JPH11177218A - 電子回路用金属面具備部品及びその表面保護剤 - Google Patents

電子回路用金属面具備部品及びその表面保護剤

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JPH11177218A
JPH11177218A JP36234297A JP36234297A JPH11177218A JP H11177218 A JPH11177218 A JP H11177218A JP 36234297 A JP36234297 A JP 36234297A JP 36234297 A JP36234297 A JP 36234297A JP H11177218 A JPH11177218 A JP H11177218A
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JP
Japan
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group
acid
metal surface
formula
electronic circuit
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JP36234297A
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English (en)
Inventor
Takao Ono
隆生 大野
Shinichi Akaike
信一 赤池
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Tamura Kaken Corp
Original Assignee
Tamura Kaken Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】例えばプリント回路基板のリフロー時の高温に
も耐える耐酸化性、耐薬品性の金属保護膜をを形成する
こと。 【構成】ベンズイミダゾール環の1位の水素原子をアル
キル基、ベンジル基又はフェニル基で置換しかつベンゼ
ン環が無置換又は置換されており、かつベンズイミダゾ
ール環の2位にアルキル基、置換ベンジル基、フェニル
基等を有するベンズイミダゾール系化合物を含有する例
えばプリント回路基板用表面保護剤。その塗布膜を有す
るプリント回路基板等の電子回路用金属面具備部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント回路基板等の
電子回路用金属面具備部品の金属面を保護する表面保護
剤及びその塗膜を有するプリント回路基板等の電子回路
用金属面具備部品に関する。
【0002】
【従来の技術】電子回路用金属面具備部品としてのプリ
ント回路基板は、例えば銅張積層基板に回路配線のパタ
ーンを形成したものであって、その上にコンデンサや抵
抗体等の電子部品を搭載して一つの電気回路ユニットを
形成できるようにしたものである。このようなプリント
回路基板に電子部品を搭載するには、電子部品を回路配
線のパターンの所定個所にはんだ付けを行っているが、
そのはんだ付けを行うためには、リフローはんだ付けあ
るいは噴流によるはんだ付けガ行なわれている。リフロ
ーはんだ付けは、プリント回路基板の回路配線パターン
の所定の個所に両端に電極を有する、いわゆるチップ型
電子部品をはんだ付けするはんだ付けランドを設け、各
はんだ付けランドにソルダーペーストを塗布し、ついで
チップ型電子部品をその両端の電極がはんだ付けランド
に位置するように仮留めし、それから加熱し、ソルダー
ペースト膜のはんだ粉末を溶融してはんだ付けするもの
であり、他方、噴流によるはんだ付けは、電子部品の両
端の電極あるいはリードとはんだ付けランドあるいはこ
のリードを挿入したスルーホールに、プリント回路基板
全面にフラックスを塗布した後、噴出する溶融はんだを
供給してはんだ付けを行うものである。最近ではリフロ
ーはんだ付け方法を用いることが表面実装の小型化の利
点があることから多くなっており、その実装密度を高め
るために微小で軽量な例えば1005チップ(縦1m
m、横0.5mm)が多数使用され、これに応じて回路
配線パターンも精細になっている。
【0003】回路配線のパターンは、例えば基板上の銅
や銅合金の金属層のエッチングにより形成されている
が、その製造後のプリント回路基板の取り扱いは空気中
で行われており、上記のはんだ付けを行うまでの間にも
金属面は酸素や湿分等により錆易く、腐食することを避
けることができないのみならず、はんだ付け時には高温
に曝され、特にリフローはんだ付けを行うときにはその
温度が高くなり、金属面の酸化が進む。このような回路
配線のパターンの酸化が起こると、フラックスを塗布し
てはんだ付けを行っても溶融はんだが濡れ難く、パター
ンと電子部品の接合が不完全となり、いわゆるはんだ付
け不良を起こし易い。この金属面の酸化を防止し、上述
のはんだ付けを行うときのはんだ付け性を維持する目的
で、プリント回路基板の回路配線のパターンを含む全面
に塗布して使用するロジン系物質を含有する表面処理剤
や、金属面を選択的に防錆処理する水溶性のベンズイミ
ダゾール系化合物を含有する水性の表面処理剤が開発さ
れており、これらはいずれも上記のフラックスをいわゆ
るポストフラックスというのに対して、いわゆるプリフ
ラックスといわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ロジン系物質を使用した表面処理剤は、その組成物に有
機溶剤を多量に含有するため、その製造時、使用時等に
おける有機溶剤の空気中への揮発に伴って環境悪化を起
こし易く、また、火災を起こす危険、作業上の毒性に伴
う安全性にも問題があり、他方、後者のベンズイミダゾ
ール系化合物を使用する表面処理剤は銅と錯体を形成し
た塗膜を形成するが、はんだ付け時、特にリフローはん
だ付けを行う場合の高温に曝されたときに、その錯体が
空気中の酸素と銅の触媒作用により分解、変質して、ポ
ストフラックスの塗布ムラを生じたり、金属面の防錆機
能、防食機能を失うという、いわゆる金属面の耐酸化
性、耐薬品性という点からの耐熱性の点で問題がある。
このように金属面の耐熱性のある耐酸化性、耐薬品性が
損なわれ、防食機能が損なわれると、例えばフラックス
膜やソルダーペースト中に含有されるハロゲン化物等の
薬品や空気中、回路配線のパターン中に付着している水
分により金属面が腐食され、溶融はんだの濡れが悪くな
り、スルーホールに対する溶融はんだの上昇性が損なわ
れたり、はんだ付けランドに対する溶融はんだの濡れ拡
がり性が損なわれ、はんだ付け不良を起こし易くなる。
ベンズイミダゾール系化合物を使用する表面処理剤につ
いては、特開平5−25407号公報、特開平5−18
6888号公報、特開平5−186880号公報、特開
平5−345984号公報、特開平8−8516号公
報、米国特許第5,362,334号公報等に開示され
ているが、いずれも回路配線のパターンの金属露出面の
耐酸化性、耐薬品性についての特にリフロー時の耐熱性
が不十分であり、特にその精細度の高いパターンに対し
てはその改善が望まれている。これらの問題はプリント
回路基板に搭載する例えばチップ部品の電極、特に銅含
有電極についてもいえることである。
【0005】本発明の第1の目的は、例えばプリント回
路基板のような電子回路用金属面具備部品を空気中での
取扱時のみならず、はんだ付け時の高温、特にリフロー
はんだ付けを行う場合にも、その露出金属面の耐酸化
性、耐薬品性を維持できる耐熱性を有する電子回路用金
属面具備部品及びその表面保護剤を提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、通常の回路配線のパターン
に対してのみならず、精細度の高い回路配線のパターン
に対しても溶融はんだの濡れを促進し、はんだ付け不良
を減らすことができる電子回路用金属面具備部品及びそ
の表面保護剤を提供することにある。本発明の第3の目
的は、信頼性が高く、生産性がよいプリント回路基板及
びその表面保護剤を提供することにある。本発明の第4
の目的は、製造時、使用時に環境を悪化させたりするこ
とがなく、安全性に問題も少ないようにして製造できる
プリント回路基板及びその表面保護剤を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、下記一般式〔化1〕で表される
化合物又はその塩を含有する電子回路用金属面具備部品
の表面保護剤を提供するものである。
【化1】〔式中、Rは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基
又は下記一般式〔化2〕で表される基、(X1 )nのX
1 は同一又は異なりてハロゲン原子、アミノ基、ジ低級
アルキルアミノ基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、
シアノ基、アセチル基、ベンゾイル基、カルバモイル
基、ホルミル基、カルボキシル基、低級アルコキシカル
ボニル基又はニトロ基、Y1 は炭素数1〜20個の直鎖
又は分岐鎖のアルキル基又は下記一般式〔化3〕で表さ
れる基、nは0〜4の整数を表し、
【化2】(式中、pは0又は1を表す。)
【化3】(式中、Y2 は下記一般式〔化4〕で表される
基又はシクロヘキシル基を表し、mは0〜10の整数を
表す。)
【化4】(式中、(X2 )qのX2 は同一又は異なりて
ハロゲン原子、アミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒ
ドロキシ基、低級アルコキシ基、シアノ基、アセチル
基、ベンゾイル基、カルバモイル基、ホルミル基、カル
ボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基又
は炭素数1〜7個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、
qは0〜4の整数を表す。)〕また、本発明は、
(2)、上記(1)の一般式〔化1〕のRが水素原子で
ある化合物と上記一般式〔化1〕の化合物の混合物又は
その塩を含有する電子回路用金属面具備部品の表面保護
剤、(3)、上記(1)又は(2)の電子回路用金属面
具備部品の表面保護剤の塗布膜を有する電子回路用金属
面具備部品、(4)、電子回路用金属面具備部品が電子
部品搭載前又は電子部品搭載後のプリント回路基板であ
る上記(3)の電子回路用金属面具備部品を提供するも
のである。
【0007】上記〔化1〕で表される化合物は、RがH
(水素)である化合物のそのHをRで置換したその誘導
体であり、公知の置換反応により得られる。Rがアルキ
ル基である場合には、炭素数が1〜18のアルキル基、
すなわち炭素数1〜5の低級アルキル基、その他のアル
キル基が挙げられる。上記〔化1〕の化合物を得る際に
用いるRがHである具体的化合物としては、Y1 は炭素
数1〜20個の直鎖又は分岐鎖のアルキル基の場合に
は、次の化合物を挙げることができる。5,6−ジクロ
ロ−2−n−ヘキシルベンズイミダゾール、6−ジエチ
ルアミノ−2−n−デシルベンズイミダゾール、6−ヒ
ドロキシ−2−n−エイコサベンズイミダゾール、4,
7−ジシアノ−2−n−オクチルベンズイミダゾール、
6−ニトロ−2−エチルベンズイミダゾール、6−エト
キシ−2−イソプロピルベンズイミダゾール、6−アミ
ノ−2−イソオクチルベンズイミダゾール、4,6−ジ
アセチル−2−イソブチルベンズイミダゾール、4−ベ
ンゾイル−6−カルバモイル−2−n−プロピルベンズ
イミダゾール、4,7−ジメトキシカルボニル−2−n
−エイコサベンズイミダゾール、6−メトキシカルボニ
ル−2−イソプロピルベンズイミダゾール、4,5−ジ
メチル−7−アセチル−2−ヘキシルベンズイミダゾー
ル、4−クロロ−6−n−ヘプチル−7−メトキシ−2
−エチルベンズイミダゾール、4,6−ジフルオロ−5
−ホルミル−2−n−ノニルベンズイミダゾール、6−
カルバモイル−4,7−ジエトキシ−2−イソブチルベ
ンズイミダゾール等及びこれらの塩が挙げられる。
【0008】また、上記一般式〔化1〕に属し、Y1
上記一般式〔化3〕で表される基であって、Y2 が上記
一般式〔化4〕で表される基である場合の化合物を得る
際に用いるRがHである化合物としては、下記一般式
〔化5〕で表すことができる。
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R、X1 、X2 、n、m、qは上
記一般式〔化1〕、〔化3〕、〔化4〕と同じものを表
す。)その具体的化合物としては、4−クロロ−2−
(3−フェニルプロピル)ベンズイミダゾール、6−ジ
メチルアミノ−2−(9−フェニルノニル)ベンズイミ
ダゾール、4,7−ジヒドロキシ−2−ベンジルベンズ
イミダゾール、4−シアノ−2−(6−フェニルヘキシ
ル)ベンズイミダゾール、5,6−ジニトロ−2−ベン
ジルベンズイミダゾール、4,7−ジエトキシ−2−
(2−フェニルエチル)ベンズイミダゾール、6−アミ
ノ−2−(4−フェニルブチル)ベンズイミダゾール、
6−アセチル−2−ベンジルベンズイミダゾール、4−
ベンゾイル−2−(5−フェニルペンチル)ベンズイミ
ダゾール、6−カルバモイル−2−(7−フェニルヘプ
チル)ベンズイミダゾール、6−エトキシカルボニル−
2−ベンジルベンズイミダゾール、4,5,6−トリメ
トキシ−2−(2−フェニルエチル)ベンズイミダゾー
ル、5,6−ジメチル−7−ベンゾイル−2−(3−フ
ェニルプロピル)ベンズイミダゾール、4,5−ジクロ
ロ−6−n−ブチル−2−(9−フェニルノニル)ベン
ズイミダゾール、4−フルオロ−6−ホルミル−2−ベ
ンジルベンズイミダゾール、6−カルバモイル−5−エ
トキシ−2−(10−フェニルデシル)ベンズイミダゾ
ール、5,6−ジメチル−2−{(4−メトキシフェニ
ル)ブチル}ベンズイミダゾール、6−クロロ−2−
{(2−ニトロフェニル)エチル}ベンズイミダゾー
ル、6−カルボエトキシ−2−(3−ブロモベンジル)
ベンズイミダゾール、4−ヒドロキシ−2−{(4−シ
アノフェニル)プロピル}ベンズイミダゾール、6−ジ
メチルアミノ−2−{(4−ホルミルフェニル)プロピ
ル}ベンズイミダゾール、6−ベンゾイル−2−{(4
−tert−ブチルフェニル)エチル}ベンズイミダゾ
ール、2−{(2−アセチルフェニル)ペンチル}ベン
ズイミダゾール、6−カルバモイル−2−{(2,4−
ジヒドロキシフェニル)エチル}ベンズイミダゾール等
及びこれらの塩が挙げられる。
【0011】また、上記一般式〔化1〕に属し、Y1
上記一般式〔化3〕で表される基であって、Y2 がシク
ロヘキシル基である場合の化合物を得る際に用いるRが
Hであるとしては、下記一般式〔化6〕で表すことがで
きる。
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R、X1 、n、mは上記一般式
〔化1〕、〔化3〕と同じものを表すが、mは好ましく
は0〜6であり、(X1 )nは好ましくはX1 は同一又
は異なりて低級アルキル基又はハロゲン原子、nは0又
は2である。)この2−(シクロヘキシルアルキル)ベ
ンズイミダゾールの具体的化合物としては、2−シクロ
ヘキシルベンズイミダゾール、2−(シクロヘキシルメ
チル)ベンズイミダゾール、2−(2−シクロヘキシル
エチル)ベンズイミダゾール、2−(3−シクロヘキシ
ルプロピル)ベンズイミダゾール、2−(4−シクロヘ
キシルブチル)ベンズイミダゾール、2−(5−シクロ
ヘキシルペンチル)ベンズイミダゾール、2−(6−シ
クロヘキシルヘキシル)ベンズイミダゾール、2−シク
ロヘキシル−5−メチルベンズイミダゾール、2−(シ
クロヘキシルヘキシルメチル)−5−メチルベンズイミ
ダゾール、2−(3−シクロヘキシルプロピル)−5−
メチルベンズイミダゾール、2−(4−シクロヘキシル
ブチル)−5−ベンズイミダゾール、2−(5−シクロ
ヘキシルペンチル)−5−ベンズイミダゾール、2−
(6−シクロヘキシルヘキシル)−5−ベンズイミダゾ
ール、2−シクロヘキシル−5,6−ジメチルベンズイ
ミダゾール、2−(シクロヘキシルメチル)−5,6−
ジメチルベンズイミダゾール、2−(3−シクロヘキシ
ルプロピル)−5,6−ジメチルベンズイミダゾール、
2−(4−シクロヘキシルブチル)−5,6−ジメチル
ベンズイミダゾール、2−(5−シクロヘキシルペンチ
ル)−5,6−ジメチルベンズイミダゾール、2−(6
−シクロヘキシルヘキシル)−5,6−ジメチルベンズ
イミダゾール、2−シクロヘキシル−5−クロロベンズ
イミダゾール、2−(シクロヘキシルメチル)−5−ク
ロロベンズイミダゾール、2−(2−シクロヘキシルエ
チル)−5−クロロベンズイミダゾール、2−(3−シ
クロヘキシルプロピル)−5−クロロベンズイミダゾー
ル、2−(4−シクロヘキシルブチル)−5−クロロベ
ンズイミダゾール、2−(5−シクロヘキシルペンチ
ル)−5−クロロベンズイミダゾール、2−(6−シク
ロヘキシルヘキシル)−5−クロロベンズイミダゾール
等及びこれらの塩が挙げられる。これらの化合物は特開
平5−345984号公報に記載されており、同公報に
その合成法も記載されている。
【0014】上記の一般式〔化1〕等の一般式に属する
化合物、これらに属する上記の化合物から誘導される具
体的化合物は単独又は複数混合して用いることができる
のみならず、それぞれの場合においてこれらのRが水素
原子である場合の一般式に属する化合物、上記具体的化
合物の単数又は複数と併用することもできる。
【0015】本発明の表面保護剤は、上記一般式〔化
1〕等で示される、いわゆるベンズイミダゾール系化合
物を溶媒に溶解あるいは乳化させた状態の処理液として
使用することが挙げられるが、これに限らない。処理液
とする場合は、その溶媒としては水あるいは水に混ざる
溶剤さらにはこれらの混合物が挙げられる。その際、本
発明に係わるベンズイミダゾール系化合物は、一般に水
に不溶性であるので、有機酸及び無機酸の少なくとも1
種により塩を形成をすると使用し易くなり好ましい。こ
の場合の酸としては、ギ酸、酢酸、カプリン酸、プロピ
オン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、クロロ酢酸、ジク
ロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸、ジブロモ酢
酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢
酸、パラニトロ安息香酸、ジメチル酢酸、ジエチル酢
酸、イソブタン酸、ブタン酸、ピクリン酸、アクリル
酸、オレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジ
ピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フ
マール酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸
等の有機酸、塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン
酸、硝酸等の無機酸が用いられ、これら酸は併用するこ
ともできる。これらの酸は水に対して0.01〜50
%、好ましくは0.1〜30%添加する。また、水に混
ざる溶剤としては、水に任意に混合する溶剤、水に溶解
性の大きい溶剤が挙げられるが、例えばメタノール、エ
タノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、
メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミド等
が挙げられ、これらは1種又は2種以上用いられる。本
発明の表面保護剤を処理液として使用する場合には、本
発明に係わる上記ベンズイミダゾール系化合物の含有量
は、0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜5重量
%が良く、0.05重量%未満では有効な耐熱性のある
耐酸化膜、耐薬品性膜が形成されないことがあり、30
重量%を越えると不溶解分が多くなり易く、経済的でも
ない。
【0016】本発明の表面保護剤には、さらに銅との錯
体被膜形成助剤として例えばギ酸銅、塩化第一銅、塩化
第二銅、シュウ酸銅、酢酸銅、水酸化銅、酸化銅、酸化
第一銅、酸化第二銅、炭酸銅、リン酸銅、硫酸銅、ギ酸
銅、ギ酸マンガン、塩化マンガン、シュウ酸マンガン、
硫酸マンガン、リチウム、ベリリウム、カリウム、マグ
ネシウム、酢酸亜鉛、酢酸鉛、水素化亜鉛、塩化第一
鉄、塩化第二鉄、酸化第一鉄、酸化第二鉄、ヨウ化銅、
臭化第一銅、臭化第二銅等の金属化合物を添加すること
が好ましく、これらは1種又は2種以上用いられる。上
記の処理液に対する添加量としては0.01〜10%、
好ましくは0.1〜5%である。また、上記金属化合物
を使用した金属イオンを含有する緩衝液を併用すること
も好ましく、そのための代表的塩基としてアンモニア、
ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジ
メチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、
イソプロピルエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等が挙げられる。また、耐熱性に優れた安
定した耐酸化性膜、耐薬品性膜を得るには、さらにプロ
ピオン酸、吉草酸、カプロン酸、ブタン酸、イソブタン
酸、イソバレリル酸、ジメチル酢酸、ジエチル酢酸、ベ
ンゼンカルボン酸、p−tert−ブチル安息香酸、シ
クロヘキサンカルボン酸、p−トルイル酸メチル、シク
ロペンチル酢酸等のカルボン酸を処理液に0.01〜2
0%、好ましくは0.1〜3%添加しても良い。
【0017】また、ハロゲン化芳香族カルボン酸、ハロ
ゲン化脂肪酸を同様の目的に用いても良く、前者として
は具体的には3−ブロモ−4メチル安息香酸、4−(ブ
ロモメチル)フェニル酢酸、α−ブロモフェニル酢酸、
α−ブロモテトラデカン酸、2−ブロモフェニル酢酸、
3−ブロモフェニル酢酸、4−ブロモフェニル酢酸等で
あり、処理液に対して0.01〜20%、好ましくは
0.1〜5%である。また、後者としては、ブロモ酢
酸、3−ブロモ−2−(ブロモメチル)プロピオン酸、
2−ブロモブタン酸、4−ブロモブタン酸、2−ブロモ
ヘキサンデカン酸、2−ブロモヘキサン酸、2−ブロモ
−3−メチルブタン酸、2−ブロモ−2−メチルプロピ
オン酸、2−ブロモオクタン酸、8−ブロモオクタン
酸、2−ブロモプロピオン酸、3−ブロモプロピオン
酸、2−ブロモペンタン酸、5−ブロモペンタン酸、ク
ロロ酢酸、クロロ酪酸、クロロプロピオン酸等であり、
処理液に対して0.01〜20%、好ましくは0.1〜
5%である。
【0018】これらのことから、上記一般式〔化1〕等
で表される化合物からなる群の少なくとも1つの化合物
又はその塩を含有する処理液、その他の表面保護剤は、
上記有機酸及び無機酸の少なくとも1種、上記金属化合
物の少なくとも1種を含有し、さらに上記カルボン酸の
少なくとも1種を添加することも好ましい。また、上記
一般式〔化1〕等で表される化合物からなる群の少なく
とも1つの化合物又はその塩を含有する処理液、その他
の表面保護剤は、有機酸及び無機酸の少なくとも1種、
上記金属化合物の少なくとも1種を含有し、さらにハロ
ゲン化芳香族カルボン酸及びハロゲン化脂肪酸の少なく
とも1種を添加することも好ましい。本発明に係わる耐
熱性のある耐酸化膜、耐薬品性膜をプリント回路基板に
形成させるには、一般的なプリフラックス膜形成方法に
準じて、プリント回路基板の回路配線のパターンの露出
部分を機械又は化学研磨によって仕上げた後、本発明の
表面処理剤を塗布する。その具体的工程は、例えば次の
ようなものである。金属層を表面に有する基板にスルー
ホールの穴をあけ、そのメッキをしてから金属面に回路
配線のパターンを形成し、ついでソルダーレジスト組成
物を塗布してその膜を形成し、その後個々の用途に合わ
せた外形加工を行って、はんだ付けランドやスルーホー
ルの金属面が露出したプリント回路基板を得る。そし
て、このプリント回路基板を濃度が20g/lの過硫酸
ソーダ水溶液に、30℃で20〜30秒浸漬する、いわ
ゆるソフトエッチング処理を行って、水洗し、さらに例
えば塩酸3%水溶液に20秒浸漬する酸洗を行い、再度
水洗を順次行ない、その後に表面保護剤を塗布する。そ
の塗布は、表面保護剤として処理液を使用する場合に
は、その処理液に0〜100℃で数秒から数十分、好ま
しくは10〜50℃、より好ましくは40〜50℃で5
秒〜1時間、好ましくは10秒〜10分間を浸漬する。
その処理液は酸性であれば良いが、好ましくはpH5.
0以下である。なお、他の塗布方法、例えば噴霧法、刷
毛塗り、ローラー塗り等でも良い。このようにして本発
明に係わるベンズイミダゾール系化合物は回路配線のパ
ターンの銅メッキ層等の金属面に付着するが、その付着
量は処理温度を高く、処理時間を長くする程多くなる。
超音波を利用すると尚良い。このようにして得られた耐
酸化膜はアルカリ性液に対して侵されず、安定である
が、酸溶液には溶解することがある。また、リフローは
んだ付け時の高温や、高湿下でも半田付け性が極めて良
好である。この金属面に付着した本発明に係わるベンズ
イミダゾール系化合物の膜を化学的に安定化し、耐酸化
性、耐薬品性を高めるには上記銅、亜鉛等の金属イオン
を含む緩衝液に浸漬処理することが好ましいが、その金
属イオン濃度としては数ppm以上、好ましくは50p
pm〜150ppm、その溶液のpHは5.0〜6.
5、その浸漬は0〜100℃で数秒から数十分、好まし
くは30〜50℃で1〜3分行なう。
【0019】
【発明の実施の形態】図示を省略したが、回路配線のパ
ターンのはんだ付けランドを少なくとも有し、その他ス
ルーホールを有してもよいプリント回路基板において、
これら及び例えば金メッキした端子の部分を除いてソル
ダーレジスト膜で被覆したプリント回路基板の端子を除
く露出金属面の酸化膜を除去するソフトエッチング処理
をした後、水洗し、金属面を清浄にしてから、本発明の
表面保護剤を塗布する。その表面保護剤としては、上記
一般式〔化1〕のRが炭素数1〜18までの直鎖若しく
は分岐鎖のアルキル基、ベンジル基(一般式〔化2〕の
pが1)、nが1でX1 が塩素原子、ヒドロキシ基、Y
1 がベンゼン環に塩素原子を1個又は2個有する(ジ)
クロロベンジル基(一般式〔化3〕のmが1、Y2 が一
般式〔化4〕、qが1又は2(置換フェニル基)、X2
が塩素原子)、炭素数7、8の直鎖若しくは分岐鎖のア
ルキル基、フェニル基(一般式〔化3〕のmが0、Y2
が一般式〔化4〕、qが0(フェニル基))から選択さ
れたベンズイミダゾール系化合物(Y2 が一般式〔化
4〕である場合は一般式〔化5〕の化合物)の少なくと
も1種、又はこれらの少なくとも1種とこれらのRがH
である対応する化合物の少なくとも1種との混合物を酢
酸に溶解し、酢酸銅、アンモニア水及び水を加えた配合
物を処理液とする。その際濃度は、ベンズイミダゾール
系化合物を0.1〜0.5重量部、酢酸10〜40重量
部、酢酸銅0.1〜3重量部、28%アンモニア水5〜
20重量部及び水40〜70重量部が好ましい。この処
理液を上記の金属面を清浄にしたプリント回路基板の金
属面に浸漬等により塗布し、乾燥して塗布膜を形成する
が、その液温は40〜50℃、浸漬時間は30秒〜2分
が好ましい。このようにして、はんが付けランドやスル
ーホールの金属面には表面保護膜が形成されるが、本発
明に係わるベンズイミダゾール系化合物は銅と安定なキ
レート化合物を形成するので、銅表面に強固に結合した
膜が形成され、この膜は金属イオンを含む緩衝液で処理
することによりその物理的強度が著しく向上し、また、
このキレート化合物は銅表面に単分子膜を形成し、その
膜にさらにキレート単分子膜が順次成長し、一方ベンズ
イミダゾール系化合物はY1 からなる側鎖のみならず、
Rの側鎖が共にファンデルワールス力により結合し、強
固な膜が形成されるものと考えられる。また、金属イオ
ンを含む緩衝液による処理により膜中への金属イオンの
移動が起こり、キレートの安定化が図られると考えられ
る。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例1 (a)表面保護剤としての処理液の調製 酢酸30gに1−プロピル−2−(4−クロロベンジ
ル)ベンズイミダゾール0.5gを溶解する。ついで、
イオン交換水64.4g、酢酸銅0.1g、28%アン
モニア水5gを順次加えて攪拌混合し、処理液とする。 (b)試験用プリント回路基板 スルーホールのはんだ濡れ性を試験するための基板 縦50mm、横50mm、厚さ1.6mmのガラスエポ
キシ基板に内径1.0mm、0.8mm、0.6mmの
各スルーホールをそれぞれ60個形成し、内面を銅メッ
キした基板を使用する。 ソルダーペーストのはんだ濡れ拡がり性を試験する
ための基板 JIS 2型 くし型基板(縦30mm、横30mm、
厚さ1.6mmのガラスエポキシ基板であって、銅箔か
らなる導体幅0.318mm、導体間隔0.318m
m、重ね代15.75mm、くし歯が2個のもの)を使
用する。 (c)表面保護剤の塗布 上記(b)の、のそれぞれの基板をソフトエッチン
グ及び水洗し、銅表面を清浄にした基板を試験片とし、
それぞれの試験片を40℃に加温した上記(a)の処理
液に1分間浸漬した。
【0021】(d)はんだ付け性の評価 スルーホールのはんだ濡れ性 上記(c)で浸漬処理したの試験片をエアーリフロー
炉(リフローはんだ付けに用いる熱風加熱炉)に、20
0℃、1分間通し、通常の金属面が酸化され易い状態に
した後、噴流式自動はんだ付け装置を用い、ポストフラ
ックス(ロジン系物質20%、アミンのハロゲン化物
0.1%の水溶液)を塗布し、噴流する溶融はんだに接
触させてはんだ付けを行った。スルーホール上端までは
んだが付着しているものを良品とし、一枚の試験片の各
内径3種それぞれ60個のスルーホールの合計180個
のうちの良品の割合を百分率(スルーホールはんだ濡れ
上がり率)で表し、その結果を表1に示す。また、試験
片をエアーリフロー炉に通すことを2回、3回繰り返し
たこと以外は上記と同様にして試験を行ない、上記と同
様にして求めた「スルーホールはんだ濡れ上がり率」を
表1に示す。 ソルダーペーストのはんだ濡れ拡がり性 上記(b)のの試験片を用いたこと以外は上記と同
様にしてエアーリフロー炉で1回、2回加熱処理したそ
れぞれの試験片とその加熱処理を行わなかった試験片
に、横幅0.6mmの孔のメタルマスクを使用して、く
し歯の導体に直交するようにソルダーペースト(はんだ
粉末90%、フラックスビヒクル分10%)を印刷(一
文字印刷)し、上記のエアーリフロー炉に通常のはんだ
付け条件下(最高温度240℃)に通してリフローはん
だ付けを行った。それぞれの試験片について、導体上に
濡れ拡がったはんだの長さ(当初のソルダーペースト膜
(はんだ金属分としての印刷幅は1mm)の幅の何倍か
の値)(「ソルダーペーストはんだ濡れ拡がり(m
m)」)を測定し、その2つの導体についての平均値を
求め、その結果を表1に示す。
【0022】実施例2 酢酸20gに1−メチル−2−(4−クロロベンジル)
ベンズイミダゾール0.5gを溶解し、ついで、イオン
交換水74.4g、酢酸銅0.1g、28%アンモニア
水5gを順次加えて攪拌混合し、処理液とし、この処理
液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験を行
い、その結果を表1に示す。
【0023】実施例3 酢酸30gに1−オクチル−2−(4−クロロベンジ
ル)ベンズイミダゾール0.5gを溶解し、ついで、イ
オン交換水64.4g、酢酸銅0.1g、28%アンモ
ニア水5gを順次加えて攪拌混合し、処理液とし、この
処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験を
行い、その結果を表1に示す。
【0024】実施例4 酢酸30gに1−オクタデシル−2−(4−クロロベン
ジル)ベンズイミダゾール0.3gを溶解し、ついで、
イオン交換水64.6g、酢酸銅0.1g、28%アン
モニア水5gを順次加えて攪拌混合し、処理液とし、こ
の処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験
を行い、その結果を表1に示す。
【0025】実施例5 酢酸30gに1−(1−エチルペンチル)−2−(4−
クロロベンジル)ベンズイミダゾール0.5gを溶解
し、ついで、イオン交換水64.4g、酢酸銅0.1
g、28%アンモニア水5gを順次加えて攪拌混合し、
処理液とし、この処理液を用いたこと以外は実施例1と
同様にして試験を行い、その結果を表1に示す。
【0026】実施例6 酢酸30gに1−ベンジル−2−(4−クロロベンジ
ル)ベンズイミダゾール0.3gを溶解し、ついで、イ
オン交換水64.6g、酢酸銅0.1g、28%アンモ
ニア水5gを順次加えて攪拌混合し、処理液とし、この
処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験を
行い、その結果を表1に示す。
【0027】実施例7 酢酸20gに1−エチル−2−オクチルベンズイミダゾ
ール0.5gを溶解し、ついで、イオン交換水74.4
g、酢酸銅0.1g、28%アンモニア水5gを順次加
えて攪拌混合し、処理液とし、この処理液を用いたこと
以外は実施例1と同様にして試験を行い、その結果を表
1に示す。
【0028】実施例8 酢酸30gに1−エチル−2−(1−エチルペンチル)
ベンズイミダゾール0.5gを溶解し、ついで、イオン
交換水64.4g、酢酸銅0.1g、28%アンモニア
水5gを順次加えて攪拌混合し、処理液とし、この処理
液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験を行
い、その結果を表1に示す。
【0029】実施例9 酢酸30gに1−プロピル−6−クロロ−2−フェニル
ベンズイミダゾール0.5gを溶解し、ついで、イオン
交換水64.4g、酢酸銅0.1g、28%アンモニア
水5gを順次加えて攪拌混合し、処理液とし、この処理
液を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験を行
い、その結果を表1に示す。
【0030】実施例10 酢酸30gに1−エチル−6−ヒドロキシ−2−(3,
4−ジクロロベンジル)ベンズイミダゾール0.3gを
溶解し、ついで、イオン交換水64.6g、酢酸銅0.
1g、28%アンモニア水5gを順次加えて攪拌混合
し、処理液とし、この処理液を用いたこと以外は実施例
1と同様にして試験を行い、その結果を表1に示す。
【0031】実施例11 酢酸30gに1−プロピル−2−(4−クロロベンジ
ル)ベンズイミダゾール0.1gと2−(4−クロロベ
ンジル)ベンズイミダゾール0.2gを溶解し、つい
で、イオン交換水64.6g、酢酸銅0.1g、28%
アンモニア水5gを順次加えて攪拌混合し、処理液と
し、この処理液を用いたこと以外は実施例1と同様にし
て試験を行い、その結果を表1に示す。
【0032】実施例12 酢酸30gに1−エチル−2−オクチルベンズイミダゾ
ール0.1gと2−(1−エチルペンチル)ベンズイミ
ダゾール0.2gを溶解し、ついで、イオン交換水6
4.6g、酢酸銅0.1g、28%アンモニア水5gを
順次加えて攪拌混合し、処理液とし、この処理液を用い
たこと以外は実施例1と同様にして試験を行い、その結
果を表1に示す。
【0033】比較例1 酢酸20gに2−(4−クロロベンジル)ベンズイミダ
ゾール0.5gを溶解し、ついで、イオン交換水74.
4g、酢酸銅0.1g、28%アンモニア水5gを順次
加えて攪拌混合し、処理液とし、この処理液を用いたこ
と以外は実施例1と同様にして試験を行い、その結果を
表2に示す。
【0034】比較例2 酢酸20gに2−オクチルベンズイミダゾール0.5g
を溶解し、ついで、イオン交換水74.4g、酢酸銅
0.1g、28%アンモニア水5gを順次加えて攪拌混
合し、処理液とし、この処理液を用いたこと以外は実施
例1と同様にして試験を行い、その結果を表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1の結果から、実施例のものは「スルー
ホールの濡れ上がり率」が加熱1回では低下がなく、加
熱2回では2〜7%、加熱3回では5〜20%低下する
に過ぎないのに対し、比較例のものは加熱1回で5〜1
0%、加熱2回では20〜30%、加熱3回では50〜
60%低下し、その改善率は少なくとも2倍(加熱3回
の実施例の20%は比較例の50%の2.5倍優れ、他
のものは加熱回数が同じものの比較ではこれより大き
い)であるということができる。また、「ソルダーペー
ストハンダ濡れ拡がり」では、加熱しない場合では、前
者は後者の少なくとも2倍優れ、加熱を1回、2回にし
てもそれぞれ少なくとも3倍、2倍優れることが分か
る。本発明は、「上記一般式〔化1〕で示される化合物
を含有する表面処理剤を用いて電子回路用金属面具備部
品の表面処理をする表面保護電子回路用金属面具備部品
の製造方法。」としてもよく、これに上記の(2)の発
明の限定、その他組成物の成分、処理条件、改善率のレ
ベルの限定を加えてもよい。上記において、電子回路用
金属面具備部品をプリント回路基板としてもよく、金属
を銅を含有する金属、又は銅若しくは銅合金としてもよ
い。なお、銅を含有しない金属でも上記したように銅イ
オンを含有させることができ、その他の助剤を添加する
こともできる。また、上記において、「表面保護剤」は
「水溶性表面保護剤」としてもよく、電子回路用金属面
具備部品としては、プリント回路基板、チップ部品等が
挙げられる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、電子回路用金属面具備
部品として例えばプリント回路基板やチップ部品を空気
中における取扱時のみならず、はんだ付け時の高温、特
にリフローはんだ付けを行う場合にも、回路配線のパタ
ーンや電極の露出金属面の耐酸化性、耐薬品性を維持で
きる耐熱性を有し、通常の回路配線のパターンに対して
のみならず、精細度の高い回路配線のパターンに対して
も溶融はんだの濡れを促進し、はんだ付け不良を減らす
ことができるプリント回路基板やチップ部品のような電
子回路用金属面具備部品及びその表面処理剤を提供する
ことができ、信頼性が高く、生産性がよいプリント回路
基板及びその表面処理剤を提供することができ、しかも
表面処理剤の製造時、使用時に環境を悪化させたりする
ことがなく、安全性についての問題もなく製造できるプ
リント回路基板及びその表面処理剤を提供することがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔化1〕で表される化合物又
    はその塩を含有する電子回路用金属面具備部品の表面保
    護剤。 【化1】 〔式中、Rは直鎖又は分岐鎖のアルキル基、下記一般式
    〔化2〕で表される基、(X1 )nのX1 は同一又は異
    なりてハロゲン原子、アミノ基、ジ低級アルキルアミノ
    基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、シアノ基、アセ
    チル基、ベンゾイル基、カルバモイル基、ホルミル基、
    カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基又はニト
    ロ基、Y1 は炭素数1〜20個の直鎖又は分岐鎖のアル
    キル基又は下記一般式〔化3〕で表される基、nは0〜
    4の整数を表し、 【化2】 (式中、pは0又は1を表す。) 【化3】 (式中、Y2 は下記一般式〔化4〕で表される基又はシ
    クロヘキシル基を表し、mは0〜10の整数を表す。) 【化4】 (式中、(X2 )qのX2 は同一又は異なりてハロゲン
    原子、アミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
    基、低級アルコキシ基、シアノ基、アセチル基、ベンゾ
    イル基、カルバモイル基、ホルミル基、カルボキシル
    基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基又は炭素数
    1〜7個の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、qは0〜
    4の整数を表す。)〕
  2. 【請求項2】 請求項1の一般式〔化1〕のRが水素原
    子である化合物と請求項1の一般式〔化1〕の化合物の
    混合物又はその塩を含有する電子回路用金属面具備部品
    の表面保護剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電子回路用金属
    面具備部品の表面保護剤の塗布膜を有する電子回路用金
    属面具備部品。
  4. 【請求項4】 電子回路用金属面具備部品が電子部品搭
    載前又は電子部品搭載後のプリント回路基板である請求
    項3記載の電子回路用金属面具備部品。
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