JP3455960B2 - オレフィンのスラリー重合法 - Google Patents

オレフィンのスラリー重合法

Info

Publication number
JP3455960B2
JP3455960B2 JP01365095A JP1365095A JP3455960B2 JP 3455960 B2 JP3455960 B2 JP 3455960B2 JP 01365095 A JP01365095 A JP 01365095A JP 1365095 A JP1365095 A JP 1365095A JP 3455960 B2 JP3455960 B2 JP 3455960B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
olefin
bis
ethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP01365095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08208717A (ja
Inventor
井 俊 之 筒
本 邦 雄 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP01365095A priority Critical patent/JP3455960B2/ja
Publication of JPH08208717A publication Critical patent/JPH08208717A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3455960B2 publication Critical patent/JP3455960B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、オレフィンのスラリー重
合法に関し、さらに詳しくは、高活性で粒子性状に優れ
たエチレン系重合体が得られるようなオレフィンのスラ
リー重合法に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から、ジルコノセンなどの
期表第4族遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニ
ウムオキシ化合物(アルミノキサン)とからなるメタロ
セン系触媒の存在下にオレフィンを(共)重合させる方
法が知られており、このようなメタロセン系触媒を用い
てオレフィンを(共)重合させると、優れた重合活性で
オレフィン(共)重合体が得られることが知られてい
る。
【0003】ところで従来からメタロセン系触媒を用い
たスラリー重合法により低密度のオレフィン(共)重合
体を高い生産性で製造することは困難であった。すなわ
ち高いスラリー濃度でオレフィン(共)重合体を製造し
ようとすると、得られたオレフィン(共)重合体が塊状
となったり、オレフィン(共)重合体が重合器壁へ付着
して安定的にオレフィン(共)重合体を製造できなくな
ることがあった。
【0004】メタロセン系触媒を用いたスラリー重合法
によりオレフィンを製造する例としては、特開昭61−
108610号公報に、(A) 一般式(シクロペンタジエ
ニル)2 MRm 2-m (M=Ti又はZr、Rは炭素数
1〜6個のアルキル基、Xはハロゲン原子、m=0〜2
の数)で示される遷移金属化合物及び(B) トリアルキル
アルミニウムと水との反応生成物とを(C) 無機酸化物担
体に担持することによって得られる固体触媒成分の存在
下に、スラリー重合によりポリオレフィンを製造するこ
とが開示されている。また、実施例には、重合媒体とし
てイソブタンを用いたことが記載され、密度が0.92
1g/cm3 であるエチレン・1-ブテン共重合体を製造
したことが記載されている。しかしながらオレフィンの
(共)重合は、高いスラリー濃度で行われていない。
【0005】本発明者らは、このような従来技術におけ
る問題点に鑑み鋭意検討した結果、特定の条件下で重合
を行うと高いスラリー濃度でオレフィンを(共)重合で
きることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、高活性で粒子性状に優れたエ
チレン系重合体が得られ、かつ重合器壁の汚れが少ない
ようなオレフィンのスラリー重合法を提供することを目
的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るオレフィンのスラリー重合
法は、 (A)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む
周期表第4族遷移金属化合物と、 (B)有機アルミニウムオキシ化合物と、 (C)微粒子状担体と、(E)−(CH 2 CH 2 O) n Hまたは−{CH 2 CH
(CH 3 )O} n H(但し、nは2〜30)を有するエ
ーテル化合物と、 必要に応じて、 (D)有機アルミニウム化合物からなる固体状オレフィ
ン重合用触媒の存在下、炭化水素媒体中においてスラリ
ー濃度100g/リットル以上で、エチレンを単独重合
するか、あるいはエチレンと炭素原子数が3以上のオレ
フィンとを共重合して、密度が0.950g/cm3
下であるエチレン系重合体を製造することを特徴として
いる。
【0008】本発明では前記炭化水素媒体は、炭素原子
数3または4の脂肪族炭化水素であることが好ましい。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るオレフィンの
スラリー重合法について具体的に説明する。なお、本明
細書において「重合」という語は、単独重合だけでな
く、共重合をも包含した意味で用いられることがあり、
「重合体」という語は、単独重合体だけでなく、共重合
体をも包含した意味で用いられることがある。
【0010】本発明に係るオレフィンのスラリー重合法
は、(A)周期表第4族族遷移金属化合物と、(B)有
機アルミニウムオキシ化合物と、(C)微粒子状担体
と、(E)エーテル化合物と、必要に応じて(D)有機
アルミニウム化合物とからなる固体状オレフィン重合用
触媒の存在下に、炭化水素媒体中において、エチレンを
単独重合するか、あるいはエチレンと炭素原子数が3以
上のオレフィンとを共重合している。
【0011】まず、本発明で用いられる固体状オレフィ
ン重合用触媒を形成する各成分について説明する。固体
状オレフィン重合用触媒を形成する(A)シクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族遷移金
属化合物としては、下記式(I)で表される化合物を例
示することができる。
【0012】MLX … (I) 式中、Mは、周期表第4族の遷移金属であり、具体的に
は、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムである。
【0013】Lは、遷移金属に配位する配位子(基)で
あり、少なくとも1個のLは、シクロペンタジエニル骨
格を有する配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を
有する配位子以外のLは、炭素数が1〜12の炭化水素
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、ト
リアルキルシリル基、−SO3R(ただし、Rはハロゲ
ンなどの置換基を有していてもよい炭素数1〜8の炭化
水素基である。)または水素原子である。
【0014】xは、遷移金属の原子価であり、Lの個数
を示す。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子とし
ては、例えばシクロペンタジエニル基;メチルシクロペ
ンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ト
リメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロ
ペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル
基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシク
ロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル
基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシ
クロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエ
ニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキ
ル置換シクロペンタジエニル基;インデニル基;4,5,6,
7-テトラヒドロインデニル基;フルオレニル基などを例
示することができる。これらの基はハロゲン原子、トリ
アルキルシリル基などが置換していてもよい。
【0015】これらの遷移金属に配位する配位子の中で
は、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好まし
い。上記一般式(I)で表される化合物が、シクロペン
タジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合、そのう
ち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基は、エチ
レン、プロピレンなどのアルキレン基;イソプロピリデ
ン、ジフェニルメチレンなどのアルキリデン基;シリレ
ン基;ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メ
チルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介
して結合されていてもよい。また、2個以上のシクロペ
ンタジエニル骨格を有する基は、同一であることが好ま
しい。
【0016】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子としては、下記のようなものが挙げられ
る。炭素数が1〜12の炭化水素基として具体的には、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、ペンチル基などのアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニ
ル基、トリル基などのアリール基;ベンジル基、ネオフ
ィル基などのアラルキル基が例示される。
【0017】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、ブトキシ基などが例示される。アリーロキシ基
としては、フェノキシ基などが例示される。
【0018】ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素などが例示される。−SO3Rで表される配位子
としては、p-トルエンスルホナト基、メタンスルホナト
基、トリフルオロメタンスルホナト基などが例示され
る。
【0019】上記一般式(I)で表される化合物は、例
えば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には
下記一般式(I')で表される。 R1 2 3 4 M … (I') (式中、Mは、ジルコニウム、チタンまたはハフニウム
であり、R1 は、シクロペンタジエニル骨格を有する基
であり、R2 、R3 およびR4 は、互いに同一でも異な
っていてもよく、シクロペンタジエニル骨格を有する
基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原
子、トリアルキルシリル基、−SO3Rまたは水素原子
である。) 本発明では上記一般式(I')においてR2 、R3 および
4 のうち1個がシクロペンタジエニル骨格を有する基
である遷移金属化合物、例えばR1 およびR2がシクロ
ペンタジエニル骨格を有する基である遷移金属化合物が
好ましく用いられる。この場合、これらのシクロペンタ
ジエニル骨格を有する基は、アルキレン基、置換アルキ
レン基、アルキリデン基、シリレン基、置換シリレン基
などを介して結合されていてもよい。また、R3 および
4 は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲ
ン原子、トリアルキルシリル基、−SO3Rまたは水素
原子である。
【0020】以下に、Mがジルコニウムである遷移金属
化合物について具体的な化合物を例示する。ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)
ジルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジルコニ
ウムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(4,5,6,7-テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビ
ス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスル
ホナト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビ
ス(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、rac-ジメチル
シリレンビス{1-(2-メチル-4,5-アセナフトシクロペ
ンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレンビス{1-(2-メチル-4,5-ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
ビス{1-(2-メチル-4-イソプロピル-7-メチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレンビス{1-(2-
メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペン
タジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジ
エニル)メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シク
ロペンタジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニ
ウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェ
ニルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハ
イドライド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジル
コニウムモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンス
ルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスル
ホナト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス
(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(エチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メ
チルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチ
ルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムビス(メタンスルホナト)、ビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチル
シリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
など。
【0021】なお、上記例示において、シクロペンタジ
エニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三
置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロピ
ル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、tert-
などの異性体を含む。
【0022】また、本発明では上記のようなジルコニウ
ム化合物において、ジルコニウム金属を、チタン金属ま
たはハフニウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いる
こともできる。
【0023】固体状オレフィン重合用触媒を形成する
(B)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のア
ルミノキサンであってもよく、また特開平2−2768
07号公報で開示されているようなベンゼン不溶性の有
機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0024】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、有機アルミニウム化合物と吸着水または結
晶水とを反応させる方法。
【0025】(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水や
氷や水蒸気を作用させる方法。
【0026】(3)デカン、ベンゼン、トルエン等の媒
体中でトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム
化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシ
ド等の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0027】なお、このアルミノキサンは、少量の有機
金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアル
ミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニ
ウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解しても
よい。
【0028】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-
ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リsec-ブチルアルミニウム、トリtert-ブチルアルミニ
ウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリシクロヘ
キシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム
などのトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルアル
ミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイ
ドライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチル
アルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウム
アルコキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシドなど
のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げら
れる。
【0029】これらのうち、トリアルキルアルミニウム
およびトリシクロアルキルアルミニウムが特に好まし
い。また、この有機アルミニウム化合物として、下記一
般式 (i-C49xAly(C510z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わ
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。
【0030】上記のような有機アルミニウム化合物は、
単独であるいは組合せて用いられる。アルミノキサンの
調製の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ド
デカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化
水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソ
リン、灯油、軽油などの石油留分あるいは上記芳香族炭
化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化
物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が
挙げられる。その他、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの
溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好ましい。
【0031】固体状オレフィン重合用触媒を形成する
(C)微粒子状担体としては、具体的には下記のような
ものが挙げられる。酸性白土、ケイソウ土、軽石などの
天然多孔性鉱物、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、
チタニア、マグネシアなどの無機酸化物、モルデナイ
ト、エリオナイトなどのゼオライト(結晶性アルミノケ
イ酸塩)、モンモリロナイト、バーミキュライト、リン
酸ジルコニウム、フッ素四ケイ素雲母などの層状化合
物、グラファイト、活性炭のような炭素担体、ジビニル
ベンゼン架橋ポリスチレン、ポリアクリル酸エステルな
どの有機化合物担体など。
【0032】これらのうち、無機酸化物が好ましく用い
られる。本発明で用いられる固体状オレフィン重合用触
媒は、前記(A)周期表第4族遷移金属化合物と、
(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、(C)微粒子
状担体とを含んでいるが、必要に応じて(D)有機アル
ミニウム化合物および/または(E)エーテル化合物を
含んでいてもよい。
【0033】このような(D)有機アルミニウム化合物
としては、たとえば下記一般式(II)で表される有機ア
ルミニウム化合物を例示することができる。 Ra nAlX3-n … (II) (式中、Ra は炭素原子数1〜12の炭化水素基を示
し、Xはハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜
3である。) 上記一般式(II)において、Ra は炭素原子数1〜12
の炭化水素基たとえばアルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチ
ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。
【0034】このような有機アルミニウム化合物(D)
としては、具体的には以下のような化合物が挙げられ
る。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチル
ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミ
ニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどの
アルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウ
ムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0035】また有機アルミニウム化合物(D)とし
て、下記一般式(III)で表される化合物を用いること
もできる。 Ra nAlY3-n … (III) (式中、Ra は上記と同様であり、Yは−ORb基、−
OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiR
f 3基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2
であり、Rb、Rc、Rd およびRh はメチル基、エチル
基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などであり、Re は水素原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチ
ルシリル基などであり、Rf およびRg はメチル基、エ
チル基などである。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。 (1)Ra nAl(ORb3-n で表される化合物、たと
えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシ
ドなど、 (2)Ra nAl(OSiRc 33-n で表される化合物、
たとえばEt2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2
l(OSiMe3)、(iso-Bu)2 Al(OSiE
3)など; (3)Ra nAl(OAlRd 23-n で表される化合物、
たとえばEt2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlO
Al(iso-Bu)2 など; (4) Ra nAl(NRe 23-n で表される化合物、たと
えばMe2AlNEt2 、Et2AlNHMe 、Me2Al
NHEt、Et2AlN(SiMe32、(iso-Bu)2
AlN(SiMe32 など; (5)Ra nAl(SiRf 33-n で表される化合物、た
とえば(iso-Bu)2AlSiMe3 など; (6)Ra nAl(N(Rg)AlRh 23-n で表される
化合物、たとえばEt2AlN(Me)AlEt2 、(i
so-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2 など。
【0036】上記一般式(II)または(III)で表され
る有機アルミニウム化合物の中では、一般式Ra 3Al、
a nAl(ORb3-n 、Ra nAl(OAlRd 23-n
で表わされる化合物が好ましく、特にRa がイソアルキ
ル基であり、n=2である化合物が好ましい。
【0037】(E)エーテル化合物としては、−(CH
2 CH2 O)n Hまたは−{CH2CH(CH3 )O}
n H(但し、nは2〜30)を有するエーテル化合物が
挙げられ、具体的には、下記のような化合物などを例示
できる。
【0038】一般式 Cm 2m+1O(CH2 CH2 O)
n H で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、一般式Cm 2m+1O{CH2 CH(CH3 )O}n
H で表されるポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル、一般式 Cm 2m+16 4 O(CH2 CH2 O)
n H で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、一般式 Cm 2m+16 4 O{CH2 CH
(CH3 )O}n H で表されるポリオキシプロピレン
アルキルフェニルエーテル、一般式 (Cm 2m+12
CHO(CH2 CH2 O)n H で表されるポリオキシ
エチレンsec-アルキルエーテル、一般式 (C
m 2m+12 CHO{CH2 CH(CH3 )O}n
で表されるポリオキシプロピレンsec-アルキルエーテ
ル、一般式 (Cm 2m+13 CO(CH2 CH2 O)
n Hで表されるポリオキシエチレン tert-アルキルエー
テル、一般式 (Cm 2m+13 CO{CH2 CH(C
3 )O}n H で表されるポリオキシプロピレン ter
t-アルキルエーテル。
【0039】上記一般式中(Cm 2m+1)で示されるア
ルキル基の炭素原子数を示すmは、1〜30、好ましく
は6〜20、より好ましくは8〜18であることが望ま
しい。また、(CH2 CH2 O)で表されるオキシエチ
レン単位数を示すn、および{CH2 CH(CH3
O}で表されるオキシプロピレン単位数を示すnは、2
〜30、好ましくは3〜20、より好ましくは4〜10
であることが望ましい。
【0040】このような上記一般式で表されるエーテル
化合物のうち、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンsec-ラウリルエーテルなどが好まし
く、特にこれらの化合物のうちオキシエチレン単位の繰
り返し単位数が4〜10である化合物が好ましい。
【0041】本発明で用いられる固体状オレフィン重合
用触媒は、たとえば上記のような周期表第4族遷移金属
化合物(A)、有機アルミニウムオキシ化合物(B)お
よび微粒子状担体(C)、必要に応じて有機アルミニウ
ム化合物(D)を接触(混合)させることにより形成さ
れる。
【0042】成分(A)、(B)、(C)および(D)
の接触に際して、周期表第4族遷移金属化合物(A)
は、該周期表第4族遷移金属化合物中の遷移金属原子に
換算して約10-4〜2×10-2モル/リットル(溶
媒)、好ましく2×10-4〜10-2モル/リットル(溶
媒)の量で用いられる。周期表第4族遷移金属化合物
(A)は、微粒子状担体(C)1g当り、該周期表第4
遷移金属化合物中の遷移金属原子に換算して5×10
-6〜5×10-4モル、好ましくは10-5〜2×10-4
ルの量で用いられる。有機アルミニウムオキシ化合物
(B)は、該有機アルミニウムオキシ化合物中のアルミ
ニウム原子と、周期表第4族遷移金属化合物(A)中の
遷移金属原子とのグラム原子比(Al/遷移金属)で、
通常10〜500、好ましくは20〜200の量で用い
られる。必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合
物(D)は、該有機アルミニウム化合物中のアルミニウ
ム原子(Al-D)と有機アルミニウムオキシ化合物
(B)中のアルミニウム原子(Al-B)とのグラム原子
比(Al-D/Al-B)で、通常0.01〜3、好ましく
は0.05〜2.0の量で用いられる。
【0043】成分(A)、(B)、(C)および(D)
を接触させる際の接触温度は、通常−50〜200℃、
好ましくは−20〜150℃であり、接触時間は1〜3
000分間、好ましくは5〜1200分間である。また
混合接触時には混合温度を変化させてもよい。
【0044】このような固体状オレフィン重合用触媒で
は、周期表第4族遷移金属化合物(A)が、微粒子状担
体(C)1g当り、該周期表第4族遷移金属化合物中の
遷移金属原子に換算して、約5×10-6〜5×10-4
ラム原子、好ましくは10-5〜2×10-4グラム原子の
量で担持され、また有機アルミニウムオキシ化合物
(B)および有機アルミニウム化合物(D)が、該成分
(B)および成分(D)中のアルミニウム原子に換算し
て、約2×10-4〜2×10-1グラム原子、好ましくは
2×10-3〜5×10-2グラム原子の量で担持されてい
ることが望ましい。
【0045】本発明では、上記のような成分(A)、
(B)および(C)、必要に応じて成分(D)からなる
固体状オレフィン重合用触媒(成分)にさらにエーテル
化合物(E)を混合接触させてもよい。
【0046】固体状オレフィン重合用触媒(成分)とエ
ーテル化合物(E)とを混合接触させるに際して、エー
テル化合物(E)は固体状オレフィン重合用触媒(成
分)100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましく
は0.2〜2重量部の量で用いられる。この固体状オレ
フィン重合用触媒(成分)とエーテル化合物(E)との
混合接触は、溶媒中または溶媒の不存在下において行う
ことができる。
【0047】本発明で用いられる固体状オレフィン重合
触媒は、オレフィンが予備重合されていてもよい。予備
重合された固体状オレフィン重合触媒は、周期表第4族
遷移金属化合物(A)、有機アルミニウムオキシ化合物
(B)および微粒子状担体(C)の存在下、必要に応じ
て有機アルミニウム化合物(D)の共存下に、オレフィ
ンを予備重合させることにより得られるが、通常、前記
成分(A)、(B)および(C)、必要に応じて成分
(D)および/または成分(E)からなる固体状オレフ
ィン重合触媒(成分)の存在下にオレフィンを予備重合
させる。
【0048】予備重合された固体状オレフィン重合用触
媒は、予備重合時に生成する重合体を、微粒子状担体
(C)1g当り、0.1〜500g、好ましくは0.3
〜300g、特に好ましくは1〜100gの量で含有し
ていることが望ましい。
【0049】なお、本発明で用いられる固体状オレフィ
ン重合用触媒は、上記のような各成分以外にも重合に有
用な他の成分を含むことができる。このような本発明で
用いられる固体状オレフィン重合用触媒は、優れた重合
活性でオレフィンを重合させることができる。
【0050】本発明では、上記のような固体状オレフィ
ン重合用触媒の存在下、スラリー重合法により、エチレ
ンを単独重合するか、あるいはエチレンと炭素原子数が
3以上のオレフィンとを共重合する。
【0051】重合時に用いられる炭素原子数が3以上の
オレフィンとして具体的には、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オ
クテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘ
キサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素
原子数が3〜20のα−オレフィンが挙げられる。
【0052】さらに、シクロペンテン、シクロヘプテ
ン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラ
シクロドデセン、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4
a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、スチレン、ビニル
シクロヘキサン、ジエン類などを用いることもできる。
【0053】スラリー重合に用いられる媒体としては、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水
素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペ
ンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロ
ルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素
などを用いることができる。これらは、単独であるいは
組み合わせて用いられる。
【0054】これらの中では、脂肪族炭化水素を用いる
ことが好ましく、特にプロパン、n-ブタン、i-ブタンな
どの炭素原子数が3または4の脂肪族炭化水素を用いる
ことが好ましい。炭素原子数が3または4の脂肪族炭化
水素を用いると、生成ポリマーの媒体への溶解量を低減
することができる。
【0055】重合に際して固体状オレフィン重合用触媒
は、周期表第4族遷移金属化合物(A)中の遷移金属原
子に換算して、重合容積1リットル当り通常10-8〜1
-3グラム原子、好ましくは10-7〜10-4グラム原子
の量で用いられることが望ましい。有機アルミニウムオ
キシ化合物(B)は、周期表第4族遷移金属化合物
(A)中の遷移金属原子1グラム原子当り、10〜50
0モル、好ましくは20〜200モルの量で用いられる
ことが望ましい。有機アルミニウム化合物(D)は、
期表第4族遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子1グ
ラム原子当り、0〜500モル、好ましくは0〜200
モルの量で用いられることが望ましい。
【0056】スラリー重合におけるスラリー濃度は、1
00g/リットル以上、好ましくは100〜700g/
リットル、より好ましくは150〜600g/リット
ル、特に好ましくは200〜500g/リットルの範囲
である。
【0057】ここで本明細書においてスラリー濃度と
は、回分式で重合を行う場合は、重合溶液(オレフィン
を含有した炭化水素媒体)1リットル当りのポリマー収
量を意味し、連続式で重合を行う場合は、定常状態にお
ける重合溶液(オレフィンを含有した炭化水素媒体)1
リットル当りのポリマー量を意味する。
【0058】オレフィンの重合温度は、50℃以上、好
ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜90℃
の範囲であり、重合圧力は、通常、常圧〜100kg/
cm 2、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下で
ある。
【0059】重合は、回分式、半連続式、連続式のいず
れの方法においても行うことができる。さらに重合を反
応条件の異なる2段以上に分けて行うこともできる。得
られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存
在させるか、あるいは重合温度を変化させることによっ
て調節することができる。
【0060】本発明では、成分(A)、(B)および
(C)、必要に応じて成分(D)からなる固体状オレフ
ィン重合用触媒の存在下に炭素原子数が3または4の脂
肪族炭化水素媒体中でオレフィンをスラリー重合する
か、成分(A)、(B)、(C)、(D)および(E)
からなる固体状オレフィン重合用触媒の存在下に炭化水
素媒体中でオレフィンをスラリー重合することが好まし
く、特に成分(A)、(B)、(C)および(E)、必
要に応じて成分(D)からなる固体状オレフィン重合用
触媒の存在下に炭素原子数が3または4の脂肪族炭化水
素媒体中でオレフィンをスラリー重合することが好まし
く、成分(A)、(B)、(C)および(D)にオレフ
ィンが予備重合された固体状オレフィン重合用触媒の存
在下に炭素原子数が3または4の脂肪族炭化水素媒体中
でオレフィンをスラリー重合することが最も好ましい。
【0061】このようにして得られたエチレン系重合体
は、通常、密度が0.950g/cm3 以下、好ましく
は0.950〜0.900g/cm3 、より好ましくは
0.940〜0.900g/cm3 、さらに好ましくは
0.930〜0.900g/cm3 の範囲にあり、AS
TM D1238-65T に従い190℃、2.16kg荷重の
条件下に測定されるメルトフローレート(MFR)が
0.01〜200g/10分、好ましくは0.05〜15
0g/10分、より好ましくは0.1〜100g/10分の
範囲にある。また、得られたエチレン系重合体中の固体
状オレフィン重合用触媒に由来する遷移金属残渣は、通
常、10ppm以下、好ましくは5ppm以下、より好
ましくは3ppm以下である。
【0062】
【発明の効果】本発明に係るオレフィンのスラリー重合
法は、粒子性状に優れ、低密度のエチレン系重合体が高
い重合活性で得られ、かつ重合器壁の汚れが少ない。ま
た、重合に用いる炭化水素媒体の使用量を低減させるこ
とができるので、媒体の除去、媒体の精製などの後処理
が軽減でき、固定比および用益費が削減できる。
【0063】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0064】なお、本実施例においてスラリー濃度は、
イソブタンは70℃で750mlとして下記式により求
めた。 スラリー濃度=ポリマー収量/(イソブタン+1-ヘキセ
ン) オートクレーブ器壁状態評点は下記のようにして行っ
た。
【0065】○ … 重合器壁等にポリマーの付着が認
められなかった △ … 重合器壁等にポリマーの付着が少し認められた × … 重合器壁等にポリマーの付着が認められた
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【実施例1】[固体触媒成分(a-1)の調製] 250℃で10時間乾燥したシリカ(比表面積;324
2 /g、吸着水量;0.1重量%、表面水酸基量;
2.69重量%)10kgを154リットルのトルエン
で懸濁状にした後、0℃まで冷却した。その後、メチル
アルミノキサンのトルエン溶液(Al原子換算で1.5
2モル/リットル)50.5リットルを1時間で滴下し
た。この際、系内の温度を0〜5℃の範囲に保った。引
続き0℃で30分間反応させ、次いで1.5時間かけて
95℃まで昇温し、その温度で4時間反応させた。その
後、60℃まで降温し、上澄み液をデカンテーション法
により除去した。このようにして得られた固体成分をト
ルエンで2回洗浄した後、トルエン100リットルで再
懸濁化し、全量を160リットルとした。この系内へ、
ビス(1,3-n-ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr原子換算で2
5.7ミリモル/リットル)22リットルを80℃で3
0分かけて滴下し、更に80℃で2時間反応させた。そ
の後、上澄み液を除去し、ヘキサンで2回洗浄すること
により、1g当り3.2mgのジルコニウムを含有する
固体触媒成分(a-1)を得た。 固体触媒成分(a-2)の調製 上記 固体触媒成分(a-1)に対して、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル(花王社製、エマルゲン108 )を
0.5重量%添加することにより固体触媒成分(a-2)
を得た。
【0070】重合 充分に窒素置換した内容積2リットルのオートクレーブ
に、イソブタン370g、1-ヘキセン150mlおよび
トリイソブチルアルミニウム1.5ミリモルを装入し、
系内の温度に60℃に昇温した。その後、上記で調製し
た固体触媒成分(a-2)(ジルコニウム原子に換算して
0.005ミリモル)をエチレンと共に圧入し、重合を
開始した。その後、上記混合ガスを連続的に供給しなが
ら、温度70℃、エチレン分圧8kg/cm 2 で1時間
重合を行った。少量のエタノールを添加することによ
り、重合を停止した後、イソブタンおよび残留の混合ガ
スをパージすることにより、 MFRが0.21g/10分
であり、密度が0.914g/cm3 であり、嵩密度が
0.41g/cm3 であるエチレン・1-ヘキセン共重合
体が182g得られた。また、オートクレーブの器壁や
攪拌棒にはポリマーの付着は認められなかった。結果を
表1に示す。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【比較例1】重合 固体触媒成分として実施例1で調製した固体触媒成分
(a-1)を用い、重合条件を表1に示すように変更した
以外は、実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキセンと
を重合した。その結果、MFRが1.2g/10分であ
り、密度が0.917g/cm3 であり、嵩密度が0.
39g/cm3 であるエチレン・1-ヘキセン共重合体が
54g得られた。また、オートクレーブの器壁や攪拌棒
にはポリマーの付着が少し認められた。結果を表1に示
す。
【0082】
【比較例2】重合 固体触媒成分として実施例1で調製した固体触媒成分
(a-1)を用い、重合条件を表1に示すように変更した
以外は、実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキセンと
を重合した。その結果、MFRが2.5g/10分であ
り、密度が0.918g/cm3 であるエチレン・1-ヘ
キセン共重合体が193g得られた。また、オートクレ
ーブの器壁や攪拌棒にはポリマーの付着が認められた。
結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いられる固体状オレフィン重合触
媒の調製工程を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60 C08F 4/642

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)シクロペンタジエニル骨格を有する
    配位子を含む周期表第4族遷移金属化合物と、 (B)有機アルミニウムオキシ化合物と、 (C)微粒子状担体と、 (E)−(CH2 CH2 O)n Hまたは−{CH2 CH
    (CH3 )O}n H(但し、nは2〜30)を有するエ
    ーテル化合物とからなる固体状オレフィン重合用触媒の
    存在下、炭化水素媒体中においてスラリー濃度100g
    /リットル以上で、エチレンを単独重合するか、あるい
    はエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとを共重
    合して、密度が0.950g/cm3 以下であるエチレ
    ン系重合体を製造することを特徴とするオレフィンのス
    ラリー重合法。
  2. 【請求項2】(A)シクロペンタジエニル骨格を有する
    配位子を含む周期表第4族遷移金属化合物と、 (B)有機アルミニウムオキシ化合物と、 (C)微粒子状担体と、 (D)有機アルミニウム化合物と、 (E)−(CH2 CH2 O)n Hまたは−{CH2 CH
    (CH3 )O}n H(但し、nは2〜30)を有するエ
    ーテル化合物とからなる固体状オレフィン重合用触媒の
    存在下、炭化水素媒体中においてスラリー濃度100g
    /リットル以上で、エチレンを単独重合するか、あるい
    はエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとを共重
    合して、密度が0.950g/cm3 以下であるエチレ
    ン系重合体を製造することを特徴とするオレフィンのス
    ラリー重合法。
  3. 【請求項3】 前記炭化水素媒体は、炭素原子数3また
    は4の脂肪族炭化水素である請求項1または2に記載の
    オレフィンのスラリー重合法。
JP01365095A 1995-01-31 1995-01-31 オレフィンのスラリー重合法 Expired - Lifetime JP3455960B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01365095A JP3455960B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 オレフィンのスラリー重合法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01365095A JP3455960B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 オレフィンのスラリー重合法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08208717A JPH08208717A (ja) 1996-08-13
JP3455960B2 true JP3455960B2 (ja) 2003-10-14

Family

ID=11839110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01365095A Expired - Lifetime JP3455960B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 オレフィンのスラリー重合法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3455960B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100417671C (zh) * 2005-03-16 2008-09-10 中国石油化工股份有限公司 用于烯烃聚合的催化剂组分及其催化剂
JPWO2008075717A1 (ja) * 2006-12-19 2010-04-15 三井化学株式会社 オレフィン重合用固体状触媒、オレフィン重合方法及び該重合方法によって得られるオレフィン重合体粒子
JP6348300B2 (ja) * 2014-02-26 2018-06-27 三井化学株式会社 オレフィン重合に用いる予備重合触媒成分の製造方法および当該予備重合触媒成分を用いたオレフィン重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08208717A (ja) 1996-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2693517B2 (ja) ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物の製造方法
US6022934A (en) Catalyst for olefin polymerization and process for olefin polymerization using the same
JP3670163B2 (ja) オレフィンのスラリー重合方法
US5840645A (en) Olefin polymerization catalyst and method for the polymerization of olefin using said olefin polymerization catalyst
JP3160067B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法
JP3230762B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法
JP6704265B2 (ja) 重合粉体の流動性改良方法
JP3455960B2 (ja) オレフィンのスラリー重合法
JP3910651B2 (ja) 有機アルミニウムオキシ組成物の製造方法
JP4021463B2 (ja) オレフィン重合用触媒および該触媒を用いるオレフィンの重合方法
JPH05339315A (ja) オレフィンの重合方法
JP3415210B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびこれを用いるオレフィンの重合方法
JPH05140224A (ja) オレフイン重合用触媒およびオレフインの重合方法
JP3465309B2 (ja) オレフィン重合触媒の調製方法、オレフィン重合触媒およびオレフィンの重合方法
JPH06184226A (ja) オレフィン重合用固体触媒成分の調製方法
JP3230763B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法
JP3465310B2 (ja) オレフィン重合触媒の調製方法、オレフィン重合触媒およびオレフィンの重合方法
JP3387946B2 (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法
JPH05155932A (ja) オレフィン重合触媒およびオレフィンの重合方法
JPH08157515A (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法
JP4606671B2 (ja) エチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法
JP3482700B2 (ja) オレフィン重合体製造用触媒及びそれを用いたオレフィン重合体の製造方法
JPH07233211A (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法
JP2005089583A (ja) オレフィンのスラリー重合方法
JPH07233212A (ja) オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080801

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090801

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100801

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100801

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term