JP4327497B2 - 電子ビーム露光装置、電子ビーム露光方法、半導体素子製造方法、マスク、及びマスク製造方法 - Google Patents

電子ビーム露光装置、電子ビーム露光方法、半導体素子製造方法、マスク、及びマスク製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビーム露光装置、電子ビーム露光方法、半導体素子製造方法、マスク、及びマスク製造方法に関する。特に本発明は、ウェハにパターンを精度良く露光する電子ビーム露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブロック露光装置やセル露光装置などの一括図形転写型電子ビーム露光装置や、EPLと呼ばれるマスクパターンプロジェクション電子ビーム露光装置では、電子ビームをマスクの透過型パターンで成形し、マスク上に縮小投影することによって所望のパターンを露光する。このようなシステムでは、マスクからウェハまでの縮小率は、光学系のレンズ配置及びレンズ強度によって決まり、パターンの形状にはよらないことを前提としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に高スループット化を目的として、ビーム電流を増加させると、縮小率が変化するという問題があった。また、可変矩形を用いた電子ビーム露光装置においても、電子ビームの矩形サイズを大きくすると、ウェハに照射されるショットサイズが意図したサイズから乖離してくるという問題があった。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる電子ビーム露光装置、電子ビーム露光方法、半導体素子製造方法、マスク、及びマスク製造方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、電子ビームでウェハを露光する電子ビーム露光装置は、電子ビームを成形する第1及び第2のブロックパターンを有するマスクを備え、第1のブロックパターンで成形され、第1の電流を有する電子ビームが露光すべき第1の露光パターンに対する第1のブロックパターンの倍率は、第2のブロックパターンで成形され、第2の電流を有する電子ビームが露光すべき第2の露光パターンに対する第2のブロックパターンの倍率とは異なる。
【0006】
第1の電流が第2の電流よりも大きい場合、第1の露光パターンに対する第1のブロックパターンの倍率は、第2の露光パターンに対する第2のブロックパターンの倍率よりも大きくてもよい。
【0007】
第1の露光パターンの露光面積が第2の露光パターンの露光面積よりも大きい場合、第1の露光パターンに対する第1のブロックパターンの倍率は、第2の露光パターンに対する第2のブロックパターンの倍率よりも大きくてもよい。
【0008】
第1のブロックパターンの第1の辺の寸法に対する、第1の辺が第1の露光パターンに投影されるべき第2の辺の寸法の倍率と、第1のブロックパターンの第1の辺と平行でない第3の辺の寸法に対する、第3の辺が第1の露光パターンに投影されるべき第4の辺の寸法の倍率とは異なってもよい。
【0009】
第1の電流の大きさに応じて、第1のブロックパターンが成形した電子ビームのウェハへの照射位置を補正してもよい。
【0010】
照射位置の補正において、第1のブロックパターンの第1の方向への照射位置の補正に対する、第1のブロックパターンの第1の方向と平行でない第2の方向への照射位置の補正の比率は、第1の電流の大きさに応じて異なってもよい。
【0011】
また、本発明の第2の形態によると、電子ビームでウェハを露光する電子ビーム露光装置は、ウェハに照射すべき電子ビームの電流の大きさに応じて、電子ビームのビーム面積を補正する。
【0012】
電子ビームを矩形に成形する矩形成形部を更に備え、矩形成形部が矩形の大きさを変えることによってビーム面積を補正してもよい。電子ビームを縮小する縮小レンズを更に備え、縮小レンズのレンズ強度を変えることによってビーム面積を補正してもよい。また、電流が大きい程、ビーム面積を大きくするように補正してもよいし、電流の大きさに応じて、更にビームの照射位置を補正してもよい。
【0013】
また、本発明の第3の形態によると、ウェハを露光する電子ビームを成形するマスクは、第1の露光パターンを露光する電子ビームを成形する第1のブロックパターンと、第1の露光パターンと露光面積の異なる第2の露光パターンを露光する電子ビームを成形する第2のブロックパターンとを備え、第1の露光パターンに対する第1のブロックパターンの倍率は、第2の露光パターンに対する第2のブロックパターンの倍率とは異なる。
【0014】
また、本発明の第4の形態によると、ウェハに所望のパターンを露光する電子ビームを成形する開口部が設けられたマスクを製造するマスク製造方法は、パターンを露光するために必要なビーム電流に基づいて、開口部の大きさを算出する開口サイズ算出段階と、大きさが算出された開口部を基板上に形成する形成段階とを備える。
【0015】
開口決定段階は、ビーム電流が大きい程、パターンに対する開口部の比率を大きく決定する段階を含んでもよい。また、ビーム電流に基づいて、開口部の位置を算出する開口位置算出段階を更に備えてもよい。
【0016】
また、本発明の第5の形態によると、電子ビームでウェハにパターンを露光する電子ビーム露光方法は、ウェハに照射する電子ビームの電流の大きさに応じて電子ビームのビーム面積を補正する段階と、ビーム面積が補正された電子ビームでウェハを露光する段階とを備える。
【0017】
また、本発明の第6の形態によると、電子ビームでウェハにパターンを露光して半導体素子を製造する半導体素子製造方法は、ウェハに照射する電子ビームの電流の大きさに応じて電子ビームのビーム面積を補正する段階と、ビーム面積が補正された電子ビームでウェハを露光する段階とを備える。
【0018】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
以下の実施形態において、電子ビームでウェハを一度に露光すべき面積を露光面積と呼ぶ。また、電子ビームを透過させることによって電子ビーム形状を成形する開口部の面積を開口面積と呼ぶ。また、ウェハに照射される電子ビームの面積をビーム面積と呼ぶ。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子ビーム露光装置100の構成図である。電子ビーム露光装置100は、電子ビームによりウェハ64に所定の露光処理を施すための露光部150と、露光部150の各構成の動作を制御する制御系140とを備える。
【0022】
露光部150は、筐体10内部に、所定の電子ビームを照射する電子ビーム照射系110と、電子ビーム照射系110から照射された電子ビームを偏向するとともに、マスク30近傍における電子ビームの結像位置を調整するマスク用投影系112と、電子ビームのウェハ64近傍における結像位置を調整する焦点調整レンズ系114と、マスク30を通過した電子ビームをウェハステージ62に載置されたウェハ64の所定の領域に偏向するとともに、ウェハ64に転写されるパターンの像の向き及びサイズを調整するウェハ用投影系116とを含む電子光学系を備える。
【0023】
また、露光部150は、ウェハ64に露光すべきパターンがそれぞれ形成された複数のブロックを有するマスク30を載置するマスクステージ72と、マスクステージ72を駆動するマスクステージ駆動部68と、パターンを露光すべきウェハ64を載置するウェハステージ62と、ウェハステージ62を駆動するウェハステージ駆動部70とを含むステージ系を備える。さらに、露光部150は、電子光学系の調整のために、ウェハ64のマークパターン側から飛散する電子を検出して、検出した電子量に相当する電気信号を出力する電子検出器60を有する。
【0024】
電子ビーム照射系110は、電子銃12による電子ビームの焦点位置を定める第1電子レンズ14と、電子ビームを通過させる矩形形状の開口(スリット)が形成された第1スリット部16とを有する。電子銃12は、安定した電子ビームを発生するのに所定の時間がかかるので、露光処理期間において常に電子ビームを発生してもよい。スリットは、マスク30に形成された所定のパターンを含むブロックの形状に合わせて形成されるのが好ましい。図1において、電子ビーム照射系110から照射された電子ビームが、電子光学系により偏向されない場合の電子ビームの光軸を、一点鎖線Aで表現する。
【0025】
マスク用投影系112は、電子ビームを偏向するマスク用偏向系としての第1偏向器22及び第2偏向器26と、電子ビームの焦点を調整するマスク用焦点系としての第2電子レンズ20とを有する。第1偏向器22及び第2偏向器26は、電子ビームをマスク30上の所定の領域に照射する偏向を行う。例えば、所定の領域は、ウェハ64に転写するパターンを有するブロックであってよい。電子ビームがパターンを通過することにより、電子ビームの断面形状は、パターンと同一の形状になる。所定のパターンが形成されたブロックを通過した電子ビームの像をパターン像と定義する。第2電子レンズ20は、第1スリット部16の開口の像を、マスクステージ72上に載置されるマスク30上に結像させる機能を有する。
【0026】
焦点調整レンズ系114は、第3電子レンズ28と、第4電子レンズ32とを有する。第3電子レンズ28及び第4電子レンズ32は、電子ビームのウェハ64に対する焦点を合わせる。ウェハ用投影系116は、第5電子レンズ40と、第6電子レンズ46と、第7電子レンズ50と、第8電子レンズ52と、第3偏向器34と、第4偏向器38と、主偏向器56と、副偏向器58と、ブランキング電極36と、ラウンドアパーチャ部48とを有する。
【0027】
電界や磁界の影響を受けてパターン像は回転してしまう。第5電子レンズ40は、マスク30の所定のブロックを通過した電子ビームのパターン像の回転量を調整する。第6電子レンズ46及び第7電子レンズ50は、マスク30に形成されたパターンに対する、ウェハ64に転写されるパターン像の縮小率を調整する。第8電子レンズ52は、対物レンズとして機能する。第3偏向器34は、電子ビームの進行方向に対するマスク30の下流において、電子ビームを光軸Aの方向に偏向する。第4偏向器38は、電子ビームを光軸Aに略平行になるように偏向する。主偏向器56及び副偏向器58は、ウェハ64上の所定の領域に電子ビームが照射されるように、電子ビームを偏向する。本実施形態では、主偏向器56は、1ショットの電子ビームで照射可能な領域(ショット領域)を複数含むサブフィールド間で電子ビームを偏向するために用いられ、副偏向器58は、サブフィールドにおけるショット領域間の偏向のために用いられる。
【0028】
ラウンドアパーチャ部48は、円形の開口(ラウンドアパーチャ)を有する。ブランキング電極36は、ラウンドアパーチャの外側に当たるように電子ビームを偏向する。従って、ブランキング電極36は、電子ビームの進行方向に対してラウンドアパーチャ部48から下流に電子ビームが進行することを防ぐことができる。電子銃12は、露光処理期間において常に電子ビームを照射するので、ブランキング電極36は、ウェハ64に転写するパターンを変更するとき、更には、パターンを露光するウェハ64の領域を変更するときに、ラウンドアパーチャ部48から下流に電子ビームが進行しないように電子ビームを偏向することが望ましい。
【0029】
制御系140は、統括制御部130及び個別制御部120を備える。個別制御部120は、偏向制御部82と、マスクステージ制御部84と、ブランキング電極制御部86と、電子レンズ制御部88と、反射電子処理部90と、ウェハステージ制御部92とを有する。統括制御部130は、例えばワークステーションであって、個別制御部120に含まれる各制御部を統括制御する。偏向制御部82は、偏向量を示す偏向データを、第1偏向器22、第2偏向器26、第3偏向器34、第4偏向器38、主偏向器56、及び副偏向器58に供給し、第1偏向器22、第2偏向器26、第3偏向器34、第4偏向器38、主偏向器56、及び副偏向器58の偏向量を制御する。マスクステージ制御部84は、マスクステージ駆動部68を制御して、マスクステージ72を移動させる。
【0030】
ブランキング電極制御部86は、ブランキング電極36を制御する。本実施形態では、ブランキング電極36は、露光時には、電子ビームをウェハ64に照射させ、露光時以外には、電子ビームをウェハ64に到達させないように制御されるのが望ましい。電子レンズ制御部88は、第1電子レンズ14、第2電子レンズ20、第3電子レンズ28、第4電子レンズ32、第5電子レンズ40、第6電子レンズ46、第7電子レンズ50、第8電子レンズ52に供給する電力を制御する。反射電子処理部90は、反射電子検出部60により検出された電気信号に基づいて電子量を示すデジタルデータを検出する。ウェハステージ制御部92は、ウェハステージ駆動部70によりウェハステージ62を所定の位置に移動させる。
【0031】
本実施形態に係る電子ビーム露光装置100の動作について説明する。マスクステージ72上では、所定のパターンが形成された複数のブロックを有するマスク30が載置され、所定の位置に固定されている。マスク30は電子ビーム成形部材の一例であり、またブロックは開口部の一例である。また、ウェハステージ62上には、露光処理が施されるウェハ64が載置されている。ウェハステージ制御部92は、ウェハステージ駆動部70によりウェハステージ62を移動させて、ウェハ64の露光されるべき領域が光軸A近傍に位置するようにする。また、電子銃12は、露光処理期間において常に電子ビームを照射するので、露光の開始前において、第1スリット部16の開口を通過した電子ビームがウェハ64に照射されないように、ブランキング電極制御部86がブランキング電極36を制御する。マスク用投影系112において、電子レンズ20及び偏向器(22、26)は、ウェハ64に転写するパターンが形成されたブロックに電子ビームを照射するように調整される。焦点調整レンズ系114において、電子レンズ(28、32)は、ウェハ64に電子ビームの焦点が合うように調整される。また、ウェハ用投影系116において、電子レンズ(40、46、50、52)及び偏向器(34、38、56、58)は、電子ビームがウェハ64の所定の領域にパターン像を転写するように調整される。
【0032】
マスク投影系112、焦点調整レンズ系114及びウェハ用投影系116が調整された後、ブランキング電極制御部86が、ブランキング電極36による電子ビームの偏向を停止する。これにより、以下に示すように、電子ビームはマスク30を透過してウェハ64に照射される。電子銃12が電子ビームを生成し、第1電子レンズ14が電子ビームの焦点位置を調整し、第1スリット部16が電子ビームを矩形に成形する。そして、第1偏向器22が第1スリット部16で成形された電子ビームをマスク30の転写すべきパターンが形成された所定の領域に照射するように偏向する。そして、第2偏向器26は電子ビームを光軸Aと略平行になるように偏向する。また、第2電子レンズ20は、電子ビームの焦点を調節して、マスク30上の所定の領域に第1スリット部16の開口の形状が結像するように制御される。
【0033】
そして、マスク30に形成されたパターンを通過した電子ビームは、第3偏向器34により光軸Aに近づく方向に偏向され、第4偏向器38により、光軸Aと略平行になるように偏向される。また、電子ビームは、第3電子レンズ28及び第4電子レンズ32により、マスク30に形成されたパターンの像がウェハ64の表面に結像するように調整され、第5電子レンズ40によりパターン像の回転量が調整され、第6電子レンズ46及び第7電子レンズ50により、パターン像の縮小率が調整される。それから、電子ビームは、主偏向器56及び副偏向器58により、ウェハ64上の所定のショット領域に照射されるように偏向される。本実施形態では、主偏向器56が、ショット領域を複数含むサブフィールド間で電子ビームを偏向し、副偏向器58が、サブフィールドにおけるショット領域間で電子ビームを偏向する。所定のショット領域に偏向された電子ビームは、電子レンズ52によって調整されて、ウェハ64に照射される。これによって、ウェハ64上の所定のショット領域には、マスク30に形成されたパターンの像が転写される。
【0034】
所定の露光時間が経過した後、ブランキング電極制御部86が、電子ビームがマスク30およびウェハ64を照射しないように、ブランキング電極36を制御して、電子ビームを偏向させる。以上のプロセスにより、ウェハ64上の所定のショット領域に、マスク30に形成されたパターンが露光される。次のショット領域に、マスク30に形成されたパターンを露光するために、マスク用投影系112において、電子レンズ20及び偏向器(22、26)は、ウェハ64に次に転写するパターンを有するブロックに電子ビームを照射するように調整される。焦点調整レンズ系114において、電子レンズ(28、32)は、電子ビームの焦点がウェハ64に合うように調整される。また、ウェハ用投影系116において、電子レンズ(40、46、50、52)及び偏向器(34、38、56、58)は、電子ビームがウェハ64の所定の領域にパターン像を転写するように調整される。
【0035】
具体的には、副偏向器58は、マスク用投影系112及びマスク30により形成されたパターン像が、次のショット領域に露光されるように電界を調整する。この後、上記同様に当該ショット領域にパターンを露光する。サブフィールド内のパターンを露光すべきショット領域のすべてにパターンを露光した後に、主偏向器56は、次のサブフィールドにパターンを露光できるように磁界を調整する。電子ビーム露光装置100は、この露光処理を、繰り返し実行することによって、所望の回路パターンを、ウェハ64に露光することができる。
【0036】
マスク30のブロックパターンがウェハ64に転写される縮小率は、電子レンズ(14、20、28、32、40、46、50、52)の配置、及びレンズ強度によって一義的に決まる幾何光学的倍率によって決定されることを前提としている。そして、露光前の校正作業においては、各電子レンズのレンズ強度を調節することによって、ウェハ用投影系116が所定の幾何光学的倍率を達成するように調節する。
【0037】
しかしながら、実験により、ブロックパターンがウェハ64に転写される縮小率は、事前に設定された幾何光学的倍率だけでなく、ブロックパターンを透過する電子ビームの電流量にも依存するということが判明した。具体的には、電子ビームの電流量が大きいほど、ブロックパターンは小さい倍率、すなわち大きい縮小率で転写される。本実施形態において、マスクに照射される電子ビームの電流密度は、一連のウェハ露光プロセスを通じてほぼ一定であるので、ブロックパターンを透過する電子ビームの電流量は、ブロックパターンの開口面積で決まる。したがって、本実施形態で、電子ビームによって一度にウェハに露光されるパターンの露光面積が大きいほど、ブロックパターンに対する露光パターンの比率は小さくなる。
【0038】
図2は、クーロン相互作用により、物面Mの像が像面W上に小さく結像する原理を説明する概念図である。物面Mと像面Wの間において、幾何光学的倍率を決定するレンズ倍率がB/Aとなるように調整された電子レンズ300が設けられている。そして、物面MでX1の大きさに成形された電子ビームは、ビーム電流が所定値よりも小さい場合には、太線で図示したように、予め調整された幾何光学的倍率に従って、像面WにおいてX2(=X1×B/A)の大きさで結像する。しかしながら、ビーム電流が所定値よりも大きい場合、X1の大きさに成形された電子ビームは、クーロン相互作用によりビーム軌道がずれ、像面Wにおいて、X2よりも小さいX2−ΔX2の大きさで結像する。この大きさは、
(X2−ΔX2)/(X1−ΔX1)=B/A
を満たす、X1−ΔX1の大きさの像が電子レンズ300の幾何光学的倍率に従って像面Wに投影された場合の結像サイズに相当する。
つまり、物面のパターンが像面に投影される場合の縮小率は、光学系のレンズ強度で調節される幾何光学的倍率だけでなく、電子ビームのビーム電流にも依存する。縮小率がビーム電流に依存する結果生じる露光サイズのずれは、例えば、物面Mで300μmの大きさの像を、像面Wに5μmの大きさで縮小投影するように調節されたレンズ300(レンズ倍率が1/60)を用いる場合、露光サイズ5μm角のパターンを、電流密度20A/cm、最大電流値5μAで露光しようとした場合に、5μm角で露光されるべきパターンのサイズが一辺あたり100nm程度小さく露光されることが実験により判明した。
【0039】
図3及び図4は、ウェハ64に一度に露光すべきパターンの露光面積と、照射されるビームのX寸法のずれ及びY寸法のずれのそれぞれとの関係を求めた実験結果を示す。これらの図から明らかなように、ウェハ64を露光すべき露光面積が大きいほど、つまり照射される電子ビームの電流が大きいほど、マスクの開口パターンは小さく縮小されて投影される。特に、本実験結果によれば、照射されるビームの寸法のずれは、露光すべきパターンの露光面積にほぼ比例して大きくなる。したがって、ウェハ64に露光すべき露光パターンに対するブロックパターンの比率をビーム電流または露光面積に応じて補正することにより、露光精度が向上する。ここで、ウェハ64上に一度に露光すべき露光パターンの露光面積をSblock、照射されるべき電子ビームの電流密度をj、比例定数をHx及びHyとすれば、
Xs”=Gx*Xs+Rx*Ys+Ox+Hx*Sblock*j …(1)
Ys”=Gy*Ys+Ry*Xs+Oy+Hy*Sblock*j …(2)
を用いて、ブロックパターンの寸法を補正する。ここでGx、Gyは伸縮係数、Rx、Ryは回転係数、Ox、Oyはオフセット係数である。なお、比例定数Hx、Hyは、事前の実験により、ビーム電流に応じたビームサイズの変動量を計測し、図3及び図4に示した様なグラフを作成することによって求めることができる。図3及び図4のグラフからそれぞれ求められるHx及びHyは、以下の通りである。
Hx=[X寸法の差分]/[露光面積の差分]=−6.2[nm/μm
Hy=[y寸法の差分]/[露光面積の差分]=−4.5[nm/μm
【0040】
また、電子ビーム露光装置100は、ショット毎のビーム電流、又は露光面積に連動してリフォーカシング(焦点補正)をおこなうことにより、クーロン相互作用によるデフォーカス成分を補正する。この場合、リフォーカシング量に応じて、ウェハ64上でのビーム照射位置が変動するが、リフォーカシング量を決定するショット毎のビーム電流、又は露光面積に基づけば、ビーム照射位置の変動量を算出することができる。すなわち、比例定数をαX2、及びαY2とした場合、ウェハ64上でのビーム照射位置の変動量は、
Vx=αX2 * Sblock * j …(3)
Vy=αY2 * Sblock * j …(4)
で算出することができる。なお、比例定数αX2、及びαY2は、事前の実験により、ビーム電流に応じたリフォーカシングに起因するビーム照射位置の変動量を計測し、図3及び図4に示した様なグラフを作成することによって求めることができる。
【0041】
従って、電子ビーム露光装置100は、式(1)及び(2)の式を用いて、ビームサイズのずれをブロックパターン毎に予め補正したブロックマスク30を用いることにより、所望のサイズの露光パターンをウェハ64に露光することができる。更に、式(3)及び(4)の式を用いて算出した、ウェハ64上でのビーム照射位置の変動量を偏向制御部82を制御して補正することにより、ブロックマスク30が成形した電子ビームをウェハ64の所望の位置に精度よく照射することができる。
【0042】
図5は、ウェハ64に一度に露光すべき露光パターンの例を示す。図5(a)は、X寸法=X、Y寸法=Y、露光面積=Aである第1の露光パターン204と、電子ビームが一度に露光可能な第1の露光領域200とを示す。図5(b)は、X寸法=X、及びY寸法=Y、露光面積=Aである第2の露光パターン206と、電子ビームが一度に露光可能な第2の露光領域202とを示す。第1の露光パターン204と、第2の露光パターン206との関係において、X=X、Y=Yが成り立つ場合、それぞれの露光面積の関係は、その形状によって、A<Aである。従って、第1のパターン204を露光する第1の照射ビームの電流をI、第2の露光パターン206を露光する第2の照射ビームの電流をIとすると、電子ビームの電流密度がほぼ等しい場合、I<Iが成り立つ。このような露光パターンをウェハ64に精度よく露光するブロックパターンが備えるべき特徴を以下に説明する。
【0043】
図6は、図5で説明した露光パターンをそれぞれ成形するブロックパターンを示す。ここで、ブロック毎の露光面積に応じてパターンサイズを補正する前のブロックパターンを非補正ブロックパターンと呼ぶ。同じく、ブロック毎の露光面積に応じて領域サイズを補正する前のブロック領域を非補正ブロック領域と呼ぶ。図6(a)において、第1の非補正ブロックパターン214及び第1の非補正ブロック領域210は、それぞれ、図5(a)における第1の露光パターン204及び第1の露光領域200を各種電子レンズ(14、20、28、32、40、46、50、52)の配置及び強度で決まる幾何光学的倍率(例えば60倍)で単純に拡大した場合のパターンを示す。これに対して、第1の補正ブロックパターン216及び第1の補正ブロック領域212は、第1の非補正ブロックパターン214及び第1の非補正ブロック領域210のサイズを、前述の式(1)及び(2)で算出される変動量で補正することによって決定される。この結果得られる、第1の露光パターン204に対する第1の補正ブロックパターン216の倍率を、X方向でC1X、Y方向でC1Yとする。
【0044】
同様に、図6(b)において、第2の非補正ブロックパターン224及び第2の非補正ブロック領域220は、それぞれ、図5(b)における第2の露光パターン206及び第2の露光領域202を各種電子レンズ(14、20、28、32、40、46、50、52)の強度で決定される幾何光学的倍率(例えば60倍)で拡大した場合のパターンを示す。これに対して、第2の補正ブロックパターン226及び第2の補正ブロック領域222は、第2の非補正ブロックパターン224及び第2の非補正ブロック領域220のサイズを、式(1)及び(2)で算出される変動量で補正することによって決定される。この結果得られる、第2の露光パターン206に対する第2の補正ブロックパターン226の倍率を、X方向でC2X、Y方向でC2Yとすると、
2X>C1X
2Y>C1Y
が成り立つ。例えば、X=5μm、I=5μAの場合、補正ブロックパターン226のX方向の補正量(X”−X’)は、6μm程度である。
【0045】
以上まとめると、第1の補正ブロックパターン216と、第1の補正ブロックパターン216で成形され、第1の電流Iを有する電子ビームが露光する第1の露光パターン204との比率、及び第2のブロックパターン226と、第2の補正ブロックパターン226で成形され、第2の電流Iを有する電子ビームが露光する第2の露光パターン206との比率は異なる。そして、第2の電流Iが、第1の電流Iよりも大きい場合、第2の露光パターン206に対する第2のブロックパターン226の比率は、第1の露光パターン204に対する第1のブロックパターン216の比率よりも大きい。あるいは、第2の露光パターン206の露光面積が第1の露光パターン204の露光面積よりも大きい場合、第2の露光パターン206に対する第2のブロックパターン226の比率は、第1の露光パターン204に対する第1のブロックパターン216の比率よりも大きい。
【0046】
また、式(1)及び(2)におけるHx及びHyは互いに独立なので、第1の補正ブロックパターン216の寸法X”に対する、第1の露光パターン204の寸法Xの倍率と、第1の補正ブロックパターン216の寸法Y”に対する、前記第1の露光パターン204の寸法Yの倍率とは異なってもよい。また、偏向制御部82は、電流Iの大きさに応じて偏向器(34、38、56、58)、例えば静電8極偏向器の出力を調節することによって、第1の補正ブロックパターン216が成形した電子ビームのウェハ64への照射位置を補正してもよい。この場合、式(3)及び(4)におけるαX2及びαY2は互いに独立なので、第1の方向への照射位置の補正量に対する、第1の方向と平行でない第2の方向への照射位置の補正量の比率は、電流Iの大きさに応じて異なってもよい。
【0047】
図7は、本実施形態に係るマスク30の製造方法を示すフローチャートである。まず、ウェハ64に露光すべき露光パターンデータをマスクパターン生成装置に入力する(S110)。マスクパターン生成装置は、入力された露光パターンデータを一度に露光できる矩形領域で分割する(S112)。次に、マスクパターン生成装置は、それぞれの領域に含まれる露光パターンの露光面積を算出する(S114)。そして、S114で算出した露光面積に基づいて、領域毎の露光に必要な電子ビームのビーム電流を算出する(S116)。次に、S116で算出した領域毎のビーム電流に基づいてビームの照射サイズの変動量を算出し、その変動量を補正するブロックパターンサイズを算出する(S118)。同様に、S116で算出した領域毎のビーム電流に基づいてビームの照射位置の変動量を算出し、その変動量を補正するブロックパターン位置を算出する(S120)。そして、S118及びS120でサイズ及び位置が算出されたブロックパターンを統合して、マスクパターンデータを生成する(S122)。最後にS122で生成されたマスクパターンデータを用いてマスクパターンが形成され、マスク30が製造される(S124)。以上で本フローは終了する。
【0048】
以上のようなマスク30を用いた電子ビーム露光装置100によれば、スループット向上の目的で電子ビームの電流を増大させても、所望の露光パターンを精度良くウェハ64に露光することができる。
【0049】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る電子ビーム露光装置100の構成図である。第2の実施形態においては、第1実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。第2の実施形態の電子ビーム露光装置100は、第1の実施形態の100が備えるマスク30、マスクステージ駆動部68、及びマスクステージ制御部84に換えて、第2スリット172を備える。
【0050】
統括制御部130は、メモリ132と、メモリ132に接続された電流算出部134と、電流算出部134及び個別制御部120に接続された補正制御部136とを有する。
【0051】
第1偏向部22及び第2偏向部26は、第1スリット部16を透過して成形された電子ビームを第2スリット部172の所定の位置に偏向して、電子ビームの断面形状を所望の矩形に成形する。
【0052】
本実施形態に係る電子ビーム露光装置100の動作について説明する。まず、電流算出部134は、ウェハ64に露光すべき露光パターンのパターンデータをメモリ134から取得する。そして、露光パターンデータに基づいて、パターンを描画する電子ビームのビーム形状及びビーム電流を少なくとも一種類算出する。つぎに、補正制御部136は、電流算出部134が算出したビーム形状またはビーム電流毎に、第2スリット部172に照射する電子ビームの位置の補正量を以下の式(5)、(6)で算出する。ここで、パターンを描画すべき矩形ビームの形状をX*Yとする。
Xs”=Gx*Xs+Rx*Ys+Ox+Hx*X*Y*j …(5)
Ys”=Gy*Ys+Ry*Xs+Oy+Hy*X*Y*j …(6)
【0053】
また、電子ビーム露光装置100は、照射すべき電子ビームの電流、又は露光面積に連動してリフォーカシング(焦点補正)をおこなうことにより、クーロン相互作用によるデフォーカス成分を補正する。この場合、リフォーカシング量に応じて、ウェハ64上でのビーム位置が変動するが、補正制御部136は、ウェハ64上でのビーム照射位置の変動量を、ビーム電流、又は露光面積に基づいて以下の式により算出する。ここで、αX2、及びαY2は前述の実施形態同様、実験によって求まる比例定数である。
Vx=αX2*X*Y*j …(7)
Vy=αY2*X*Y*j …(8)
【0054】
次に、補正制御部136は、式(5)及び(6)を用いて算出した電子ビームの位置の補正量を偏向制御部82に出力する。偏向制御部82は、第1偏向器22及び第2偏向器26の出力を調節して、第2スリット部172に照射される電子ビームの位置を補正する。これにより、第1スリット部16及び第2スリット部172によって成形される電子ビームの矩形サイズが補正される。具体的には、偏向制御部82は、補正制御部136が算出した矩形サイズを示すデジタルデータを、図示しない偏向器用DAコンバータでアナログデータに変換し、図示しない偏向器用アンプに出力する。そして、偏向器アンプは、入力されたアナログデータに応じた出力で第1偏向器22及び第2偏向器26を動作させる。従って、本実施形態に係る電子ビーム露光装置100は、ウェハ64に照射すべき電子ビームの電流の大きさに応じて、電子ビームのビーム面積を補正する。この場合、ビーム電流が大きい程、ビーム面積を大きく補正する。
また、電子ビーム露光装置100は、ビーム電流の大きさに応じて、電子ビームのウェハ64上での照射位置を補正する。具体的には、補正制御部136は、式(7)及び(8)を用いて算出した、ウェハ64上でのビーム照射位置の変動量を電子ビームの偏向補正量として、偏向制御部82に出力する。偏向制御部82は、補正制御部136から取得した偏向補正量に基づいて、主偏向器56及び/又は副偏向器58の出力を調節し、電子ビームのウェハ64上での照射位置を補正する。
【0055】
図9は、第1スリット部16及び第2スリット部172による電子ビームの成形方法の一例を示す。図9(a)は、電子ビームの矩形サイズをビーム電流に応じて補正しない場合を示し、図9(b)は、電子ビームの矩形サイズをビーム電流に応じて補正する場合を示す。ここで、電子ビーム露光装置100は、第1スリット部16によって矩形に成形された電子ビームを、第2スリット部172が有するスリット402に通過させることにより矩形に成形する。
電子ビーム露光装置100は、図9(a)において、第2スリット部172における電子ビームの位置を位置400から位置404に移動する。位置404は、ウェハ64に照射すべき電子ビームのビームサイズをウェハ用投影系314の幾何光学的倍率で拡大した大きさに基づいて求める。しかしながら、位置404とスリット402を通過して成形された電子ビームがウェハ64に到達するまでには、電子ビームは、ウェハ用投影系314の幾何光学的倍率を超えて、図の縦/横いずれの方向にも縮小されてしまう。この結果、所望のサイズの電子ビームはウェハ64に照射されない。
【0056】
そこで、電子ビーム露光装置100は、前述の(5)及び(6)の式を用いて電子ビームの矩形サイズの変動量を算出し、算出した変動量を補正する位置406に電子ビームの位置を移動する。図中の矢印は、スリット402に照射されるビームの位置を定義する点の一例である点500の軌跡を示す。電子ビーム露光装置100は、電子ビームを位置406とスリット402とを通過させて成形することにより、所望のサイズの電子ビームでウェハ64を描画できる。
【0057】
電子ビーム露光装置100は、電子レンズのレンズ強度を変えることによって、電子ビームのビーム面積を補正してもよい。具体的には、補正制御部136は、サイズの変動補正量を電子レンズ制御部88に出力する。電子レンズ制御部88は、補正制御部136から取得したサイズの変動補正量に基づいてウェハ用投影系314が有する電子レンズのレンズ強度を変えて、電子ビームのビーム面積を補正する。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係る電子ビーム露光装置によれば、ウェハに照射する電子ビームの電流の大きさに応じて電子ビームのビーム面積及び/又は照射位置が補正されるので、高い描画精度でウェハを露光することができる。
【0059】
第1及び第2の実施形態に係る電子ビーム露光装置100は、複数の電子ビームにより、ウェハにパターンを露光するマルチビーム露光装置であってもよい。
【0060】
図10は、第2の実施形態に係る電子ビーム露光装置100で、ウェハ64から半導体素子を製造する半導体製造工程のフローチャートである。S10で、本フローチャートが開始する。フォトレジスト塗布工程は、ウェハ64の上面に、フォトレジストを塗布する(S12)。それから、フォトレジストが塗布されたウェハ64が、図8に示された電子ビーム露光装置100におけるウェハステージ62に載置される。露光工程では、図8を用いて説明したように、照射されるビーム電流に応じてショットサイズ及び照射位置が補正された電子ビームによって、ウェハ64にパターン像が描画される(S14)。
【0061】
次に、現像工程は、露光されたウェハ64を、現像液に浸して現像し、余分なレジストを除去する。そして、エッチング工程は、ウェハ64上のフォトレジストが除去された領域に存在するシリコン基板、絶縁膜あるいは導電膜を、プラズマを用いた異方性エッチングによりエッチングする(S18)。そして、イオン注入工程は、トランジスタやダイオードなどの半導体素子を形成するために、ウェハ64に、ホウ素や砒素などの不純物を注入する(S20)。そして、熱処理工程は、ウェハ64に熱処理を施し、注入された不純物の活性化を行う(S22)。そして、洗浄工程は、ウェハ64上の有機汚染物や金属汚染物を取り除くために、薬液によりウェハ64を洗浄する(S24)。そして、成膜工程は、導電膜や絶縁膜の成膜を行い、配線層および配線間の絶縁層を形成する(S26)。フォトレジスト塗布工程(S12)〜成膜工程(S26)を組み合わせ、繰り返し行うことによって、ウェハ64に素子分離領域、素子領域および配線層を有する半導体素子を製造することが可能となる。そして、組み立て工程は、所要の回路が形成されたウェハ64を切り出し、チップの組み立てを行う(S28)。そして、S30で半導体素子製造フローが終了する。
【0062】
なお、上記第1及び第2の実施形態は、縮小光学系を用いる場合について説明したが、電子レンズの配置、及びレンズ強度が異なる、拡大光学系を用いてもよい。
【0063】
上記第1及び第2の実施形態に係る電子ビーム露光装置100によれば、大電流の電子ビームでウェハ64を露光する場合でも、クーロン効果に起因すると考えられる、ビームのショットサイズ及び照射位置の変動を適切に補正してウェハ64を精度良く露光することができる。
【0064】
図11は、電子ビーム露光装置100が、幾何光学的倍率を調整するための校正動作の一例を示す。マスクパターンAが成形する電子ビームがウェハ64に結像したビーム像Aによって金属などの微細ラインを走査した場合に、反射電子処理部90が出力する反射電子波形に現れる2つのピーク間の距離を偏向器の偏向距離を基準にして測定する。反射電子波形に現れる2つのピーク間の距離は、この場合、ほぼX’に相当する。そして、電子レンズ制御部88は、XとX’との比率が所定の大きさ、例えばX/X’=60となるように、電子レンズのレンズ強度を調節する。マスクパターンAのように開口面積が小さい場合、ビーム電流が小さいので、ビーム像Aに対するマスクパターンAの比率は、この校正動作で決定される幾何光学的倍率で決まる。
【0065】
図12は、マスクパターンAよりも開口面積が大きいマスクパターンBが成形した電子ビームが、ウェハ64上に照射された場合のビームサイズを測定する測定動作の一例を示す。図11に示した校正動作で、幾何光学的倍率をX/X’=60と調節しても、パターンBは、開口面積が大きくビーム電流が大きいので、ビーム像Bに対するマスクパターンBの比率、X/X’は60にはならない。例えば、X=Xであれば、X’<X’となる。
【0066】
図13は、第1スリット部16及び第2スリット部172による電子ビームの成形動作の一例を示す。第1スリット部16が有するスリット1と第2スリット部172が有するスリット2との重なりで、成形するビームのサイズを決定する。第1スリット部16及び第2スリット部172は、ウェハ64における所望のビーム像Cの幅X’を図11の校正動作で設定した幾何光学的倍率(60倍)で拡大した幅よりも大きい幅Xで電子ビームを成形する。電子ビーム露光装置100は、金属などからなる微細ラインをビーム像Cで走査した場合に得られる反射電子波形から、Xc’が所望のサイズで投影されているか否かを確認することができる。電子ビーム露光装置100は、ビーム像Cを照射すべきビーム電流の大きさに基づいて、Xc’の60倍よりも大きいXcの大きさに成形した電子ビームを照射するので、所望の大きさXc’でビーム像Cを露光することができる。
【0067】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0068】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、大電流の電子ビームを利用する場合でも、ウェハにパターンを精度良く露光する電子ビーム露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る電子ビーム露光装置100の構成図である。
【図2】 クーロン相互作用により、物面Mの像が像面W上に小さく結像する原理を説明する概念図である。
【図3】 一度に露光すべきパターンの露光面積と照射されるビームのX寸法のずれとの関係を実験により求めた結果を示す図である。
【図4】 一度に露光すべきパターンの露光面積と照射されるビームのY寸法のずれとの関係を実験により求めた結果を示す図である。
【図5】 ウェハに一度に露光すべきパターンの例を示す。
【図6】 図5で説明した露光パターンを露光するためのブロックパターンを示す。
【図7】 マスク30の製造方法を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の第2の実施形態に係る電子ビーム露光装置100の構成図である。
【図9】 第1スリット部16及び第2スリット部172による電子ビームの成形方法の一例を示す図である。
【図10】 ウェハ64から半導体素子を製造する半導体製造工程のフローチャートである。
【図11】 電子ビーム露光装置100が、幾何光学的倍率を調整するための校正動作の一例を示す図である。
【図12】 マスクパターンBが成形した電子ビームが、ウェハ64上に照射された場合のビームサイズを測定する測定動作の一例を示す。
【図13】 ウェハ64上にビーム像Cを照射する電子ビームの成形動作の一例を示す図である。
【符号の説明】
10・・・筐体、12・・・電子銃、14・・・第1電子レンズ、16・・・第1スリット部、20・・・第2電子レンズ、22・・・第1偏向器、26・・・第2偏向器、28・・・第3電子レンズ、30・・・マスク、32・・・第4電子レンズ、34・・・第4偏向器、36・・・ブランキング電極、38・・・第4偏向器、40・・・第5電子レンズ、46・・・第6電子レンズ、48・・・ラウンドアパーチャ、50・・・第7電子レンズ、52・・・第8電子レンズ、56・・・主偏向器、58・・・副偏向器、60・・・電子検出器、62・・・ウェハステージ、64・・・ウェハ、68・・・マスクステージ駆動部、70・・・ウェハステージ駆動部、72・・・マスクステージ、82・・・偏向制御部、84・・・マスクステージ制御部、86・・・ブランキング電極制御部、88・・・電子レンズ制御部、90・・・反射電子処理部、92・・・ウェハステージ制御部、100・・・電子ビーム露光装置、110・・・電子ビーム照射系、112・・・マスク用投影系、114・・・焦点調整レンズ系、116・・・ウェハ用投影系、120・・・個別制御部、130・・・統括制御部、132・・・メモリ、134・・・電流算出部、136・・・補正制御部、140・・・制御系、150・・・露光部、172・・・第2スリット部、200/202・・・露光領域、204/206・・・露光パターン、210/220・・・非補正ブロック領域、212/222・・・補正ブロック領域、214、224・・・非補正ブロックパターン、216/226・・・補正ブロックパターン、300・・・電子レンズ、400、404、406・・・ビーム位置、402・・・スリット

Claims (1)

  1. ウェハに所望のパターンを露光する電子ビームを成形する開口部が設けられたマスクを製造するマスク製造方法であって、
    前記パターンを露光するために必要なビーム電流に基づいて、前記開口部の大きさを算出する開口サイズ算出段階と、
    大きさが算出された前記開口部を基板上に形成する形成段階と
    を備え、
    前記開口サイズ算出段階は、電流の大きさによるパターンの大きさのずれを補正すべく、前記ビーム電流が大きい程、前記パターンに対する前記開口部の比率を大きく決定する段階を含むマスク製造方法。
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