JP2005074821A - 熱転写記録方法及び複合熱転写シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 複合熱転写シートの熱転写する層を形成する製造コストが高くなることを防止し、さらに転写された受容層、保護層の各表面が荒れて、耐久性低下や光沢性低下を防止し、実用上問題が生じない熱転写記録方法及びその記録方法に使用する複合熱転写シートを提供する。
【解決手段】 基材シートの一方の面に転写性染料受容層と転写性保護層とを面順次に繰り返し設けた複合熱転写シートと、基材シートの一方の面に、1色又は複数色の染料層を複数色の場合は面順次に繰り返し設けた熱転写シートを用意し、ラインヒーターヘッドにより、被転写体に染料受容層を熱転写し、次に被転写体上の転写された染料受容層上に、前記の染料層を有する熱転写シートからサーマルヘッドにより、染料を転写して、画像を形成し、その後、被転写体の染料の熱転写された画像上に、前記複合熱転写シートの転写性保護層をラインヒーターヘッドにより熱転写して、保護層を形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】 基材シートの一方の面に転写性染料受容層と転写性保護層とを面順次に繰り返し設けた複合熱転写シートと、基材シートの一方の面に、1色又は複数色の染料層を複数色の場合は面順次に繰り返し設けた熱転写シートを用意し、ラインヒーターヘッドにより、被転写体に染料受容層を熱転写し、次に被転写体上の転写された染料受容層上に、前記の染料層を有する熱転写シートからサーマルヘッドにより、染料を転写して、画像を形成し、その後、被転写体の染料の熱転写された画像上に、前記複合熱転写シートの転写性保護層をラインヒーターヘッドにより熱転写して、保護層を形成する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、熱転写記録方法及び複合熱転写シートに関し、特に基材シートの一方の面に剥離可能な転写性染料受容層と転写性保護層とを面順次に繰り返し設けた複合熱転写シートと、基材シートの一方の面に、1色又は複数色の染料層を複数色の場合は面順次に繰り返し設けた熱転写シートを使用して、ラインヒーターヘッドとサーマルヘッドを使い分けて、被転写体上に染料受容層を転写し、その転写された受容層上に染料層から染料を熱転写して画像形成し、さらにその染料の転写された画像上に保護層を転写する熱転写記録方法及びその記録方法に使用する複合熱転写シートに関する。
従来から、熱転写方式を用いて基材に階調画像や文字、記号等の単調画像を形成することが行われている。熱転写方式としては、感熱昇華転写方式と感熱溶融転写方式が広く用いられている。
このうち、感熱昇華転写方式は、色材として用いる昇華性染料をバインダー樹脂に溶融あるいは分散させた染料層を基材シ−トに担持した熱転写シートを使用し、この熱転写シートを基材(必要に応じて染料受容層を備えた基材)に重ねてサーマルヘッド等の加熱デバイスに画像情報に応じたエネルギーを印加することにより、熱転写シート上の染料層中に含まれる昇華性染料を基材に移行させて画像を形成する方法である。
上記方法で画像形成が可能な受像シートは、染料染着性のあるプラスチックシート或いは染料受容層を予め設けてある紙等に限定され、一般の普通紙等には直接画像が形成出来ないという問題がある。勿論、一般の普通紙であってもその表面に受容層を形成しておけば、画像形成は可能であるが、これは一般的にはコスト高であり、例えば、葉書、メモ、便箋、レポート用紙等の如き一般的な既製の受像シートには適用することが困難である。この様な問題点に対し、普通紙等の既製品の受像シートに画像を形成しようとする場合、その必要部分のみに染料受容層を形成する方法として、受容層転写シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記の感熱昇華転写方式は、熱転写シートに印加するエネルギー量によってドット単位で染料の移行量を制御できるため、階調性画像の形成に優れているものの、形成された画像は通常の印刷インキによるものとは異なり、色材が顔料でなく比較的低分子量の染料であり、かつビヒクルが存在しないため耐光性、耐候性、耐摩擦性等の耐久性に劣るという欠点がある。
上記の欠点に対して、例えば、形成された画像上に保護層を転写して、画像の耐久性を向上させる方法がある。長尺基材フイルムの面にイエロー、シアン、マゼンタ及び必要に応じてブラックの各染料層を面順次に形成し、更に同一基材フィルム面に転写受容層を設け、先ず受容層を受像シートに転写させ、続いて該受容層に各色の染料を転写させてフルカラー画像を形成する複合熱転写シートにおいて、更には形成された染料画像を保護する為の保護層を更に、同一基材フィルムに面順次に設けた複合熱転写シートも提案されている。(例えば、特許文献2参照)
しかしながら、上記のような、受容層、染料層及び保護層を、同一基材フィルム上に含む複合熱転写シートを製造する場合、各層を形成するために、多数の印刷回数(塗工回数)が要求され、製造コストが高くなるという問題がある。
しかしながら、上記のような、受容層、染料層及び保護層を、同一基材フィルム上に含む複合熱転写シートを製造する場合、各層を形成するために、多数の印刷回数(塗工回数)が要求され、製造コストが高くなるという問題がある。
また、上記の受容層、染料層を一体化して、同一基材フィルムに設けた熱転写シートでは、染料層をサーマルヘッドを用いて画像状に加熱して、熱転写画像を形成し、その同じサーマルヘッドを用いて受容層を転写形成するものであり、サーマルヘッドをパルス状に発熱、冷却させてこれを繰り返すため、またサーマルヘッドは主走査方向に画素単位で多数の発熱抵抗体を並べたもので、主走査方向の電極間に非発熱部が生じて均一な加熱が困難であるため、転写された受容層にクラックが生じやすい。受容層にクラックが生じると、そこを通して酸素が入り易くなり、耐候性上不利であり、耐久性低下の原因となる。
さらに、上記の受容層、染料層、保護層を同一基材フィルムに一体的に設けた熱転写シートで、保護層を熱転写画像上に転写させる際に、受容層、染料層を加熱させる際のサーマルヘッドを用いるために、上記の受容層の転写と同様に、均一な加熱が困難なために、転写された保護層表面が荒れてしまい、光沢性を失ってしまう。
一般の普通紙等の既製の受像シートを適用する場合、基材シート上に剥離可能に受容層を設けた中間転写記録媒体を使用して、該受容層に熱転写シートから色材を転写して画像形成後、その画像形成された受容層をカード等の被転写体に転写して画像形成物を得ることが、例えば特許文献3に提案されている。
特開昭62−264994号公報
特開平5−50770号公報
特開平7−156532号公報 しかし、中間転写記録媒体の受容層に昇華転写する際の染料層を有する熱転写シートとの離型力と、被転写体へ受容層を転写する際の接着力のバランスをとることが難しく、印画の際に中間転写記録媒体の受容層が基材シートから剥がれてしまったり、被転写体に対して画像形成された受容層の被転写体への接着力が十分でない等の問題がある。
したがって、本発明の目的は、基材シートの一方の面に剥離可能な転写性染料受容層と転写性保護層とを面順次に繰り返し設けた複合熱転写シートと、基材シートの一方の面に、1色又は複数色の染料層を複数色の場合は面順次に繰り返し設けた熱転写シートを使用して、ラインヒーターヘッドとサーマルヘッドを使い分けて、被転写体上に染料受容層を転写して、その転写された受容層上に染料層から染料を熱転写して画像形成し、さらにその染料の転写された画像上に保護層を転写する熱転写記録方法及びその記録方法に使用する複合熱転写シートにおいて、複合熱転写シートの熱転写する層を形成する製造コストが高くなることを防止し、さらに転写された受容層、保護層の各表面が荒れて、耐久性低下や光沢性低下を防止し、実用上問題が生じない熱転写記録方法及びその記録方法に使用する複合熱転写シートを提供することである。
請求項1に記載の発明は上記の課題を解決するもので、基材シートの一方の面に剥離可能な転写性染料受容層と転写性保護層とを面順次に繰り返し設けた複合熱転写シートと、基材シートの一方の面に、1色又は複数色の染料層を複数色の場合は面順次に繰り返し設けた熱転写シートを用意し、前記複合熱転写シートの転写性染料受容層と被転写体とを接するように重ね合わせて、ラインヒーターヘッドにより、被転写体に染料受容層を熱転写し、次に被転写体上の転写された染料受容層上に、前記の染料層を有する熱転写シートからサーマルヘッドにより、染料を転写して、画像を形成し、その後、被転写体の染料の熱転写された画像上に、前記複合熱転写シートの転写性保護層をラインヒーターヘッドにより熱転写して、保護層を形成することを特徴とする熱転写記録方法を要旨とする。
請求項2に記載の発明は、同一基材シートの一方の面に剥離可能な転写性染料受容層と転写性保護層とを面順次に繰り返し設けたことを特徴とする複合熱転写シートを要旨とする。
本発明の熱転写記録方法においては、ラインヒーターヘッドとサーマルヘッドを使い分けて熱転写記録するものであり、まず基材シートの一方の面に剥離可能な転写性染料受容層と転写性保護層とを面順次に繰り返し設けた複合熱転写シートと被転写体とを接するように重ね合わせ、ラインヒーターヘッドにより、被転写体に染料受容層を熱転写し、次に被転写体上の転写された染料受容層上に、基材シートの一方の面に、1色又は複数色の染料層を複数色の場合は面順次に繰り返し設けた熱転写シートからサーマルヘッドにより、染料を転写して、画像を形成し、その後、被転写体の染料の熱転写された画像上に、前記複合熱転写シートの転写性保護層をラインヒーターヘッドにより熱転写して、保護層を形成するものである。これにより、特に転写部分の均一性、平滑性が要求される受容層、保護層はラインヒーターヘッドにより均一な加熱を行うことで、優れた品質で受容層、保護層を転写することが可能となった。また、染料層を有する熱転写シートの染料層に対しサーマルヘッドにより、印加するエネルギー量によってドット単位で染料の移行量を制御できるため、階調性の優れた品質の熱転写の染料画像が形成できる。
また、本発明の複合熱転写シートは、同一基材シートの一方の面に剥離可能な転写性染料受容層と転写性保護層とを面順次に繰り返し設けた構成であり、上記の熱転写記録方法でラインヒーターヘッドにより被転写体に受容層と保護層を加熱、転写する熱転写シートとして、画像状に染料を熱転写するサーマルヘッドで使用する熱転写シートとは別個の構成として形成した熱転写シートである。
以下、図面を参照しながら本発明について、実施の形態を詳述する。
図1は本発明に係る複合熱転写シート5の一つの実施形態の概略断面図である。基材シート1の一方の面に剥離可能な転写性染料受容層2と、転写性保護層3とを面順次に繰り返し設けた構成である。図示した染料受容層と保護層は夫々基材シートに直接設けたものであるが、基材シート上に離型層を介して、染料受容層、保護層を設けることができ、また染料受容層、保護層の夫々の上に接着剤層を設けて、被転写体との接着性を向上させることができる。
また、図2は本発明の熱転写記録方法で使用する染料層4を有する熱転写シート6の一つの実施形態の概略断面図である。基材シート1の一方の面に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色の染料層4を面順次に繰り返し設けた熱転写シート6である。図示した染料層は4色のものであるが、Y、M、Cの3色や2色以上のものであっても、また1色の単色であってもよい。
以下、本発明の熱転写記録方法で用いる複合熱転写シートと染料層を有する熱転写シートを構成する各層毎に詳述する。
(複合熱転写シート)
[基材シート]
本発明の複合熱転写シートにおける基材シート1は、従来の熱転写シートに使用されていると同じ基材シートがそのまま用いることが出来ると共に、その他のものも使用することが出来、特に制限されない。好ましい基材シートの具体例としては、例えば、グラシン紙、コンデンサ紙、パラフイン紙等の薄葉紙、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー等のプラスチック或いはこれらと前該紙とを複合した基材シート等が挙げられる。この基材シートの厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になる様に、材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、3〜100μmである。
[受容層]
染料受容層を形成する為の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に好ましいものは、ビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂である。上記樹脂に混合して使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、弗素系界面活性剤等が挙げられるが、シリコーンオイルが望ましい。該シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、弗素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
(複合熱転写シート)
[基材シート]
本発明の複合熱転写シートにおける基材シート1は、従来の熱転写シートに使用されていると同じ基材シートがそのまま用いることが出来ると共に、その他のものも使用することが出来、特に制限されない。好ましい基材シートの具体例としては、例えば、グラシン紙、コンデンサ紙、パラフイン紙等の薄葉紙、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー等のプラスチック或いはこれらと前該紙とを複合した基材シート等が挙げられる。この基材シートの厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になる様に、材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、3〜100μmである。
[受容層]
染料受容層を形成する為の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に好ましいものは、ビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂である。上記樹脂に混合して使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、弗素系界面活性剤等が挙げられるが、シリコーンオイルが望ましい。該シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、弗素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
離型剤は1種若しくは2種以上のものが使用される。また、この離型剤の添加量は染料受容層形成樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写シートと染料受容層の融着若しくは印字感度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型剤を染料受容層に添加することによって、転写後の受容層の表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。受容層は、前記の基材シートの一方の面に、上記の如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり或いは有機溶剤や水に分散した分散体を、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥することによって形成される。
以上の如く形成される染料受容層は任意の厚さでよいが、一般的には1〜10μmの厚さである。また、このような染料受容層は連続被覆であるのが好ましいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成してもよい。
[保護層]
上記基材シート上に設ける保護層は、耐摩擦性、耐薬品性、透明性、硬度等に優れた種々の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの樹脂のシリコーン変性樹脂及びこれらの各樹脂の混合物等から構成することができる。これらの樹脂は透明性に優れているが、比較的強靭な被膜を形成する傾向があるので、転写時における膜切れが十分とは言えないので、これらの透明樹脂にシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の透明性の高い微粒子やワックス等を樹脂の透明性を害さない程度に添加してもよい。
[保護層]
上記基材シート上に設ける保護層は、耐摩擦性、耐薬品性、透明性、硬度等に優れた種々の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの樹脂のシリコーン変性樹脂及びこれらの各樹脂の混合物等から構成することができる。これらの樹脂は透明性に優れているが、比較的強靭な被膜を形成する傾向があるので、転写時における膜切れが十分とは言えないので、これらの透明樹脂にシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の透明性の高い微粒子やワックス等を樹脂の透明性を害さない程度に添加してもよい。
基材シート上、又はその上に予め設けた離型層上に保護層を形成する方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、その他多くの手段で上記樹脂を含むインキを塗布及び乾燥する方法等が挙げられる。保護層の厚みは好ましくは、0.1〜50μm程度であり、好ましくは1〜10μm程度である。又、上記保護層の形成に際しては、該保護層に、滑剤等の添加剤を含有させることによって、被覆される各種画像の耐スクラッチ性、光沢等を向上させることが出来る。
[離型層]
上記保護層や受容層の形成に先立って、基材シート上に離型層を形成して保護層、受容層の転写性を向上させることができる。離型層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、弗素樹脂、アクリル樹脂等の剥離剤から形成する。形成方法は前記保護層の形成方法と同様でよく、その厚みは0.1〜2μm程度で十分である。又、転写後に艶消し保護層が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、或は離型層側表面をマット処理した基材シートを使用することにより、表面マット状にすることも出来る。
(熱転写シート)
本発明で使用する、基材シートの一方の面に、1色又は複数色の染料層を複数色の場合は面順次に繰り返し設けた熱転写シートについて、以下に詳細に説明する。この熱転写シートの基材シートは、上記の複合熱転写シートで説明した基材シートと同様のものが使用でき、特に制限されない。
[染料層]
熱転写画像を形成するための染料層4は、例えばイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色相の染料層Y、M、CおよびBKからなっている。このような染料層は、少なくとも染料とバインダー樹脂を含有していて、色相はY、M、C、Bkに限定されず、その他の色相も必要に応じて選択することができる。
[離型層]
上記保護層や受容層の形成に先立って、基材シート上に離型層を形成して保護層、受容層の転写性を向上させることができる。離型層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、弗素樹脂、アクリル樹脂等の剥離剤から形成する。形成方法は前記保護層の形成方法と同様でよく、その厚みは0.1〜2μm程度で十分である。又、転写後に艶消し保護層が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、或は離型層側表面をマット処理した基材シートを使用することにより、表面マット状にすることも出来る。
(熱転写シート)
本発明で使用する、基材シートの一方の面に、1色又は複数色の染料層を複数色の場合は面順次に繰り返し設けた熱転写シートについて、以下に詳細に説明する。この熱転写シートの基材シートは、上記の複合熱転写シートで説明した基材シートと同様のものが使用でき、特に制限されない。
[染料層]
熱転写画像を形成するための染料層4は、例えばイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色相の染料層Y、M、CおよびBKからなっている。このような染料層は、少なくとも染料とバインダー樹脂を含有していて、色相はY、M、C、Bkに限定されず、その他の色相も必要に応じて選択することができる。
使用する染料としては、従来公知の感熱昇華転写方式の熱転写シートに使用される、アゾ系、アゾメチン系、メチン系、アントラキノン系、キノフタロン系、ナフトキノン系等のあらゆる染料を使用でき、特に制限はない。また、上記各種染料を組み合わせることによりブラック等の任意の色相の染料を調製することができる。
染料層において染料を担持するバインダー樹脂としては、従来公知のものがいずれも使用可能であり、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等が挙げられ、これらの中でセルロール系、アセタール系、ブチラール系、ポリエステル系が耐熱性、染料の移行性等の点から好ましい。
さらに、染料層中には、印画時の染料層とバインダーと受容層樹脂の熱融着を防止するため、従来公知のあらゆる離型剤を含有させることができる。具体的には、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、各種界面活性剤、各種のリン酸エステル、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等を用いることができる。
染料層は、上記のような昇華性染料、バインダー樹脂に必要な添加剤を加えたものを適当な溶剤に溶解または分散して調製したインキを、基材シート上に公知の手段により塗布、乾燥させて形成される。染料層の厚みは0.2〜5μm、好ましくは0.4〜2μmの範囲で設定でき、染料層中の昇華性染料の割合は5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%の範囲である。
(熱転写記録方法)
本発明の熱転写記録方法は、上記に説明した複合熱転写シートと、基材シート上に染料層を設けた熱転写シートを用意し、前記複合熱転写シートの転写性染料受容層と被転写体とを接するように重ね合わせて、ラインヒーターヘッドにより、被転写体に染料受容層を熱転写し、次に被転写体上の転写された染料受容層上に、前記の染料層を有する熱転写シートからサーマルヘッドにより、染料を転写して、画像を形成し、その後、被転写体の染料の熱転写された画像上に、前記複合熱転写シートの転写性保護層をラインヒーターヘッドにより熱転写して、保護層を形成するものである。
(熱転写記録方法)
本発明の熱転写記録方法は、上記に説明した複合熱転写シートと、基材シート上に染料層を設けた熱転写シートを用意し、前記複合熱転写シートの転写性染料受容層と被転写体とを接するように重ね合わせて、ラインヒーターヘッドにより、被転写体に染料受容層を熱転写し、次に被転写体上の転写された染料受容層上に、前記の染料層を有する熱転写シートからサーマルヘッドにより、染料を転写して、画像を形成し、その後、被転写体の染料の熱転写された画像上に、前記複合熱転写シートの転写性保護層をラインヒーターヘッドにより熱転写して、保護層を形成するものである。
図3に示す熱転写記録装置を例にして、本発明の熱転写記録方法を以下に説明する。
この熱転写記録装置7は、ラインヒーターヘッド9とプラテンローラ11との間に、複合熱転写シート5と被転写体8とが重ね合わさって、ラインヒーターヘッド9の加熱により、被転写体8に受容層、さらに保護層の転写が行なわれる受容層、保護層転写部18と、サーマルヘッド10とプラテンローラ12との間に、染料層を設けた熱転写シート6と受容層の転写された被転写体8とが重ね合わさって、サーマルヘッド10の加熱により、被転写体8上の受容層に染料転写による画像が形成される染料画像形成部19から構成される。また、熱転写記録装置には、被転写体8の受容層、保護層転写部18と染料画像形成部19との間の移動、搬送が円滑に行なわれるように、ガイド板17が設けられている。尚、このガイド板17は、受容層、保護層転写部18と染料画像形成部19における各転写、記録時のラインヒータヘッド9とプラテンロール11との加熱、加圧において、またサーマルヘッド10とプラテンローラ12との加熱、加圧が円滑に行なわれるように、必要な箇所のみに設けるものである。
本発明の熱転写記録方法を、記録する順序にしたがって、説明する。
まず、被転写体8が受容層、保護層転写部18の受容層の転写開始位置に搬送されてくる。つまり、被転写体8は図示しない給紙手段によって給紙され、被転写体8上の受容層が転写されるべき位置がラインヒータヘッド9とプラテンローラ11のニップ位置と重なるように位置出しされる。そして、被転写体8と複合熱転写シート5の受容層部分とを重ね合わせて、ラインヒータヘッド9の加熱により、受容層が被転写体8上に転写される。その際、複合熱転写シート5は供給ロール13から巻上ロール14に巻き取られることで、搬送される。
次に、受容層の転写された被転写体8が、ガイド板17上に沿って、染料画像形成部19へ搬送されて位置出しが行われる。熱転写シート6は供給ロール15から繰り出され巻上ロール16に巻き取られることで右方向に搬送され、まず第1色目(イエロー)染料層の位置出しが行われる。被転写体8と熱転写シート6の位置出しが完了すると、図示しないサーマルヘッド昇降手段によってサーマルヘッド10がプラテンローラ12の方に移動し、被転写体8は熱転写シート6と重ね合わされた状態でサーマルヘッド10によってプラテンローラ12に圧接される。次いで、プラテンローラ12の回転によって被転写体8は熱転写シート6とともに右方向に搬送され、これに同期してサーマルヘッド駆動回路からサーマルヘッド10に転送される画像データに応じてサーマルヘッド10が選択的に発熱し、1色目(イエロー)の印画が行われる。
1色目の印画が完了すると、サーマルヘッド10はサーマルヘッド昇降手段によってプラテンローラ12から離間され、2色目の印画を行う前に被転写体8及び熱転写シート6の位置出しが行われる。すなわち、被転写体8は1色目の画像形成領域の先端部がサーマルヘッド10の発熱体ラインと重なるようにガイド板17上に沿って移動し、熱転写シート6は巻上ロール16が半時計回りに回転して右方向に搬送されて第2色目(マゼンタ)染料層の位置出しが行われる。以後、1色目の印画と同様にして、2色目(マゼンタ)、3色目(シアン)の印画が行われる。さらに、必要に応じて上記3色に加えてブラックを印画してもよい。
次に、上記の被転写体上の受容層上に、染料層からの熱転写により画像が形成された後に、その画像形成された受容層上に保護層を熱転写する。すなわち、染料画像形成部19で染料による熱転写画像が形成された被転写体8は、受容層の転写された領域の先端部がラインヒータヘッド9の発熱体ラインと重なるようにガイド板17上に沿って左方向に戻るように移動する。そして複合熱転写シート5は巻上ロール14が半時計回りに回転して右方向に搬送されて保護層の位置出しが行われ、被転写体8と複合熱転写シート5の位置出しが完了後、被転写体8と複合熱転写シート5の保護層部分とを重ね合わせて、ラインヒータヘッド9の加熱により、保護層が被転写体8上に転写される。この熱転写記録方法が完了すると、ラインヒータヘッドが昇降手段によってプラテンローラ11から離間し、染料画像が転写され、その画像上に保護層が転写された被転写体8が図示しない排紙手段によって排紙される。
本発明の熱転写記録方法で使用されるラインヒータ(ヘッド)について、以下に説明する。ラインヒータはその構造から、薄膜型と厚膜型のものがあり、いずれのものでも使用できる。薄膜型ラインヒータの構造としては、図4に示すように、放熱基板上に熱抵抗層、発熱抵抗体、電極、耐磨耗層が設けられている。放熱基板はセラミックス等からなり、熱抵抗層はガラス等からなり放熱基板上に盛り上がらせて形成されている。頂部の厚みは20〜150μm、熱伝導率は0.1〜2Watt/m・degが適当である。発熱抵抗体2はTa2N、W、Cr、Ni−Cr、SnO2等からなり、真空蒸着、CVD、スパッタリング等の薄膜形成技術を利用してライン状に形成され、厚みは0.05〜3μmが適当である。電極はAl等からなり、発熱抵抗体への通電用として熱抵抗層の盛り上がりの頂部を除いて形成され、厚みは0.1〜3μmが適当である。耐磨耗層はTa2O3等からなるが、耐酸化性を持たせた層を電極側に設けて2層構成にしてもよい。厚みは1〜20μmが適当である。熱抵抗層の熱抵抗を適切な値に設定するために、熱抵抗層の熱伝導率、熱容量および厚みを適宜選択する必要がある。なお、放熱基板上または裏側には感温素子を配置してもよい。感温素子は温度を検出し、これに基づいて図示しない温度制御コントローラにより制御することにより、表面温度の精密な温度制御が可能となる。感温素子としては、サーミスタ、熱電対等が挙げられる。
また、図5に薄膜型のラインヒータの他の好ましい態様を示す。放熱基板上に平坦な熱抵抗層を設けた点以外は図5と同じである。図4のラインヒータは部分グレーズタイプ、図5のラインヒータは全面グレーズタイプと呼ばれるが、全面グレーズタイプに比べ部分グレーズタイプの方が、被転写体との接触が良好なため、高速かつ均一な印字が可能となる。図6に厚膜型のラインヒータの構造の例を示す。放熱基板上に発熱抵抗体、電極、耐磨耗層が設けられている。放熱基板はセラミックス等からなり、発熱抵抗体はPd−Ag、RuO2等の抵抗体ペーストからなり、スクリーン印刷等によりライン状に形成されている。厚みは0.1〜20μmが適当である。電極はAu等からなり、厚みは0.1〜10μmが適当である。耐磨耗層はガラス等からなり、厚みは0.1〜15μmが適当である。この構造のものは印刷技術により形成することができるので、量産により低コスト化を図ることができる。なお上記のような構成によるラインヒータに限らず、発熱抵抗体としてセラミック焼結体や導電性フィラーを練りこんだ樹脂ないし導電性樹脂をライン状に加工したものに電極を取り付けたものを使用してもよく、必要に応じて熱転写シートとの摺動に対する発熱抵抗体の保護のために、耐磨耗層を設けるようにしてもよい。
本発明の熱転写記録方法では、ラインヒータを用いて、複合熱転写シートの染料受容層と保護層を転写することにより、サーマルヘッドに比べ均一な加熱が可能となり、制御が単純となる。また、ホットスタンパ、ヒートロール等に比べて熱応答性が向上し、更に表面温度の精密な制御を行うことも可能となる。それは、以下の理由からである。ホットスタンパ、ヒートロールを用いて受容層、保護層を転写する方法では、所定温度に達するまで時間がかかるため、熱転写の応答性を速くするためには非転写時もスタンパ又はヒートロールを加熱(予熱)しておく必要があり、そのため消費電力が大きくなるとともに、安全面においても問題があり、また部品が大きいため装置も大型化してしまう。また、受容層、保護層の転写では、熱をかけすぎると表面がエンボス化してしまい、熱が十分でないと被転写体への接着が不十分となるため、受容層、保護層を転写する際の印加エネルギーの制御が難しい。上記のラインヒータを使用した熱転写記録方法における装置は単純化し、コンパクト化することも可能である。発熱体形状の変更、ラインヒータへの印加エネルギーのオンオフ並びにラインヒータのアップダウン等の送り方向の転写領域のパターニングの制御により、染料受容層、保護層の転写領域の変更等を比較的容易に行うことができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳述する。尚、特に断りのない限り、部又は%は質量基準の数値である。以下の条件により、複合熱転写シートを作製した。
背面に耐熱滑性層を形成し、他の面を離型処理してある厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ製)の基材シートの離型処理面に、図1に示すように、幅60cm且つ間隔90cmで受容層(及び接着剤層)及び保護層(及び接着剤層)を形成した。受容層及び保護層は下記の組成の受容層(保護層)用塗工液をバーコーターにより乾燥時3.0g/m2になる割合で塗布し、ドライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブン中で30分間乾燥して形成し、接着剤層は下記接着剤溶液を用いて同様にして受容層面及び保護層面に乾燥時3.0g/m2の割合で塗布及び乾燥して形成した。
[受容層用塗工液組成]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(電気化学工業製、1000GKT) 100部
アミノ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業製) 3部
エポキシ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 3部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 500部
[接着剤層用塗工液組成]
アクリル樹脂(BR−106、三菱レイヨン製) 100部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 300部
上記のポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱滑性層を形成した面と反対の面に、グラビアコート法により下記組成の保護層形成用塗工液1を塗布(塗布量2g/m2(乾燥時))し、乾燥(110℃、60秒間)して熱転写可能な保護層を形成し、本発明の実施例1の複合熱転写シートを得た。
[保護層形成用塗工液1]
ポリエステル樹脂 15部
(三井化学(株)製、トーポレックス550−51)
メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比) 85部
[受容層用塗工液組成]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(電気化学工業製、1000GKT) 100部
アミノ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業製) 3部
エポキシ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 3部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 500部
[接着剤層用塗工液組成]
アクリル樹脂(BR−106、三菱レイヨン製) 100部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 300部
上記のポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱滑性層を形成した面と反対の面に、グラビアコート法により下記組成の保護層形成用塗工液1を塗布(塗布量2g/m2(乾燥時))し、乾燥(110℃、60秒間)して熱転写可能な保護層を形成し、本発明の実施例1の複合熱転写シートを得た。
[保護層形成用塗工液1]
ポリエステル樹脂 15部
(三井化学(株)製、トーポレックス550−51)
メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比) 85部
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルヘキスト(株)製6FK203E)の基材シートの非易接着面に、実施例1と同様にして耐熱滑性層を形成した。次に、耐熱滑性層を形成した面と反対の易接着面に、グラビアコート法により下記組成の離型層形成用塗工液を塗布(塗布量0.5g/m2(乾燥時))し、乾燥(110℃、60秒間)した後、この離型層上に下記組成の保護層形成用塗工液2を、図1に示すように、実施例1と同様に、塗布(塗布量2g/m2(乾燥時))し、乾燥(110℃、60秒間)して、転写性保護層を形成した。
[離型層形成用塗工液]
アイオノマー樹脂(三井化学(株)製) 10部
水/エタノール=2/3(質量比) 100部
[保護層形成用塗工液2]
ポリビニルブチラール樹脂 15部
(積水化学工業(株)製 エスレックBX−1)
メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比) 85部
また、受容層については、上記の離型層上に、実施例1で使用した受容層用塗工液により、乾燥時3.0g/m2になる割合で塗布し、ドライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブン中で30分間乾燥して、受容層を形成した。その受容層の表面に下記の中間層塗工液を乾燥時2g/m2の割合で塗布し乾燥して、白色中間層を形成し、本発明の実施例2の複合熱転写シートを得た。
[中間層用塗工液組成]
アクリル樹脂(BR−106、三菱レイヨン製) 100部
酸化チタン(トーケムプロダクツ製、TCA888) 50部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
また、以下の条件にて、染料層を有する熱転写シートを作製した。
[離型層形成用塗工液]
アイオノマー樹脂(三井化学(株)製) 10部
水/エタノール=2/3(質量比) 100部
[保護層形成用塗工液2]
ポリビニルブチラール樹脂 15部
(積水化学工業(株)製 エスレックBX−1)
メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比) 85部
また、受容層については、上記の離型層上に、実施例1で使用した受容層用塗工液により、乾燥時3.0g/m2になる割合で塗布し、ドライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブン中で30分間乾燥して、受容層を形成した。その受容層の表面に下記の中間層塗工液を乾燥時2g/m2の割合で塗布し乾燥して、白色中間層を形成し、本発明の実施例2の複合熱転写シートを得た。
[中間層用塗工液組成]
アクリル樹脂(BR−106、三菱レイヨン製) 100部
酸化チタン(トーケムプロダクツ製、TCA888) 50部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
また、以下の条件にて、染料層を有する熱転写シートを作製した。
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルヘキスト(株)製6FK203E)の基材シートの非易接着面に、実施例1と同様にして耐熱滑性層を形成した。次に、耐熱滑性層を形成した面と反対の易接着面に、グラビアコート法により下記組成の染料層形成用塗工液により、図2に示すように、夫々幅30cmずつの長さで乾燥塗布量が1.0g/m2になるようにグラビアコーターにより塗布及び乾燥して熱転写シートを得た。但し、この熱転写シートは基材シート上にイエロー、マゼンタ、シアンの3色の染料層を面順次に繰り返し形成したものである。
[染料層形成用塗工液]
分散染料(カヤセットブルー714、日本化薬(株)製) 4.0部
エチルヒドロキシセルロース(ハーキュレス社製) 5.0部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 80.0部
ジオキサン 10.0部
上記の塗工液でシアン染料層を形成し、同様にしてイエローの染料層を上記塗工液でシアン染料の代わりにイエロー分散染料(Macrolex Yellow 6G、バイエル社製、C.IDisperse Yellow 201)にして形成し、そしてマゼンタの染料層を上記塗工液でシアン染料の代わりにマゼンタ分散染料(C.I.Disperse Red60)を使用して形成した。
[染料層形成用塗工液]
分散染料(カヤセットブルー714、日本化薬(株)製) 4.0部
エチルヒドロキシセルロース(ハーキュレス社製) 5.0部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 80.0部
ジオキサン 10.0部
上記の塗工液でシアン染料層を形成し、同様にしてイエローの染料層を上記塗工液でシアン染料の代わりにイエロー分散染料(Macrolex Yellow 6G、バイエル社製、C.IDisperse Yellow 201)にして形成し、そしてマゼンタの染料層を上記塗工液でシアン染料の代わりにマゼンタ分散染料(C.I.Disperse Red60)を使用して形成した。
上記のように作製した実施例1、実施例2の複合熱転写シートと、上記の染料層を有する熱転写シートを用意し、図3に示すような熱転写記録装置に組み込んだ。上記複合熱転写シートの転写性染料受容層と、被転写体であるコート紙とを接するように重ね合わせて、ラインヒーターヘッドにより、被転写体に染料受容層を熱転写し、次に被転写体上の転写された染料受容層上に、前記の染料層を有する熱転写シートからサーマルヘッドにより、染料を転写して、画像を形成し、その後、被転写体の染料の熱転写された画像上に、前記複合熱転写シートの転写性保護層をラインヒーターヘッドにより熱転写して、保護層を形成した。
受容層、染料層及び保護層を、同一基材フィルム上に含む複合熱転写シートを製造する従来の場合では、各層を形成する際に、多数の印刷回数(塗工回数)が必要となり、製造コストが高くなるという問題があるのに対し、実施例1及び実施例2で作製した複合熱転写シートは、両者とも製造コストが高くなることがなかった。さらに、上記の得られた保護層付きの染料熱転写の画像を有する印画物は、転写された受容層、保護層の各表面が荒れて、耐久性が低下することなく、また表面光沢性も高く、熱転写記録における実用上の問題は生じなかった。
1 基材シート
2 転写性染料受容層
3 転写性保護層
4 染料層
5 複合熱転写シート
6 熱転写シート
7 熱転写記録装置
8 被転写体
9 ラインヒーターヘッド
10 サーマルヘッド
11 プラテンローラ
12 プラテンローラ
13 供給ロール
14 巻上ロール
15 供給ロール
16 巻上ロール
17 ガイド板
18 受容層、保護層転写部
19 染料画像形成部
2 転写性染料受容層
3 転写性保護層
4 染料層
5 複合熱転写シート
6 熱転写シート
7 熱転写記録装置
8 被転写体
9 ラインヒーターヘッド
10 サーマルヘッド
11 プラテンローラ
12 プラテンローラ
13 供給ロール
14 巻上ロール
15 供給ロール
16 巻上ロール
17 ガイド板
18 受容層、保護層転写部
19 染料画像形成部
Claims (2)
- 基材シートの一方の面に剥離可能な転写性染料受容層と転写性保護層とを面順次に繰り返し設けた複合熱転写シートと、基材シートの一方の面に、1色又は複数色の染料層を複数色の場合は面順次に繰り返し設けた熱転写シートを用意し、前記複合熱転写シートの転写性染料受容層と被転写体とを接するように重ね合わせて、ラインヒーターヘッドにより、被転写体に染料受容層を熱転写し、次に被転写体上の転写された染料受容層上に、前記の染料層を有する熱転写シートからサーマルヘッドにより、染料を転写して、画像を形成し、その後、被転写体の染料の熱転写された画像上に、前記複合熱転写シートの転写性保護層をラインヒーターヘッドにより熱転写して、保護層を形成することを特徴とする熱転写記録方法。
- 同一基材シートの一方の面に剥離可能な転写性染料受容層と転写性保護層とを面順次に繰り返し設けたことを特徴とする複合熱転写シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003308271A JP2005074821A (ja) | 2003-09-01 | 2003-09-01 | 熱転写記録方法及び複合熱転写シート |
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-
2003
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