JPH06206917A - オレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィンの重合方法

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JPH06206917A
JPH06206917A JP302393A JP302393A JPH06206917A JP H06206917 A JPH06206917 A JP H06206917A JP 302393 A JP302393 A JP 302393A JP 302393 A JP302393 A JP 302393A JP H06206917 A JPH06206917 A JP H06206917A
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JP
Japan
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compound
hydrocarbon
group
olefin
polymerization
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Pending
Application number
JP302393A
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English (en)
Inventor
Yutaka Haneda
田 豊 羽
Kenji Doi
居 賢 治 土
Takao Uetake
竹 隆 夫 植
Yoshinori Morita
田 好 則 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 長期間に亘り安定して連続的にオレフィン重
合体を製造し、かつ効率的な重合熱の除去も可能なた
め、極めて合理化されたオレフィンの気相重合方法。 【構成】 [I]流動状態に保持された反応系におい
て、低沸点非重合性炭化水素の存在下、固体状触媒成分
に、オレフィンを気相重合または共重合させる本重合工
程と、[II]気相重合器上部から排出される低沸点非重
合性炭化水素の一部を、気相重合器下方から循環させる
第1循環工程と、[III]気相重合器上部から排出され
た上記低沸点非重合性炭化水素の一部を液化して、気相
重合器内の反応系に循環させる第2循環工程とを含ん
で、上記[II]および/または[III]循環工程に供給
されたオレフィンを気相重合するに際して、[III]第
2循環工程において、液化した低沸点非重合性炭化水素
を、流動層粉面から上方に飛散する粉末状粒子と液状で
接するように、流動層粉面近傍に循環させることを特徴
としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明はオレフィンの重合方法に関
し、さらに詳しくは、オレフィン重合体を、気相重合法
で連続的に、長期間安定してかつ工業的に合理的に製造
しうるオレフィンの重合方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエチレン、あるいはエチレン
とα−オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)などに代表されるオレフィン重
合体は、フィルム成形用材料などとして広く利用されて
いる。
【0003】このようなオレフィン重合体は、従来、通
常、溶液重合法あるいは懸濁重合法により、マグネシウ
ム、チタン、ハロゲンを必須成分とするチタン系固体状
触媒成分の存在下、オレフィンを(共)重合させること
によって製造されている。
【0004】ところで、上記のような重合を気相重合法
で行うと、重合体を粒子状で得ることができ、重合後の
粒子析出工程あるいは粒子分離工程などが不要となる。
したがって製造プロセスを簡略化することができ、製造
コストを低減できることが知られている。
【0005】しかしながら、従来、気相重合法において
は、微粉末状粒子についての問題があった。すなわち、
反応系で固体状触媒成分を核としてポリマー粒子を成長
させる際、工業的な連続重合では、粒子の滞留時間に分
布があるため、成長不十分な微粉末状ポリマー粒子を常
に含んで重合運転をせざるを得ず、また特に、高い重合
活性を発現する高活性触媒を用いる気相重合では、重合
時の固体状触媒成分の崩壊により微粉末状粒子が生成し
易かった。この微粉末状粒子は、反応系である流動層外
へ飛散し易く、流動化ガス循環ラインに同伴して、冷却
熱交換器を詰まらせたり、あるいは、循環ガス送風機の
不調や流動層下部のガス分散板の目詰まりをひきおこ
す。そのため、重合器上部に流動化ガスの減速域を設け
て重合器外への飛び出しを防止したり、あるいは重合器
からの循環ガス出口に、サイクロンなどの装置を設置し
て微粉末状粒子を捕集して再び重合器に戻したりすると
いった対策をとらねばならなかった。
【0006】しかしながら工業的には、大容量の圧力容
器である重合器上部に大きな減速域を設けることは重合
器の大型化(即ち生産性の低下)、設備費の増加を招
き、またサイクロンなどの付設は、設備費の増加に加え
サイクロン下部からの微粉末状粒子リサイクルラインの
閉塞トラブルなど新たな問題を招来するなどして、いず
れも合理的な対策足り得ていない状況にある。
【0007】本発明者は、上記のような従来技術に鑑み
てオレフィンの気相重合法を鋭意研究した結果、特定の
低沸点溶媒を気相重合器内の特定の位置に循環させなが
らオレフィンを気相で本重合させることにより、従来に
比べて、反応器上部の流動化ガス減速域の径を減縮した
コンパクトな重合器で長期間に亘り安定してオレフィン
重合体を連続的に製造しうることを見出した。
【0008】更には、低沸点溶媒を気相重合器内の特定
の位置に循環させながらオレフィンを気相で重合させる
と、重合器内に循環された低沸点溶媒は流動層内のポリ
マー粒子と接触し蒸発する際に多量の重合熱を奪うた
め、効率的な重合熱の除去も合せて可能となることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、長期間に亘り安定して連続的
にオレフィン重合体を製造し、かつ効率的な重合熱の除
去も可能なため、工業的に極めて合理化されたオレフィ
ンの気相重合方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係るオレフィンの重合方法は、
[I]流動状態に保持された反応系において、低沸点非
重合性炭化水素の存在下、固体状触媒成分に、オレフィ
ンを気相重合または共重合させる本重合工程と、[II]
気相重合器上部から排出される低沸点非重合性炭化水素
の一部を、気相重合器下方から循環させる第1循環工程
と、[III]気相重合器上部から排出された上記低沸点
非重合性炭化水素の一部を液化して、気相重合器内の反
応系に循環させる第2循環工程とを含んで、上記[II]
および/または[III]循環工程に供給されたオレフィ
ンを気相重合するに際して、[III]第2循環工程にお
いて、液化した低沸点非重合性炭化水素を、流動層粉面
から上方に飛散する粉末状粒子と液状で接するように、
流動層粉面近傍に循環させることを特徴としている。
【0011】本発明においてこのような循環位置とし
て、流動層粉面高さをHとするとき、該粉面高Hに対し
て、±1/5〜0Hの位置とすることができる。
【0012】本発明に係るオレフィンの重合方法によれ
ば、オレフィン重合体を、気相重合法によって、長期間
に亘り安定して、連続的に製造することができる。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るオレフィンの
重合方法について具体的に説明する。なお、本発明にお
いて、「重合」という語は、単独重合のみならず、共重
合を包含した意で用いられることがあり、また「重合
体」という語は、単独重合体のみならず共重合体を包含
した意で用いられることがある。
【0014】まず、本発明に係るオレフィンの重合方法
で用いられる固体状触媒成分について、以下に説明す
る。このような固体状触媒成分として、たとえば、チタ
ン系固体状触媒成分[A]を挙げることができる。
【0015】本発明で用いられるチタン系固体状触媒成
分[A]は、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび必
要に応じて電子供与体を必須成分としており、チタン化
合物およびマグネシウム化合物、さらに必要に応じて電
子供与体(a) を接触させることによって調製することが
できる。
【0016】チタン系固体状触媒成分[A]の調製に用
いられるチタン化合物として、具体的には、たとえば、
次式で示される4価のチタン化合物を挙げることができ
る。 Ti(OR)g4-g (Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子、0≦g≦4で示
される。) このような化合物として、具体的には、テトラハロゲン
化チタン、トリハロゲン化アルコキシチタン、ジハロゲ
ン化ジアルコキシチタン、モノハロゲン化トリアルコキ
シチタン、テトラアルコキシチタンなどを例示すること
ができる。
【0017】上記のような化合物において、チタンをジ
ルコニウム、ハフニウム、バナジウムまたはクロムに置
換した化合物を挙げることもできる。このような化合物
のうち、好ましくはハロゲン含有チタン化合物、さらに
好ましくはテトラハロゲン化チタン、特に好ましくは四
塩化チタンが用いられる。これらチタン化合物は単独で
用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよ
い。さらに、これらのチタン化合物は、炭化水素化合物
あるいはハロゲン化炭化水素化合物などに希釈されてい
てもよい。
【0018】また、チタン系固体状触媒成分[A]の調
製に用いられるマグネシウム化合物としては、還元能を
有するマグネシウム化合物および還元能を有しないマグ
ネシウム化合物を挙げることができる。
【0019】還元能を有するマグネシウム化合物として
は、たとえば、式で表わされる有機マグネシウム化合物
を挙げることができる。 XnMgR2-n (式中、nは0≦n<2であり、Rは水素または炭素数
1〜20のアルキル基、アリール基またはシクロアルキ
ル基であり、nが0である場合二個のRは同一でも異な
っていてもよく、Xはハロゲンである。) このような還元能を有する有機マグネシウム化合物とし
ては、ジアルキルマグネシウム化合物、アルキルマグネ
シウムハライド、アルキルマグネシウムアルコキシド、
ブチルマグネシウムハイドライドなどを挙げることがで
きる。これらマグネシウム化合物は、単独で用いること
もできるし、後述する有機金属化合物と錯化合物を形成
していてもよい。また、これらのマグネシウム化合物
は、液体であっても固体であってもよい。
【0020】また、還元能を有しないマグネシウム化合
物としては、ハロゲン化マグネシウム、アルコキシマグ
ネシウムハライド、アルコキシマグネシウムハライド、
アルコキシマグネシウム、アリロキシマグネシウム、マ
グネシウムのカルボン酸塩、その他マグネシウム金属、
水素化マグネシウムなどを挙げることができる。
【0021】これら還元能を有しないマグネシウム化合
物は、上述した還元能を有するマグネシウム化合物から
誘導した化合物、あるいは触媒成分の調製時に誘導した
化合物であってもよい。還元能を有しないマグネシウム
化合物を、還元能を有するマグネシウム化合物から誘導
するには、たとえば、還元能を有するマグネシウム化合
物を、ポリシロキサン化合物、ハロゲン含有シラン化合
物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、エステル、アル
コール、ハロゲン含有化合物、あるいはOH基や活性な
炭素−酸素結合を有する化合物と接触させればよい。
【0022】なお、マグネシウム化合物は、上記の還元
能を有するマグネシウム化合物および還元能を有しない
マグネシウム化合物の外に、上記のマグネシウム化合物
と、例えばアルミニウム、亜鉛、ホウ素、ベリリウム、
ナトリウム、カリウム等の他の金属との錯化合物、複化
合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよ
い。さらに、上記の化合物を2種以上組み合わせた混合
物であってもよく、また液状状態で用いても固体状態で
用いてもよい。該化合物が固体である場合、アルコール
類、カルボン酸類、アルデヒド類、アミン類、金属酸エ
ステル類等を用いて液状化することができる。
【0023】チタン系固体状触媒成分[A]の調製に用
いられるマグネシウム化合物としては、上述した以外に
も多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に
得られるチタン系固体状触媒成分[A]中において、ハ
ロゲン含有マグネシウム化合物の形をとることが好まし
く、従ってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用
いる場合には、調製の途中でハロゲン含有化合物との接
触反応が必要である。好ましくは還元能を有しないマグ
ネシウム化合物が、また特に好ましくはハロゲン含有マ
グネシウム化合物が挙げられる。
【0024】チタン系固体状触媒成分[A]を調製する
際、必要に応じて電子供与体(a) を用いることができ
る。このような電子供与体(a) としては、アルコール
類、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、
有機酸ハライド、有機酸または無機酸のエステル、エー
テル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシランなどの含
酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソ
シアネートなどの含窒素電子供与体を挙げることができ
る。
【0025】本発明において、チタン系固体状触媒成分
[A]は、上記したようなマグネシウム化合物(もしく
は金属マグネシウム)、チタン化合物および必要に応じ
て電子供与体(a) を接触させることによって調製するこ
とができる。
【0026】なお、上記の成分は、たとえば下記のよう
な担体化合物(C) および反応助剤等として用いられるケ
イ素、リン、アルミニウムなどを含む有機および無機化
合物や後述する有機金属化合物などの存在下に接触させ
てもよい。
【0027】このような担体化合物(C) としては、Al2
3 、SiO2 、B23 、MgO、CaO、TiO2 、Zn
O、ZnO2 、SnO2 、BaO、ThOおよびスチレン−
ジビニルベンゼン共重合体などが用いられる。この中で
は、Al23 、SiO2 およびスチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体が好ましい。
【0028】このようなチタン系固体状触媒成分[A]
の調製方法には、特に制限はないが、ここでその方法を
数例挙げて以下に簡単に説明する。なお以下には電子供
与体を用いた例を示すが、このような電子供与体は必ず
しも用いなくともよい。
【0029】また調製に際しては、後述する有機金属化
合物を必要に応じて用いることもできる。 (1) マグネシウム化合物、電子供与体および炭化水素溶
媒からなる溶液を、有機金属化合物と接触反応させて固
体を析出させた後、または析出させながらチタン化合物
と接触反応させる方法。 (2) マグネシウム化合物と電子供与体から成る錯体を有
機金属化合物と接触反応させた後チタン化合物を接触反
応させる方法。 (3) 無機担体と有機マグネシウム化合物の接触物に、ハ
ロゲン含有化合物、電子供与体および有機金属化合物を
接触反応させ、次いでチタン化合物を接触反応させる方
法。 (4) マグネシウム化合物、電子供与体、場合によっては
更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機または含浸された無
機または有機担体を得、次いでチタン化合物を接触させ
る方法。 (5) マグネシウム化合物、チタン化合物、電子供与体、
場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機また
は有機担体との混合物から、マグネシウム化合物、チタ
ン化合物の含浸させた無機または有機担体を得る方法。 (6) 液体状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
チタン化合物と接触反応させる方法。 (7) 液体状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。 (8) アルコキシ基含有マグネシウム化合物をハロゲン含
有チタン化合物と接触反応する方法。 (9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体から成る錯体をチタン化合物と接触反応する方法。 (10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体から成る錯体を有機金属化合物と接触後チタン化合
物と接触反応させる方法。 (11)マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合
物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反応
は、各成分を電子供与体および/または有機金属化合物
やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で予備処理
してもよい。なお、この方法においては、上記電子供与
体を少なくとも一回は用いる。 (12)還元能を有しない液状のマグネシウム化合物と、液
状チタン化合物とを、電子供与体の存在下で反応させて
固体状のマグネシウム・チタン複合体を析出させる方
法。 (13)(12)で得られた反応生成物に、チタン化合物をさら
に反応させる方法。 (14)(11)あるいは(12)で得られる反応生成物に、電子供
与体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。 (15)マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合
物とを粉砕して得られた固体状物を、ハロゲン、ハロゲ
ン化合物および芳香族炭化水素のいずれかで処理する方
法。なお、この方法においては、マグネシウム化合物の
みを、あるいはマグネシウム化合物と電子供与体とから
なる錯化合物を、あるいはマグネシウム化合物とチタン
化合物を粉砕する工程を含んでもよい。また、粉砕後に
反応助剤で予備処理し、次いでハロゲンなどで処理して
もよい。反応助剤としては、有機金属化合物あるいはハ
ロゲン含有ケイ素化合物などが挙げられる。 (16)上記(11)〜(14)で得られる化合物をハロゲンまたは
ハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理する方法。 (17)金属酸化物、有機マグネシウムおよびハロゲン含有
化合物との接触反応物を、電子供与体およびチタン化合
物と接触させる方法。 (18)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウ
ム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合
物を、電子供与体、チタン化合物および/またはハロゲ
ン含有炭化水素と反応させる方法。 (19)マグネシウム化合物とアルコキシチタンとを少なく
とも含む炭化水素溶液、チタン化合物、電子供与体およ
び必要に応じてハロゲン含有ケイ素化合物などのハロゲ
ン含有化合物とを反応させる方法。 (20)還元能を有しない液体状態のマグネシウム化合物と
有機金属化合物とを反応させて固体状のマグネシウム・
金属(アルミニウム)複合体を析出させ、次いで、電子
供与体およびチタン化合物を反応させる方法。
【0030】本発明で用いられるチタン系固体状触媒成
分[A]は、上記のような担体化合物(c) に担持されて
いることが好ましい。上記のようなチタン系固体状触媒
成分[A]は、さらに必要に応じて電子供与体(b) を含
有することができる。
【0031】このような電子供与体(b) としては前述し
たチタン系固体状触媒成分[A]を調製する際に用いた
電子供与体(a) を用いることができ、またさらには下記
一般式で示される有機ケイ素化合物を用いることができ
る。
【0032】RnSi(OR’)4-n (式中、RおよびR’は炭化水素基であり、0<n<4
である。) また、電子供与体(b) としては、窒素含有化合物、他の
酸素含有化合物、燐含有化合物などを挙げることもでき
る。
【0033】このような窒素含有化合物としては、2,6-
置換ピペリジン類、2,5-置換ピペリジン類、置換メチレ
ンジアミン類、置換メチレンジアミン類などを挙げるこ
とができる。
【0034】また、酸素含有化合物としては、2,6-置換
テトラヒドロピラン類、2,5-置換テトラヒドロピラン類
などを用いることができる。燐含有化合物としては、亜
リン酸エステル類を用いることができる。
【0035】これらの電子供与体(b) は、二種以上混合
して用いてもよい。また、本発明において用いられる固
体状触媒成分としては、下記のようなシクロペンタジエ
ニル骨格を有する固体状遷移金属触媒成分[B]を挙げ
ることもできる。
【0036】このような固体状遷移金属触媒成分[B]
は、遷移金属化合物[B-1]、アルミノオキサン[B-2]
および担体化合物[B-3]を接触させることによって得
られる。このような遷移金属化合物[B-1]として、次
式に示されるシクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む遷移金属化合物を挙げることができる。
【0037】MLx [式中、MはZr、Ti、Hf、V、Nb、TaおよびCrか
らなる群から選ばれる遷移金属であり、Lは遷移金属に
配位する配位子であり、少なくとも1個のLはシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子であり、シクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子以外のLは、炭素数1〜1
2の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリ
アルキルシリル基、SO3R基(ただしRはハロゲンな
どの置換基を有していてもよい炭素数1〜8の炭化水素
基)、ハロゲン原子または水素原子であり、xは遷移金
属の原子価である。] シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、た
とえば、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタ
ジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメ
チルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペン
タジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペ
ンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル基、メ
チルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペ
ンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル
基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキル置
換シクロペンタジエニル基あるいはインデニル基、4,5,
6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などを
例示することができる。これらの基は、ハロゲン原子、
トリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
【0038】これらの遷移金属に配位する配位子の中で
は、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好まし
い。上記一般式で表される化合物がシクロペンタジエニ
ル骨格を有する基を2個以上含む場合には、そのうち2
個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチ
レン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデ
ン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリ
レン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基な
どを介して結合されていてもよい。
【0039】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子Lとしては、具体的に下記のようなものが
挙げられる。炭素数1〜12の炭化水素基としては、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基などが挙げられ、より具体的には、アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基などが例示され、シクロアルキル基として
は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが例示さ
れ、アリール基としては、フェニル基、トリル基などが
例示され、アラルキル基としては、ベンジル基、ネオフ
ィル基などが例示される。
【0040】またアルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基などが例示され、アリーロキシ
基としては、フェノキシ基などが例示され、ハロゲンと
しては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが例示され
る。
【0041】SO3Rで表される配位子としては、p-ト
ルエンスルホナト基、メタンスルホナト基、トリフルオ
ロメタンスルホナト基などが例示される。このような遷
移金属化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である
場合、より具体的には下記式で表される。
【0042】R2 k3 l4 m5 nM (式中、Mは上記遷移金属であり、R2はシクロペンタ
ジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3、R4
よびR5はシクロペンタジエニル骨格を有する基、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリ
ル基、SO3R基、ハロゲン原子または水素原子であ
り、kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4であ
る。) 本発明では上記式R2 k3 l4 m5 nMにおいて、R2
3、R4およびR5のうち少なくとも2個すなわちR2
よびR3がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位
子)であるメタロセン化合物が好ましく用いられる。こ
れらのシクロペンタジエニル骨格を有する基はエチレ
ン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデ
ン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリ
レン基またはジメチルシリレン、ジフェニルシリレン、
メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを
介して結合されていてもよい。またR4およびR5はシク
ロペンタジエニル骨格を有する基、アルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、SO
3R、ハロゲン原子または水素原子である。
【0043】以下に、Mがジルコニウムである遷移金属
化合物について具体的な化合物を例示する。ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)
ジルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジルコニ
ウムビス(p-トルエンスルホナト) ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロ
ミド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウ
ム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウ
ム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモ
ノクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(メタンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオ
ロメタンスルホナト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロ
ピリデン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタ
ジエニル-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2-メチルイン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビ
ス(2-メチル,4-イソプロピルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,4,7-トリメチ
ルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオ
ロメタンスルホナト)、ジメチルシリレンビス(4,5,6,
7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシ
リレンビス(2-メチル,4-イソプロピルインデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(2,4,
7-トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、メ
チルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)メチル
ジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)エチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムモノクロリ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウ
ムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジ
ルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノハ
イドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジ
ルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニル
ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジ
ルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムメトキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p-ト
ルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビ
ス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロ
メタンスルホナト)、ビス(エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルエチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(プ
ロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メ
チルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(メタンスルホナト)、ビス(トリメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド。
【0044】なお上記例示において、シクロペンタジエ
ニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置
換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロピ
ル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、tert-
などの異性体を含む。
【0045】また上記のようなジルコニウム化合物にお
いて、ジルコニウムを、チタン、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タンタルまたはクロムに置換えた化合物を
用いることもできる。
【0046】本発明では、遷移金属化合物[B-1]とし
て、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも
2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有する
ジルコノセン化合物が好ましく用いられる。
【0047】固体状遷移金属触媒成分[B]の調製に用
いられるアルミノオキサン[B-2]としては、具体的に
は一般式<1>および一般式<2>で表わされる化合物
を例示することができる。
【0048】
【化1】
【0049】一般式<1>および<2>において、Rは
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化
水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、とくに
好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5
〜40の整数である。
【0050】ここで、このアルミノオキサンは式(OA
l(R1 ))で表わされるアルキルオキシアルミニウム
単位および式(OAl(R2 ))で表わされるアルキル
オキシアルミニウム単位[ここで、R1 およびR2 はR
と同様の炭化水素基を例示することができ、R1 および
2 は相異なる基を表わす]からなる混合アルキルオキ
シアルミニウム単位から形成されていてもよい。その場
合には、メチルオキシアルミニウム単位(OAl(CH
3 ))が30モル%以上、好ましくは50モル%以上、
特に好ましくは70モル%以上の割合で含む混合アルキ
ルオキシアルミニウム単位から形成されたアルミノオキ
サンが好適である。
【0051】このようなアルミノオキサンの製造法とし
て、たとえば次の方法を例示することができる。 (1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムを添加して反応させる方法。 (2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムに
直接水を作用させる方法。
【0052】これらの方法のうちでは、(1)の方法を採
用するのが好ましい。なお、該アルミノオキサンは、少
量のアルミニウム以外の有機金属成分を含有していても
差しつかえない。
【0053】また本発明では、アルミノオキサン[B-
2]として、特開平2−276807号公報に開示され
ているようなベンゼン不溶性アルミニウムオキシ化合物
を用いることもできる。
【0054】固体状遷移金属触媒成分[B]の調製に用
いられる担体化合物[B-3]としては、前述した担体化
合物(c) と同様な化合物を用いることができる。これら
の担体化合物のうち、SiO2が好ましく用いられる。
【0055】本発明において用いられる固体状遷移金属
触媒成分[B]は、上記のような触媒成分に、さらに必
要に応じて電子供与体、反応助剤、前記のようなマグネ
シウム化合物を含有させてもよい。このような反応助剤
としては、珪素、リン、アルミニウムなどを含む有機お
よび無機化合物などを使用することができる。
【0056】さらに本発明において、固体状触媒成分と
して、クロム系固体状触媒成分[C]を用いることもで
きる。このようなクロム系固体状触媒成分[C]は、具
体的には、[C-1]次式<3>で表されるシリルクロメ
ート化合物、[C-2]次式<4>で表されるビス(シク
ロペンタジエニル)クロム(II)化合物、および[C-3]
酸化物形態のクロム化合物とからなる。
【0057】
【化2】
【0058】[式中、Rは1〜14個の炭素原子を有す
る炭化水素基を示す。]
【0059】
【化3】
【0060】[式中、R1 およびR2 は同じまたは異な
るC1〜C10炭化水素基であり、nおよびmは0〜5の
同一または異なる整数を示す。]上記のような[C-
1]、[C-2]、[C-3]化合物は、通常、シリカ、アル
ミナ、トリア、ジルコニアなどの担体に担持して使用さ
れる。
【0061】本発明では、触媒として以上述べてきた
[A]、[B]、[C]などの固体状触媒成分ととも
に、通常、下記のような有機金属化合物触媒成分を用い
る。このような有機金属化合物触媒成分としては、周期
律表第I族〜第III族から選ばれる金属を含む有機金属
化合物が用いられ、具体的には、下記のようなアルミニ
ウム化合物が好ましく用いられる。
【0062】Ra n AlX3-n 式中、Ra は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xは
ハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。
【0063】上記式において、Ra は炭素数1〜12の
炭化水素基たとえばアルキル基、シクロアルキル基また
はアリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。
【0064】このような有機金属化合物としては、トリ
アルキルアルミニウム、アルケニルアルミニウム、ジア
ルキルアルミニウムハイドライド、ジアルキルアルミニ
ウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、
アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウ
ムハイドライドなどを挙げることができる。
【0065】また、次式で示される化合物を用いること
もできる。 Ra nAlY3-n 式中Ra は上記と同様であり、Yは−ORb 基、−OS
i Rc 3 基、−OAlR d 2基、−NRe 2 基、−SiRf 3
基または、−N(Rg)AlRh 2 基であり、nは1〜2
であり、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基、エチル
基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などであり、Reは水素、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリ
ル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基な
どである。
【0066】このような有機金属化合物としては、具体
的には、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメト
キシドなど、Et2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(O
SiMe3) 、(iso-Bu)2Al(OSiEt3) など、Et2Al
OAlEt2、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 など、Me2
AlNEt2、Et2AlNHMe 、Me2AlNHEt 、Et2
AlN(Me3Si)2 、(iso-Bu)2AlN(Me3Si)2 など、
(iso-Bu)2AlSiMe3など、Et2AlN(Me )AlEt
2、(iso-Bu)2AlN(Et )Al(iso-Bu)2などを挙げ
ることができる。
【0067】I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化
物としては、一般式 M1AlRj 4 (但し、M1はLi、Na、Kであり、Rjは炭素数1〜1
5の炭化水素基である。)で表される化合物を例示で
き、具体的には、LiAl(C25)4、LiAl(C715)4
などを挙げることができる。
【0068】上記のような化合物は、単独で、あるいは
2種以上混合して用いることができる。これらのうち、
上記のような2種以上のアルミニウム化合物が結合した
アルキルアルミニウム化合物、トリアルキルアルミニウ
ム化合物を好ましく挙げることができる。
【0069】また固体状触媒成分として固体遷移金属触
媒成分[B]を用いる場合には、有機金属化合物触媒成
分として前記の有機金属化合物の他にもアルミノオキサ
ンが好ましく用いられる。
【0070】このようなアルミノオキサンとしては、具
体的には前述したアルミノオキサン[B-2]を挙げるこ
とができる。ここで、本発明で用いられる固体状触媒成
分からなる粒子では、粒径が大きいことが好ましく、具
体的にたとえば、粒径が1〜300μm、好ましくは1
0〜100μmであることが望ましい。
【0071】したがって、本発明で用いられる固体状触
媒成分は、前述したような例示のうち、担体化合物(c)
に担持された触媒成分が好ましく用いられる。またさら
に本発明で用いられる固体状触媒成分は、上記のような
固体状触媒成分にオレフィンを50〜1200g/g触
媒の量で、好ましくは100〜1000g/g触媒の量
で、更に好ましくは200〜900g/g触媒の量で、
最も好ましくは300〜800g/g触媒の量で予備重
合させた予備重合触媒であってもよい。
【0072】予備重合触媒を調製するに際しては、後述
する低沸点非重合性炭化水素の共存下に、上記のような
触媒にオレフィンを予備重合または共重合することが好
ましい。本発明では、上記のような固体状触媒成分の存
在下に、オレフィンを重合または共重合させる。
【0073】ここで、本発明に係るオレフィンの重合方
法を、第1図を参照しながら詳細に説明する。[I]本
重合工程では、たとえばライン1を介して上記固体状触
媒および有機金属化合物触媒成分あるいは必要に応じて
電子供与体などの各化合物を気相重合器3に供給する。
【0074】オレフィンおよび低沸点非重合性炭化水素
は、たとえばライン15から、反応系5を流動状態(流
動層)に保つために循環しているガスライン6、8を介
して気相重合器3下方から供給して固体状触媒成分の存
在下オレフィンを気相重合させる。
【0075】このような固体状触媒成分は乾燥した固体
粉末状態であるいは炭化水素に懸濁した状態で気相重合
器に供給することができるが、下記のような低沸点非重
合性炭化水素に懸濁した状態で供給することが好まし
い。
【0076】更にはオレフィンを予備重合させる場合に
は、有機金属化合物触媒成分、また必要に応じて電子供
与体を用いて行い、これら各化合物も予備重合触媒と共
に供給される。
【0077】ここで、本発明で用いられる低沸点非重合
性炭化水素は、易揮発性であり、かつオレフィン重合条
件下においては、重合しない炭化水素である。また該低
沸点非重合性炭化水素は低温において凝縮しやすく、た
とえば後述する凝縮器10において水などの一般的な冷
媒によって容易に液化しうるものであることが好まし
い。このような低沸点非重合性炭化水素としては、具体
的に、飽和炭化水素を挙げることができ、さらに具体的
には、たとえば、プロパン、n-ブタン、i-ブタン、n-ペ
ンタン、i-ペンタン、シクロペンタンを挙げることがで
きる。
【0078】これらは、単独でまたは組み合わせて用い
ることができる。本発明で用いられるオレフィンとして
は、炭素数2〜12のα−オレフィンが好ましく挙げら
れ、たとえば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1ーペ
ンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-
1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デ
セン、1-ウンデセン、1-ドデセンなどが挙げられる。
【0079】また、オレフィンとともに、たとえばポリ
エンを共重合させることもできる。このようなポリエン
としては、ブタジエン、イソプレン、1,4-ヘキサジエ
ン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボル
ネンなどを例示することができる。
【0080】本重合においては、これらのモノマーを重
合あるいは共重合させる。本発明の代表的な例として
は、これらのうち、エチレンとα−オレフィンとの共重
合が挙げられる。
【0081】[I]本重合工程において、重合条件は重
合されるオレフィンおよび反応系(流動層)の流動状
態によっても異なるが、通常、重合温度が、20〜13
0℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは70
〜110℃で、重合圧力が、1〜1 00Kg/cm2、好まし
くは2〜40Kg/cm2である。
【0082】[I]本重合工程において、上記オレフィ
ンおよび低沸点非重合性炭化水素は、通常、気相重合器
内の下方に設けられた多孔板などの分散板4から反応
系(流動層)へ吹き込むことによって供給される。こ
の際、オレフィンおよび低沸点非重合性炭化水素は、通
常、ガス状で反応系を流動状態に保持することができ
るような流量で供給される。具体的には、通常、最小流
動化速度をUmfとするとき、約3Umf〜50Umf、好ま
しくは約5Umf〜30Umfの流量で供給される。
【0083】本発明では、反応系(流動層)を機械的
に攪拌することもできる。攪拌は、イカリ型攪拌機、ス
クリュウ型攪拌機、リボン型攪拌機など種々の型式の攪
拌機を用いて行うことができる。
【0084】本重合に際して、必要に応じて水素のよう
な分子量調節剤を用いることもでき、気相重合器3の任
意の場所、たとえばライン15から供給することができ
る。生成した重合体は、ライン14を介して気相重合器
から連続的に抜き出す。
【0085】本重合は、二段以上の多段で行うこともで
きる。本発明では、気相重合器上方から排出される低
沸点非重合性炭化水素を以下に説明するようにして、反
応系へ循環させる。なお、このような気相重合器
方から排出される低沸点非重合性炭化水素には、通常未
反応オレフィンが含有されている。
【0086】まず[II]第1循環工程において、気相重
合器上方から排出される低沸点非重合性炭化水素の一
部を、ライン6、ライン8を介して気相重合器の下方
に循環させて上記[I]本重合工程に供給する。
【0087】この際、循環される低沸点非重合性炭化水
素は、熱交換器7によって冷却されて重合熱が除去され
る。この気相重合器の下方に循環される低沸点非重合
性炭化水素は、通常ガス状で、これによって、上述のよ
うに反応系を流動状態に保持することができる。
【0088】さらに、[III]第2循環工程において、
上記気相重合器上方から排出される低沸点非重合性炭
化水素の一部を、ライン6、ライン9を介して凝縮器1
0に送り、ここで少なくとも一部の低沸点非重合性炭化
水素を液化して、凝縮液ドラム11から、凝縮液循環ポ
ンプ16によりライン13を介して気相重合器内の反
応系に循環させる。
【0089】この凝縮器10では、低沸点非重合性炭化
水素は、通常、水などの一般的な冷媒によって冷却さ
れ、液状とされることが好ましい。凝縮器10で液化さ
れない低沸点非重合性炭化水素は、ライン12を介して
ライン8から[II]第1循環工程に循環させることがで
きる。
【0090】また、凝縮器10で液化された低沸点非重
合性炭化水素の一部を、触媒供給系へ循環させ、触媒を
懸濁状態で気相重合器に供給するための溶媒として用い
てもよい。
【0091】このような循環系において、通常、上記し
たような低沸点非重合性炭化水素とともに未反応モノマ
ーもライン6、ライン9を介して凝縮器10に導入され
る。したがって、本重合工程において、エチレンとα−
オレフィンとの共重合が行われる場合には、エチレン以
外の未反応オレフィンすなわちα−オレフィンは、凝縮
器10において低沸点非重合性炭化水素とともに液化さ
れやすく、液化されたα−オレフィンは低沸点非重合性
炭化水素とともに上記のようなラインを介して気相重合
器3へ容易に循環させることができる。
【0092】このような[II]第1および/または[II
I]第2循環工程では、オレフィンの供給は、任意の場
所からたとえばライン15を介して行うことができる。
さらに必要に応じて、低沸点非重合性炭化水素を、任意
の場所から新たに供給してもよい。
【0093】本発明では、[III]第2循環工程におい
て、液化された低沸点非重合性炭化水素を気相重合器
内の反応系に循環させるに際して、流動状態にある反
応系(流動層)の粉面近傍2、すなわち流動層粉面か
ら上方に飛散する粉末状粒子に液状で接し得る位置に循
環させる。すなわち、反応系(流動層)外へ飛散しよ
うとする粉末状粒子を、液状の低沸点非重合性化水素
と接触させて、粉末状粒子が反応系外へ飛散するのを
阻止することができる位置から低沸点非重合性炭化水素
を循環する。循環は、通常、散布することによって行わ
れる。具体的には、流動層粉面高さをHとするとき、液
状低沸点非重合性炭化水素を、該粉面高さHに対して、
±1/5〜0H程度の位置に循環させる。
【0094】このような反応系(流動層)の粉面は、
具体的に、たとえばガンマ線を用いて密度分布を測定す
ることによって決定することができる。すなわち、ガン
マ線源とガンマ線検出器を想定される流動層粉面をはさ
んで斜め上下に向かい合わせに取付け、線源から照射さ
れて流動層→粉面→上部減速域を透過してきたガンマ線
の強さを検出することにより粉面位置を知る。
【0095】本発明では、液状低沸点非重合性炭化水素
をこのようにして決定された流動層粉面に対し、特定さ
れた位置に循環させることができるように、該粉面高さ
を一定にコントロールすることが重要である。
【0096】液状低沸点非重合性炭化水素を上記のよう
な位置に循環または供給すると、粉末状粒子は液状の低
沸点非重合性炭化水素と接触して濡れる。これにより、
粉末状粒子が飛散するのを効果的に防止できる。すなわ
ち、液状の低沸点非重合性炭化水素を上記のような適切
な位置に循環供給すると流動層粉面より飛散する粉末状
粒子が減速域壁面に付着したり、気相重合器外へ飛散し
たりすることを劇的に減少させることができる。
【0097】更には、流動層内ポリオレフィン粉末状粒
子に付着した易揮発性の低沸点非重合性炭化水素は蒸発
潜熱が大きいため、これらが気化する際にオレフィンの
重合により発生した重合熱を効果的に除去することがで
きる。
【0098】これに対して、たとえば液状低沸点非重合
性炭化水素を上記範囲外の上方位置に循環供給すると、
粉末状粒子と接触する前に液状低沸点非重合性炭化水素
は気化してしまい、粉末状粒子を濡らすことができず、
粉末状粒子が飛散するのを効果的に防止することができ
ないだけでなく、重合熱の除去も効果的でなくなる。
【0099】また、液状低沸点非重合性炭化水素を流動
層中に直接循環供給すると、該液状炭化水素が流動層内
に良好に分散することができず、流動層の混合状態を乱
すこととなり、結果として局所的な粒子塊を形成させた
り、該液状炭化水素の急激な気化による突沸現象が発生
し、ポリオレフィン粒子粉末の流動層からの飛散量を増
加させる原因となり、逆に安定運転を阻害する要因にも
なり得る。
【0100】低沸点非重合性炭化水素をこのような条件
で循環させて行われる気相重合では、反応系(流動層)
外へ飛散する粉末状粒子が減少され、気相重合器3の流
動化ガス減速域(以下減速域)3aの直径を減縮するこ
とが可能となる。条件によっては減速域3aをなくする
ことも可能となり、この場合、筒型反応器でも重合を行
うことができるようになる。また、微粉末状粒子を捕集
するためのサイクロンなどは不要とすることができる。
【0101】さらに本発明で用いられる低沸点非重合性
炭化水素では蒸発潜熱が大きいため、これらが気化する
際、重合熱を効果的に除去することができ、反応系の温
度制御が容易になる。
【0102】上記のようにして得られるオレフィン重合
体では、ASTM D 150 Eによって測定された密度が、通
常、0.88〜0.97g/cm3 、好ましくは0.90〜
0.95g/cm3 である。
【0103】なおこのオレフィン重合体では、上述のよ
うに、オレフィン以外にもたとえばポリエンなどから導
かれる構成単位を10重量%以下、好ましくは5重量%
以下、特に好ましくは3重量%以下の量で含むことがで
きる。
【0104】本発明に係る重合方法で製造されるオレフ
ィン重合体は、オレフィン単独重合体、エチレン・α−
オレフィン共重合体などであってよく、特に限定されて
いないが、線状低密度ポリエチレンであることが特に好
ましい。
【0105】本発明に係るオレフィン重合体は、顆粒状
粒子で得られ、平均粒径は、200〜3000μm、好
ましくは400〜1500μmである。さらに上記のよ
うにして得られるオレフィン重合体には、必要に応じて
耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキ
ング剤、滑剤、核剤、顔料、染料、無機あるいは有機充
填剤などを配合することもできる。
【0106】上述したように、本発明では、低沸点非重
合性炭化水素の存在下に本重合を行うとともに、循環工
程において、液状低沸点非重合性炭化水素を気相重合器
内の特定の位置すなわち流動層粉面近傍に循環させてい
る。このような位置に液状低沸点非重合性炭化水素を循
環させると、低沸点非重合性炭化水素が気化される際
に、重合熱を効率的に除去することができるとともに、
粉末状粒子が流動層粉面から上方へ飛散するのを阻止す
ることができる。これによって、気相重合器の減速域を
縮少したりなくしたりすることが可能となる。
【0107】
【発明の効果】本発明に係るオレフィンの重合方法で
は、低沸点非重合性炭化水素の存在下に重合を行うとと
もに、気相重合器から排出された低沸点非重合性炭化水
素の一部を液化して、気相重合器内の特定位置すなわち
反応系(流動層)の粉面近傍に循環させる。
【0108】このような低沸点非重合性炭化水素は、蒸
発潜熱が大きく、これらが気相重合器内で気化する際、
重合熱を効率的に除去する効果を発現するともに、この
ような位置で散布することによって、流動層から飛散し
ようとする粉末状粒子と接触して、反応系に戻す効果を
発現する。
【0109】本発明の方法によれば、本重合を熱効率上
も効果的に行うことができるとともに、粉末状粒子の飛
散を減少させることができるので、反応器の減速域を減
縮あるいは条件によっては減速域を不要とすることも可
能である。またサイクロンを用いる必要がなくなる。
【0110】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0111】
【実施例1】 [触媒]窒素気流中で市販の塩化マグネシウム1モル、
2-エチルヘキサノール3モル、n-デカン480mlを反応
器に装入した後、昇温し攪拌下130〜140℃で均一
な溶液を得た。
【0112】これを20℃まで冷却後、トリエチルアル
ミニウムをMgに対して1.04倍モル滴下し1時間反
応させた。反応終了後80℃に昇温し、更にジエチルア
ルミニウムクロリドをMgに対して1.2倍モル滴下反
応させた。反応終了後デカンで洗浄し、常温下予め四塩
化チタンと2-エチルヘキサノールと等モル反応にて得ら
れたTi(OEH)Cl3をMgに対して0.075倍
モル添加した後、80℃に昇温して反応させた。得られ
た固体生成物をn-ヘキサンで洗浄し、気相重合用触媒と
して用いた。
【0113】得られた触媒の平均粒径は25μm、Ti
は触媒1g当り18mg担持されており、粒度分布の非常
に狭い触媒であった。この触媒をプロパンの懸濁液とし
た。 [気相重合]第1図に示す重合装置において、反応系5
の直径が100cmφ、高さが180cm、流動層容積14
00リットル、減速域3aが最大直径140cmφの気相
重合器に前記の少量のプロパンに懸濁させた触媒をTi
原子に換算して9.0ミリモル/hr、トリエチルアルミ
ニウム90ミリモル/hrの割合で連続的に管1を通して
気相重合器に供給し、同時に管15より気相重合器で消
費される量に相当するエチレンを150Kg/hr、ヘキセ
ン-1を20Kg/hr供給した。また水素は反応器内のH2
/エチレンモル比が0.15となるように管15より供
給した。
【0114】気相重合器の重合条件は圧力16Kg/cm2
G、重合温度85℃、滞留時間2.5時間であり、気相
重合器内の循環ガスの線速を50cm/sec に保持した。
気相重合器内のガス組成は、エチレン26.4モル%、
ヘキセン-1 3.4モル%、H2 4.0モル%、プロ
パン 65.9モル%であった。
【0115】管9より流動層循環ガスの1部を抜き出
し、凝縮器10にて凝縮されたオレフィンを1部含むプ
ロパンを管13より390Kg/hrの割合で気相重合器流
動層粉面より20cm上部の位置に供給した。
【0116】この結果上記条件より生成するポリエチレ
ンは、MIが1.1であり、密度が0.921g/cm3
であり、平均粒径480μmであった。このポリエチレ
ンは、管14より連続的に排出された。
【0117】熱交換器7にて冷却されて循環するガス量
は上記条件で1420Act-M3/hr、37.8ton /hrで
あり、熱交換器7にて冷却されて気相重合器に供給され
る循環ガス温度は79.3℃であった。
【0118】このことは気相流動層粉面に供給したプロ
パン凝縮液が気化する際に効果的に重合熱の除去作用を
していることを示しており、重合熱の約27%が供給し
た凝縮液プロパンの気化により除熱されていることを示
している。
【0119】このため、重合熱の除去のために管8より
気相重合器3に循環しているガスの温度を比較例1に比
べ冷却する程度が低減されている。また、反応器減速域
3aから管6を経て気相重合器より飛散するポリエチレ
ン粉末の量が極めて少なく、上記条件下で長期の連続運
転を実施しても極めて安定した運転が可能であった。
【0120】
【比較例1】実施例1で得られた触媒を用いて、管13
からの凝縮液プロパンで供給を0にする以外は実施例1
と同様の条件にて気相重合を行った。
【0121】すなわち、実施例1と同一の装置を用い
て、プロパンに懸濁させた触媒をTi原子に換算して
9.0ミリモル/hr、トリエチルアルミニウム90ミリ
モル/hrの割合で連続的に管1を通して気相重合器に供
給し、同時に管15より気相重合段で消費される量に相
当するエチレン150Kg/hr、ヘキセン-1を20Kg/hr
供給した。
【0122】また、水素は反応器内のH2/エチレンモ
ル比が0.15となるように管15より供給した。気相
重合器の重合条件は、圧力が16Kg/cm2Gであり、重
合温度が85℃であり、滞留時間が2.5時間であり、
気相重合器内の循環ガスの線速を50cm/sec に保持し
た。
【0123】気相重合器内のガス組成も実施例1とほぼ
同一条件に維持された。この結果上記条件より生成する
ポリエチレンはMI=1.05、密度0.921g/cm
3、平均粒径480μであり、管14より連続的に排出
された。
【0124】熱交換器7にて冷却されて循環するガス量
は上記条件で1420Act-M3/hr、36.0ton /hrで
あり、熱交換器7にて冷却されて気相重合器に供給され
る循環ガス温度は76.8℃であった。重合熱の全量を
循環ガスの冷却により取る必要があり、実施例1に比
べ、循環ガス冷却用熱交換器7の熱負荷量は約37%上
昇した。
【0125】また、反応器減速域から管6を経て気相重
合器より飛散するポリエチレン粉末の量が増加し、上記
条件下で連続運転中熱交換器7の圧力損失が比較的短期
間で上昇する傾向を示した。
【0126】
【比較例2】実施例1と同一の触媒を用いて管13から
の凝縮液プロパンの供給先を流動層分散板上部30cmの
位置に供給した以外は実施例1と全く同一の条件で気相
重合を行った。
【0127】この結果実施例1と同様にMI=1.1、
密度0.921g/cm3、平均粒径480μのポリエチ
レンが管14より連続的に排出された。熱交換器7にて
冷却されて気相重合器に供給される循環ガスの温度は実
施例1と同様79.3℃であり、供給されたプロパン凝
縮液が蒸発し、重合熱の除去に有効に働いていることを
示した。
【0128】しかしながら、反応器減速域3aから管6
を経て気相重合器より飛散するポリエチレン粉末の量が
実施例1に比べ約10倍に増加し、上記条件下で連続重
合中熱交換器7の圧力損失が比較的短期間で上昇し、ま
た、凝縮液循環ポンプ16が飛散したポリエチレン粉末
で詰まる現象がたびたび発生し、長期安定運転が困難で
あった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るオレフィン重合方法のプロセス
を示す。
【符号の説明】
2・・・粉面近傍・・・ 気相重合器 4・・・分散板・・・ 反応系 10・・・凝縮器 11・・・凝縮液ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 田 好 則 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I]流動状態に保持された反応系におい
    て、低沸点非重合性炭化水素の存在下、固体状触媒成分
    に、オレフィンを気相重合または共重合させる本重合工
    程と、[II]気相重合器上部から排出される低沸点非重
    合性炭化水素の一部を、気相重合器下方から循環させる
    第1循環工程と、[III]気相重合器上部から排出され
    た上記低沸点非重合性炭化水素の一部を液化して、気相
    重合器内の反応系に循環させる第2循環工程とを含ん
    で、上記[II]および/または[III]循環工程に供給
    されたオレフィンを気相重合するに際して、 [III]第2循環工程において、 液化した低沸点非重合性炭化水素を、流動層粉面から上
    方に飛散する粉末状粒子と液状で接するように、流動層
    粉面近傍に循環させることを特徴とするオレフィンの重
    合方法。
  2. 【請求項2】[III]第2循環工程において、 液化した低沸点非重合性炭化水素を、流動層粉面高さを
    Hとするとき、該粉面高Hに対して、±1/5〜0Hの
    位置に循環させることを特徴とする請求項1に記載のオ
    レフィンの重合方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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SG108914A1 (en) * 2002-04-19 2005-02-28 Sumitomo Chemical Co Process for polymerization of alpha-olefin
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JP2016511322A (ja) * 2013-03-14 2016-04-14 ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット プロピレン/ブテンインターポリマー生成システム及び方法

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