JP2005070193A - ピッチ変換導波路アレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】 光導波路間の伝搬損失のばらつきが少ないピッチ変換導波路アレイを提供する。
【解決手段】 平面基板上に配置された複数の光導波路の始端のピッチPinと終端のピッチPoutとがPin<Poutの関係をもつピッチ変換導波路アレイであって、前記複数の光導波路のそれぞれが曲げ損失を無視できる曲率で構成され、かつすべての光導波路の導波路長が略同一であることを特徴とするピッチ変換導波路アレイである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基板上に形成される複数の光導波路間のピッチを変換するピッチ変換導波路アレイに関する。
例えば、複数の発光点をもつVCSELアレイや、複数の受光点をもつPDアレイ、コネクタを介して接続されるファイバーアレイらは、必ずしもピッチが同一ではないため、それらを接続するためにはピッチ変換導波路アレイが必要となる。従来のピッチ変換導波路としては、例えば、以下の特許文献1〜3に記載されているような形式が考えられる。このような形式の一例を図5に示す。図5のピッチ変換導波路アレイ100は、平面基板102上に8本の光導波路104が始端のピッチと終端のピッチとが異なるように配置されていて、外側の光導波路104ほど大きな曲率をもち、外側ほど導波路長が長くなっている。従って、この構成では全体として導波路長が不均一である。まったく伝搬損失が無視できる場合はこの形式で問題はない。しかし、例えば、受発光素子と光ファイバーをSCコネクタを介して接続したい場合などは、光導波路1本ずつの間隔を少なくとも20mm程度はとらなければならない。このような場合、外側の導波路と内側の導波路では曲率および長さが相当異なるため、挿入損失の不均一性が無視できない値になる恐れがある。またピッチ変換導波路アレイを安価に作製するためには、マルチモードの高分子導波路にすることが有効であると考えられるが、石英系のシングルモード導波路とは異なり、伝搬損失がやや大きい難点がある。よってマルチモード高分子導波路を用いることによりさらに挿入損失の不均一性が増す恐れもある。
特開平4−30107号公報 特開平10−96831号公報 特開平9−27884号公報
本発明は、前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、
本発明の目的は、光導波路間の伝搬損失のばらつきが少ないピッチ変換導波路アレイを提供することにある。
前記課題を解決する手段は以下の通りである。
<1> 平面基板上に配置された複数の光導波路の始端のピッチPinと終端のピッチPoutとがPin<Poutの関係をもつピッチ変換導波路アレイであって、
前記複数の光導波路のそれぞれが曲げ損失を無視できる曲率で構成され、かつすべての光導波路の導波路長が略同一であることを特徴とするピッチ変換導波路アレイである。
<2> 前記複数の光導波路が2n本(nは正の整数)の光導波路であって、始端から終端に向けて先ず2(n-1)本ずつの光導波路群を左右対称に屈曲させ、かつ屈曲終端部において各々の光導波路群の中心のなす間隔をPout×2(n-1)とし、更に2(n-1)本ずつの光導波路群を2(n-2)本ずつの光導波路群にまとめて左右対称に屈曲させ、かつ屈曲終端部において各々の光導波路群の中心のなす間隔をPout×2(n-2)とすることを繰り返し、終端においてすべての光導波路間のピッチがPoutとなるように配置されていることを特徴とする前記<1>に記載のピッチ変換導波路アレイである。
<3> 左右対称に屈曲させた2(n-1)本ずつの光導波路群の中心線が、同一曲率と同一長さをもつ一対の円弧を含み、該一対の円弧の曲率中心が前記光導波路群に対してそれぞれ別側となるように組み合わせて構成されていることを特徴とする前記<2>に記載のピッチ変換導波路アレイである。
<4> 始端から終端における、左右対称に屈曲させた光導波路群を構成する各光導波路の曲率中心が、前記光導波路群の中心線の曲率中心と同一となるように中心線からの距離に応じて曲率が変化する光導波路により構成されていることを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載のピッチ変換導波路アレイである。
<5> 光進行方向における光導波路の曲率の絶対値分布が、前記複数の光導波路を形成するすべての光導波路において等しいことを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載のピッチ変換導波路アレイである。
<6> 光進行方向における光導波路屈曲部の前後に直線部が挿入されていることを特徴とする前記<1>から<5>のいずれかに記載のピッチ変換導波路アレイである。
本発明によれば、原理的に光導波路間の伝搬損失のばらつきが生じ得ないため、ピッチ変換値の大きさに関わらずばらつきの少ないピッチ変換導波路アレイを提供することができる。
本発明のピッチ変換型導波路アレイは、平面基板上に配置された複数の光導波路の始端のピッチPinと終端のピッチPoutとがPin<Poutの関係をもつピッチ変換導波路アレイであって、前記複数の光導波路のそれぞれが曲げ損失を無視できる曲率で構成され、かつすべての光導波路の導波路長が略同一であることを特徴としている。
以下、本発明のピッチ変換型導波路アレイの実施の形態について詳述する。
本発明のピッチ変換導波路アレイの設計方法を説明する。本発明においては、ピッチ変換導波路アレイを構成するすべての光導波路の長さを等しくして伝搬損失のばらつきによる不均一を除去しているが、そのようにするためには、平面基板上に配置された複数の光導波路の始端のピッチPinと終端のピッチPoutとがPin<Poutの関係をもつピッチ変換導波路アレイであって、複数の光導波路のそれぞれが曲げ損失を無視できる曲率の屈曲部(直線も含む)で構成し、かつすべての光導波路の導波路長を略同一に設定すればよい。すなわち、より内側にある光導波路については、故意に蛇行させることにより導波路長を延ばせばよい。ただし、蛇行させる曲率や距離を設定する設計指針がないと、かえって設計が煩雑になる。また、本発明者らが既に特願2003−58872号、特願2002−224642号公報などで提案しているフィルム導波路の場合は、条件によりフィルム自体が曲げられて設置されることが考えられる。このような場合には、全ての光導波路がほぼ同じ曲率で構成されているピッチ変換導波路のほうが不均一になりにくい利点がある。
ここで、前述の「曲げ損失が無視できる」とは、曲がり光導波路のパラメータqが1より小さい数値であることを意味する。曲がり光導波路のパラメータqは、曲率半径R、光導波路幅d、光導波路のコアの屈折率n、コアとクラッドの屈折率差Δnとしたとき、次式で与えられる。
q=R・Δn/(d・n)
ピッチ変換導波路アレイのより好ましい設計方法を以下に示す。平面基板上に配置された2n本(nは正の整数)の光導波路を、2(n-1)、すなわち半分ずつの光導波路群にまとめて左右対称に屈曲させ、各々の光導波路群の中心線端部がなす間隔をPout×2(n-1)としてから更に各々の光導波路群を半分ずつの光導波路群にまとめて左右対称に屈曲させることを繰り返し、終端においてすべての光導波路間のピッチがPoutとなる経路をもつピッチ変換導波路アレイとする。なお、「光導波路群」の語は、字義からは複数の光導波路を意味するが、本明細書においては、1本の光導波路をも含むものとする。
図1に、8本の導波路アレイが始端でPinのピッチをもち、終端でPoutのピッチをもつピッチ変換導波路アレイ(type1)の概略図を示す。図1に示すピッチ変換導波路アレイ100は、平面基板102上に光導波路104が、始端(図1の上部)のピッチPinと終端(図1の下部)のピッチPoutがPin<Poutの関係で配置されている。
図1に示すピッチ変換導波路アレイの光導波路の構成を具体的に説明する。始端においてピッチPinで配置された8本の光導波路104は、先ず半分の4本ずつに分けられ、かつそれぞれ終端に向けて左右対称に屈曲している。このときの屈曲形状は、4本の光導波路の中心線が同一の曲率、長さの一対の円弧を組合わせた形状である。すなわち、曲率半径R3で中心角度θ3の円弧を2つ組合わせた形状である。そして、左右に位置する4本の光導波路の屈曲終端部の間隔L4は、Pout×4である。また、前記一対の円弧の曲率中心O3-1及びO3-2が4本の光導波路14に対して別側となるように配置されている。一対の円弧の終端には各々長さL2の直線部が挿入され、さらに、4本の光導波路が半分の2本ずつに分けられ左右対称に屈曲している。このときの屈曲形状は、2本の光導波路の中心線が前記一対の円弧とは異なる曲率、長さの一対の円弧(曲率半径R2、中心角度θ2)を組合わせた形状である。左右に位置する2本の光導波路の屈曲終端部の間隔L5はPout×2である。そして、該一対の円弧の終端には長さL1の直線部が挿入され、さらに2本の光導波路が半分の1本ずつに分けられ左右対称に屈曲している。このときの屈曲形状はさらに異なる曲率、長さの一対の円弧(曲率半径R1、中心角度θ1)を組合わせた形状である。この一対の円弧の終端は、導波路14の終端に一致する。以上のようにして、始端のピッチがPinで、終端にピッチがPoutの光導波路アレイが構成されている。
前記円弧の中心角度と長さ(導波路長)は以下のようにして決定することができる。説明を簡単にするためにピッチ変換のための屈曲部にはすべて同一の曲率半径r(すなわち曲率1/r)をもつ円弧を用いると、以下に示す式に従って円弧の中心角度θ1、θ2、θ3を求めればよい。
θi(rad)=arccos(1−2(i-1)×(Pout−Pin)/4/r)
(i=1,2,3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
式(1)で求められた導波路アレイの経路を計算すると、すべての光導波路について以下に示す式(2)で導波路長Lwが求められる。
Lw=2r(θ1+θ2+θ3)・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
また、2n本の光導波路を2(n-1)本ずつに分けたときの各光導波路群の中心線からの距離に関係なく曲率分布を定めることによって、全く光進行方向における導波路曲率の絶対値分布が、導波路アレイを形成するすべての光導波路において等しくすることができる。このようにして作製されたピッチ変換導波路アレイを図2に示す。図2において、図1と同一の構成要素には同じ符号を付している。図2に示すピッチ変換導波路アレイによっても本発明の効果を発揮することができるが、屈曲が大きい部分で隣り合う導波路との間隔が狭まってしまうため、屈曲の大きさや導波路ピッチPinと導波路幅の関係によっては作製が難しくなる場合がある。具体的にな値としては、導波路光進行方向が90度変化するような屈曲部をもつ光導波路が限界で、90度変化する屈曲部では、隣接する導波路が重なってしまうため作製不可能となる。これは図5に示す従来の形式のピッチ変換導波路でも同様である。そこで、図1に示すように、始端から終端における、左右に屈曲させた光導波路群を構成する光導波路の曲率中心が、前記光導波路群の中心線の曲率中心と同一となるように中心線からの距離に応じて曲率を変化させた光導波路により構成することによって、屈曲部においても所定の間隔を保つことができる。この設計を用いる場合、曲率中心に近い部分の導波路長が若干短くなるが、屈曲部は同一曲率と同一長さをもつ一対の円弧で構成され、一対の円弧の曲率中心が光導波路群に対して別側になるように組み合わせて構成することによって、すべての導波路長を等しくすることができる。ただし、導波路群の中心線から内側の光導波路はわずかに曲率が大きくなるので、曲率限界値ぎりぎりで光導波路を設計するときには配慮が必要となる。
ここで、前述の「導波路群の中心線」とは、複数の導波路中、両側に位置する2本の導波路の中心線の各々から等距離に位置する仮想の線を意味する。
よって、ここまでに説明した形式のピッチ変換導波路アレイは、図3に示すように最大180度まで屈曲部を形成することが可能である。図3において、図1と同一の構成要素には同じ符号を付している。図3に示す光導波路の屈曲形状は図5に示した従来のピッチ変換導波路アレイでは不可能な形式であり、ピッチ変換の値によっては従来の設計よりも基板長さを短くすることが可能になる。
また、図1のピッチ変換導波路アレイにおける屈曲部は、左右対称の条件さえ満たせば光進行方向にわたって必ずしも同じ曲率を使う必要はない。すなわち、曲率及び長さが同一の2つの円弧から一対の円弧を構成させる必要はない。例えば曲率を連続的に変化させる正弦曲線を用いることも有効である。
さらに、光進行方向における光導波路屈曲部の前後に直線部を挿入することによって、変曲点の数を導波路アレイを形成するすべての光導波路において等しくすることが可能である。これは、例えば、図2に示すように、特に屈曲部間に直線部を挿入しない場合、ピッチ変換導波路アレイを構成する光導波路のうち、外側に向かう導波路(A)と内側に向かう導波路(B)では変曲点の数が変わってくるためである。直線部は変曲点数を光導波路毎に一定にして、マルチモード導波路の場合のモード分布を揃える長さがあればよいため、光導波路断面寸法が50μm程度の場合1〜2mm程度あればよい。これ以上長くてもよいが、あまり長すぎると伝搬損失が大きくなるため好ましくない。
このような構成によってすべての光導波路について同一の条件で光を伝搬することが可能になる。またマルチモード導波路の場合でも、各々の導波路毎の出力モードの断面分布を揃えることが可能になる。
以下に、本発明のピッチ変換導波路アレイの製造方法の一例を示す。当該製造方法、以下の1)から8)の工程を有する製造方法である。すなわち、
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、ピッチ変換導波路用凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程
2)鋳型にクラッド用基材を密着させる工程
3)クラッド用基材を密着させた鋳型のピッチ変換導波路用凸部に対応する凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程
5)鋳型をクラッド用基材から剥離する工程
6)コアが形成されたクラッド用基材の上にクラッド層を形成する工程
以下に、本発明によるピッチ変換導波路アレイの製造方法を工程順に説明する。
1)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、光導波路コア凸部に対応する凹部を有する鋳型を準備する工程
鋳型の作製は、ピッチ変換導波路に対応する凸部を形成した原盤を用いて行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。以下では、原盤を用いる方法について説明する。
<原盤の作製>
ピッチ変換導波路に対応する凸部を形成した原盤の作製には、従来の方法、たとえばフォトリソグラフィー法やRIE法を特に制限なく用いることができる。また、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により高分子光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)も、原盤を作製するのに適用できる。原盤に形成される光導波路に対応する凸部の大きさは一般的に5〜500μm程度、好ましくは40〜200μm程度であり、光導波路の用途等に応じて適宜決められる。例えばシングルモード用の光導波路の場合には、10μm角程度のコアを、マルチモード用の光導波路の場合には、50〜100μm角程度のコアが一般的に用いられるが、用途によっては数百μm程度と更に大きなコア部を持つ光導波路も利用される。なお、原盤上のコアは、前述の本発明に係る設計方法における構成で配置する。
(鋳型の作製)
鋳型は、前記のようにして作製した原盤のピッチ変換導波路に対応する凸部が形成された面に、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布したり注型し、必要に応じ乾燥処理をした後、該樹脂を硬化させ、次いでその硬化樹脂層を剥離して作製される。また、鋳型には、前記凸部に対応する凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填するための進入口、及び前記凸部に対応する凹部から前記樹脂を排出させるための排出口が形成されるが、その形成方法は特に制限はない。原盤に予め進入口や排出口に対応する凸部を設けておくこともできるが、簡便な方法としては、例えば、原盤に鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層を形成した後剥離して型をとり、その後、型の両端を前記凹部が露出するように切断することにより進入口及び排出口を形成する方法が挙げられる。
また、鋳型凹部に連通する貫通孔を凹部の両端に設けることが有効である。進入口側の貫通孔は液(樹脂)溜まりとして利用でき、排出側の貫通孔は減圧吸引管をその中に挿入して凹部内部を減圧吸引装置に接続することができる。貫通孔は、凹部のピッチにより、各凹部に対応してそれぞれ設けてもよく、また、各凹部に共通に連通する1つの貫通孔を設けてもよい。
前記硬化樹脂層の厚さは、鋳型としての取り扱い性を考慮して適宜決められるが、一般的に0.1〜50mm程度が適切である。
また、前記原盤にはあらかじめ離型剤塗布などの離型処理を行なって鋳型との剥離を促進することが望ましい。
鋳型形成用硬化性樹脂としては、その硬化物が原盤から容易に剥離できること、鋳型(繰り返し用いる)として一定以上の機械的強度・寸法安定性を有すること、凹部形状を維持する硬さ(硬度)を有すること、クラッド用基材との密着性が良好なことが好ましい。鋳型形成用硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
鋳型形成用硬化性樹脂は、原盤の表面に塗布や注型等することが可能で、また、原盤に形成された個々の光導波路コアに対応する凸部を正確に写し取らなければならないので、ある限度以下の粘度、たとえば、500〜7000mPa・s程度を有することが好ましい。(なお、本発明において用いる「鋳型形成用硬化性樹脂」の中には、硬化後、弾性を有するゴム状体となるものも含まれる。)また、粘度調節のために溶剤を、溶剤の悪影響が出ない程度に加えることができる。
前記鋳型形成用硬化性樹脂としては、前記のごとき剥離性、機械強度・寸法安定性、硬度、クラッド用基材との密着性の点から、硬化後、シリコーンゴム(シリコーンエラストマー)又はシリコーン樹脂となる硬化性オルガノポリシロキサンが好ましく用いられる。前記硬化性オルガノポリシロキサンは、分子中にメチルシロキサン基、エチルシロキサン基、フェニルシロキサン基を含むものが好ましい。また、前記硬化性オルガノポリシロキサンは、一液型のものでも硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものでもよく、また、熱硬化型のものでも室温硬化型(例えば空気中の水分で硬化するもの)のものでもよく、更に他の硬化(紫外線硬化等)を利用するものであってもよい。
前記硬化性オルガノポリシロキサンとしては、硬化後シリコーンゴムとなるものが好ましく、これには通常液状シリコーンゴム(「液状」の中にはペースト状のように粘度の高いものも含まれる)と称されているものが用いられ、硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものが好ましく、中でも付加型の液状シリコーンゴムは、表面と内部が均一にかつ短時間に硬化し、またその際副生成物が無く又は少なく、かつ離型性に優れ収縮率も小さいので好ましく用いられる。
前記液状シリコーンゴムの中でも特に液状ジメチルシロキサンゴムが密着性、剥離性、強度及び硬度の制御性の点から好ましい。また、液状ジメチルシロキサンゴムの硬化物は、一般に屈折率が1.43程度と低いために、これから作った鋳型は、クラッド用基材から剥離させずに、そのままクラッド層として利用することができる。この場合には、鋳型と、充填したコア形成用樹脂及びクラッド用基材とが剥がれないような工夫が必要になる。
前記液状シリコーンゴムの粘度は、光導波路コアに対応する凸部を正確に写し取り、かつ気泡の混入を少なくして脱泡し易くする観点と、数ミリの厚さの鋳型形成の点から、500〜7000mPa・s程度のものが好ましく、さらには、2000〜5000mPa・s程度のものがより好ましい。
さらに、鋳型の表面エネルギーは、10dyn/cm〜30dyn/cm、好ましくは15dyn/cm〜24dyn/cmの範囲にあることが、基材フィルムとの密着性とコア形成用硬化性樹脂の浸透速度の点からみて好ましい。
鋳型のシェア(Share)ゴム硬度は、15〜80、好ましくは20〜60であることが、型取り性能、凹部形状の維持、剥離性の点からみて好ましい。
鋳型の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS))は、0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下にすることが、形成されたコアの光導波特性において光損失を大幅に低減できる。
また、鋳型は、紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることが好ましい。鋳型が可視領域において光透過性であることが好ましいのは、以下の2)の工程において鋳型をクラッド用基材に密着させる際、位置決めが容易に行え、また、以下の3)の工程においてコア形成用硬化性樹脂が鋳型凹部に充填される様子が観察でき、充填完了等が容易に確認しうるからである。また、鋳型が紫外領域において光透過性であることが好ましいのは、コア形成用硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合に、鋳型を透して紫外線硬化を行うためであり、鋳型の、紫外領域(250nm〜400nm)における透過率が80%以上であることが好ましい。
前記硬化性オルガノポリシロキサン、中でも硬化後シリコーンゴムとなる液状シリコーンゴムは、クラッド用基材との密着性と剥離性という相反した特性に優れ、ナノ構造を写し取る能力を持ち、シリコーンゴムとクラッド用基材とを密着させると液体の進入さえ防ぐことができる。このようなシリコーンゴムを用いた鋳型は高精度に原盤を写し取り、クラッド用基材に良く密着するため、鋳型とクラッド用基材の間の凹部のみに効率よくコア形成用樹脂を充填することが可能となり、さらにクラッド用基材と鋳型の剥離も容易である。したがって、この鋳型からは高精度に形状を維持したピッチ変換導波路アレイを、極めて簡便に作製することができる。
また、前記硬化樹脂層、とりわけ硬化樹脂層がゴム弾性を有する場合、硬化樹脂層の一部すなわち原盤凸部を写し取る部分以外の部分を他の剛性材料に置き換えることができ、この場合、鋳型のハンドリング性が向上する。
2)前記鋳型にクラッド用基材を密着させる工程
本発明において用いるクラッド用基材としては、ガラス基材、セラミック基材、プラスチック基材等のものが制限なく用いられる。また屈折率制御のために前記基材に樹脂コートしたものも用いられる。クラッド用基材の屈折率は、1.55より小さく、1.50より小さいものがより好ましい。特に、コア材の屈折率より0.01以上小さいことが必要である。また、クラッド基材としては、平坦で、鋳型との密着性に優れ、両者を密着させた場合、鋳型凹部以外に空隙が生じないものが好ましい。また、クラッド基材が鋳型及び/又はコアとの密着性が余り良好でない場合には、オゾン雰囲気による処理、波長300nm以下の紫外線照射処理を行って、鋳型等との密着性を改善することが好ましい。
プラスチック基材の中でも、フレキシブルなフィルム基材を用いた高分子光導波路は、カプラー、ボード間の光配線や光分波器等としても使用できる。前記フィルム基材は、作製される高分子光導波路の用途に応じて、その屈折率、光透過性等の光学的特性、機械的強度、耐熱性、鋳型との密着性、フレキシビリティー(可撓性)等を考慮して選択される。
前記フィルム基材の材料としては、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、脂環式アクリル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等)、脂環式オレフィン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、二又は三酢酸セルロース、アミド系樹脂(脂肪族、芳香族ポリアミド等)、イミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、または前記樹脂のブレンド物等が挙げられる。
また、前記フィルム基材が鋳型及び/又はコアとの密着性が余り良好でない場合には、オゾン雰囲気による処理、波長300nm以下の紫外線照射処理を行って、鋳型等との密着性を改善することが好ましい。
前記脂環式アクリル樹脂としてはトリシクロデカン等の脂肪族環状炭化水素をエステル置換基に導入した、OZ−1000、OZ−1100(日立化成(株)製)等が用いられる。
また、脂環式オレフィン樹脂としては主鎖にノルボルネン構造を有するもの、及び主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基(アルキル基としては炭素数1から6のものやシクロアルキル基)等の極性基をもつものが挙げられる。中でも前記のごとき主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂は、低屈折率(屈折率が1.50近辺であり、コア・クラッドの屈折率の差を確保できる)及び高い光透過性等の優れた光学的特性を有し、鋳型との密着性に優れ、さらに耐熱性に優れているので特に本発明のピッチ変換導波路アレイの作製に適している。
前記フィルム基材の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.55より小さく、好ましくは1.53より小さくすることが望ましい。
また、前記フィルム基材の厚さはフレキシビリティーと剛性や取り扱いの容易さ等を考慮して適切に選ばれ、一般的には0.1mm〜0.5mm程度が好ましい。
3)クラッド用基材を密着させた鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程
鋳型凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填するには、鋳型に鋳型より一回り大きいサイズのクラッド用基材を密着させ、凹部の進入口にコア形成用硬化性樹脂を少量垂らし毛細管現象を利用して充填したり、凹部にコア形成用硬化性樹脂を加圧充填したり、凹部の排出口を減圧吸引したり、あるいは加圧充填と減圧吸引の両方を行うなどにより充填することができる。前記のごとく凹部端部に貫通孔を設けた場合は、進入側貫通孔に樹脂を溜め加圧充填したり、排出側貫通孔にポンプにつながった減圧吸引管を挿入して減圧吸引するなどすることができる。
また、前記加圧充填と減圧吸引を併用する場合はこれらを同期して行うことがさらに、前記加圧充填において圧力を段階的に増加させ、前記減圧吸引において圧力を段階的に減少させることが、鋳型が安定して固定された状態で、コア形成用硬化性樹脂をより高速に注入する相反則を両立させる点からみて好ましい。
コア形成用硬化性樹脂としては放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いることができ、中でも紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
前記コア形成用の紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が好ましく用いられる。
また、前記紫外線硬化性樹脂としてエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。
コア形成用硬化性樹脂は、鋳型とクラッド用基材との間に形成された空隙(鋳型の凹部)に充填させるため、用いるコア形成用硬化性樹脂はそれが可能なように十分低粘度であることが必要である。前記硬化性樹脂の粘度は、10mPa・s〜2000mPa・s、望ましくは100mPa・s〜1000mPa・s、更に好ましくは300mPa・s〜700mPa・sにするのが、充填速度、コア形状の良さ及び光損失の少なさの点から好ましい。
このほかに、原盤に形成された光導波路コアに対応する凸部が有する元の形状を高精度に再現するため、前記硬化性樹脂の硬化前後の体積変化が小さいことが必要である。例えば、体積が減少すると導波損失の原因になる。したがって、前記硬化性樹脂は、体積変化ができるだけ小さいものが望ましく、10%以下、好ましくは0.01〜4%の範囲にあることが望ましい。溶剤を用いて低粘度化することは、硬化前後の体積変化が大きいのでできれば避ける方が好ましい。
コア形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするため、前記樹脂にポリマーを添加することができる。前記ポリマーはコア形成用硬化性樹脂との相溶性を有し、かつ該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないものが好ましい。またポリマーを添加することにより体積変化を小さくする他、粘度や硬化樹脂のガラス転移点を高度に制御できる。前記ポリマーとしては例えばアクリル系、メタクリル酸系、エポキシ系のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は1.20から1.60の範囲、より好ましくは1.4から1.6の範囲が好ましく、硬化物の屈折率が前記範囲内に入る2種類以上の屈折率の異なる樹脂が用いられる。
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッドとなる前記フィルム基材(以下の5)の工程におけるクラッド層を含む)より大きいことが必要である。コアとクラッド(クラッド用基材及びクラッド層)との屈折率の差は、0.01以上、好ましくは0.05以上である。
また、この工程において、毛細管現象によるコア形成用硬化性樹脂の鋳型凹部への充填を促進するために、系全体を減圧(0.1〜100kPa程度)することが望ましい。
また、前記充填を促進するため、前記系の減圧に加えて、鋳型の進入口から充填するコア形成用硬化性樹脂を加熱することにより、より低粘度化することも有効な手段である。
鋳型に貫通孔を設ける態様について図を用いて説明する。
図4(A)は原盤10を示し、12は光導波路コアに対応する凸部である。この原盤10の凸部形成面に鋳型形成用硬化性樹脂を塗布又は注型した後硬化させる(図4(B)参照)。図4(B)中、20aは硬化樹脂層である。その後硬化樹脂層20aを剥離すると、凹部が形成された硬化樹脂層20aが得られる(図示せず)。凹部22が形成された硬化樹脂層20aに、凹部22に連通する貫通孔26及び28を凹部両端に打ち抜き等により形成して鋳型20(図4(C)参照)を得る。
次に、図4(D)が示すように、鋳型に形成されている貫通孔26にコア形成用硬化性樹脂を入れ、他端の貫通孔28から減圧吸引して(加圧充填でもよく両者を併用してもよい)鋳型凹部22にコア形成用硬化性樹脂を充填する。その後該樹脂を硬化させ、鋳型を剥離すると、図4(E)に示されるように、クラッドフィルム30の上に光導波路コア32と貫通孔26及び28内において硬化した樹脂部分が形成される。最後に貫通孔で硬化した樹脂部分をダイサー等で切り落として導波路路フィルムとする(図4(F)参照)。コア端面は鏡面平滑性を有している。
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程
充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。
5)鋳型をクラッド用基材から剥離する工程
前記4)の工程の後、鋳型をクラッド用基材から剥離する。また、前記1)〜4)の工程で用いる鋳型は、屈折率等の条件を満たせばそのままクラッド層に用いることも可能で、この場合は、鋳型を剥離する必要はなくそのままクラッド層として利用する。この場合、鋳型とコア材料の接着性を向上させるために鋳型をオゾン処理することが好ましい。
6)コアが形成されたクラッド用基材の上にクラッド層を形成する工程
コアが形成されたクラッド用基材の上にクラッド層を形成するが、クラッド層としてはフィルム(たとえば前記2)の工程で用いたようなクラッド用基材が同様に用いられる)や、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層、高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜等が挙げられる。クラッド用硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
クラッド形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、該樹脂と相溶性を有し、また該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないポリマー(例えばメタクリル酸系、エポキシ系)を該樹脂に添加することができる。
クラッド層としてフィルムを用いる場合は、接着剤を用いて貼り合わされるが、その際、接着剤の屈折率が該フィルムの屈折率と近いことが望ましい。用いる接着剤は紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
前記紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、クラッド層に添加するポリマーと同様のポリマーを添加することができる。
また、前記クラッド用基材とクラッド層との屈折率差は小さい方が好ましく、その差は0.05以内、好ましくは0.001以内、更に好ましくは差がないことが光の閉じ込めの点からみて好ましい。
本発明のピッチ変換導波路アレイの製造方法において、特に、鋳型形成用硬化性樹脂として硬化してゴム状になる液状シリコーンゴム、中でも液状ジメチルシロキサンゴムを用い、クラッド用基材として主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂を用いる組み合わせは、両者の密着性が特に高く、また、鋳型凹部構造の変形がなく、さらに凹部構造の断面積が極めて小さくても(たとえば10×10μmの矩形)、素早く凹部に硬化性樹脂を充填することができる。
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1〜5、比較例1〜2]
Si基板に厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークしフォトマスクを通して露光して、現像し、ピッチ変換導波路用凸部(端部の導波路幅:50μm、高さ:50μm)を形成し光導波路コア作製用原盤を作製した。このとき、ピッチ変換導波路用凸部は、各実施例及び比較例ごとに表2に記載の設計条件(実施例1〜2は図1に示すtype1であり、実施例3は図3に示すtype1である。)に従いフォトマスクを設定した。そして、ピッチ変換導波路用凸部を形成したSi基板を120℃でポストベークし、光導波路コア作製用原盤を作製した。
次に、前記光導波路コア作製用原盤に離型剤を塗布した後、熱硬化性ジメチルシロキサン樹脂(ダウコウニングアジア社製:SYLGARD184)を流し込み、120℃で30分間加熱して固化させた後剥離して、光導波路に対応する凹部を持った鋳型(鋳型の厚さ:5mm)を作製した。さらに、前記導波路用凹部の両端が露出するように鋳型に直径3mmの孔を深さ1mm開けて、下記紫外線硬化性樹脂の入出力部を作り鋳型とした。
前記鋳型と膜厚188μmのフィルム基材(アートンフイルム、JSR(株)製、屈折率1.510)を密着させた。次に、鋳型に形成されている光導波路作製用凹部の一つの孔に、粘度が1000mPa・sの紫外線硬化性樹脂(JSR社製)を充分に満たして、逆側にある孔からダイヤフラム式吸引ポンプ(最大吸引圧33.25KPa)で20kPaの吸引力で吸引したところ、前記各凹部に紫外線硬化性樹脂が充填された。この充填時間は5分間であった。次いで、50mW/cm2のUV光をアートンフイルムを透して5分間照射して紫外線硬化させた。コアの屈折率は1.53であった。
その後、鋳型を剥離し、もう1枚のアートンフィルムを用意し、屈折率1.51のクラッド用紫外線硬化樹脂により導波路コア部分を挟むようにして接着した。最後に端部をダイサーにより切断した。
以上のようにして、実施例1〜5及び比較例1〜2のピッチ変換導波路アレイを作製した。各実施例における導波路群の中心線の曲率半径R1〜R3及び中心角度θ1〜θ3を表1に示す。
Figure 2005070193
なお、実施例1〜3における光導波路は、以下の見地から設計を行った。すなわち、
8本の光導波路からなるピッチ変換導波路アレイについて、コアクラッドの屈折率差、コア径、および伝搬する信号波長から曲がり損失の無視できる曲率半径の限界値rは変化する。ここでは前記説明した組み合せにおける限界値をr=10mmとして設計を行った。この値は実施例1〜3におけるアレイ中心よりも内側の導波路(曲率半径にして0.25×1.5=0.375mm小さくなる)にも曲げ損失が生じない値である。
実施例1〜5及び比較例1〜2において作製したピッチ変換導波路アレイの導波路特性及び導波路間のばらつきを測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005070193
表2より、実施例1〜5のピッチ変換導波路アレイは、導波路毎の長さや曲率のばらつきが全く無く、伝搬損失の均一性が優れている。さらに、実施例1、2ならば変曲点の数も等しいため、例えばシングルモードのVCSELを誤差なく入力できれば出力時のモード分布も全く左右対称にできる。それに対して比較例1、2では、特にピッチ変換値が大きくなった場合(比較例2)、導波路長のばらつきが大きくなる。前記説明した製造方法による高分子光導波路の伝搬損失は約0.2〜0.3dB/cmであるため、比較例2の場合、ばらつきが0.7〜1.1dB生じることになる。これは一般的に好ましくなく、本発明によるピッチ変換導波路の設計が優れている。
この実施例では説明を省略したが、本発明においては左右対称の条件がそろっていれば必ずしも曲率半径をすべて一定にする必要はない。ただし限界値の曲率半径で設計することにより、基板長さを最小にできることは言うまでもない。
また、本実施例では8本の導波路からなるピッチ変換導波路アレイについて説明したが、その他の本数でも同様の設計手法が使用できることは言うまでもない。
本発明のピッチ変換導波路アレイの一例(type1)を示す概略図である。 本発明のピッチ変換導波路アレイの一例(type2)を示す概略図である。 本発明のピッチ変換導波路アレイの一例(type1)を示す概略図である。 ピッチ変換導波路アレイの作製工程を示す概念図である。 従来のピッチ変換導波路アレイの一例を示す概略図である。
符号の説明
10 原盤
12 凸部
20 鋳型
20a 硬化樹脂層
22 凹部
26 28 貫通孔
30 光透過性クラッドフィルム
32 光導波路コア
100 ピッチ変換導波路アレイ
102 平面基板
104 光導波路

Claims (6)

  1. 平面基板上に配置された複数の光導波路の始端のピッチPinと終端のピッチPoutとがPin<Poutの関係をもつピッチ変換導波路アレイであって、
    前記複数の光導波路のそれぞれが曲げ損失を無視できる曲率で構成され、かつすべての光導波路の導波路長が略同一であることを特徴とするピッチ変換導波路アレイ。
  2. 前記複数の光導波路が2n本(nは正の整数)の光導波路であって、始端から終端に向けて先ず2(n-1)本ずつの光導波路群を左右対称に屈曲させ、かつ屈曲終端部において各々の光導波路群の中心のなす間隔をPout×2(n-1)とし、更に2(n-1)本ずつの光導波路群を2(n-2)本ずつの光導波路群にまとめて左右対称に屈曲させ、かつ屈曲終端部において各々の光導波路群の中心のなす間隔をPout×2(n-2)とすることを繰り返し、終端においてすべての光導波路間のピッチがPoutとなるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のピッチ変換導波路アレイ。
  3. 左右対称に屈曲させた2(n-1)本ずつの光導波路群の中心線が、同一曲率と同一長さをもつ一対の円弧を含み、該一対の円弧の曲率中心が前記光導波路群に対してそれぞれ別側となるように組み合わせて構成されていることを特徴とする請求項2に記載のピッチ変換導波路アレイ。
  4. 始端から終端における、左右対称に屈曲させた光導波路群を構成する各光導波路の曲率中心が、前記光導波路群の中心線の曲率中心と同一となるように中心線からの距離に応じて曲率が変化する光導波路により構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のピッチ変換導波路アレイ。
  5. 光進行方向における光導波路の曲率の絶対値分布が、前記複数の光導波路を形成するすべての光導波路において等しいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のピッチ変換導波路アレイ。
  6. 光進行方向における光導波路屈曲部の前後に直線部が挿入されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のピッチ変換導波路アレイ。
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