JP2005071655A - 非水電解液二次電池用負極材料及びその製造方法並びにこれを用いた非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用負極材料及びその製造方法並びにこれを用いた非水電解液二次電池 Download PDF

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守斌 張
Yusuke Watarai
祐介 渡会
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Abstract

【課題】リチウムイオンの吸蔵及び脱離時における体積変化を低減できる。充放電サイクル特性及び大電流充放電特性を向上できる。
【解決手段】本発明の非水電解液二次電池用負極材料は、シリコンを主成分とし、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な無機質粒子11の全面又は一部を金属層12によって被覆した複合粒子10を含む負極材料の改良であり、その特徴ある構成は、無機質粒子11と金属層12の界面に無機質粒子に含まれるシリコンと金属層に含まれる金属とからなる金属間化合物又は固溶体のいずれか一方又はその双方を含有する中間層13が形成されたところにある。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイクル特性及び高率充放電特性を向上させ、電池のエネルギー密度を高めることができる非水電解液二次電池用負極材料及びその製造方法並びにこれを用いた非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やノート型パソコン等のポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化等に伴い、小型軽量でかつ高容量の二次電池が必要とされるようになってきた。現在、この要求に応える高容量二次電池として、正極材料にLiCoO等の含リチウム複合酸化物を用い、負極活物質に炭素系材料を用いたリチウムイオン電池が商品化されている。この炭素系材料を負極に使用した場合、その理論容量は372mAh/gと金属リチウムの約1/10の容量しかなく、また理論密度が2.2g/ccと低く、実際に負極シートとした場合には、更に密度が低下する。そのため、体積当たりでより高容量な材料を負極として利用することが電池の高容量化の面から望まれている。
一方、Al、Ge、Si、Sn、Zn、Pb等の金属又は半金属は、リチウムと合金化することが知られており、これらの金属又は半金属を負極活物質に用いた二次電池が検討されている。これらの材料は、高容量かつ高エネルギー密度であり、炭素系材料を用いた負極よりも多くのリチウムイオンを吸蔵、脱離できるため、これらの材料を使用することで高容量、高エネルギー密度な電池を作製することができると考えられている。例えば、純粋なSiは4017mAh/gの高い理論容量を示すことが知られている。
【0003】
しかし、炭素系材料に比べてサイクル特性に劣るため未だ実用化には至っていない。その理由としては、負極材料としてシリコンやスズ等の無機質の粒子をそのままリチウム吸蔵、脱離物質として用いた場合には、次のような課題を有しているためである。負極活物質中に含まれる無機質粒子は充電によりリチウムを吸蔵すると、その体積は大きく膨張する(図2(a),(b))。このときの体積変化はおよそ300%〜400%である。そして放電によりリチウムを脱離すると無機質粒子1は収縮する。このサイクルを繰返すと、負極活物質2が無機質粒子の大きな体積変化に対応できなくなって、図2(c)に示すように、無機質粒子1と負極活物質2との間に空孔3を生じさせてしまい、導電性が悪くなったり、負極集電体4から負極活物質2が剥離してサイクル特性が低下する等の問題を生じる。なお、図中の短破線で示される符号6は無機質粒子が体積膨張したときの大きさを示す。
このような上記問題点を解決する技術として、シリコンやスズ等の無機質の粒子に他の物質を添加させることで、体積変化の少ない負極材料が研究、開発されている。
【0004】
リチウムを吸蔵・放出する活物質を含む電極であって、活物質として非結晶シリコン又は微結晶シリコンを集電体上に薄膜として形成したことを特徴とするリチウム電池用電極が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に示される負極を用いることで、充放電容量が高く、十分なサイクル特性が得られる。
また、集電体上に活物質薄膜を堆積して形成した電極であって、活物質薄膜がシリコンを主成分とし、銅を固溶させた薄膜であることを特徴とするリチウム二次電池用電極が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に示された電極では、銅をシリコンに固溶させることで充放電容量を制限し、充放電時シリコンの体積変化を抑えている。
しかし、特許文献1及び特許文献2において、薄膜状の負極を製造する方法は複雑であり、製造コストがかかるため量産化が難しい問題がある。
【0005】
また、リチウム合金を形成可能な金属又は半金属の粒子核と、粒子核の表面を被覆する炭素層とからなるリチウム二次電池用負極材料が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。この特許文献3に示される負極材料では、炭素層により粒子核を被覆することで、この炭素層が合金を形成する金属又は半金属に対して膨張を抑制する拘束力を与えるため、リチウム合金の形成時において膨張を抑制するので、電極の粉化、破壊を防ぐことができる。そのため放電容量が高く、安全性及びサイクル特性に優れる。この負極材料は、平均粒径8μmのシリコン粉末に外熱式CVD法により50wt%以下の炭素を被覆するもので、リチウムイオン吸蔵の終止電圧を50〜80mV(対照極:金属リチウム)に規制することにより、750〜1500mAh/gの容量で100サイクル程度の充放電でもサイクル劣化を抑制することが可能となっている。
しかし、負極材料は負極を作製するために、これを銅箔などの集電体上に塗布した場合、単位体積当たりの充填量を高くすることができない。そのため、負極材料は単位重量当たりの容量は高いが、それを用いて作製される負極板としての容量は必ずしも向上しないという問題点がある。
【0006】
更に、固相Aからなる核粒子の周囲の全面又は一部を、固相Bによって被覆し、固相Aは構成元素としてケイ素を少なくとも含み、固相Bは周期表の2族元素、遷移元素、12族、13族元素、ならびに炭素とケイ素を除く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素と、ケイ素との固溶体、又は金属間化合物である負極材料であって、負極材料の表面の一部、もしくは全面に導電性材料を被覆して用いた非水電解質二次電池用負極が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。この特許文献4に示される負極では、固相Aに固相Bを被覆させて充放電時活物質の膨張を抑え、更に膨張収縮による導電助剤、集電体との活物質の接触不良を防止するため、固相A及び固相Bからなる負極材料の表面に導電性材料で被覆している。このような構造を有することにより高容量材料であるケイ素を含む粒子の電子導電性を改善でき、高容量でかつ充放電サイクル特性を向上することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−83594号公報
【特許文献2】
特開2002−289177号公報
【特許文献3】
特開2000−215887号公報
【特許文献4】
特開2000−285919号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献4に示された負極では、負極材料の表面に導電性材料を圧延し、被覆するというメカノケミカル反応によるものであり、活物質即ち、固相A及び固相Bからなる粒子と導電性物質との接着が非常に不十分であり、導電性物質からなる被覆層が剥がれると、サイクル特性に悪影響を与える問題があった。
本発明の目的は、リチウムイオンの吸蔵及び脱離時における体積変化を低減できる、非水電解液二次電池用負極材料及びその製造方法並びにこれを用いた非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明の別の目的は、充放電サイクル特性及び大電流充放電特性を向上できる、非水電解液二次電池用負極材料及びその製造方法並びにこれを用いた非水電解液二次電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、シリコンを主成分とし、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な無機質粒子11の全面又は一部を金属層12によって被覆した複合粒子10を含む負極材料であって、無機質粒子11と金属層12の界面に無機質粒子に含まれるシリコンと金属層に含まれる金属とからなる金属間化合物又は固溶体のいずれか一方又はその双方を含有する中間層13が形成されたことを特徴とする非水電解液二次電池用負極材料である。
請求項1に係る発明では、無機質粒子11の全面又は一部を金属層12によって被覆した構造とすることで、リチウムイオンの吸蔵及び脱離時における体積変化を低減できる。その結果、充放電サイクル特性及び大電流充放電特性を向上できる。更に中間層13を形成することで、この中間層13は無機質粒子11と金属層12の結合を向上することができ、また中間層13は充放電時の体積変形が少ないため、充放電時の体積変化を更に低減でき、活物質の集電体からの剥離も防止できる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、無機質粒子11表面に被覆した金属層12が銅又はニッケルを主成分とする負極材料である。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、中間層13の重量割合が、被覆層を除く無機質粒子の0.5〜50重量%である負極材料である。
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明であって、複合粒子10の平均粒径が0.1〜100μmである負極材料である。
【0011】
請求項5に係る発明は、図1に示すように、シリコンを主成分とし、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な無機質粒子11の全面又は一部を金属層12によって被覆する工程と、被覆した無機質粒子を真空又は非酸化性ガス雰囲気下で熱処理を施して、無機質粒子11と金属層12の界面に無機質粒子に含まれるシリコンと金属層に含まれる金属とからなる金属間化合物又は固溶体のいずれか一方又はその双方を含有する中間層13を形成する工程とを含むことを特徴とする非水電解液二次電池用負極材料の製造方法である。
請求項5に係る発明では、上記工程を経ることで、金属層11と無機質粒子12の界面に、充放電時の体積変形が少ない中間層13を形成した複合粒子を製造することができる。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明であって、熱処理条件が500℃〜1100℃、0.5〜3時間である製造方法である。
請求項7に係る発明は、請求項5に係る発明であって、非酸化性ガスが90%〜99.5%アルゴン及び10%〜0.5%水素を含む混合ガスである製造方法である。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし4いずれか1項に記載の負極材料、請求項5ないし7いずれか1項に記載の製造方法により得られる負極材料を用いた非水電解液二次電池である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の非水電解液二次電池用負極材料は、シリコンを主成分とし、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な無機質粒子11の全面又は一部を金属層12によって被覆した複合粒子10を含む負極材料の改良である。その特徴ある構成は、無機質粒子11と金属層12の界面に無機質粒子に含まれるシリコンと金属層に含まれる金属とからなる金属間化合物又は固溶体のいずれか一方又はその双方を含有する中間層13が形成されたところにある。無機質粒子11と金属層12の界面に中間層13を形成することで、この中間層13は無機質粒子と金属層の結合を向上することができ、また中間層13は充放電時の体積変形が少ないため、充放電時の体積変化を更に低減でき、活物質の集電体からの剥離も防止できる。この無機質粒子11表面に被覆した金属層12は銅又はニッケルを主成分とする。本発明の負極材料を構成する複合粒子10の平均粒径は0.1〜100μmである。0.1μm未満であると、凝集し易くなるため取扱い難く、100μmを越えると、充放電時に無機質粒子の体積変化が著しく、歪みが発生し粒子が微粉化する不具合を生じる。好ましくは1〜20μmである。
【0014】
中間層13の重量割合は、被覆層を除く無機質粒子の0.5〜50重量%である。0.5重量%未満では複合粒子10に中間層13を形成した効果が得られず、50重量%を越えると、無機質粒子11によるリチウムイオンの吸蔵・脱離能力が低下する。好ましい中間層13の重量割合は被覆層を除く無機質粒子の0.7〜10重量%である。
【0015】
次の本発明の非水電解液二次電池用負極材料の製造方法を説明する。
図1に示すように、最初の工程では、シリコンを主成分とし、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な無機質粒子11の全面又は一部を金属層12によって被覆する。ここでの被覆は無電解めっき法により行われる。
【0016】
先ず、例えば無機質粒子11としてシリコン粒子を用いる場合、ポリシリコン塊又は粒子を原料として用意し、このポリシリコンを所定の方法により細かく粉砕する。粉砕物の平均粒径を1〜20μm、好ましくは5〜15μmの範囲内に制御したものを無機質粒子として用いる。次いで、所定の濃度に調整された無電解銅めっき液(例えば、スルカップPSY;上村工業社製)を用意する。所定の大きさの溶液槽に貯留して30℃〜35℃程度の温度に保持した無電解銅めっき液中に、シリコン粒子を入れる。このめっき液を攪拌してシリコン粒子をめっき液中に分散させる。分散液を攪拌し続けるとシリコン粒子表面が銅により被覆される。
次に、銅に被覆されたシリコン粒子をめっき液槽から取出して、この被覆されたシリコン粒子を遠心分離する。遠心分離することで被覆層が均等の厚さに保たれる。被覆層の厚さは0.05〜0.5μm、好ましくは0.08〜0.2μmである。更に、銅により被覆したシリコン粒子を還元して銅を主成分とする被覆層にする。
【0017】
次の工程では、被覆した無機質粒子を真空又は非酸化性ガス雰囲気下で熱処理を施して、無機質粒子11と金属層12の界面に無機質粒子に含まれるシリコンと金属層に含まれる金属とからなる金属間化合物又は固溶体のいずれか一方又はその双方を含有する中間層13を形成する。
【0018】
無機質粒子であるシリコン粒子をそのまま熱処理炉内に入れて熱処理を施す。熱処理は真空又は非酸化性ガス雰囲気下、500℃〜1100℃で0.5〜3時間行われる。この熱処理を施すことで、シリコン粒子と銅を主成分とする金属層との界面では、シリコンは金属層側へ、銅はシリコン粒子側へと図1の矢印に示す方向へそれぞれ拡散する。このシリコンと銅の拡散によって、シリコン粒子と金属層との界面では、シリコンと銅の固溶体や、シリコンと銅の金属間化合物が含まれる中間層が形成される。
【0019】
真空雰囲気は、炉内を1Pa以下に減圧する。1Paを越えると、炉内の雰囲気によりシリコン粒子が酸化されてしまう不具合を生じる。真空雰囲気で熱処理を施す場合、炉内を0.01〜0.5Paに減圧することが好ましい。非酸化性ガス雰囲気下で熱処理を行う場合、非酸化性ガスは90%〜99.5%アルゴン及び10%〜0.5%水素を含む混合ガスを用いるのが好適である。熱処理は500℃〜1100℃で0.5〜3時間行われる。500℃未満、又は0.5時間未満では、十分に中間層を形成することができず、1100℃を越える、又は3時間を越える場合、複合粒子における中間層の重量割合が被覆層を除く無機質粒子の50重量%を越えてしまい、無機質粒子によるリチウムイオンの吸蔵・脱離能力が低下する不具合を生じる。熱処理は600℃〜900℃で0.5〜1時間行うことが好ましい。
【0020】
上記工程を経ることにより、本発明の非水電解液二次電池用負極材料である無機質粒子と金属層の界面に中間層を形成した複合粒子が得られる。
【0021】
なお、本実施の形態では、銅により被覆する方法について説明したが、ニッケルにより被覆する場合、所定の濃度に調整された無電解ニッケルめっき液(例えば、ニムデンNKY;上村工業社製)を用いて無機質粒子を被覆する。
また、本実施の形態では、被覆する方法を無電解めっき法を用いて説明したが、この方法に限らず、メカノケミカル法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法によっても同様の金属被覆層を形成することができる。
【0022】
【実施例】
<実施例1>
無機質粒子としてシリコン粒子を用意し、このシリコン粒子に無電解めっき法を用い、シリコン粒子表面に厚さ0.1〜0.3μmの銅薄膜を形成した。銅薄膜を形成したシリコン粒子を洗浄乾燥し、このシリコン粒子を真空雰囲気下750℃、0.5時間の条件で熱処理を施して複合粒子を得た。
更に、得られた複合粒子にオージェ電子分光分析を施して中間層(金属間化合物、固溶体層)の厚さを測定し、この中間層の重量割合を算出した。表1に得られた複合粒子の粒径、中間層の重量割合をそれぞれ示す。また後述する実施例2〜4及び比較例1〜4で得られた複合粒子についても表1にそれらの結果を示す。
【0023】
<実施例2>
熱処理条件を97%Ar及び3%H雰囲気下で800℃、0.5時間とした以外は実施例1と同様にして複合粒子を得た。
<実施例3>
熱処理条件を97%Ar及び3%H雰囲気下で800℃、1時間とした以外は実施例1と同様にして複合粒子を得た。
<実施例4>
被覆材料を銅に代えてニッケルとした以外は実施例2と同様にして複合粒子を得た。
【0024】
<比較例1>
実施例1と同様のシリコン粒子を用意し、このシリコン粒子に何も処理を施さないものを複合粒子とした。
<比較例2>
実施例1と同様のシリコン粒子を用意し、このシリコン粒子を真空雰囲気下、750℃、0.5時間で熱処理を施したものを複合粒子とした。
<比較例3>
実施例1と同様のシリコン粒子に対して表面処理装置(メカノヒュージョンAMS;ホソカワミクロン株式会社製)を用いて炭素でメカノケミカル的な表面処理を施した。表面処理後のシリコン粒子を97%Ar及び3%H雰囲気下で1000℃、1時間の条件で熱処理を施して複合粒子を得た。なお、表面処理に用いた炭素材料にアセチレンブラックを用いた。
<比較例4>
実施例1と同様のシリコン粒子を用意し、このシリコン粒子に実施例1と同様にして無電解めっきを行い、シリコン粒子表面に厚さ0.1〜0.3μmの銅薄膜を形成したものを複合粒子とした。
【0025】
【表1】
Figure 2005071655
【0026】
<比較試験及び評価>
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた複合粒子をそれぞれ活物質とし、これら活物質にアセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFという。)を加え、更にN−メチルピロリドン(以下、NMPという。)を溶媒として加えて負極スラリーを調製した。この負極スラリーを所定の大きさのメッシュ状に形成された銅箔表面に塗布、乾燥し、負極(作用極)を作製した。
図3に示すように、実施例1〜4及び比較例1〜4でそれぞれ作製した負極41(作用極)を充放電サイクル試験装置51に取付けた。この装置51は、容器52に電解液53(リチウム塩を有機溶媒に溶かしたもの)が貯留され、上記負極41が正極42及び参照極43とともに電解液53に浸され、更に負極41(作用極)、正極42(対極)及び参照極43がポテンシオスタット54(ポテンショメータ)にそれぞれ電気的に接続された構成となっている。リチウム塩には1MのLiPFを、有機溶媒にはエチレンカーボネート及びジエチルカーボネートをそれぞれ含む溶液を用いた。この装置を用いて充放電サイクル試験を行い、各負極(作用極)における活物質のグラム当たり初期放電容量及び200サイクル後の放電容量を測定した。なお、電流密度は0.5mA/cmにて測定を行い、測定電圧範囲を0V〜3.0Vとした。実施例1〜4及び比較例1〜4の電極の測定結果を表2にそれぞれ示す。
【0027】
【表2】
Figure 2005071655
【0028】
表2より明らかなように、比較例1〜4における活物質のグラム当たり初期放電容量は全体的に低い数値に留まっていることが判る。また充放電サイクル試験を行って200サイクル目における放電容量は大幅に低下しており、特に金属層による被覆を行っていない比較例1及び2の結果に関してはその低下が顕著な結果となった。また金属層による被覆は行っているが中間層を形成していない比較例3及び4に関しても低下の割合は大きい。放電容量保持率に関しても比較例1〜4の全ての活物質は実用化するレベルには達していないことが判った。これに対して実施例1〜4における活物質のグラム当たり初期放電容量は全体的に高い放電容量が得られていた。また、200サイクル目における放電容量はそれぞれ高い値を示しており、放電容量保持率は50%〜65%と高保持率を示していることが判った。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の非水電解液二次電池用負極材料は、無機質粒子と金属層の界面に無機質粒子に含まれるシリコンと金属層に含まれる金属とからなる金属間化合物又は固溶体のいずれか一方又はその双方を含有する中間層が形成される。無機質粒子と金属層との界面に中間層を形成することで、この中間層は無機質粒子と金属層の結合を向上することができ、また中間層は充放電時の体積変形が少ないため、充放電時の体積変化を更に低減でき、活物質の集電体からの剥離も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負極材料の製造方法を示す断面構成図。
【図2】従来の無機質粒子のみを負極活物質中に添加したときの無機質粒子の体積膨張を示す断面構成図。
【図3】実施例及び比較例のリチウム二次電池用負極活物質の充放電サイクル試験に用いられる装置。
【符号の説明】
10 複合粒子
11 無機質粒子
12 被覆層
13 中間層

Claims (8)

  1. シリコンを主成分とし、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な無機質粒子(11)の全面又は一部を金属層(12)によって被覆した複合粒子(10)を含む負極材料であって、
    前記無機質粒子(11)と前記金属層(12)の界面に前記無機質粒子に含まれるシリコンと前記金属層に含まれる金属とからなる金属間化合物又は固溶体のいずれか一方又はその双方を含有する中間層(13)が形成されたことを特徴とする非水電解液二次電池用負極材料。
  2. 無機質粒子(11)表面に被覆した金属層(12)が銅又はニッケルを主成分とする請求項1記載の負極材料。
  3. 中間層(13)の重量割合が、被覆層を除く無機質粒子の0.5〜50重量%である請求項1記載の負極材料。
  4. 複合粒子(10)の平均粒径が0.1〜100μmである請求項1記載の負極材料。
  5. シリコンを主成分とし、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な無機質粒子(11)の全面又は一部を金属層(12)によって被覆する工程と、
    前記被覆した無機質粒子を真空又は非酸化性ガス雰囲気下で熱処理を施して、前記無機質粒子(11)と前記金属層(12)の界面に前記無機質粒子に含まれるシリコンと前記金属層に含まれる金属とからなる金属間化合物又は固溶体のいずれか一方又はその双方を含有する中間層(13)を形成する工程と
    を含むことを特徴とする非水電解液二次電池用負極材料の製造方法。
  6. 熱処理条件が500℃〜1100℃、0.5〜3時間である請求項5記載の製造方法。
  7. 非酸化性ガスが90%〜99.5%アルゴン及び10%〜0.5%水素を含む混合ガスである請求項5記載の製造方法。
  8. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の負極材料、請求項5ないし7いずれか1項に記載の製造方法により得られる負極材料を用いた非水電解液二次電池。
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