性に劣り好ましくなく、また硬化物の高温での寸法安定性が低下するため好ましくない。また、縮合型フェノールアラルキル樹脂の含有量が35重量%を超えると流動性に劣り好ましくない。
フェノール樹脂成形材料における炭素材料の含有量は、フェノール樹脂成形材料が鉱物繊維を含有しない場合、フェノール樹脂成形材料全体に対して65〜95重量%とすることが好ましい。黒鉛の含有量が65重量%未満では流動性、硬化物の機械的特性は向上するものの、硬化物の導電性が劣るため好ましくない。黒鉛の含有量が95重量%を超えると流動性が低下するため好ましくない。
また、フェノール樹脂成形材料が鉱物繊維を含有する場合、フェノール樹脂成形材料全体に対して、炭素材料の含有量を60〜90重量%、鉱物繊維の含有量を5〜20重量%とすることが好ましい。
フェノール樹脂成形材料全体に対して、鉱物繊維の含有量が5重量%未満であると硬化物の機械的特性の向上にあまり効果がなく、20重量%を超えると硬化物の機械的特性は向上するものの、炭素材料の含有量が相対的に減ることとなるため硬化物の導電性が低下し好ましくない。また、黒鉛の含有量が60重量%未満では流動性、硬化物の機械的特性は向上するものの、硬化物の導電性が劣るため好ましくなく、90重量%を超えると流動性が低下するため好ましくない。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、フェノールアラルキル樹脂および炭素材料のみからなるものとしてもよいし、フェノールアラルキル樹脂、炭素材料および鉱物繊維のみからなるものとしてもよいが、本発明の目的に反しない限度において他の成分を加えてもよい。
例えば、本発明のフェノール樹脂成形材料では縮合型フェノールアラルキル樹脂と共に他の樹脂を含有させてもよく、このような樹脂としてはノボラック型フェノール樹脂、メチロール型レゾール樹脂、ジメチレンエーテル結合型フェノール樹脂等が挙げられる。
このような他の樹脂の含有量は、縮合型フェノールアラルキル樹脂と他の樹脂の合計量に対して30重量%以下とすることが好ましい。また、縮合型フェノールアラルキル樹脂と他の樹脂の合計量は、フェノール樹脂成形材料全体に対して35重量%以下とすることが好ましい。
縮合型フェノールアラルキル樹脂と他の樹脂の合計量に対して、他の樹脂が30重量%を超える場合、フェノール樹脂成形材料の保存性、硬化物の高温での機械的特性、寸法安定性等が低下するため好ましくない。また、フェノール樹脂成形材料全体に対して、縮合型フェノールアラルキル樹脂と他の樹脂の合計量が35重量%を超える場合、硬化物の高温での機械的特性、導電性等が低下するため好ましくない。
また、本発明のフェノール樹脂成形材料には上述したようなものの他に、シリカ粉末、タルク、ガラス繊維をはじめとする無機充填材を含有させてもよい。無機充填材が粉末状の場合には平均粒径が100μm以下のものを用いることが好ましく、繊維状の場合には平均繊維径が1〜50μm、平均繊維長が100〜1000μmのものを用いることが好ましい。
無機充填材を含有させる場合には、フェノール樹脂成形材料全体に対して20重量%以下とすることが好ましい。また、フェノール樹脂成形材料に鉱物繊維を含有させる場合には、鉱物繊維と無機充填材との合計量を、フェノール樹脂成形材料全体の20重量%以下とすることが好ましい。
無機充填材の含有量がフェノール樹脂成形材料全体に対して20重量%を超える場合、または鉱物繊維と無機充填材との合計量がフェノール樹脂成形材料全体の20重量%を超える場合、いずれも硬化物の導電性の低下を招くため好ましくない。
また、本発明のフェノール樹脂成形材料には天然ワックス類や合成ワックス類等の離型剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、カーボンブラック等の着色剤、ゴム系やシリコーン系ポリマー等の低応力付与剤、アミン変性およびエポキシ変性シリコーンオイル等の表面処理剤等を適宜添加することができる。
離型剤、難燃剤、着色剤、低応力付与剤および表面処理剤等を添加する場合、その含有量はフェノール樹脂成形材料全体に対して5重量%未満とすることが好ましい。
本発明のフェノール樹脂成形材料の製造は例えば以下のようにして行われる。すなわち、上述した縮合型フェノールアラルキル樹脂、炭素材料、必要に応じて鉱物繊維、その他無機充填材、離型剤、難燃剤、着色剤、低応力付与剤、表面処理剤等を所定量配合し、ミキサー等により十分均一に混合し、さらに熱ロールまたはニーダ等により90〜110℃で加熱溶融混合を行い、次いで冷却固化させ適当な大きさに粉砕してフェノール樹脂成形材料を得ることができる。
フェノール樹脂成形材料は所望の形状の金型等を用いて圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等を行うことにより容易に導電性成形体とすることができる。成形温度は適宜選択できるが、生産性を考慮すると、通常、150〜200℃の範囲が好ましい。
本発明のフェノール樹脂成形材料を成形して得られる導電性成形体は導電性、機械的特性、特に高温での寸法安定性に優れており、摺動部材、電子・電気部品等に好適に用いられ、特に燃料電池のセパレータとして好適に用いられる。また本発明のフェノール樹脂成形材料を成形して得られる導電性成形体はアンモニアガスの発生も抑制されているため、燃料電池のセパレータとして用いた場合に燃料電池に与える悪影響も少ない。
すなわち、従来のノボラック型フェノール樹脂ではそれだけでは硬化しにくいため硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンが用いられているが、硬化時に発生するアンモニアガスが硬化物中に残存してしまうため、これを燃料電池のセパレータとして用いた場合に残存したアンモニアガスの一部が遊離し燃料電池に悪影響を及ぼす。
これに対して本発明のフェノール樹脂成形材料では特定の縮合型フェノールアラルキル樹脂を用いているため、ヘキサメチレンテトラミンを用いることなく熱により硬化させることができる。このためアンモニアガスが硬化物中に残存することもなく、この硬化物を燃料電池のセパレータとして用いた場合においても燃料電池への悪影響を抑制することができる。
以下、本発明の導電性成形体を燃料電池のセパレータに適用した例について説明する。図1は燃料電池のセパレータ1としての導電性成形体の一例を示したものである。セパレータ1には、例えばガスまたは液体の流路2が両面に形成されている。セパレータ1の厚さは、例えば0.5〜5.0mm程度である。
このようなセパレータ1は発電時の作動温度が200℃以下である燃料電池に用いることが好ましい。セパレータ1はヒドラジン型、直接メタノール型、アルカリ型、固体高分子型、リン酸型等種々の形式の燃料電池のセパレータ1として使用することができる。
燃料電池は、例えば積層構造単位(セル)を基本構造としてなるものであり、積層構造単位は電解質膜、電極およびセパレータ1から構成される。燃料電池は、上述した積層構造単位を基本構造とし、高出力を要する場合には積層構造単位を直列に複数積層して積層構造体とし、この積層構造体の両端に集電板を設けて集電する。
電解質としてはヒドラジン型やアルカリ型の場合には水酸化カリウム等が用いられ、直接メタノール型や固体高分子型の場合にはイオン交換膜等が用いられ、リン酸型の場合にはリン酸等が用いられる。
電極は、燃料極と酸化剤極とからなる。電極の材料としては白金、パラジウム、銀、ニッケル等が用いられ、必要に応じて、カーボンブラックやカーボン繊維の表面にこれらを担持して使用する。
燃料極の燃料としては、ヒドラジン、メタノール、水素ガスなどが使用できる。水素ガスは水の分解物や天然ガス、石油、石炭、メタノールなどの炭化水素から得ることができる。電解質としてイオン交換膜を使用する場合には、燃料として水素ガスと水との混合気体等、加湿した燃料を用いるのが好ましい。
酸化剤極の酸化剤としては、過酸化水素水、空気、酸素ガスなどが使用できる。これらのうち取り扱いが容易であることから、空気を用いることが好ましい。電解質としてイオン交換膜を使用する場合には、加湿した酸化剤を用いることが好ましい。
本発明の導電性成形体は上述した各型の燃料電池のセパレータ1として使用できるが、中でも固体高分子型燃料電池のセパレータ1として好適である。
図2は固体高分子型燃料電池の積層構造単位3の一例を示したものである。固体高分子型燃料電池の積層構造単位3は、固体高分子電解質膜4、燃料極5および酸化剤極6からなる電解質膜電極接合体7をセパレータ1で挟んだ構造を有する。
セパレータ1の表面に形成された流路2は燃料や酸化剤を電極に安定的に供給するのに好適である。固体高分子型燃料電池は、このような積層構造単位3を直列に複数積層して積層構造体とし、この積層構造体の両端に集電板を設けることで得ることができる。
以下、本発明について実施例により説明する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
縮合型フェノールアラルキル樹脂 MEP−7200(明和化成株式会社製 商品名)20.0重量%、最大粒径100μm以下の人造黒鉛粉末 SGL−60(株式会社エスイーシー製 商品名)76.5重量%、硬化促進剤としての水酸化カルシウム2.0重量%、カルナバワックス類0.5重量%、カーボンブラック1.0重量%を常温で混合し、さらに100℃で溶融混練した後、冷却、粉砕して成形材料を作製した。
(実施例2)
縮合型フェノールアラルキル樹脂 MEP−7200(明和化成株式会社製 商品名)25.0重量%、最大粒径100μm以下の人造黒鉛粉末 SGL−60(株式会社エスイーシー製 商品名)71.5重量%、硬化促進剤としての水酸化カルシウム2.0重量%、カルナバワックス類0.5重量%、カーボンブラック1.0重量%を常温で混合し、さらに100℃で溶融混練した後、冷却、粉砕して成形材料を作製した。
(実施例3)
縮合型フェノールアラルキル樹脂 MEP−7200(明和化成株式会社製 商品名)20.0重量%、最大粒径100μm以下の人造黒鉛粉末 SGL−60(株式会社エスイーシー製 商品名)71.5重量%、鉱物繊維 Lapinus Rockfiber MS610−Roxul 1000(LAPINUS製 商品名)5重量%、硬化促進剤としての水酸化カルシウム2.0重量%、カルナバワックス類0.5重量%、カーボンブラック1.0重量%を常温で混合し、さらに100℃で溶融混練した後、冷却、粉砕して成形材料を作製した。
(実施例4)
縮合型フェノールアラルキル樹脂 MEP−7200(明和化成株式会社製 商品名)20.0重量%、最大粒径100μm以下の人造黒鉛粉末 SGL−60(株式会社エスイーシー製 商品名)66.5重量%、鉱物繊維 Lapinus Rockfiber MS610−Roxul 1000(LAPINUS製 商品名)10重量%、硬化促進剤としての水酸化カルシウム2.0重量%、カルナバワックス類0.5重量%、カーボンブラック1.0重量%を常温で混合し、さらに100℃で溶融混練した後、冷却、粉砕して成形材料を作製した。
(比較例1)
ノボラック型フェノール樹脂 PM(H)シリーズ(明和化成株式会社製 商品名)25.0重量%、最大粒径100μm以下の人造黒鉛粉末 SGL−60(株式会社エスイーシー製 商品名)68.5重量%、ヘキサメチレンテトラミン3重量%、硬化促進剤としての水酸化カルシウム2.0重量%、カルナバワックス類0.5重量%、カーボンブラック1.0重量%を常温で混合し、さらに100℃で溶融混練した後、冷却、粉砕して成形材料を作製した。
(比較例2)
ジメチレンエーテル結合型レゾール樹脂 BRM−470(昭和高分子株式会社製 商品名)25.0重量%、最大粒径100μm以下の人造黒鉛粉末 SGL−60(株式会社エスイーシー製 商品名)71.5重量%、硬化促進剤としての水酸化カルシウム2.0重量%、カルナバワックス類0.5重量%、カーボンブラック1.0重量%を常温で混合し、さらに100℃で溶融混練した後、冷却、粉砕して成形材料を作製した。
実施例1〜4、比較例1、2の成形材料について、135℃における成形性(スパイラルフロー)を調べると共に、成形材料を成形して得た成形体について成形収縮率、150℃および200℃での寸法変化率、機械的強度(曲げ強さ、曲げ弾性率)、体積固有抵抗およびアンモニア遊離量の測定を行った。
なお、成形性、成形収縮率、寸法変化率および機械的強度についてはJISK6911に基づき、体積固有抵抗についてはJISK7194に基づき、アンモニア遊離量についてはJISK7230に基づいて評価を行った。
Figure 0004413566
表1から明らかなように、実施例1〜4の成形材料については成形性に優れると共に、その硬化物(成形体)の高温での寸法安定性にも優れ、機械的強度、導電性についても十分な特性を有していることが認められた。
本発明の導電性成形体からなる燃料電池のセパレータの一例を示した斜視図。 本発明の燃料電池の一例としての固体高分子型燃料電池の積層構造単位を示した斜視図。
符号の説明
1…セパレータ 2…流路 3…固体高分子型燃料電池の積層構造単位 4…固体高分子電解質膜 5…燃料極 6…酸化剤極 7…電解質膜電極接合体

Claims (4)

  1. 下記化学式(1)で示される重量平均分子量500〜15000の縮合型フェノールアラルキル樹脂および炭素材料を必須成分として含有するフェノール樹脂成形材料であって、前記化学式(1)で示される重量平均分子量500〜15000の縮合型フェノールアラルキル樹脂の含有量が5〜35重量%、前記炭素材料の含有量が65〜95重量%であることを特徴とする燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料。
    Figure 0004413566
    (但し、式中、Rは水素原子またはアルキル基、Zは−CH−または−CHOCH−を、x、yは(x+y)≠0であって0または1〜2の整数を、nは1以上の整数をそれぞれ表す。)
  2. 下記化学式(1)で示される重量平均分子量500〜15000の縮合型フェノールアラルキル樹脂、炭素材料および鉱物繊維を必須成分として含有するフェノール樹脂成形材料であって、前記化学式(1)で示される重量平均分子量500〜15000の縮合型フェノールアラルキル樹脂の含有量が5〜35重量%、前記炭素材料の含有量が60〜90重量%、前記鉱物繊維の含有量が5〜20重量%であることを特徴とする燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料。
    Figure 0004413566
    (但し、式中、Rは水素原子またはアルキル基、Zは−CH−または−CHOCH−を、x、yは(x+y)≠0であって0または1〜2の整数を、nは1以上の整数をそれぞれ表す。)
  3. 樹脂材料を成形してなる燃料電池セパレータであって、前記樹脂材料が請求項1または2記載の燃料電池セパレータ用フェノール樹脂成形材料であることを特徴とする燃料電池セパレータ
  4. 電解質膜の両面に電極が配置されてなる電解質膜電極接合体がセパレータによって挟持されてなる積層構造を有する燃料電池であって、前記セパレータは請求項3記載の燃料電池セパレータであることを特徴とする燃料電池。
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