JPH07329432A - 受容層転写シート - Google Patents

受容層転写シート

Info

Publication number
JPH07329432A
JPH07329432A JP6148475A JP14847594A JPH07329432A JP H07329432 A JPH07329432 A JP H07329432A JP 6148475 A JP6148475 A JP 6148475A JP 14847594 A JP14847594 A JP 14847594A JP H07329432 A JPH07329432 A JP H07329432A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
receiving layer
transition point
glass transition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6148475A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3336480B2 (ja
Inventor
Takashi Ueno
剛史 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP14847594A priority Critical patent/JP3336480B2/ja
Publication of JPH07329432A publication Critical patent/JPH07329432A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3336480B2 publication Critical patent/JP3336480B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温環境下での連続印字においてもジャミン
グ等の異常転写がなく、希望領域のみに受容層を転写す
ることを目的とする。 【構成】 基材の一方の側に、離型層を形成し、離型層
上に、剥離可能に受容層を形成してなる受容層転写シー
トにおいて、該離型剤層が、ガラス転移点が120℃以
上160℃以下の樹脂と、ガラス転移点が50℃以上1
20℃未満の樹脂とを含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は受容層転写シートに関
し、更に詳しくは熱転写方式によって高品質のカラー画
像を形成することが出来る受容層転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写記録方法が知られて
いるが、それらの中でも、昇華性の染料を含有する染料
層をポリエステルフィルム等の支持体上に形成した熱転
写シートを、サーマルヘッドやレーザー等の加熱媒体に
よって加熱することにより、被記録物上に染料画像を形
成する昇華転写記録方式は、種々の分野における情報記
録手段として利用されている。この方式によれば、極め
て短時間の加熱で3色又は4色の多数の色ドットを被記
録物上に転移させ、原稿のフルカラー画像を表現するこ
とができ、また得られた画像は、非常に鮮明でかつ透明
性に優れているため、中間色の再現性や階調性に優れ、
フルカラー写真画像に匹敵する高品質の画像を形成する
ことができる。
【0003】しかし、昇華転写記録方式で画像を形成す
ることができる被記録物は、染料染着性のあるプラスチ
ックシート或いは染料染着性のある染料受容層を被記録
物上に予め設けたものに限定され、一般の紙はもちろん
金属板やガラス上には直接画像が形成できないという問
題点があった。この様な問題点を解決するために、被記
録物上に染料受容層を形成する受容層転写シートが使用
されている。これは、基材上に染料受容層を剥離可能に
設けたものであって、フィルムの裏側からサーマルヘッ
ド等により任意の領域を加熱することによって、必要な
面積のみに受容層を被記録物上に転写するものである。
受容層が形成された被記録物には、昇華転写方式で画像
を形成することができるようになる。
【0004】この受容層転写シートにおいては、非加熱
部分の受容層は受容層転写シート側に残っていて、フィ
ルムの裏側からサーマルヘッドにより加熱した部分の受
容層のみが被記録物上に転写されるように、基材上に受
容層を形成しなければならない。そこで、受容層が基材
から剥離しやすいように、特開平4−135793のよ
うに基材と受容層との間に離型性の樹脂層を設けた受容
層転写シートや、特願平4−165553のように、離
型層中にさらに離型剤を含有させた受容層転写シート等
が提案されている。しかし、離型層の離型性が高すぎる
ものは、非加熱部分の受容層まで被記録物上に転写され
てしまうという尾びれの問題が発生する。しかし、剥離
性を低くし過ぎると、受容層と離型層が剥離せずに、印
字の際に剥離不良によるジャミングを起こしてしまうた
め、離型層の剥離性および密着性のバランスの制御が重
大な問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、離型層の樹脂
として、ガラス転移点が120℃以上160℃以下のも
のを使用したところ、非加熱部分においては離型層と受
容層が適度に密着するため、受容層が離型層から剥離す
ることがなかった。また、加熱した際にも、ガラス転移
点が120℃以上160℃以下の樹脂は、密着性が大幅
に増加することがないため、受容層は離型層から簡単に
剥離できた。このガラス転移点が120℃以上160℃
以下の樹脂は結晶性が高いため、汎用溶剤に対する溶解
性に乏しく、塗工時の溶剤としてトルエンやメチルエチ
ルケトンのような溶剤を使用することはできない。そこ
で、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサンのような沸
点の高い溶剤を使用したところ、樹脂は溶解したが、通
常の乾燥条件では離型層中に溶剤が多量に残ってしま
い、その上に形成した受容層は、保存中に剥離しにくい
状態になってしまうことがわかった。
【0006】従って、本発明においては、上記従来技術
の問題点を解決し、高温環境下での連続印字においても
ジャミング等の異常転写がなく、希望領域のみの受容層
を転写することができる受容層転写シートを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては、基材
の一方の側に、離型層を形成し、離型層上に、剥離可能
に受容層を形成してなる受容層転写シートにおいて、該
離型剤層が、ガラス転移点が120℃以上160℃以下
の樹脂と、ガラス転移点が50℃以上120℃未満の樹
脂とを含有することにより、上記の問題点を解決する。
【0008】
【作用】ガラス転移点が120℃以上160℃以下の樹
脂が、常温においては受容層を保持した状態で保ち、加
熱時においても密着性が大幅に増加することがない為、
受容層転写領域の制御が容易である。また、ガラス転移
点が50℃以上120℃未満の樹脂を添加することによ
り、インキ中の低沸点溶剤の比率を高めることができ、
離型層中の溶剤の乾燥が容易になる。
【0009】以下に本発明の熱転写受像シートについて
詳述する。 (基材)基材は受容層を保持するという役割を有すると
ともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された
状態でも取扱い上支障のない程度の機械的強度を有する
ことが望ましい。このような基材の材料は特に限定され
ず、従来の熱転写シートに使用されている基材と同じも
のをそのまま使用することができる。例えば、コンデン
サーペーパー、グラシン紙、パラフィン紙等の薄葉紙、
あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボ
ネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アク
リル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテ
ルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロ
アルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テ
トラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチ
レン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフル
オロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィル
ムが挙げられ、また、これらの合成樹脂と前記の紙を積
層したものでもよい。
【0010】これらの基材の厚さは、その強度および耐
熱性等が適切になるように、材料に応じて適宜変更する
ことができるが、3〜100μm程度が好ましい。 ま
た、上記基材とその上に設ける層との密着性が乏しい場
合には、その表面にプライマー処理やコロナ放電処理を
施すのが好ましく、特に背面側には、サーマルヘッドの
融着防止、走行性の改良のために、離型性耐熱滑性層を
形成しておくことが好ましい。離型性耐熱滑性層は、硬
化性シリコーンオイル、硬化性シリコーンワックス、シ
リコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の剥離剤か
ら形成することができる。
【0011】(離型層)本願における離型層は、ガラス
転移点が120℃以上160℃以下の樹脂と、ガラス転
移点が50℃以上120℃未満の樹脂とからなるもので
ある。ガラス転移点が120℃以上160℃以下の樹脂
としては、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルサルホン、
ユーデルポリサルフォン等のポリサルホン系樹脂等が挙
げられる。一方、ガラス転移点が50℃以上120℃未
満の樹脂としては、ポリビニルアセタール、ポリビニル
ブチラール、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリカー
ボネイト等が挙げられる。
【0012】上述のガラス転移点が50℃以上120℃
未満の樹脂は、離型層の性能に影響を及ぼさない程度に
添加する必要があり、ガラス転移点が120℃以上16
0℃以下の樹脂100重量部に対して、ガラス転移点が
50℃以上120℃未満の樹脂は、10〜100重量部
の範囲内であれば良い。ガラス転移点が50℃以上12
0℃未満の樹脂が10重量部以下であると、離型層中の
溶剤が乾燥しにくい為、通常の乾燥工程を経ても、残留
溶剤の多い離型層となってしまう。その上に受容層を形
成すると、離型層の残留溶剤が受容層に悪影響を及ぼ
し、離型層と受容層間の剥離性が低下して、転写させた
い部分の受容層であっても、転写せずに受容層転写シー
ト側に残ってしまうことがある。また、ガラス転移点が
50℃以上120℃未満の樹脂が100重量部以上であ
ると、加熱時における離型層と受容層間の剥離性が低下
し、転写性の制御が困難になってしまう。
【0013】離型層の形成は、上述の樹脂を溶剤に溶解
させたものを基材上に塗工して行うが、ガラス転移点が
120℃以上160℃以下の樹脂は結晶性が高いため、
トルエン、メチルエチルケトンのような通常の溶剤のみ
を使用しても、樹脂が溶解しない。そこで溶剤としてジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルフォキサイド(DM
SO)、シクロヘキサノンのように、ガラス転移点が1
20℃以上160℃以下の樹脂を溶解しうる溶剤を使用
する。これらの溶剤は、沸点が130〜150℃と非常
に高く、通常のグラビアコーター等での乾燥能力では、
十分に乾燥させることができない場合がある。上記溶剤
の他に、トルエン、メチルエチルケトンのような通常の
溶剤を、樹脂が溶解する範囲内で混合して使用すること
もできる。このときの混合割合は、ガラス転移点が12
0℃以上160℃以下の樹脂を溶解しうる溶剤100重
量部に対して、その他の溶剤は10〜200重量部であ
る。
【0014】(受像層)上記離型層上に設ける受容層
は、任意の被記録物上に転写された後、熱転写シートか
ら移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維
持するためのものである。受容層を形成するための樹脂
としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポ
リ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリア
クリルエステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、等のポリエ
ステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノ
マーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジ
アセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂等を挙げることができ、特に好ましいもの
は、ビニル系樹脂、およびポリエステル系樹脂である。
【0015】上記受容層中には、離型剤を混合して使用
することが好ましい。離型剤としては、シリコーンオイ
ル、リン酸エステル系界面滑性剤、フッ素系界面滑性剤
等が挙げられるが、エポキシ変性、アミノ変性、アルキ
ル変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変
性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・
ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコー
ンオイルが好ましい。上記離型剤のうち、1種または2
種以上の離型剤を使用するが、その添加量は、受容層形
成樹脂100重量部に対し、0.5〜30重量部が好ま
しい。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写シ
ートと受容層との融着もしくは印字感度の低下等の問題
が生じる場合がある。この様な離型剤を添加することに
よって、転写後の受容層の表面に離型剤がブリードアウ
トして、受容層表面上に、離型性が付与される。
【0016】受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮
明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオ
リンクレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や
充填剤を受容層中に添加することができる。
【0017】上記の受容層は、樹脂に必要な添加剤を加
えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり、或いは有機
溶剤や水に分散した分散液を、例えばグラビア印刷法、
スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロール
コーティング法等の形成手段により塗布・乾燥して形成
される。以上の如く形成される受容層は任意の厚さでよ
いが、一般的には1〜50μmの厚さである。また、受
容層は連続被覆層であるのが好ましいが、樹脂エマルジ
ョンや樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成
してもよい。
【0018】(接着層)受容層の表面には、受容層の転
写性を向上させる為の接着層を設けるのが好ましい。こ
れらの接着層は、例えば公知の感圧接着剤、感熱接着
剤、または粘着剤が使用される。特に常温または常圧で
は接着性がなく、加熱または加圧した時にのみ接着力を
発揮する感熱または感圧接着剤が好ましく、この場合に
は得られる受容層転写シートをロール状に巻いた場合に
も基材と接着層とのブロッキングが発生しにくい。上記
感熱または感圧接着剤は、例えばポリアミド樹脂、アク
リル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合体樹脂、ポリエルテル樹脂等の如き比較的低融点の
樹脂、またはこれらの樹脂にマイクロカプセル化した粘
着剤を混合したものであって、加熱によって接着性を発
揮するか或いは加圧によってマイクロカプセルが破壊さ
れ優れた粘着性を発揮する。また、粘着剤としては、公
知のゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着剤が使
用される。形成される接着層の厚みは、好ましくは0.
5〜10μm程度である。
【0019】(中間層)更に、本発明では、前記受容層
と接着層との間に、中間層を設けることができる。中間
層を構成する材料としては、例えば、ポリウレタン樹
脂、アクリル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ブタジエンラ
バー、エポキシ樹脂等が挙げられる。中間層の厚さは2
〜10μm程度が好ましく、また形成方法は、上記受容
層と同様でよい。上記の接着剤層及び中間層には白色顔
料、蛍光増白剤、または気泡(発泡剤)を含有させるこ
とができる。これらの白色顔料や蛍光増白剤は、転写後
の受容層の白色度を向上させたり、被記録物の色を隠蔽
して色調のよい画像記録物を得る為に添加するものであ
り、また、気泡(発泡剤)は受容層に良好なクッション
性を付与する機能を有する。これらの添加剤を包含させ
る方法は、各層の形成時に使用する塗工液の中に添加剤
を含有させておけばよい。
【0020】本発明の受容層転写シートにおいては、基
材として長尺基材フィルムを使用し、長尺フィルムの表
面に、下記の染料層を、受容層と面順次に形成すること
もできる。かかる染料層は昇華性の染料を任意のバイン
ダー樹脂で担持させた層である。使用する染料として
は、従来公知の熱転写シートに使用されている染料はい
ずれも本発明に有効に使用可能であり、特に限定されな
い。例えば、マゼンタ用染料としては、MS Red
G、Macrolex Red Violet R、C
eres Red7B、Samaron Red HB
SL、Resolin RedF3BS等が挙げられ、
またイエロー用の染料としては、ホロンブリリアントイ
エロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー
6G等が挙げられ、又、シアン用染料としては、カヤセ
ットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロ
ンブリリアントブルーS−R、MSブルー100等が挙
げられる。
【0021】上記の如き染料を担持する為のバインダー
樹脂としては、従来公知のものがいずれも使用出来、好
ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸
セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステ
ル等が挙げられるが、これらの中では、セルロース系、
アセタール系ブチラール系及びポリエステル系等が耐熱
性、染料の移行性等の点から好ましいものである。更に
染料層中には、その他必要に応じて従来公知の各種の添
加剤も包含し得る。
【0022】この様な染料層は、好ましくは適当な溶剤
中に前記の昇華性染料、バインダー樹脂およびその他の
任意成分を加えて各成分を溶解または分散させて染料層
形成用塗料またはインキを調整し、これを上記の基材フ
ィルム上に面順次に塗布および乾燥させて形成する。こ
の様にして形成する染料層は0.2〜5.0μm、好ま
しくは0.4〜2.0μm程度の厚さであり、又、染料
層中の昇華性染料は、染料層の重量の5〜90重量%、
好ましくは10〜70重量%の量で存在するのが好適で
ある。
【0023】また、本発明の受容層転写シートにおいて
は、受容層と面順次に、保護層を形成することもでき
る。この保護層とは、ポリエステル、ポリスチレン、ア
クリル樹脂、ポリウレタン、アクリルウレタン、および
これらの樹脂のシリコーン変性樹脂等の単独または混合
物からなるもので、受容層を被記録物に転写し、該受容
層に染料による画像を形成した後、その上に更に転写し
て、染料画像の耐光性や耐指紋性等の保存性を高める。
この保護層は、受容層転写シートの基材上に、離型層を
形成し、更にその上に剥離可能に形成されるが、この離
型層の材料として、本発明の、ガラス転移点が120℃
以上160℃以下の樹脂と、ガラス転移点が50℃以上
120℃未満の樹脂とを含有する離型層を使用すること
ができる。本発明の離型層上に形成した保護層は、受容
層転写時と同様、希望領域のみに確実に転写される。
【0024】染料受容層を含む転写性樹脂層と染料層、
保護層との関係は特に限定されないが、例えば、1単位
が受容層を含む転写性樹脂層→Y→M→C→Bk→保護
層の順序が一般的であるが、これに限定されない。又、
夫々の色相の染料層は同一面積に設けられるのが普通で
あるが、受容層を含む転写性樹脂層や保護層は、被記録
物の種類や画像に要求させる耐久性によっては2回以上
転写する場合があり、その為、より大面積に形成するこ
ともできる。
【0025】上記のような受容層を転写する被転写物と
しては、特に限定されず、例えば、普通紙、上質紙、ト
レーシングペーパー、プラスチックフィルム、金属、ガ
ラス等いずれの物質でもよく、また形状的には、カー
ド、葉書、パスポート、便箋、レポート用紙、ノート、
カタログ等いずれのものでもよく、特に表面の粗い普通
紙、ラフ紙にも適用可能である。
【0026】受容層や保護層の転写のための熱エネルギ
ーの付与手段は、サーマルヘッド、ホットスタンパー、
熱ロール等の従来公知の加熱加圧手段がいずれも使用で
き、例えば、サーマルプリンター(例えば日立製作所
製、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によ
って、記録時間をコントロールすることにより、5〜1
00mJ/mm2 程度の熱エネルギーを付与することに
よって所期の目的を十分に達成することができる。
【0027】
【実施例】以下に、本発明を使用した例を詳述する。 (実施例1)厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム(ダイヤホイル製、ルミラー)の透明基材シー
トに、下記の組成物からなる離型層用塗工液を塗工後、
乾燥を行い離型層を形成した。その後、受容層、接着層
を、ロールコート法により塗工し、110℃で2分間乾
燥させた。離型層用塗工液 ポリウレタンワニス(大日本インキ(株)製、クリスボン9004) ガラス転移点130℃ 100重量部 ポリビニルアセタール(積水化学工業(株)製、エスレックKS−5) ガラス転移点110℃ 100重量部 メチルエチルケトン/DMF=1/1 400重量部受容層用塗工液 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイド社製、VYHD) 100重量部 アミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、KS−343) 3重量部 エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、KF−393)3重量部 メチルエチルケトン/トルエン=1/1 400重量部接着層用塗工液 エチレン−ビニルアセテート樹脂系ヒートシール剤(東洋モートン(株)製、 AD−37P295) 100重量部 純水 300重量部
【0028】(実施例2)離型層を以下の組成にした他
は、実施例1と同様にして実施例2とした。離型層用塗工液 ポリエーテルサルホン(ICI社製、5003P) ガラス転移点125℃ 100重量部 ポリカーボネイト(三菱瓦斯化学(株)製、ユーピロンS−3000R) ガラス転移点 55℃ 500重量部 メチルエチルケトン/塩化メチレン=1/1 400重量部
【0029】(実施例3)離型層を以下の組成にした他
は、実施例1と同様にして実施例3とした。離型層用塗工液 ポリウレタンワニス ガラス転移点135℃ 100重量部 (大日本インキ化学工業(株)製、クリスボン8566(LV)) アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、BR−88) ガラス転移点105℃ 50重量部 DMF 400重量部
【0030】(比較例1)実施例1において、下記の離
型層用塗工液を使用した。離型層用塗工液 ポリビニルアセタール(積水化学工業(株)製、エスレックKS−1) ガラス転移点105℃ 100重量部 メチルエチルケトン/トルエン=1/1 300重量部
【0031】(比較例2)実施例1において、下記の離
型層用塗工液を使用した。離型層用塗工液 ポリアミド樹脂(マクロメルト6902、ヘンケル白水(株)) ガラス転移点 40℃ 50重量部 メチルエチルケトン/トルエン=1/1 400重量部
【0032】(比較例3)離型層用塗工液 ポリウレタンワニス ガラス転移点135℃ 100重量部 (大日本インキ化学工業(株)製、クリスボン8566(LV)) DMF 100重量部
【0033】上記の本発明および比較例の受容層転写シ
ートを、被転写体である官製ハガキに重ね合わせ、三菱
電機社製のプリンター、CP−11を用いて、受容層転
写シートの裏面からサーマルヘッドにて加熱をおこな
い、被転写体上に、接着層を介して受容層を転写した。
そのときの、熱融着および尾ビレについての評価結果を
表1に示す。評価基準は以下の通りである。 熱融着 ○・・・熱融着なし △・・・剥離不良の為、スティッキングが発生 ×・・・熱融着の為、フィルムが剥離しない 尾ビレ ○・・・1mm以内の尾ビレが発生 △・・・1mm〜3mmの尾ビレが発生 ×・・・3mm以上の尾ビレが発生
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、通常の状態において
は、受容層と離型層は適度な密着性を有する為に、密着
性の不足による受容層の尾ビレの発生がない。また、受
容層転写シートから受容層を転写する際には、受容層と
離型層とが密着しすぎることがないため、剥離性の不足
によるジャミングの発生を防止でき、希望領域のみに、
受容層を転写することができる。また、離型層の残留溶
剤量が少ないため、常に安定した受容層の転写性が得ら
れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の側に、離型層を形成し、離
    型層上に、剥離可能に受容層を形成してなる受容層転写
    シートにおいて、該離型剤層が、ガラス転移点が120
    ℃以上160℃以下の樹脂と、ガラス転移点が50℃以
    上120℃未満の樹脂とを含有することを特徴とする受
    容層転写シート。
  2. 【請求項2】 ガラス転移点が120℃以上160℃以
    下の樹脂100重量部に対して、ガラス転移点が50℃
    以上120℃未満の樹脂を10〜100重量部含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の受容層転写シート。
  3. 【請求項3】 ガラス転移点が120℃以上160℃以
    下の樹脂として、ウレタン樹脂を使用することを特徴と
    する請求項1記載の受容層転写シート。
  4. 【請求項4】 該基材として長尺フィルムを使用し、該
    長尺フィルムの、該受容層が形成された側に、昇華性染
    料を含有する染料層および/または保護層が、該受容層
    と面順次に形成されてなることを特徴とする請求項1記
    載の受容層転写シート。
JP14847594A 1994-06-07 1994-06-07 染料受容層転写シート Expired - Fee Related JP3336480B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14847594A JP3336480B2 (ja) 1994-06-07 1994-06-07 染料受容層転写シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14847594A JP3336480B2 (ja) 1994-06-07 1994-06-07 染料受容層転写シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07329432A true JPH07329432A (ja) 1995-12-19
JP3336480B2 JP3336480B2 (ja) 2002-10-21

Family

ID=15453588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14847594A Expired - Fee Related JP3336480B2 (ja) 1994-06-07 1994-06-07 染料受容層転写シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3336480B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014046573A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写媒体および印刷物
WO2016043236A1 (ja) * 2014-09-16 2016-03-24 大日本印刷株式会社 転写シート
JP2016064651A (ja) * 2014-09-16 2016-04-28 大日本印刷株式会社 熱転写シート
JP2016068561A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 大日本印刷株式会社 転写シート
JP2017056587A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 大日本印刷株式会社 転写シート
JP2020114668A (ja) * 2020-02-14 2020-07-30 大日本印刷株式会社 転写シート
JP2020163760A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 大日本印刷株式会社 加飾シート及びこれを利用した樹脂成形品の製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014046573A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写媒体および印刷物
WO2016043236A1 (ja) * 2014-09-16 2016-03-24 大日本印刷株式会社 転写シート
JP2016064651A (ja) * 2014-09-16 2016-04-28 大日本印刷株式会社 熱転写シート
US9994056B2 (en) 2014-09-16 2018-06-12 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Transfer sheet
JP2016068561A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 大日本印刷株式会社 転写シート
JP2017056587A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 大日本印刷株式会社 転写シート
JP2020163760A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 大日本印刷株式会社 加飾シート及びこれを利用した樹脂成形品の製造方法
JP2020114668A (ja) * 2020-02-14 2020-07-30 大日本印刷株式会社 転写シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP3336480B2 (ja) 2002-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08276700A (ja) 接着層転写シート
JP3336480B2 (ja) 染料受容層転写シート
JPH08276699A (ja) 接着層転写シートおよびこの接着層転写シートを用いた画像形成方法と画像形成物
JPH11180052A (ja) 受容層転写シートおよび画像形成方法
JPH0999658A (ja) 一体型熱転写シートおよび熱転写用受像紙
JP2686657B2 (ja) 熱転写カバーフイルム
JP2999515B2 (ja) 熱転写カバーフイルム
JP3236670B2 (ja) 染料受容層転写シート及び複合熱転写シート
JP3579984B2 (ja) 感熱転写記録媒体
JPH08276696A (ja) 接着層転写シートおよびこの接着層転写シートを用いた画像形成方法と画像形成物
JP3317992B2 (ja) 昇華型複合熱転写シート
JP2975416B2 (ja) 熱転写画像形成方法
JP2841198B2 (ja) 透過型原稿作成用被熱転写シート
JP2002187370A (ja) 中間転写記録媒体
JPH05330252A (ja) 熱転写受像シート及びその製造方法
JPH0655861A (ja) 受容層転写シート及び受容層転写方法
JPH07237359A (ja) 受容層転写シート
JP2810994B2 (ja) 透過型原稿作成用被熱転写シート
JP2571752B2 (ja) 熱転写シート
JP3217855B2 (ja) 染料受容層転写シート及び複合熱転写シート
EP1306227B1 (en) Dye-receptive layer transfer sheet
JP3123001B2 (ja) 複合熱転写シートの製造方法及び画像形成方法
JPH0999648A (ja) 感熱転写記録媒体
JPH04221693A (ja) 複合熱転写シート
JPH07205560A (ja) 受容層転写シート

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020625

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080809

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090809

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090809

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100809

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110809

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees