JP3744266B2 - 鉄系酸素吸収性樹脂組成物及びこれを用いた包装材料・容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、鉄の酸化反応により酸素吸収性能を発現する樹脂組成物及びこれを用いた包装材料・容器に関する。さらに詳しくは、平均粒径100μm以下の鉄粉および酸化促進剤としてハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化アルカリ土類金属を含有する脱酸素剤を熱可塑性樹脂に配合した酸素吸収性脂組成物において、酸化促進剤の配合量が鉄粉に対して1乃至30重量%であり、更に平均粒径が鉄粉の7/100以上1/5以下の水難溶性硫酸カルシウムまたは硫酸バリウムである無機粉体を酸化促進剤の配合量以下でかつ鉄粉に対して0.1乃至10重量%含有しており、酸化促進剤の鉄粉へのコーティングの際の展着効果により酸素吸収性能が改善されると共に脱酸素剤の流動性が改善され製造が容易である酸素吸収性樹脂組成物及びそれを用いた包装材料・容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
包材自体に酸素吸収機能を付与するため、脱酸素剤を熱可塑性樹脂中に配合した酸素吸収性樹脂組成物を用いて包装材料を製造する方法は従来より知られており、例えば特公昭62−1824などで提案されている。
【0003】
脱酸素剤には、様々な無機系及び有機系のものが知られているが、酸素吸収性能、加工時の高温に耐える熱安定性、経済性及び衛生性の観点から、鉄粉と酸化促進剤からなるものが好適に用いられる。脱酸素剤を包装材料の構成成分とするために熱可塑性樹脂樹脂に配合する場合は、脱酸素剤の周囲に樹脂が存在することにより、粉末形態の場合と比べて酸素及び水と接触する割合が非常に少ないため、被包装物の酸化防止効果を満足させるためには、より一層の脱酸素活性が求められる。
【0004】
鉄系脱酸素剤を熱可塑性樹脂に配合した酸素吸収性樹脂組成物においては、上記の理由から鉄系の粉末形態で使用する脱酸素剤に比べて非常に脱酸素活性の高い脱酸素剤が選択される。これを用いた包装材料によって内容物を密封することによって、急速に内部の酸素が吸収され内容物の酸化劣化が効果的に防止される。
【0005】
酸素吸収性樹脂組成物に種々の無機物を添加することができることは従来より知られており、特開平9−176499においては、無機系の染料、顔料等の着色剤、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、ゼオライト、活性炭などのガス吸収剤等を添加できることが記載されているが、その粒径、配合量、配合のタイミングに関する記載はない。
【0006】
また、鉄系酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収性能を高めるためにハロゲン化金属のような酸化促進剤を鉄粉の表面に付着させることが好ましいことも従来より知られており、効果的な付着方法が求められいる。前記特開平9−176499においても種々の付着方法が開示されているが、特定粒径の水難溶性無機粉体を展着剤として適量用いる方法に関する記載は見あたらない。
【0007】
一方、脱酸素活性の高い脱酸素剤として、鉄粉としては粒径の小さなものが、酸化促進剤としては効果が大きいハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化アルカリ土類金属が好ましく用いられるが、このような組み合わせの脱酸素剤は流動性が悪く、熱可塑性樹脂に配合する際にホッパーからスムーズに排出されず、ホッパーの側面にへばりついてしまうことがある。特に酸化促進剤として塩化マグネシウムや塩化カルシウムのような吸湿性の強いものを選択した場合は、大気中の水分を吸収してしまうため流動性の悪化が著しい。しかし、鉄系酸素吸収性樹脂組成物製造時にみられるこのような現象の対策として、特定粒径の水難溶性無機粉体を適量用いる方法に関する記載も見あたらない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前項記載の従来技術の背景下に、本発明の目的は、酸素吸収性能が向上していると共に製造が容易である鉄系酸素吸収性樹脂組成物及びこれを用いた包装材料・容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこの課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、酸化促進剤の鉄粉へのコーティングの際の展着効果により酸素吸収性能が改善されると共に脱酸素剤の流動性が改善されることを見いだし、本発明を完成させた。すなわち本発明は平均粒径が100μm以下の鉄粉及び酸化促進剤としてハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化アルカリ土類金属を含有し更に水難溶性である無機粉体をも含有する脱酸素剤を熱可塑性樹脂に配合した酸素吸収性樹脂組成物において、水難溶性硫酸カルシウムまたは硫酸バリウムである無機粉体の平均粒径が鉄粉の7/100以上1/5以下であり、酸化促進剤の配合量が鉄粉に対して1乃至30重量%で、無機粉体の配合量が酸化促進剤の配合量以下でかつ鉄粉に対して0.1乃至10重量%であることを特徴とする鉄系酸素吸収性樹脂組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明に用いられる鉄粉については、熱可塑性樹脂中に配合するため高脱酸素活性が必要であり、平均粒径としては100μm以下であることが必要で、50μm以下であることがより好ましい。また、粒径が小さいものは脱酸素活性が優れるものの、粒径が小さくなるほどコストが高くなり非経済的であると同時に、取扱中に発火する危険性がある。そこで、平均粒径としては5μm以上が好ましい。鉄粉の種類としては特に制限はなく、還元鉄粉、噴霧鉄粉等の鉄粉の他、鋳鉄、鋼鉄屑、研削鉄屑の破砕物が用いられる。
【0012】
鉄粉の酸化促進剤としては、促進効果が大きく且つ衛生的及び経済的であるハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化アルカリ土類金属が好ましい。具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。これらは単一の化合物を用いても、いくつかを混合して用いても良い。
【0013】
その中でも鉄の酸化反応に必要な水分を集める吸湿性を持つことにより酸化促進効果が著しい無水塩化マグネシウムもしくは無水塩化カルシウムがより好ましく、熱可塑性樹脂配合時及び包材加工時の高温条件下で水蒸気を発生して発泡現象を生じることを避けるために無水物であることが好ましい。
【0014】
酸化促進剤は、鉄粉と単にブレンドした後熱可塑性樹脂に配合するだけでも効果を発揮するが、鉄粉表面に接触している量が多い場合が最も効果的に働く。そこで、酸化促進剤を鉄粉表面にコーティングすることが好ましい。コーティング方法としては、内部を窒素などの不活性気体で置換した振動ミル等の乾式ミリング装置中に所定粒径の鉄粉と酸化促進剤を投入し、酸化促進剤を粉砕しつつ鉄粉の表面にコーティングする乾式法が挙げられる。
【0015】
前記コーティング工程において、鉄粉と酸化促進剤に加えて平均粒径が鉄粉の7/100以上1/5以下の水難溶性無機粉体を共存させた場合、無機粉体が展着剤として作用して酸化促進剤が鉄粉表面に接触している割合が増え、これにより脱酸素剤の活性が向上するため熱可塑性樹脂に配合しても十分な酸素吸収能を発揮する。無機粉体には展着効果を期待しているためある程度細かいことが必要であり、粒径が鉄粉の1/5を越える場合は鉄粉との粒径の差が小さすぎるため十分な展着効果が得られず脱酸素剤の活性は向上しない。無機粉体を添加するタイミングとしては前記コーティング工程以前であれば特に制限されない。例えば、コーティング工程の直前に添加しても良いし、鉄紛の粉砕工程時に添加しても良い。後者の場合は粉砕時の鉄紛の焼結防止効果もあるため、特に焼結しやすい鉄紛を用いる場合や粉砕工程を採用する場合に有効である。
【0016】
酸化促進剤の添加量としては、鉄粉に対して1乃至30重量%であることが好ましい。添加量が1重量%未満である場合は十分な鉄粉の酸化促進効果が得られず、また、添加量が30%で酸化促進効果が飽和するため、それ以上添加しても酸化促進効果は上昇しない。
【0017】
無機粉体の添加量としては、酸化促進剤の配合量以下でかつ鉄粉に対して0.1乃至10重量%であることが好ましい。0.1重量%以下である場合は酸化促進剤コーティングにおいて十分な展着効果が得られず、また、添加量が酸化促進剤の配合量以上もしくは鉄粉に対して10重量%を越える場合は酸化促進剤の相対的な存在率の減少が影響して脱酸素活性は低下する。
【0018】
無機粉体としては、鉄の酸化反応への悪影響を避ける意味で水難溶性である必要がある以外は特に制限はなく、シリカ、ケイ藻土等のケイ酸や、アルミナや、カーボンブラックや、カオリン、タルク、マイカ、ベントナイト等の粘土鉱物や、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩や、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩などが使用できるが、比重が比較的大きく展着効果の大きい硫酸カルシウムもしくは硫酸バリウムがより好ましい。
【0019】
一方、平均粒径が100μm以下の微細な鉄粉及び酸化促進剤としてハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化アルカリ土類金属を組み合わせた脱酸素剤は流動性が悪く、熱可塑性樹脂に配合する際にホッパーからスムーズに排出されず、ホッパーの側面にへばりついてしまうことがある。特に酸化促進剤として塩化マグネシウムや塩化カルシウムのような吸湿性の強いものを選択した場合は、大気中の水分を吸収してしまうため流動性の悪化が著しい。しかし、脱酸素剤に更に無機粉体を本発明の範囲で添加した場合、流動性は大幅に改善され、酸化促進剤として塩化マグネシウムや塩化カルシウムのような吸湿性の強いものを選択した場合においてもホッパーからスムーズに排出されるため、熱可塑性樹脂に練り混むことによる酸素吸収性樹脂組成物の製造が容易になる。
【0020】
本発明の鉄系脱酸素剤を配合する熱可塑性樹脂としては特に制限はなく、具体的にはポリオレフィンとして、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン及びこれらの共重合体等が挙げられる。また、ビニル化合物として、エチレン・酢酸ビニル共重合体及びエチレン・ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。また、この他にも、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、6−ナイロン等のポリアミド、アクリル酸もしくはアクリル酸エステルとエチレンの共重合体及びアイオノマー等の熱可塑性樹脂が使用可能であり、これらの混合物であっても一向に差し支えない。
【0021】
鉄系脱酸素剤を熱可塑性樹脂に配合する方法としては、二軸押出し機等の混練機を用いて、加熱溶融された熱可塑性樹脂中で鉄系脱酸素剤を混練・分散される方法が好ましく、次工程の包装材料化のためには得られた鉄系酸素吸収性樹脂組成物をペレット化することが好ましい。
【0022】
本発明の鉄系酸素吸収性樹脂組成物を用いた包装材料は、フィルム、シート、カップ、トレー等の様々な形態となり得る。本包装材料の適用目的が内容物を密封包装した際に内部の酸素を吸収することであることから、包装材料の構成としては、鉄系酸素吸収性樹脂層の外側に酸素バリアー層が包装材料全面に配置されていることが必須である。
【0023】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の内容を説明・例示するが本発明の内容は実施例に制限されるものではない。
【0024】
[実施例1]
平均粒径10μmの鉄粉に、鉄粉に対する重量比率が表1に示されるように粉末状の無水塩化カルシウム及び各種無機粉体を添加し、内部を窒素ガスで置換した振動ミルを用いて無水塩化カルシウムの粉砕と鉄粉へのコーティングを行い、脱酸素剤を得た。次に得られた脱酸素剤を、サイドフィード方式によりベント付き2軸の押出混練機を用いて、鉄粉含有量が重量換算で20%になるように低密度ポリエチレンに混練し、次いで得られたストランドをペレタイザーでペレット化することにより、酸素吸収性樹脂組成物Aを得た。得られた酸素吸収性樹脂組成物Aは、熱プレス機を用いて110℃にて厚み500μmのシートに成型した後、一辺が10cmの正方形に切り出して評価用に用いた。
【0025】
(酸素吸収能の測定)
層構成がポリエチレンテレフタレート[PET]/アルミ箔/無延伸ポリプロピレン[CPP]からなる平パウチに、前記評価用シートを空気50ml(酸素として10.5ml)及び水5mlと共に封入し、60℃のオーブンにて60分加熱処理を行った直後のパウチ内部の気体の酸素濃度をガスクロマトグラフィーで測定することによって酸素吸収量を導いた。結果を表1に示す。
【0026】
(流動性の測定)
2軸の押出混練機による混練終了直後に、脱酸素剤をフィードするホッパー内部の観察を行い、脱酸素剤の付着状況を確認した。結果を表1に示す。
【0027】
[比較例1]
無機粉体を添加しないことを除いて実施例1と全く同様の操作を行い、酸素吸収量と脱酸素剤の流動性を測定した結果を表1に示す。
【0028】
[比較例2]
実施例1において、無機粉体として硫酸バリウムを用い、無水塩化カルシウムと無機粉体の添加量を表1に示すように変更した以外は全く同じ操作を行い、酸素吸収量と脱酸素剤の流動性を測定した結果を表1に示す。
【0029】
以上の結果は、鉄粉を主成分とする酸素吸収性樹脂組成物において、ハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化アルカリ土類金属及び水難溶性無機粉体を本発明の範囲内で用いることにより、酸素吸収能力が改善され更に脱酸素剤の流動性をも改善されるため製造が容易になることを示している。本発明の範囲外においては、脱酸素能の改善および製造の難易度の改善を共に満足することはできない。
【0030】
【表1】
【0031】
[実施例2]
平均粒径10μmの鉄粉に、粉末状の無水塩化カルシウム及び表2に示される無機粉体をそれぞれ鉄粉に対して10重量%及び2重量%添加し、内部を窒素ガスで置換した振動ミルを用いて無水塩化カルシウムの粉砕と鉄粉へのコーティングを行い、脱酸素剤を得た。次に得られた脱酸素剤を、サイドフィード方式によりベント付き2軸の押出混練機を用いて、鉄粉含有量が20重量%になるようにポリプロピレンに混練し、次いで得られたストランドをペレタイザーでペレット化することにより、酸素吸収性樹脂組成物Bを得た。
【0032】
通常のドライラミネート法によりウレタン系接着剤にてラミネートされたPET/アルミ箔/延伸ナイロン(15μm)/CPP(30μm)と酸化チタン含有白色無延伸ポリプロピレン[CPPw](30μm)との間に、押出機を用いて前記酸素吸収剤含有樹脂組成物BをTダイより押出し、酸素吸収層(40μm)を形成して本発明の酸素吸収性樹脂組成物を用いた包装材料を得た。構成は下記のようになる。
PET/アルミ箔/延伸ナイロン(15μm)/CPP(30μm)/酸素吸収層(40μm)/CPPw(30μm)
【0033】
得られた包装材料2枚を側面とし、PET/アルミ箔/延伸ナイロン(15μm)/CPP(60μm)を底面とする内容量250ml用のスタンディングパウチを製袋機にて調製した。ヒートシール部を除いた酸素吸収性包装材料の内面積は350cm2であった。
【0034】
得られたパウチ中に、脱気水225mlと良く洗った白米25gを空気20mlと共に封入し、125℃で10分レトルト処理を行いお粥を調製した。レトルト処理直後のパウチについて、ヘッドスペース気体の酸素濃度をガスクロマトグラフィーで測定した結果を表2に示す。
【0035】
[比較例3]
無機粉体を添加しないことを除いて実施例2と全く同様の操作を行って調製したパウチを用いて、実施例2と同様にお粥ついて行った結果を表2に示す。
【0036】
以上の結果は、無機粉体の添加により酸素吸収能が改善され、多水分内容物の酸化劣化抑制に効果的に寄与することを示している。
【0037】
【表2】
【0038】
[実施例3]
実施例2で得られたパウチ中に、魚節粉末、ヌクレオチド・ナトリウム塩及びグルタミン酸ナトリウム塩を主成分とする水分活性0.35の顆粒状調味料50gをヘッドスペース空気の容積が40mlになるように封入した。24℃で1か月保存後のパウチについて、ヘッドスペース気体の酸素濃度をガスクロマトグラフィーで測定した結果を表3に示す。
【0039】
[比較例4]
比較例3で調製したパウチを用いて、実施例3と同様に顆粒状調味料ついて行った結果を表3に示す。
【0040】
以上の結果は、無機粉体の添加により酸素吸収能が改善され、乾燥内容物の酸化劣化抑制に効果的に寄与することを示している。
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、鉄粉及び酸化促進剤としてハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化アルカリ土類金属を含有する脱酸素剤を熱可塑性樹脂に配合した酸素吸収性樹脂組成物において、特定粒径の水難溶性無機粉体を適量添加することにより、酸素吸収能力が改善され効果的に機能すると共に脱酸素剤の流動性をも改善されるため製造が容易になる。
Claims (6)
- 平均粒径が100μm以下の鉄粉及び酸化促進剤としてハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化アルカリ土類金属を含有し更に平均粒径が鉄粉の7/100以上12/100以下の水難溶性硫酸バリウムまたは平均粒径が鉄粉の1/5の水難溶性硫酸カルシウムである無機粉体をも含有する脱酸素剤を熱可塑性樹脂に配合した酸素吸収性樹脂組成物であって、酸化促進剤の配合量が鉄粉に対して1乃至30重量%で、無機粉体の配合量が酸化促進剤の配合量以下でかつ鉄粉に対して0.1乃至10重量%であることを特徴とする鉄系酸素吸収性樹脂組成物。
- ハロゲン化アルカリ金属が塩化ナトリウムもしくは塩化カリウム、ハロゲン化アルカリ土類金属が無水塩化マグネシウムもしくは無水塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1記載の鉄系酸素吸収性樹脂組成物。
- 平均粒径が100μm以下の鉄粉及び酸化促進剤としてハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化アルカリ土類金属を含有し更に平均粒径が鉄粉の7/100以上12/100以下の水難溶性硫酸バリウムまたは平均粒径が鉄粉の1/5の水難溶性硫酸カルシウムである無機粉体をも含有する脱酸素剤を熱可塑性樹脂に配合した鉄系酸素吸収性樹脂組成物の製造方法であって、酸化促進剤の配合量が鉄粉に対して1乃至30重量%で、無機粉体の配合量が酸化促進剤の配合量以下でかつ鉄粉に対して0.1乃至10重量%である鉄系酸素吸収性樹脂組成物が、ハロゲン化アルカリ金属もしくはハロゲン化アルカリ土類金属が乾式ミリングにより鉄粉にコーティングされ、更に該コーティング工程は該無機粉体をも共存した状態で行われることを特徴とする鉄系酸素吸収性樹脂組成物の製造方法。
- ハロゲン化アルカリ金属が塩化ナトリウムもしくは塩化カリウム、ハロゲン化アルカリ土類金属が無水塩化マグネシウムもしくは無水塩化カルシウムであることを特徴とする請求項3記載の鉄系酸素吸収性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1乃至2記載の鉄系酸素吸収性樹脂組成物を用いた包装材料及び容器。
- 請求項1乃至2記載の鉄系酸素吸収性樹脂組成物を用いたパウチ中に脱気水、米及び空気の多水分内容物が封入され、レトルト処理され、レトルト処理直後のパウチ内の酸素濃度を低減することによる該多水分内容物の酸化劣化抑制方法。
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