JP2005068530A - 表面処理剤、プリント回路基板およびプリント回路基板の金属の表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性を有し、高湿度下に曝された後でも良好な皮膜を形成することができる表面処理剤および防錆性を備えるプリント回路基板を提供する。
【解決手段】 5−ブチル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール、5−ブチル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール、等からなる群より選ばれた一種以上の特定イミダゾール化合物と炭素数1〜4の水溶性有機酸とを必須成分とする水溶液からなる表面処理剤、およびこれからなる水溶性プリフラックスに係る。また、この表面処理剤を塗布することによって耐湿性の良好な防錆膜を備えるプリント回路基板が得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】 5−ブチル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール、5−ブチル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール、等からなる群より選ばれた一種以上の特定イミダゾール化合物と炭素数1〜4の水溶性有機酸とを必須成分とする水溶液からなる表面処理剤、およびこれからなる水溶性プリフラックスに係る。また、この表面処理剤を塗布することによって耐湿性の良好な防錆膜を備えるプリント回路基板が得られる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、表面処理剤、プリント回路基板およびプリント回路基板の金属の表面処理方法に関するものである。
プリント回路基板は、例えば銅張積層基板に回路配線のパターンを形成したものであって、その上に電子部品を搭載して一つの回路ユニットを形成できるようにしたものである。このようなプリント回路基板には、その表面に回路配線を形成した回路パターンを有し、その回路パターンに電子部品を搭載する表面実装型のものが多く用いられている。例えば電子部品として、両端に電極を有するチップ部品を搭載するには、プリント回路基板にフラックスを塗布した後、噴流はんだ付方法やリフローはんだ付方法によりそのチップ部品をはんだ付けする。チップ部品をはんだ付けする際には、プリント回路基板の回路パターン形成後、すなわち銅張積層基板の銅箔部分を所望の回路配線が得られるようにエッチングした後、その得られた回路のうち、チップ部品をはんだ付する部分(いわゆるはんだ付ランドの部分)を残してソルダーレジスト膜により被覆する。そしてソフトエッチング処理を行ってから、直ちにチップ部品をはんだ付けすることもある。しかし、ソルダーレジスト膜により被覆するまでの工程と、その後のチップ部品のはんだ付工程とをそれぞれ独立に行うことが多い。例えば、ソルダーレジスト膜を被覆したプリント回路基板を部品として保管した後に、改めてチップ部品のはんだ付工程を行なったり、プリント回路基板を流通させ、他の業者がはんだ付工程を行なうことがある。このような場合、はんだ付工程を行うまでには多くの時間を経過することがあるので、露出しているはんだ付ランドの銅箔面は空気酸化され易い。特に湿気の多い場合は、ハンダ付けランドの銅箔面の空気酸化が一層起こり易い。このため、その表面の酸化を防止するために酸化防止膜を形成することが行われており、そのために表面保護剤が用いられる。
また、ソルダーレジスト膜を被覆したプリント回路基板をその製造後間もなく使用する場合でも、電子部品を両面実装する場合には、例えばリフローはんだ付方法では、ソルダーペーストをはんだ付ランドに塗布した後、はんだ粉末を溶融するには260℃のような高温加熱を行う。このため、プリント回路基板の一方の面にはんだ付工程を行なっているときに、他方の面も高温に曝され、はんだ付ランドの銅箔面は酸化され易くなることから、このような場合にも酸化防止膜を形成する処理がなされる。
このような表面保護剤により処理を行なう場合や、プリント回路基板の一方の面のはんだ付工程に伴って起こる加熱劣化を防止するために他方の面のはんだ付ランドにも酸化防止処理を行なう場合には、いわゆるプリフラックスが用いられている。その中でも、有機溶剤を使用せず、公害や火災の危険のない水溶性プリフラックスが好んで用いられている。従来、露出しているはんだ付ランドの銅箔には、防錆処理をほどこすことが行われている。これには、特許文献1、特許文献2に記載されているように、ベンズイミダゾール系化合物を含有する水溶性のプリント配線板用表面保護剤を水溶性プリフラックスとして用いることが知られている。特許文献1、2によれば、その水溶性のプリント配線板用表面保護剤に、銅箔の回路パターンが表面に形成されているプリント基板を浸漬することにより、プリント回路基板の回路パターンの銅及び銅合金表面に耐熱性被膜が形成される。この皮膜は、高湿度下に曝された後でも非常に良好な耐湿性を有しており、プリント回路基板の保護並びに部品実装時のはんだ付性に極めて優れている。また、ロジン等を含有するプリフラックスの場合には、塗布膜が銅箔以外にも形成され、部品実装後に不要な塗布膜の洗浄をしなければ回路の高い信頼性が得られないことがある。特許文献1、2のような水溶性プリフラックスを使用すると、こうした不要な塗膜を洗浄する必要がないことから生産性、性能等の点で優れている。
特開平5−25407号公報
特開平5−186888号公報
また、この表面保護剤のプリフラックスを改善したもの、すなわちそのプリント配線板用表面保護剤の主成分であるベンズイミダゾール系化合物は、一般には水には不溶性である。このため、ベンズイミダゾール化合物の水溶性塩を形成する可溶化剤として塩酸、リン酸等の無機酸又は酢酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸を使用して可溶化している。これらの可溶化剤の酸がはんだの特に酸に弱い鉛を浸食し、その膜厚を薄くしたり、その表面を酸化したりすることにより、部品実装時にリードの所定のはんだ付強度が得られなくなることがあり、はんだ付不良を起こして実装歩留まりを悪くするという問題がある。この問題点を改善したものとして、特許文献3には、アミノ酸を可溶化剤として用い、上記の酸の使用を抑制あるいは使用しないでもベンズイミダゾール系化合物を水溶化することができることが示されている。
更に、特許文献4には、2位に長鎖アルキル基を有するイミダゾール化合物を用いてプリント配線板の表面処理を行なうことが記載されている。
特開平9−186888号公報
特開平4−165083号公報
更に、特許文献4には、2位に長鎖アルキル基を有するイミダゾール化合物を用いてプリント配線板の表面処理を行なうことが記載されている。
近時プリント配線板に対する電子部品の接合方法として、表面実装法が多く採用されるようになり、チップ部品の仮止め、部品装置の両面装着あるいはチップ部品とディスクリート部品の混載などにより、プリント配線板が高温下に曝されるようになった。
特許文献4に記載の2位に長鎖アルキル基を有するイミダゾール化合物を用いてプリント配線板の表面処理を行なう場合、プリント配線板が高温に曝されると表面処理された銅面が変色し、その後のはんだ付けに支障を生じるため、表面実装法には不向きであった。
特許文献4に記載の2位に長鎖アルキル基を有するイミダゾール化合物を用いてプリント配線板の表面処理を行なう場合、プリント配線板が高温に曝されると表面処理された銅面が変色し、その後のはんだ付けに支障を生じるため、表面実装法には不向きであった。
一方、2−アリールベンズイミダゾール化合物、2−アラルキルベンズイミダゾール化合物を用いてプリント配線板の表面処理を行なう場合、銅金属の表面に耐熱性に優れた化成被膜を形成し得るが、その実用化に当たっては解決すべき課題を有していた。
すなわち、これらのベンズイミダゾール系化合物は水に対する溶解性が低いため、調整した処理液のpHの上昇あるいは処理液の蒸発などに起因して、ベンズイミダゾール系化合物が析出し易く、一旦析出した固体のベンズイミダゾール系化合物は、再溶解させ難いものであった。このようなベンズイミダゾール系化合物の析出物がプリント基板や装置に付着するなどの問題を生じていた。
すなわち、これらのベンズイミダゾール系化合物は水に対する溶解性が低いため、調整した処理液のpHの上昇あるいは処理液の蒸発などに起因して、ベンズイミダゾール系化合物が析出し易く、一旦析出した固体のベンズイミダゾール系化合物は、再溶解させ難いものであった。このようなベンズイミダゾール系化合物の析出物がプリント基板や装置に付着するなどの問題を生じていた。
本発明の目的は、耐熱性を有し、高湿度下に曝された後でも非常に良好な耐湿性を有する被膜を形成でき、各成分が温度変化等により安定性を失なうようなことがないようにした表面処理剤を提供することである。
また、本発明の目的は、こうした表面処理剤をプリント回路基板に適用することにより、高温加熱されて劣化するはんだ付ランドに対しても、溶融はんだが良く濡れ広がることができるようにすることである。
また、本発明の目的は、こうした表面処理剤をプリント回路基板に適用することにより、高温加熱されて劣化するはんだ付ランドに対しても、溶融はんだが良く濡れ広がることができるようにすることである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、必須成分として下記一般式(I)、(II)および(III)からなる群より選ばれた一種以上のイミダゾール化合物からなる群の少なくとも1つの化合物と、炭素数1〜4の有機酸を含有させた水溶性プリフラックスが、上記の課題を解決することを見出し、新規表面処理剤を提供するものである。
本発明は、一般式(I)、(II)および(III)からなる群より選ばれた一種以上のイミダゾール化合物と炭素数1〜4の水溶性有機酸とを必須成分とする水溶液からなることを特徴とする、表面処理剤に係るものである。
(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して水素、炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、または低級アルコキシ基を表す。R5は、炭素数2〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。)
(式中、R6、R7、R8、R9は、それぞれ独立して水素、炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、または低級アルコキシ基を表す。R10は、水素、炭素数1〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、またはハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。)
(式中、R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立して水素、炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、または低級アルコキシ基を表す。R15は、水素、炭素数1〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、またはハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。)
また、本発明は、前記表面処理剤を塗布することによって形成された防錆膜を備えていることを特徴とする、プリント回路基板に係るものであり、また、プリント回路基板の金属膜上に前記表面処理剤を塗布することによって防錆膜を形成することを特徴とする、プリント回路基板の金属の表面処理方法に係るものである。
本発明の表面処理剤によれば、耐熱性を有し、高湿度下に曝された後でも非常に良好な耐湿性を有する被膜を形成でき、また表面処理剤の各成分が温度変化等により安定性を失なうようなことがない。
また、この表面処理剤をプリント回路基板に適用することにより、両面実装する場合等に高温加熱されて劣化するはんだ付ランドに対しても、溶融はんだが良く濡れ広がるようにできる。また、プリント回路基板の回路パターンの銅及び銅合金表面に耐熱性を有し、高湿度下に曝された後でも非常に良好な耐湿性を有する被膜を形成し、プリント回路基板の保護並びに部品実装時のはんだ付性に極めて優れるようにできる。
更に、従来のベンズイミダゾール系化合物を用いた水溶性プリフラックと同様な製造方法、使用方法が適用できる水溶性プリフラックス、プリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
更に、従来のベンズイミダゾール系化合物を用いた水溶性プリフラックと同様な製造方法、使用方法が適用できる水溶性プリフラックス、プリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
式(I)において、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して水素、炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、または低級アルコキシ基を表す。このアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が特に好ましい。
また、低級アルコキシ基の炭素数は、1〜3が特に好ましい。
式(I)において、R5は、炭素数2〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。炭素数2〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、より好ましくは4〜8である。ハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、好ましくは2〜8であり、より好ましくは2〜6である。またこのハロゲンは、好ましくは臭素である。
また、低級アルコキシ基の炭素数は、1〜3が特に好ましい。
式(I)において、R5は、炭素数2〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。炭素数2〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、より好ましくは4〜8である。ハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、好ましくは2〜8であり、より好ましくは2〜6である。またこのハロゲンは、好ましくは臭素である。
式(I)に属する代表的な化合物は以下のように例示できる。
5−ブチル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール、5−エチルヘキシル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール、5−オクチル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−4−フェニル−2−トルイル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−2−フェニル−4−トルイル−1H−イミダゾール、4−(4−ブロモフェニル)−5−ヘキシル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−(4−ブロモフェニル)−5−ヘキシル−4−フェニル−1H−イミダゾール、4−(5−ヘキシル−2−フェニルー1H−イミダゾール−4−イル)−フェノール、4−(5−ヘキシル−4−フェニルー1H−イミダゾール−2−イル)−フェノール、4−(4−ブロモフェニル)−5−ブチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−(4−ブロモフェニル)−5−ブチル−4−フェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−4−(4−メトキシ−フェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール
5−ブチル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール、5−エチルヘキシル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール、5−オクチル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−4−フェニル−2−トルイル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−2−フェニル−4−トルイル−1H−イミダゾール、4−(4−ブロモフェニル)−5−ヘキシル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−(4−ブロモフェニル)−5−ヘキシル−4−フェニル−1H−イミダゾール、4−(5−ヘキシル−2−フェニルー1H−イミダゾール−4−イル)−フェノール、4−(5−ヘキシル−4−フェニルー1H−イミダゾール−2−イル)−フェノール、4−(4−ブロモフェニル)−5−ブチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−(4−ブロモフェニル)−5−ブチル−4−フェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−4−(4−メトキシ−フェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール
式(II)において、R6、R7、R8、R9は、それぞれ独立して水素、炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、または低級アルコキシ基を表す。このアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が特に好ましい。
また、低級アルコキシ基の炭素数は、1〜3が特に好ましい。
R10は、水素、炭素数1〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、またはハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。炭素数1〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、より好ましくは4〜8である。ハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜5である。またこのハロゲンは、好ましくは臭素である。
また、低級アルコキシ基の炭素数は、1〜3が特に好ましい。
R10は、水素、炭素数1〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、またはハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。炭素数1〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、より好ましくは4〜8である。ハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜5である。またこのハロゲンは、好ましくは臭素である。
式(II)に属する代表的な化合物は以下のように例示できる。
5−ブチル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−エチルヘキシル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−オクチル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−(2−ブロモブチル)−2,5−(2−ブロモブチル)−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−4−(3−メチル−ナフタレン−1−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−2−(4−メトキシ−フェニル)−4−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、4−ナフタレン−1−イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−(4−ブロモフェニル)−4−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、2−(4−メトキシフェニル)−4−ナフタレン−1−イル−1H−イミダソール
5−ブチル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−エチルヘキシル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−オクチル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−(2−ブロモブチル)−2,5−(2−ブロモブチル)−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−4−(3−メチル−ナフタレン−1−イル)−2−フェニル−1H−イミダゾール、5−ヘキシル−2−(4−メトキシ−フェニル)−4−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、4−ナフタレン−1−イル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−(4−ブロモフェニル)−4−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、2−(4−メトキシフェニル)−4−ナフタレン−1−イル−1H−イミダソール
式(III)において、R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立して水素、炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、または低級アルコキシ基を表す。このアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が特に好ましい。
また、低級アルコキシ基の炭素数は、1〜3が特に好ましい。
R15は、水素、炭素数1〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、またはハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。炭素数1〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、より好ましくは4〜8である。ハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜5である。またこのハロゲンは、好ましくは臭素である。
また、低級アルコキシ基の炭素数は、1〜3が特に好ましい。
R15は、水素、炭素数1〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、またはハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。炭素数1〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、より好ましくは4〜8である。ハロゲン原子置換の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜5である。またこのハロゲンは、好ましくは臭素である。
式(III)に属する代表的な化合物は以下のように例示できる。
5−ヘキシル−2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール、5−エチル−2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール、4−(4−ブロモフェニル)−5−ブチル−2−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、2−(4−ブロモナフタレン−1−イル)−4−フェニル−1H−イミダゾール、4−(4−エチルフェニル)−2−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール、4−(4−メトキシフェニル)−2−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、5−(2−ブロモエチル)−2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール、4−(4−ブロモフェニル)−2−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、4−(4−メトキシフェニル)−2−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール
5−ヘキシル−2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール、5−エチル−2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール、4−(4−ブロモフェニル)−5−ブチル−2−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、2−(4−ブロモナフタレン−1−イル)−4−フェニル−1H−イミダゾール、4−(4−エチルフェニル)−2−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール、4−(4−メトキシフェニル)−2−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、5−(2−ブロモエチル)−2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール、4−(4−ブロモフェニル)−2−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール、4−(4−メトキシフェニル)−2−ナフタレン−1−イル−1H−イミダゾール
これらのイミダゾール化合物は、公知の方法を用いることにより合成することが出来る。例えば、下式に示すように、ベンズアミジン誘導体と、α−クロロケトンを加熱して反応させることにより、式(I)の化合物を得ることが出来る。
(式中のR1、R2、R3、R4、R5は前記と同じである)
また、上反応式において、α−クロロケトンのフェニル基をナフチル基に変更することによって、式(II)の化合物を得ることができる。更に、上記反応式において、ベンズアミジン誘導体のフェニル基をナフチル基に変更することによって、式(III)の化合物を得ることができる。
好適な実施形態においては、必須成分としてイミダゾール化合物を0.01〜10重量%、より好ましくは0.05重量%以上、あるいは5重量%以下で含有する水溶液の表面処理剤を使用する。イミダゾール化合物の含有量を0.01%以上とすることによって、防錆膜等の塗膜を形成しやすくなる。この含有量が10重量%を越えると、不溶解分が多くなり易く、経済的でもない。
前記イミダゾール化合物は中性の水に対しては難溶性であるため、有機酸を用いて水溶化させる。またこの時に水溶性の有機溶剤を併用しても良い。
この際に用いられる有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、グリコール酸、乳酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸、メトキシ酢酸等が挙げられ、特にギ酸、酢酸が好ましい。これらの酸は、1〜40重量%で含有させることが好ましい。またこの際に併用できる水溶性有機溶剤としてはメタノール、エタノール、アセトン等が挙げられる。
この際に用いられる有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、グリコール酸、乳酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸、メトキシ酢酸等が挙げられ、特にギ酸、酢酸が好ましい。これらの酸は、1〜40重量%で含有させることが好ましい。またこの際に併用できる水溶性有機溶剤としてはメタノール、エタノール、アセトン等が挙げられる。
本発明の表面処理剤(好ましくは水溶性プリフラックス)には、さらに銅との錯体被膜形成助剤として、例えばギ酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、シュウ酸銅、酢酸銅、水酸化銅、酸化第一銅、酸化第二銅、炭酸銅、リン酸銅、硫酸銅、ギ酸マンガン、塩化マンガン、シュウ酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸亜鉛、酢酸鉛、水素化亜鉛、塩化第一鉄、塩化第二鉄、酸化第一鉄、酸化第二鉄、ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅等の金属化合物を添加しても良い。これらは1種又は2種以上用いられ、添加量は処理液に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。ただし、銅との錯体形成助剤を添加すると条件によっては、プリント配線板の金めっき上にも被膜を形成し、金めっきの変色が発生することがあるので注意が必要である。
また、上記金属化合物を使用した金属イオンを含有する緩衝液を併用することも好ましく、そのための代表的塩基としてアンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、イソプロピルエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
本発明の表面処理剤には、さらにはんだ付特性を向上させるために、例えば、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、よう化亜鉛、臭化亜鉛、臭化プロピオン酸、ヨードプロピオン酸等のハロゲン化合物を添加しても良い。これらは1種又は2種以上用いられ、添加量は処理液に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
これらのことから、上記一般式(I)乃至(III)で表されるイミダゾール化合物からなる群の少なくとも1つの化合物と、炭素数1〜4の水溶性有機酸を含有する水溶性プリフラックスに、上記金属化合物及びハロゲン化合物の少なくとも1種(又は上記金属化合物の少なくとも1種の金属イオンを含有する緩衝液)を含有しても良い。
本発明の水溶性プリフラックスを塗布して防錆処理をし、防錆膜を形成するには、処理対象のプリント回路基板の銅層の表面を研磨、脱脂、酸洗、水洗する前処理工程を経た後、その水溶性プリフラックスに10〜60℃で数秒から数十分、好ましくは20〜50℃で、5秒〜1時間、好ましくは10秒〜10分間プリント回路基板を浸漬する。このようにして本発明に係わるイミダゾール化合物は銅層に付着するが、その付着量は処理温度を高く、処理時間を長くする程多くなる。超音波を利用すると尚良い。なお、他の塗布手段、例えば噴霧法、刷毛塗り、ローラー塗り等も使用できる。このようにして得られた防錆膜は、両面実装する場合等に高温加熱されて劣化するはんだ付ランドに対しても溶融はんだが良く濡れ広がることができる。
さらに水溶性プリフラックスを塗布して防錆膜を形成したプリント回路基板に対し、ロジン誘導体、テルペンフェノール系樹脂などからなる耐熱性に優れた熱可塑性樹脂を溶剤に溶かしたものをロールコータなどにより均一に塗布して耐熱性を向上させてもよい。
本発明のプリント回路基板を製造するには、例えば次の工程を行う。
(1) 銅張積層板からなる基板に、チップ部品をはんだ付するはんだ付ランドを有する所定の回路配線からなる回路パターンをエッチングにより形成し、はんだ付ランド以外をソルダーレジストで被覆する工程
(2) その回路パターンの銅表面を研磨、脱脂、酸洗(ソフトエッチング)、水洗する前処理工程
(3) 露出しているはんだ付ランドの銅面を上記一般式(I)〜(III)で表される化合物からなる群の少なくとも1つの化合物と、炭素数1〜4の水溶性有機酸を必須成分として含有する水溶性プリフラックスを塗布、乾燥する工程
(4) 得られたプリント回路基板にはポストフラックスが塗布された後あるいはその塗布をせずに直接、上記はんだ付ランドにソルダーペースト(はんだ粉末とフラックスを含有する)が塗布され、チップ部品の電極がリフローはんだ付される。
(1) 銅張積層板からなる基板に、チップ部品をはんだ付するはんだ付ランドを有する所定の回路配線からなる回路パターンをエッチングにより形成し、はんだ付ランド以外をソルダーレジストで被覆する工程
(2) その回路パターンの銅表面を研磨、脱脂、酸洗(ソフトエッチング)、水洗する前処理工程
(3) 露出しているはんだ付ランドの銅面を上記一般式(I)〜(III)で表される化合物からなる群の少なくとも1つの化合物と、炭素数1〜4の水溶性有機酸を必須成分として含有する水溶性プリフラックスを塗布、乾燥する工程
(4) 得られたプリント回路基板にはポストフラックスが塗布された後あるいはその塗布をせずに直接、上記はんだ付ランドにソルダーペースト(はんだ粉末とフラックスを含有する)が塗布され、チップ部品の電極がリフローはんだ付される。
次に発明の実施の形態を以下の実施例により説明する。
(参考合成例(5−ヘキシル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール))
ベンズアミジン塩酸塩 156.5g及び2−クロロ−1−フェニル−オクタン−1−オン 238.8g及び炭酸カリウム 150gをクロロホルムを溶媒として3時間加熱還流した後に溶媒を除去し、熱水で洗浄した後、トルエンで洗浄を行い5−ヘキシル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾールの白色結晶を得た。
(参考合成例(5−ヘキシル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール))
ベンズアミジン塩酸塩 156.5g及び2−クロロ−1−フェニル−オクタン−1−オン 238.8g及び炭酸カリウム 150gをクロロホルムを溶媒として3時間加熱還流した後に溶媒を除去し、熱水で洗浄した後、トルエンで洗浄を行い5−ヘキシル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾールの白色結晶を得た。
(実施例1)
30%の酢酸水溶液100gに対し、5−ヘキシル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
30%の酢酸水溶液100gに対し、5−ヘキシル−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
(実施例2)
30%の酢酸水溶液100gに対し、5−(2−ブロモブチル)−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
30%の酢酸水溶液100gに対し、5−(2−ブロモブチル)−2,4−ジフェニル−1H−イミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
(実施例3)
30%の酢酸水溶液100gに対し、5−ブチル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い水溶性プリフラックスを調整した。
30%の酢酸水溶液100gに対し、5−ブチル−4−ナフタレン−1イル−2−フェニル−1H−イミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い水溶性プリフラックスを調整した。
(実施例4)
30%の酢酸水溶液100gに対し、5−ヘキシル−2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
30%の酢酸水溶液100gに対し、5−ヘキシル−2−ナフタレン−1−イル−4−フェニル−1H−イミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
(比較例1)
30%の酢酸水溶液100gに対し、2−オクチル−1H−ベンゾイミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
(比較例2)
30%の酢酸水溶液100gに対し、2−ベンジルー1H−ベンゾイミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
(比較例3)
30%の酢酸水溶液100gに対し、2−オクチル−4−プロピル−1H−イミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
30%の酢酸水溶液100gに対し、2−オクチル−1H−ベンゾイミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
(比較例2)
30%の酢酸水溶液100gに対し、2−ベンジルー1H−ベンゾイミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
(比較例3)
30%の酢酸水溶液100gに対し、2−オクチル−4−プロピル−1H−イミダゾール0.3g、ヨウ化亜鉛0.1gを溶解させた後、アンモニア水を用いてpH調整を行い、水溶性プリフラックスを調整した。
(特性評価)
以下に記載の方法で防錆被膜を形成した評価基板を使用し、特性評価を行った結果を示す。特性評価の方法に付いては、下記の試験方法を用いた。
(被膜形成方法)
予めソフトエッチング剤(商品名:「SE−30M」タムラ化研株式会社製)により銅箔表面を清浄化した評価基板を、40℃に加温した実施例に記載の水溶性プリフラックスに夫々所定時間浸漬処理を行い、次いで水洗、乾燥を行い、評価基板の表面に厚さが0.2μmになるように防錆膜を形成させた。
以下に記載の方法で防錆被膜を形成した評価基板を使用し、特性評価を行った結果を示す。特性評価の方法に付いては、下記の試験方法を用いた。
(被膜形成方法)
予めソフトエッチング剤(商品名:「SE−30M」タムラ化研株式会社製)により銅箔表面を清浄化した評価基板を、40℃に加温した実施例に記載の水溶性プリフラックスに夫々所定時間浸漬処理を行い、次いで水洗、乾燥を行い、評価基板の表面に厚さが0.2μmになるように防錆膜を形成させた。
(評価方法)
(加熱劣化処理)
水溶性プリフラックス被膜の耐熱性テストには、図1に示す温度プロファイルを持つエアーリフロー炉を使用し、複数回のリフロー処理を行うことにより、プリント回路基板の加熱劣化処理を行った。
(加湿劣化処理)
水溶性プリフラックス被膜の加湿劣化性テストには、40℃、90%R.H.の恒温恒湿層に96時間投入することで行った。
(加熱劣化処理)
水溶性プリフラックス被膜の耐熱性テストには、図1に示す温度プロファイルを持つエアーリフロー炉を使用し、複数回のリフロー処理を行うことにより、プリント回路基板の加熱劣化処理を行った。
(加湿劣化処理)
水溶性プリフラックス被膜の加湿劣化性テストには、40℃、90%R.H.の恒温恒湿層に96時間投入することで行った。
(はんだ広がり性試験1)
試験基板として、JIS 2形くし形基板を使用し、前記の通りの手法により防錆膜を形成させた物を使用した。
被膜を形成した試験基板を前記のリフロー条件で0〜3回加熱処理した後、ソルダーペースト(商品名:RMA−010NFP タムラ化研株式会社製)を開口巾
0.635mm、厚さ200μmのメタルマスクで1文字印刷を行い、リフロー加熱処理を行い、はんだの広がり長さを測定した。この時のはんだ広がりの長さが長いほど、はんだのぬれ性が高いことを示している。各水溶性プリフラックスの評価結果を表1に示す。
試験基板として、JIS 2形くし形基板を使用し、前記の通りの手法により防錆膜を形成させた物を使用した。
被膜を形成した試験基板を前記のリフロー条件で0〜3回加熱処理した後、ソルダーペースト(商品名:RMA−010NFP タムラ化研株式会社製)を開口巾
0.635mm、厚さ200μmのメタルマスクで1文字印刷を行い、リフロー加熱処理を行い、はんだの広がり長さを測定した。この時のはんだ広がりの長さが長いほど、はんだのぬれ性が高いことを示している。各水溶性プリフラックスの評価結果を表1に示す。
(はんだ広がり性試験2)
試験基板として、JIS 2形くし形基板を使用し、前記の通りの手法により防錆膜を形成させた物を使用した。
被膜を形成した試験基板を加湿劣化処理した後、前記のリフロー条件で0〜3回加熱処理した後、ソルダーペースト(商品名: RMA−010NFP タムラ化研株式会社製)を開口巾
0.635mm、厚さ200μmのメタルマスクで1文字印刷を行い、リフロー加熱処理を行いはんだの広がり長さを測定した。この時のはんだ広がりの長さが長いほど、はんだのぬれ性が高いことを示している。各水溶性プリフラックスの評価結果を表1に示す。
試験基板として、JIS 2形くし形基板を使用し、前記の通りの手法により防錆膜を形成させた物を使用した。
被膜を形成した試験基板を加湿劣化処理した後、前記のリフロー条件で0〜3回加熱処理した後、ソルダーペースト(商品名: RMA−010NFP タムラ化研株式会社製)を開口巾
0.635mm、厚さ200μmのメタルマスクで1文字印刷を行い、リフロー加熱処理を行いはんだの広がり長さを測定した。この時のはんだ広がりの長さが長いほど、はんだのぬれ性が高いことを示している。各水溶性プリフラックスの評価結果を表1に示す。
実施例1〜4においては、加熱劣化試験後(試験1)、加湿劣化および加熱劣化試験後(試験2)のいずれにおいても、比較例1〜3に比べて、はんだ広がり性が良好である。
(スルーホールはんだ上がり性試験1)
試験基板として、内径0.6〜1.0mmのスルーホール360穴を有する形基板を使用し、前記の通りの手法により防錆膜を形成させた物を使用した。被膜を形成した試験基板を前記のリフロー条件で0〜3回加熱処理した後、ポストフラックス(商品名:「CF−110VH−2A」タムラ化研株式会社製)を塗付し、フローはんだ付装置を使用してはんだ付処理を行い、スルーホール上部まではんだが上がったスルーホールの数の割合を測定した。各水溶性プリフラックスの評価結果を表2に示す。
試験基板として、内径0.6〜1.0mmのスルーホール360穴を有する形基板を使用し、前記の通りの手法により防錆膜を形成させた物を使用した。被膜を形成した試験基板を前記のリフロー条件で0〜3回加熱処理した後、ポストフラックス(商品名:「CF−110VH−2A」タムラ化研株式会社製)を塗付し、フローはんだ付装置を使用してはんだ付処理を行い、スルーホール上部まではんだが上がったスルーホールの数の割合を測定した。各水溶性プリフラックスの評価結果を表2に示す。
(スルーホールはんだ上がり性試験2)
試験基板として、内径0.6〜1.0mmのスルーホール360穴を有する形基板を使用し、前記の通りの手法により防錆膜を形成させた物を使用した。被膜を形成した試験基板を加湿劣化処理した後、前記のリフロー条件で0〜3回加熱処理した後、ポストフラックス(商品名:「CF−110VH−2A」タムラ化研株式会社製)を塗付し、フローはんだ付装置を使用してはんだ付処理を行い、スルーホール上部まではんだが上がったスルーホールの数の割合を測定した。各水溶性プリフラックスの評価結果を表2に示す。
試験基板として、内径0.6〜1.0mmのスルーホール360穴を有する形基板を使用し、前記の通りの手法により防錆膜を形成させた物を使用した。被膜を形成した試験基板を加湿劣化処理した後、前記のリフロー条件で0〜3回加熱処理した後、ポストフラックス(商品名:「CF−110VH−2A」タムラ化研株式会社製)を塗付し、フローはんだ付装置を使用してはんだ付処理を行い、スルーホール上部まではんだが上がったスルーホールの数の割合を測定した。各水溶性プリフラックスの評価結果を表2に示す。
実施例1〜4においては、加熱劣化試験後(試験1)、加湿劣化および加熱劣化試験後(試験2)のいずれにおいても、比較例1〜3に比べて、スルーホールはんだ上がり性が良好である。
(水溶性プリフラックス保存安定性試験)
調整した水溶性プリフラックスの水溶液を、0℃で保管し、有効成分の析出性を測定した。各水溶性プリフラックスの評価結果を表3に示す。
調整した水溶性プリフラックスの水溶液を、0℃で保管し、有効成分の析出性を測定した。各水溶性プリフラックスの評価結果を表3に示す。
実施例1〜4においては、保管後にも有効成分の析出が見られないが、比較例1、2ではイミダゾール化合物の結晶が析出した。
Claims (6)
- 一般式(I)、(II)および(III)からなる群より選ばれた一種以上のイミダゾール化合物と炭素数1〜4の水溶性有機酸とを必須成分とする水溶液からなることを特徴とする、表面処理剤。
- 前記イミダゾール化合物の含有量が0.01〜10重量%であることを特徴とする、請求項1記載の表面処理剤。
- 前記水溶性有機酸の含有量が1〜40重量%であることを特徴とする、請求項1または2記載の表面処理剤。
- 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の表面処理剤を塗布することによって形成された防錆膜を備えていることを特徴とする、プリント回路基板。
- 前記防錆膜によって被覆された金属膜を備えていることを特徴とする、請求項4記載のプリント回路基板。
- プリント回路基板の金属膜上に、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の表面処理剤を塗布することによって防錆膜を形成することを特徴とする、プリント回路基板の金属の表面処理方法。
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Legal Events
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