JP4384790B2 - α−オレフィン重合用触媒およびα−オレフィンの重合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、α−オレフィン重合用触媒及びそれを用いるα−オレフィンの重合方法に関する。詳しくは、本発明は、溶融張力が高く、成形加工性に優れたブロー成形、シート成形、射出成形等に好適なポリプロピレン等のオレフィン重合体を製造しうるα−オレフィン重合用触媒及びそれを用いるα−オレフィンの重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シート、ブロー成形等に使用するポリマーは、溶融張力の高いことが必要とされ、そのためには分子量分布が広いことが必要とされてきた。また、射出成形においても、成形外観をよくするためには溶融張力が高いことが必要とされている。そこで従来、溶融張力の高いポリマーを製造するためにTiCl3系触媒が使用されてきた。しかしながら、TiCl3系触媒は一般に活性が低く、また立体規則性が劣ることからアタクチックポリマー派生量が多く、また製品の剛性が十分高くないといった問題があった。そこでこれらの問題を解決するため、高活性、高立体規則性を持つポリプロピレンを製造できるMgCl2担持型触媒に関して、分子量分布を広げ溶融張力の高いポリマーを製造できるようにするため種々検討を行ってきた。
【0003】
しかしながら、分子量分布に関しては依然としてTiCl3系触媒と比べて狭く、溶融張力も十分高くないため、シート、ブロー成形においては成形加工性がよくない、射出成形においてはフローマークが出るなど成形外観が悪い、という問題点がある。したがって、ブロー成形、シート成形といった高い溶融張力の必要とされる成形方法に対しては、MgCl2担持型触媒及びそれを用いた重合法では好適なポリマーを提供できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の問題点を解決し、溶融張力及びスパイラルフローの改良効果が十分に得られ、成形サイクルの短縮及び大型成形品のコスト削減に寄与できる改良されたMgCl2担持型触媒触媒及びそれを用いたα−オレフィンの重合方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような状況下、上記問題点を解決するためにMgCl2担持型触媒の改良の試みを種々行った結果、特定の構造を有する含窒素ケイ素化合物を使用することによりさらに溶融張力を高くできることを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち、本発明は、成分(A)及び成分(B)からなることを特徴とするα−オレフィン重合用触媒を提供する。
成分(A):下記の成分(A1)及び成分(A2)を接触させてなる固体触媒成分。
(A1):チタン、マグネシウム、ハロゲンを必須成分として含有するα−オレフィンの立体規則性重合用固体成分
(A2):下記一般式(1)で表されるケイ素化合物
【0007】
【化2】
【0008】
(ここで、R1及びR2は、各々脂肪族炭化水素基を表し、R1とR2は共同して1つの環を形成してもよい。R3及びR4も同様に、各々脂肪族炭化水素基を表し、R3とR4は共同して1つの環を形成してもよい。R5は炭素数1〜6の鎖状炭化水素基を表す。)
成分(B):有機アルミニウム化合物
【0009】
また、本発明は、前記成分(A1)が、有機酸エステル化合物、有機酸ハライド化合物及びエーテル化合物からなる群から選択される電子供与体を含むことを特徴とする、前記α−オレフィン重合用触媒を提供する。
【0010】
また、本発明は、前記α−オレフィン重合用触媒にα−オレフィンを接触させて該α−オレフィンを重合又は共重合させることを特徴とする、α−オレフィンの重合方法を提供する。
【0011】
触媒成分として含窒素ケイ素化合物を使用する方法は、特開平4−143621が挙げられる。しかしながら、このような化合物を使用した場合には、依然として溶融張力改良の効果は不充分であり、したがって、流れ性やスパイラルフローの改良は依然として不十分であるのに対し、本発明では特定の含窒素ケイ素化合物を使用することにより、溶融張力及びスパイラルフローの改良効果が十分に得られ、成形サイクルの短縮及び大型成形品のコスト削減に寄与できる技術である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
本発明に用いられる触媒は、特定の成分(A)及び成分(B)を組み合わせてなるものである。ここで「組み合わせてなる」ということは、成分が挙示のもの(すなわち、成分(A)及び成分(B))のみであるということを意味するものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分が共存することを排除しない。
【0013】
(1)固体触媒成分(A)
本発明の触媒の成分(A)は、特定の固体成分(成分(A1))及び特定のケイ素化合物(成分(A2))との接触生成物である。このような本発明の成分(A)は、上記必須三成分以外の合目的な他の成分の共存を排除しない。
<成分(A1)>
本発明で用いられる固体成分(成分(A1))は、チタン、マグネシウム、ハロゲンを必須成分として含有するα−オレフィンの立体規則性重合用固体成分である。ここで「必須成分として含有し」ということは、挙示の三成分以外に合目的的な他元素を含んでいてもよいこと、これらの元素はそれぞれが合目的的な任意の化合物として存在してもよいこと、ならびにこれら元素は相互に結合したものとして存在してもよいことを示すものである。な
【0014】
本発明において使用されるマグネシウム源となるマグネシウム化合物としては、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハライド、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムのカルボン酸塩等が挙げられる。これらの中でもマグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム等のMg(OR6)2-pXp(ここで、R6は炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、pは0≦p≦2である。)で表されるマグネシウム化合物が好ましい。
【0015】
また、チタン源となるチタン化合物としては、一般式Ti(OR7)4-qXq(ここで、R7は炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、qは0≦q≦4である。)で表される化合物が挙げられる。具体例としては、TiCl4、TiBr4、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(OC2H5)2Cl2、Ti(OC2H5)3Cl、Ti(O−iso−C3H7)Cl3、Ti(O−n−C4H9)Cl3、Ti(O−n−C4H9)2Cl2、Ti(OC2H5)Br3、Ti(OC2H5)(O−n−C4H9)2Cl、Ti(O−n−C4H9)3Cl、Ti(OC6H5)Cl3、Ti(O−iso−C4H9)2Cl2、Ti(O−n−C5H11)Cl3、Ti(O−n−C6H13)Cl3、Ti(OC2H5)4、Ti(O−n−C3H7)4、Ti(O−n−C4H9)4、Ti(O−i−C4H9)4、Ti(O−n−C6H13)4、Ti(O−n−C8H17)4、Ti(OCH2CH(C2H5)C4H9)4等が挙げられる。
【0016】
また、TiX'4(ここで、X'はハロゲンである。)に後述する電子供与体を反応させた分子化合物をチタン源として用いることもできる。そのような分子化合物の具体例としては、TiCl4・CH3COC2H5、TiCl4・CH3CO2C2H5、TiCl4・C6H5NO2、TiCl4・CH3COCl、TiCl4・C6H5COCl、TiCl4・C6H5CO2C2H5、TiCl4・ClCOC2H5、TiCl4・C4H4O等が挙げられる。
【0017】
また、TiCl3(TiCl4を水素で還元したもの、アルミニウム金属で還元したもの、あるいは有機金属化合物で還元したもの等を含む)、TiBr3、Ti(OC2H5)Cl2、TiCl2、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド等のチタン化合物の使用も可能である。これらのチタン化合物の中でもTiCl4、Ti(O−n−C4H9)4、Ti(OC2H5)Cl3等が好ましい。
【0018】
ハロゲンは、上述のマグネシウムおよび(または)チタンのハロゲン化合物から供給されるのが普通であるが、他のハロゲン源、例えばAlCl3等のアルミニウムのハロゲン化物やSiCl4等のケイ素のハロゲン化物、PCl3、PCl5等のリンのハロゲン化物、WCl6等のタングステンのハロゲン化物、MoCl5等のモリブデンのハロゲン化物といった公知のハロゲン化剤から供給することもできる。触媒成分中に含まれるハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素またはこれらの混合物であってもよく、特に塩素が好ましい。
【0019】
本発明に用いる固体成分は、上記必須成分の他にAl(OC2H5)3、Al(O−iso−C3H7)3、Al(OCH3)2Cl等のアルミニウム化合物及びB(OCH3)3、B(OC2H5)3、B(OC6H5)3等のホウ素化合物等や他成分を使用することも可能であり、これらがアルミニウム及びホウ素等の成分として固体成分中に残存することは差し支えない。
【0020】
さらに、この固体成分を製造する場合に、電子供与体を内部ドナーとして使用することもできる。この固体成分の製造に利用できる電子供与体(内部ドナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒素電子供与体、等を例示することができる。
【0021】
より具体的には、
(イ)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1〜18のアルコール類、
(ロ)フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭素数6〜25のフェノール類、
【0022】
(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどの炭素数3〜15のケトン類、
(ニ)アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類、
【0023】
(ホ)ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロへキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セロソルブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、クマリン、フタリドなどの有機酸モノエステル、または、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、コハク酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、炭酸エチレン、ノルボルナンジエニル−1,2−ジメチルカルボキシラ−ト、シクロプロパン−1,2−ジカルボン酸−n−ヘキシル、1,1−シクロブタンジカルボン酸ジエチルなどの有機酸多価エステル等の炭素数2〜20の有機酸エステル類、
【0024】
(ヘ)ケイ酸メチル、ほう酸エチルなどのほう酸エステルやリン酸メチル、リン酸エチルのようなリン酸エステルのような無機酸エステル類、
(ト)アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化フタロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数2〜15の酸ハライド類、
(チ)メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル類、
【0025】
(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類、
(ヌ)メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、
(ル)アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類、
【0026】
(ヲ)2−(エトキシメチル)−安息香酸エチル、2−(t−ブトキシメチル)−安息香酸エチル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−s−ブチルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−t−ブチルプロピオン酸エチルなどのアルコキシエステル化合物類、
(ワ)2−ベンゾイル安息香酸エチル、2−(4’−メチルベンゾイル)安息香酸エチル、2−ベンゾイル−4,5−ジメチル安息香酸エチルなどのケトエステル化合物類、
等を挙げることができる。
【0027】
これらの中で好ましいのは有機酸エステル化合物、酸ハライド化合物及びエーテル化合物であり、特に好ましいのはフタル酸ジエステル化合物、酢酸セロソルブエステル化合物及びフタル酸ジハライド化合物である。
【0028】
<成分(A2)>
本発明で用いられる成分(A2)は、下記一般式(1)で表されるケイ素化合物である。
【0029】
【化3】
【0030】
ここで、R1及びR2は、各々脂肪族炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を表す。R1及びR2は各々同じでも異なっていてもよい。また、R1とR2は共同して相互に結合し、1つの環を形成してもよい。
また、R3及びR4も、R1及びR2と同様に、各々脂肪族炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を表す。R3及びR4は各々同じでも異なっていてもよい。また、R3とR4は共同して相互に結合し、1つの環を形成してもよい。
また、R5は炭素数1〜6の鎖状炭化水素基を表す。
【0031】
具体的には、
ビス−2−ジメチルアミノピペリジノジメトキシシラン、
ビス−3−ジメチルアミノピペリジノジメトキシシラン、
ビス−4−ジメチルアミノピペリジノジメトキシシラン、
ビス−2−ジエチルアミノピペリジノジメトキシシラン、
ビス−3−ジエチルアミノピペリジノジメトキシシラン、
ビス−4−ジエチルアミノピペリジノジメトキシシラン、
ビス−2−ジメチルアミノピペリジノジエトキシシラン、
ビス−3−ジメチルアミノピペリジノジエトキシシラン、
ビス−4−ジメチルアミノピペリジノジエトキシシラン、
ビス−2−ジエチルアミノピペリジノジエトキシシラン、
ビス−3−ジエチルアミノピペリジノジエトキシシラン、
ビス−4−ジエチルアミノピペリジノジエトキシシラン、
等が挙げられる。
【0032】
また、置換基同士が結合して環を形成した化合物の例としては、
ビス−2−ピペリジニルピペリジノジメトキシシラン、
ビス−3−ピペリジニルピペリジノジメトキシシラン、
ビス−4−ピペリジニルピペリジノジメトキシシラン、
ビス−2−ピロリジニルピペリジノジメトキシシラン、
ビス−3−ピロリジニルピペリジノジメトキシシラン、
ビス−4−ピロリジニルピペリジノジメトキシシラン、
ビス−2−ピペリジニルピペリジノジエトキシシラン、
ビス−3−ピペリジニルピペリジノジエトキシシラン、
ビス−4−ピペリジニルピペリジノジエトキシシラン、
ビス−2−ピロリジニルピペリジノジエトキシシラン、
ビス−3−ピロリジニルピペリジノジエトキシシラン、
ビス−4−ピロリジニルピペリジノジエトキシシラン、
等が挙げられる。
【0033】
これらの中で好ましいものとしては、ビス−4−ピペリジニルピペリジノジメトキシシラン、ビス−4−ピロリジニルピペリジノジメトキシシラン、といった化合物が挙げられる。
【0034】
<その他の任意成分>
さらに、本発明の成分(A)の製造においては、上記の必須成分の他に必要に応じて任意成分を含んでなりうることは前記の通りであるが、そのような任意成分として適当なものとしては以下の化合物を挙げることができる。
【0035】
(イ)ビニルシラン化合物
ビニルシラン化合物としては、モノシラン(SiH4)中の少なくとも1つの水素原子がビニル基(CH2=CH−)に置き換えられ、そして残りの水素原子のいくつかが、ハロゲン(好ましくはCl)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基)、アリール基(好ましくはフェニル)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基)、その他で置き換えられた構造を示すものである。
【0036】
より具体的には、CH2=CH−SiH3、CH2=CH−SiH2(CH3)、CH2=CH−SiH(CH3)2、CH2=CH−Si(C2H5)3、CH2=CH−Si(CH3)2(C2H5)、CH2=CH−Si(CH3)(C2H5)2、CH2=CH−Si(n−C4H9)、CH2=CH−Si(C6H5)3、CH2=CH−Si(CH3)(C6H5)2、CH2=CH−Si(CH3)2(C6H5)、CH2=CH−Si(CH3)2(C6H4CH3)、(CH2=CH)(CH3)2Si−O−Si(CH3)2(CH=CH2)、(CH2=CH)2SiH2、(CH2=CH)2Si(CH3)2、(CH2=CH)2Si(C6H5)2等を例示することができる。
【0037】
(ロ)周期律表第I〜III族金属の有機金属化合物
周期律表第I族〜第III族金属の有機金属化合物を使用することも可能である。本発明で使用する周期律表第I族〜第III族金属の有機金属化合物は、少なくとも一つの有機基−金属結合を持つ。その場合の有機基としては、炭素数1〜20程度、好ましくは1〜6程度のヒドロカルビル基が代表的である。原子価の少なくとも一つが有機基で充足されている有機金属化合物中金属の残りの原子価(もしそれがあれば)は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基(ヒドロカルビル基は、炭素数1〜20程度、好ましくは1〜6程度)、あるいは酸素原子を介した当該金属(具体的には、メチルアルモキサンの場合の−O−Al(CH3)−)その他で充足される。
【0038】
このような有機金属化合物の具体例を挙げれば、(a)メチルリチウム、n−ブチルリチウム、第三ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、(b)ブチルエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ヘキシルエチルマグネシウム、ブチルマグネシウムクロライド、第三ブチルマグネシウムブローマイド等の有機マグネシウム化合物、(c)ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、(d)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、メチルアルモキサン等の有機アルミニウム化合物がある。このうちでは、特に有機アルミニウム化合物が好ましい。
【0039】
上記任意成分(イ)及び(ロ)は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの任意成分を使用すると、本発明の効果はより大きくなる。
【0040】
<成分(A)の製造>
成分(A)は、成分(A)を構成する各成分及び必要により用いられる前記任意成分を段階的にあるいは一時的に相互に接触させて、その中間および/または最後に有機溶媒、例えば炭化水素溶媒またはハロゲン化炭化水素溶媒で洗浄することによって製造することができる。
【0041】
その場合に、チタン、マグネシウム、及びハロゲンを必須成分とする固体生成物を先ず製造し、それを前記一般式のケイ素化合物と接触させる方式(いわば二段法)によることもできるし、チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分とする固体生成物をつくる過程で既に該ケイ素化合物を存在させることによって一挙に成分(A)を製造する方式(いわば一段法)によることも可能である。好ましい方式は前者である。
【0042】
前記の成分(A)を構成する各成分の接触条件は、本発明の効果が認められる限り任意のものでありうるが、一般的には、次の条件が好ましい。接触温度は、−50〜200℃程度、好ましくは0〜100℃である。接触方法としては、回転ボールミル、振動ミル、ジェットミル、媒体撹拌粉砕機などによる機械的な方法、不活性希釈剤の存在下に撹拌により接触させる方法などがある。このとき使用する不活性希釈剤としては、脂肪族または芳香族の炭化水素およびハロ炭化水素、ポリシロキサン等が挙げられる。
【0043】
成分(A)を構成する各成分使用量の量比は本発明の効果が認められるかぎり任意のものでありうるが、一般的には、次の範囲内が好ましい。チタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合物の使用量に対してmol比で0.0001〜1000の範囲内がよく、好ましくは0.01〜10の範囲内である。ハロゲン源としてそのための化合物を使用する場合は、その使用量はチタン化合物及び/又はマグネシウム化合物がハロゲンを含む、含まないにかかわらず、使用するマグネシウムの使用量に対してmol比で0.01〜1000の範囲内がよく、好ましくは0.1〜100の範囲内である。成分(A2)のケイ素化合物の使用量は、成分(A)を構成するチタン成分に対するモル比で0.01〜1000の範囲内である。
【0044】
ビニルシラン化合物を使用するときのその使用量は、成分(A)を構成するチタン成分に対するモル比で0.001〜1000の範囲内がよく、好ましくは0.01〜100の範囲内である。アルミニウム及びホウ素化合物を使用するときのその使用量は、前記マグネシウム化合物の使用量に対してモル比で0.001〜100の範囲内がよく、好ましくは0.01〜1の範囲内である。任意成分として電子供与体化合物を使用するときのその使用量は、前記マグネシウム化合物の使用量に対してモル比で0.001〜10の範囲内がよく、好ましくは0.01〜5の範囲内である。
【0045】
成分(A)の合成には、成分(A1)及び成分(A2)の接触により、必要により電子供与体等の他成分を用いて、例えば以下のような製造方法により製造される。
(イ)ハロゲン化マグネシウムと必要に応じて電子供与体、チタン含有化合物、ケイ素化合物およびスルホン酸エステル化合物を接触させる方法。
(ロ)アルミナ又はマグネシアをハロゲン化リン化合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供与体、ケイ素化合物、チタンハロゲン含有化合物およびスルホン酸エステル化合物を接触させる方法。
(ハ)ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキシドおよび特定のポリマ−ケイ素化合物を接触させて得られる固体成分に、チタンハロゲン化合物および/またはケイ素のハロゲン化合物を接触させた反応生成物を不活性有機溶媒で洗浄後、ケイ素化合物とスルホン酸エステル化合物を接触させるか、または別に接触させる方法。
【0046】
なお、ここで用いられるポリマ−ケイ素化合物としては、下式で示されるものが適当である。
【0047】
【化4】
【0048】
(ここで、R8は炭素数1〜10程度の炭化水素基であり、rはこのポリマ−ケイ素化合物の粘度が1〜100cSt(センチストークス)程度となるような重合度を示す。)
具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、フェニルハイドロジェンポリシロキサン、シクロヘキシルハイドロジェンポリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が好ましい。
【0049】
(ニ)マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシドおよび/または電子供与体で溶解させて、ハロゲン化剤またはチタンハロゲン化合物で析出させた固体成分に、ケイ素化合物、チタン化合物およびスルホン酸エステル化合物を接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
【0050】
(ホ)グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物をハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要に応じて電子供与体を接触させ、次いでケイ素化合物、チタン化合物およびスルホン酸エステル化合物を接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
【0051】
(ヘ)アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤および/またはチタン化合物、ケイ素化合物及びスルホン酸エステル化合物を、電子供与体の存在下もしくは不存在下に接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
【0052】
これらの製造方法の中でも(イ)、(ハ)、(ニ)および(ヘ)が好ましい。成分(A)は、その製造の中間および/または最後に不活性有機溶媒、例えば脂肪族または芳香族炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等)、あるいはハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、塩化n−ブチル、1,2−ジクロロエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン等)で洗浄することができる。
【0053】
本発明で使用する成分(A)は、ビニル基含有化合物、例えばオレフィン類、ジエン化合物、スチレン類等を接触させて重合させることからなる予備重合工程を経たものとして使用することもできる。
【0054】
予備重合を行う際に用いられるオレフィン類の具体例としては、例えば炭素数2〜20程度のもの、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチルブテン−1、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−エイコセン等があり、ジエン化合物の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、2,4−ペンタジエン、2,6−オクタジエン、cis−2,trans−4−ヘキサジエン、trans−2,trans−4−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,4−ヘプタジエン、ジシクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘプタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、p−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、o−ジビニルベンゼン、ジシクロペンタジエン等がある。また、スチレン類の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、アリルベンゼン、クロルスチレン等がある。
【0055】
成分(A)中のチタン成分と上記ビニル基含有化合物の反応条件は、本発明の効果が認められるかぎり任意のものでありうるが、一般的には次の範囲内が好ましい。ビニル基含有化合物の予備重合量は、チタン固体成分1gあたり0.001〜100g、好ましくは0.1〜50g、さらに好ましくは0.5〜10gの範囲内である。予備重合時の反応温度は−150〜150℃、好ましくは0〜100℃である。そして、「本重合」、すなわちα−オレフィンを重合するときの重合温度よりも低い重合温度が好ましい。反応は、一般的に撹拌下に行うことが好ましく、そのときn−ヘキサン、n−ヘプタン等の不活性溶媒を存在させることもできる。
また、成分(A1)と成分(A2)との接触時に同時に予備重合を行うこともできる。
【0056】
(2)成分(B):有機アルミニウム化合物成分
本発明で用いられる有機アルミニウム化合物成分(成分(B))の具体例としては、R9 3-sAlXsまたはR10 3-tAl(OR11)t(ここで、R9およびR10は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子であり、R11は炭化水素基であり、Xはハロゲンであり、sおよびtはそれぞれ0≦s<3、0<t<3である。)で表されるものがある。
【0057】
具体的には、(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、(ハ)ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、(ニ)ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド等が挙げられる。
【0058】
これら(イ)〜(ニ)の有機アルミニウム化合物に他の有機金属化合物、例えばR12 3-uAl(OR13)u(ここで、R12およびR13は同一または異なってもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、uは0<u≦3である。)で表されるアルキルアルミニウムアルコキシドを併用することもできる。例えば、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムエトキシドの併用、ジエチルアルミニウムモノクロライドとジエチルアルミニウムエトキシドとの併用、エチルアルミニウムジクロライドとエチルアルミニウムジエトキシドとの併用、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムエトキシドとジエチルアルミニウムモノクロライドとの併用等が挙げられる。成分(B)の有機アルミニウム化合物成分と成分(A)の固体触媒成分中のチタン成分との割合は、Al/Ti=1〜1000モル/モルが一般的であり、好ましくは、Al/Ti=10〜500モル/モルの割合で使用される。
【0059】
(3)α−オレフィン(プロピレン)の重合
本発明の触媒系で重合しうるα−オレフィンは、一般式R14−CH=CH2(ここで、R14は炭素数1〜20の炭化水素基であり、分枝基を有してもよい)で表されるものである。具体的には、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1などのα−オレフィン類がある。これらのうちで特に好ましいのはプロピレンである。なお、本発明の触媒系では、これらのα−オレフィン(特にプロピレン)の単独重合のほかに、プロピレンと共重合可能なモノマー(例えば、エチレン、他のα−オレフィン類、ジエン類、スチレン類等)との共重合も行うことができる。これらの共重合性モノマーは、好ましくは、ランダム共重合においては15重量%まで、ブロック共重合においては50重量%まで使用することができる。
【0060】
本発明におけるα−オレフィン(好ましくはプロピレン、特に好ましくは結晶性ポリプロピレン)の重合方法としては、目標とするポリオレフィン(ポリプロピレン)が得られる限り任意のものでありうるが、次に示す方法が挙げられる。まず、重合形式としては、炭化水素溶媒を用いるスラリー重合、実質的に溶媒を用いない液相無溶媒重合、または気相重合等が挙げられる。スラリー重合の場合の重合溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素溶媒が単独又は混合物として用いられる。採用される重合方法は、連続式重合、回分式重合、多段式重合又は予備重合を行う方式等が挙げられる。重合温度は、通常20〜200℃程度、好ましくは50〜150℃であり、重合圧力は大気圧〜300kg/cm2程度、好ましくは大気圧〜100kg/cm2であり、そのとき分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。本発明における各物性値の測定方法および装置を以下に示す。
【0062】
[MFR]
装置:タカラ社製 メルトインデクサー
測定方法:JIS−K6758に準拠した。
【0063】
[MT]
キャピログラフ:190℃
オリフィス:2.095mmφ×8.1mm
押出速度:10mm/分
引張速度:4mm/分
【0064】
[スパイラルフロー長さ]
SJ型(インラインスクリュー型)射出成形機を用い、下記条件でスパイラルフロー測定を実施した。
成形温度:240℃
射出圧力:800kg/cm2
射出時間:6秒
金型温度:40℃
射出率:50g/秒
【0065】
<実施例−1>
[成分(A)の製造]
充分に窒素置換したフラスコに、脱水および脱酸素したn−ヘプタン200mlを導入し、次いでMgCl2を0.4mol、Ti(O−n−C4H9)4を0.8mol導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20cStのもの)を48ml導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
【0066】
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ml導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.24mol導入した。次いでn−ヘプタン25mlにSiCl40.4molを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、SiCl40.4molを導入して80℃で6時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して、成分(A)を製造するための固体成分とした。
【0067】
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ml導入し、上記で合成した固体成分を5g導入し、bis(4-piperidinylpiperidino)dimethoxysilane 1.0ml、を30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする成分(A)を得た。
【0068】
[プロピレンの重合]
撹拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットルのステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および脱酸素したn−ヘプタン500ml、および上記で製造した成分(A)を15mg、トリエチルアルミニウムを125mg、次いで水素を300ml導入し、昇温昇圧し、重合圧力=5kg/cm2G、重合温度=75℃、重合時間=2時間の条件でプロピレンを重合させた。
【0069】
得られたポリマーに、下記添加剤を配合し、押出機によりペレット化した。
(添加剤)
2,6−ジ第三ブチルフェノール;0.10wt%
RA1010(チバガイギー社製);0.05wt%
カルシウムステアレート;0.10wt%
PTBBA−Al(シェル化学製);0.10wt%
【0070】
得られたペレットを用い、スパイラルフロー測定を実施した。重合時の活性、アタクチックポリマー派生率、重合体のMFR、MT、スパイラルフロー値について表1に示す。
【0071】
<比較例−1>
[成分(A)の製造]において、成分(A2)として、bipiperidinodimethoxysilaneを0.5ml使用し、さらに水素300mlを順次導入する以外は実施例−1と同様の実験を行った。
【0072】
<実施例−2>
[成分(A)の製造]
充分に窒素置換したフラスコに、脱水および脱酸素したトルエン100mlを導入し、次いでMg(OEt)220gを導入し、懸濁状態とした。次いで、TiCl460mlを導入し、室温から90℃に昇温し、次いで酢酸セロソルブ3.3mlを導入し、100℃に昇温して3時間反応させた。反応終了後、トルエンで充分に洗浄した。次いで、TiCl4100ml及びトルエン100mlを導入し、110℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄した。
【0073】
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ml導入し、上記で合成した固体成分を5g導入し、bis(4-piperidinylpiperidino)dimethoxysilane 1.0ml、トリエチルアルミニウム1.7gを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする成分(A)を得た。
【0074】
[プロピレンの重合]
撹拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットルのステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および脱酸素したn−ヘプタンを500ml、および上記で製造した成分(A)を15mg、トリエチルアルミニウムを125mg、次いで水素を300ml導入し、昇温昇圧し、重合圧力=5kg/cm2G、重合温度=75℃、重合時間=2時間の条件でプロピレンを重合させた。
【0075】
<比較例−2>
[成分(A)の製造]において、成分(A2)として、bipiperidinodimethoxysilaneを0.5ml使用し、さらに水素300mlを順次導入する以外は実施例−2と同様の実験を行った。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】
本発明により、高活性、高立体規則性、かつ溶融張力が高いポリプロピレン等のオレフィン重合体(特に結晶性ポリプロピレン)を製造することができる。得られる重合体は成形加工性に優れることから、ブロー成形、シート成形、射出成形等に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の触媒の製造方法を表すフローチャート図である。
Claims (3)
- 前記成分(A1)が、有機酸エステル化合物、有機酸ハライド化合物、及びエーテル化合物からなる群から選択される電子供与体を含むことを特徴とする、請求項1記載のα−オレフィン重合用触媒。
- 請求項1又は2記載のα−オレフィン重合用触媒にα−オレフィンを接触させて該α−オレフィンを重合又は共重合させることを特徴とする、α−オレフィンの重合方法。
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