JP2005082773A - ポリオレフィンの製造方法及び気相重合装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (1)オレフィン重合触媒を用いた連続気相重合によるポリオレフィンの製造方法において、冷却用循環媒体を重合槽の底面及び少なくとも側面の1箇所から供給することを特徴とするポリオレフィンの製造方法、及び
(2)モノマー供給配管、ポリマー排出配管及び場合により攪拌翼を備えた重合槽を有するポリオレフィン気相重合装置において、前記重合槽の底面及び少なくとも側面の1箇所から、冷却用循環媒体を供給するための冷却用循環媒体供給機構を設けたことを特徴とするポリオレフィン気相重合装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
(1)オレフィン重合触媒を用いた連続気相重合によるポリオレフィンの製造方法において、冷却用循環媒体を重合槽の底面及び少なくとも側面の1箇所から供給することを特徴とするポリオレフィンの製造方法、及び
(2)モノマー供給配管、ポリマー排出配管及び場合により攪拌翼を備えた重合槽を有するポリオレフィン気相重合装置において、前記重合槽の底面及び少なくとも側面の1箇所から、冷却用循環媒体を供給するための冷却用循環媒体供給機構を設けたことを特徴とするポリオレフィン気相重合装置、
を提供するものである。
次に、本発明のポリオレフィン気相重合装置は、モノマー供給配管、ポリマー排出配管及び場合により攪拌翼を備えた重合槽を有するポリオレフィン気相重合装置において、前記重合槽の底面及び少なくとも側面の1箇所から、冷却用循環媒体を供給するための冷却用循環媒体供給機構を設けた構造を有している。この本発明の装置について、プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法を例に挙げて説明する。図1は、本発明のポリオレフィン気相重合装置の一例であるプロピレン−エチレンブロック共重合体製造装置における後段の重合槽の一態様を示す概略図である。後段の重合槽1は、モノマー供給配管2、ポリマー排出配管3、冷却用循環媒体供給機構4、場合により攪拌翼5からなり、重合槽の中は気相部(上部)6と粉体部(下部)7に分かれている。その冷却用循環媒体は、通常、水素が0.01〜1質量%、エチレンが5〜40質量%、プロピレンが40〜90質量%、プロパンが4〜20質量%、窒素が0〜1質量%、メタンが0.01〜5質量%からなる。本発明においては、冷却用循環媒体を、底面からだけでなく、側面から、重合槽の粉体部に供給することが重要であり、粉体部の高さの1/2以上の高さから供給することが好ましい。この側面からの供給は重合槽の構造、粉体部形成状況などによっても異なるが、複数の位置から供給してもよい。また、その量については、底面からの供給量に対して、側面からの供給量は通常0.05〜0.5倍(質量)である。なお、上記の冷却用循環媒体供給機構は、一般にノズルが採用される。
(A)(a)マグネシウム化合物と(b)チタン化合物とを用いて得られる固体触媒成分
(B)有機アルミニウム化合物
(C)電子供与性化合物
(a)マグネシウム化合物
マグネシウム化合物としては、特に制限はなく、酸化マグルシウム、水酸化マグネシウム、ジアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハライド、ハロゲン化マグネシウム、マグネシウムジアルコキシドなど、具体的には塩化マグネシウム、マグネシウムジエトキシド、マグネシウムジメトキシドなどを挙げることができる。また、マグネシウム化合物としては、金属マグネシウムとハロゲンとアルコールとを反応させて得られる公知の固体生成物を好適に使用することができる。ここで、アルコールとしては、メタノール、エタノールが挙げられ、水分含有量が200ppm以下のものが良好なモロホロジーを有する固体生成物を得やすい。また、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素、特にヨウ素が好適に使用される。
チタン化合物としては、任意のチタン化合物を用いることができ、例えば、一般式(1)
TiX1 n(OR1)4-n ・・・(1)
(式中、X1はハロゲン原子、特に塩素原子であり、R1は炭素原子数1〜10の炭化水素基、特に直鎖または分岐のアルキル基であり、基R1が複数存在する場合には、それらは互いに同じでも異なっていてもよい。nは0〜4の整数である。)で表されるチタン化合物である。具体的には、Ti(O−i−C3 H7 )4 、Ti(O−C4 H9 )4 、TiCl(O−C2 H5 )3 、TiCl(O−i−C3 H7 )3 、TiCl(O−C4 H9 )3 、TiCl2 (O−C4 H9 )2 、TiCl2( O−i−C3 H7 )2 、TiCl4 等を挙げることができる。
固体触媒成分(A)は、必要に応じて任意の電子供与性化合物(c)を用いることができる。これら電子供与性化合物は、通常、酸素、窒素、リンあるいは硫黄を含有する有機化合物である。具体的には、アミン類、アミド類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、エステル類、エーテル類、チオエーテル類、アルコール類、チオエステル類、酸無水物類、酸ハライド類、アルデヒド類、有機酸類、Si−O−C結合を有する有機珪素化合物を挙げることができる。
固体触媒成分(A)は、マグネシウム化合物(a)と、チタン化合物(b)と、必要により、電子供与性化合物(c)とを用い、公知の方法で調製できる。例えば、マグネシウム化合物(a)と、電子供与性化合物(c)を接触させた後、チタン化合物(b)と接触させる。その接触条件は特に制限はなく、通常、マグネシウム原子換算でマグネシウム化合物(a)1モルに対して電子供与性化合物(c)0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルを加え、0〜200℃にて5分〜10時間、好ましくは30〜150℃にて30分〜3時間の条件で接触させる。また、この調製には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水素を加えることもできる。
有機アルミニウム化合物(B)としては、特に限定はなく、下記一般式(2)
AlR2 mX2 3-m ・・・(2)
(式中、R2は炭素原子数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、mは1〜3の整数であり、X2はハロゲン原子(塩素または臭素原子)で表される化合物である。具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム化合物、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジプロピルアルミニウムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウムモノクロリドなどを挙げることができる。
ブロックポリプロピレンの製造方法においては、必要に応じて電子供与性化合物(C)を併用することができる。この場合の電子供与性化合物(C)としては、前記の固体触媒成分(A)の調製の際に用いた電子供与性化合物(c)と同様のものを用いることができる。この場合、前記の固体触媒成分の調製の際に用いたものと同じでも異なっていてもよい。好ましい電子供与性化合物(C)は、SiO−C結合を有するシラン化合物、特に、下記(3)式で表される化合物である。
R3 pSi(OR4 )4-p ・・・(3)
(式中、R3は、直鎖状または分岐状炭化水素基、芳香属炭化水素基または環状飽和炭化水素基、p≧2の場合、上記化合物の任意のものの組み合わせであってよい。R4は直鎖状炭化水素基または分岐鎖状炭化水素基である。pは0〜3の整数である。)。(3)式の化合物としては、具体的に、t−ブチルシクロヘキシルジメトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等を挙げることができる。
これらの触媒活性抑制剤は、単独で用いることもできるが、モノマー、ヘプタンなどの不活性炭化水素溶媒、水素、窒素などのキャリア流体とともに供給することもできる。
(1)マグネシウム化合物(a)の製造
攪拌機付きのガラス製反応器(内容積約12リツトル)を窒素ガスで十分に置換し、エタノール約4,860g、ヨウ素32gおよび金属マグネシウム320gを投入し、攪拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるまで、加熱下で反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を減圧下に乾燥させることによりマグネシウム化合物〔固体生成物〕(a)を得た。
(2)固体触媒成分(A)の調製
窒素ガスで十分に置換したガラス製三口フラスコ(内容積5リットル)に、前記の未粉砕マグネシウム化合物(a)160g、精製ヘプタン800ミリリットル、四塩化ケイ素24ミリリットルおよびフタル酸ジエチル23ミリリットルを加えた。系内を90℃に保ち、攪拌しながら四塩化チタン770ミリリットルを投入して、110℃で2時間反応させた後、固体成分を分離して80℃の精製ヘプタンで洗浄した。更に、四塩化チタン1220ミリリットルを加え、110℃で2時間反応させた後、精製ヘプタンで十分に洗浄し、固体触媒成分(A)を得た。
前処理
内容積500リットルの攪拌翼付き反応槽に、n−ヘプタン230リットルを投入し、前記の固体触媒成分(A)25kg、トリエチルアルミニウムを固体触媒成分(A)中のTi原子に対し、0.6モル/1g原子、ジフェニルジメトキシシランを固体触媒成分中のTi原子に対し、0.4モル/1g原子の割合で供給した後、プロピレンをプロピレン分圧で、0.03MPa(Gauge)になるまで導入し、55℃で4時間反応させた。反応終了後、固体触媒成分をn−ヘプタンで数回洗浄し、二酸化炭素を供給し24時間攪拌した。
本重合
前段として、内容積200リットルの攪拌翼付き重合槽(ホモ重合槽)に、前記処理済みの固体触媒成分を成分中のTi原子に換算して、3ミリモル/時間で、トリエチルアルミニウムを600ミリモル/時間で、ジフェニルジメトキシシランを15ミリモル/時間でそれぞれ供給し、重合温度70℃、プロピレン圧力2.7MPa(Gauge)で反応させた。このとき、水素を用いて所定の分子量になるように調整した。ついで、前段重合槽から連続的にパウダーを抜き出し、後段(ランダム共重合槽)へ移送する。後段重合槽(ランダム共重合槽)では、重合温度55℃においてプロピレンおよびエチレンを供給し、ランダム共重合を行った。このとき、エチレン単位の含有量が所定の値になるように、プロピレンとエチレンとの供給比を調整した。
また、全冷却用循環媒体量(組成:水素0.3質量%、エチレン38質量%、プロピレン58質量%、プロパン3.7質量%)は160kg/hrで、110kg/hrを重合槽底面より、50kg/hrを重合槽面から供給した。側面からの供給する高さ位置は、粉体槽の高さが0.8mに対し0.55mであった。6日間運転を行った後に、重合槽内部を確認したところ、攪拌翼表面にはポリマーの付着が見られなかった。
実施例において、冷却用循環媒体の供給量を、重合槽底面からの供給量 110kg/hrを160kg/hrに、重合槽側面からの供給量 50kg/hrを0kg/hrとした以外(底面からのみの供給とした)は、実施例と同様に実施した。6日間運転を行った後に、重合槽内部を確認したところ、攪拌翼表面や重合槽表面にポリマーの付着が見られた。
2 モノマー供給配管
3 ポリマー排出配管
4 冷却用循環媒体供給機構
5 攪拌翼
6 気相部
7 粉体部
Claims (2)
- オレフィン重合触媒を用いた連続気相重合によるポリオレフィンの製造方法において、冷却用循環媒体を重合槽の底面及び少なくとも側面の1箇所から供給することを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
- モノマー供給配管、ポリマー排出配管及び場合により攪拌翼を備えた重合槽を有するポリオレフィン気相重合装置において、前記重合槽の底面及び少なくとも側面の1箇所から、冷却用循環媒体を供給するための冷却用循環媒体供給機構を設けたことを特徴とするポリオレフィン気相重合装置。
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