JPH08198905A - オレフィンの気相重合法 - Google Patents

オレフィンの気相重合法

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JPH08198905A
JPH08198905A JP1017195A JP1017195A JPH08198905A JP H08198905 A JPH08198905 A JP H08198905A JP 1017195 A JP1017195 A JP 1017195A JP 1017195 A JP1017195 A JP 1017195A JP H08198905 A JPH08198905 A JP H08198905A
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JP
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olefin
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fluidized bed
catalyst
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JP1017195A
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Kenji Doi
居 賢 治 土
Satoru Otani
谷 悟 大
Teruhisa Kojima
島 輝 久 小
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)メタロセン系遷移金属化合物と、(B)
有機アルミニウムオキシ化合物と、(C)粒子状担体と
から形成される固体状触媒を用いたオレフィンの気相重
合を下記(1)〜(5)のいずれかの条件で行う。 (1)モノマー分圧が全圧の40〜90%の範囲、
(2)モノマー分圧が8〜41kg/cm2 の範囲、(3)
モノマー分圧が8〜41kg/cm2 の範囲、かつ全圧の4
0〜90%、(4)流動床中の線速が0.55m/sec.
以上、(5)流動床中の線速を0.55m/sec.以上、
モノマー分圧が8〜41kg/cm 2 の範囲、かつ全圧の4
0〜90%。 【効果】オレフィン(共)重合体を長期間に亘って安定
して製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、オレフィンの気相重合方
法に関し、さらに詳しくは、流動床反応器を用いて、メ
タロセン系触媒の存在下にオレフィンを連続的に気相重
合させるに際して、ポリマー塊、シート状物などを発生
することなく、流動層内で生成するオレフィン重合体の
流動性に優れるオレフィン(共)重合体を長期間に亘っ
て安定して製造することができるオレフィンの気相重合
方法に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエチレン、あるいはエチレン
とα−オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)などに代表されるオレフィン
(共)重合体は、フィルム成形用材料などとして広く利
用されている。
【0003】このようなオレフィン重合体は、従来、溶
液重合法、懸濁重合法あるいは気相重合法により、マグ
ネシウム、チタン、ハロゲンを必須成分とするチタン系
固体状触媒成分の存在下に、オレフィンを(共)重合さ
せることによって製造されている。また、近年、オレフ
ィンをより高い重合活性で(共)重合させることができ
る触媒として、ジルコニウムなどのIVB族金属のメタロ
セン化合物を含む固体状触媒成分と有機アルミニウム成
分とからなる触媒が開発されている。このような高活性
の固体状メタロセン系触媒を用いてオレフィンを長期間
安定して気相重合させることが望まれる。
【0004】ところで上記のような重合を気相重合法で
行うと、重合体を粒子状で得ることができ、重合後の粒
子析出工程あるいは粒子分離工程などが不要となる。し
たがって製造プロセスを簡略化することができ、製造コ
ストを低減できることが知られている。
【0005】このような気相重合法は、流動床反応器
に、固体状触媒およびオレフィンを連続的に供給して、
流動床においてオレフィンを重合または共重合させ、得
られた粒子状のポリマーを連続的に抜き出すことによ
り、連続的にオレフィンの(共)重合を行う方法であ
る。
【0006】このような流動床反応器を用いてオレフィ
ン(共)重合体を製造しようとすると、特にジルコニウ
ム、ハフニウムなどのIVB族金属のメタロセン化合物を
含む固体状触媒成分と有機アルミニウム成分とからなる
メタロセン触媒を用いて気相重合して生成するオレフィ
ン(共)重合体の流動床内における流動性が低下して、
流動床内の混合状態が不均一となり、長期的に安定して
連続運転することができなくなることがあった。また流
動床からの循環ガス中に同伴される微粒子ポリマーおよ
び/または触媒が循環ガス配管壁に付着し、配管内部で
重合、成長して配管を閉塞させたり、該ポリマーが配管
壁から剥離し、ガス分散板の穴を塞ぐなどにより長期的
に安定して連続運転することができなくなることもあっ
た。
【0007】このような傾向は、特にエチレンとα−オ
レフィンとを共重合させて、直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE)などを製造する際により顕著に現れる傾
向がある。すなわちたとえばLLDPEなどを製造する
際には、生成ポリマーの粘着性により、生成したポリマ
ー粒子同士が付着してポリマー塊を生じたり、ポリマー
粒子が装置内壁あるいは装置内のガス分散板などに付着
してシート状ポリマーを生じてガス分散板の目詰まりな
どを起こし、流動床の流動性が低下して運転を停止せざ
るを得なくなることがあった。
【0008】またメタロセン触媒は従来のLLDPEの
気相重合に用いられていたチグラーナッタ型触媒と比較
して長寿命であり、チグラーナッタ型触媒では問題とな
り難かった循環ガスラインおよび/または熱交換器での
樹脂の成長による問題が顕在化した。つまり循環ガスに
同伴した微粒子ポリマーおよび/または触媒が循環ガス
ライン壁などに付着し、循環ガスにより成長して循環ガ
スラインなどを閉塞するか、または成長した後に剥離し
て気相重合器のガス分散板を閉塞して、流動床を不安定
化させたり、場合によっては全く運転不可能となること
があった。
【0009】このため、メタロセン系触媒の存在下に、
オレフィンを連続的に気相重合させるに際して、流動床
内でポリマー塊などを発生することがなく、また循環ガ
スラインなどにおいて循環ガスに同伴した微粒子ポリマ
ーおよび/または触媒が循環ガスライン壁などに付着し
た後の成長を停止または抑制することができ、しかも流
動床内における流動性に優れるなど粒子性状に優れたオ
レフィン(共)重合体を長期間に亘って安定して製造す
ることができるオレフィンの気相重合方法の出現が望ま
れていた。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、メタロセン系触媒を用いてオ
レフィンを気相重合する際に、粒子性状に優れたオレフ
ィン(共)重合体が得られ、しかも長期間に亘って安定
して製造することができるようなオレフィンの気相重合
方法を提供することを特徴としている。
【0011】
【発明の概要】本発明に係るオレフィンの気相重合方法
は、(A)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を
含むIVB族の遷移金属化合物と、(B)有機アルミニウ
ムオキシ化合物と、(C)粒子状担体とから形成される
固体状触媒を用いてオレフィンを気相重合するに際し、
モノマー分圧を全圧の40〜90%の範囲とするか、ま
たはモノマー分圧を8〜41kg/cm2 の範囲とする
ことを特徴としている。
【0012】本発明では、モノマー分圧を8〜41kg
/cm2 の範囲とし、かつ全圧の40〜90%とするこ
とが好ましい。また本発明では、上記のような触媒を用
いてオレフィンを気相重合するに際し、流動床中の線速
を0.55〜1.5m/秒とすることを特徴としてい
る。
【0013】本発明では、流動床中の線速を0.55〜
1.5m/秒とし、モノマー分圧を8〜41kg/cm
2 の範囲とし、かつ全圧の40〜90%とすることが好
ましい。
【0014】本発明に係るオレフィンの気相重合方法に
よると、粒子性状に優れたオレフィン(共)重合体が得
られ、しかも長期間に亘って安定して製造することがで
きる。
【0015】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るオレフィンの
気相重合方法について具体的に説明する。なお、本明細
書において「重合」という語は、単独重合だけでなく、
共重合をも包含した意味で用いられることがあり、「重
合体」という語は、単独重合体だけでなく、共重合体を
も包含した意味で用いられることがある。
【0016】本発明に係るオレフィンの気相重合方法で
は、(A)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を
含むIVB族の遷移金属化合物と、(B)有機アルミニウ
ムオキシ化合物と、(C)粒子状担体とから形成される
固体状触媒の存在下にオレフィンを重合している。
【0017】まず、本発明に係るオレフィンの気相重合
方法で用いられる各触媒成分について説明する。本発明
で用いられる(A)シクロペンタジエニル骨格を有する
配位子を含むIVB族の遷移金属化合物としては、下記一
般式(I)で表される化合物を例示することができる。
【0018】MLX … (I) 式中、MはIVB族の遷移金属原子から選ばれる1種の遷
移金属原子を示し、好ましくはジルコニウム、チタンま
たはハフニウムである。
【0019】xは遷移金属の原子価であり、Lの個数を
示す。Lは、遷移金属に配位する配位子または基を示
し、少なくとも1個のLは、シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子であり、該シクロペンタジエニル骨格を
有する配位子以外のLは炭素原子数が1〜12の炭化水
素基、アルコシキ基、アリーロキシ基、トリアルキルシ
リル基、SO3R(ただし、Rはハロゲンなどの置換基
を有していてもよい炭素原子数が1〜8の炭化水素
基)、ハロゲン原子、および水素原子からなる群より選
ばれる1種の基または原子である。
【0020】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえばシクロペンタジエニル基;メチルシ
クロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル
基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチル
シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジ
エニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチ
ルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエ
ニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチ
ルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタ
ジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのア
ルキル置換シクロペンタジエニル基;インデニル基;ア
ルキル置換インデニル基;4,5,6,7-テトラヒドロインデ
ニル基;フルオレニル基などを例示することができる。
これらの基はハロゲン原子、トリアルキルシリル基など
が置換していてもよい。
【0021】これらのシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子の中では、アルキル置換シクロペンタジエニル
基が特に好ましい。上記一般式(I)で表される化合物
が、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以
上含む場合、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格
を有する配位子同士は、エチレン、プロピレンなどのア
ルキレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンな
どの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリ
レン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレ
ン基などの置換シリレン基などを介して結合されていて
もよい。
【0022】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子として具体的には、下記のようなものが挙
げられる。炭素原子数が1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などを例示することができ、具体的には、アル
キル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基などが例示され、シクロアルキ
ル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基な
どが例示され、アリール基としては、フェニル基、トリ
ル基などが例示され、アラルキル基としては、ベンジル
基、ネオフィル基などが例示される。
【0023】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、ブトキシ基などが例示される。アリーロキシ基
としては、フェノキシ基などが例示される。
【0024】トリアルキルシリル基としては、トリメチ
ルシリル基、トリエチルシリル基などが例示される。S
3Rで表される配位子としては、p-トルエンスルホナ
ト基、メタンスルホナト基、トリフルオロメタンスルホ
ナト基などが例示される。
【0025】ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素などが例示される。本発明で用いられる遷移金属
化合物(A)は、たとえば遷移金属原子の原子価が4で
ある場合、より具体的には下記一般式(I')で表され
る。
【0026】R1 k2 l3 m4 nM … (I') 式中、Mは前記と同様の遷移金属化合物である。R
1 は、前記Lと同様のシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子である。
【0027】R2 、R3 およびR4 は、互いに同一でも
異なっていてもよく、前記Lと同様のシクロペンタジエ
ニル骨格を有する配位子、炭素原子数が1〜12の炭化
水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキル
シリル基、SO3R、ハロゲン原子および水素原子から
なる群より選ばれる1種の基または原子である。
【0028】kは1以上の整数であり、lは0または1
であり、mは0または1であり、nは0または1であ
り、k+l+m+n=4である。本発明では上記一般式
(I')においてR2 、R3 およびR4 のうち1個がシク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子である遷移金属化
合物、たとえばR1 およびR2 がシクロペンタジエニル
骨格を有する配位子である遷移金属化合物が好ましく用
いられる。これらのシクロペンタジエニル骨格を有する
配位子同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキレン
基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換
アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン、ジ
フェニルシリレン、メチルフェニルシリレン基などの置
換シリレン基などの結合基介して結合されていてもよ
い。この場合、R3 およびR4 は、アルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、SO
3R、ハロゲン原子および水素原子からなる群より選ば
れる1種の基または原子である。
【0029】以下に、Mがジルコニウムである遷移金属
化合物について具体的な化合物を例示する。ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)
ジルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジルコニ
ウムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(4,5,6,7-テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビ
ス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスル
ホナト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビ
ス(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリ
レンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエ
ニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェ
ニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)
メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シ
クロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムモノ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジル
コニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)
ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウム
モノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフ
ェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ベンジルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(p-トルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、ビス(エチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルエチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビ
ス(メタンスルホナト)、ビス(トリメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド。
【0030】なお上記例示において、シクロペンタジエ
ニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置
換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロピ
ル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、tert-
などの異性体を含む。
【0031】本発明では、遷移金属化合物(A)とし
て、上記のようなジルコニウム化合物中のジルコニウム
金属を、チタン金属またはハフニウム金属に置換えた化
合物を用いることもできる。
【0032】これらの化合物は単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。また炭化水素あ
るいはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。本
発明では、遷移金属化合物(A)として、中心の金属原
子がジルコニウムであり、少なくとも2個のシクロペン
タジエニル骨格を含む配位子を有するジルコニウム化合
物が好ましく用いられる。
【0033】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物(B)として具体的には、従来公知のアルミノ
キサンおよび特開平2-78687号公報に例示されて
いるようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化
合物が挙げられる。
【0034】従来公知のアルミノキサンは、後述するよ
うな(D)有機アルミニウム化合物からたとえば下記の
ような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、有機アルミニウム化合物と吸着水または結
晶水と反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を
作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0035】なお、該アルミノキサンは、少量の有機金
属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミ
ノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウ
ム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解あるいは
アルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0036】上記のような(B)有機アルミニウムオキ
シ化合物は、固体状メタロセン系触媒(遷移金属原子換
算)1モルに対して、通常5〜1000モル、好ましく
は10〜400モルの量で用いられることが望ましい。
【0037】本発明で用いられる粒子状担体(C)とし
ては、具体的に、SiO2 、Al23 、MgO、Zr
2 、TiO2 、B23 、CaO、ZnO、BaO、
ThO2 など、またはこれらを含む混合物、たとえばS
iO2-MgO、SiO2-Al 23 、SiO2-Ti
2 、SiO2-V25 、SiO2-Cr23 、SiO2-
TiO2-MgOなどの無機担体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ 1-ブテン、ポリ 4-メチル-1-ペンテ
ン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などの有機担
体を用いることができる。
【0038】これらの中でSiO2 、Al23 および
Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種の成分を主
成分とするものが好ましく、特にSiO2 が好ましい。
これらは、2種以上組合せて用いることもできる。
【0039】本発明で用いられる微粒子状担体(C)
は、平均粒径が、1〜300μm、好ましくは10〜2
00μmの範囲にあることが望ましく、比表面積が、5
0〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2
gの範囲にあることが望ましく、細孔容積が、0.3〜
2.5cm3/gの範囲にあることが望ましい。
【0040】本発明で用いられる固体状触媒は、前記遷
移金属化合物(A)、有機アルミニウムオキシ化合物
(B)および微粒子状担体(C)から形成されている
が、必要に応じて下記のような有機アルミニウム化合物
(D)を含有していてもよい。
【0041】本発明で(D)有機アルミニウム化合物と
して用いられ、また上述したようなアルミノキサンを調
製する際にも用いられる有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプ
ロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウ
ム、トリtert- ブチルアルミニウム、トリペンチルアル
ミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルア
ルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキ
ルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ト
リシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキ
ルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエ
チルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロ
ミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアル
キルアルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイ
ドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなど
のジアルキルアルミニウムハイドライド、ジメチルアル
ミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド
などのジアルキルアルミニウムアルコキシド、ジエチル
アルミニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウ
ムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0042】これらのうち、トリアルキルアルミニウム
およびトリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、ト
リアルキルアルミニウムがより好ましく、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが特に好まし
い。
【0043】また有機アルミニウム化合物として、下記
一般式で表わされるイソプレニルアルミニウムを用いる
こともできる。 (i-C49x Aly (C5 10z (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。)これらは、2種以上の組合せであってもよい。
【0044】なお本発明で必要に応じて用いられる
(D)有機アルミニウム化合物は、少量のアルミニウム
以外の金属成分を含有していてもよい。本発明で用いら
れる固体状触媒は、上記のような(A)遷移金属化合物
と、(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、(C)粒
子状担体と、必要に応じて(D)有機アルミニウム化合
物とから従来公知の方法、たとえば前記各成分を不活性
炭化水素媒体中で接触させることにより形成される。
【0045】固体状触媒を調製するに際して、(A)遷
移金属化合物(遷移金属原子換算)は、(C)粒子状担
体1g当り、通常0.001〜1.0ミリモル、好まし
くは0.01〜0.5ミリモルの量で、(B)有機アル
ミニウムオキシ化合物は、通常0.1〜100ミリモ
ル、好ましくは0.5〜20ミリモルの量で、(D)有
機アルミニウム化合物は通常0.001〜1000ミリ
モル、好ましくは2〜500ミリモルの量で用いられ
る。
【0046】また本発明で用いられる固体状触媒は、上
記のような触媒成分とともに、必要に応じて電子供与
体、反応助剤などのオレフィン重合に有用な他の成分を
含んでいてもよい。
【0047】なお本発明で用いられる固体状触媒は、上
記のような固体状触媒に、オレフィンが予備重合されて
いてもよい。予備重合は、たとえば上記固体触媒成分の
存在下で不活性炭化水素媒体中にオレフィンを導入する
ことにより行うことができる。
【0048】本発明で用いられる固体状触媒は、オレフ
ィンを優れた重合活性で(共)重合させることができ
る。本発明においては、上記のような固体状触媒を用い
て、オレフィンの重合を行うが、重合に際しては、この
固体状触媒とともに、上記のような(D)有機アルミニ
ウム化合物を用いることもできる。
【0049】一般的に高活性チグラーナッタ型、高活性
メタロセン型触媒は、水、アルコール、酸素、二酸化炭
素、一酸化炭素などの不純物によって活性が阻害され易
く、本不純物は種パウダー、モノマー、イナートガスな
どに含まれることがある。この場合の活性阻害防止剤と
して有機アルミニウム化合物、好ましくはトリアルキル
アルミニウムを添加することにより活性阻害物質による
触媒活性の低減を防止することができるが、有機アルニ
ミウム化合物を添加すると樹脂中のアッシュ分が増加
し、製品品質の低下の原因となることがあり、更に有機
アルミニウム化合物も微弱ながら触媒に対して活性阻害
効果があることも知られている。この為、上記のような
活性阻害物質が含まれている間は有機アルミニウム化合
物(D)を添加することは有意義であるが活性阻害物質
が含まれない系では有機アルミニウム化合物(D)を用
いないことが好ましい。従って、気相重合を行うに当た
っては活性阻害物質が含まれている間、又は活性阻害物
質が混入した及び又は混入し続ける場合に限り有機アル
ミニウム化合物(D)を添加することが望ましい。
【0050】(D)有機アルミニウム化合物は、固体状
触媒(遷移金属原子換算)1モルに対して、通常1〜1
000モル、好ましくは2〜300モルの量で用いられ
ることが望ましい。
【0051】本発明では、上記のような固体状触媒は、
固体粉末状態で反応系に供給してもよく、また炭化水素
媒体のスラリーとして反応系に供給してもよい。このよ
うな炭化水素媒体としては、具体的には、後述するよう
な非重合性炭化水素が挙げられる。
【0052】本発明に係るオレフィンの気相重合方法
は、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下にオレ
フィンを重合させる。ここで、オレフィンの気相重合方
法を図1を参照しながら詳細に説明する。
【0053】上記のような固体状触媒1は、たとえばラ
イン2を介して流動床反応器3に供給される。固体状触
媒1は、重合容積1リットル当り(A)遷移金属化合物
中の遷移金属原子に換算して、通常0.00001〜
1.0ミリモル/時間、好ましくは0.0001〜0.
1ミリモル/時間の量で用いられることが望ましい。
【0054】ガス状の重合オレフィンなどは、たとえば
ライン9から連続的に供給され、循環ガスブロワー7に
より、循環ライン6を介して流動床反応器3下方から多
孔板などのガス分散板4を介して吹き込まれる。これに
より、流動床(反応系)5を流動状態に保持される。こ
のような固体状触媒1が流動状態に保持された流動床5
に吹き込まれたオレフィンは、ここで重合反応して、ポ
リマー粒子〔オレフィン(共)重合体〕が生成する。生
成したポリマー粒子は、ライン11を介して流動床反応
器3から連続的に抜き出される。流動床5を通過した未
反応のガス状のオレフィンなどは、流動床反応器3上方
に設けられた減速域3aで減速されて流動床反応器3外
に排出され、熱交換器8において重合熱が除去されて循
環ライン6から再び流動床5に循環される。このような
重合は、二段以上の多段で行うこともできる。
【0055】本発明では、流動床(反応系)5を機械的
に攪拌することもできる。攪拌は、イカリ型攪拌機、ス
クリュウ型攪拌機、リボン型攪拌機など種々の型式の攪
拌機を用いて行うことができる。
【0056】重合に際して、必要に応じて水素のような
分子量調節剤を用いることもでき、流動床反応器3の任
意の場所、たとえばライン9から供給することができ
る。ここで、本発明で用いられるオレフィンとしては、
炭素数2〜18のα−オレフィンが好ましく挙げられ、
たとえば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1ーペンテ
ン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペ
ンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセ
ン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘ
キサデセン、1-オクタデセンなどが挙げられる。
【0057】さらに、シクロペンテン、シクロヘプテ
ン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラ
シクロドデセン、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4
a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、スチレン、ビニル
シクロヘキサンなども挙げられる。
【0058】本重合においては、これらのオレフィンを
重合あるいは共重合させる。またオレフィンとともに、
ブタジエン、イソプレン、1,4-ヘキサジエン、ジシクロ
ペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネンなどのポ
リエン類を共重合させることもできる。
【0059】本発明では、これらのうち、エチレンと炭
素原子数が3〜18のα−オレフィンとを共重合させて
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を製造するこ
とが好ましい。
【0060】また重合に際しては、窒素などの重合不活
性ガス、またはオレフィン重合条件下においては重合し
ない非重合性炭化水素を共存させることができる。この
非重合性炭化水素としては、易揮発性の低沸点非重合性
炭化水素を用いてもよい。この該低沸点非重合性炭化水
素は低温において凝縮しやすく、たとえば循環ライン6
に設けられた凝縮器(図示せず)などにおいて水などの
一般的な冷媒によって容易に液化しうるものであること
が好ましい。このような低沸点非重合性炭化水素として
は、具体的に、飽和炭化水素を挙げることができ、さら
に具体的には、たとえば、プロパン、n-ブタン、i-ブタ
ン、n-ペンタン、i-ペンタン、シクロペンタンを挙げる
ことができる。これらのうち、プロパンが好ましい。こ
れらは、単独でまたは組み合わせて用いることができ
る。
【0061】重合に際して、オレフィンなどは、通常、
一定のガス組成を維持することができるような流量で供
給される。また、反応系を良好な流動状態に保持するに
は、循環ガスは、通常、流動床中での線速が0.55〜
1.5m/秒、好ましくは0.6〜1.2m/秒、より
好ましくは0.7〜1.0m/秒となるような流量で供
給される。
【0062】また、循環ガスの供給量は、流動床中の線
速ではなく流動反応装置の減速部(減速域)の最大径で
の線速でコントロールしてもよい。具体的には、通常、
減速部の最大径での線速が、通常0.2〜0.8m/
秒、好ましくは0.3〜0.6m/秒となるような流量
で供給される。
【0063】メタロセン系触媒を用いてオレフィンを気
相重合するに際し、流動床中の線速を0.55〜1.5
m/秒の範囲とすると、反応器内部でのファウリングお
よびシーティングが防止できる。また、導伝率の高いモ
ノマーにより重合体粒子の静電気を除去することがで
き、しかも静電気が帯電した重合体粒子が反応器壁面へ
の付着を防止することができる。さらに、重合体粒子が
反応器壁に付着物した場合でも速やかに壁面から除去す
ることが可能となりシートポリマーの発生やポリマー塊
の発生を抑制することができる。
【0064】また、流動床中の線速を0.55〜1.5
m/秒の範囲とすると、同一の気相重合装置を用いた場
合、循環ガスの速度が大きくなるので、微粒子重合体の
発生や未成長のままの触媒粒子が循環ラインおよび/ま
たは熱交換器に付着し難く、微粒子重合体などが循環ラ
インなどに付着した場合であっても、循環ガスまたは循
環ガスに搬送される微粒子重合体などによって取り除か
れ再度反応器に循環する。
【0065】上記のように流動床5の温度が均一に保持
された条件下であれば、(共)重合反応は、20〜13
0℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60
〜100℃の温度で実施される。
【0066】重合圧力は、重合されるオレフィンおよび
流動床(反応系)5の流動状態によっても異なるが、通
常、1〜1 00kg/cm2 、好ましくは2〜40kg
/cm2 の範囲で実施される。
【0067】このときのモノマー分圧は、通常8〜41
kg/cm2 、好ましくは10〜28kg/cm2 の範
囲にあることが望ましい。また、モノマー分圧は、全圧
に対して、通常40〜90%、好ましくは50〜80%
の範囲にあることが望ましい。
【0068】メタロセン系触媒を用いてオレフィンを気
相重合するに際し、モノマー分圧を全圧の40〜90%
の範囲とするか、あるいはモノマー分圧を8〜41kg
/cm2 の範囲とすると、触媒活性が向上し、流動床中
の重合体粒子のサイズが大きくなるため、微粒子重合体
の発生や未成長のままの触媒粒子の量が削減される。こ
のため反応器内部においてファウリングが防止され、シ
−ティングも防止される。また、循環ガスラインへの微
粒子重合体および/または触媒の同伴が抑制され、循環
ガスライン、熱交換器、ガス分散板などの閉塞が抑制さ
れる。
【0069】さらに、導伝率の高いモノマー成分が多く
なるため、静電気の発生が抑制され、流動床中での重合
体粒子の流動性が改善されるため、シーティングやポリ
マー塊の発生が防止される。
【0070】本発明では、オレフィンを(共)重合する
に際して、モノマー分圧が8〜41kg/cm2 、好ま
しくは10〜28kg/cm2 の範囲にあり、かつモノ
マー分圧が全圧の40〜90%、好ましくは50〜80
%の範囲にあることが望ましく、モノマー分圧が8〜4
1kg/cm2 、好ましくは10〜28kg/cm2
範囲にあり、かつ流動床中での線速が0.55〜1.5
m/秒、好ましくは0.6〜1.2m/秒、より好まし
くは0.7〜1.0m/秒の範囲にあることがより望ま
しく、モノマー分圧が全圧の40〜90%、好ましくは
50〜80%の範囲にあり、かつ流動床中での線速が
0.55〜1.5m/秒、好ましくは0.6〜1.2m
/秒、より好ましくは0.7〜1.0m/秒の範囲にあ
ることがさらに望ましく、モノマー分圧が8〜41kg
/cm2 、好ましくは10〜28kg/cm2 の範囲に
あり、モノマー分圧が全圧の40〜90%、好ましくは
50〜80%の範囲にあり、かつ流動床中での線速が
0.55〜1.5m/秒、好ましくは0.6〜1.2m
/秒、より好ましくは0.7〜1.0m/秒の範囲にあ
ることが特に望ましい。
【0071】このようにモノマー分圧の条件および流動
床中の線速の条件を組み合わせることにより上述した効
果がさらに大きくなる。本発明では、オレフィン(共)
重合体のうちでも、特にエチレンから誘導される構成単
位を、75〜98重量%、好ましくは80〜97重量%
で、炭素数3以上のα−オレフィンから誘導される構成
単位を、3〜25重量%、好ましくは3〜20重量%で
含有する低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体
いわゆる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が特
に好ましく製造される。
【0072】このような本発明により得られるオレフィ
ン(共)重合体は、通常、平均粒径500〜5000μ
m、好ましくは700〜3000μmの球状の粒子とし
て得られる。
【0073】また本発明により得られるオレフィン
(共)重合体は、オレフィン重合体の種類によっても異
なるが、MI(メルトインデックス)は、通常0.00
1〜1000g/10分、好ましくは0.01〜100g
/10分の範囲にあることが望ましく、密度は、通常0.
89〜0.97g/cm3 、好ましくは0.90〜0.
95g/cm3 の範囲にあることが望ましい。またこの
オレフィン(共)重合体の粒子は、嵩密度は、通常0.
30g/cm3 以上、好ましくは0.40g/cm 3
上である。
【0074】
【発明の効果】メタロセン系触媒を用いてオレフィンを
気相重合するに際し、モノマー分圧を全圧の40〜90
%の範囲とすると、反応器内部においてファウリングが
防止され、シ−ティングも防止できるとともに、循環ガ
スライン、熱交換器、ガス分散板などの閉塞が抑制され
る。また、流動床中での重合体粒子の流動性が改善さ
れ、シーティングやポリマー塊の発生が防止される。
【0075】メタロセン系触媒を用いてオレフィンを気
相重合するに際し、モノマー分圧を8〜41kg/cm
2 の範囲とすると、反応器内部においてファウリングが
防止され、シ−ティングも防止されるとともに、循環ガ
スライン、熱交換器、ガス分散板などの閉塞が抑制され
る。また、流動床中での重合体粒子の流動性が改善さ
れ、シーティングやポリマー塊の発生が防止される。
【0076】メタロセン系触媒を用いてオレフィンを気
相重合するに際し、流動床中の線速を0.55〜1.5
m/秒の範囲とすると、反応器内部でのファウリングお
よびシーティングが防止できる。
【0077】また、流動床中の線速を0.55〜1.5
m/秒の範囲とすると、同一の気相重合装置を用いた場
合、循環ガスの速度が大きくなるので、循環ラインおよ
び/または熱交換器の閉塞を防止することができる。
【0078】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0079】
【実施例1】 [触媒の調製]250℃で10時間乾燥したシリカ(S
iO2 )10kgを、154リットルのトルエンに懸濁
した後、0℃まで冷却した。この懸濁液に、メチルアミ
ノキサンのトルエン溶液(Al=1.33モル/リット
ル)82.0リットルを1時間かけて滴下した。この
際、系内の温度を0℃に保った。引続き0℃で30分間
反応させ、次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、
その温度で20時間反応させた。その後60℃まで降温
し、上澄液をデカンテーションにより除去した。このよ
うにして得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した
後、トルエン100リットルで再懸濁した。
【0080】このようにして得られた懸濁液に、ビス
(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドのトルエン溶液(Zr=27.0ミリモル/リ
ットル)24.0リットルを80℃で30分間かけて滴
下し、さらに80℃で2時間反応させた。その後、上澄
液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することにより、シリ
カ1g当り5.1mgのジルコニウムと189mgのア
ルミニウムとを含有する固体状触媒を得た。得られた固
体状触媒は、ほぼ球形の形状の良い触媒であった。この
固体状触媒をプロパンの懸濁液とした。
【0081】[気相重合]図1に示すような反応系5の
直径が100cmφ、高さが180cm、流動層容積1
400リットル、減速域3aの最大直径140cmφか
らなる流動床反応器3(連続式重合装置)により、エチ
レンと1-ヘキセンとを連続的に気相共重合させた。
【0082】流動床反応器3の流動床5内に、上記のよ
うにして得られた固体状触媒を、Zr原子に換算して
0.46ミリモル/時間の量で、エチレンを75kg/
時間、1-ヘキセンを7.2kg/時間および水素を75
リットル/時間の割合でライン9から連続的に供給し
た。
【0083】気相重合器内の重合条件は、圧力20kg
/cm2 G、重合温度85℃、滞留時間4.2時間、気
相重合器内の流動用循環ガス線速を70cm/秒に保持
した。
【0084】気相重合器内のガス組成は、エチレン7
3.0モル%、1-ヘキセン1.6モル%、水素330p
pmで残りは窒素であった。生成したポリエチレン(L
LDPE)を、81kg/時間の量でライン11から連
続的に抜き出した。
【0085】上記のようにして得られたポリエチレン
は、MI(メルトインデックス)が3.8g/10分であ
り、密度が0.920g/cm3 であり、重合体粒子の
平均粒径が1030μmであり、嵩比重が0.35g/
cm3 であり、落下秒数が6.6秒であり、安息角が3
3°である極めて流動性のよい粒子であった。
【0086】上記のような条件下で、300時間の連続
運転を実施したが、気相重合器は安定しており、反応器
からの重合体粒子の排出もスムーズであり、極めて安定
した運転が可能であった。
【0087】また、流動床内ならびに流動床壁面の温度
監視のため分散板よりの高さ200mm、600mm、
1000mm、1400mmの内周方向90度ごとに各
4点づつ計16点の流動床壁面の温度分布を連続的に測
定したが、設定重合温度に対して温度変動は、1〜2℃
であり、この状態で300時間以上の連続運転ができ
た。長期の安定運転性および重合体粒子の取扱いの点で
極めて有効であった。
【0088】なお、本実施例における前記落下秒数と
は、ASTM D−1775に準じたドライフローテス
トにおいて測定されるフロータイムであり、容積100
cm3の重合体粒子を円錐状漏斗(ASTM D−18
95で用いられる)に入れ、0.95±0.08cmの
口径を有する漏斗口から重力落下により流出が終了する
までの時間を意味する。
【0089】
【実施例2】実施例1において、固体状触媒を、Zr原
子に換算して0.90ミリモル/時間の量で反応器に供
給し、重合圧力を8kg/cm2 、気相重合器内部のガ
ス組成をエチレン66.5モル%、1-ヘキセン1.1モ
ル%、水素250ppmで残りは窒素とした以外は実施
例1と同様に行った。
【0090】生成したポリエチレン(LLDPE)を、
80kg/時間の量でライン11から連続的に抜き出し
た。上記のようにして得られたポリエチレンは、MI
(メルトインデックス)が4.2g/10分であり、密度
が0.921g/cm3 であり、平均粒径が790μm
でありである極めて流動性のよい粒子であった。
【0091】上記のような条件下で、300時間の連続
運転を実施したが、気相重合器は安定しており、反応器
からの重合体粒子の排出もスムーズであり、極めて安定
した運転が可能であったが小塊の排出が認められた。
【0092】
【実施例3】実施例1において、固体状触媒を、Zr原
子に換算して0.77ミリモル/時間の量で反応器に供
給し、重合圧力を28kg/cm2 、気相重合器内部の
ガス組成をエチレン34.0モル%、1-ヘキセン0.8
モル%、水素150ppmで残りは窒素とした以外は実
施例1と同様に行った。
【0093】生成したポリエチレン(LLDPE)を、
79kg/時間の量でライン11から連続的に抜き出し
た。上記のようにして得られたポリエチレンは、MI
(メルトインデックス)が3.7g/10分であり、密度
が0.918g/cm3 であり、平均粒径が850μm
でありである極めて流動性のよい粒子であった。
【0094】上記のような条件下で、300時間の連続
運転を実施したが、気相重合器は安定しており、反応器
からの重合体粒子の排出もスムーズであり、極めて安定
した運転が可能であったが小塊の排出が認められた。
【0095】
【実施例4】実施例1において、固体状触媒を、Zr原
子に換算して0.47ミリモル/時間の量で反応器に供
給し、気相重合器内の流動用循環ガス線速を40cm/
秒に保持し、気相重合器内部のガス組成をエチレン7
0.5モル%、1-ヘキセン1.6モル%、水素330p
pmで残りは窒素とした以外は実施例1と同様に行っ
た。
【0096】生成したポリエチレン(LLDPE)を、
82kg/時間の量でライン11から連続的に抜き出し
た。上記のようにして得られたポリエチレンは、MI
(メルトインデックス)が4.1g/10分であり、密度
が0.919g/cm3 であり、平均粒径が1000μ
mでありである極めて流動性のよい粒子であった。
【0097】上記のような条件下で、300時間の連続
運転を実施したが、気相重合器は安定しており、反応器
からの重合体粒子の排出もスムーズであり、極めて安定
した運転が可能であったが小塊の排出が認められた。
【0098】
【比較例1】実施例1において、固体状触媒を、Zr原
子に換算して1.93ミリモル/時間の量で反応器に供
給し、気相重合器内の流動用循環ガス線速を40cm/
秒に保持し、気相重合器内部のガス組成をエチレン2
0.5モル%、1-ヘキセン0.5モル%、水素95pp
mで残りは窒素とした以外は実施例1と同様に行った。
【0099】生成したポリエチレン(LLDPE)を、
80kg/時間の量でライン11から連続的に抜き出し
た。上記のようにして得られたポリエチレンは、MI
(メルトインデックス)が4.0g/10分であり、密度
が0.920g/cm3 であり、平均粒径が590μm
であった。
【0100】上記のような条件下で、運転したところ反
応器が不安定で24時間で反応停止せざるを得なくなっ
た。
【0101】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 流動床反応器を用いた本発明に係るオレフィ
ンの気相重合プロセスを示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)シクロペンタジエニル骨格を有する
    配位子を含むIVB族の遷移金属化合物と、(B)有機ア
    ルミニウムオキシ化合物と、(C)粒子状担体とから形
    成される固体状触媒を用いてオレフィンを気相重合する
    に際し、モノマー分圧を全圧の40〜90%の範囲とす
    ることを特徴とするオレフィンの気相重合方法。
  2. 【請求項2】(A)シクロペンタジエニル骨格を有する
    配位子を含むIVB族の遷移金属化合物と、(B)有機ア
    ルミニウムオキシ化合物と、(C)粒子状担体とから形
    成される固体状触媒を用いてオレフィンを気相重合する
    に際し、モノマー分圧を8〜41kg/cm2 の範囲と
    することを特徴とするオレフィンの気相重合方法。
  3. 【請求項3】(A)シクロペンタジエニル骨格を有する
    配位子を含むIVB族の遷移金属化合物と、(B)有機ア
    ルミニウムオキシ化合物と、(C)粒子状担体とから形
    成される固体状触媒を用いてオレフィンを気相重合する
    に際し、モノマー分圧を8〜41kg/cm2 の範囲と
    し、かつ全圧の40〜90%の範囲とすることを特徴と
    する重合方法
  4. 【請求項4】(A)シクロペンタジエニル骨格を有する
    配位子を含むIVB族の遷移金属化合物と、(B)有機ア
    ルミニウムオキシ化合物と、(C)粒子状担体とから形
    成される固体状触媒を用いてオレフィンを気相重合する
    に際し、流動床中の線速を0.55〜1.5m/秒の範
    囲とすることを特徴とするオレフィンの気相重合方法。
  5. 【請求項5】(A)シクロペンタジエニル骨格を有する
    配位子を含むIVB族の遷移金属化合物と、(B)有機ア
    ルミニウムオキシ化合物と、(C)粒子状担体とから形
    成される固体状触媒を用いてオレフィンを気相重合する
    に際し、流動床中の線速を0.55〜1.5m/秒の範
    囲とし、モノマー分圧を8〜41kg/cm2の範囲と
    し、かつ全圧の40〜90%とすることを特徴とするオ
    レフィンの気相重合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007291404A (ja) * 1998-07-10 2007-11-08 Univation Technologies Llc 触媒組成物並びにその調製方法及び重合プロセスにおける使用

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