JP2003188092A - マスクおよびその製造方法と半導体装置の製造方法 - Google Patents

マスクおよびその製造方法と半導体装置の製造方法

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JP2003188092A JP2001389505A JP2001389505A JP2003188092A JP 2003188092 A JP2003188092 A JP 2003188092A JP 2001389505 A JP2001389505 A JP 2001389505A JP 2001389505 A JP2001389505 A JP 2001389505A JP 2003188092 A JP2003188092 A JP 2003188092A
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】応力制御されたパターン精度の高いマスクおよ
びその製造方法と、微細パターンを高精度に転写できる
半導体装置の製造方法を提供する。 【解決手段】所定のパターンで孔12を有する薄膜の初
期内部応力分布を、薄膜の材質、膜厚分布およびパター
ンのデータから計算する工程と、応力が平衡となるため
に計算点が移動する第1の変位量を計算する工程と、荷
電粒子線を遮断するダミー孔13をダミーパターンで付
加したとき、応力が平衡となるために計算点が移動する
第2の変位量を計算する工程と、第2の変位量が許容範
囲となるダミーパターンを決定する工程と、所定の入射
角範囲の荷電粒子線が透過する孔を、薄膜に形成する工
程と、薄膜を孔と異なる角度で貫通するダミー孔を、決
定されたダミーパターンで形成する工程とを有するマス
クの製造方法、それにより作製されるマスク、およびそ
のようなマスクを用いる半導体装置の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リソグラフィー等
に用いられるマスクおよびその製造方法と、半導体装置
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ICやLSI等の半導体装置の製造工程
の一つに、半導体基板上に微細な回路パターンを形成す
るリソグラフィー工程がある。半導体装置の性能は、装
置内にどれだけ多くの回路を設けたかによってほぼ決定
される。半導体装置の集積度は、基板上に形成される回
路パターンサイズに大きく左右される。近年、半導体装
置の微細化および高集積化が著しく進んでいる。
【0003】半導体基板上に集積回路パターンを形成す
る方法としては、これまで紫外光を用いたフォトリソグ
ラフィー法が一般的であった。しかしながら、回路パタ
ーンの微細化が進むにつれて光の解像限界が懸念され始
め、電子ビームやイオンビーム等の荷電粒子ビームやX
線を用いた、より高解像度のリソグラフィー技術が検討
されている。
【0004】例えば、荷電粒子ビームを用いた露光技術
によれば、ビーム径をnmオーダーに絞ることが可能で
あり、100nm以下の微細パターンを容易に形成でき
る。なかでも電子線描画技術は比較的古くから実用化さ
れている。しかしながら、このように極めて細く絞った
電子ビームを走査して描画する直接描画法により、大面
積あるいは大きなパターンを形成するには、膨大な時間
を必要とする。したがって、単位時間当たりの処理量
(スループット)が低いという問題があった。
【0005】そのため、半導体集積回路の製造における
リソグラフィー方法としては、依然として紫外光を光源
としたフォトリソグラフィー法が用いられることが多
い。電子線直接描画法は、フォトリソグラフィー用レチ
クル(マスク)の製造や、フォトリソグラフィーではデ
ザインルールを満たすのが難しいような次世代デバイス
の試作等、スループットの低さが比較的問題となりにく
い、限定された用途に使用されていた。
【0006】スループットが低いという問題を解決する
ため、それまでのようにガウシアン形状の電子ビームで
直接描画するのではなく、可変成形した電子ビームを用
いて所定のパターンを描画する方法が1980年代に出
現した。さらに、1990年代にはブロック露光やセル
プロジェクション方式と呼ばれる、部分一括パターンを
縮小してウェハ上に描画するリソグラフィー技術が出現
した(サイエンスフォーラムより1994年11月刊「ULS
Iリソグラフィ技術の革新」p.177)。
【0007】これらの技術進歩により、電子線直接描画
のスループットは飛躍的に向上している。さらに、ルー
セント・テクノロジー等が開発したSCALPEL(sc
attering with angular limitation in projection ele
ctron-beam lithography/S.T. Stanton他 Proceeding
s of SPIE 3676 p.194 (1999)参照)や、IBMがニコ
ンと共同で開発しているPREVAIL(projection e
xposure with variable axis immersion lenses/A High
-Throughput Electron Beam Approach to 'Suboptical'
Lithography, Hans C. Pfeiffer, JJAP Vol. 34 (199
5) p.6658-6662参照)等の電子線縮小描画(電子線リソ
グラフィー)によれば、さらにスループットを上げるこ
とも可能である。
【0008】しかしながら、これらの電子線縮小描画に
おいては、電子ビームを収束させて鮮明な像を形成する
ために、電子ビームのエネルギーを高くする必要があ
る。ブロック露光やセルプロジェクション方式での電子
ビームのエネルギーは50keVが一般的であったが、
電子線縮小描画では電子ビームのエネルギーが100k
eVとなる。このような高エネルギーでは電子線光学系
を制御するための機構も大がかりとなる。したがって、
装置のコストも増大する。
【0009】また、高エネルギー電子線の場合、電子が
レジスト内でエネルギーをほとんど放出しないままレジ
ストを通過するため、電子数当たりのレジスト感度が小
さくなる。したがって、同じ感度のレジストを用いる場
合には、電子ビームのエネルギーが高いほど、必要とさ
れる電子ビーム電流量は大きくなり、ビーム内の電子密
度が高くなる。
【0010】ビーム内の電子密度がより高くなると、ビ
ームの焦点がぼけ、パターン解像度が低下する問題が起
こる。また、電子ビームを用いる描画では、下側の基板
からレジストへの後方散乱の結果、形成されるパターン
が歪むという問題(近接効果)がある。電子ビーム電流
量が大きくなるほど、近接効果の影響は大きくなる。
【0011】さらに、電子ビーム電流量が高くなるほ
ど、マスク、レジストおよび基板が加熱されやすくな
り、形成されるパターンの歪みが大きくなる。したがっ
て、パターンに要求される精度を維持するためには、電
子ビーム電流量を制限する必要があり、スループットは
低下する。
【0012】スループットに影響を与えずに、近接効果
を抑制するため、低エネルギーの電子ビームによりパタ
ーンを形成する露光方法が開発された。低エネルギーの
電子ビームを用いると、近接効果が実質的に減少するこ
とが報告されている(’Lowvoltage alternative for e
lectron beam lithography' J. Vac. Sci. Technol.B 1
0(6), Nov/Dec (1992) p.3094-3098) 。
【0013】低エネルギーの電子ビームを用いたリソグ
ラフィー技術として、特許第2951947号に開示さ
れた技術を利用したLEEPL(low energy E-beam pr
oximity projection lithography)の開発が進められて
いる。LEEPLで用いられる電子ビームのエネルギー
は約1〜4keV、好適には約2keVである。LEE
PLにおいて、マスクはレジストで被覆されたウェハか
ら約50μm離れた位置に配置される。
【0014】LEEPLは等倍近接露光であり、ウェハ
に例えば線幅100nm以下の微細パターンを形成する
ためには、マスクにも100nm以下のパターンを形成
する必要がある。高エネルギーの電子ビームを用いるリ
ソグラフィーの場合には、薄膜(メンブレン)上の一部
に電子ビームを散乱する重金属部分を設け、メンブレン
を透過する電子ビームによりパターンを転写することも
可能である。
【0015】しかしながら、LEEPLの場合は電子ビ
ームのエネルギーが低く、電子がメンブレンを透過しな
いため、メンブレンに孔を設けたステンシルマスクが用
いられる。電子ビームは孔部分のみ透過して、パターン
が転写される。LEEPL用ステンシルマスクに例えば
100nm以下の微細パターンを高精度に形成するに
は、孔のアスペクト比は低いことが好ましい。したがっ
て、メンブレンを薄くすることが要求される。
【0016】例えば、セルプロジェクション方式で50
keVの電子ビームを用いる電子線描画装置(日立製HL
900D)の場合、マスクのメンブレン厚は一般に10μm
である。それに対し、LEEPLに用いられるマスクの
メンブレン厚は1/10以下の500nm程度である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のLEEPL用マ
スクのような薄いマスクは、孔の形成によりメンブレン
内の応力が変化し、マスクが変形し易い。マスクが変形
すると、ウェハ上に転写される回路パターンに変形や位
置ずれが生じる。特に、マスク中の開口パターンのコー
ナーが角の場合は、角に応力が集中して開口パターンが
変形する。
【0018】これにより、ウェハ上に形成される回路パ
ターンが本来の所望のパターンから変形し、最終的に得
られる半導体装置の性能や信頼性が悪化する。場合によ
っては、マスク中の開口パターンの角部分から亀裂が生
じ、マスクが使用不可能となることもある。また、マス
クの開口パターンが長いライン状の場合は、メンブレン
内の応力の不均一が影響してパターンが変形し、例えば
ラインの中央付近でライン幅が変化することがある。
【0019】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、したがって本発明は、パターン変位を低減で
きるマスクおよびその製造方法を提供することを目的と
する。また、本発明は微細パターンを高精度に転写でき
る半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のマスクは、薄膜と、前記薄膜に形成された
孔であって、前記薄膜に対し所定の入射角範囲で入射す
る荷電粒子線が透過する前記孔と、前記薄膜を前記孔と
異なる角度で貫通し、前記薄膜に対し前記入射角範囲で
入射する荷電粒子線を遮断するダミー孔とを有し、前記
ダミー孔は、前記薄膜の内部応力による前記孔の変位を
小さくするように、前記薄膜に配置されていることを特
徴とする。
【0021】あるいは、本発明のマスクは、第1の薄膜
と、前記第1の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過す
る第1の孔であって、所望の転写パターンの一部が拡張
された形状を有する前記第1の孔と、前記第1の薄膜に
重ねられた第2の薄膜と、前記第2の薄膜に形成され
た、荷電粒子線が透過する第2の孔であって、前記転写
パターンの他の一部が拡張され、前記第1の孔との重な
り部分が前記転写パターンに一致する形状を有する前記
第2の孔と、前記第1の薄膜に前記第1の孔と離れて、
かつ前記第2の孔と重ならないように形成された第1の
ダミー孔とを有し、前記第1のダミー孔は、前記第1の
薄膜の内部応力による前記第1の孔の変位を小さくする
ように、前記第1の薄膜に配置されていることを特徴と
する。
【0022】これにより、薄膜の内部応力に起因する孔
の位置ずれや歪みが低減され、マスクのパターン精度が
向上する。また、局所的な応力集中に起因する亀裂が、
薄膜に発生しにくくなり、マスクの機械的強度も向上す
る。
【0023】上記の目的を達成するため、本発明のマス
クの製造方法は、所定のパターンで孔を有する薄膜の初
期内部応力分布を、少なくとも前記薄膜の材質、膜厚分
布および前記パターンのデータを用いて計算する工程
と、前記薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために
前記薄膜上の複数の計算点が移動する第1の変位量を計
算する工程と、前記薄膜に荷電粒子線が透過しないダミ
ー孔をダミーパターンで付加したとき、前記薄膜の内部
応力が力学的平衡状態をとるために前記計算点が移動す
る第2の変位量を計算する工程と、前記第2の変位量の
最大値が許容範囲となるダミーパターンを決定する工程
と、前記薄膜に対し所定の入射角範囲で入射する荷電粒
子線が透過する前記孔を、前記薄膜に形成する工程と、
前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄膜に対
し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断する前記
ダミー孔を、決定されたダミーパターンで前記薄膜に形
成する工程とを有することを特徴とする。
【0024】あるいは、上記の目的を達成するため、本
発明のマスクの製造方法は、所定の転写パターンの一部
が拡張された第1のパターンで第1の孔を有する第1の
薄膜の初期内部応力分布を、少なくとも前記第1の薄膜
の材質、膜厚分布および前記第1のパターンのデータを
用いて計算する工程と、前記薄膜の内部応力が力学的平
衡状態をとるために前記薄膜上の複数の計算点が移動す
る第1の変位量を計算する工程と、前記第1の薄膜にダ
ミーパターンでダミー孔を付加したとき、前記第1の薄
膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記計算点
が移動する第2の変位量を計算する工程と、前記第2の
変位量の最大値が許容範囲となるダミーパターンを決定
する工程と、前記転写パターンの他の一部を拡張し、前
記第1のパターンと重ね合わせたときの重なり部分が前
記転写パターンに一致する第2のパターンを作成する工
程と、前記第1の薄膜に、荷電粒子線が透過する前記第
1の孔を前記第1のパターンで形成し、決定されたダミ
ーパターンで前記ダミー孔を形成する工程と、前記第1
の薄膜に重ねられる第2の薄膜に、荷電粒子線が透過す
る第2の孔を前記第2のパターンで形成する工程とを有
することを特徴とする。
【0025】これにより、薄膜に孔を形成することによ
る局所的な応力集中が緩和され、孔の位置ずれや歪みを
低減することが可能となる。また、応力集中により薄膜
に亀裂が発生するのも防止される。本発明のマスクの製
造方法によれば、パターン精度が高いマスクを製造でき
る。また、マスクの破損も防止されるため、マスクの歩
留りが向上する。
【0026】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明の半導体装置の製造方法は、感光面にマスクを介して
荷電粒子線を露光する工程を有する半導体装置の製造方
法であって、前記マスクとして、薄膜と、前記薄膜に所
定のパターンで形成された孔であって、前記薄膜に対し
所定の入射角範囲で入射する荷電粒子線が透過する前記
孔と、前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄
膜に対し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断す
るダミー孔とを有し、前記ダミー孔は、前記薄膜の内部
応力による前記孔の変位を小さくするように、前記薄膜
に配置されているマスクを用いることを特徴とする。
【0027】あるいは、本発明の半導体装置の製造方法
は、感光面にマスクを介して荷電粒子線を露光する工程
を有する半導体装置の製造方法であって、前記マスクと
して、第1の薄膜と、前記第1の薄膜に形成された、荷
電粒子線が透過する第1の孔であって、所望の転写パタ
ーンの一部が拡張された形状を有する前記第1の孔と、
前記第1の薄膜に重ねられた第2の薄膜と、前記第2の
薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第2の孔であ
って、前記転写パターンの他の一部が拡張され、前記第
1の孔との重なり部分が前記転写パターンに一致する形
状を有する前記第2の孔と、前記第1の薄膜に前記第1
の孔と離れて、かつ前記第2の孔と重ならないように形
成された第1のダミー孔とを有し、前記第1のダミー孔
は、前記第1の薄膜の内部応力による前記第1の孔の変
位を小さくするように、前記第1の薄膜に配置されてい
るマスクを用いることを特徴とする。
【0028】これにより、リソグラフィー工程において
マスクのパターン変位が低減され、微細パターンが高精
度に転写される。したがって、半導体装置をより高集積
化できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のマスクおよびそ
の製造方法と半導体装置の製造方法の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。以下、本発明をリソグラ
フィー技術の一つであるLEEPLに適用した例で説明
する。
【0030】(実施形態1)図1はLEEPLに用いる
露光システムの概略図である。この露光システム1にお
いて、電子ビーム2は電子銃3から出射される。露光シ
ステム1は電子銃3の他、コンデンサレンズ4、アパー
チャー5、一対のメインデフレクター6、7、一対の微
調整用デフレクター8、9を有する。
【0031】コンデンサレンズ4は電子ビーム2を平行
なビームにする。アパーチャー5はステンシルマスク1
0に向かう電子ビーム2を制限する。メインデフレクタ
ー6、7は電子ビーム2が平行なままステンシルマスク
10に垂直に入射するように、電子ビーム2を偏向させ
る。
【0032】電子ビーム2はラスターまたはベクトル走
査モードのいずれかでステンシルマスク10に入射する
が、いずれの場合も電子ビーム2の偏向にメインデフレ
クター6、7が用いられる。微調整用デフレクター8、
9はメインデフレクター6、7によって偏向された電子
ビーム2をさらに微調整する。
【0033】LEEPLに用いられるステンシルマスク
10の厚さd1 は約500nmであるが、マスク材料に
応じて変更することもできる。ステンシルマスク10の
材料としては、例えば石英やダイヤモンド、ダイヤモン
ドライクカーボン(DLC)等が用いられる。あるい
は、既存の半導体プロセスを比較的容易に適用できる単
結晶シリコンを、ステンシルマスク10の材料として用
いることもできる。
【0034】ステンシルマスク10とウェハ11との距
離d2 は約50μmである。ステンシルマスク10には
所定のパターンで孔12が形成されている。電子ビーム
2が孔12を透過することにより、ステンシルマスク1
0に形成されたパターンが、ウェハ11上に等倍で転写
される。
【0035】図2(a)および(b)は、本実施形態の
マスクを説明するための図であり、半導体装置の回路パ
ターン形成用の孔の最も単純な例を示す。図2(a)に
示すように、メンブレン14に矩形の角部を丸めた形状
で孔12が形成されている。孔12から十分に離れた箇
所では、複数の平行な矢印Fで模式的に示したように、
孔12の両側で孔12から遠ざかる方向に一様に引っ張
り応力Fがかかると見なせる。
【0036】引っ張り応力Fは、孔12部分では応力を
伝える媒質がないため、孔12を回避するように、孔1
2の長手方向の端部において応力の集中が起こる。図2
(a)の例では、孔12の両端のA点に最も応力が集中
する。この応力集中により、孔12が変形したり、最悪
の場合はA点を起点としてメンブレン14に亀裂が発生
したりする。
【0037】そこで、本実施形態のマスクによれば、図
2(b)に示すように、回路パターン形成用の孔12の
両側のメンブレン11に、応力集中を緩和するためのダ
ミー孔13を形成する。図2(a)の場合と同様に、孔
12およびダミー孔13から十分に離れた箇所では、複
数の平行な矢印Fで模式的に示したように、これらの孔
12、13から遠ざかる方向に一様に引っ張り応力Fが
かかると見なせる。
【0038】孔12およびダミー孔13部分では応力を
伝える媒質がないため、孔12およびダミー孔13を回
避するように、孔12の長手方向の両端部Aおよびダミ
ー孔13の長手方向の両端部Bで応力の集中が起こる。
図2(b)の場合、応力集中がA点とB点の両方に分散
する。これにより、図2(a)に示す場合と比較して、
A点での応力集中が緩和される。
【0039】図2では、本実施形態のマスクによる応力
緩和を説明するため、最も単純なパターンの例を示し
た。次に、より複雑な実際の回路パターン用の孔につい
て、ダミー孔の形状および位置を設計する方法を説明す
る。任意の初期内部応力分布σに対して、孔を設けたと
きのマスクの面内変位が計算できる(例えば、M. Oda e
t al., Jpn. J. Appl. Phys. 31, 4189 (1992)参照)。
【0040】メンブレンをX−Y平面とみなした場合、
初期内部応力分布σ(x,y)は孔部分においてゼロと
なり、孔以外のメンブレン部分においては、ある内部応
力値σ0 をもつ。この内部応力値σ0 はダミー孔を設け
ることにより変化する。したがって、ダミー孔の形状お
よび位置を適切に設定することにより、マスク内の特定
の箇所の応力集中を緩和させることも可能である。
【0041】内部応力値σ0 はメンブレンの組成や合成
法だけでなく、膜厚分布にも依存するため、一般に定数
ではなく、メンブレン上での位置(x,y)に依存した
関数である。メンブレンの内部応力分布σ0 (x,y)
は、マスクブランクスの反りをレーザー干渉計や静電容
量センサーで計測することにより、実験的に決定できる
(M. Oda et al., Jpn. J. Appl. Phys. 34, 6729 (199
5))。ステンシルマスクの場合、孔の箇所の応力はゼロ
になるため、初期内部応力分布σ(x,y)は次式
(I)で表される。
【0042】
【数1】
【0043】初期内部応力分布σ(x,y)を与えられ
たマスクは、応力のバランスをとるために変形して力学
的平衡状態に至る。メンブレンの各位置でのx、y方向
の変位をそれぞれu(x,y)、v(x,y)とする
と、これらの変位量は文献に記載された偏微分方程式を
解くことにより計算できる(M. Oda et al., Jpn. J. A
ppl. Phys. 31, 4189 (1992):式(1)および
(2))。この偏微分方程式自体は弾性力学の教科書に
記述されている周知のものである。応力制御していない
メンブレンのパターン変位u(x,y)、v(x,y)
は許容できないほど大きい。
【0044】本実施形態においては、ダミー孔の形成に
よりメンブレンの初期内部応力を変化させ、変位量を最
小化する。ダミー孔のパターン(ダミーパターン)を変
化させて、初期内部応力分布σ(x,y)と力学的平衡
状態での変位量u(x,y)、v(x,y)をシミュレ
ーション計算する。変位量u(x,y)、v(x,y)
が許容範囲であれば、そのダミーパターンを回路パター
ンに追加して応力制御を行う。これにより、メンブレン
の内部応力に起因するパターン歪みを低減できる。
【0045】以上の手順を、図3のフローチャートに示
した。図3に示すように、ステップ1(ST1)では回
路パターンにダミーパターンDi を付加したときの初期
内部応力分布σ(x,y)の変化を計算する。ここで、
iは0以上の任意の整数であり、i=0のときはダミー
パターンを付加しない場合に対応する。ダミーパターン
を付加したときの初期内部応力分布σi は、次式(II)
で表される。
【0046】
【数2】
【0047】ステップ2(ST2)では、ST1で得ら
れた初期内部応力分布σi が力学的平衡状態となるため
のパターン変位を計算する。メンブレンの各位置での
x、y方向の変位u(x,y)、v(x,y)がシミュ
レーションにより求められる。
【0048】ステップ3(ST3)では、ダミーパター
ンDi を付加したときの力学的平衡状態に至るまでの変
位量u、vが許容範囲かどうか判断する。この判断は、
変位量u、vの最大値が許容範囲かどうかに基づいて行
う。例えば、ゲートパターンのように最も細い線幅で形
成されるパターンに対し、線幅の最大変位量が許容範囲
かどうか判断する。例えば、設計線幅を50nmとし、
許容範囲をその±10%とすると、変位後の線幅が53
nmであれば許容されるが、56nmであれば許容され
ない。また、パターン精度の尺度として、次式(III)で
表される信頼度因子Rを定義する。
【0049】
【数3】
【0050】ここで、Nは計算点数であり、ui 、vi
は各計算点での変位量である。Rはマスク変位の平均値
である。平均値Rだけでなく、ui 、vi の分散もパタ
ーン精度の尺度として併用し、特定の点で許容できない
大きな変位が起こらないように監視してもよい。計算点
数Nは要求される精度と計算時間とのバランスを考慮し
て決定すればよい。許容範囲は、Rが極小となる初期内
部応力分布(最適初期内部応力分布)を含む範囲で適宜
設定する。
【0051】パターン変位が許容範囲であれば、次のス
テップ4(ST4)に進み、そのダミーパターンDi
回路パターンに付加する。ステップ3で許容範囲となら
なかった場合は、ダミーパターンを変更して、ステップ
1以降を繰り返す。以上のようにして、パターン変位が
許容範囲となるまで、計算と判断を繰り返す。
【0052】上記のダミーパターンを形成することによ
り、パターンの変形は抑制されるが、ダミーパターンは
本来の回路パターン以外のパターンである。したがっ
て、ダミーパターンが所望の回路パターンとともにウェ
ハ上のレジストに転写されるのは防ぐ必要がある。
【0053】これを防ぐには、例えば、図4(a)およ
び(b)に示すように、メンブレン14の表面に対する
角度を回路パターン用の孔12とダミー孔13とで変化
させればよい。図4(a)は図2(b)に示すメンブレ
ン14を、孔12およびダミー孔13を横切るように中
央で分割したときの斜視図である。図4(b)は図4
(a)の楕円Aで囲まれた部分の断面図である。
【0054】図4(a)および(b)に示すように、回
路パターン描画用の孔12はメンブレンの表面に対して
ほぼ垂直な方向に形成されている。したがって、孔12
の側壁は露光用の荷電粒子ビーム(LEEPLでは電子
ビームB)の径路とほぼ平行である。
【0055】一方、ダミー孔13はメンブレンの表面に
対して傾くように形成される。ダミー孔13の方向とメ
ンブレンの法線方向とのなす角度θが所定の角度より大
きいとき、電子ビームBはダミー孔13で遮られ、メン
ブレン11を透過しない。したがって、電子ビームBは
孔12のみを選択的に透過し、回路パターンのみが露光
される。ダミー孔13の側壁の対向する部分が平行であ
ると仮定し、メンブレン厚をt、メンブレン表面に平行
な方向におけるダミー孔13の径をdとすると、上記の
角度θがarctan(d/t)より大きくなるように
すればよい。
【0056】図5(a)は、図4に示すようなメンブレ
ンを含むステンシルマスクの断面図である。図5(a)
に示すように、ステンシルマスク21のメンブレン14
には、回路パターン用の孔12とダミー孔13とが一定
の角度をなすように形成されている。
【0057】メンブレン14の周囲には、メンブレン1
4を支持するための支持枠(フレーム)22が形成され
ている。フレーム22とメンブレン14との間のシリコ
ン酸化膜23は、ステンシルマスク21の作製過程でエ
ッチングストッパー層あるいはメンブレン14を補強す
るための層として用いられる。
【0058】上記のステンシルマスク21は、例えば、
図5(b)に示すSOI(siliconon insulatorまたはs
emiconductor on insulator)ウェハ24を用いて作製
できる。SOIウェハ24はシリコンウェハ25上にシ
リコン酸化膜23を介して、メンブレン14としてのシ
リコン層を有する。図5(a)のフレーム22はシリコ
ンウェハ25にエッチングを行って形成される。
【0059】次に、図5(c)に示すように、SOIウ
ェハ24の表面にシリコン窒化膜26を、例えば化学気
相成長(CVD;chemical vapor deposition)により形
成する。シリコン窒化膜26はシリコンウェハ25にエ
ッチングを行うためのエッチングマスクとして用いられ
る。また、シリコン窒化膜26はシリコンウェハ25に
エッチングを行う際に、メンブレン14の保護膜として
も用いられる。シリコン窒化膜26は、他の材料からな
る層に変更することもできる。
【0060】次に、図6(d)に示すように、シリコン
ウェハ25の裏面側に形成されたシリコン窒化膜26
を、フレーム22(図5(a)参照)のパターンに加工
する。この工程では、リソグラフィーによりレジストを
形成してから、レジストをマスクとしてドライエッチン
グを行う。
【0061】次に、図6(e)に示すように、シリコン
窒化膜26をマスクとしてシリコンウェハ25にエッチ
ングを行い、フレーム22を形成する。このエッチング
は、例えば水酸化カリウム(KOH)あるいはテトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を含む溶液
を用いたウェットエッチングとする。あるいは、ドライ
エッチングによりフレーム22を形成してもよい。
【0062】次に、図6(f)に示すように、メンブレ
ン14上のシリコン窒化膜26を、例えばドライエッチ
ングにより除去する。次に、図7(g)に示すように、
メンブレン14上にレジスト27を塗布し、レジスト2
7に回路パターンを転写する。
【0063】次に、図7(h)に示すように、レジスト
27をマスクとしてメンブレン14にドライエッチング
を行い、回路パターン用の孔12を形成する。このエッ
チングには例えば塩素系ガス等のハロゲンガスを用いる
ことができる。その後、レジスト27を除去する。
【0064】次に、図7(i)に示すように、メンブレ
ン14上にレジスト28を塗布してから、フレーム22
を傾斜させて露光および現像を行い、ダミーパターンを
レジスト28に転写する。したがって、レジスト28の
断面はメンブレン14の表面に対して垂直とならず、傾
斜した状態となる。
【0065】次に、図8(j)に示すように、レジスト
28をマスクとしてメンブレン14にドライエッチング
を行う。このとき、フレーム22を傾斜させる角度は、
レジスト28に露光を行うとき(図7(i)参照)と同
じにする。これにより、回路パターン用の孔12と平行
でないダミー孔13が形成される。このエッチングには
例えば塩素系ガス等のハロゲンガスを用いることができ
る。ダミー孔13の形成後、レジスト28を除去する。
その後、フレーム22をマスクとしてシリコン酸化膜2
3にエッチングを行うことにより、図5(a)に示すス
テンシルマスク21が得られる。
【0066】あるいは、図8(j)に示す工程で、メン
ブレン14に孔12とダミー孔13が形成された後、フ
レーム22が形成されていない部分のシリコン酸化膜2
3をすべて除去するかわりに、孔12およびダミー孔1
3部分のシリコン酸化膜23のみ選択的に除去してもよ
い。
【0067】この場合、図8(j)に示す工程後、例え
ばH2 とCFx の混合ガスを用いてシリコン酸化膜23
に開口部を形成する。孔12直下のシリコン酸化膜23
に開口部を形成する工程では、メンブレン14の表面を
水平にする。これにより、孔12直下のシリコン酸化膜
23には孔12に連続し、かつメンブレン14の表面に
対して垂直な開口部が形成される。
【0068】一方、ダミー孔13直下のシリコン酸化膜
23に開口部を形成する工程では、図8(j)に示す工
程と同様にフレーム22を傾斜させる。これにより、ダ
ミー孔13に連続し、かつダミー孔13と同じ方向に延
びる開口部をシリコン酸化膜23に形成できる。
【0069】あるいは、例えばメンブレン厚が500n
mで、シリコン酸化膜23の厚さが20nmというよう
に、メンブレン14に対してシリコン酸化膜23が十分
に薄い場合には、図4(b)の角度θを表すarcta
n(d/t)において、メンブレン厚tに対するシリコ
ン酸化膜23の厚さの寄与を無視できる。したがって、
この場合には、ダミー孔13部分のシリコン酸化膜23
に開口部を形成する際に、フレーム22を傾斜させる必
要がない。孔12部分とダミー孔13部分のシリコン酸
化膜23に同一の工程で開口部を形成できる。
【0070】シリコン酸化膜23に形成される開口部の
方向を、孔12とダミー孔13にそれぞれ合わせ、孔1
2部分とダミー孔13部分で互いに異なるようにした場
合も、孔12部分とダミー孔13部分で揃えた場合も、
シリコン酸化膜23は電子ビームを遮断しない。したが
って、シリコン酸化膜23によりメンブレン14を補強
できる。
【0071】上記の本実施形態のステンシルマスクによ
れば、メンブレンに孔を設けることによる局所的な応力
集中と、それに起因するパターン変位やメンブレンの破
損を防止できる。本実施形態の半導体装置の製造方法
は、上記の本実施形態のステンシルマスクを用いてLE
EPLを行う工程を含む。本実施形態の半導体装置の製
造方法によれば、リソグラフィー工程においてマスクの
パターン変位が低減されることから、微細パターンが高
精度に形成される。
【0072】(実施形態2)本実施形態のステンシルマ
スクは、2枚のステンシルマスクから構成され、これら
のマスクには異なるパターンで孔が形成される。2枚の
ステンシルマスクは重ね合わされ、図1のLEEPL用
露光システムのステンシルマスク10と同様に配置され
る。2枚のステンシルマスクは互いに接するように重ね
られても、間隔をあけて重ねられても、いずれでもよ
い。
【0073】図9は本実施形態のステンシルマスクのメ
ンブレン部分を拡大した斜視図である。本実施形態のス
テンシルマスク31は第1のマスク32と第2のマスク
33から構成される。本実施形態のステンシルマスク3
1をLEEPLに用いた場合、電子ビームは第1のマス
ク32の孔と第2のマスク33の孔とが重なる部分のみ
透過する。これにより、ウェハ上のレジストには合成パ
ターン34が転写される。
【0074】合成パターン34は、所望のデバイスパタ
ーンに対応する。図9の例では、第1のマスク32には
合成パターン形成用の孔35とダミー孔36が形成され
る。一方、第2のマスク33には合成パターン形成用の
孔37が形成される。合成パターン34は一方向に長い
ため、合成パターン34のみを1枚のステンシルマスク
に形成した場合、メンブレンで局所的な応力集中が起こ
る。
【0075】これを緩和するため、第1のマスク32に
は所望の合成パターン34を長手方向にさらに延ばした
合成パターン形成用の孔35と、応力集中を緩和するダ
ミー孔36を形成する。第1のマスク32におけるダミ
ー孔36の形状および位置は、実施形態1と同様に決定
できる。
【0076】一方、第2のマスク33には、長手方向に
おける端部が合成パターン34と一致し、かつ長手方向
と直交する方向(幅方向とする。)に拡張された形状
で、合成パターン形成用の孔37が形成される。合成パ
ターン形成用の孔37は、合成パターン34あるいは合
成パターン形成用の孔35に比較すると、幅方向の長さ
に対する長手方向の長さの比が小さい。
【0077】これにより、第2のマスク33では局所的
な応力集中が起こりにくく、ダミー孔は必ずしも設ける
必要がない。但し、第1のマスク32のダミー孔36と
重ならなければ、ダミー孔を適宜設けることも可能であ
る。その場合、第2のマスク33においても、実施形態
1と同様の手順で計算を行い、ダミー孔の形状および位
置を決定する。また、第1のマスク32と第2のマスク
33はどちらを電子銃側(あるいはウェハ側)に配置し
てもよい。
【0078】本実施形態のステンシルマスクのように、
2枚のマスクのパターンが重なる部分のみ電子ビームが
透過する構成の場合、例えばL字型パターンのように、
パターン内部に向かって突出する部分を有するパターン
を1対のマスクで転写できない。そのような場合は、所
望のデバイスパターンを相補分割し、さらに別の1対の
マスクに相補パターンを形成する。本実施形態のステン
シルマスクを複数用いて多重露光を行うことにより、任
意の形状のパターンを転写できる。
【0079】上記の本実施形態のステンシルマスクによ
れば、メンブレンに孔を設けることによる局所的な応力
集中と、それに起因するパターン変位やメンブレンの破
損を防止できる。本実施形態の半導体装置の製造方法
は、上記の本実施形態のステンシルマスクを用いてLE
EPLを行う工程を含む。本実施形態の半導体装置の製
造方法によれば、リソグラフィー工程においてマスクの
パターン変位が低減されることから、微細パターンが高
精度に形成される。
【0080】本発明のマスクおよびその製造方法と半導
体装置の製造方法の実施形態は、上記の説明に限定され
ない。例えば、マスクの材料や構成は適宜変更できる。
具体的には、メンブレンにチャージアップを防止するた
めの導電層を設けたり、上記以外の方法でマスクを作製
したりしてもよい。
【0081】また、上記の実施形態のステンシルマスク
の膜厚等を適宜変更し、LEEPL以外の電子ビームリ
ソグラフィー、あるいはイオンビームリソグラフィー等
の荷電粒子ビームリソグラフィー等に適用することもで
きる。本実施形態のマスクは、荷電粒子ビームを用いる
リソグラフィー以外の半導体装置製造プロセス、例えば
イオン注入等にも用いることができる。その他、本発明
の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0082】
【発明の効果】本発明のマスクによれば、応力集中に起
因するパターン変位が低減される。本発明のマスクの製
造方法によれば、応力集中が緩和され、パターン変位が
低減されたマスクを製造することが可能となる。本発明
の半導体装置の製造方法によれば、微細パターンを高精
度に転写できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のマスクが用いられる露光装置の
概略図である。
【図2】図2は本発明の実施形態1に係り、図2(a)
はダミー孔のないマスクの上面図、図2(b)はダミー
孔を有するマスクの上面図である。
【図3】図3は本発明のマスクの製造方法におけるダミ
ー孔の設計手順を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)は本発明のマスクの斜視図であり、
図4(b)は図4(a)のA部分の断面図である。
【図5】図5(a)は本発明の実施形態1に係るマスク
の断面図であり、図5(b)および(c)は本発明の実
施形態1に係るマスクの製造方法の製造工程を示す断面
図である。
【図6】図6(d)〜(f)は本発明の実施形態1に係
るマスクの製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図7】図7(g)〜(i)は本発明の実施形態1に係
るマスクの製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図8】図8(j)は本発明の実施形態1に係るマスク
の製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図9】図9は本発明の実施形態2に係るマスクの斜視
図と、そのマスクにより転写される合成パターンを示す
図である。
【符号の説明】
1…露光システム、2…電子ビーム、3…電子銃、4…
コンデンサレンズ、5…アパーチャー、6、7…メイン
デフレクター、8、9…微調整用デフレクター、10…
ステンシルマスク、11…ウェハ、12…孔、13…ダ
ミー孔、14…メンブレン、21…ステンシルマスク、
22…フレーム、23…シリコン酸化膜、24…SOI
ウェハ、25…シリコンウェハ、26…シリコン窒化
膜、27、28…レジスト、31…ステンシルマスク、
32…第1のマスク、33…第2のマスク、34…合成
パターン、35…孔、36…ダミー孔、37…孔。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜と、 前記薄膜に形成された孔であって、前記薄膜に対し所定
    の入射角範囲で入射する荷電粒子線が透過する前記孔
    と、 前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄膜に対
    し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断するダミ
    ー孔とを有し、 前記ダミー孔は、前記薄膜の内部応力による前記孔の変
    位を小さくするように、前記薄膜に配置されているマス
    ク。
  2. 【請求項2】前記入射角範囲は前記薄膜の法線方向を含
    む請求項1記載のマスク。
  3. 【請求項3】前記薄膜の一方の面側に、前記薄膜を支持
    する支持部を有する請求項1記載のマスク。
  4. 【請求項4】第1の薄膜と、 前記第1の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第
    1の孔であって、所望の転写パターンの一部が拡張され
    た形状を有する前記第1の孔と、 前記第1の薄膜に重ねられた第2の薄膜と、 前記第2の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第
    2の孔であって、前記転写パターンの他の一部が拡張さ
    れ、前記第1の孔との重なり部分が前記転写パターンに
    一致する形状を有する前記第2の孔と、 前記第1の薄膜に前記第1の孔と離れて、かつ前記第2
    の孔と重ならないように形成された第1のダミー孔とを
    有し、 前記第1のダミー孔は、前記第1の薄膜の内部応力によ
    る前記第1の孔の変位を小さくするように、前記第1の
    薄膜に配置されているマスク。
  5. 【請求項5】前記第2の薄膜に前記第2の孔と離れて、
    かつ前記第1の孔および第1のダミー孔と重ならないよ
    うに形成された第2のダミー孔をさらに有し、 前記第2のダミー孔は、前記第2の薄膜の内部応力によ
    る前記第2の孔の変位を小さくするように、前記第2の
    薄膜に配置されている請求項3記載のマスク。
  6. 【請求項6】前記第1の薄膜と前記第2の薄膜は互いに
    接し、 一方の薄膜の他方と接しない面側に、前記第1の薄膜と
    前記第2の薄膜を支持する支持部を有する請求項4記載
    のマスク。
  7. 【請求項7】前記第1の薄膜と前記第2の薄膜は離れて
    おり、 前記第1の薄膜の一方の面側に、前記第1の薄膜を支持
    する支持部を有し、 前記第2の薄膜の一方の面側に、前記第2の薄膜を支持
    する支持部を有する請求項4記載のマスク。
  8. 【請求項8】所定のパターンで孔を有する薄膜の初期内
    部応力分布を、少なくとも前記薄膜の材質、膜厚分布お
    よび前記パターンのデータを用いて計算する工程と、 前記薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記
    薄膜上の複数の計算点が移動する第1の変位量を計算す
    る工程と、 前記薄膜に荷電粒子線が透過しないダミー孔をダミーパ
    ターンで付加したとき、前記薄膜の内部応力が力学的平
    衡状態をとるために前記計算点が移動する第2の変位量
    を計算する工程と、 前記第2の変位量の最大値が許容範囲となるダミーパタ
    ーンを決定する工程と、 前記薄膜に対し所定の入射角範囲で入射する荷電粒子線
    が透過する前記孔を、前記薄膜に形成する工程と、 前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄膜に対
    し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断する前記
    ダミー孔を、決定されたダミーパターンで前記薄膜に形
    成する工程とを有するマスクの製造方法。
  9. 【請求項9】基材上にエッチングストッパー層を介して
    薄膜を形成する工程と、 前記基材の一部を前記薄膜と反対側の面から除去して前
    記エッチングストッパー層を露出させ、前記基材の残り
    部分を前記薄膜の支持部とする工程とを有する請求項8
    記載のマスクの製造方法。
  10. 【請求項10】前記孔を形成する工程は、異方性エッチ
    ング工程を含み、 前記ダミー孔を形成する工程は、前記支持部を傾斜させ
    て異方性エッチングを行う工程を含む請求項9記載のマ
    スクの製造方法。
  11. 【請求項11】所定の転写パターンの一部が拡張された
    第1のパターンで第1の孔を有する第1の薄膜の初期内
    部応力分布を、少なくとも前記第1の薄膜の材質、膜厚
    分布および前記第1のパターンのデータを用いて計算す
    る工程と、 前記薄膜の内部応力が力学的平衡状態をとるために前記
    薄膜上の複数の計算点が移動する第1の変位量を計算す
    る工程と、 前記第1の薄膜にダミーパターンでダミー孔を付加した
    とき、前記第1の薄膜の内部応力が力学的平衡状態をと
    るために前記計算点が移動する第2の変位量を計算する
    工程と、 前記第2の変位量の最大値が許容範囲となるダミーパタ
    ーンを決定する工程と、 前記転写パターンの他の一部を拡張し、前記第1のパタ
    ーンと重ね合わせたときの重なり部分が前記転写パター
    ンに一致する第2のパターンを作成する工程と、 前記第1の薄膜に、荷電粒子線が透過する前記第1の孔
    を前記第1のパターンで形成し、決定されたダミーパタ
    ーンで前記ダミー孔を形成する工程と、 前記第1の薄膜に重ねられる第2の薄膜に、荷電粒子線
    が透過する第2の孔を前記第2のパターンで形成する工
    程とを有するマスクの製造方法。
  12. 【請求項12】感光面にマスクを介して荷電粒子線を露
    光する工程を有する半導体装置の製造方法であって、 前記マスクとして、薄膜と、 前記薄膜に所定のパターンで形成された孔であって、前
    記薄膜に対し所定の入射角範囲で入射する荷電粒子線が
    透過する前記孔と、 前記薄膜を前記孔と異なる角度で貫通し、前記薄膜に対
    し前記入射角範囲で入射する荷電粒子線を遮断するダミ
    ー孔とを有し、 前記ダミー孔は、前記薄膜の内部応力による前記孔の変
    位を小さくするように、前記薄膜に配置されているマス
    クを用いる半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】感光面にマスクを介して荷電粒子線を露
    光する工程を有する半導体装置の製造方法であって、 前記マスクとして、第1の薄膜と、 前記第1の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第
    1の孔であって、所望の転写パターンの一部が拡張され
    た形状を有する前記第1の孔と、 前記第1の薄膜に重ねられた第2の薄膜と、 前記第2の薄膜に形成された、荷電粒子線が透過する第
    2の孔であって、前記転写パターンの他の一部が拡張さ
    れ、前記第1の孔との重なり部分が前記転写パターンに
    一致する形状を有する前記第2の孔と、 前記第1の薄膜に前記第1の孔と離れて、かつ前記第2
    の孔と重ならないように形成された第1のダミー孔とを
    有し、 前記第1のダミー孔は、前記第1の薄膜の内部応力によ
    る前記第1の孔の変位を小さくするように、前記第1の
    薄膜に配置されているマスクを用いる半導体装置の製造
    方法。
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JPWO2005076320A1 (ja) * 2004-02-10 2007-10-18 独立行政法人科学技術振興機構 集積回路の設計方法、集積回路の設計方法に用いる設計支援プログラム及び集積回路設計システム

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