JP3633554B2 - マスクおよびその製造方法と半導体装置の製造方法 - Google Patents

マスクおよびその製造方法と半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソグラフィー等に用いられるマスクおよびその製造方法と、半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICやLSI等の半導体装置の製造工程の一つに、半導体基板上に微細な回路パターンを形成するリソグラフィー工程がある。半導体装置の性能は、装置内にどれだけ多くの回路を設けたかによってほぼ決定される。半導体装置の集積度は、基板上に形成される回路パターンサイズに大きく左右される。近年、半導体装置の微細化および高集積化が著しく進んでいる。
【0003】
半導体基板上に集積回路パターンを形成する方法としては、これまで紫外光を用いたフォトリソグラフィー法が一般的であった。しかしながら、回路パターンの微細化が進むにつれて光の解像限界が懸念され始め、電子ビームやイオンビーム等の荷電粒子ビームやX線を用いた、より高解像度のリソグラフィー技術が検討されている。
【0004】
例えば、荷電粒子ビームを用いた露光技術によれば、ビーム径をnmオーダーに絞ることが可能であり、100nm以下の微細パターンを容易に形成できる。なかでも電子線描画技術は比較的古くから実用化されている。しかしながら、このように極めて細く絞った電子ビームを走査して描画する直接描画法により、大面積あるいは大きなパターンを形成するには、膨大な時間を必要とする。したがって、単位時間当たりの処理量(スループット)が低いという問題があった。
【0005】
そのため、半導体集積回路の製造におけるリソグラフィー方法としては、依然として紫外光を光源としたフォトリソグラフィー法が用いられることが多い。電子線直接描画法は、フォトリソグラフィー用レチクル(マスク)の製造や、フォトリソグラフィーではデザインルールを満たすのが難しいような次世代デバイスの試作等、スループットの低さが比較的問題となりにくい、限定された用途に使用されていた。
【0006】
スループットが低いという問題を解決するため、それまでのようにガウシアン形状の電子ビームで直接描画するのではなく、可変成形した電子ビームを用いて所定のパターンを描画する方法が1980年代に出現した。さらに、1990年代にはブロック露光やセルプロジェクション方式と呼ばれる、部分一括パターンを縮小してウェハ上に描画するリソグラフィー技術が出現した(サイエンスフォーラムより1994年11月刊「ULSIリソグラフィ技術の革新」p.177)。
【0007】
これらの技術進歩により、電子線直接描画のスループットは飛躍的に向上している。さらに、ルーセント・テクノロジー等が開発したSCALPEL(scattering with angular limitation in projection electron−beam lithography/S.T. Stanton他 Proceedings of SPIE 3676 p.194 (1999)参照)や、IBMがニコンと共同で開発しているPREVAIL(projection exposure with variable axis immersion lenses/A High−Throughput Electron Beam Approach to ’Suboptical’ Lithography, Hans C. Pfeiffer, JJAP Vol. 34 (1995) p.6658−6662参照)等の電子線縮小描画(電子線リソグラフィー)によれば、さらにスループットを上げることも可能である。
【0008】
しかしながら、これらの電子線縮小描画においては、電子ビームを収束させて鮮明な像を形成するために、電子ビームのエネルギーを高くする必要がある。ブロック露光やセルプロジェクション方式での電子ビームのエネルギーは50keVが一般的であったが、電子線縮小描画では電子ビームのエネルギーが100keVとなる。
このような高エネルギーでは電子線光学系を制御するための機構も大がかりとなる。したがって、装置のコストも増大する。
【0009】
また、高エネルギー電子線の場合、電子がレジスト内でエネルギーをほとんど放出しないままレジストを通過するため、電子数当たりのレジスト感度が小さくなる。したがって、同じ感度のレジストを用いる場合には、電子ビームのエネルギーが高いほど、必要とされる電子ビーム電流量は大きくなり、ビーム内の電子密度が高くなる。
【0010】
ビーム内の電子密度がより高くなると、ビームの焦点がぼけ、パターン解像度が低下する問題が起こる。また、電子ビームを用いる描画では、下側の基板からレジストへの後方散乱の結果、形成されるパターンが歪むという問題(近接効果)がある。電子ビーム電流量が大きくなるほど、近接効果の影響は大きくなる。
【0011】
さらに、電子ビーム電流量が高くなるほど、マスク、レジストおよび基板が加熱されやすくなり、形成されるパターンの歪みが大きくなる。したがって、パターンに要求される精度を維持するためには、電子ビーム電流量を制限する必要があり、スループットは低下する。
【0012】
スループットに影響を与えずに、近接効果を抑制するため、低エネルギーの電子ビームによりパターンを形成する露光方法が開発された。低エネルギーの電子ビームを用いると、近接効果が実質的に減少することが報告されている(’Lowvoltage alternative for electron beam lithography’ J. Vac. Sci. Technol. B 10(6), Nov/Dec (1992) p.3094−3098) 。
【0013】
低エネルギーの電子ビームを用いたリソグラフィー技術として、特許第2951947号に開示された技術を利用したLEEPL(low energy E−beam proximity projection lithography)の開発が進められている。LEEPLで用いられる電子ビームのエネルギーは約1〜4keV、好適には約2keVである。LEEPLにおいて、マスクはレジストで被覆されたウェハから約50μm離れた位置に配置される。
【0014】
LEEPLは等倍近接露光であり、ウェハに例えば線幅100nm以下の微細パターンを形成するためには、マスクにも100nm以下のパターンを形成する必要がある。高エネルギーの電子ビームを用いるリソグラフィーの場合には、薄膜(メンブレン)上の一部に電子ビームを散乱する重金属部分を設け、メンブレンを透過する電子ビームによりパターンを転写することも可能である。
【0015】
しかしながら、LEEPLの場合は電子ビームのエネルギーが低く、電子がメンブレンを透過しないため、メンブレンに孔を設けたステンシルマスクが用いられる。電子ビームは孔部分のみ透過して、パターンが転写される。LEEPL用ステンシルマスクに例えば100nm以下の微細パターンを高精度に形成するには、孔のアスペクト比は低いことが好ましい。したがって、メンブレンを薄くすることが要求される。
【0016】
例えば、セルプロジェクション方式で50keVの電子ビームを用いる電子線描画装置(日立製HL900D)の場合、マスクのメンブレン厚は一般に10μmである。それに対し、LEEPLに用いられるマスクのメンブレン厚は1/10以下の500nm程度である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記のLEEPL用マスクのような薄いマスクは、孔の形成によりメンブレン内の応力が変化し、マスクが変形し易い。マスクが変形すると、ウェハ上に転写される回路パターンに変形や位置ずれが生じる。特に、マスク中の開口パターンのコーナーが角の場合は、角に応力が集中して開口パターンが変形する。
【0018】
これにより、ウェハ上に形成される回路パターンが本来の所望のパターンから変形し、最終的に得られる半導体装置の性能や信頼性が悪化する。場合によっては、マスク中の開口パターンの角部分から亀裂が生じ、マスクが使用不可能となることもある。また、マスクの開口パターンが長いライン状の場合は、メンブレン内の応力の不均一が影響してパターンが変形し、例えばラインの中央付近でライン幅が変化することがある。
【0019】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、したがって本発明は、パターン変位を低減できるマスクおよびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は微細パターンを高精度に転写できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のマスクは、薄膜と、前記薄膜に形成された孔であって、前記薄膜に対し所定の入射角範囲で入射する荷電粒子線が透過する前記孔と、前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄膜に対し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断するダミー孔とを有し、前記ダミー孔は、前記薄膜の内部応力による前記孔の変位を小さくするように、前記薄膜に配置されていることを特徴とする。
【0021】
あるいは、本発明のマスクは、第1の薄膜と、前記第1の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第1の孔であって、所望の転写パターンの一部が拡張された形状を有する前記第1の孔と、前記第1の薄膜に重ねられた第2の薄膜と、前記第2の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第2の孔であって、前記転写パターンの他の一部が拡張され、前記第1の孔との重なり部分が前記転写パターンに一致する形状を有する前記第2の孔と、前記第1の薄膜に前記第1の孔と離れて、かつ前記第2の孔と重ならないように形成された第1のダミー孔とを有し、前記第1のダミー孔は、前記第1の薄膜の内部応力による前記第1の孔の変位を小さくするように、前記第1の薄膜に配置されていることを特徴とする。
【0022】
これにより、薄膜の内部応力に起因する孔の位置ずれや歪みが低減され、マスクのパターン精度が向上する。また、局所的な応力集中に起因する亀裂が、薄膜に発生しにくくなり、マスクの機械的強度も向上する。
【0023】
上記の目的を達成するため、本発明のマスクの製造方法は、所定のパターンで孔を有する薄膜の初期内部応力分布を、少なくとも前記薄膜の材質、膜厚分布および前記パターンのデータを用いて計算する工程と、前記薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記薄膜上の複数の計算点が移動する第1の変位量を計算する工程と、前記薄膜に荷電粒子線が透過しないダミー孔をダミーパターンで付加したとき、前記薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記計算点が移動する第2の変位量を計算する工程と、前記第2の変位量の最大値が許容範囲となるダミーパターンを決定する工程と、前記薄膜に対し所定の入射角範囲で入射する荷電粒子線が透過する前記孔を、前記薄膜に形成する工程と、前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄膜に対し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断する前記ダミー孔を、決定されたダミーパターンで前記薄膜に形成する工程とを有することを特徴とする。
【0024】
あるいは、上記の目的を達成するため、本発明のマスクの製造方法は、所定の転写パターンの一部が拡張された第1のパターンで第1の孔を有する第1の薄膜の初期内部応力分布を、少なくとも前記第1の薄膜の材質、膜厚分布および前記第1のパターンのデータを用いて計算する工程と、前記薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記薄膜上の複数の計算点が移動する第1の変位量を計算する工程と、前記第1の薄膜にダミーパターンでダミー孔を付加したとき、前記第1の薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記計算点が移動する第2の変位量を計算する工程と、前記第2の変位量の最大値が許容範囲となるダミーパターンを決定する工程と、前記転写パターンの他の一部を拡張し、前記第1のパターンと重ね合わせたときの重なり部分が前記転写パターンに一致する第2のパターンを作成する工程と、前記第1の薄膜に、荷電粒子線が透過する前記第1の孔を前記第1のパターンで形成し、決定されたダミーパターンで前記ダミー孔を形成する工程と、前記第1の薄膜に重ねられる第2の薄膜に、荷電粒子線が透過する第2の孔を前記第2のパターンで形成する工程とを有することを特徴とする。
【0025】
これにより、薄膜に孔を形成することによる局所的な応力集中が緩和され、孔の位置ずれや歪みを低減することが可能となる。また、応力集中により薄膜に亀裂が発生するのも防止される。本発明のマスクの製造方法によれば、パターン精度が高いマスクを製造できる。また、マスクの破損も防止されるため、マスクの歩留りが向上する。
【0026】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の半導体装置の製造方法は、感光面にマスクを介して荷電粒子線を露光する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記マスクとして、薄膜と、前記薄膜に所定のパターンで形成された孔であって、前記薄膜に対し所定の入射角範囲で入射する荷電粒子線が透過する前記孔と、前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄膜に対し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断するダミー孔とを有し、前記ダミー孔は、前記薄膜の内部応力による前記孔の変位を小さくするように、前記薄膜に配置されているマスクを用いることを特徴とする。
【0027】
あるいは、本発明の半導体装置の製造方法は、感光面にマスクを介して荷電粒子線を露光する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記マスクとして、第1の薄膜と、前記第1の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第1の孔であって、所望の転写パターンの一部が拡張された形状を有する前記第1の孔と、前記第1の薄膜に重ねられた第2の薄膜と、前記第2の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第2の孔であって、前記転写パターンの他の一部が拡張され、前記第1の孔との重なり部分が前記転写パターンに一致する形状を有する前記第2の孔と、前記第1の薄膜に前記第1の孔と離れて、かつ前記第2の孔と重ならないように形成された第1のダミー孔とを有し、前記第1のダミー孔は、前記第1の薄膜の内部応力による前記第1の孔の変位を小さくするように、前記第1の薄膜に配置されているマスクを用いることを特徴とする。
【0028】
これにより、リソグラフィー工程においてマスクのパターン変位が低減され、微細パターンが高精度に転写される。したがって、半導体装置をより高集積化できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のマスクおよびその製造方法と半導体装置の製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下、本発明をリソグラフィー技術の一つであるLEEPLに適用した例で説明する。
【0030】
(実施形態1)
図1はLEEPLに用いる露光システムの概略図である。この露光システム1において、電子ビーム2は電子銃3から出射される。露光システム1は電子銃3の他、コンデンサレンズ4、アパーチャー5、一対のメインデフレクター6、7、一対の微調整用デフレクター8、9を有する。
【0031】
コンデンサレンズ4は電子ビーム2を平行なビームにする。アパーチャー5はステンシルマスク10に向かう電子ビーム2を制限する。メインデフレクター6、7は電子ビーム2が平行なままステンシルマスク10に垂直に入射するように、電子ビーム2を偏向させる。
【0032】
電子ビーム2はラスターまたはベクトル走査モードのいずれかでステンシルマスク10に入射するが、いずれの場合も電子ビーム2の偏向にメインデフレクター6、7が用いられる。微調整用デフレクター8、9はメインデフレクター6、7によって偏向された電子ビーム2をさらに微調整する。
【0033】
LEEPLに用いられるステンシルマスク10の厚さd は約500nmであるが、マスク材料に応じて変更することもできる。ステンシルマスク10の材料としては、例えば石英やダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等が用いられる。あるいは、既存の半導体プロセスを比較的容易に適用できる単結晶シリコンを、ステンシルマスク10の材料として用いることもできる。
【0034】
ステンシルマスク10とウェハ11との距離d は約50μmである。ステンシルマスク10には所定のパターンで孔12が形成されている。電子ビーム2が孔12を透過することにより、ステンシルマスク10に形成されたパターンが、ウェハ11上に等倍で転写される。
【0035】
図2(a)および(b)は、本実施形態のマスクを説明するための図であり、半導体装置の回路パターン形成用の孔の最も単純な例を示す。図2(a)に示すように、メンブレン14に矩形の角部を丸めた形状で孔12が形成されている。孔12から十分に離れた箇所では、複数の平行な矢印Fで模式的に示したように、孔12の両側で孔12から遠ざかる方向に一様に引っ張り応力Fがかかると見なせる。
【0036】
引っ張り応力Fは、孔12部分では応力を伝える媒質がないため、孔12を回避するように、孔12の長手方向の端部において応力の集中が起こる。図2(a)の例では、孔12の両端のA点に最も応力が集中する。この応力集中により、孔12が変形したり、最悪の場合はA点を起点としてメンブレン14に亀裂が発生したりする。
【0037】
そこで、本実施形態のマスクによれば、図2(b)に示すように、回路パターン形成用の孔12の両側のメンブレン11に、応力集中を緩和するためのダミー孔13を形成する。図2(a)の場合と同様に、孔12およびダミー孔13から十分に離れた箇所では、複数の平行な矢印Fで模式的に示したように、これらの孔12、13から遠ざかる方向に一様に引っ張り応力Fがかかると見なせる。
【0038】
孔12およびダミー孔13部分では応力を伝える媒質がないため、孔12およびダミー孔13を回避するように、孔12の長手方向の両端部Aおよびダミー孔13の長手方向の両端部Bで応力の集中が起こる。図2(b)の場合、応力集中がA点とB点の両方に分散する。これにより、図2(a)に示す場合と比較して、A点での応力集中が緩和される。
【0039】
図2では、本実施形態のマスクによる応力緩和を説明するため、最も単純なパターンの例を示した。次に、より複雑な実際の回路パターン用の孔について、ダミー孔の形状および位置を設計する方法を説明する。任意の初期内部応力分布σに対して、孔を設けたときのマスクの面内変位が計算できる(例えば、M. Oda et al., Jpn. J. Appl. Phys. 31, 4189 (1992)参照)。
【0040】
メンブレンをX−Y平面とみなした場合、初期内部応力分布σ(x,y)は孔部分においてゼロとなり、孔以外のメンブレン部分においては、ある内部応力値σ をもつ。この内部応力値σ はダミー孔を設けることにより変化する。したがって、ダミー孔の形状および位置を適切に設定することにより、マスク内の特定の箇所の応力集中を緩和させることも可能である。
【0041】
内部応力値σ はメンブレンの組成や合成法だけでなく、膜厚分布にも依存するため、一般に定数ではなく、メンブレン上での位置(x,y)に依存した関数である。メンブレンの内部応力分布σ (x,y)は、マスクブランクスの反りをレーザー干渉計や静電容量センサーで計測することにより、実験的に決定できる(M. Oda et al., Jpn. J. Appl. Phys. 34, 6729 (1995))。
ステンシルマスクの場合、孔の箇所の応力はゼロになるため、初期内部応力分布σ(x,y)は次式(I)で表される。
【0042】
【数1】
Figure 0003633554
【0043】
初期内部応力分布σ(x,y)を与えられたマスクは、応力のバランスをとるために変形して力学的平衡状態に至る。メンブレンの各位置でのx、y方向の変位をそれぞれu(x,y)、v(x,y)とすると、これらの変位量は文献に記載された偏微分方程式を解くことにより計算できる(M. Oda et al., Jpn. J. Appl. Phys. 31, 4189 (1992):式(1)および(2))。この偏微分方程式自体は弾性力学の教科書に記述されている周知のものである。応力制御していないメンブレンのパターン変位u(x,y)、v(x,y)は許容できないほど大きい。
【0044】
本実施形態においては、ダミー孔の形成によりメンブレンの初期内部応力を変化させ、変位量を最小化する。ダミー孔のパターン(ダミーパターン)を変化させて、初期内部応力分布σ(x,y)と力学的平衡状態での変位量u(x,y)、v(x,y)をシミュレーション計算する。変位量u(x,y)、v(x,y)が許容範囲であれば、そのダミーパターンを回路パターンに追加して応力制御を行う。これにより、メンブレンの内部応力に起因するパターン歪みを低減できる。
【0045】
以上の手順を、図3のフローチャートに示した。図3に示すように、ステップ1(ST1)では回路パターンにダミーパターンD を付加したときの初期内部応力分布σ(x,y)の変化を計算する。ここで、iは0以上の任意の整数であり、i=0のときはダミーパターンを付加しない場合に対応する。ダミーパターンを付加したときの初期内部応力分布σ は、次式(II)で表される。
【0046】
【数2】
Figure 0003633554
【0047】
ステップ2(ST2)では、ST1で得られた初期内部応力分布σ が力学的平衡状態となるためのパターン変位を計算する。メンブレンの各位置でのx、y方向の変位u(x,y)、v(x,y)がシミュレーションにより求められる。
【0048】
ステップ3(ST3)では、ダミーパターンD を付加したときの力学的平衡状態に至るまでの変位量u、vが許容範囲かどうか判断する。この判断は、変位量u、vの最大値が許容範囲かどうかに基づいて行う。例えば、ゲートパターンのように最も細い線幅で形成されるパターンに対し、線幅の最大変位量が許容範囲かどうか判断する。例えば、設計線幅を50nmとし、許容範囲をその±10%とすると、変位後の線幅が53nmであれば許容されるが、56nmであれば許容されない。
また、パターン精度の尺度として、次式(III)で表される信頼度因子Rを定義する。
【0049】
【数3】
Figure 0003633554
【0050】
ここで、Nは計算点数であり、u 、v は各計算点での変位量である。Rはマスク変位の平均値である。平均値Rだけでなく、u 、v の分散もパターン精度の尺度として併用し、特定の点で許容できない大きな変位が起こらないように監視してもよい。計算点数Nは要求される精度と計算時間とのバランスを考慮して決定すればよい。許容範囲は、Rが極小となる初期内部応力分布(最適初期内部応力分布)を含む範囲で適宜設定する。
【0051】
パターン変位が許容範囲であれば、次のステップ4(ST4)に進み、そのダミーパターンD を回路パターンに付加する。ステップ3で許容範囲とならなかった場合は、ダミーパターンを変更して、ステップ1以降を繰り返す。以上のようにして、パターン変位が許容範囲となるまで、計算と判断を繰り返す。
【0052】
上記のダミーパターンを形成することにより、パターンの変形は抑制されるが、ダミーパターンは本来の回路パターン以外のパターンである。したがって、ダミーパターンが所望の回路パターンとともにウェハ上のレジストに転写されるのは防ぐ必要がある。
【0053】
これを防ぐには、例えば、図4(a)および(b)に示すように、メンブレン14の表面に対する角度を回路パターン用の孔12とダミー孔13とで変化させればよい。図4(a)は図2(b)に示すメンブレン14を、孔12およびダミー孔13を横切るように中央で分割したときの斜視図である。図4(b)は図4(a)の楕円Aで囲まれた部分の断面図である。
【0054】
図4(a)および(b)に示すように、回路パターン描画用の孔12はメンブレンの表面に対してほぼ垂直な方向に形成されている。したがって、孔12の側壁は露光用の荷電粒子ビーム(LEEPLでは電子ビームB)の径路とほぼ平行である。
【0055】
一方、ダミー孔13はメンブレンの表面に対して傾くように形成される。ダミー孔13の方向とメンブレンの法線方向とのなす角度θが所定の角度より大きいとき、電子ビームBはダミー孔13で遮られ、メンブレン11を透過しない。したがって、電子ビームBは孔12のみを選択的に透過し、回路パターンのみが露光される。ダミー孔13の側壁の対向する部分が平行であると仮定し、メンブレン厚をt、メンブレン表面に平行な方向におけるダミー孔13の径をdとすると、上記の角度θがarctan(d/t)より大きくなるようにすればよい。
【0056】
図5(a)は、図4に示すようなメンブレンを含むステンシルマスクの断面図である。図5(a)に示すように、ステンシルマスク21のメンブレン14には、回路パターン用の孔12とダミー孔13とが一定の角度をなすように形成されている。
【0057】
メンブレン14の周囲には、メンブレン14を支持するための支持枠(フレーム)22が形成されている。フレーム22とメンブレン14との間のシリコン酸化膜23は、ステンシルマスク21の作製過程でエッチングストッパー層あるいはメンブレン14を補強するための層として用いられる。
【0058】
上記のステンシルマスク21は、例えば、図5(b)に示すSOI(siliconon insulatorまたはsemiconductor on insulator)ウェハ24を用いて作製できる。SOIウェハ24はシリコンウェハ25上にシリコン酸化膜23を介して、メンブレン14としてのシリコン層を有する。図5(a)のフレーム22はシリコンウェハ25にエッチングを行って形成される。
【0059】
次に、図5(c)に示すように、SOIウェハ24の表面にシリコン窒化膜26を、例えば化学気相成長(CVD;chemical vapor deposition)により形成する。シリコン窒化膜26はシリコンウェハ25にエッチングを行うためのエッチングマスクとして用いられる。また、シリコン窒化膜26はシリコンウェハ25にエッチングを行う際に、メンブレン14の保護膜としても用いられる。シリコン窒化膜26は、他の材料からなる層に変更することもできる。
【0060】
次に、図6(d)に示すように、シリコンウェハ25の裏面側に形成されたシリコン窒化膜26を、フレーム22(図5(a)参照)のパターンに加工する。この工程では、リソグラフィーによりレジストを形成してから、レジストをマスクとしてドライエッチングを行う。
【0061】
次に、図6(e)に示すように、シリコン窒化膜26をマスクとしてシリコンウェハ25にエッチングを行い、フレーム22を形成する。このエッチングは、例えば水酸化カリウム(KOH)あるいはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を含む溶液を用いたウェットエッチングとする。あるいは、ドライエッチングによりフレーム22を形成してもよい。
【0062】
次に、図6(f)に示すように、メンブレン14上のシリコン窒化膜26を、例えばドライエッチングにより除去する。
次に、図7(g)に示すように、メンブレン14上にレジスト27を塗布し、レジスト27に回路パターンを転写する。
【0063】
次に、図7(h)に示すように、レジスト27をマスクとしてメンブレン14にドライエッチングを行い、回路パターン用の孔12を形成する。このエッチングには例えば塩素系ガス等のハロゲンガスを用いることができる。その後、レジスト27を除去する。
【0064】
次に、図7(i)に示すように、メンブレン14上にレジスト28を塗布してから、フレーム22を傾斜させて露光および現像を行い、ダミーパターンをレジスト28に転写する。したがって、レジスト28の断面はメンブレン14の表面に対して垂直とならず、傾斜した状態となる。
【0065】
次に、図8(j)に示すように、レジスト28をマスクとしてメンブレン14にドライエッチングを行う。このとき、フレーム22を傾斜させる角度は、レジスト28に露光を行うとき(図7(i)参照)と同じにする。これにより、回路パターン用の孔12と平行でないダミー孔13が形成される。このエッチングには例えば塩素系ガス等のハロゲンガスを用いることができる。ダミー孔13の形成後、レジスト28を除去する。その後、フレーム22をマスクとしてシリコン酸化膜23にエッチングを行うことにより、図5(a)に示すステンシルマスク21が得られる。
【0066】
あるいは、図8(j)に示す工程で、メンブレン14に孔12とダミー孔13が形成された後、フレーム22が形成されていない部分のシリコン酸化膜23をすべて除去するかわりに、孔12およびダミー孔13部分のシリコン酸化膜23のみ選択的に除去してもよい。
【0067】
この場合、図8(j)に示す工程後、例えばH とCF の混合ガスを用いてシリコン酸化膜23に開口部を形成する。孔12直下のシリコン酸化膜23に開口部を形成する工程では、メンブレン14の表面を水平にする。これにより、孔12直下のシリコン酸化膜23には孔12に連続し、かつメンブレン14の表面に対して垂直な開口部が形成される。
【0068】
一方、ダミー孔13直下のシリコン酸化膜23に開口部を形成する工程では、図8(j)に示す工程と同様にフレーム22を傾斜させる。これにより、ダミー孔13に連続し、かつダミー孔13と同じ方向に延びる開口部をシリコン酸化膜23に形成できる。
【0069】
あるいは、例えばメンブレン厚が500nmで、シリコン酸化膜23の厚さが20nmというように、メンブレン14に対してシリコン酸化膜23が十分に薄い場合には、図4(b)の角度θを表すarctan(d/t)において、メンブレン厚tに対するシリコン酸化膜23の厚さの寄与を無視できる。したがって、この場合には、ダミー孔13部分のシリコン酸化膜23に開口部を形成する際に、フレーム22を傾斜させる必要がない。孔12部分とダミー孔13部分のシリコン酸化膜23に同一の工程で開口部を形成できる。
【0070】
シリコン酸化膜23に形成される開口部の方向を、孔12とダミー孔13にそれぞれ合わせ、孔12部分とダミー孔13部分で互いに異なるようにした場合も、孔12部分とダミー孔13部分で揃えた場合も、シリコン酸化膜23は電子ビームを遮断しない。したがって、シリコン酸化膜23によりメンブレン14を補強できる。
【0071】
上記の本実施形態のステンシルマスクによれば、メンブレンに孔を設けることによる局所的な応力集中と、それに起因するパターン変位やメンブレンの破損を防止できる。本実施形態の半導体装置の製造方法は、上記の本実施形態のステンシルマスクを用いてLEEPLを行う工程を含む。本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、リソグラフィー工程においてマスクのパターン変位が低減されることから、微細パターンが高精度に形成される。
【0072】
(実施形態2)
本実施形態のステンシルマスクは、2枚のステンシルマスクから構成され、これらのマスクには異なるパターンで孔が形成される。2枚のステンシルマスクは重ね合わされ、図1のLEEPL用露光システムのステンシルマスク10と同様に配置される。2枚のステンシルマスクは互いに接するように重ねられても、間隔をあけて重ねられても、いずれでもよい。
【0073】
図9は本実施形態のステンシルマスクのメンブレン部分を拡大した斜視図である。本実施形態のステンシルマスク31は第1のマスク32と第2のマスク33から構成される。本実施形態のステンシルマスク31をLEEPLに用いた場合、電子ビームは第1のマスク32の孔と第2のマスク33の孔とが重なる部分のみ透過する。これにより、ウェハ上のレジストには合成パターン34が転写される。
【0074】
合成パターン34は、所望のデバイスパターンに対応する。図9の例では、第1のマスク32には合成パターン形成用の孔35とダミー孔36が形成される。一方、第2のマスク33には合成パターン形成用の孔37が形成される。合成パターン34は一方向に長いため、合成パターン34のみを1枚のステンシルマスクに形成した場合、メンブレンで局所的な応力集中が起こる。
【0075】
これを緩和するため、第1のマスク32には所望の合成パターン34を長手方向にさらに延ばした合成パターン形成用の孔35と、応力集中を緩和するダミー孔36を形成する。第1のマスク32におけるダミー孔36の形状および位置は、実施形態1と同様に決定できる。
【0076】
一方、第2のマスク33には、長手方向における端部が合成パターン34と一致し、かつ長手方向と直交する方向(幅方向とする。)に拡張された形状で、合成パターン形成用の孔37が形成される。合成パターン形成用の孔37は、合成パターン34あるいは合成パターン形成用の孔35に比較すると、幅方向の長さに対する長手方向の長さの比が小さい。
【0077】
これにより、第2のマスク33では局所的な応力集中が起こりにくく、ダミー孔は必ずしも設ける必要がない。但し、第1のマスク32のダミー孔36と重ならなければ、ダミー孔を適宜設けることも可能である。その場合、第2のマスク33においても、実施形態1と同様の手順で計算を行い、ダミー孔の形状および位置を決定する。また、第1のマスク32と第2のマスク33はどちらを電子銃側(あるいはウェハ側)に配置してもよい。
【0078】
本実施形態のステンシルマスクのように、2枚のマスクのパターンが重なる部分のみ電子ビームが透過する構成の場合、例えばL字型パターンのように、パターン内部に向かって突出する部分を有するパターンを1対のマスクで転写できない。そのような場合は、所望のデバイスパターンを相補分割し、さらに別の1対のマスクに相補パターンを形成する。本実施形態のステンシルマスクを複数用いて多重露光を行うことにより、任意の形状のパターンを転写できる。
【0079】
上記の本実施形態のステンシルマスクによれば、メンブレンに孔を設けることによる局所的な応力集中と、それに起因するパターン変位やメンブレンの破損を防止できる。本実施形態の半導体装置の製造方法は、上記の本実施形態のステンシルマスクを用いてLEEPLを行う工程を含む。本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、リソグラフィー工程においてマスクのパターン変位が低減されることから、微細パターンが高精度に形成される。
【0080】
本発明のマスクおよびその製造方法と半導体装置の製造方法の実施形態は、上記の説明に限定されない。例えば、マスクの材料や構成は適宜変更できる。具体的には、メンブレンにチャージアップを防止するための導電層を設けたり、上記以外の方法でマスクを作製したりしてもよい。
【0081】
また、上記の実施形態のステンシルマスクの膜厚等を適宜変更し、LEEPL以外の電子ビームリソグラフィー、あるいはイオンビームリソグラフィー等の荷電粒子ビームリソグラフィー等に適用することもできる。本実施形態のマスクは、荷電粒子ビームを用いるリソグラフィー以外の半導体装置製造プロセス、例えばイオン注入等にも用いることができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0082】
【発明の効果】
本発明のマスクによれば、応力集中に起因するパターン変位が低減される。
本発明のマスクの製造方法によれば、応力集中が緩和され、パターン変位が低減されたマスクを製造することが可能となる。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、微細パターンを高精度に転写できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のマスクが用いられる露光装置の概略図である。
【図2】図2は本発明の実施形態1に係り、図2(a)はダミー孔のないマスクの上面図、図2(b)はダミー孔を有するマスクの上面図である。
【図3】図3は本発明のマスクの製造方法におけるダミー孔の設計手順を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)は本発明のマスクの斜視図であり、図4(b)は図4(a)のA部分の断面図である。
【図5】図5(a)は本発明の実施形態1に係るマスクの断面図であり、図5(b)および(c)は本発明の実施形態1に係るマスクの製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図6】図6(d)〜(f)は本発明の実施形態1に係るマスクの製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図7】図7(g)〜(i)は本発明の実施形態1に係るマスクの製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図8】図8(j)は本発明の実施形態1に係るマスクの製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図9】図9は本発明の実施形態2に係るマスクの斜視図と、そのマスクにより転写される合成パターンを示す図である。
【符号の説明】
1…露光システム、2…電子ビーム、3…電子銃、4…コンデンサレンズ、5…アパーチャー、6、7…メインデフレクター、8、9…微調整用デフレクター、10…ステンシルマスク、11…ウェハ、12…孔、13…ダミー孔、14…メンブレン、21…ステンシルマスク、22…フレーム、23…シリコン酸化膜、24…SOIウェハ、25…シリコンウェハ、26…シリコン窒化膜、27、28…レジスト、31…ステンシルマスク、32…第1のマスク、33…第2のマスク、34…合成パターン、35…孔、36…ダミー孔、37…孔。

Claims (13)

  1. 薄膜と、
    前記薄膜に形成された孔であって、前記薄膜に対し所定の入射角範囲で入射する荷電粒子線が透過する前記孔と、
    前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄膜に対し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断するダミー孔とを有し、
    前記ダミー孔は、前記薄膜の内部応力による前記孔の変位を小さくするように、前記薄膜に配置されている
    マスク。
  2. 前記入射角範囲は前記薄膜の法線方向を含む
    請求項1記載のマスク。
  3. 前記薄膜の一方の面側に、前記薄膜を支持する支持部を有する
    請求項1記載のマスク。
  4. 第1の薄膜と、
    前記第1の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第1の孔であって、所望の転写パターンの一部が拡張された形状を有する前記第1の孔と、
    前記第1の薄膜に重ねられた第2の薄膜と、
    前記第2の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第2の孔であって、前記転写パターンの他の一部が拡張され、前記第1の孔との重なり部分が前記転写パターンに一致する形状を有する前記第2の孔と、
    前記第1の薄膜に前記第1の孔と離れて、かつ前記第2の孔と重ならないように形成された第1のダミー孔とを有し、
    前記第1のダミー孔は、前記第1の薄膜の内部応力による前記第1の孔の変位を小さくするように、前記第1の薄膜に配置されている
    マスク。
  5. 前記第2の薄膜に前記第2の孔と離れて、かつ前記第1の孔および第1のダミー孔と重ならないように形成された第2のダミー孔をさらに有し、
    前記第2のダミー孔は、前記第2の薄膜の内部応力による前記第2の孔の変位を小さくするように、前記第2の薄膜に配置されている
    請求項記載のマスク。
  6. 前記第1の薄膜と前記第2の薄膜は互いに接し、
    一方の薄膜の他方と接しない面側に、前記第1の薄膜と前記第2の薄膜を支持する支持部を有する
    請求項4記載のマスク。
  7. 前記第1の薄膜と前記第2の薄膜は離れており、
    前記第1の薄膜の一方の面側に、前記第1の薄膜を支持する支持部を有し、
    前記第2の薄膜の一方の面側に、前記第2の薄膜を支持する支持部を有する
    請求項4記載のマスク。
  8. 所定のパターンで孔を有する薄膜の初期内部応力分布を、少なくとも前記薄膜の材質、膜厚分布および前記パターンのデータを用いて計算する工程と、
    前記薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記薄膜上の複数の計算点が移動する第1の変位量を計算する工程と、
    前記薄膜に荷電粒子線が透過しないダミー孔をダミーパターンで付加したとき、前記薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記計算点が移動する第2の変位量を計算する工程と、
    前記第2の変位量の最大値が許容範囲となるダミーパターンを決定する工程と、
    前記薄膜に対し所定の入射角範囲で入射する荷電粒子線が透過する前記孔を、前記薄膜に形成する工程と、
    前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄膜に対し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断する前記ダミー孔を、決定されたダミーパターンで前記薄膜に形成する工程とを有する
    マスクの製造方法。
  9. 基材上にエッチングストッパー層を介して薄膜を形成する工程と、
    前記基材の一部を前記薄膜と反対側の面から除去して前記エッチングストッパー層を露出させ、前記基材の残り部分を前記薄膜の支持部とする工程とを有する
    請求項8記載のマスクの製造方法。
  10. 前記孔を形成する工程は、異方性エッチング工程を含み、
    前記ダミー孔を形成する工程は、前記支持部を傾斜させて異方性エッチングを行う工程を含む
    請求項9記載のマスクの製造方法。
  11. 所定の転写パターンの一部が拡張された第1のパターンで第1の孔を有する第1の薄膜の初期内部応力分布を、少なくとも前記第1の薄膜の材質、膜厚分布および前記第1のパターンのデータを用いて計算する工程と、
    前記薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記薄膜上の複数の計算点が移動する第1の変位量を計算する工程と、
    前記第1の薄膜にダミーパターンでダミー孔を付加したとき、前記第1の薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記計算点が移動する第2の変位量を計算する工程と、
    前記第2の変位量の最大値が許容範囲となるダミーパターンを決定する工程と、
    前記転写パターンの他の一部を拡張し、前記第1のパターンと重ね合わせたときの重なり部分が前記転写パターンに一致する第2のパターンを作成する工程と、
    前記第1の薄膜に、荷電粒子線が透過する前記第1の孔を前記第1のパターンで形成し、決定されたダミーパターンで前記ダミー孔を形成する工程と、
    前記第1の薄膜に重ねられる第2の薄膜に、荷電粒子線が透過する第2の孔を前記第2のパターンで形成する工程とを有する
    マスクの製造方法。
  12. 感光面にマスクを介して荷電粒子線を露光する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記マスクとして、薄膜と、
    前記薄膜に所定のパターンで形成された孔であって、前記薄膜に対し所定の入射角範囲で入射する荷電粒子線が透過する前記孔と、
    前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄膜に対し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断するダミー孔とを有し、
    前記ダミー孔は、前記薄膜の内部応力による前記孔の変位を小さくするように、前記薄膜に配置されているマスクを用いる
    半導体装置の製造方法。
  13. 感光面にマスクを介して荷電粒子線を露光する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記マスクとして、第1の薄膜と、
    前記第1の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第1の孔であって、所望の転写パターンの一部が拡張された形状を有する前記第1の孔と、
    前記第1の薄膜に重ねられた第2の薄膜と、
    前記第2の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第2の孔であって、前記転写パターンの他の一部が拡張され、前記第1の孔との重なり部分が前記転写パターンに一致する形状を有する前記第2の孔と、
    前記第1の薄膜に前記第1の孔と離れて、かつ前記第2の孔と重ならないように形成された第1のダミー孔とを有し、
    前記第1のダミー孔は、前記第1の薄膜の内部応力による前記第1の孔の変位を小さくするように、前記第1の薄膜に配置されているマスクを用いる
    半導体装置の製造方法。
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