JP2005060494A - 酸素吸収性樹脂組成物及び酸素吸収性包装材料 - Google Patents

酸素吸収性樹脂組成物及び酸素吸収性包装材料 Download PDF

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Yoshihiro Kobayashi
義浩 小林
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義浩 重森
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卓也 石野
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Abstract

【課題】 着火性・燃焼性が強い一方で、吸湿性が極めて強い金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を、特殊な環境・機器を必要とすることなく、安全かつ経済的にオレフィン樹脂へ混練・分散させることができる方法を提供する。
【解決手段】 金属鉄粉末とアルカリ(土類)金属ハロゲン化物粉末を不活性雰囲気下に混合調製した金属鉄粉末系酸素吸収性組成物に、該組成物を不活性雰囲気から取り出すことなくポリオレフィン樹脂粉末を加えて激しく均一混合することにより、粉末樹脂表面に金属鉄粉末系酸素吸収性組成物が固着されており、吸湿や凝集が大幅に低減された粉末状酸素吸収性樹脂組成物を得ることができる。該酸素吸収性樹脂組成物は、溶融混練押出し成形物を短時間水と接触させ、直ちに付着水を除去する方法で冷却した後切断することにより、酸素吸収性能が高い粒状の酸素吸収性樹脂組成物とすることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食品、医薬品その他の酸素により経時的に劣化する包装内容物品質を長期間維持する目的で用いられている酸素吸収性包装材料、その中間原料となる酸素吸収性樹脂粒状混練組成物及びそれらの製造方法、さらには中間原料製造過程で調製されるポリオレフィン樹脂粉末と酸素吸収性組成物の混合物(以下、粉末状酸素吸収性樹脂組成物という)に関する。
酸素吸収性包装は、食品,医薬品,化学品,精密機械部品その他の空気中酸素により経時的に劣化する製品を包装し、包装内容物品質を長期間維持する目的で近年多くの分野で利用されている。酸素吸収性包装としては、酸素吸収機能を有する小袋を密封包装袋中に同封する方法が広く用いられてきたが、最近、包装材料の構成材料として酸素吸収性樹脂組成物を用いることにより包装材料自体に酸素吸収機能を持たせることによって、前記酸素吸収性小袋の同封なしに包装内容物を保護しうる包装材料が用いられるようになってきた。
このような酸素吸収性包装材料の原料となる酸素吸収性樹脂組成物は、包装材料に一般的に用いられる熱可塑性樹脂に酸素吸収性能を有する組成物を配合したものであり、酸素吸収性能を有する組成物としては、金属鉄粉末を酸素吸収主剤とし、反応促進剤としてアルカリ金属のハロゲン化物及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物を配合した酸素吸収剤組成物が、経済性、安全性の面から酸素吸収性包装材料の構成材料として用いられてきた。
金属鉄粉末を酸素吸収主剤とし、反応促進剤としてアルカリ金属のハロゲン化物及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物を配合した酸素吸収剤組成物は、酸素吸収主剤の鉄粉末は粒径が小さく表面積が大きいほど酸素吸収性能が高くて好ましく、反応促進剤は水分吸収を引き金として反応を促進することから、吸湿性の大きいアルカリ土類金属のハロゲン化物が好ましく用いられてきた。
しかしながら、微細な鉄粉末と高吸湿性のアルカリ土類金属のハロゲン化物を組み合わせた酸素吸収剤組成物は極めて反応性が高く、空気中の水分を吸収すると同時に空気中の酸素と反応して急速に酸化劣化が進行し酸素吸収性能が経時的に劣化することや、極端な場合は自然発火して火災の原因となるなど安全上の問題が指摘されてきた。
そのために、酸素吸収主剤の金属鉄粉末粒径を大きくすること、あるいは反応促進剤の種類及び添加量を制限して反応性を抑えるなど、酸素吸収性能を低めに抑える方法が通常選ばれてきた。しかしながら、酸素吸収剤組成物の酸素吸収性能を低めに抑えると、熱可塑性樹脂に配合して得られる酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収性能は更に低く抑えられることなり、結果として酸素吸収性包装材料の酸素吸収性能も低く抑えられることとなる問題があった。
また、該酸素吸収主剤の金属鉄粉末の粒径を微細化するほど、大気と接触の際に湿度の影響を受けて凝集塊を形成し、樹脂内に均一分散させることは極めて困難となり、溶融樹脂と共に高剪断下で長時間の混練が必要となり、溶融樹脂の物性を低下させる点、あるいは特殊かつ過大な設備が必要となる点が課題であった。
該酸素吸収剤組成物の調製方法としては、特開昭54−35883号公報あるいは特開昭54−99092号公報に開示された湿式法や特開昭60−20986号公報あるいは特開昭60−129137号公報に開示された乾式法が提案されているが、これらの方法は酸素吸収性剤組成物の調製法に止まり、該酸素吸収剤組成物を熱可塑性樹脂に配合してなる酸素吸収性樹脂組成物の調製方法については言及していない。特公昭60−4778公報に開示された活性酸化鉄含有樹脂コート層を用いた包装材料の提案においてはポリエステル,ナイロンなどの熱可塑性樹脂を有機溶剤に溶解したインキ組成物に活性酸化鉄を分散せしめる方法を開示しているが、本発明の該酸素吸収性剤組成物とは組成・調製方法共に全く異なる構成である。
後記特許文献1〜特許文献6に開示された酸素吸収性樹脂組成物は本発明の該酸素吸収性剤組成物と組成面で共通な部分もあるが、その調製方法に特段の記載がなく、通常想定される熱可塑性樹脂と鉄粉系酸素吸収性組成物との混練方法を採用したものと思量され、酸素吸収性組成成分の熱可塑性樹脂への分散性の確保や該酸素吸収性樹脂組成物の調製工程における作業上の危険を回避する等の工夫は記載されていない。
特許文献7には分散性の劣る鉄粉系酸素吸収性組成物/熱可塑性樹脂の組み合わせにおいて、熱可塑性樹脂として極性基を有する酸価が15〜40の無水マレイン酸変性ポリオレフィンを3〜30重量%ポリオレフィン系可塑性樹脂に含有させることによって分散性の向上を図る発明が記載されているが、分散性の向上のみが期待できるに過ぎない。
特許文献8及び特許文献9には、熱可塑性樹脂粉末と酸素吸収剤組成物を予め混合後、成形加工する酸素吸収性成形品あるいはシートに関する発明があり、予め混合することにより、酸素吸収剤組成物の樹脂への分散性向上が記載されているが、実施の態様についての具体的記載がなく、本発明とは異なるものである。
特許文献10には、酸素吸収剤組成物と熱可塑性樹脂との混合組成物を調製するにあたって、該熱可塑性樹脂と同種樹脂の平均粒径が0.01乃至50μの微細樹脂粉末を予め混合する方法が提案されているが、具体的な混合方法の記載がなく、本発明とは異なるものである。
特公昭61−41544号公報 特許2782727号公報 特許3166817号公報 特許3362756号公報 特開平11−80555号公報 特開2000−273328号公報 特開2001−354817号公報 特開平08−118383号公報 特開平09−249752号公報 特開2002−126508号公報
本発明は、酸素吸収性能の高い酸素吸収性包装材料を経済的かつ安全に製造しうる製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、酸素吸収性能の高い酸素吸収性包装材料の製造原料となる、金属鉄粉末を酸素吸収剤主剤としてポリオレフィン樹脂に分散させた酸素吸収性樹脂組成物の製造において、金属鉄粉末と反応促進剤とを不活性雰囲気中で混合して金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を調製した後に、該金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を不活性雰囲気から取り出すことなしにポリオレフィン樹脂粉末を不活性雰囲気中に加えて激しく均一混合するという方法によって、得られる酸素吸収性樹脂組成物の吸湿性と自然発火性ないしは燃焼継続性が著しく軽減されると同時に、金属鉄粉末系酸素吸収性組成物の吸湿や組成物自体の性質に起因する酸素吸収性組成物の凝集が大幅に低減されるために、金属鉄粉末系酸素吸収性組成物が該樹脂中に均一に分散されている酸素吸収性能の高い酸素吸収性樹脂組成物を安全かつ経済的に製造できることを見出した。
また、金属鉄粉末系酸素吸収性組成物とポリオレフィン樹脂粉末から形成されている粉末状酸素吸収性樹脂組成物を加熱溶融・混練押出しするに当たって、押出して得られる紐状の成形物を短時間冷却水に接触させた後、紐状の成形物の蓄熱を利用して表面の付着水を瞬時にもしくは短時間で除去し、切断する方法によって効率的に酸素吸収性樹脂組成物ペレットが製造できることを見出し、本発明に至った。本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)少なくとも酸素吸収剤主剤としての金属鉄粉末と反応促進剤としてのアルカリ金属ハロゲン化物及び/又はアルカリ土類金属ハロゲン化物の粉末を不活性雰囲気下に均一混合して調製されている金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を、不活性雰囲気下にポリオレフィン樹脂粉末表面に固着してなる粉末状酸素吸収性樹脂組成物。
(2)前記ポリオレフィン樹脂粉末の平均粒径が70〜2000μmであって、その配合量は、前記金属鉄粉末系酸素吸収性組成物中の金属鉄粉末100質量部に対し50〜300質量部である(1)項記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物。
(3)前記ポリオレフィン樹脂粉末は、ポリエチレン樹脂粉末、ポリプロピレン樹脂粉末、エチレン含量が70%以上であるポリエチレン共重合体樹脂粉末、プロピレン含量が70%以上であるポリプロピレン共重合体樹脂粉末から選ばれる樹脂粉末である(1)項又は(2)項に記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物。
(4)少なくとも酸素吸収剤主剤としての金属鉄粉末と反応促進剤としてのアルカリ金属ハロゲン化物及び/又はアルカリ土類金属ハロゲン化物の粉末を不活性雰囲気下に均一混合して金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を調製する工程、該不活性雰囲気下の該金属鉄粉末系酸素吸収性組成物に、該組成物中の金属鉄粉末100質量部に対し、平均粒径が70〜2000μmのポリオレフィン樹脂粉末50〜300質量部を加えて不活性雰囲気を維持しつつ混合して該樹脂粉末表面に該金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を固着させる工程よりなる粉末状酸素吸収性樹脂組成物の製造方法。
(5)前記ポリオレフィン樹脂粉末がポリエチレン樹脂粉末、ポリプロピレン樹脂粉末、エチレン含量が70%以上であるポリエチレン共重合体樹脂粉末、プロピレン含量が70%以上であるポリプロピレン共重合体樹脂粉末から選ばれる樹脂粉末である(4)項記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物の製造方法。
(6)前記不活性雰囲気下に金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を調製する工程、及び該不活性雰囲気下にポリオレフィン樹脂粉末表面に該金属鉄粉末系酸素吸収性組成物が固着させる工程が、窒素ガスで内部雰囲気を置換した振動ボールミルを用いて、原料粉末混合物に激しい衝撃力と圧力を加えつつ均一混合する工程である(4)項又は(5)項に記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物の製造方法。
(7)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載された粉末状酸素吸収性樹脂組成物を紐状に溶融混練押出成形し、急冷し、切断してなる酸素吸収性樹脂粒状混練組成物。
(8)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載された粉末状酸素吸収性樹脂組成物又は前記(7)項に記載された酸素吸収性樹脂粒状混練組成物を、該組成物中の樹脂成分と相溶性のあるポリオレフィン樹脂との均一希釈混合物として紐状に溶融混練押出成形し、急冷し、切断してなる酸素吸収性樹脂粒状混練組成物。
(9)前記粉末状酸素吸収性樹脂組成物又は酸素吸収性樹脂粒状混練組成物中のポリオレフィン樹脂成分と相溶性のあるポリオレフィン樹脂がポリエチレン樹脂粉末、ポリプロピレン樹脂粉末、エチレン含量が70%以上であるポリエチレン共重合体樹脂粉末、プロピレン含量が70%以上であるポリプロピレン共重合体樹脂粉末から選ばれる樹脂である(8)項記載の酸素吸収性樹脂粒状混練組成物。
(10)前記(4)項〜(6)項のいずれか1項に記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物を製造する工程、該粉末状酸素吸収性樹脂組成物を加熱溶融し、口径1〜5mmの吐出口から混練押出して得られる紐状の押出成形物を直接冷却水と短時間接触させて冷却する工程、冷却された紐状の押出成形物を水から分離し、紐状押出成形物の蓄熱によって表面付着水分を除去する工程、該表面付着水分を除去した紐状の押出成形物を切断して粒状物を調製する工程を有する酸素吸収性樹脂粒状混練組成物の製造方法。
(11)前記粉末状酸素吸収性樹脂組成物を加熱溶融し、口径1〜5mmの吐出口から混練押出して得られる紐状の押出成形物を直接冷却水と短時間接触させて冷却する工程が、前記粉末状酸素吸収性樹脂組成物とその組成物中の樹脂成分と相溶性のあるポリオレフィン樹脂を均一希釈混合しつつ加熱溶融し、口径1〜5mmの吐出口から混練押出して得られる紐状の押出成形物を直接冷却水と短時間接触させて冷却する工程である(10)項記載の酸素吸収性樹脂粒状混練組成物の製造方法。
(12)前記(10)項記載の酸素吸収性樹脂粒状混練組成物を製造する工程、該酸素吸収性樹脂粒状混練組成物とその組成物中の樹脂成分と相溶性のあるポリオレフィン樹脂を均一希釈混合しつつ加熱溶融し、口径1〜5mmの吐出口から混練押出して得られる紐状の押出成形物を直接冷却水と短時間接触させて冷却する工程、冷却された紐状の押出成形物を水から分離し、紐状押出成形物の蓄熱によって表面付着水分を除去する工程、該表面付着水分を除去した紐状の押出成形物を切断して粒状物を調製する工程を有する酸素吸収性樹脂粒状混練組成物の製造方法。
(13)前記紐状の押出成形物を直接冷却水と短時間接触させる時間が0.1〜10秒の範囲である(10)項〜(12)項のいずれか1項に記載の酸素吸収性樹脂粒状混練組成物の製造方法。
(14)前記(10)項〜(13)項のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されている酸素吸収性樹脂粒状混練組成物をそのまま、あるいは前記酸素吸収性樹脂粒状混練組成物に使用されているポリオレフィン樹脂と相溶性を有するポリオレフィン樹脂を均一希釈混合し、酸素バリア性外層基材の内側面に溶融押出ラミネートすることよりなる酸素吸収性包装材料の製造方法。
(15)前記(14)項に記載の製造方法により製造されている酸素吸収性包装材料。
(16)前記(15)項に記載の酸素吸収性包装材料より形成されている酸素吸収性包装容器。
本発明の第一の効果は、ポリオレフィン樹脂粉末と酸素吸収剤主剤としての金属鉄粉末と反応促進剤としてのアルカリ金属ハロゲン化物及び/又はアルカリ土類金属ハロゲン化物の粉末混合物を不活性雰囲気中で混合する際に、比較的柔らかく可塑性のあるポリオレフィン樹脂粉末の表面に該樹脂粉末粒子より平均粒径の細かな酸素吸収剤主剤粉末と反応促進剤粉末の混合物が付着し、混合処理中における粉末粒子同士の衝突によって、酸素吸収剤主剤と反応促進剤の混合物が該樹脂粉末粒子表面に刺さり込んで、より硬い安定な粉末状酸素吸収性樹脂組成物を形成する結果、反応性が高く空気中に取り出すと吸湿と同時に急激に自己酸化反応を起こして活性を低下させたり極端な場合には反応熱の蓄積によって自然発火すること等の危険性のある金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を酸素吸収能力の損失なく空気中で安定かつ安全に取り扱うことが可能な粉末状酸素吸収性樹脂組成物とすることができる点にある。
本発明において金属鉄粉末系酸素吸収性組成物と粉末状ポリオレフィン樹脂を不活性雰囲気下に混合することの効果は、粉末ポリオレフィン樹脂は吸湿性が全くないために吸湿に起因する反応の開始が遅延されると同時に、ポリオレフィン樹脂が結晶性を有していて比較的大きな融解潜熱すなわち樹脂1gあたり約30〜40カロリーの潜熱を有するために、該反応時の発生熱を吸収して温度上昇により反応が加速される傾向を大幅に低減せしめ、得られる粉末状酸素吸収性樹脂組成物として見かけの反応性を大幅に低減せしめる点にある。具体的には、実施例に示すように着火継続性が大幅に軽減され、また安定した酸素吸収能力が発揮される点にある。
第二の効果は、酸素及び/又は水分を低減・制御した不活性雰囲気中で調合された粉末状酸素吸収性樹脂組成物は、粉末樹脂の粒子に表面に酸素吸収性組成物が固着した状態で存在するために、該不活性雰囲気中に残存する水分の吸収あるいは大気中に取り出した際には作業環境の大気中水分の吸収によって凝集することがなく、分散状態が極めて良好なため、安定した酸素吸収能力が発揮される酸素吸収性樹脂組成物を提供できる点にある。
本発明の粉末状、又は粒状の酸素吸収性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂としてはポリオレフィンが好ましく選ばれる。低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリメチルペンテン及び該ポリオレフィンの共重合体が熱接着性,機械強度,酸素吸収性性能などの面で優れており、好ましく選ばれる。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いることができるが、相溶性の良い樹脂を適宜混合して用いても良く、グラフト重合,ランダムあるいはブロック共重合により他のビニル化合物との共重合体を用いることもできる。低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,高密度ポリエチレンなどの各種ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン含量が70%以上であるポリエチレン共重合体、プロピレン含量が70%以上であるポリプロピレン共重合体は、一般の積層プラスチック包装材料において最内層の接着性樹脂層として使われるため、より内容物に近い接着性樹脂層に酸素吸収機能を持った酸素吸収性包装材料を提供する目的で酸素吸収性樹脂を使用する際に材料の親和性が高く、容易に積層可能な点でより好ましく選ばれる。
本発明の金属鉄粉末系酸素吸収性組成物において、主剤としては金属鉄粉末が好ましく選ばれる。金属鉄粉末は酸化鉄粉末を還元性条件で加熱還元した粉末、該粉末焼結物の粉砕物、溶融金属鉄を噴霧粒子化した粉末やその粉砕物が好ましく用いられる。粉砕に当たってはボールミルやジェットミルなど微細粉末を製造可能な方法が好ましく用いられる。
本発明の酸素吸収剤主剤の金属鉄粉末としては、粒径が平均粒径として2〜30μm、比表面積として400〜12000cm2/gの粉末が好ましく用いられる。平均粒径が30μmを超える金属鉄粉末の場合、酸素吸収性反応速度が低くなる、層厚の薄い酸素吸収性樹脂層を形成した際に金属鉄粉末が所期の酸素吸収性樹脂層からはみ出してしまうなどの不都合が起こり好ましくない。小粒径で比表面積の大きな金属鉄粉末は酸素吸収性反応の速度が早く酸素吸収性樹脂組成物として用いるには好ましいが、平均粒径が2μm未満あるいは比表面積が12000cm2/gを超える微細な粉末は金属鉄粉末を製造する際に粉砕所要時間が長く高価になり、金属鉄粉末自体も反応性が高く空気中において単独で発火するなど安全面でも問題が多くなり好ましくない。
本発明の酸素吸収剤反応促進剤としては、アルカリ金属のハロゲン化物及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物が好ましく用いられる。具体的には、塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化マグネシウム,塩化カルシウムがより好ましく用いられるが、他のハロゲン元素の化合物でも良く、他のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の塩化物でも良い。これらの反応促進剤は単独でも良く、混合物としても用いられる。塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどの吸湿性のアルカリ土類金属塩化物は酸素吸収性反応の引き金となる水分を酸素吸収性組成物中に吸収する作用が強く、結果として高い酸素吸収性能力発揮する、即ち、他のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の塩化物を用いた場合に比較して酸素吸収性速度が速く、同量の金属鉄粉末含量であっても酸素吸収性量が大きくなる点で特に好ましく用いられる。
本発明における酸素吸収性組成物の主剤と反応促進剤の配合比は特に限定はないが、主剤の金属鉄粉末100質量部に対し、反応促進剤は2〜30質量部が好ましい。2質量部未満の少量配合では反応促進効果が不足し望ましい酸素吸収反応速度が得られず、30質量部を超える反応促進剤の多量配合は主剤の相対的な配合量が減ることによる酸素吸収性能力の低下や反応促進剤のブリードによる包装材料から内容物での移行などの不都合が起こり好ましくない。また、該酸素吸収主剤と反応促進剤とをより効果的に混合せしめる目的で微細な無機粉末を展着剤として適宜・適量加えることができる。
本発明において、酸素吸収剤主剤と反応促進剤を密閉容器中で混合した後に加えられるポリオレフィン樹脂粉末の配合量は、該金属鉄粉末100質量部に対し50〜300質量部が好ましい。50質量部未満の少量配合では配合して得られる酸素吸収性樹脂組成物の吸湿性と自然発火性ないしは燃焼継続性の軽減効果が不十分で、本発明の目的とする酸素吸収性能の高い酸素吸収性樹脂組成物を安全かつ経済的に製造することが困難となる。330質量部を超える多量配合は容器内容量の工程中変動が大きくなり密閉容器中での混合効率が著しく低下するため、本発明の目的とする酸素吸収性能の高い酸素吸収性樹脂組成物を経済的に製造することが困難となる。これらの観点から該金属鉄粉末100質量部に対し50乃至250質量部のポリオレフィン樹脂粉末を配合することがより好ましい。
本発明において、酸素吸収剤主剤と反応促進剤を密閉容器中で混合した後に加えられるポリオレフィン樹脂粉末の粒径は、平均粒径として70〜2000μmが好ましい。該ポリオレフィン樹脂粉末は市販のポリオレフィン樹脂粉末をそのまま使用しても良く、ペレット状ないし粗粒状の粉末を粉砕して使用しても良い。平均粒径50μm以下のポリオレフィン樹脂粉末は市販品が入手し難い、粉砕工程も煩雑で経済的ではない、樹脂自体の安定性が悪く粉塵爆発や酸化劣化の恐れがあるなどの理由から好ましくない。平均粒径2000μmを超える粗粒ではポリオレフィン樹脂の表面積が不足し、配合して得られる酸素吸収性樹脂組成物の吸湿性による悪影響の低減効果と自然発火性ないしは燃焼継続性の軽減効果が不十分で、本発明の目的とする酸素吸収性能の高い酸素吸収性樹脂組成物を安全かつ経済的に製造することが困難となる。該ポリオレフィン樹脂粉末の平均粒径は使用される酸素吸収剤主剤の金属鉄粉末平均粒径よりも大きいことが好ましく、平均粒径として70乃至1000μmのポリオレフィン樹脂粉末がより好ましく用いられる。
本発明の第一の主旨は、金属鉄粉末を酸素吸収剤主剤としてポリオレフィン樹脂に分散させた酸素吸収性樹脂組成物の製造において、酸素吸収剤主剤たる金属鉄粉末と反応促進剤とを不活性雰囲気中で混合した後に、該酸素吸収剤混合物を不活性雰囲気外に取り出すことなしにポリオレフィン樹脂粉末を不活性雰囲気中で加えて混合する方法によって、酸素吸収性樹脂組成物の吸湿性と自然発火性ないしは燃焼継続性が著しく軽減されると同時に、酸素吸収性樹脂組成物中の酸素吸収性組成物を該樹脂中に均一に分散せしめることを容易にすることよって酸素吸収性性能の高い酸素吸収性樹脂組成物が安全かつ経済的に製造することにある。
本発明のポリオレフィン樹脂粉末添加の効果は、ポリオレフィン樹脂粉末と酸素吸収剤主剤と反応促進剤の混合物を不活性雰囲気中で混合する際に、比較的柔らかく可塑性のあるポリオレフィン樹脂粉末の表面に該樹脂粉末粒子より平均粒径の細かな酸素吸収剤主剤と反応促進剤の混合物が付着し、混合処理中に粒子同士の衝突によって、より硬い酸素吸収剤主剤と反応促進剤の混合物が該樹脂粉末粒子表面に刺さり込んで安定な粒子状組成物を形成することに起因するものである。
すなわち、本発明の酸素吸収性組成物を不活性雰囲気外に取り出すことなしにポリオレフィン樹脂粉末を不活性雰囲気中で加える効果は、第一に、反応性が高く空気中に取り出すと吸湿と同時に急激に自己酸化反応を起こして活性を低下させたり、極端な場合には反応熱の蓄積によって自然発火等の危険性のある酸素吸収剤組成物を酸素吸収能力の損失なく空気中で安定かつ安全に取り扱うことが可能となる点にある。
本発明において酸素吸収性組成物に不活性雰囲気中で加えられる粉末樹脂の添加効果は、粉末樹脂がポリオレフィン樹脂であり、吸湿性が全くなく、結晶性を有するため比較的大きな融解潜熱すなわち樹脂1gあたり約30〜40カロリーの潜熱を示すことにより、吸湿による反応の開始が遅延されると同時に、反応熱の蓄積に伴う温度上昇がさらに反応を加速する傾向を大幅に低減せしめ、組成物として見かけの反応性を大幅に低減せしめることができる点にある。具体的には、実施例に示すように着火継続性が大幅に軽減され、また安定した酸素吸収能力が発揮される点にある。
本発明の第二の効果は、酸素及び/又は水分を低減・制御した不活性雰囲気中で調合された酸素吸収剤主剤と反応促進剤からなる酸素吸収性組成物が、該不活性雰囲気中に残存する水分の吸収、あるいは大気中に取り出した際には作業環境の大気中水分の吸収によって凝集することを防止し、分散状態の極めて良好な酸素吸収性樹脂組成物が得られる点にある。またその結果として、安定した酸素吸収能力が発揮される酸素吸収性樹脂組成物が得られる点にある。本発明によってなる粉末状酸素吸収性樹脂組成物は、単独で溶融混練・押出成形加工・切断して分散状態の極めて良好な酸素吸収性樹脂粒状混練組成物とすることも可能であるが、粉末状酸素吸収性樹脂組成物と相溶性のある粒状ポリオレフィン樹脂と混合しつつ溶融混練・押出成形加工・切断して分散状態の極めて良好な酸素吸収性樹脂粒状混練組成物とすることが可能である。
本発明の酸素吸収性組成物を不活性雰囲気外に取り出すことなしにポリオレフィン樹脂粉末を加える際に用いる装置は、酸素吸収剤主剤である金属粉を微細粉末まで粉砕可能な密閉容器あるいは別装置で粉砕した微細金属粉と反応促進剤の混合を行う容器を不活性ガスで置換した雰囲気を形成することにより特に限定なく適用できるが、ボールミル粉砕器あるいはヘンシェルミキサーなど高速攪拌機能を備えた密閉攪拌容器を適用する方法が容器内の湿度・酸素濃度を低減・制御し不活性雰囲気中を形成可能な点で好ましく用いられる。該不活性雰囲気中の湿度は相対湿度として30%以下が好ましく、20%以下が特に好ましい。不活性雰囲気中の酸素濃度は酸素吸収剤主剤の酸化劣化及び内容物の着火・爆発などの危険を防止する上で重要であり、5%以下が好ましく、2%以下に制御することが特に好ましい。また、不活性雰囲気を形成可能な装置であれば、ジェットミルなど開放系装置を適用することも可能である。
とりわけ、振動ボールミル粉砕器を適用する方法は工業的規模での調製操作が可能な点の他、本発明の酸素吸収性組成物や樹脂粉末の粒子に比較すると極めて質量の大きい鉄球、例えば径1〜5cmの球体を攪拌媒体として用いるため、鉄球が激しく粒子に衝突し大きな圧力を樹脂粉末粒子及び酸素吸収性組成物粉末粒子に加えることができる。そのため、樹脂粉末は薄片状に押し潰さると同時に、酸素吸収性組成物粉末粒子は樹脂粉末表面に極めて強い力で押し付けられ樹脂粉末表面に刺さりこむ状態で固着することになり、遊離した酸素吸収性組成物粉末粒子がほとんどない粉末状酸素吸収性樹脂組成物が得られる点で振動ボールミル粉砕器を適用する方法が特に好ましく選ばれる。
本発明の第二の主旨は、該酸素吸収性組成物とポリオレフィン樹脂粉末の混合物を加熱・溶融・混練・押出成形によって酸素吸収性樹脂組成物ペレットを製造するに当たって、押出成形して得られる紐状の組成物を瞬時もしくは短時間冷却水に接触させ、紐状の樹脂組成物の蓄熱を利用して表面の付着水分を除去した後、切断する方法によって効率的にペレットが製造する点である。
酸素吸収性樹脂組成物を成形積層加工して酸素吸収性包装材料を製造するに当たって、酸素吸収性樹脂組成物ペレットを調製することが一般的であるが、該酸素吸収性組成物とポリオレフィン樹脂粉末の混合物を加熱溶融・混練押出しした高温の酸素吸収性樹脂組成物は、樹脂組成物自体が高温に熱せられていることに加え、ポリオレフィンの結晶化潜熱が大きいため、短時間に切断可能な状態まで固化し難く、急速に冷却可能な手段がない場合には冷却装置が過大となることから、経済的に調製することが困難となる課題があった。
着色剤マスターバッチなど、通常のポリオレフィン樹脂組成物の場合は、一般的に加熱溶融・混練押出しした紐状の高温樹脂押出し成形物を水などの冷却媒体に接触させる方法が採られるが、本発明においては水分を引き金として酸素吸収機能を発揮する樹脂組成物であることから、水との接触によって酸素吸収が始まり酸素吸収能力の低下が起きる懸念があった。
本発明者らは、紐状の高温樹脂押出し成形物と冷却媒体との接触方法につき鋭意検討を行った結果、瞬時もしくは短時間の水との接触であれば酸素吸収能力の低下を起こすことなく、切断可能な状態まで固化し得ることを見出した。
すなわち、紐状の高温樹脂押出し成形物に対し混練押出機ノズルから20〜100cmの位置で冷却水をスプレーないしは滴下せしめて冷却する方法、あるいは連続紐状の高温樹脂押出し成形物が自重で垂れ下がる位置に冷却水槽を置き、連続紐状の高温樹脂押出し成形物を短時間冷却水面に接触させることによって冷却する方法などが好ましい方法である。
冷却水温は、特に低温であることは要しないが50℃以下が好ましく、冷却水との接触時間は0.2秒間〜5秒間が好ましい。冷却水との接触における要件は、第一に該樹脂押出し成形物の表面に付着した水分を、冷却水と接触した後にも残っている樹脂押出し成形物の蓄積熱量を利用して完全に蒸発散逸させることであり、第二に該樹脂押出し成形物の表面に付着した水分が蒸発散逸する過程の冷却効果によって少なくとも樹脂押出し成形物表層の樹脂の結晶化が進行し切断可能な状態まで固化することである。付着水分の蒸発散逸に要する時間が30分間を超えた場合、あるいは10秒間を超えて長時間の冷却水と接触された場合は、水分が紐状樹脂押出し成形物内部に浸透するため、酸素吸収性樹脂組成物が活性化して保存中に多量の酸素を吸収し、その結果として酸素吸収能力の低下を招き好ましくない。
本発明の冷却方法を採用せず、樹脂押出し成形物を切断した後で除湿しようとすると、大気中に存在する湿度に影響されて製品化できる吸湿水分の状態にすることは困難である。仮に絶乾状態での乾燥を工業的に行うとすれば、該酸素吸収性樹脂組成物を吸湿から守るために大規模な装置が必要となる。本発明の冷却方法は、不活性雰囲気下に樹脂粉末表面に該金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を固着させた粉末状酸素吸収性樹脂組成物の混練押出加工時に用いることができる他、該粉末状酸素吸収性樹脂組成物と相溶性のある粒状ポリオレフィン樹脂と混合しつつ混練押出加工時や、一旦混練押出加工によって調製された酸素吸収性樹脂粒状混練組成物と相溶性のある粒状ポリオレフィン樹脂と混合しつつ混練押出加工時にも適用できる。
本発明によって調製された酸素吸収性樹脂組成物をマスターバッチとし、該酸素吸収性樹脂組成物に使用されているポリオレフィン樹脂と相溶性を有するポリオレフィン樹脂により混合希釈し、酸素バリア性外層基材の内側面に酸素吸収性樹脂組成物による層を成形積層することによって酸素吸収性包装材料を製造することができる。
酸素吸収性包装材料の酸素吸収性樹脂層は、必要とされる酸素吸収能力によってその酸素吸収性組成物含量が異なるが、樹脂100質量部あたり酸素吸収性組成物中の金属鉄粉末として2〜20質量部含まれていることが望ましい。本発明の酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチ中の金属鉄粉末含量は、樹脂100質量部あたり33〜200質量部であるから、酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチのポリオレフィン樹脂と相溶性を有するポリオレフィン樹脂により1.7倍〜100倍まで混合希釈する。
酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチのポリオレフィン樹脂と相溶性を有するポリオレフィン樹脂としては、マスターバッチ樹脂がポリエチレンの場合は低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,及びエチレン含量が70%以上のポリエチレン共重合体が、マスターバッチ樹脂がポリプロピレンの場合はポリプロピレン及びプロピレン含量が70%以上のポリプロピレンの共重合体が選ばれる。
該マスターバッチの混合希釈は該マスターバッチと希釈樹脂を予め混合希釈押出しペレット化してから酸素吸収性樹脂層を成形積層加工する方法、酸素バリア性外層の内側に酸素吸収性樹脂層を成形積層加工する際に混合希釈押出しつつ積層加工する方法、あるいは予め混合希釈押出しペレット化してから更に成形積層加工する際に混合希釈押出する方法が採られるが、これらの方法を単独又は組み合わせて実施できる。酸素吸収性樹脂層の成形積層加工時に5倍以上の混合希釈押出を採用するのは成形積層加工用の押出機が多くの場合に混合能力が不足するため、酸素吸収剤の均一分散した酸素吸収性樹脂層を形成するために適当ではなく、混合希釈倍率としては2乃至4倍が好ましく選ばれる。
本発明の酸素吸収性包装材料の酸素バリア性外層基材としては、必要なガスバリア性を有する材料であれば特に制限はないが、アルミニウムなどの金属箔、熱可塑性樹脂にアルミニウム,酸化ケイ素,酸化アルミニウム等の無機物を蒸着した材料、MXDナイロン,ポリエチレン−ビニルアルコール共重合体,ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体の加水分解物、ポリアクリロニトリル,ポリビニルアルコール,ポリ塩化ビニリデン,ポリ塩化ビニル,ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性樹脂からなる材料、ポリビニルアルコール,ポリ塩化ビニリデン等の熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂に塗工した材料、ポリ(メタ)アクリル酸及びポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物から選ばれるポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと,糖類及びポリビニルアルコールから選ばれる多価アルコール化合物を,該カルボキシル基と該アルコール基が4:1〜1:4の比率の混合物としてポリエチレンテレフタレート,ナイロン等の耐熱性熱可塑性樹脂に焼き付け積層した材料、又はポリ(メタ)アクリル酸及びポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物から選ばれるポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと,糖類及びポリビニルアルコールから選ばれる多価アルコール化合物を、該カルボキシル基と該アルコール基が4:1〜1:4の比率の混合物として薄層状に加熱硬化せしめた材料を熱可塑性樹脂に分散した材料などが好ましい例として挙げられ、フィルム状あるいはシート状に加工した材料が用いられる。
本発明の酸素吸収性包装材料の構成としては、該酸素吸収性樹脂層及びその外側に配置する酸素バリア性外層基材の他に、最内層として該酸素吸収性樹脂層が食品等内容物に直接接触しないようにポリオレフィン樹脂からなるシーラント層を積層加工してなる3層構成を最小構成とし、必要に応じ最外層に印刷を施した保護層,機械的強度向上のための強化層,あるいは酸素吸収剤の凹凸が包材表面出ることを防ぐクッション層などを適宜配置した多層構造とすることができる。該フィルムあるいはシート状多層材は袋状容器あるいはトレー状容器と蓋材等に成形加工し酸素吸収性容器とすることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明の内容は該実施例のみに制限されるものではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」は質量基準である。
《粉末状酸素吸収性樹脂組成物の調製》
磁鉄鉱粉を還元炎中で加熱還元して得られた粒状の還元鉄500kgを内容量900リッターの密閉式振動ボールミルに摩砕用ボール(鋼鉄球)550リッターと共に投入し、内容空間を窒素ガスで置換した後に150時間振動させて平均粒径10μmの微細還元鉄粉を得た。
微細還元鉄粉の一部335kgを引き抜き、引き抜いた微細還元鉄粉は窒素ガス気流下でコンテナー・バッグに充填・密封保管した。微細還元鉄粉の残部165kgに対し、開口部より無水塩化カルシウム粉末8.25kgと硫酸バリウム粉末1kgを投入し、内容空間を窒素ガスで置換した状態で0.5時間振動させて塩化カルシウムと硫酸バリウムからなる酸化促進剤組成物を鉄粉と均一に混合し、金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を得た。
開口部から平均粒径300μmのポリプロピレン樹脂〔サンアロマー(株)製サンアロマー933S〕粉末100kgを投入し、内容空間を窒素ガスで置換した状態で2時間振動させて、粉末状ポリプロピレン樹脂の表面を金属鉄粉末系酸素吸収性組成物で被覆混合し、粉末状酸素吸収性樹脂組成物を得た。該粉末状酸素吸収性樹脂組成物274kgを、振動ボールミル底部より摩砕用ボールと分離しつつ排出し、窒素ガス気流下でコンテナー・バッグに充填・密封した〔粉末状酸素吸収性樹脂組成物1〕。
該粉末状酸素吸収性樹脂組成物を引き抜いた振動ボールミルに、上記の引き抜いた微細還元鉄粉165kgを再度投入し、開口部より無水塩化カルシウム粉末8kgと硫酸バリウム粉末1kgを投入し、以降、ポリプロピレン樹脂粉末投入量を165kg,89kgとし、上記と同様の方法で339kg,263kgの粉末状酸素吸収性樹脂組成物を調製した〔粉末状酸素吸収性樹脂組成物2,3〕。
また、微細還元鉄粉100kg, 無水塩化カルシウム粉末5kg,硫酸バリウム粉末0.625kg,ポリプロピレン樹脂粉末200kgを上記と同様に処理して305.6kgの粉末状酸素吸収性樹脂組成物を調製した〔粉末状酸素吸収性樹脂組成物4〕。
《粉末状酸素吸収性樹脂組成物の顕微鏡観察》
実施例1にて調製した粉末状酸素吸収性樹脂組成物1を顕微鏡観察した。図1,図2に示すように、樹脂粉末は薄片状に押し潰され、その表面に金属鉄粉末系酸素吸収性組成物が固着している状態が観察された。また、遊離状態の金属鉄粉末系酸素吸収性組成物はほとんど観察されなかった。
《粉末状酸素吸収性樹脂組成物の着火性評価》
実施例1にて調製した粉末状酸素吸収性樹脂組成物〔1〜4〕4種類(それぞれ、鉄粉100部あたり樹脂:60.6,100,53.9,200部)それぞれ10gを径5cmの金属皿に採取し、長さ3cmの都市ガス炎が粉末状酸素吸収性樹脂組成物の表面の1cmまで近付け、粉末状酸素吸収性樹脂組成物に着火を確認するまでの時間を10回繰り返して測定し、着火を確認するまでの時間の平均値を着火時間とした。一回の測定は20秒間を限度として実施した。着火時間を下記比較例1及び2記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物と比較して表1に示した。
着火性判定は以下の基準に従って実施した。
着火時間が3秒以下の場合 易着火性
着火時間が3秒を超え10秒以下の場合 着火性
着火時間が10秒を超え又は有効な値が得られない場合 危険性なし
比較例1
実施例1の粉末状酸素吸収性樹脂組成物4に代わって、微細還元鉄粉180kg、無水塩化カルシウム粉末9kg,硫酸バリウム粉末1.1kg及びポリプロピレン樹脂粉末60kgを振動ボールミルによる被覆混合時間を0.5時間とする以外は実施例1と同様に処理して247kgの粉末状酸素吸収性樹脂組成物を調製した〔粉末状酸素吸収性樹脂比較組成物1〕(鉄粉100部あたり樹脂33.3部)。
比較例2
同じく、微細還元鉄粉170kg, 無水塩化カルシウム粉末8.5kg,硫酸バリウム粉末1.05kg,ポリプロピレン樹脂粉末30kgを振動ボールミルによる被覆混合時間を3時間とする以外は実施例1と同様に処理して209kgの粉末状酸素吸収性樹脂組成物を調製した〔粉末状酸素吸収性樹脂比較組成物2〕(鉄粉100部あたり樹脂17.6部)。実施例1と同様の方法で着火時間を測定して表1に示した。
比較例3
実施例1で調製した粉砕鉄粉165kg,無水塩化カルシウム粉末8.25kg,硫酸バリウム粉末1kgからなり、0.5時間均一に混合した金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を振動ボールミル底部より摩砕用ボールと分離しつつ排出し、窒素ガス気流下でコンテナー・バッグに充填・密封した〔金属鉄粉末系酸素吸収性組成物〕。実施例1と同様の方法で着火時間を測定して表1に示した。
Figure 2005060494
表1から明らかなように、実施例1で得られた鉄粉100質量部あたり粉末樹脂を50部以上配合した粉末状酸素吸収性樹脂組成物1〜4の着火性は「危険性なし」の区分にまで軽減された。
《粉末状酸素吸収性樹脂比較組成物の顕微鏡観察》
比較例1及び比較例2にて調製した粉末状酸素吸収性樹脂比較組成物1及び2を顕微鏡観察した。樹脂粉末の表面に金属鉄粉末系酸素吸収性組成物が一部固着している状態が観察されたが、ほとんどの金属鉄粉末系酸素吸収性組成物は微細な粒子状態もしくは凝集した遊離状態であることが認められた。
《酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチ・ペレットの調製》
実施例1の粉末状酸素吸収性樹脂組成物1を充填・密封したコンテナー・バッグから取り出し、ベント付き2軸混練押出機によって260〜280℃まで加熱してベントから水分を蒸発・除去しつつ吐出口温度を180℃に設定して径3ミリの吐出口から平均線速15m/分の速さで混練押出した。酸素吸収性樹脂組成物1は径4ミリの紐状になり、吐出口から15cmの位置で延長約30cmの範囲にわたりスプレー・ノズルから水温25℃の冷却水を毎分500mlの水量で噴霧・冷却して固化した。固化した紐状酸素吸収性樹脂組成物1は金属メッシュのコンベア上に導かれ、吐出口から7mの位置に設置したカッターによって平均長さ4ミリに切断し圧送機でサイクロンを介して除湿と冷却を経て、径4ミリのペレットとしてカッター下部に設けられたアルミ内装したコンテナー・バッグ容器に集積して、無水塩化カルシウム100gを通気性袋に充填した乾燥剤3袋とともに密封し、酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチ・ペレット1を調製した。
実施例1の粉末状酸素吸収性樹脂組成物4を平均線速20m/分の速さで実施例2と同様に混練押出し、吐出口から20cmの位置にある水槽に導き、深さ10cm長さ50cmの水温25℃の冷却水を循環させた水槽中に1.5秒間浸された後、5mの移動距離で空冷と表面の付着水を除去しながら冷却・固化した。固化した紐状酸素吸収性樹脂組成物4は実施例2と同様に切断・集積・充填・密封し、酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチ・ペレット4を調製した。
比較例4
《酸素吸収性樹脂比較組成物マスターバッチ・ペレットの調製》
比較例2で調製した粉末状酸素吸収性樹脂比較組成物2(鉄粉100部あたり樹脂:17.6部)を実施例2記載の方法で押出しようとしたが実用的な速さで押出することができなかった。そこで、粉末状酸素吸収性樹脂比較組成物2に対し1.5倍量の市販ポリプロピレン樹脂ペレット〔サンアロマー(株)製サンアロマーPHA03A〕を混合しつつ混練押出し、実施例2記載の方法で酸素吸収性樹脂比較組成物マスターバッチ・ペレット1を調製した。
比較例5
《酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチ・ペレットの調製》
比較例2記載の金属鉄粉末系酸素吸収性組成物と330kgの市販ポリプロピレン樹脂ペレット〔サンアロマー(株)製サンアロマーPHA03A〕を大気中の水分吸収を極力避けつつ混合しながら実施例2記載の方法で混練押出し、酸素吸収性樹脂比較組成物マスターバッチ・ペレット2を調製した。
比較例6
《酸素吸収性樹脂比較組成物マスターバッチ・ペレット3の比較調製方法》
実施例1の粉末状酸素吸収性樹脂組成物4を平均線速20m/分の速さで実施例2と同様に混練押出し、ステンレス網製のベルトコンベア上に導き室温25℃、湿度75%の環境で空冷しつつ5mの移動距離で冷却・固化を試みた。実施例2と同様にカッターによって平均長さ4ミリに切断しようとしたが、樹脂の固化が不十分なため、カッターは過負荷となり運転できなかった。ベルトコンベアを延長し、カッター位置を吐出口から10mの移動距離となるように設置し紐状酸素吸収性樹脂組成物の切断を試みたが運転開始5分後には、カッターは過負荷となり運転を停止し、満足な運転は実現できなかった。ベルトコンベアを更に延長し、カッター位置を吐出口から15mの移動距離となるように設置し紐状酸素吸収性樹脂組成物の切断を行い、実施例2と同様に集積・充填・密封したが、充填終了後にアルミ内装したコンテナー・バッグ容器の表面温度が60℃となり、倉庫保管場所に移動するために更に5時間の放置冷却が必要であった。該方法で得られたペレットを酸素吸収性樹脂比較組成物マスターバッチ・ペレット3とした。
《酸素吸収性樹脂組成物ペレット混合希釈物の調製及びシート作成》
実施例2の酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチ・ペレット1を27.4kg採取し、市販ポリプロピレン樹脂ペレット〔サンアロマー(株)製サンアロマーPHA03A〕138.5kgを混合しつつ実施例2と同条件で混練押出し、金属鉄粉末を10%含有する酸素吸収性樹脂組成物ペレット1を調製し、ペレット10gを熱プレス法によって面積100cm2、平均厚さ0.1ミリのほぼ円形の酸素吸収性樹脂組成物シート1に調製加工した。同様に、実施例2の酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチ・ペレット4を30.6kg採取し、市販ポリプロピレン樹脂ペレット〔サンアロマー(株)製サンアロマーPHA03A〕70kgを混合しつつ実施例2と同条件で混練押出し、酸素吸収性樹脂組成物ペレット4を調製し、同様にして酸素酸素吸収性樹脂組成物シート4を調製した。さらに実施例1で調製した粉末状酸素吸収性樹脂組成物2を20kg充填・密封したコンテナー・バッグから採取し、市販ポリプロピレン樹脂ペレット〔サンアロマー(株)製サンアロマーPHA03A〕90kgを均一に混合しつつ実施例2と同条件で混練押出し、酸素吸収性樹脂組成物ペレット5を調製し、同様にして酸素吸収性樹脂組成物シート5を調製した。
比較例7
《酸素吸収性樹脂比較組成物ペレットの調製及びシート作成》
更に、比較のために比較例4で調製した酸素吸収性樹脂組成物比較マスターバッチ・ペレット1を30.6kg採取し、市販ポリプロピレン樹脂ペレット〔サンアロマー(株)製サンアロマーPHA03A〕70kgを混合しつつ実施例3と同条件で混練押出し、酸素吸収性樹脂比較組成物ペレット1を調製し、酸素吸収性樹脂比較組成物シート1を調製した。また、比較例5記載の酸素吸収性樹脂組成物比較マスターバッチ・ペレット2を30.6kg採取し、市販ポリプロピレン樹脂ペレット〔サンアロマー(株)製サンアロマーPHA03A〕70kgを混合しつつ実施例2と同条件で混練押出し、酸素吸収性樹脂比較組成物ペレット2を調製し、同様にして酸素吸収性樹脂比較組成物シート2を調製した。
《酸素吸収性樹脂組成物の分散状態観察》
上記の酸素吸収性樹脂組成物シート1,酸素吸収性樹脂組成物シート4,酸素吸収性樹脂比較組成物シート1,及び酸素吸収性樹脂比較組成物シート2について実体顕微鏡を用いて分散状態を観察した。図3(酸素吸収性樹脂組成物シート1),図4(酸素吸収性樹脂組成物シート4)及び図5(酸素吸収性樹脂比較組成物シート1),図6(酸素吸収性樹脂組成物シート2)に顕微鏡像を示す。図3,4は図5,6と比較して金属鉄粉末系酸素吸収組成物の大きな凝集物がなく均一に分散しており、金属鉄粉末と反応促進剤とを不活性雰囲気下で混合した後に、該金属鉄粉末混合物を不活性雰囲気から取り出すことなしにポリオレフィン樹脂粉末を適量添加混合し、樹脂粉末表面に該金属鉄粉末混合物を固着せしめる工程を経ることによって、金属鉄粉末と反応促進剤からなる凝集性の高い酸素吸収性成分が効果的に樹脂に分散できることが明らかである。
《樹脂組成物の酸素吸収性能評価》
実施例4で調製した酸素吸収性樹脂組成物シート1,酸素吸収性樹脂組成物シート4,酸素吸収性樹脂組成物シート5,比較例7で調製した酸素吸収性樹脂比較組成物シート1,及び酸素吸収性樹脂比較組成物シート2について、その酸素吸収性能をそのバラツキを含めて評価した。
評価にあたっては、表面側からPET(12μm)/Al箔(7μm)/CPP(60μm)の3層構成からなるレトルト食品用バリア袋に当該シート1枚,反応開始のための水2ml,及び空気100mlを封入・熱シール密封した後、80℃に温度調節したオーブン内に2時間加熱・放置した。正確に25℃に調温した水中での浮力をオーブン加熱・放置の前後について測定し、浮力減少分を酸素吸収量として測定した。比較シートを含めた4種類のシートにつきそれぞれ10枚を測定対象として酸素吸収量の平均値と標準偏差を求め、表2にまとめて示した。
Figure 2005060494
表2から明らかなように、本発明実施例の酸素吸収性樹脂組成物シートはいずれも同じ酸素吸収能を示し、比較例は酸素吸収量が僅かに低く、そのバラツキがやや大きくなる結果を示し統計的にも有意な差を示した。
《酸素吸収性包装材料の調製》
実施例4で調製した酸素吸収性樹脂組成物ペレット1を予めドライラミネート法によって外側からPET(12μm)//Al箔(9μm)//ONy(15μm)//CPP(25μm)構成に積層したフィルムの内側にCPP(25μm)を繰り出しながらその中間に厚さ25μmになるようTダイから押出しラミネート加工を施し、耐熱性の酸素吸収性包装材料を調製した。内側にCPP面を配し、該酸素吸収性包装材料の周囲3方向を熱シールして、13cm×18cmの酸素吸収性袋体1を作成した。該酸素吸収性袋体に水2mlと空気100mlを封入・開口部を熱シール密封して、前記酸素吸収性樹脂組成物シート等に対する酸素吸収性能評価法と同様に酸素吸収性能を測定した。測定結果は表3に示した。
実施例2で調製した酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチ・ペレット4と市販ポリプロピレン樹脂ペレット〔サンアロマー(株)製サンアロマーPHA03A〕を3:7の比率で混合押出する以外は実施例5と全く同様にして酸素吸収性袋体2を作成した。前記酸素吸収性樹脂組成物シート等に対する酸素吸収性能評価法と同様に酸素吸収性能を測定した。測定結果は表3に示した。
比較例8
比較例7記載の酸素吸収性樹脂比較組成物ペレット1を用いる以外は実施例5と全く同様にして比較酸素吸収性袋体を作成した。前記酸素吸収性樹脂組成物シート等に対する酸素吸収性能評価法と同様に酸素吸収性能を測定した。測定結果は表3に示した。
比較例9
比較例7記載の酸素吸収性樹脂比較組成物ペレット2を用いる以外は実施例5と全く同様にして押出しラミネート加工を施そうと試みたが、Tダイから押し出された酸素吸収性樹脂層の膜が安定せず部分的にスダレ状に破れてしまうため、目的とする耐熱性の酸素吸収性包装材料を調製することはできなかった。
比較例10
実施例6記載の酸素吸収性樹脂組成物マスターバッチ・ペレット4の代わりに比較例6記載の酸素吸収性樹脂比較組成物マスターバッチ・ペレット3を用いる以外は実施例6と全く同様にして押出しラミネート加工を施そうと試みたが、Tダイから押し出された酸素吸収性樹脂層の膜が安定せず部分的にスダレ状に破れてしまうため、目的とする耐熱性の酸素吸収性包装材料を調製することはできなかった。
《酸素吸収性包装材料の酸素吸収性能評価》
実施例5,実施例6で作成した酸素吸収性袋体1,2及び比較例8記載の比較酸素吸収性袋体について次のように酸素吸収性能評価を行った。まず、各酸素吸収性袋体に水2mlと空気100mlを封入・開口部を熱シールした後、80℃に温度調節したオーブン内に2時間加熱放置した。正確に25℃に調温した水中での浮力をオーブン加熱・放置の前後について測定し、浮力減少分を酸素吸収量として測定した。各袋体につきそれぞれ10袋を測定対象として酸素吸収量の平均値と標準偏差を求め、表3にまとめて示した。
Figure 2005060494
表3から明らかなように、本発明の酸素吸収性樹脂組成物より製造されている実施例の酸素吸収性袋体はいずれも同じ酸素吸収能を示すのに対し、比較袋体は酸素吸収量が僅かに低く、そのバラツキがやや大きくなる結果を示しており、統計的にも有意な差を示した。
以上説明したように、本発明における、金属鉄粉末を酸素吸収剤主剤として樹脂に分散させた酸素吸収性樹脂組成物の製造において、金属鉄粉末と反応促進剤とを不活性雰囲気中で混合した後に、該金属鉄粉末100部に対し50〜100部のポリオレフィン樹脂粉末を不活性雰囲気中で加えて混合する酸素吸収性樹脂組成物の製造方法、不活性雰囲気中で混合された金属鉄粉末,反応促進剤,及びポリオレフィン樹脂粉末からなる組成物を加熱溶融混練し、口径1乃至5ミリメートルの吐出口から押出して得られる紐状の樹脂押出成形物を0.2〜5秒間冷却水に接触させ、紐状の樹脂押出成形物の蓄熱を利用して表面の付着水分を除去した後、切断することを特徴とする粒状酸素吸収性樹脂組成物の製造方法、該粒状酸素吸収性樹脂組成物をマスターバッチとして該マスターバッジに使用されているポリオレフィン樹脂粉末と相溶性を有するポリオレフィン樹脂と共に溶融混練し、酸素バリア性外層基材の内側面に成形積層することを特徴とする酸素吸収性包装材料は、従来困難とされてきた高性能の酸素吸収性包装袋を、経済的に、安全性高く、安定した品質で製造可能にする点で産業上の意義は極めて大きい。
酸素吸収性樹脂組成物の顕微鏡観察像(倍率:×23)を示す図。 酸素吸収性樹脂組成物の部分拡大顕微鏡観察像(倍率:×65)を示す図。 酸素吸収性樹脂組成物シート1の顕微鏡観察像(倍率:×120)を示す図。 酸素吸収性樹脂組成物シート4の顕微鏡観察像(倍率:×120)を示す図。 酸素吸収性樹脂比較組成物シート1の顕微鏡観察像(倍率:×120)を示す図。 酸素吸収性樹脂比較組成物シート2の顕微鏡観察像(倍率:×120)を示す図。

Claims (16)

  1. 少なくとも酸素吸収剤主剤としての金属鉄粉末と反応促進剤としてのアルカリ金属ハロゲン化物及び/又はアルカリ土類金属ハロゲン化物の粉末を不活性雰囲気下に均一混合して調製されている金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を、不活性雰囲気下にポリオレフィン樹脂粉末表面に固着してなる粉末状酸素吸収性樹脂組成物。
  2. 前記ポリオレフィン樹脂粉末の平均粒径が70〜2000μmであって、その配合量は、前記金属鉄粉末系酸素吸収性組成物中の金属鉄粉末100質量部に対し50〜300質量部である請求項1記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂粉末は、ポリエチレン樹脂粉末、ポリプロピレン樹脂粉末、エチレン含量が70%以上であるポリエチレン共重合体樹脂粉末、プロピレン含量が70%以上であるポリプロピレン共重合体樹脂粉末から選ばれる樹脂粉末である請求項1又は請求項2に記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物。
  4. 少なくとも酸素吸収剤主剤としての金属鉄粉末と反応促進剤としてのアルカリ金属ハロゲン化物及び/又はアルカリ土類金属ハロゲン化物の粉末を不活性雰囲気下に均一混合して金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を調製する工程、該不活性雰囲気下の該金属鉄粉末系酸素吸収性組成物に、該組成物中の金属鉄粉末100質量部に対して、平均粒径が70〜2000μmのポリオレフィン樹脂粉末50〜300質量部を加えて不活性雰囲気を維持しつつ混合して該樹脂粉末表面に該金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を固着させる工程よりなる粉末状酸素吸収性樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記ポリオレフィン樹脂粉末がポリエチレン樹脂粉末、ポリプロピレン樹脂粉末、エチレン含量が70%以上であるポリエチレン共重合体樹脂粉末、プロピレン含量が70%以上であるポリプロピレン共重合体樹脂粉末から選ばれる樹脂粉末である請求項4記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記不活性雰囲気下に金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を調製する工程、及び該不活性雰囲気下にポリオレフィン樹脂粉末表面に該金属鉄粉末系酸素吸収性組成物を固着させる工程が、窒素ガスで内部雰囲気を置換した振動ボールミルを用いて、原料粉末混合物に激しい衝撃力と圧力を加えつつ均一混合する工程である請求項4又は請求項5に記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載された粉末状酸素吸収性樹脂組成物を紐状に溶融混練押出成形し、急冷し、切断してなる酸素吸収性樹脂粒状混練組成物。
  8. 前記請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載された粉末状酸素吸収性樹脂組成物又は前記請求項7に記載された酸素吸収性樹脂粒状混練組成物を、該組成物中の樹脂成分と相溶性のあるポリオレフィン樹脂との均一希釈混合物として紐状に溶融混練押出成形し、急冷し、切断してなる酸素吸収性樹脂粒状混練組成物。
  9. 前記粉末状酸素吸収性樹脂組成物又は酸素吸収性樹脂粒状混練組成物中のポリオレフィン樹脂成分と相溶性のあるポリオレフィン樹脂がポリエチレン樹脂粉末、ポリプロピレン樹脂粉末、エチレン含量が70%以上であるポリエチレン共重合体樹脂粉末、プロピレン含量が70%以上であるポリプロピレン共重合体樹脂粉末から選ばれる樹脂である請求項8記載の酸素吸収性樹脂粒状混練組成物。
  10. 前記請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の粉末状酸素吸収性樹脂組成物を製造する工程、該粉末状酸素吸収性樹脂組成物を加熱溶融し、口径1〜5mmの吐出口から混練押出して得られる紐状の押出成形物を直接冷却水と短時間接触させて冷却する工程、冷却された紐状の押出成形物を水から分離し、紐状押出成形物の蓄熱によって表面付着水分を除去する工程、該表面付着水分を除去した紐状の押出成形物を切断して粒状物を調製する工程を有する酸素吸収性樹脂粒状混練組成物の製造方法。
  11. 前記粉末状酸素吸収性樹脂組成物を加熱溶融し、口径1〜5mmの吐出口から混練押出して得られる紐状の押出成形物を直接冷却水と短時間接触させて冷却する工程が、前記粉末状酸素吸収性樹脂組成物とその組成物中の樹脂成分と相溶性のあるポリオレフィン樹脂を均一希釈混合しつつ加熱溶融し、口径1〜5mmの吐出口から混練押出して得られる紐状の押出成形物を直接冷却水と短時間接触させて冷却する工程である、請求項10記載の酸素吸収性樹脂粒状混練組成物の製造方法。
  12. 前記請求項10記載の酸素吸収性樹脂粒状混練組成物を製造する工程、該酸素吸収性樹脂粒状混練組成物とその組成物中の樹脂成分と相溶性のあるポリオレフィン樹脂を均一希釈混合しつつ加熱溶融し、口径1〜5mmの吐出口から混練押出して得られる紐状の押出成形物を直接冷却水と短時間接触させて冷却する工程、冷却された紐状の押出成形物を水から分離し、紐状押出成形物の蓄熱によって表面付着水分を除去する工程、該表面付着水分を除去した紐状の押出成形物を切断して粒状物を調製する工程を有する酸素吸収性樹脂粒状混練組成物の製造方法。
  13. 前記紐状の押出成形物を直接冷却水と短時間接触させる時間が0.1〜10秒の範囲である請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載の酸素吸収性樹脂粒状混練組成物の製造方法。
  14. 前記請求項10〜13項に記載の製造方法によって製造されている酸素吸収性樹脂粒状混練組成物をそのまま、あるいは前記酸素吸収性樹脂粒状混練組成物に使用されているポリオレフィン樹脂と相溶性を有するポリオレフィン樹脂を均一希釈混合し、酸素バリア性外層基材の内側面に溶融押出ラミネートすることよりなる酸素吸収性包装材料の製造方法。
  15. 前記請求項14に記載の製造方法により製造されている酸素吸収性包装材料。
  16. 前記請求項15に記載の酸素吸収性包装材料より形成されている酸素吸収性包装容器。
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