JP4098419B2 - 耐衝撃性プロピレンブロック共重合体 - Google Patents

耐衝撃性プロピレンブロック共重合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高剛性かつ高衝撃強度で流動性および外観の優れたプロピレンブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
結晶性重合体を製造する第1重合工程とゴム状共重合体を製造する第2重合工程によって得られるプロピレンブロック共重合体は、優れた剛性−衝撃バランスを持ち、特に射出成形品として様々な分野に使用されている。
射出成形品の使用目的により所望される衝撃強度は異なり、高衝撃強度が要求される分野においてはゴム状プロピレンエチレン共重合体量を多くする必要がある。従来のスラリー法においては該共重合体が溶媒成分に溶出するため充分な共重合体含量を確保することができなかった。該共重合体の溶媒成分への溶出を防止するために該重合を気相重合で行う方法が種々提唱されている。しかしながら自動車のバンパー材や自動車内装材の一部など特に高い衝撃強度が要求される分野においては、エラストマー成分のブレンド無くしては衝撃強度を満足することが出来なかった。
【0003】
一方樹脂の流れ性の指標であるMFRは、射出成形品外観(フローマークといわれる波状流れ模様、ヒケといわれる表面の凹部)の向上、射出成形時の樹脂圧力の低下、射出成形時の成形サイクル時間の短縮を考えると高い方が有利である。しかしながらMFRを高くするためには第1重合工程もしくは第2重合工程のポリマーの分子量を下げる必要がある。
【0004】
第1重合工程の分子量を下げると、ゴム状プロピレンエチレン共重合体がゲル状の塊りとなり成形品に均一に分散せず射出成形品の外観を損なうだけでなく射出成形品の面衝撃強度が著しく低下する。該ゲル状物の消去は造粒時の押し出しスクリュー構成を強混練タイプにしたり、2軸押出機等で繰り返し造粒をすることで可能である。しかしながら生産効率の悪化、繰り返し造粒によるコスト増大に繋がる。
第2重合工程の分子量を下げるとパウダーの粘着性が悪化し配管および回転機器等での付着や閉塞を引き起こすだけでなく、品質的にも剛性や表面硬度の低下をもたらす。
高剛性かつ高衝撃強度で流動性および外観の優れたプロピレンブロック共重合体を安定的に安価に製造する技術が待ち望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の問題点を解決して、エラストマー成分の添加操作を必要としない高剛性かつ高衝撃強度で流動性および外観の優れたプロピレンブロック共重合体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の問題点を解決すべく鋭意検討研究の結果、特定のプロピレンブロック共重合体を製造することにより、前述の問題点を解決できることを見いだし本発明に到った。すなわち、本発明の要旨とするところは、Mg、Ti、ハロゲン及び電子供与体(内部ドナー)を含有する固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、下記一般式(2)
1 2 3-m Si(OR 3 m 式(2)
(ここで、R 1 は分岐脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基であり、R 2 はR 1 と同一もしくは異なる炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R 3 は炭化水素基であり、mは1≦m≦3である。)で表されるケイ素化合物とを接触してなる固体触媒成分、並びに有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に、下記の重合工程(a)を実施して製造された、下記(b)から(g)の条件を満たす耐衝撃性プロピレンブロック共重合体の製造法にある。
(a)プロピレンまたはプロピレン/エチレン混合物を一段あるいは多段に水素の存在下気相重合させて結晶性プロピレン単独重合体またはエチレン含量5重量%以下の結晶性プロピレンエチレンランダム共重合体を形成させる第1重合工程と、プロピレン/エチレン混合物を一段あるいは多段に水素の存在下気相重合させてゴム状プロピレンエチレン共重合体を形成させる第2重合工程からなる重合工程。
(b)プロピレンブロック共重合体のMFRが10g/10分以上、
(c)第1重合工程で製造される結晶性重合体部分が全重合体に対して50〜80重量%、
(d)第2重合工程で製造されるゴム状プロピレンエチレン共重合体部分が全重合体に対して20〜50重量%、
(e)第1重合工程で製造される結晶性重合体の極限固有粘度[η]hと第2重合工程で製造されるゴム状プロピレンエチレン共重合体の極限固有粘度[η]rの比が式(1)を満たす、
【0007】
2.0≦[η]r/[η]h≦5.0 式(1)
(ここで、[η]rは、第2重合工程で製造されるゴム状プロピレンエチレン共重合体の極限固有粘度を表し、該プロピレンブロック共重合体を沸騰キシレン中に20分間浸漬して溶解させた後23℃で12時間冷却し、析出した固相を濾過分別した際に得られる非析出成分の、135℃デカリン溶液中で測定される極限固有粘度を意味する。)
【0008】
(f)第2重合工程で製造される重合体成分のプロピレン/エチレンの重合比が70/30〜48/52、(g)プロピレンブロック共重合体のゲル数が、平面25cm2 、厚さ0.5mmの射出成形品において、ゲルサイズ50μm以上のものが、150個以下。
<効果>本発明によると、エラストマー成分を添加することなく、高剛性かつ高衝撃強度で流動性および外観の優れたプロピレンブロック共重合体を提供することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、特定の触媒の存在下に、第1重合工程においてプロピレン単独重合体またはエチレン含量5重量%以下のプロピレンエチレン共重合体が重合され、次いで、第2重合工程においてゴム状プロピレンエチレン共重合体が重合される。
本発明においては、Mg、Ti、ハロゲン及び電子供与体並びに有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に(共)重合が行なわれ、触媒として例えば次のものが使用される。
【0010】
(プロピレン重合用触媒)
本発明に用いられる触媒は、下記の成分(A)、成分(B)必要に応じて成分(C)を組み合わせることによって調製することができる。ここで「組み合わせてなる」ということは、成分が挙示のもの(すなわち、成分(A)、成分(B)または成分(C))のみであるということを意味するものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分が共存することを排除しない。
【0011】
(1)固体触媒成分
固体触媒成分(成分(A))は、固体成分(A1)と特定のケイ素化合物(成分(A2))の接触生成物である。このような成分(A)は、上記二成分以外の合目的的な他の成分共存を排除しない。
成分(A1)
固体成分は、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分として含有してなるプロピレンの立体規則性重合用固体成分である。ここで「必須成分として含有し」ということは、挙示の三成分以外に合目的的な他元素を含んでいてもよいこと、これらの元素はそれぞれが合目的的な任意の化合物として存在してもよいこと、ならびにこれら元素は相互に結合したものとして存在してもよいことを示すものである。
【0012】
チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含む固体成分そのものは公知のものである。例えば、特開昭53−45688号、同54−3894号、同54−31092号、同54−39483号、同54−94591号、同54−118484号、同54−131589号、同55−75411号、同55−90510号、同55−90511号、同55−127405号、同55−147507号、同55−155003号、同56−18609号、同56−70005号、同56−72001号、同56−86905号、同56−90807号、同56−155206号、同57−3803号、同57−34103号、同57−92007号、同57−121003号、同58−5309号、同58−5310号、同58−5311号、同58−8706号、同58−27732号、同58−32604号、同58−32605号、同58−67703号、同58−117206号、同58−127708号、同58−183708号、同58−183709号、同59−149905号、同59−149906号、同63−108008号各公報等に記載のものが使用される。
【0013】
本発明において使用されるマグネシウム源となるマグネシウム化合物としては、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムのカルボン酸塩等が挙げられる。これらの中でもマグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム等のMg(OR72-p p (ここで、R7 は炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、pは0≦p≦2である。)で表されるマグネシウム化合物が好ましい。
【0014】
またチタン源となるチタン化合物としては、一般式Ti(OR84-q q (ここで、R8 は炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、qは0≦q≦4である。)で表される化合物が挙げられる。具体例としては、TiCl4 、TiBr4 、Ti(OC25 )Cl3 、Ti(OC252 Cl2 、Ti(OC253 Cl,Ti(O−i−C37 )Cl3 、Ti(O−n−C49 )Cl3 、Ti(O−n−C492 Cl2 、Ti(OC25 )Br3 、Ti(OC25 )(O−n−C492 Cl、Ti(O−n−C493 Cl、Ti(OC25 )Cl3 、Ti(O−i−C492 Cl2 、Ti(OC511)Cl3 、Ti(OC613)Cl3 、Ti(OC254 ,Ti(O−n−C374 、Ti(O−n−C494 、Ti(O−i−C494 ,Ti(O−n−C6134 、Ti(O−n−C8174 ,Ti(OCH2 CH(C25 )C494 等が挙げられる。
【0015】
また、TiX′4 (ここで、X′はハロゲンである。)に後述する電子供与体を反応させた分子化合物をチタン源として用いることもできる。そのような分子化合物の具体例としては、TiCl4 ・CH3 COC25 、TiCl4 ・CH3 CO225 、TiCl4 ・C65 NO2 、TiCl4 ・CH3 COCl、TiCl4 ・C65 COCl、TiCl4 ・C65 CO225 、TiCl4 ・ClCOC25 、TiCl4 ・C44 O等が挙げられる。
【0016】
また、TiCl3 (TiCl4 を水素で還元したもの、アルミニウム金属で還元したもの、あるいは有機金属化合物で還元したもの等を含む)、TiBr3 、Ti(OC25 )Cl2 、TiCl2 、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド等のチタン化合物の使用も可能である。これらのチタン化合物の中でもTiCl4 、Ti(O−n−C494 、Ti(OC25 )Cl3 等が好ましい。
【0017】
ハロゲンは、上述のマグネシウムおよび/またはチタンのハロゲン化合物から供給されるのが普通であるが、他のハロゲン源、例えばAlCl3 等のアルミニウムのハロゲン化物やSiCl4 等のケイ素のハロゲン化物、PCl3 、PCl5 等のリンのハロゲン化物、WCl6 等のタングステンのハロゲン化物、MoCl5 等のモリブデンのハロゲン化物といった公知のハロゲン化剤から供給することもできる。触媒成分中に含まれるハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素またはこれらの混合物であってもよく、特に塩素が好ましい。
【0018】
本発明に用いる固体成分は、上記必須成分の他にAl(OC253 、Al(O−i−C373 、Al(OCH32 Cl等のアルミニウム化合物およびB(OCH33 、B(OC253 、B(OC653 等のホウ素化合物等の他成分の使用も可能であり、これらがアルミニウムおよびホウ素等の成分として固体成分中に残存することは差支えない。さらに、この固体成分を製造する場合に、電子供与体を内部ドナーとして使用する。
【0019】
この固体成分の製造に利用できる電子供与体(内部ドナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒素電子供与体、スルホン酸エステルのような含硫黄電子供与体などを例示することができる。
【0020】
より具体的には、(イ)メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1ないし18のアルコール類、(ロ)フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭素数6ないし25のフェノール類、(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどの炭素数3ないし15のケトン類、(ニ)アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2ないし15のアルデヒド類、(ホ)ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸エチルセロソルブ、プロピオン酸エチル、酢酸メチル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セロソルブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、クマリン、フタリドなどの有機酸モノエステル、または、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、コハク酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、炭酸エチレン、ノルボルナンジエニル−1,2−ジメチルカルボキシラート、シクロプロパン−1,2−ジカルボン酸−n−ヘキシル、1,1−シクロブタンジカルボン酸ジエチルなどの有機酸多価エステルの炭素数2ないし20の有機酸エステル類、(ヘ)ケイ酸エチル、ケイ酸ブチルなどのケイ酸エステルのような無機酸エステル類、(ト)アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化フタロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数2ないし15の際ハライド類、(チ)メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アルミエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−t−ブチル−2−メチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−t−ブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジエトキシプロパンなどの炭素数2ないし20のエーテル類、(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類、(ヌ)メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、(ル)アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類、(ヲ)2−(エトキシメチル)−安息香酸エチル、2−(t−ブトキシメチル)−安息香酸エチル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−s−ブチルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−t−ブチルプロピオン酸エチルなどのアルコキシエステル化合物類、(ワ)2−ベンゾイル安息香酸エチル、2−(4′−メチルベンゾイル)安息香酸エチル、2−ベンゾイル−4,5−ジメチル安息香酸エチルなどのケトエステル化合物類、(カ)ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸イソプロピル、p−トルエンスルホン酸−n−ブチル、p−トルエンスルホン酸−s−ブチルなどのスルホン酸エステル類等を挙げることができる。これらの電子供与体は、二種類以上用いることができる。これらの中で好ましいのは有機酸エステル化合物および酸ハライド化合物であり、特に好ましいのはフタル酸ジエステル化合物、酢酸セロソルブエステル化合物およびフタル酸ジハライド化合物である。
【0021】
成分(A2)
本発明でケイ素処理に用いられるケイ素化合物は、下記の一般式(2)
12 3-m Si(OR3m 式(2)
(ここで、R1 は分岐脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基であり、R2 はR1 と同一もしくは異なる炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R3 は炭化水素基であり、mは1≦m≦3である。)で表されるものである。このケイ素化合物は、本式のケイ素化合物の複数種の混合物であってもよい。ここで、R1 は分岐炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基が用いられる。R1 が分岐炭化水素基である場合は、ケイ素原子に隣接する炭素原子から分岐しているものが好ましい。その場合の分岐基は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基(例えば、フェニル基またはメチル置換フェニル基)であることが好ましい。さらに好ましいR1 は、ケイ素原子に隣接する炭素原子、すなわちα−位炭素原子が2級または3級の炭素原子であるものである。とりわけ、ケイ素原子に結合している炭素原子が3級のものが好ましい。R1 が分岐炭化水素基である場合の炭素数は通常3〜20、好ましくは4〜10である。また、R1 が環状脂肪族炭化水素基である場合の炭素数は通常4〜20、好ましくは5〜10である。R2 はR1 と同一もしくは異なる炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基が好ましく、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有炭化水素基である。ヘテロ原子としては、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子が好ましい。R3 は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基である。
【0022】
本発明で使用できるケイ素化合物としては、(OR3 )の一部または全部を(OMe)とした化合物を用いることができ、その具体例は下記の通りである。(CH33 CSi(CH3 )(OC25 )(OCH3 )、(CH33 CSi(CH3 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(CH3 )(O−i−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(CH3 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(CH3 )(O−i−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(CH3 )(O−s−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(CH3 )(O−t−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(CH3 )(O−n−C611)(OCH3 )、(CH33 CSi(C25 )(OC25 )(OCH3 )、(CH33 CSi(C25 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(C25 )(O−i−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(C25 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(C25 )(O−i−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(C25 )(O−s−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(C25 )(O−t−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(C25 )(O−n−C511)(OCH3 )、(CH33 CSi(n−C37 )(OC25 )(OCH3 )、(CH33 CSi(n−C37 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(n−C37 )(O−i−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(n−C37 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(n−C37 )(O−i−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(n−C37 )(O−s−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(n−C37 )(O−t−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(n−C37 )(O−n−C511)(OCH3 )、(CH33 CSi(i−C37 )(OC25 )(OCH3 )、(CH33 CSi(i−C37 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(i−C37 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(s−C49 )(OC25 )(OCH3 )、(CH33 CSi(s−C49 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(s−C49 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(t−C49 )(OC25 )(OCH3 )、(CH33 CSi(t−C49 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(t−C49 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(CH3 )(C252 CSi(CH3 )(OC25 )(OCH3 )、(CH3 )(C252 CSi(CH3 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(CH3 )(C252 CSi(CH3 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(C252 CSi(CH3 )(OC25 )(OCH3 )、(C253 CSi(CH3 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(C253 CSi(CH3 )(O−n−C49 )(OCH3 )、HC(CH32 C(CH32 Si(CH3 )(OC25 )(OCH3 )、HC(CH32 C(CH32 Si(CH3 )(O−n−C37 )(OCH3 )、HC(CH32 C(CH32 Si(CH3 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(c−C592 Si(OC25 )(OCH3 )、(c−C592 Si(O−n−C37 )(OCH3 )、(c−C592 Si(O−n−C49 )(OCH3 )、(n−C5112 Si(OC25 )(OCH3 )、(n−C5112 Si(O−n−C37 )(OCH3 )、(n−C5112 Si(O−n−C49 )(OCH3 )、(C59 )Si(n−C37 )(OC25 )(OCH3 )、(c−C59 )Si(n−C37 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(c−C59 )Si(n−C37 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(c−C59 )Si(i−C37 )(OC25 )(OCH3 )、(c−C59 )Si(i−C37 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(c−C59 )Si(i−C37 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(n−C511)Si(C59 )(OC25 )(OCH3 )、(n−C511)Si(c−C59 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(n−C511)Si(c−C59 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(O−n−C511)(OC25 )(OCH3 )、(CH33 CSi(O−n−C511)(O−n−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(O−n−C511)(O−n−C49 )(OCH3 )、(CH3 3 CSi(CH3 )(OCH3 2 、(CH3 3 CSi(CH(CH3 2 )(OCH3 2 、(CH3 3 CSi(C2 5 )(OCH3 2 、(CH3 3 CSi(n−C3 7 )(OCH3 2 、(CH3 3 CSi(n−C6 13)(OCH3 2 、(C2 5 3 CSi(CH3 )(OCH3 2 、(CH3 )(C2 5 )CHSi(CH3 )(OCH3 2 、((CH3 2 CHCH2 2 Si(OCH3 2 、(C2 5 )(CH3 2 CSi(CH3 )(OCH3 2 、(CH3 3 CSi(OCH3 3 、(CH3 )(C2 5 )CHSi(OCH3 3 、(CH3 2 CH(CH3 2 CSi(CH3 )(OCH3 2 、((CH3 3 C)2 Si(OCH3 2 、(C2 5 )(CH3 2 CSi(OCH3 3 、(CH3 3 CSi(OCH(CH3 2 )(OCH3 2 、(CH3 3 CSi(OC(CH3 3 )(OCH3 2 、((CH3 2 CH)2 Si(OCH3 2 、(c−C5 9 2 Si(OCH3 2 、(c−C5 9 )(CH3 )Si(OCH3 2 、(c−C5 9 )((CH3 2 CHCH2 )Si(OCH3 2 、(c−C6 11)Si(CH3 )(OCH3 2 、(c−C6 112 Si(OCH3 2 、(c−C6 11)((CH3 2 CHCH2 )Si(OCH3 2 、((CH3 2 CHCH2 )((C2 5 )(CH3 )CH)Si(OCH3 2 、HC(CH3 2 C(CH3 2 Si(CH3 )(OCH3 2 、HC(CH3 2 C(CH3 2 Si(OCH3 3
【0023】
【化1】
Figure 0004098419
【0024】
【化2】
Figure 0004098419
【0025】
(CH3 3 CSi(N(C2 5 2 )(OCH3 2 、(CH33 CSi(N(C252 )(OC25 )(OCH3 )、(CH33 CSi(N(C252 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(N(C252 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(CH33 CSi(OSi(CH33 )(OC25 )(OCH3 )、(CH33 CSi(OSi(CH33 )(O−n−C37 )(OCH3 )、(CH33 CSi(OSi(CH33 )(O−n−C49 )(OCH3 )、(CH3 3 CSi(OSi(CH3 3 )(OCH3 2 等を挙げることができる。
またR3 として炭素数2以上の炭化水素基を用いた、一般式R1 2 3-m Si(OR3 m (ここで、R1 は分岐脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基であり、R5 はR4 と同一もしくは異なる炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、mは1≦m≦3である。)で表されるものを使用することができる。このケイ素化合物は、本式のケイ素化合物の複数種の混合物であってもよい。ここで、R1 が分岐脂肪族炭化水素基である場合は、ケイ素原子に隣接する炭素原子から分岐しているものが好ましい。その場合の分岐基は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基(例えば、フェニル基またはメチル置換フェニル基)であることが好ましい。さらに好ましいR1 は、ケイ素原子に隣接する炭素原子、すなわちα−位炭素原子が2級または3級の炭素原子であるものである。とりわけ、ケイ素原子に結合している炭素原子が3級のものが好ましい。R1 が分岐炭化水素基である場合の炭素数は通常3〜20、好ましくは4〜10である。また、R1 が環状脂肪族炭化水素基である場合の炭素数は通常4〜20、好ましくは5〜10である。R2 はR1 と同一もしくは異なる炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基が好ましく、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有炭化水素基である。ヘテロ原子としては、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子が好ましい。R3 は炭素数2以上の炭化水基であり、炭素数が2〜20、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜4の脂肪族炭化水素基である。
【0026】
本発明で使用できるこれ等のケイ素化合物の具体例は、下記の通りである。(CH33 CSi(CH3 )(OC252 、(CH33 CSi(CH3 )(O−n−C372 、(CH33 CSi(CH3 )(O−i−C372 、(CH33 CSi(CH3 )(O−n−C492 、(CH33 CSi(CH3 )(O−i−C492 、(CH33 CSi(CH3 )(O−t−C492 、(CH33 CSi(CH3 )(O−n−C6132 、(CH33 CSi(CH3 )(O−n−C8172 、(CH33 CSi(CH3 )(O−n−C10212 、(CH33 CSi(C25 )(OC252 、(CH33 CSi(n−C37 )(OC252 、(CH33 CSi(i−C37 )(OC252 、(CH33 CSi(n−C49 )(OC252 、(CH33 CSi(i−C49 )(OC252 、(CH33 CSi(s−C49 )(OC252 、(CH33 CSi(t−C49 )(OC252 、(CH33 CSi(n−C511)(OC252 、(CH33 CSi(n−C59 )(OC252 、(CH33 CSi(n−C613)(OC252 、(CH33 CSi(c−C6 11)(OC252 、(CH33 CSi(C25 )(O−n−C372 、(CH33 CSi(C25 )(O−i−C372 、(CH33 CSi(C25 )(O−n−C492 、(CH33 CSi(C25 )(O−i−C492 、(CH33 CSi(C25 )(O−s−C492 、(CH33 CSi(C25 )(O−t−C492 、(CH33 CSi(C25 )(O−n−C6132 、(CH33 CSi(C25 )(O−n−C8172 、(CH33 CSi(C25 )(O−n−C10212 、(CH33 CSi(i−C37 )(O−n−C372 、(CH33 CSi(i−C37 )(O−i−C372 、(CH33 CSi(i−C37 )(O−n−C492 、(CH33 CSi(i−C37 )(O−i−C492 、(CH33 CSi(i−C37 )(O−s−C492 、(CH33 CSi(i−C37 )(O−t−C492 、(CH33 CSi(i−C37 )(O−n−C6132 、(CH33 CSi(i−C37 )(O−n−C8172 、(CH33 CSi(i−C37 )(O−n−C10212 、(CH33 CSi(O−n−C37 )(OC252 、(CH33 CSi(O−i−C37 )(OC252 、(CH33 CSi(O−n−C49 )(OC252 、(CH33 CSi(O−i−C49 )(OC252 、(CH33 CSi(O−s−C49 )(OC252 、(CH33 CSi(O−t−C49 )(OC252 、(CH33 CSi(O−n−C511)(OC252 、(CH33 CSi(O−c−C59 )(OC252 、(CH33 CSi(O−n−C613)(OC252 、(CH33 CSi(O−n−C511)(OC252 、(i−C372 Si(OC252 、(i−C492 Si(OC252 、(s−C492 Si(OC252 、(neo−C5112 Si(OC252 、(c−C592 Si(OC252 、(c−C592 Si(O−n−C372 、(c−C592 Si(O−n−C492 、(c−C592 Si(O−n−C5112 、(c−C592 Si(O−n−C8172 、(c−C6112 Si(OC252 、(c−C6112 Si(O−n−C372 、(c−C6112 Si(O−n−C492 、(c−C6112 Si(O−n−C5112 、(c−C6112 Si(O−n−C8172 、(c−C611)Si(CH3 )(OC252 、(c−C611)Si(CH3 )(O−n−C372 、(c−C817)Si(CH3 )(O−n−C492 、(c−C611)Si(CH3 )(O−n−C5112 、(c−C611)Si(CH3 )(O−n−C8172 、(c−C611)Si(C25 )(OC252 、(c−C611)Si(n−C49 )(OC252 、(c−C611)Si(c−C59 )(OC252 、(C253 CSi(CH3 )(OC252 、(C253 CSi(CH3 )(O−n−C372 、(C253 CSi(CH3 )(O−i−C372 、(C253 CSi(CH2 )(O−n−C492 、(C253 CSi(CH3 )(O−i−C492 、(C253 CSi(CH3 )(O−t−C492 、(C253 CSi(CH3 )(O−n−C6132 、(C253 CSi(CH3 )(O−n−C8172 、(C253 CSi(CH3 )(O−n−C10212 、(C253 CSi(C25 )(OC252 、(C253 CSi(n−C37 )(OC252 、(C253 CSi(i−C37 )(OC252 、(C253 CSi(n−C49 )(OC252 、(C253 CSi(i−C49 )(OC252 、(C253 CSi(s−C49 )(OC252 、(C253 CSi(t−C49 )(OC252 、(C253 CSi(n−C511)(OC252 、(C253 CSi(c−C59 )(OC252 、(C253 CSi(n−C613)(OC252 、(C253 CSi(c−C611)(OC252 、H(CH32 C(CH32 CSi(CH3 )(OC252 、H(CH32 C(CH32 CSi(C25 )(OC252 、H(CH32 C(CH32 CSi(n−C37 )(OC252 、H(CH32 C(CH32 CSi(i−C37 )(OC252 、H(CH32 C(CH32 CSi(n−C49 )(OC252 、H(CH32 C(CH32 CSi(O−n−C372 、H(CH32 C(CH32 CSi(CH3 )(O−i−C372 、H(CH32 C(CH32 CSi(CH3 )(O−n−C492 、H(CH32 C(CH32 CSi(C25 )(O−n−C372 、(CH32 (C25 )CSi(CH3 )(OC252 、(CH32 (C25 )CSi(CH3 )(O−n−C372 、(CH32 (C25 )CSi(CH3 )(O−n−C492 、(CH32 (C25 )CSi(C25 )(O−n−C492 、(CH33 CSi(OC253 、(CH33 CSi(O−n−C373 、(CH33 CSi(O−i−C373 、(CH33 CSi(O−n−C493 、(CH33 CSi(O−i−C493 、(CH33 CSi(O−t−C493 、(CH33 CSi(O−n−C61 3、(CH33 CSi(O−n−C8173 、(CH33 CSi(O−n−C10213 、(CH32 (C25 )CSi(OC253 、(CH32 (C25 )CSi(O−n−C373 、(CH32 (C25 )CSi(O−i−C373 、(CH32 (C25 )CSi(O−n−C493 、(CH32 (C25 )CSi(O−i−C493 、(CH32 (C25 )CSi(O−t−C493 、(CH32 (C25 )CSi(O−n−C6123 、(CH32 (C25 )CSi(O−n−C8173 、(CH32 (C25 )CSi(O−n−C10213 、(CH32 (C25 )CSi(OC253 、(CH32 (C252 CSi(O−n−C373 、(CH3 )(C252 CSi(O−i−C373 、(CH3 )(C252 CSi(O−n−C493 、(CH3 )(C252 CSi(O−i−C493 、(CH3 )(C252 CSi(O−t−C493 、(CH3 )(C252 CSi(O−n−C61 3 、(CH3 )(C252 CSi(O−n−C8173 、(CH3 )(C252 CSi(O−n−C10213 、H(CH32 C(CH32 CSi(OC253 、H(CH32 C(CH32 CSi(O−n−C373 、H(CH32 C(CH32 CSi(O−i−C373 、H(CH32 C(CH32 CSi(O−n−C493 、H(CH32 C(CH32 CSi(O−i−C493 、H(CH32 C(CH32 CSi(O−t−C493 、H(CH32 C(CH32 CSi(O−n−C61 3 、H(CH32 C(CH32 CSi(O−n−C8173 、H(CH32 C(CH32 CSi(O−n−C10213 、(CH32 CSi(CH3 )(OC25 )(O−n−C37 )、(CH32 CSi(CH3 )(OC25 )(O−n−C49 )、(CH33 CSi(CH3 )(OC25 )(O−n−C817)、(c−C5 9 2 Si(OC2 5 2 、((CH3 2 CHCH2 )((CH3 2 CH)Si(O−n−C5 112 、HC(CH3 2 C(CH3 2 Si(OC2 5 3
【0027】
【化3】
Figure 0004098419
【0028】
【化4】
Figure 0004098419
【0029】
(CH33 CSi(N(C252 )(OC252 、(CH33 CSi(OSi(CH33 )(OC252 等を挙げることができる。
さらに、本発明の成分(A)の製造においては、上記の成分の他に必要に応じて任意成分を含んでなりうることは前記の通りであるが、そのような任意成分として適当なものとしては以下の化合物を挙げることができる。
【0030】
(イ)ビニルシラン化合物
ビニルシラン化合物としては、モノシラン(SiH4 )中の少なくとも一つの水素原子がビニル基(CH2 =CH−)に置き換えられ、そして残りの水素原子のうちのいくつかが、ハロゲン(好ましくはCl)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基)、アリール基(好ましくはフェニル)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基)、その他で置き換えられた構造を示すものである。
【0031】
より具体的には、CH2 =CH−SiH3 、CH2 =CH−SiH2 (CH3 )、CH2 =CH−SiH(CH32 、CH2 =CH−Si(CH33 、CH2 =CH−SiCl3 、CH2 =CH−SiCl2 (CH3 )、CH2 =CH−SiCl(CH32 、CH2 =CH−SiH(Cl)(CH3 )、CH2 =CH−Si(C253 、CH2 =CH−SiCl(C252 、CH2 =CH−SiCl2 (C25 )、CH2 =CH−Si(CH32 (C25 )、CH2 =CH−Si(CH3 )(C252 、CH2 =CH−Si(n−C49 )、CH2 =CH−Si(C653 、CH2 =CH−Si(CH3 )(C652 、CH2 =CH−Si(CH32 (C65 )、CH2 =CH−Si(CH32 (C64 CH3 )、(CH2 =CH)(CH32 Si−O−Si(CH32 (CH=CH2 )、(CH2 =CH)2 SiH2 、(CH2 =CH)2 SiCl2 、(CH2 =CH)2 Si(CH32 、(CH2 =CH)2 Si(C852 等を例示することができる。
【0032】
(ロ)周期律表第I〜III 族金属の有機金属化合物
周期律表第I族〜第III 族金属の有機金属化合物を使用することも可能である。本発明で使用する周期律表第I族〜第III 族金属の有機金属化合物は、少なくとも一つの有機基−金属結合を持つ。その場合の有機基としては、炭素数1〜20程度、好ましくは1〜6程度のヒドロカルビル基が代表的である。原子価の少なくとも一つが有機基で充足されている有機金属化合物の金属の残りの原子価(もしそれがあれば)は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基(ヒドロカルビル基は、炭素数1〜20程度、好ましくは1〜6程度)、あるいは酸素原子を介した当該金属(具体的には、メチルアルモキサンの場合の−O−Al(CH3 )−)その他で充足される。
【0033】
このような有機金属化合物の具体例を挙げれば、(イ)メチルリチウム、n−ブチルリチウム、第三ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、(ロ)ブチルエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ヘキシルエチルマグネシウム、ブチルマグネシウムクロライド、第三ブチルマグネシウムブロマイド、等の有機マグネシウム化合物、(ハ)ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、(ニ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクトルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、メチルアルモキサン等の有機アルミニウム化合物がある。このうちでは、特に有機アルミニウム化合物が好ましい。
上記任意成分(イ)および(ロ)は、一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。これらの任意成分を使用すると、本発明の効果はより大きくなる。
【0034】
成分(A)の製造
成分(A)は、成分(A)を構成する各成分を、または必要により前記任意成分を段階的にあるいは一時的に相互に接触させて、その中間および/または最後に有機溶媒、例えば炭化水素溶媒またはハロゲン化炭化水素溶媒で洗浄することによって製造することができる。
その場合に、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分とする固体生成物を先ず製造し、それを前記一般式のケイ素化合物と接触させる方式(いわば二段法)によることもできるし、チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分とする固体生成物をつくる過程で既にこのケイ素化合物を存在することによって一挙に成分(A)を製造する方式(いわば一段法)によることも可能である。好ましい方式は前者である。
【0035】
前記の成分(A)を構成する各成分の接触条件は、本発明の効果が認められるかぎり任意のものでありうるが、一般的には、次の条件が好ましい。接触温度は、−50〜200℃程度、好ましくは0〜100℃である。接触方法としては、回転ボールミル、振動ミル、ジエットミル、媒体攪拌粉砕機などによる機械的な方法、不活性希釈剤の存在下に攪拌により接触させる方法などがある。このとき使用する不活性希釈剤としては、脂肪族または芳香族の炭化水素およびハロ炭化水素、ポリシロキサン等が挙げられる。
【0036】
成分(A)を構成する各成分使用量の量比は本発明の効果が認められるかぎり任意のものでありうるが、一般的には、次の範囲内が好ましい。チタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合物の使用量に対してモル比で0.0001〜1000の範囲内がよく、好ましくは0.01〜10の範囲内である。ハロゲン源としてそのための化合物を使用する場合は、その使用量はチタン化合物および(または)マグネシウム化合物がハロゲンを含む、含まないにかかわらず、使用するマグネシウムの使用量に対してモル比で0.01〜1000の範囲内がよく、好ましくは0.1〜100の範囲内である。成分(A2)のケイ素化合物の使用量は、成分(A)を構成するチタン成分に対するケイ素の原子比(ケイ素/チタン)で0.01〜1000、好ましくは0.1〜100の範囲内である。
【0037】
ビニルシラン化合物を使用するときのその使用量は、成分(A)を構成するチタン成分に対するモル比で0.001〜1000の範囲内がよく、好ましくは0.01〜100の範囲内である。アルミニウムおよびホウ素化合物を使用するときのその使用量は、前記のマグネシウム化合物の使用量に対してモル比で0.001〜100の範囲内がよく、好ましくは0.01〜1の範囲内である。電子供与体を使用するときのその使用量は、前記のマグネシウム化合物の使用量に対してモル比で0.001〜10の範囲内がよく、好ましくは0.01〜5の範囲内である。
【0038】
成分(A)は、成分(A1)および成分(A2)の接触により、必要により電子供与体等の他成分を用いて、例えば以下のような製造方法により製造される。
(イ)ハロゲン化マグネシウムと必要に応じて電子供与体、チタン含有化合物および/またはケイ素化合物を接触させる方法。
(ロ)アルミナまたはマグネシアをハロゲン化リン化合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供与体、チタンハロゲン含有化合物および/またはケイ素化合物を接触させる方法。
(ハ)ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキシドおよび特定のポリマーケイ素化合物を接触させて得られる固体成分に、チタンハロゲン化合物および/またはケイ素のハロゲン化合物を接触させた反応生成物を不活性有機溶媒で洗浄後、ケイ素化合物を接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
このポリマーケイ素化合物としては、下式で示されるものが適当である。
【0039】
【化5】
Figure 0004098419
【0040】
(ここで、R9 は炭素数1〜10程度の炭化水素基であり、rはこのポリマーケイ素化合物の粘度が1〜100センチストーク程度となるような重合度を示す。)具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、フェニルハイドロジエンポリシロキサン、シクロヘキシルハイドロジエンポリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が好ましい。
(ニ)マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシドおよび/または電子供与体で溶解させて、ハロゲン化剤またはチタンハロゲン化合物で析出させた固体成分に、チタン化合物および/またはケイ素化合物を接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
【0041】
(ホ)グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物をハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要に応じて電子供与体を接触させ、次いでチタン化合物および/またはケイ素化合物を接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
(ヘ)アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤および/またはチタン化合物を電子供与体の存在下もしくは不存在下に接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
これらの製造方法の中でも(イ)、(ハ)、(ニ)および(ヘ)が好ましい。成分(A)は、その製造の中間および(または)最後に不活性有機溶媒、例えば脂肪族または芳香族炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等)、あるいはハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、塩化−n−ブチル、1,2−ジクロロエチレン、四塩化炭素クロルベンゼン等)で洗浄することができる。
【0042】
本発明で使用する成分(A)は、ビニル基含有化合物、例えばオレフィン類、ジエン化合物、スチレン類等を接触させて重合させることからなる予備重合工程を経たものとして使用することもできる。予備重合を行なう際に用いられるオレフィン類の具体例としては、例えば炭素数2〜20程度のもの、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチルブテン−1,1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1,1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−エイコセン等があり、ジエン化合物の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、2,4−ペンタジエン、2,6−オクタジエン、cis−2,trans−4−ヘキサジエン、trans−2,trans−4−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,4−ヘプタジエン、ジシクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘプタジエン、4,−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、p−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、o−ジビニルベンゼン、ジシクロペンタジエン等がある。また、スチレン類の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、アリルベンゼン、クロルスチレン等がある。
【0043】
チタン成分と上記のビニル基含有化合物の反応条件は、本発明の効果が認められるかぎり任意のものでありうるが、一般的には次の範囲内が好ましい。ビニル基含有化合物の予備重合量は、チタン固体成分1グラムあたり0.001〜100グラム、好ましくは0.1〜50グラム、さらに好ましくは0.5〜10グラムの範囲内である。予備重合時の反応温度は−150〜150℃、好ましくは0〜100℃である。そして、「本重合」、すなわちプロピレンの重合のときの重合温度よりも低い重合温度が好ましい。反応は、一般的に攪拌下に行うことが好ましく、そのときn−ヘキサン、n−ヘプタン等の不活性溶媒を存在させることもできる。
【0044】
(2)有機アルミニウム化合物成分
本発明で用いられる有機アルミニウム化合物成分(成分(B))の具体例としては、 10 3-S AlX S 、または 11 3-t Al(OR 12 t (ここで、R10およびR11は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子であり、R12は炭化水素基であり、Xはハロゲンであり、sおよびtはそれぞれ0≦s<3、0<t<3である。)で表されるものがある。具体的には、(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、(ハ)ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、(ニ)ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド等が挙げられる。これら(イ)〜(ニ)の有機アルミニウム化合物に他の有機金属化合物、例えばR13 3-u Al(OR14u (ここで、R13およびR14は同一または異なってもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、uは0<u≦3である。)で表されるアルキルアルミニウムアルコキシドを併用することもできる。例えば、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムエトキシドの併用、ジエチルアルミニウムモノクロライドとジエチルアルミニウムエトキシドとの併用、エチルアルミニウムジクロライドとエチルアルミニウムジエトキシドとの併用、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムエトキシドとジエチルアルミニウムモノクロライドとの併用等が挙げられる。有機アルミニウム化合物と固体触媒中のチタン成分との割合は、Al/Ti=1〜1000モルが一般的であり、好ましくは、Al/Ti=10〜500モル/モルの割合で使用される。
【0054】
<重合工程>
本発明におけるプロピレンブロック共重合体を製造する重合工程は第1重合工程と第2重合工程からなる。しかしながら本発明の効果を損なわない範囲で他の重合工程を排除しない。また第1重合工程と第2重合工程の間に重合以外の他の処理を含むことを除外しない。
【0055】
(1)第1重合工程
プロピレンまたはプロピレン/エチレン混合物を一段あるいは多段に重合させてプロピレン単独重合またはエチレン含量5重量%以下のプロピレンエチレンランダム共重合体を形成させる重合工程である。好ましくはプロピレン単独重合体を形成させる工程である。
重合方法としては特に制限しないが、炭化水素溶媒を用いるスラリー重合、液体モノマー中でのバルク重合、または反応モノマーが気体である気相重合などに適用できる。好ましくは気相重合に適用される。
重合方法は連続式重合、半回分式重合、回分式重合の何れの重合を採用しても良い。更に重合を直列に多段に行っても良く、並列に多槽重合を行っても良い。好ましくは連続重合であり、更に好ましくは単槽連続重合である。
分子量調整剤として水素を用いることが出来る。重合を行う前に不活性ガス雰囲気下に触媒各成分を接触させても良く、オレフィン雰囲気下に接触させても良い。
重合温度は通常50から130℃、好ましくは50から110℃、更に好ましくは70℃から100℃である。
【0056】
(2)第2重合工程
プロピレン/エチレン混合物を一段あるいは多段に重合させてゴム状プロピレンエチレン共重合体を形成させる重合工程である。
重合方法としては特に制限はないが、炭化水素溶媒を用いるスラリー重合、液体モノマー中でのバルク重合、または反応モノマーが気体である気相重合などに適用できる。好ましくは気相重合に適用される。
重合方法は連続式重合、半回分式重合、回分式重合の何れの重合を採用しても良い。更に重合を直列に多段に行っても良く、並列に多槽重合を行っても良い。好ましくは連続重合であり、更に好ましくは単槽連続重合である。
重合温度は通常50から130℃、好ましくは50から110℃、更に好ましくは60℃から100℃である。
第2重合工程は、第1重合工程で得られた重合体の存在下に行なわれ、第1重合工程で添加された触媒を用いて重合することができる。しかし、必要に応じて、第2重合工程において、成分(A1)、成分(A)、成分(B)あるいはその他の成分を追加することを妨げない。
【0057】
<プロピレンブロック重合体>
本発明であるプロピレンブロック重合体のMFRは10g/10分以上である。好ましくは20g/10分以上である。さらに好ましくは25g/10分以上である。
第1重合工程で製造される結晶性プロピレン単独重合体部分または5重量%までのエチレンを含むプロピレンランダム共重合体部分が全重量に対して50〜80重量%である。好ましくは60〜80重量%である。
第2重合工程で製造されるゴム状プロピレンエチレン共重合体部分が全重量に対して20から50重量%である。好ましくは20〜40重量%である。
第1重合工程で製造される結晶性プロピレン単独重合体または5重量%までのエチレンを含むプロピレンランダム共重合体の極限固有粘度[η]hと第2重合工程で製造されるゴム状プロピレンエチレン共重合体の極限固有粘度[η]rの比が式(1)を満たす
【0058】
【数3】
2.0≦[η]r/[η]h≦5.0 式 (1)
【0059】
好ましくは2.0≦[η]r/[η]h≦4.5であり、更に好ましくは2.0≦[η]r/[η]h≦3.0である。該粘度比が2.0より小さくなると生成パウダーの粘着性が悪化するのみならず、品質的にも剛性や表面硬度の低下をもたらす。逆に該粘度比が5.0より大きくなるとゴム状プロピレンエチレン共重合体が均一に分散せず、射出成形品の外観を損ね、また、射出成形品の面衝撃強度が著しく低下する。
【0060】
第2重合工程で製造されるゴム状プロピレンエチレン共重合体成分のプロピレン/エチレンの重量比が70/30〜48/52である。好ましくは65/35〜55/45である。エチレンの重量比が30より小さくなるとガラス転移温度が上昇するため、常温から低温での衝撃吸収能力が低下する。一方エチレンの重量比が52を越えると、第1重合工程で製造したポリマー成分との相溶性が悪くなり該共重合成分の分散が均一でなくなる。これは射出成形品の外観を損ない、成形品の常温Izod衝撃強度の低下や面衝撃強度の低下をもたらす。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。
[MFR]
JIS−K7210に準拠して測定(230℃、2.16kg)した。
[ゴム状プロピレンエチレン共重合成分重量%]
2gの試料を沸騰キシレン300g中に20分間浸漬して溶解させた後23℃で12時間冷却させる。析出した固相をガラスフィルターで濾過分別後乾燥して析出固相重量を求め、2gから引いた値を該共重合成分重量とし、重量%を計算する。
[[η]h,[η]r]
135℃デカリン溶液中での測定した極限固有粘度[η]
[η]hは第1段階で重合されたプロピレン単独重合体を測定
[η]rはプロピレンエチレンブロック共重合体から沸騰キシレンで抽出したゴム状成分を測定
【0062】
[プロピレン/エチレンの重量比]
第1重合工程でプロピレン単独重合耐を製造する場合はNMRにより求めた総エチレン重量%(A)と上記ゴム状プロピレンエチレン共重合成分重量%(B)より計算する。つまりA/Bがエチレンの比率となる。第1重合工程においてプロピレンランダム共重合体を製造する場合は第1重合工程でのエチレン重量%(C)も含めて計算する。つまり(A−C)/Bがエチレンの比率となる。
【0063】
[曲げ弾性率]
JIS−K7203に準拠して測定した。
[IZOD衝撃強度]
JIS−K7110に準拠して23℃下で測定した。
[面衝撃強度]
射出成形で作製した80×120×2mmのシート状試験片に直径20mm、荷重3kgのダートを高さ2.5mから落下させ、その際の吸収エネルギーを測定した。その際の雰囲気温度は23℃で測定。
[ロックウェル硬度]
JIS−K7202に準拠し、R−スケールにて23℃下で測定した。
[ゲル数]
射出成形法で50×50×0.5mmの成形品を作製。この試験片の反対側から光を投射し、実体顕微鏡等で拡大写真を撮り、全体の4分の1について画像処理装置で平均直径50μ以上、若しくは300μ以上のものを数え4倍した。
【0064】
実施例1
[成分(A)の製造]
充分に窒素置換したフラスコに、脱水および脱酸素したn−ヘプタン4000ミリリットルを導入し、次いでMgCl2 を8モル、Ti(O−n−C494 を16モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を960ミリリットル導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを1000ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で4.8モル導入した。次いでn−ヘプタン500ミリリットルにSiCl4 8モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでn−ヘプタン500ミリリットルにフタル酸クロライド0.48モルを混合して、70℃、30分間でフラスコへ導入し、90℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、SiCl4 200ミリリットルを導入して80℃で6時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して成分(A)を製造するための固体成分(成分(A1))とした。このもののチタン含量は1.3重量%であった。
【0065】
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを1000ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分を100グラム導入し、(t−C49 )Si(CH3 )(OCH32 24ミリリットル、Al(C253 34グラムを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする成分(A)を得た。このもののチタン含量は1.1重量%であった。
【0066】
[成分(B)]
トリエチルアルミニウムを使用した。
[プロピレンブロック共重合体の製造]
上記触媒成分(A)及び(B)を使用し、第1重合工程として反応部容積280Lを有する流動床式気相反応器を用い重合温度85℃、プロピレン分圧22kg/cm2 の条件下プロピレン単独重合を連続的に行った。この時上記触媒成分(A)は1.2g/hrの速度で、また上記触媒成分(B)としてトリエチルアルミニウムを5.5g/hrの速度で連続的に供給した。第1重合工程より抜き出されるパウダーを連続的に第2重合工程として用いる反応部容積280Lを有する流動床式気相反応器に送りプロピレンとエチレンの共重合を連続的に行った。第2重合工程から連続的に30kg/hrのポリマーを抜き出した。[η]h/[η]rは各重合工程での水素濃度をコントロールすることにより、ゴム状プロピレンエチレン重合体のプロピレン/エチレン比は第2重合行程でのプロピレンとエチレンのガス組成をコントロールすることにより所望するインデックスのプロピレンブロック共重合体を得た。また製造されたプロピレンブロック共重合体のインデックスを表1に示す。また品質評価結果を表1に示す。
【0067】
[造粒]
神戸製鋼所整2FCMを用い、上部ローター回転数800rpm温度200℃、下部押出機回転数100rpm温度200℃、押し出し量80kg・hrの条件で造粒を行った。
実施例2〜6、及び比較例1〜5
表1にあるようなインデックスを持つブロック共重合体を実施例1と同様に行った。品質評価結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0004098419
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図

Claims (6)

  1. Mg、Ti、ハロゲン及び電子供与体(内部ドナー)を含有する固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、下記一般式(2)
    1 2 3-m Si(OR 3 m 式(2)
    (ここで、R 1 は分岐脂肪族炭化水素基または環状脂肪族炭化水素基であり、R 2 はR 1 と同一もしくは異なる炭化水素基またはヘテロ原子含有炭化水素基であり、R 3 は炭化水素基であり、mは1≦m≦3である。)で表されるケイ素化合物とを接触してなる固体触媒成分、並びに有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に、下記の重合工程(a)を実施して製造された、下記(b)から(g)の条件を満たす耐衝撃性プロピレンブロック共重合体の製造法
    (a)プロピレンまたはプロピレン/エチレン混合物を一段あるいは多段に水素の存在下気相重合させて結晶性プロピレン単独重合体またはエチレン含量5重量%以下の結晶性プロピレンエチレンランダム共重合体を形成させる第1重合工程と、プロピレン/エチレン混合物を一段あるいは多段に水素の存在下気相重合させてゴム状プロピレンエチレン共重合体を形成させる第2重合工程からなる重合工程。
    (b)プロピレンブロック共重合体のMFRが10g/10分以上、
    (c)第1重合工程で製造される結晶性重合体部分が全重合体に対して50〜80重量%、
    (d)第2重合工程で製造されるゴム状プロピレンエチレン共重合体部分が全重合体に対して20〜50重量%、
    (e)第1重合工程で製造される結晶性重合体の極限固有粘度[η]hと第2重合工程で製造されるゴム状プロピレンエチレン共重合体の極限固有粘度[η]rの比が式(1)を満たす、
    2.0≦[η]r/[η]h≦5.0 式(1)
    (ここで、[η]rは、第2重合工程で製造されるゴム状プロピレンエチレン共重合体の極限固有粘度を表し、該プロピレンブロック共重合体を沸騰キシレン中に20分間浸漬して溶解させた後23℃で12時間冷却し、析出した固相を濾過分別した際に得られる非析出成分の、135℃デカリン溶液中で測定される極限固有粘度を意味する。)
    (f)第2重合工程で製造される重合体成分のプロピレン/エチレンの重合比が70/30〜48/52、
    (g)プロピレンブロック共重合体のゲル数が、平面25cm2 、厚さ0.5mmの射出成形品において、ゲルサイズ50μm以上のものが、150個以下。
  2. プロピレンブロック共重合体のゲル数が、平面25cm2 、厚さ0.5mmの射出成形品において、ゲルサイズ300μm以上のものが、5個以下である請求項1記載の耐衝撃性プロピレンブロック共重合体の製造法
  3. MFRが20g/10分以上である請求項1または2記載の耐衝撃性プロピレンブロック共重合体の製造法
  4. 第1重合工程が単槽連続重合であり、第2重合工程が単槽連続重合である請求項1〜3いずれかに記載の耐衝撃性プロピレンブロック共重合体の製造法
  5. 第1重合工程で製造される重合体が、結晶性プロピレン単独重合体である請求項1〜4いずれかに記載の耐衝撃性プロピレンブロック共重合体の製造法。
  6. 電子供与体(内部ドナー)がアルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類から選ばれる含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートから 選ばれる含窒素電子供与体、又は、スルホン酸エステルから選ばれる含硫黄電子供与体である請求項1〜5いずれかに記載の耐衝撃性プロピレンブロック共重合体の製造法
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