JP2005079450A - マスクおよびその製造方法、並びに露光装置および露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】開口パターンのアスペクト比を大きくすることなく線幅の小さい露光パターンが形成され、かつ耐久性のあるマスクおよびその製造方法、さらには、このマスクを用いた露光装置および露光方法を提供する。
【解決手段】開口パターン11a,12aが設けられた層11,12が複数積層された基板13を有し、各開口パターン11a,12aの重なり部分により、基板13の一主面側と他主面側とを貫通し、各開口パターン11a,12aの線幅t1,t2よりも小さい線幅Wpをもつ露光パターンPが形成されている。このように、各開口パターン11a,12aの重なりにより露光パターンPの線幅Wpが制御される。このため、各開口パターンのアスペクト比を大きくすることなく、線幅Wpの小さな露光パターンPが得られる。
【選択図】図2
【解決手段】開口パターン11a,12aが設けられた層11,12が複数積層された基板13を有し、各開口パターン11a,12aの重なり部分により、基板13の一主面側と他主面側とを貫通し、各開口パターン11a,12aの線幅t1,t2よりも小さい線幅Wpをもつ露光パターンPが形成されている。このように、各開口パターン11a,12aの重なりにより露光パターンPの線幅Wpが制御される。このため、各開口パターンのアスペクト比を大きくすることなく、線幅Wpの小さな露光パターンPが得られる。
【選択図】図2
Description
本発明は、荷電粒子線を用いたリソグラフィ用のマスクおよびその製造方法、並びに露光装置および露光方法に関する。
ICやLSI等の半導体装置の製造工程の一つに、半導体基板上に微細な回路パターンを形成するリソグラフィ工程がある。半導体装置の性能はその装置の中にどれだけ多くの回路を設けたかでほぼ決まり、それは基板上に形成する回路パターンサイズに大きく左右される。近年の半導体集積回路製造技術の発展には目覚しいものがあり、半導体装置の微細化、高集積化の傾向も著しい。
半導体基板上に集積回路パターンを形成する方法としては、これまで紫外光を用いたフォトリソグラフィ法が一般的であった。しかし、回路パターンのよりいっそうの微細化が進むにつれて光の解像限界が懸念され始め、電子線やイオンビームなどの荷電ビームやX線を用いたより高解像なリソグラフィ技術が検討されている。例えば荷電粒子ビームを用いた露光技術は、ビーム径をnmオーダーにまで絞ることができるため、100nm以下の微細パターンを容易に形成できる点に大きな特徴があり、なかでも電子線描画技術は古くから実用化されている。
ところが、このような極めて細く絞った電子線を走査しながら描画する、いわゆる直接描画法では、大面積あるいは大きなパターンを形成するには膨大な時間を必要とすること、即ちスループット(単位時間当たりの処理量)が低いことが問題であった。そのため、半導体集積回路製造におけるリソグラフィ方法としては依然として紫外光を光源としたフォトリソグラフィ法が用いられ、電子線直接描画法はフォトリソグラフィ用レチクル(マスク)の製造やフォトリソグラフィではデザインルールの厳しい次世代の試験的なデバイス試作など、限定された分野でのみ使用されているにすぎなかった。
このような問題を解決するために、従来の様にガウシアンの形状をした電子ビーム粒子で直接描画するのではなく、可変成形した電子ビームを用いて所定のパターンを電子光学系を介して直接描画する方法が1980年代に出現し、いわゆるブロック露光やセルプロジェクション方式と呼ばれる方法による部分一括パターンを縮小してウェーハ基板上に描画するリソグラフィ技術が1990年代に出現した(非特許文献1参照)。これらの技術進歩により、電子線直接描画のスループットは飛躍的に向上している。
さらには、IBMがNikonと共同で開発しているPREVAIL(Projection Exposure with Variable Axis Immersion Lenses :非特許文献2参照)等の電子線縮小描画(電子線リソグラフィ)ならさらにスループットも早くできると考えられる。
しかし、これらの電子線縮小描画のためには電子ビームがよく収束しシャープな像を作り出す様、電子ビームのエネルギーを高くする必要がある。そのため、上記部分ブロック露光やセルプロジェクション方式での電子線のエネルギーは50keVが一般的であったのが、電子線縮小描画では電子ビームのエネルギーは100keVとなる。
この様な高エネルギーでは電子線光学系を制御するためのしくみも大掛かりになり、装置のコストが非常に大きなものとなってしまう。しかも、高エネルギー電子ビームでは、電子がレジスト内でエネルギーをほとんど放出しないままレジストを通過してしまうので電子数当たりのレジスト感度が小さくなる。このため、電子ビームのエネルギーが高いほど、同じ感度のレジストを用いる場合に必要な電子ビーム電流量は大きくなり、ビーム内の電子密度はより高くなる。
ビーム内の電子密度がより高くなると、ビームの焦点がぼけ、パターン解像度の劣化を引き起こすというジレンマが生じる。また電子ビーム電流量が大きくなるほど近接効果(下側の基板からレジストへの後方散乱の結果、形成されるパターンに歪みをもたらす)の影響も大きくなる。さらに、電子ビーム電流量が大きくなるほど、マスク、レジスト層、さらには半導体基板も加熱され、その結果、形成パターンの歪みはより大きいものになる。従って、必要な精度を維持するために、電子ビーム電流量を制限する必要がありスループットに影響を及ぼす。
これらの影響を回避するため、低エネルギーの電子ビームによりパターンを形成する露光方法が開発された。低エネルギーの電子ビームでは近接効果が実質的に減少することが報告されている(非特許文献3参照)。
低エネルギーの電子ビームを用いたリソグラフィ技術として開発が進められているLEEPL(Low Energy E-beam Proximity Projection Lithography)では、電子ビームのエネルギーは約1〜4keV、特徴的には約2keVである(特許文献1参照)。
LEEPLでは、マスクはレジストで被覆されたウエハから約50μmに位置しており、マスク上のパターンはウェーハ上のパターンと等倍のいわゆる等倍近接露光を用いるため、例えば100nm以下の極微細パターンを形成するためにはマスク上にも同じく100nm以下の極微細パターンを形成する必要がある。
「ULSIリソグラフィ技術の革新」,サイエンスフォーラム,1994年11月刊,P177,図5等 Hans C PFEIFEER ,「A High-Throughput Electron Beam Approach to Suboptical Lithography」,JJAP Vol.34(1995) pp.6658-6662 「Low voltage alternative for electron beam lithography 」,JVac. Sci TechB 10(6), 11月/12月 p.3094-3098 特許第2951947号
特開2002−231599号公報
特開平10−268506号公報
「ULSIリソグラフィ技術の革新」,サイエンスフォーラム,1994年11月刊,P177,図5等 Hans C PFEIFEER ,「A High-Throughput Electron Beam Approach to Suboptical Lithography」,JJAP Vol.34(1995) pp.6658-6662 「Low voltage alternative for electron beam lithography 」,JVac. Sci TechB 10(6), 11月/12月 p.3094-3098
ところで、該マスクにパターンを貫通孔で形成するため(特許文献2,3参照)、精密加工ができる様に、加工される孔のアスペクト比を下げる必要があり、そのためにマスクの厚みを薄くする必要がある。例えばセルプロジェクション方式、かつ電子線のエネルギーが50keVである日立製電子線描画装置HL900Dで使用されるマスクの厚みは10μmであり、この厚さが一般的であるのに対し、LEEPLに使用されるマスクの厚みは1μm以下の厚みになると考えられる。
LEEPL技術に適用される低エネルギー電子を用いればこのような厚みでも電子線を止めることが可能であるので、1μm以下のマスクにパターン形成が可能である。しかし、実用上はマスクの厚みを薄くするとマスクの強度を下げるため、マスクの信頼性を下げ、寿命を短くするという問題が発生する。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、開口パターンのアスペクト比を大きくすることなく線幅の小さい露光パターンが形成され、かつ耐久性のあるマスクおよびその製造方法、さらには、このマスクを用いた露光装置および露光方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のマスクは、開口パターンが設けられた層が複数積層された基板を有し、各開口パターンの重なり部分により、前記基板の一主面側と他主面側とを貫通し、各開口パターンの線幅よりも小さい線幅をもつ露光パターンが形成されている。
上記の本発明のマスクでは、各開口パターンの重なりにより露光パターンの線幅が制御されることから、各開口パターンのアスペクト比を大きくすることなく、線幅の小さな露光パターンが得られる。また、各開口パターンの線幅を大きくすることができることから、各層の膜厚を大きくすることができ、これらの積層体である基板の膜厚が、強度を維持し得る程度に確保される。
上記の目的を達成するため、本発明のマスクの製造方法は、基板の一主面側に、前記基板の途中の深さまで第1の開口パターンを形成する工程と、基板の他主面側に、前記第1の開口パターンに達する第2の開口パターンを形成する工程とを有し、前記第1の開口パターンと前記第2の開口パターンとの重なり部分で、前記基板の一主面側と他主面側とを貫通し、各開口パターンの線幅よりも小さい線幅をもつ露光パターンを形成する。
上記の本発明のマスクの製造方法では、基板の一主面側から基板の途中の深さまで第1の開口パターンを形成し、基板の他主面側から第1の開口パターンに達する第2の開口パターンを形成するようにしたことから、第1の開口パターンと第2の開口パターンとの重なり部分により、基板の一主面側と他主面側とを貫通し、各開口パターンの線幅よりも小さい線幅をもつ露光パターンが形成される。
また、上記の目的を達成するため、本発明は、上記構成のマスクを備えた露光装置および露光方法である。
本発明によれば、開口パターンのアスペクト比を大きくすることなく線幅の小さい露光パターンが形成され、かつ耐久性のあるマスクを実現できる。従って、マスクの信頼性および耐久性を向上させることができる。そして、本発明のマスクを用いて露光することにより、被露光体に微細なパターンを形成することができ、パターンの精度も向上する。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、一例としてLEEPLに使用されるマスクおよびその製造方法、並びに露光装置および露光方法について説明するが、これに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。
図1に示す露光装置1は、露光光として電子ビームEBを出射する電子銃2を備えており、この電子銃2から出射された電子ビームEBの経路を法線とする状態で、ステンシルマスク10が配置され、このステンシルマスク10との間に間隔を保って、xy方向に移動可能な図示しないステージにウエハ(被露光体)Wが配置されている。ウエハWの表面とステンシルマスク10の表面との間に約50μmの間隔が設けられるようにウエハWが配置される。
図1は、本実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。
図1に示す露光装置1は、露光光として電子ビームEBを出射する電子銃2を備えており、この電子銃2から出射された電子ビームEBの経路を法線とする状態で、ステンシルマスク10が配置され、このステンシルマスク10との間に間隔を保って、xy方向に移動可能な図示しないステージにウエハ(被露光体)Wが配置されている。ウエハWの表面とステンシルマスク10の表面との間に約50μmの間隔が設けられるようにウエハWが配置される。
電子銃2とステンシルマスク10との間には、電子ビームEBの経路を囲む状態で、電子銃2側から順に、電子ビームEBを平行化するコンデンサレンズ3と、電子ビームEBを制限するアパーチャ4と、電子ビームEBが平行なままでラスターまたはベクトル走査モードの何れかで且つステンシルマスク10に垂直に入射するように偏向させる一対の主偏向器5,6と、電子ビームの照射位置の微調整を行うために電子ビームを偏向させる一対の副偏向器7,8とを有する。
以上のような構成の露光装置を用いて露光を行う場合には、まず、図示しないステージ上に、表面にレジストを塗布してなるウエハWを載置する。次に、電子銃2から出射された電子ビームEBを、コンデンサレンズ3、アパーチャ4で成形しつつ、上述した偏向器5〜8で電子ビームEBの照射位置を調整しつつ走査させながらステンシルマスク10に照射する。そして、このステンシルマスク10の露光パターンを通過した電子ビームが、ウエハW表面の図示しないレジストに照射されることにより、レジストに対してパターン露光が行われる。
図2は、ステンシルマスクの1つの露光パターンを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は断面図である。なお、図2(c)は、図2(a)および(b)のA−A’線における断面図である。
図2には図示しないが、ステンシルマスク10は、支持枠14aによってメンブレン(薄膜)状の基板13を支持するように構成されている(図1参照)。
基板13は、複数の層の積層体により構成されており、例えば一主面側の第1のパターン形成用層(第1層)11と、他主面側の第2のパターン形成用層(第2層)12とにより構成されている。第1および第2のパターン形成用層11,12は、後に説明するステンシルマスクの製造を考慮した場合、それぞれ異なる材質で構成されていることが望ましく、例えば酸化シリコンとシリコンとで構成されている。なお、基板13は同一材料で構成されていてもよく、Si単結晶や、ガラス基板、あるいはダイアモンドからなる単一物であってもよい。
第1のパターン形成用層11には第1の開口パターン11aが複数設けられており、第2のパターン形成用層12には第2の開口パターン12aが複数設けられている。各開口パターン11aおよび第2の開口パターン12aは、それぞれライン形状を有している。
そして、第1のパターン形成用層11に設けられた第1の開口パターン11aと、第2のパターン形成用層12に設けられた第2の開口パターン12aとが、所定幅ずれて形成されており、2つの開口パターン11a,122aの重なり部分により、基板13の一主面側と他主面側を貫通した露光パターンPが設けられている。
第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aとが、所定幅ずれて配置されている結果、これらの重なりにより形成される露光パターンPの線幅Wpは、第1の開口パターン11aの線幅W1および第2の開口パターン12aの線幅W2よりも小さくなっている。また、露光パターンPの外形を規定する一方のエッジ位置は第1の開口パターン11aにより構成され、他方のエッジ位置は第2の開口パターン12aにより構成されている。
第1のパターン形成用層11および第2のパターン形成用層12のそれぞれは、開口パターン11a,12aを精度良好に形成可能な膜厚を有する。アスペクト比が5まで精度良くエッチング可能であるとすると、線幅が40nmの露光パターンPを形成する場合には従来の方法では基板13の全体の厚みを200nmにする必要があった。これに対し、本実施形態では、開口パターン11a,12aの重なり部分の線幅Wpを40nmとすればよいため、例えば各開口パターン11a,12aの線幅W1,W2をそれぞれ200nmとすることもできる。この場合、各層11,12の厚みは1000nmまでとることができ、基板13全体としては合計2000nmの厚みまでとることが可能である。
なお、このステンシルマスク10には、電子ビームなどの荷電粒子線を用いることから、荷電粒子線によるチャージアップを防止するためタングステン、モリブデン、インジウムなどの金属、あるいはこれらの金属を含む合金等の金属材料からなる導電層を、荷電粒子線の照射面(ここでは、第1のパターン形成用層11)上に形成しておくことが好ましい。
図3は、このステンシルマスクに電子ビームEBを照射した場合の投影形状を分かり易く説明するための図であり、基板13を第1のパターン形成用層11と第2のパターン形成用層12とに分離した図である。
図3に示すように、ステンシルマスクに照射された電子ビームEBは、第1の開口パターン11aを通過し、次いで第2の開口パターン12aを通過し、開口パターン11a,12aの両方を通過した電子ビームのみが、ライン状の投影形状eとなって露光面(例えばウエハW表面)に照射される。このように、上記構成のステンシルマスク10において、露光パターンPの投影形状eは、第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aとが重ね合わせられた形状となる。
以上のように、露光パターンPは積層させた開口パターン11a,12aの重なり部分を貫通させて構成されており、かつ、露光パターンPの線幅Wpは各開口パターン11a,12aの線幅W1,W2よりも小さくなるように構成されている。
すなわち、開口パターン11a,12aの線幅を、形成しようとする露光パターンPの線幅Wpよりも大きくすることができることから、各層11,12に形成される開口パターンのアスペクト比を大きくすることなく、線幅Wpの小さな露光パターンPが得られる。また、各開口パターン11a,12aの線幅を大きくすることができることから、各層の膜厚t1,t2を大きくすることができ、これらの積層体である基板13の膜厚が、マスク強度を維持し得る程度に確保される。
従って、精密加工に必要なアスペクト比に抑えつつ、耐久性の向上のために必要な基板13の厚さを確保することができる。このようなステンシルマスク10を用いてウエハに形成されるパターンは、従来よりも寸法精度が向上したものとなる。
次に、上記の本実施形態に係るステンシルマスクの製造方法について、図4〜図6を参照して説明する。
まず、図4(a)に示すように、単結晶シリコンからなるシリコン基板上に酸化シリコン膜が形成され、この酸化シリコン膜上にシリコン薄膜が形成されたSOIウエハを用意し、SOIウエハのシリコン基板を支持基板14として、酸化シリコン膜を第1のパターン形成用層11として、シリコン薄膜を第2のパターン形成用層12として用いる。
次に、図4(b)に示すように、LPCVD法によって、膜厚400nmの窒化シリコン(Si3 N4 )膜を成膜して、メンブレン状の基板13と支持基板14の周囲を覆うハードマスク15を形成する。
次に、図4(c)に示すように、支持基板14側の中央部分を露出させるようにハードマスク15をパターニングする。この際、支持基板14側のハードマスク15上にレジストパターン(不図示)を形成し、これをマスクに用いて支持基板14側のハードマスク15を、フロロカーボン系ガスなどを用いてドライエッチングする。
次に、図5(d)に示すように、支持基板14上の周縁部に残したハードマスク15をマスクとして、水酸化カリウム水溶液をエッチング液に用いて支持基板14をウエットエッチングし、第1のパターン形成用層11を露出させる。これにより、周縁部に基板13を支持する支持枠14aを形成する。なお、単結晶シリコンよりなる支持基板14のエッチングには、塩素系ガス等を用いたドライエッチングを採用することもできる。
次に、図5(e)に示すように、第1のパターン形成用層11上に、レジストを塗布し、第1の開口パターンを形成するためのパターンを描画し、現像することによりレジストパターンR1を形成する。
次に、図5(f)に示すように、レジストパターンR1をマスクにして、第1のパターン形成用層11をエッチングする。この際、フロロカーボン系ガスなどを用いたドライエッチングによって、第2のパターン形成用層12をエッチングストッパにして第1のパターン形成用層11を選択的にエッチングする。これにより、酸化シリコンからなる第1のパターン形成用層11に第1の開口パターン11aを形成する。この開口パターン11aは、基板13の一主面側に基板13の途中の深さまで達する溝パターンとして形成される。その後、レジストパターンR1を除去する。
次に、図6(g)に示すように、第2のパターン形成用層12側の中央部分を露出させるようにハードマスク15をパターニングする。この際、第2のパターン形成用層12側のハードマスク15上にレジストパターン(不図示)を形成し、これをマスクに用いて第2のパターン形成用層12側のハードマスク15を、フロロカーボン系ガスなどを用いてドライエッチングする。
上記のレジストパターンを除去した後、第2のパターン形成用層12上に、レジストを塗布し、第2の開口パターンを形成するためのパターンを描画し、現像することによりレジストパターンR2を形成する。
上記のレジストパターンを除去した後、第2のパターン形成用層12上に、レジストを塗布し、第2の開口パターンを形成するためのパターンを描画し、現像することによりレジストパターンR2を形成する。
次に、図6(h)に示すように、レジストパターンR2をマスクにして、第2のパターン形成用層12をエッチングする。この際、塩素系ガスなどを用いたドライエッチングによって、第1のパターン形成用層11をエッチングストッパにして第2のパターン形成用層12を選択的にエッチングする。これにより、シリコンからなる第2のパターン形成用層12に第2の開口パターン12aを形成する。この第2の開口パターン12aは、基板13の他主面側に基板13の途中の深さまで達する溝パターンとして形成される。その後、レジストパターンR2を除去する。
以上の工程の後、残りのハードマスク15を除去することにより、図1〜図3に示すステンシルマスクが形成される。
上記の本実施形態に係るマスクの製造方法では、基板13の一主面側と他主面側との両側からパターンエッチングするため、露光パターンPを精度良好に形成するための膜厚が、第1のパターン形成用層11と第2のパターン形成用層12に分散されることとなる。そして、さらに、開口パターン11a,12aの線幅を、形成しようとする露光パターンPの線幅よりも大きくすることにより、各層11,12の開口パターン11a,12aのアスペクト比を精密加工に必要な程度に維持しつつ、耐久性の向上のために必要な基板13の厚さを確保することができる。
また、露光パターンPを規定する各層11,12の開口パターン11a,12aの線幅をある程度大きくとることができることから、図5(e)および図6(g)の工程に使用するパターンを描画する露光装置やレジストの解像度、並びに図5(f)および図6(h)の工程におけるパターン形成のためのエッチングの精度がゆるくて済む。
(第2実施形態)
第1実施形態に係るステンシルマスクを作製した場合には、図2(c)に示す第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aの重なり部分である露光パターンPの線幅Wpを40nmにする場合を例に挙げると、マスク表面のパターン位置とマスク裏面のパターン位置の精度を、実際に形成する開口パターン11a,12aの線幅以下の精度で制御する必要がある。
第1実施形態に係るステンシルマスクを作製した場合には、図2(c)に示す第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aの重なり部分である露光パターンPの線幅Wpを40nmにする場合を例に挙げると、マスク表面のパターン位置とマスク裏面のパターン位置の精度を、実際に形成する開口パターン11a,12aの線幅以下の精度で制御する必要がある。
このため、第1実施形態では、図6(g)に示すレジストパターンR2の形成のための描画において、第1のパターン形成用層11と第2のパターン形成用層12の両面側からアライメントを行う必要がある。このような両面からのアライメントのためには、第1実施形態では両面アライナを用いる必要があるが、一方側からのみのアライメントで済めば、アライメントが容易であり、かつ両面アライナを用いるよりもさらに高精度なアライメントを達成できる。本実施形態では、第1実施形態に係るマスクの製造工程に、以下の工程を追加することにより、両開口パターン11a,12aの位置精度を確保する。
図5(e)に示す工程において、第1の開口パターンの形成のためのレジストパターンR1を形成する前に、図7(a)に示す工程を追加する。すなわち、図7(a)に示すように、第1のパターン形成用層11および第2のパターン形成用層12を貫通する貫通孔を形成して、これをアライメントマークAm1とする。貫通孔の形成は、第1のパターン形成用層11上にレジストパターン(不図示)を形成し、これをマスクに用いて各パターン形成用層11,12をドライエッチングすることにより行う。
図7(a)に示すアライメントマークAm1となる貫通孔は、アスペクト比を考慮しても十分に精度が出せる大パターン(例えばパッドパターンなど)とする。また、アライメント用の形状が必要であれば、チップパターンには関係のないスクライブラインの領域にアライメントマークを形成することが好ましい。
そして、第1の開口パターンの形成(特に図5(e)参照)において、第1のパターン形成用層11側からアライメントマークAm1を観察してアライメントを行った後に、パターンを描画してレジストパターンR1を形成する。このレジストパターンR1を用いて第1のパターン形成用層11をエッチングすることにより、図7(b)に示すように、第1の開口パターン11aが形成される。その後、第2のパターン形成用層12側の中央部分を露出させるようにハードマスク15をパターニングする(図7(b)参照)。
第2の開口パターンの形成(特に図6(g)参照)においても、同様に、第2のパターン形成用層12側からアライメントマークAm1を観察してアライメントを行った後に、パターンを描画してレジストパターンR2を形成する。このレジストパターンR2を用いて第2のパターン形成用層12をエッチングすることにより、第2の開口パターン12aを形成する(図6(h)参照)。
以上のように、本実施形態に係るマスクの製造方法によれば、第1の開口パターン11aおよび第2の開口パターン12aの形成において、パターン形成用層11,12を貫通し一主面側と他主面側とから観察し得るアライメントマークAm1を用いることにより、両面アライナを用いずに、高精度なアライメントを実現することができる。このため、第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aの位置を高精度に制御することができ、両者の重なりにより形成される露光パターンの精度を向上させることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aの位置を高精度に制御するため、第2実施形態とは異なる構成のアライメントマークを形成する。
本実施形態では、第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aの位置を高精度に制御するため、第2実施形態とは異なる構成のアライメントマークを形成する。
図5(e)に示す工程において、第1の開口パターンの形成のためのレジストパターンR1を形成する前に、図8(a)および図8(b)に示す工程を追加する。すなわち、図8(a)に示すように、第1のパターン形成用層11および第2のパターン形成用層12を貫通する貫通孔13aを形成する。貫通孔13aの形成は、第1のパターン形成用層11上にレジストパターン(不図示)を形成し、これをマスクに用いて各パターン形成用層11,12をドライエッチングすることにより行う。
次に、図8(b)に示すように、電子線等の荷電粒子を通過させず、アライメントに必要な反射電子像を見ることが可能なタングステン(W)等の金属膜をFIB等で堆積させ、貫通孔13aに埋め込まれた金属膜を残し他の領域の金属膜を除去する。これにより、貫通孔13aに埋め込まれた金属膜からなるアライメントマークAm2が形成される。
アライメントマークAm2は、開口パターンの形成のためのレジストパターンの描画時に電子線等の荷電粒子が通過しなければ、スクライブライン上でなく各チップ領域内に配置してよい。従って、精度が必要なパターン近傍のチップ領域(但しデバイスパターンはおけなくなる)にアライメントマークAm2を配置する。また、アライメントマークAm2の形成のための貫通孔は、アスペクト比を考えても十分に精度が出せる大パターン(例えばパッドパターンなど)とする。なお、アライメント用の形状が必要な場合には、チップパターンには関係のないスクライブラインの領域にアライメントマークAm2を形成することが好ましい。
そして、第1の開口パターンの形成(特に図5(e)参照)において、第1のパターン形成用層11側からアライメントマークAm2を観察してアライメントを行った後に、パターンを描画してレジストパターンR1を形成する。このレジストパターンR1を用いて第1のパターン形成用層11をエッチングすることにより、図8(c)に示すように、第1の開口パターン11aが形成される。その後、第2のパターン形成用層12側の中央部分を露出させるようにハードマスク15をパターニングする(図8(c)参照)。
第2の開口パターンの形成(特に図6(g)参照)においても、同様に、第2のパターン形成用層12側からアライメントマークAm2を観察してアライメントを行った後に、パターンを描画してレジストパターンR2を形成する。このレジストパターンR2を用いて第2のパターン形成用層12をエッチングすることにより、第2の開口パターン12aを形成する(図6(h)参照)。
以上のように、本実施形態に係るマスクの製造方法によれば、第1の開口パターン11aおよび第2の開口パターン12aの形成において、パターン形成用層11,12を貫通し一主面側と他主面側とから観察し得るアライメントマークAm2を用いることにより、両面アライナを用いずに、高精度なアライメントを実現することができる。このため、第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aの位置を高精度に制御することができ、両者の重なりにより形成される露光パターンの精度を向上させることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aの位置を高精度に制御するため、第2および第3実施形態とは異なる構成のアライメントマークを形成する。
本実施形態では、第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aの位置を高精度に制御するため、第2および第3実施形態とは異なる構成のアライメントマークを形成する。
例えば、光を用いてアライメントを行う場合には、アライメント光が、例えばシリコン(Si)や酸化シリコン(SiO2 )は透過するがタングテン(W)は透過しないため、貫通孔を形成せずに、W等をデポジションし、表面のパターン形成時には透過光によってアライメントをとる。
このため、図5(e)に示す工程において、第1の開口パターンの形成のためのレジストパターンR1を形成する前に、図9(a)に示す工程を追加する。すなわち、図9(a)に示すように、第1のパターン形成用層11上にアライメント用の光を通過させず、アライメントに必要な反射光像を見ることが可能なタングステン(W)等の金属膜をFIB等で堆積させ、パターニングすることによりアライメントマークAm3を形成する。
アライメントマークAm3は、開口パターンの形成のための描画時に電子線等の荷電粒子が通過しなければ、スクライブライン上でなく各チップ領域内に配置してよい。従って、精度が必要なパターン近傍のチップ領域(但しデバイスパターンはおけなくなる)にアライメントマークAm3を配置する。また、アライメントマークAm3の形成のための貫通孔は、アスペクト比を考えても十分に精度が出せる大パターン(例えばパッドパターンなど)とする。なお、アライメント用の形状が必要な場合には、チップパターンには関係のないスクライブラインの領域にアライメントマークAm3を形成することが好ましい。
そして、第1の開口パターンの形成(特に図5(e)参照)において、第1のパターン形成用層11側からアライメントマークAm3を観察してアライメントを行った後に、パターンを描画してレジストパターンR1を形成する。このレジストパターンR1を用いて第1のパターン形成用層11をエッチングすることにより、図9(b)に示すように、第1の開口パターン11aが形成される。その後、第2のパターン形成用層12側の中央部分を露出させるようにハードマスク15をパターニングする(図9(b)参照)。
第2の開口パターンの形成(特に図6(g)参照)においても、同様に、アライメントマークAm3を観察してアライメントを行った後に、パターンを描画してレジストパターンR2を形成する。このとき、第2のパターン形成用層12側から光を入射させ、第1のパターン形成用層11側に突き抜けた透過光を観察することにより、アライメントマークAm3を観察してもよい。その後、このレジストパターンR2を用いて第2のパターン形成用層12をエッチングすることにより、第2の開口パターン12aを形成する(図6(h)参照)。
以上のように、本実施形態に係るマスクの製造方法によれば、第1の開口パターン11aおよび第2の開口パターン12aの形成において、一主面側と他主面側とから観察し得るアライメントマークAm3を用いることにより、両面アライナを用いずに高精度なアライメントを実現することができる。このため、第1の開口パターン11aと第2の開口パターン12aの位置を高精度に制御することができ、両者の重なりにより形成される露光パターンの精度を向上させることができる。
(第5実施形態)
図10は、本実施形態に係るステンシルマスクの構成を示す斜視図である。
本実施形態に係るステンシルマスクは、例えば薄膜(メンブレン)状の基板13の強度を補強すべく、基板13が梁14bにより各ブロックに分割されている。8インチウエハを用いてステンシルマスクを形成する場合、梁14bの厚さは例えば725μmとなるが、基板13が保持される範囲であれば梁14bの厚さは変更可能である。
図10は、本実施形態に係るステンシルマスクの構成を示す斜視図である。
本実施形態に係るステンシルマスクは、例えば薄膜(メンブレン)状の基板13の強度を補強すべく、基板13が梁14bにより各ブロックに分割されている。8インチウエハを用いてステンシルマスクを形成する場合、梁14bの厚さは例えば725μmとなるが、基板13が保持される範囲であれば梁14bの厚さは変更可能である。
なお、本実施形態に係るステンシルマスクは、梁14bが形成される点以外の点については、第1実施形態の説明が同様に適用される。本実施形態に係るステンシルマスクでは、梁14bによって分割された各ブロック内の基板13に、図2〜図3に示す開口パターン11a,12aが形成される。
次に、本実施形態に係るステンシルマスクの製造方法について、図11〜図12を参照して説明する。
まず、図11(a)に示すように、単結晶シリコンからなるシリコン基板上に酸化シリコン膜を介してシリコン薄膜が形成されたSOIウエハを用意し、SOIウエハのシリコン基板を支持基板14として、酸化シリコン膜を第1のパターン形成用層11として、シリコン薄膜を第2のパターン形成用層12として用いる。
続いて、LPCVD法によって、膜厚400nmの窒化シリコン(Si3 N4 )膜を成膜して、メンブレン状の基板13と支持基板14の周囲を覆うハードマスク15を形成する。
さらに、支持基板14側のハードマスク15をパターニングして、支持枠と梁の形成のためのパターン15aを形成する。この際、支持基板14側のハードマスク15上にレジストパターン(不図示)を形成し、これをマスクに用いて支持基板14側のハードマスク15を、フロロカーボン系ガスなどを用いてドライエッチングする。
続いて、LPCVD法によって、膜厚400nmの窒化シリコン(Si3 N4 )膜を成膜して、メンブレン状の基板13と支持基板14の周囲を覆うハードマスク15を形成する。
さらに、支持基板14側のハードマスク15をパターニングして、支持枠と梁の形成のためのパターン15aを形成する。この際、支持基板14側のハードマスク15上にレジストパターン(不図示)を形成し、これをマスクに用いて支持基板14側のハードマスク15を、フロロカーボン系ガスなどを用いてドライエッチングする。
次に、図11(b)に示すように、支持基板14上のハードマスク15をマスクとして、水酸化カリウム水溶液をエッチング液に用いて支持基板14をウエットエッチングし、周縁部に支持枠14aを形成し、中央部に梁14bを形成する。なお、単結晶シリコンよりなる支持基板14のエッチングは、塩素系ガス等を用いたドライエッチングを採用することもできる。
次に、図11(c)に示すように、第1のパターン形成用層11上に、レジストを塗布し、第1の開口パターンを形成するためのパターンを描画し、現像することによりレジストパターンR1を形成する。但し、梁14bに囲まれた各ブロック内の第1のパターン形成用層11上に均等にレジストを塗布するため、マスク中心の一点のみにレジストを塗布するスピン塗布ではなく、吐出ノズルをスキャンさせながら、基板全面に必要量のレジストを塗布するスキャン塗布を採用することが好ましい。
次に、図12(d)に示すように、レジストパターンR1をマスクにして、第1のパターン形成用層11をエッチングする。この際、フロロカーボン系ガスなどを用いたドライエッチングによって、第2のパターン形成用層12をエッチングストッパにして第1のパターン形成用層11を選択的にエッチングする。これにより、酸化シリコンからなる第1のパターン形成用層11に第1の開口パターン11aを形成する。この開口パターン11aは、基板13の一主面側に基板13の途中の深さまで達する溝パターンとして形成される。その後、レジストパターンR1を除去する。
次に、図12(e)に示すように、第2のパターン形成用層12側の中央部分を露出させるようにハードマスク15をパターニングする。この際、第2のパターン形成用層12側のハードマスク15上にレジストパターン(不図示)を形成し、これをマスクに用いて第2のパターン形成用層12側のハードマスク15を、フロロカーボン系ガスなどを用いてドライエッチングする。
上記のレジストパターンを除去した後、第2のパターン形成用層12上に、レジストを塗布し、第2の開口パターンを形成するためのパターンを描画し、現像することによりレジストパターンR2を形成する。
上記のレジストパターンを除去した後、第2のパターン形成用層12上に、レジストを塗布し、第2の開口パターンを形成するためのパターンを描画し、現像することによりレジストパターンR2を形成する。
次に、図12(f)に示すように、レジストパターンR2をマスクにして、第2のパターン形成用層12をエッチングする。この際、塩素系ガスなどを用いたドライエッチングによって、第1のパターン形成用層11をエッチングストッパにして第2のパターン形成用層12を選択的にエッチングする。これにより、シリコンからなる第2のパターン形成用層12に第2の開口パターン12aを形成する。この第2の開口パターン12aは、基板13の他主面側に基板13の途中の深さまで達する溝パターンとして形成される。その後、レジストパターンR2を除去する。
以上の工程の後、残りのハードマスク15を除去することにより、図10に示す梁付きのステンシルマスクが形成される。
上記の本実施形態に係るステンシルマスクおよびその製造方法によれば、基板13の強度を補強する梁14b付きのステンシルマスクの製造においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第6実施形態)
本実施形態に係るステンシルマスクは、第5実施形態と同様に梁付きのステンシルマスクであるが、その製造方法が異なる。
本実施形態に係るステンシルマスクは、第5実施形態と同様に梁付きのステンシルマスクであるが、その製造方法が異なる。
本実施形態に係るステンシルマスクの製造方法について、図13〜図14を参照して説明する。
まず、図13(a)に示すように、単結晶シリコンからなるシリコンウエハを支持基板14として、支持基板14上に酸化シリコンを堆積させて第1のパターン形成用層11を形成する。
次に、図13(b)に示すように、図示しないレジストパターンあるいはハードマスクを形成し、これらをマスクとして、水酸化カリウム水溶液をエッチング液に用いて支持基板14をウエットエッチングし、周縁部に支持枠14aを形成し、中央部に梁14bを形成する。ハードマスク材料としては、第1実施形態と同様に窒化シリコンが挙げられる。なお、単結晶シリコンよりなる支持基板14のエッチングは、塩素系ガス等を用いたドライエッチングを採用することもできる。
続いて、第1のパターン形成用層11上に、レジストを塗布し、第1の開口パターンを形成するためのパターンを描画し、現像することによりレジストパターンR1を形成する。このレジストの塗布には、マスク中心の一点のみにレジストを塗布するスピン塗布を採用することができる。
続いて、第1のパターン形成用層11上に、レジストを塗布し、第1の開口パターンを形成するためのパターンを描画し、現像することによりレジストパターンR1を形成する。このレジストの塗布には、マスク中心の一点のみにレジストを塗布するスピン塗布を採用することができる。
次に、図13(c)に示すように、レジストパターンR1をマスクにして、第1のパターン形成用層11をエッチングする。例えば、フロロカーボン系ガスなどを用いたドライエッチングによってエッチングする。これにより、酸化シリコンからなる第1のパターン形成用層11に第1の開口パターン11aを形成する。その後、レジストパターンR1を除去する。
次に、図14(d)に示すように、第1のパターン形成用層11側から単結晶シリコンウエハ120を貼り合わせる。
次に、図14(e)に示すように、単結晶シリコンウエハ120を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により必要な膜厚まで研磨することにより、単結晶シリコンからなる第2のパターン形成用層12を形成する。
次に、第2のパターン形成用層12上に、第2の開口パターンを形成するための図示しないレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクにして、第2のパターン形成用層12をエッチングする。この際、塩素系ガスなどを用いたドライエッチングによって、第1のパターン形成用層11をエッチングストッパにして第2のパターン形成用層12を選択的にエッチングする。これにより、シリコンからなる第2のパターン形成用層12に第2の開口パターン12aを形成する。その後、図示しないレジストパターンを除去する。
以上により、図10に示す梁付きのステンシルマスクが形成される。
上記の本実施形態に係るステンシルマスクおよびその製造方法によれば、基板13の強度を補強する梁14b付きのステンシルマスクの製造においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。
例えば、第5実施形態に係る梁付きのステンシルマスクの製造において、第2から第4実施形態で説明したアライメントマークAm1〜Am3の形成のための追加工程を設けてもよい。第5実施形態では、アライメントマークは、図11(c)に示す工程の前に形成する。
本実施形態では、特にLEEPLに使用される露光装置およびステンシルマスクについて説明したが、これに限定されるものではない。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、第5実施形態に係る梁付きのステンシルマスクの製造において、第2から第4実施形態で説明したアライメントマークAm1〜Am3の形成のための追加工程を設けてもよい。第5実施形態では、アライメントマークは、図11(c)に示す工程の前に形成する。
本実施形態では、特にLEEPLに使用される露光装置およびステンシルマスクについて説明したが、これに限定されるものではない。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
本発明は、ステンシルマスクを用いるLEEPL技術などの次世代のリソグラフィ技術に有効に利用することができ、例えば90nmルール以降の半導体回路形成の量産化に役立ち半導体産業に貢献することが出来る。
1…露光装置、2…電子銃、3…コンデンサレンズ、4…アパーチャ、5,6…主偏向器、7,8…副偏向器、10…ステンシルマスク、11…第1のパターン形成用層、11a…第1の開口パターン、12…第2のパターン形成用層、12a…第2の開口パターン、13…基板、14…支持基板、14a…支持枠、14b…梁、15…ハードマスク、Am1,Am2,Am3…アライメントマーク、EB…電子ビーム、P…露光パターン、R1,R2…レジストパターン、W…ウエハ
Claims (8)
- 開口パターンが設けられた層が複数積層された基板を有し、
各開口パターンの重なり部分により、前記基板の一主面側と他主面側とを貫通し、各開口パターンの線幅よりも小さい線幅をもつ露光パターンが形成されている
マスク。 - 各層部分は、隣接して積層された層部分とは異なる材質で形成されている
請求項1記載のマスク。 - 前記基板の一主面側と他主面側とから観察し得るアライメントマークが前記基板に形成されている
請求項1記載のマスク。 - 基板の一主面側に、前記基板の途中の深さまで第1の開口パターンを形成する工程と、
基板の他主面側に、前記第1の開口パターンに達する第2の開口パターンを形成する工程とを有し、
前記第1の開口パターンと前記第2の開口パターンとの重なり部分により、前記基板の一主面側と他主面側とを貫通し、各開口パターンの線幅よりも小さい線幅をもつ露光パターンを形成する
マスクの製造方法。 - 前記基板は、第1層と当該第1層とは異なる材質で構成された第2層との積層体からなり、
前記第1の開口パターンを形成する工程において、前記第2層をストッパにして前記第1層をパターンエッチングし、
前記第2の開口パターンを形成する工程において、前記第1層をストッパにして第2層をパターンエッチングする
請求項4記載のマスクの製造方法。 - 前記第1の開口パターンを形成する工程の前に、前記基板の一主面側と他主面側とから観察し得るアライメントマークを前記基板に形成する工程を有し、
前記第1の開口パターンを形成する工程において、前記アライメントマークを観察することによりアライメントして、前記第1の開口パターンを形成し、
前記第2の開口パターンを形成する工程において、前記アライメントマークを観察することによりアライメントして、前記第2の開口パターンを形成する
請求項4記載のマスクの製造方法。 - 荷電粒子線の照射部と、前記照射部により照射された前記荷電粒子線の経路に設けられたマスクとを有する露光装置であって、
前記マスクは、
開口パターンが設けられた層が複数積層された基板を有し、
各開口パターンの重なり部分により、前記基板の一主面側と他主面側とを貫通し、各開口パターンの線幅よりも小さい線幅をもつ露光パターンが形成されている
露光装置。 - マスクに荷電粒子線を照射して、前記マスクに設けられた露光パターンを被露光体に露光する露光方法であって、
開口パターンが設けられた層が複数積層された基板を有し、各開口パターンの重なり部分により、前記基板の一主面側と他主面側とを貫通し、各開口パターンの線幅よりも小さい線幅をもつ露光パターンが形成されているマスクに、前記荷電粒子線を照射する
露光方法。
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JP2003310167A JP2005079450A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | マスクおよびその製造方法、並びに露光装置および露光方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007220955A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Toppan Printing Co Ltd | 荷電ビーム成形マスク及びその製造方法 |
JP2009031616A (ja) * | 2007-07-30 | 2009-02-12 | Toppan Printing Co Ltd | 荷電粒子線露光用マスク及びその製造方法 |
JP2009224449A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Toppan Printing Co Ltd | イオン注入用ステンシルマスクの製造方法 |
JP2010147063A (ja) * | 2008-12-16 | 2010-07-01 | Toppan Printing Co Ltd | イオン注入用ステンシルマスク及びその製造方法 |
JP2011071280A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Toppan Printing Co Ltd | 荷電粒子線露光用マスク及びその製造方法 |
-
2003
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