JP2005085927A - モニタ方法、露光方法、電子素子の製造方法およびプログラム - Google Patents

モニタ方法、露光方法、電子素子の製造方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】2方向の寸法誤差を低減することができるモニタ方法、露光方法、電子素子の製造方法、プログラムを提供する。
【解決手段】モニタ用パターンを通過した荷電粒子線の電荷量を測定し(ステップST1)、測定された電荷量に基づいてx,y方向における設計寸法に対する転写パターンの寸法誤差を求める(ステップST2)。x,y方向の寸法誤差に応じて荷電粒子線の非点収差および露光量を調節することにより、マスクを通過した荷電粒子線のx,y方向におけるビームプロファイルを補正する。転写パターンの幅は、ビームプロファイルのあるしきい値における幅と考えられることから、例えばこの幅を寸法誤差に応じて増減するように荷電粒子線の非点収差および露光量を調節する(ステップST3)。このように非点収差および露光量を補正した後に、補正後の条件で露光する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば電子素子のリソグラフィ工程に使用されるモニタ方法、露光方法、および当該露光方法を適用した電子素子の製造方法、さらには当該モニタ方法や露光方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
ICやLSI等の半導体装置の製造工程の一つに、半導体基板上に微細な回路パターンを形成するリソグラフィ工程がある。半導体装置の性能はその装置の中にどれだけ多くの回路を設けたかでほぼ決まり、それは基板上に形成する回路パターンサイズに大きく左右される。近年の半導体集積回路製造技術の発展には目覚しいものがあり、半導体装置の微細化、高集積化の傾向も著しい。
半導体基板上に集積回路パターンを形成する方法としては、これまで紫外光を用いたフォトリソグラフィ法が一般的であった。しかし、回路パターンのよりいっそうの微細化が進むにつれて光の解像限界が懸念され始め、電子ビームやイオンビームなどの荷電粒子ビームやX線を用いたより高解像なリソグラフィ技術が検討されている。例えば荷電粒子ビームを用いた露光技術は、ビーム径をnmオーダーにまで絞ることができるため、100nm以下の微細パターンを容易に形成できる点に大きな特徴があり、なかでも電子線描画技術は古くから実用化されている。
ところが、このような極めて細く絞った電子線を走査しながら描画する、いわゆる直接描画法では、大面積あるいは大きなパターンを形成するには膨大な時間を必要とすること、即ちスループット(単位時間当たりの処理量)が低いことが問題であった。そのため、半導体集積回路製造におけるリソグラフィ方法としては依然として紫外光を光源としたフォトリソグラフィ法が用いられ、電子線直接描画法はフォトリソグラフィ用レチクル(マスク)の製造やフォトリソグラフィではデザインルールの厳しい次世代の試験的なデバイス試作など、限定された分野でのみ使用されているにすぎなかった。
このような問題を解決するために、従来の様にガウシアンの形状をした電子ビーム粒子で直接描画するのではなく、可変成形した電子ビームを用いて所定のパターンを電子光学系を介して直接描画する方法が1980年代に出現し、いわゆるブロック露光やセルプロジェクション方式と呼ばれる方法による部分一括パターンを縮小してウェーハ上に描画するリソグラフィ技術が1990年代に出現した(非特許文献1参照)。これらの技術進歩により、電子線直接描画のスループットは飛躍的に向上している。
さらには、IBMがNikonと共同で開発しているPREVAIL(Projection Exposure with Variable Axis Immersion Lenses :非特許文献2参照)等の電子線縮小描画(電子線リソグラフィ)ならさらにスループットも早くできると考えられる。
しかし、これらの電子線縮小描画のためには電子ビームがよく収束しシャープな像を作り出す様、電子ビームのエネルギーを高くする必要がある。そのため、上記部分ブロック露光やセルプロジェクション方式での電子ビームのエネルギーは50keVが一般的であったのが、電子線縮小描画では電子ビームのエネルギーは100keVとなる。
この様な高エネルギーでは電子線光学系を制御するためのしくみも大掛かりになり、装置のコストが非常に大きなものとなってしまう。しかも、高エネルギー電子ビームでは、電子がレジスト内でエネルギーをほとんど放出しないままレジストを通過してしまうので電子数当たりのレジスト感度が小さくなる。このため、電子ビームのエネルギーが高いほど、同じ感度のレジストを用いる場合に必要な電子ビーム電流量は大きくなり、ビーム内の電子密度はより高くなる。
ビーム内の電子密度がより高くなると、ビームの焦点がぼけ、パターン解像度の劣化が引き起こるというジレンマが生じる。また電子ビーム電流量が大きくなるほど近接効果(下側の基板からレジストへの後方散乱の結果、形成されるパターンに歪みをもたらす)の影響も大きくなる。さらに、電子ビーム電流量が大きくなるほど、マスク、レジスト層、さらには基板も加熱され、形成パターンの歪みはより大きいものになる。従って、必要な精度を維持するために、電子ビーム電流量を制限する必要がありスループットに影響を及ぼす。
これらの影響を回避するため、低エネルギーの電子ビームによるパターンを形成する露光方法が開発された。低エネルギーの電子ビームでは近接効果が実質的に減少することが報告されている(非特許文献3参照)。
低エネルギーの電子ビームを用いたリソグラフィ技術として開発が進められているLEEPL(Low Energy E-beam Proximity Projection Lithography)では、電子ビームのエネルギーは約1〜4keV、特徴的には約2keVである(特許文献1参照)。
LEEPLでは、マスクはレジストで被覆されたウエハから約50μmに位置しており、マスク上のパターンはウェーハ上のパターンと等倍のいわゆる等倍近接露光を用いるため、例えば100nm以下の極微細パターンを形成するためにはマスクにも同じく100nm以下の極微細パターンを形成する必要がある。
「ULSIリソグラフィ技術の革新」,サイエンスフォーラム,1994年11月刊,P177,図5等 Hans C PFEIFEER ,「A High-Throughput Electron Beam Approach to Suboptical Lithography」,JJAP Vol.34(1995) pp.6658-6662 「Low voltage alternative for electron beam lithography 」,JVac. Sci TechB 10(6), 11月/12月 p.3094-3098 特許第2951947号 特開2001−229866号公報
このため、転写パターンの線幅制御が非常に難しく、また、マスクに形成されるマスクパターンの精度がそのままパターン精度に反映され、マスクで例えば10nmのx,y方向の寸法誤差があったとすると、ウエハでもそのx,y方向の寸法誤差はそのままの10nmとなる。
従って、このような場合にマスクを再作製することなく、転写パターンのx,y方向の寸法誤差を解消するための方法があると非常に有効である。このことは、電子光学系に起因する転写パターンのx,y方向の寸法誤差や、マスクに付着したコンタミによる転写パターンのx,y方向の寸法誤差についても同様である。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、2方向の寸法誤差を低減することができる露光方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、被露光体にパターンを転写することなく、転写パターンの寸法誤差をモニタすることができるモニタ方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の露光方法を用いた電子素子の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、被露光体にパターンを転写することなく、転写パターンの寸法誤差を求めるための処理をコンピュータに実行させることができるプログラムを提供することにある。
本発明の他の目的は、転写パターンの寸法誤差を解消するための露光条件の補正値を求めるための処理をコンピュータに実行させることができるプログラムを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のモニタ方法は、マスクのパターンを通過した荷電粒子線により被露光体に転写される転写パターンの、寸法誤差をモニタするモニタ方法であって、前記マスクに設けられたモニタ用パターンに対し前記荷電粒子線を照射する工程と、前記モニタ用パターンを通過した前記荷電粒子線の電荷量を測定する工程と、前記測定された前記電荷量に基づいて、前記モニタ用パターンを前記被露光体に転写したときの転写パターンの面積を求める工程と、前記転写パターンの前記面積に基づいて、少なくとも2方向における設計寸法に対する前記転写パターンの寸法誤差を求める工程とを有する。
上記の本発明のモニタ方法では、モニタ用パターンを通過した荷電粒子線の電荷量が測定され、測定された電荷量に基づいてモニタ用パターンを被露光体に転写したときの転写パターンの面積が求められる。
そして、転写パターンの面積に基づいて、少なくとも2方向における設計寸法に対する転写パターンの寸法誤差が求められる。
なお、2方向の寸法比が異なる少なくとも2つのモニタ用パターンとは、一繋がりのモニタ用パターン中に、2方向の寸法比が異なる2つのパターン部分をもつものも含む。
上記の目的を達成するため、本発明の露光方法は、マスクに荷電粒子線を照射して、前記マスクのパターンを通過した前記荷電粒子線により被露光体に転写パターンを露光する露光方法であって、設計寸法に対する転写パターンの寸法誤差を、少なくとも2方向についてモニタする工程と、前記2方向の前記寸法誤差に応じて前記荷電粒子線の非点収差および露光量を調節することにより、前記マスクを通過した前記荷電粒子線の前記2方向におけるビームプロファイルを補正する工程と、前記補正後の前記ビームプロファイルをもつ前記荷電粒子線を前記マスクに照射して、前記被露光体に転写パターンを形成する工程とを有する。
上記の本発明の露光方法では、モニタした2方向の寸法誤差に応じて荷電粒子線の非点収差および露光量を調節することにより、マスクを通過した荷電粒子線の2方向におけるビームプロファイルを補正する。
転写パターンの幅は、ビームプロファイルのあるしきい値における幅と考えられることから、例えばこの幅を寸法誤差に応じて増減するように荷電粒子線の非点収差および露光量を調節する。
このように非点収差および露光量を補正した後に、補正後の条件で露光することにより、被露光体に転写される転写パターンの寸法誤差が解消される。
なお、2方向の寸法比が異なる少なくとも2つのモニタ用パターンとは、一繋がりのモニタ用パターン中に、2方向の寸法比が異なる2つのパターン部分をもつものも含む。
上記の目的を達成するため、本発明の電子素子の製造方法は、マスクに荷電粒子線を照射して前記マスクのパターンを通過した前記荷電粒子線により転写パターンを露光し、前記転写パターンを用いて層をパターニングすることにより、電子素子の層を形成する電子素子の製造方法であって、前記転写パターンを露光する工程は、設計寸法に対する前記転写パターンの寸法誤差を、少なくとも2方向についてモニタする工程と、前記2方向の前記寸法誤差に応じて前記荷電粒子線の非点収差および露光量を調節することにより、前記マスクを通過した前記荷電粒子線の前記2方向におけるビームプロファイルを補正する工程と、前記補正後の前記ビームプロファイルをもつ前記荷電粒子線を前記マスクに照射して、前記被露光体に転写パターンを形成する工程とを有する。
上記の本発明の電子素子の製造方法では、転写パターンを露光する前に、モニタした2方向の寸法誤差に応じて荷電粒子線の非点収差および露光量を調節することにより、マスクを通過した荷電粒子線の2方向におけるビームプロファイルを補正する。
転写パターンの幅は、ビームプロファイルのあるしきい値における幅と考えられることから、例えばこの幅を寸法誤差に応じて増減するように荷電粒子線の非点収差および露光量を調節する。
このように非点収差および露光量を補正した後に、補正後の条件で露光することにより、被露光体に転写される転写パターンの寸法誤差が解消される。
上記の転写パターンを用いて層をパターニングすることにより、電子素子の層が形成される。
上記の目的を達成するため、本発明のプログラムは、マスクのパターンを通過した荷電粒子線により被露光体に転写される転写パターンの寸法誤差をコンピュータにモニタさせるプログラムであって、前記マスクに設けられたモニタ用パターンを通過した荷電粒子線の電荷量を測定するステップと、前記測定された前記電荷量に基づいて、前記モニタ用パターンを前記被露光体に転写したときの転写パターンの面積を求めるステップと、前記転写パターンの前記面積に基づいて、少なくとも2方向における設計寸法に対する前記転写パターンの寸法誤差を求めるステップと、をコンピュータに実行させるものである。
上記の本発明のプログラムでは、モニタ用パターンを通過した荷電粒子線の電荷量に基づいて、モニタ用パターンを被露光体に転写したときの転写パターンの面積をコンピュータに求めさせる。
続いて、転写パターンの面積に基づいて、少なくとも2方向における設計寸法に対する転写パターンの寸法誤差をコンピュータに求めさせる。
上記の目的を達成するため、本発明のプログラムは、被露光体に転写パターンを露光する際にマスクに照射する荷電粒子線のビームプロファイルを補正する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、設計寸法に対する前記転写パターンの寸法誤差を、少なくとも異なる2方向についてモニタするステップと、前記2方向の前記寸法誤差に応じて前記荷電粒子線の非点収差および露光量を調節し、前記マスクを通過した前記荷電粒子線の前記2方向における前記ビームプロファイルを補正するステップと、をコンピュータに実行させるものである。
上記の本発明のプログラムでは、モニタした2方向の寸法誤差に応じて荷電粒子線の非点収差および露光量を調節して、補正後の非点収差および露光量をコンピュータに求めさせる。
転写パターンの幅は、ビームプロファイルのあるしきい値における幅と考えられることから、例えばこの幅を寸法誤差に応じて所定の値だけ増減するための補正非点収差および補正露光量をコンピュータに求めさせる。
このようにして、被露光体に転写される転写パターンの寸法誤差を解消し得る、補正後の非点収差および露光量が求められる。
本発明の露光方法によれば、2方向の寸法誤差を低減することができる。本発明のモニタ方法によれば、被露光体にパターンを転写することなく、転写パターンの寸法誤差をモニタすることができる。本発明の電子素子の製造方法によれば、パターンの寸法精度が向上することにより、特性が向上した電子素子を製造することができる。本発明のプログラムによれば、被露光体にパターンを転写することなく、転写パターンの寸法誤差を求めるための処理をコンピュータに実行させることができる。本発明のプログラムによれば、転写パターンの寸法誤差を解消するための露光条件の補正値を求めるための処理をコンピュータに実行させることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、一例として本発明をLEEPL技術へ適用した例について説明するが、これに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。
図1に示す露光装置1は、電子銃2と、非点収差補正コイル3と、コンデンサレンズ4と、アパーチャ5と、一対の主偏向器6,7と、一対の副偏向器8,9と、マスク10と、ウエハ等の被露光体Wを保持するステージ11と、電荷量検出器12と、制御部13とを有する。
電子銃2は、電子ビームEBを出射する。LEEPLに用いられる電子ビームEBのエネルギーは、約1〜4keVであり、好適には2keVである。
非点収差補正コイル3は、電子ビームEBの経路を囲む8極のコイルや60度斜交4極コイルで構成され、各コイルに流す電流を制御することでx,y方向の非点収差を補正する。8極のコイルは4極ずつの2組のコイルによってx,y方向の非点収差補正を行う構成である。60度斜交4極コイルは4極を60度(π/3)の角度にセットすることによってx,y方向の非点収差補正を行う構成である。いずれのコイルにおいても、各組のコイルに供給する電流を調整することによって、x,y方向の非点収差補正を行うことができる。
コンデンサレンズ4は、非点収差補正コイル3により非点収差が補正された電子ビームEBを平行化する。アパーチャ5は、電子ビームEBを所望の形状にするための開口を有し、コンデンサレンズ4により平行化された電子ビームEBの断面形状を成形する。コンデンサレンズ4は、電子ビームEBを一端広げてから平行化するため、このときの電子ビームの広げる量を大きくすることにより、アパーチャ5によりカットされる電子ビーム量が大きくなることから、露光量が小さくなる。従って、制御部13によりコンデンサレンズ4を制御することで、被露光体Wへの露光量が調節される。
主偏向器6,7は、電子ビームEBが平行なままでマスク10に垂直に入射するように、電子ビームEBを偏向する。主偏向器6,7は、ラスターまたはベクトル走査モードのいずれかで電子ビームEBを偏向する。
副偏向器8,9は、主偏向器6,7によって偏向された電子ビームEBの照射位置を微調整するために偏向する。
マスク10は、周囲が8インチウエハの厚さと同程度の厚さに形成され、中央部の薄膜領域に貫通孔からなるパターンが形成される。マスク10は、パターンが貫通孔により形成されるいわゆるステンシルマスクである。薄膜領域の厚さは500nm程度である。LEEPL技術は、等倍露光であるため、マスク10と被露光体Wのパターンは等倍である。必要に応じて、薄膜領域の強度を補強するために、周囲の支持枠と同程度の厚さの複数の梁が、中央部に延在している。マスク10は、ダイアモンド基板、SiC基板、単結晶Si基板等で作製される。
ステージ11は、x,y方向に移動可能に構成されており、被露光体Wを搭載する。被露光体Wの表面とマスク10の表面との間に約50μmの間隔が設けられるようにステージ11位置が制御される。
ステージ11には、マスク10を搭載する領域の外側に、例えばファラデーカップにより構成される電荷量検出器12が備えられている。電荷量検出器12は、カップ内に流入する電子ビームEBによるビーム電流を検出する。
制御部13は、電子線露光装置の全体の制御を行い、電子銃2、非点収差補正コイル3、コンデンサレンズ4、アパーチャ5、一対の主偏向器6,7、一対の副偏向器8,9、ステージ11および電荷量検出器12に接続されている。制御部13は、電荷量検出器12から電子ビームの電荷量を入力すると、電荷量に基づいて、後述するように転写パターンの面積を予測し、設計寸法からの当該転写パターンのx方向とy寸法の誤差を求める。予測されたx,y方向の寸法誤差を解消するように、電子ビームの非点収差および露光量を調節する。電子ビームの非点収差の補正のため、制御部13は、非点収差補正コイル3に供給する電流を制御する。露光量の調節のため、制御部13は、コンデンサレンズ4を調節してアパーチャ5を通過する電子ビーム量を制御する。あるいは、露光量の調節のため、主偏向器6,7あるいはステージ11を制御して、ビームのスキャン速度を調節して、露光時間を増やす。
以上のような構成の露光装置を用いて露光を行う場合には、まず、ステージ11上に、基板表面にレジストを塗布してなる被露光体Wを載置する。次に、電子銃2から出射された電子ビームEBを、非点収差補正コイル3、コンデンサレンズ4、アパーチャ5で成形し、上述した偏向器6〜9で電子ビームEBの照射位置を調整しつつ走査させながらマスク10に照射する。そして、このマスク10の露光パターンを通過することで成形された電子ビームが、被露光体W表面の図示しないレジストに照射され、レジストに対してパターン露光が行われる。
次に、上記の露光装置における露光条件の補正方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。
転写パターンのx,y方向の寸法誤差の値の求め方として、実際に被露光体に転写された転写パターンを測長する方法もあるが、本実施形態では、被露光体に転写パターンを形成せずにx,y方向の寸法誤差を計算する方法について説明する。
本実施形態では、まず、モニタ用パターンを通過する電荷量を測定し(ステップST1)、当該電荷量に基づいて、モニタ用パターンを被露光体に転写したときの転写パターンの設計寸法からのx,y方向の寸法誤差を計算する(ステップST2)。
ステップST2,ST3における電荷量に基づく、x,y方向の寸法誤差の算出方法について説明する。この処理のため、xy方向の寸法比が異なる少なくとも2つのモニタ用パターン(パターンは貫通孔で形成される)を、マスク10に形成しておく。
図3および図4は、マスクのモニタ用パターンを被露光体に転写した場合における、被露光体に転写される転写パターンTP1,TP2を示す図である。以下、モニタ用パターンとはマスクに配置されるパターンを称し、転写パターンとはマスクのモニタ用パターンが被露光体に転写されたときのパターンを称し、設計パターンとは転写パターンの理想パターンを称する。
図中、W1はx方向における設計パターンSP1の寸法であり、d1はy方向における設計パターンSP1の寸法である。また、W2はx方向における設計パターンSP2の寸法であり、d2はy方向における設計パターンSP2の寸法である。また、aは、設計パターンSP1,SP2に対する転写パターンTP1,TP2のx方向における寸法誤差であり、bは設計パターンSP1,SP2に対する転写パターンTP1,TP2のy方向における寸法誤差である。図3(a)および図3(b)では、a>0,b>0の場合を図解しているが、a>0,b<0の場合には、図4(a)および図4(b)に示すようになる。なお、a<0の場合は図示していないが、図4(a)および図4(b)と同様に転写パターンが設計パターンの内側にシフトしたものとなる。
図3,4では、説明の便宜上のため設計パターンの線幅に対する転写パターンの予想線幅を記入する際に、x,y方向ともに一方の辺を揃えたが実際は、基本的に、設計パターンの中心から両側に同程度線幅が増減するとともに、それに位置ずれが加わった位置に転写パターンは存在する。
また、図3(a)に示す転写パターンTP1を形成するためのマスクのモニタ用パターンと、図3(b)に示す転写パターンTP2を形成するためのマスクのモニタ用パターンとは、別々にスキャンが可能であるように少なくともビーム径以上は離して配置する。
本例では、一つのスキャン単位で補正を行うものである。従って、マスクへのモニタ用パターンの配置方法としては、デバイスの特性上線幅を正しく合わせる必要のあるクリティカルなパターンの近くや、スキャン領域を代表できるようなスキャン領域中心や、チップ収量を落とさないようにスクライブライン上に配置することが好ましい。また、マスクには、露光の際に位置合わせに使用するアライメントマークが存在するため、これをモニタ用パターンとしてもよい。あるいは、別個独立のモニタ用パターンを設けずに、任意のデバイスパターンをモニタ用パターンとして使用することも可能である。
LEEPL技術では、通常ショット内でのビーム変動を無視することが可能と考えられ、被露光体に形成される2つの転写パターンTP1,TP2の面積を各々S1,S2として、理想的には以下の数式(1)および(2)が成り立つと考えられる。
〔数1〕 (W1+a)(d1+b)=S1 …(1)
〔数2〕 (W2+a)(d2+b)=S2 …(2)
上記式(1),(2)のS1,S2について式(3),(4)が成立する。すなわち、各モニタ用パターンを通過した電荷量Q1,Q2に比例する。
〔数3〕 S1=αQ1 …(3)
〔数4〕 S2=αQ2 …(4)
上記式(3)および(4)においてαは電荷密度の逆数である。電荷量Q1,Q2はファラデーカップ等からなる電荷量検出器により測定される。電荷密度1/αはビーム径Hから求めることができる。例えば、電子ビームの面積をSeとすると、電荷密度1/αは近似的に下記式(5)により示され、Seは近似的に下記式(6)により示される。
〔数5〕 1/α=Q/Se …(5)
〔数6〕 Se=π(H/2)2 …(6)
近似的に表されるとしたのは、通常の露光時にはビームをスキャンしていることと、対象となるパターン領域が小さいので電荷密度は均一と考えても良いが、ファラデーカップ等で電荷を測定する際には入射する電子ビームは固定であり、その一本の電子ビームの断面における電荷密度の場所依存を考える必要があるからである。なお、以下に示す式も近似となるが、電荷密度1/αはビーム中心から同心円状に遠ざかるほど小さくなる(通樹、ガウス分布で近似できる)ので、より正確には以下に示す式で表される。下記式(7)において、rはビーム中心からの距離である。
Figure 2005085927
以上のように、いずれにしても、ファラデーカップ等からなる電荷量検出器により測定された電荷量と、ビーム径により近似される電荷密度に基づいて、転写パターンの面積S1,S2が求められる。なお、ここで求めようとする転写パターンの面積S1,S2は、マスクのモニタ用パターンを通過した荷電粒子線により形成され得る転写パターンの面積である。
上記の式のビーム径は、例えばナイフエッジ法を使用して測定する。ナイフエッジ法とは、試料近傍に置いた金等の反射率の良好な金属による検出マークのエッジ部分を横切るようにスキャンした時のマークからの反射電子信号の例えば50%強度の範囲をビーム径とする方法である。
〔数8〕 W1+a=A …(8)
〔数9〕 d1+b=B …(9)
〔数10〕 W2−W1=W …(10)
〔数11〕 d2−d1=d …(11)
〔数12〕 S2−S1=S …(12)
上記式(8)〜(12)のように、A,B,W,d,Sを定義すると、式(1)と式(2)はそれぞれ以下の式(13)と式(14)のようになる。
〔数13〕 AB=S1 …(13)
〔数14〕 (W+A)(d+B)=S+S1 …(14)
上記式(13)と式(14)を連立させて解くことにより、AとBについて下記式(15)と(16)が導出される。
Figure 2005085927
Figure 2005085927
上記式(15)のAに上記式(8)を代入し、上記式(16)のBに上記式(9)を代入すると、aとbについて下記式(17)と(18)が導出される。
Figure 2005085927
Figure 2005085927
以上のように、測定値である電荷量Q1,Q2と、ビーム径Hにより定まる電荷密度1/αからマスクのモニタ用パターンを被露光体に転写した場合の転写パターンの面積S1,S2を求めることができ、転写パターンの面積S1,S2に基づいて、x,y方向における設計寸法に対する転写パターンの寸法誤差a,bを求めることができる。
ところで、モニタ精度を考慮して、2つのモニタ用パターン以外にも、その近傍にある、あるいは、同じ形状の他の2つのモニタ用パターンに対しても同様に、x,y方向の寸法精度(a’,b’とする)を求めることが好ましい。実際には、マスクのモニタ用パターン数とスループットと要求精度との兼ね合いで(a,b)の最適な組数を選択する。
そして、例えば、一つの組のx,y方向の寸法誤差(a,b)が正しいものとして、この寸法誤差(a,b)を解消するように、露光量と非点収差を補正して、補正露光量および補正電流値を決定する(図2のステップST3)。その後のステップST6の判断において、当初の値よりも寸法誤差が大きくなっていれば、当初の仮定は間違いとしてもう一組の値を用いて補正をやり直すこととなる。
次に、補正露光量と補正電流値の決定方法について説明する(図2のステップST3)。
補正電流値とは、電子ビームの非点収差を補正するために非点収差補正コイル3に流す電流値のことである。非点収差は、x,yでのビーム径を異なるものにさせ、x,y寸法差の原因になる。非点収差については特許文献2等を参照されたい。しかし、本発明は、特許文献2の自動スティグマ調整装置とは何ら関係はない。
図2のステップST3では、上記したモニタ方法(ステップST1,2)を用いて判明した寸法誤差a,bをともに0に近づける、あるいは、寸法誤差a,bを許容範囲に収まるようにすればよい。ここで、寸法誤差a,bをともに0に近づけるため、a>0の場合は単純にx方向のビーム径を絞れば良いわけではないことを説明する。付け加えると、非点収差の調整は、x,y方向ともにビーム径を可能な限り絞れるように行っておくことが普通であり、よりビーム径を絞ることは困難である場合が多い。
レジストパターンは、あるしきい値(スレッショルド)となる強度以上の露光が行われた部分のみが現像により、ネガレジストの場合は残り、ポジレジストの場合は溶けることにより形成される。すなわち、リソグラフィで形成されるパターン線幅は、ビームプロファイルのあるしきい値における幅と考えることができる。
なお、本願明細書でいうビームプロファイルとは、マスクの開口を通過した後の電子ビームのビームプロファイルを称する。そして、ビームプロファイルは、電子ビームのビームプロファイルそのものではなく、レジストのパターン精度に影響を与える全ての要因、例えば、レジストの感度や、マスクの劣化度に起因する変化を含むものである。
ビームプロファイルを一般的な密度関数の一つであるガウス関数で近似する。図5にガウス関数の例を示す。図5(a)〜図5(c)は、積分値を1で揃えて、標準偏差σを変化させたものであり、図5(a)はσ=3、図5(b)はσ=3.2、図5(c)はσ=3.5の場合の図である。なお、各図において、x軸は位置を示し、y軸はビーム強度を示す。
被露光体に転写される転写パターンのパターン幅を、しきい値y=0.1におけるビームプロファイルのx軸幅(図中、矢印で示す)とすると、図5(a)〜図5(c)に示すように、標準偏差σの値が大きくなるほど、被露光体に転写される転写パターン幅は細くなっていることがわかる。
ガウス関数の標準偏差σを増やすことは、電子ビーム径をxあるいはy方向にぼかす(大きくする)方向に、電子ビームの非点収差を大きくすることを意味する。
以上から、電子ビームの強度を同じとした場合には、xあるいはy方向における転写パターンの幅を減少させたいときは、電子ビームをxあるいはy方向にぼかして(非点収差を大きくする)、xあるいはy方向の電子ビーム径を大きくすることが有効であるといえる。
図6(a)および図6(b)は、標準偏差を3で揃えて、積分値(露光量に相当)を変化させたものであり、図6(a)は積分値が1、図6(b)は積分値が1.5の場合の図である。なお、各図において、x軸は位置を示し、y軸はビーム強度を示す。
図6(a)および図6(b)に示すように、標準偏差σの値を3のままで積分値を1.5とすると、しきい値(0.1)における幅(図中、矢印で示す)は広くなり、結果として被露光体には幅の広いパターンが形成されることになる。
以上から、ビームプロファイルのσを同じとすると、xあるいはy方向における転写パターンの幅を増加させたいときは、露光量を大きくすることが有効であるといえる。但し、露光量を大きくすることは、x,y方向の双方のパターン線幅を大きくすることとなる。
本実施形態では、マスクを通過した電子線のビームプロファイルをガウス関数で近似し、被露光体に形成される転写パターンの線幅は、レジストの感度を考慮して設定されるしきい値強度部分の幅であるとして、この幅を増減させるように非点収差や露光量を調節する。従って、単純にビームをぼかして転写パターンの線幅を太らせるという方法とは、異なる。
上記の検討を考慮した、図2のステップST3における補正露光量と補正電流値の決定方法について説明する。図7は、図2のステップST3の処理を詳細に説明するためのフローチャートである。
まず、図2のステップST1,2でモニタされた転写パターンのx,y方向における寸法誤差a,bがともに正(0以上)の誤差であるか否かを判定する(ステップST11)。
寸法誤差a,bのいずれかが0以上でない場合には(ステップST11)、a,bの双方が0以上となる補正後の露光量を決定する(ステップST12)。例えば、寸法誤差a,bのうちより小さい方が0になるように、露光量を増加させたものが補正後の露光量となる。
ステップST12における処理は、制御部13に、予め寸法誤差の値(負の値)毎に露光量をどれだけ増加させるかの補正テーブルを記憶させておき、制御部13により当該補正テーブルを用いて補正露光量が決定される。なお、露光量の変更は、主偏向器6,7による電子ビームのスキャン速度や、ステージ11による被露光体の移動速度、あるいはコンデンサレンズ4を調節することにより対応する。
続いて、露光量を補正した後の寸法誤差(a’,b’)を求める。この寸法誤差の求め方として最も単純な一例としては、上記の寸法誤差a,bのいずれかが負であった場合に、この寸法誤差aあるいはbを0に増加した分だけ増えることから、単純に加算することにより求められる。
露光量の補正後、a’あるいはb’の一方の値が0となり、他方の値が正の誤差をもつこととなる。従って、設計寸法を越えたa’あるいはb’の値を0とするように、非点収差補正コイル3に流す電流値を変更し、補正電流値を決定する(ステップST13)。補正後の電流値は、x,y方向におけるビームプロファイルのσを大きくする(非点収差の程度を大きくする)ような電流値である。
ステップST13における処理は、制御部13に、予め寸法誤差の値(正の値)毎に、非点収差補正コイル3に流す電流値を定めた補正テーブルを記憶させておき、制御部13により当該補正テーブルを用いて電流値が決定される。
寸法誤差a,bが双方とも0以上の場合には(ステップST11)、a,bの双方を0にするように、非点収差補正コイル3に流す電流値を変更し、補正電流値を決定する(ステップST14)。この処理は、上記したステップST13と同様の処理である。
以上のようにして、補正後の露光量および電流値が決定された後(図2のステップST3)、上述したステップST1,2と同じようにして、補正後の条件でマスクに対し露光を行い、マスクのモニタ用パターンを使って、被露光体に形成される転写パターンの寸法がどのようになるかを検証する(ステップST4,5)。
そして、補正後の条件で露光した場合のx,y方向の寸法誤差a,bが所定の許容範囲を越えている場合には、上記のステップST1〜ST5までの処理を繰り返し行い、x,y方向の寸法誤差a,bが所定の許容範囲に収まるようにする(ステップST6)。
なお、処理のスループットを上げるため、あるいは電子ビームのプロファイルに基づく転写パターンの寸法の計算値の信頼性が高く、一度の補正で十分であれば、図2のステップST4,5の処理をなくしてもよい。
補正後の条件で露光した場合のx,y方向の寸法誤差a,bが所定の許容範囲内に収まると、最終的な補正露光量と補正電流値が決定する。そして、実際の露光において、補正後の条件を用いて、ウエハ等の被露光体にマスクのパターンが露光される。
半導体デバイス、液晶デバイス、固体撮像デバイス等の電子素子の製造方法では、基板上に被加工膜を形成し、この被加工膜上にレジスト(感光膜)を形成したものが被露光体W(図1参照)となる。レジストが露光された後、現像してレジストに転写パターンを形成し、レジストをマスクに被加工膜をエッチングすることにより、被加工膜がパターニングされる。電子素子の製造方法では、上記の被加工膜およびレジストの形成、露光、現像、エッチングの処理を繰り返すことにより電子素子を構成するパターンの層が積層されて、最終的に電子素子が製造されることとなる。
以上説明したように、本実施形態に係るモニタ方法およびプログラムによれば、被露光体に露光することなく、マスクのモニタ用パターンを通過する荷電粒子線の電荷量を測定することにより、被露光体に形成されるであろう転写パターンの寸法誤差をモニタできる。従って、露光条件の補正のために被露光体を無駄にすることがない。
本実施形態に係る露光方法およびプログラムによれば、モニタしたx,y方向の寸法誤差に応じて、電子ビームの非点収差および露光量を調節することにより、マスクを通過した電子ビームのx,y方向におけるビームプロファイルを補正した後、補正後のビームプロファイルをもつ荷電粒子線を用いて被露光体に露光することにより、転写パターンのx,y方向の寸法誤差を解消して、転写パターンの精度を向上させることができる。
従って、マスクに形成されたマスクパターンの線幅にx,y方向の寸法誤差が発生することに起因する、転写パターンのx,y寸法誤差を解消することができることから、マスクの要求スペックを比較的緩くできるため、マスク製造コスト削減とマスクの製造納期の短縮に繋がる。
また、長期間の使用によりマスクにコンタミ等が付着してマスクパターンの線幅が変化することに起因する、転写パターンのx,y寸法誤差を解消することができることから、マスクを長期間にわたって使用することができ、洗浄等によるマスクの再生やマスクの再作製までの間隔を長くできるため、露光のランニングコストを低減できる。
上記の露光方法を露光工程に適用した電子素子の製造方法では、転写パターンのx,y方向の寸法誤差を解消して、転写パターンの精度を向上させることができることから、この転写パターンを用いてエッチングすることにより形成されるパターン層の精度を向上させることができ、特性の向上した電子素子を製造することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で説明したマスクのモニタ用パターンが他のマークを兼ねる場合の例について説明する。
図8(a)は、アライメントマークAm1の平面図である。
図8(a)に示すアライメントマークAm1は、十字マークである。このアライメントマークは、通常、マスクに複数配置されているものである。アライメントマークAm1は、y方向に長いライン状のパターン部分Am11と、y方向に略垂直に交わるx方向に長いライン状のパターン部分Am12とを有する。
従って、図8(b)に示すように、第1実施形態と同様に、y方向に長いライン状のパターン部分Am11と、x方向に長いライン状のパターン部分Am12に対し独立に電子ビームを照射して、パターン部分Am11,Am12を通過する電子ビームの電荷量を測定することにより、第1実施形態と同様に、x,y方向の寸法誤差a,bがモニタできる。
なお、このときには、ビーム径が100μm以下で、W1,W2は200μm以上あることが好ましい。これは、別々にスキャンするためには、二つのパターン部分Am11,Am12がビーム径以上離れている必要があるからである。
あるいは、図8に示すアライメントマークAm1を被露光体に転写した後に、アライメントマークの二つのパターン部分Am11,Am12の寸法を測長SEMにより測定することにより、x,y方向の寸法誤差a,bがモニタできる。
以上のように、モニタ用パターンがアライメントマークを兼ねることにより、新たなモニタ用パターンの形成が不要となり、被露光体から得られるチップの収量を低下させることもない。
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。
例えば、露光装置に測長SEMを備えることにより、マスクのモニタ用パターンを被露光体に転写して、転写後の転写パターンの寸法を直接測長し、x,y寸法誤差を求めてもよい。
また、本実施形態では、電子ビームを用いた露光の例について説明したが、電子ビーム以外にもイオンビーム等の荷電粒子線であれば同様に適用可能である。
また、第2実施形態以外の形状のアライメントマークを利用してもよい。x,y方向のパターン寸法が異なるパターン部分を少なくとも2つもつアライメントマークであれば、第2実施形態と同様にアライメントマークを利用して、x,y方向の寸法誤差a,bをモニタすることができる。
例えば、図9に示すような井形のアライメントマークAm2もy方向に長いパターン部分Am21とx方向に長いパターン部分Am22をもっており、図10に示すバーマークと称されるマークAm3等もy方向に長いパターン部分Am31とx方向に長いパターン部分Am32をもっているため、同様に利用可能である。
さらに、図11に示すようなFIAマークAm4であっても、y方向に長いパターンが並んだx方向アライメント用マーク(図11(a)参照)と、x方向に長いパターンが並んだy方向アライメント用マーク(図11(b)参照)を用いて、同様にx,y方向の寸法誤差a,bをモニタすることができる。
さらに、図12に示すようなLSAマークAm5であっても、矩形パターンの集合によりy方向に長いパターン群が形成され当該パターン群がx方向に並んだx方向アライメント用マーク(図12(a)参照)と、同様に矩形パターンの集合によりx方向に長いパターン群が形成され当該パターン群がy方向に並んだy方向アライメント用マーク(図12(b)参照)を用いて、同様にx,y方向の寸法誤差a,bをモニタすることができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
本実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。 本実施形態に係る露光方法の手順を示すフローチャートである。 転写パターンを示す平面図である。 他の例の転写パターンを示す平面図である。 マスクを通過した後の電子ビームのビームプロファイルであり、図5(a)はσ=3、図5(b)はσ=3.2、図5(c)はσ=3.5の場合の図である。 マスクを通過した後の電子ビームのビームプロファイルであり、図6(a)は積分値が1、図6(b)は積分値が1.5の場合の図である。 補正露光量と補正電流値の決定方法を説明するためのフローチャートである。 モニタ用パターンを兼ねるアライメントマークの平面図である。 井形マークの平面図である。 バーマークの平面図である。 FIAマークの平面図である。 LSAマークの平面図である。
符号の説明
1…露光装置、2…電子銃、3…非点収差補正コイル、4…コンデンサレンズ、5…アパーチャ、6,7…主偏向器、8,9…副偏向器、10…マスク、11…ステージ、12…電荷量検出器、13…制御部、Am1,Am2,Am3,Am4,Am5…マーク、W…被露光体、SP1,SP2…設計パターン、TP1,TP2…転写パターン、a…x方向寸法誤差、b…y方向寸法誤差

Claims (12)

  1. マスクのパターンを通過した荷電粒子線により被露光体に転写される転写パターンの、寸法誤差をモニタするモニタ方法であって、
    前記マスクに設けられたモニタ用パターンに対し前記荷電粒子線を照射する工程と、
    前記モニタ用パターンを通過した前記荷電粒子線の電荷量を測定する工程と、
    前記測定された前記電荷量に基づいて、前記モニタ用パターンを前記被露光体に転写したときの転写パターンの面積を求める工程と、
    前記転写パターンの前記面積に基づいて、少なくとも2方向における設計寸法に対する前記転写パターンの寸法誤差を求める工程と
    を有するモニタ方法。
  2. 前記荷電粒子線を照射する工程において、前記2方向の寸法比が異なる少なくとも2つの前記モニタ用パターンに対し、前記荷電粒子線を照射する
    請求項1記載のモニタ方法。
  3. 前記モニタ用パターンは、アライメントマークを兼ねる
    請求項2記載のモニタ方法。
  4. マスクに荷電粒子線を照射して、前記マスクのパターンを通過した前記荷電粒子線により被露光体に転写パターンを露光する露光方法であって、
    設計寸法に対する転写パターンの寸法誤差を、少なくとも2方向についてモニタする工程と、
    前記2方向の前記寸法誤差に応じて前記荷電粒子線の非点収差および露光量を調節することにより、前記マスクを通過した前記荷電粒子線の前記2方向におけるビームプロファイルを補正する工程と、
    前記補正後の前記ビームプロファイルをもつ前記荷電粒子線を前記マスクに照射して、前記被露光体に転写パターンを形成する工程と
    を有する露光方法。
  5. 前記荷電粒子線のビームプロファイルを補正する工程において、
    少なくとも1方向について前記設計寸法に満たない前記転写パターンの寸法誤差がある場合に、前記荷電粒子線の露光量を大きくし、
    少なくとも1方向について前記設計寸法を越える前記転写パターンの寸法誤差がある場合に、前記荷電粒子線の非点収差を大きくする
    請求項4記載の露光方法。
  6. 前記寸法誤差をモニタする工程は、
    前記マスクに設けられたモニタ用パターンに対し前記荷電粒子線を照射する工程と、
    前記モニタ用パターンを通過した前記荷電粒子線の電荷量を測定する工程と、
    前記測定された前記電荷量に基づいて、前記モニタ用パターンを前記被露光体に転写したときの転写パターンの面積を求める工程と、
    前記転写パターンの前記面積に基づいて、少なくとも2方向における前記設計寸法に対する前記転写パターンの寸法誤差を求める工程と
    を有する請求項4記載の露光方法。
  7. 前記荷電粒子線を照射する工程において、前記2方向の寸法比が異なる少なくとも2つの前記モニタ用パターンに対し、前記荷電粒子線を照射する
    請求項6記載の露光方法。
  8. 前記モニタ用パターンは、アライメントマークを兼ねる
    請求項6記載の露光方法。
  9. 前記寸法誤差をモニタする工程において、前記被露光体に実際に転写した前記転写パターンを実測することにより、設計寸法に対する前記転写パターンの寸法誤差をモニタする
    請求項4記載の露光方法。
  10. マスクに荷電粒子線を照射して前記マスクのパターンを通過した前記荷電粒子線により転写パターンを露光し、前記転写パターンを用いて層をパターニングすることにより、電子素子の層を形成する電子素子の製造方法であって、
    前記転写パターンを露光する工程は、
    設計寸法に対する前記転写パターンの寸法誤差を、少なくとも2方向についてモニタする工程と、
    前記2方向の前記寸法誤差に応じて前記荷電粒子線の非点収差および露光量を調節することにより、前記マスクを通過した前記荷電粒子線の前記2方向におけるビームプロファイルを補正する工程と、
    前記補正後の前記ビームプロファイルをもつ前記荷電粒子線を前記マスクに照射して、前記被露光体に転写パターンを形成する工程と
    を有する電子素子の製造方法。
  11. マスクのパターンを通過した荷電粒子線により被露光体に転写される転写パターンの寸法誤差をコンピュータにモニタさせるプログラムであって、
    前記マスクに設けられたモニタ用パターンを通過した荷電粒子線の電荷量を測定するステップと、
    前記測定された前記電荷量に基づいて、前記モニタ用パターンを前記被露光体に転写したときの転写パターンの面積を求めるステップと、
    前記転写パターンの前記面積に基づいて、少なくとも2方向における設計寸法に対する前記転写パターンの寸法誤差を求めるステップと、をコンピュータに実行させる
    プログラム。
  12. 被露光体に転写パターンを露光する際にマスクに照射する荷電粒子線のビームプロファイルを補正する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    設計寸法に対する前記転写パターンの寸法誤差を、少なくとも異なる2方向についてモニタするステップと、
    前記2方向の前記寸法誤差に応じて前記荷電粒子線の非点収差および露光量を調節し、前記マスクを通過した前記荷電粒子線の前記2方向における前記ビームプロファイルを補正するステップと、をコンピュータに実行させる
    プログラム。



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