JP2005058868A - 無害化処理システムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有害物質に汚染された機器を非含浸性部材及び含浸性部材に解体・分別して無害化処理するシステムにおいて、無害化されたものの再処分が不要であること、すなわち、非含浸性部材は無害化してリサイクル部材となり、リサイクルが困難な含浸性部材は処分不要の形態に無害化できる処理システムを提供する。
【解決手段】有害物質に汚染された機器類を無害化処理するシステムであって、(a)処理対象物からの有害物質の抜出手段、汚染された機器類の粗洗浄手段、及び粗解体手段の少なくとも1つを有する前処理手段と、(b)前記前処理後の対象物から有害物質を除去するための溶剤による一次洗浄を行う一次洗浄手段と、(c)該被洗浄処理物を非含浸性部材及び含浸性部材とに分離する解体・分別手段と、(d)該非含浸性部材から残存する有害物質を除去するために溶剤による二次洗浄を行う二次洗浄手段と、(e)該含浸性部材および有害物質を同時に分解処理する超臨界水酸化処理手段とを具備してなる無害化処理システム。
【選択図】なし

Description

本発明は、PCB絶縁油等の有害物質に汚染された機器類を二次廃棄物を発生させることなく無害化処理する技術に関する。
有害廃棄物(例えば、PCB含有機器などの有害物質に汚染された機器類)の無害化処理技術分野において、溶剤洗浄法、真空加熱分離法、水熱酸化法、超臨界水酸化法が開発され、そのいくつかは実際の処理施設に採用されている。有害廃棄物を無害化処理する場合、処理対象物は金属等の非含浸性部材と紙木等の含浸性部材に分別され、それぞれの特性に応じた処理及び卒業基準により無害化処理が行われる(以下、本明細書において、非含浸性部材とは鉄、銅などの金属類および碍子などの磁器類であって有害物質が部材表面に付着するだけのものをいい、含浸性部材とは絶縁紙、木、素子、繊維などであって有害物質が部材内部にまで浸透するものをいう)。
廃棄物処理においては、当該無害化処理に伴って二次廃棄物が発生することは更なる処理を必要とすることになってしまうので好ましくなく、できれば当該無害化処理で廃棄物が再資源化可能な素材がリサイクル部材となり、再資源化が困難な素材は更なる処理が不要な形態に変換されることが望ましい。
PCB含有機器類(機器の他にドラム缶等の容器、ウェス、吸着材、活性炭、作業員の保護服及び防護具等を含む)の無害化処理においては、各部材から含まれるPCBを卒業基準以下まで除去する方法として溶剤洗浄法及び真空加熱分離法が開発されているが、それぞれ下記の課題を残している。
溶剤洗浄法では、処理対象機器を一次洗浄後に、非含浸性部材はケース、鉄芯、銅、碍子等に、含浸性部材は紙、木、素子等に素材別に分別してそれぞれに好適な二次洗浄条件にて洗浄処理を行うことにより、非含浸性部材はリサイクル可能な部材を回収することができる。
しかし、含浸性部材については卒業基準を満足させることは可能であっても分別後の部材を更に細破砕しての長時間の洗浄を要するため、細破砕用の複数の破砕装置および複数の洗浄装置が必要となってしまい設備面及び経済性の面で負担が多いという問題がある。また、部材中に有害物質が微量ながら残存するためにこの最終処分において注意が必要となるなどの課題がある。
図3に、溶剤洗浄法の工程図を示す。含浸性部材については二次洗浄工程321に先立って細破砕工程320が必要であり、また、二次洗浄工程321を行なっても二次廃棄物340として含浸性部材の無害化処理物が残存する。
また、真空加熱分離法では、処理対象物を真空環境で200〜400℃程度に加熱することにより有害物質を蒸発分離することから溶剤洗浄法と同等の事前分別は必須でなく、非含浸性部材は溶剤洗浄法同様にリサイクル可能な部材とすることができる。
しかし、非含浸性部材は熱履歴を受けるためにリサイクル部材の品質が低下する場合があり、含浸性部材の有機物においては炭化物に変化するため卒業判定を行うための分離・回収が困難となると共に炭化物の処分が必要となるなどの課題がある。
一方、含浸性部材が有機物であることに着目して有機物とPCBを同時に炭酸ガスと水に分解して処分すべき二次廃棄物が発生しない水熱酸化法及び超臨界水酸化法が開発されているが、それぞれ下記の課題が残っている。
水熱酸化法は、含浸性部材を微細に粉砕してスラリー化して連続的に反応槽に供給しながら含浸性部材を炭酸ガスと水に分解する技術であるが、スラリー化に際して特別な破砕機および混入している非含浸性部材を除去する分離装置などの設備や多大なエネルギーを必要としている。
また、超臨界水酸化法は、含浸性部材を破砕程度で反応槽に供給して含浸性部材を炭酸ガスと水に分解する技術であり、スラリー化することなく処理することが可能であるため非含浸性部材が混入しても処理可能である利点を有する。
しかし、処理対象物のPCB濃度が高いと反応器に投入するアルカリを増加するために塩濃度が高くなることによる析出・閉塞トラブルが発生しやすくなるという問題点があり、閉塞防止を図るためには処理対象物量を減じる必要があり処理能力を低下させることになる。
実際の施設においては、溶剤洗浄法と真空加熱分離法の組合わせあるいは溶剤洗浄法と水熱酸化法の組合わせなどの建設計画が進められているが、前者では依然として含浸性部材の卒業判定での配慮や最終処分が必要であり、後者では含浸性部材のスラリー化に際しての課題が依然として残っている。
有害物質汚染機器の処理としては、無害化されたものの再処分が不要であること、すなわち、非含浸性部材は無害化してリサイクル部材となり、リサイクルが困難な含浸性部材は処分不要の形態に無害化できることが望ましい。
特開2002−248455号公報
そこで、本発明は、有害物質に汚染された機器を非含浸性部材及び含浸性部材に解体・分別して無害化処理するシステムにおいて、無害化されたものの再処分が不要であること、すなわち、非含浸性部材は無害化してリサイクル部材となり、リサイクルが困難な含浸性部材は処分不要の形態に無害化できる処理システムを提供することを目的とする。
さらに本発明は上記無害化処理システムを使用するに好適な無害化処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る前記の目的は、下記(1)〜(10)に示す無害化処理システムおよび方法によって達成される。
本発明は、
(1)有害物質に汚染された機器類を無害化処理するシステムであって、
(a)処理対象物からの有害物質の抜出手段、汚染された機器類の粗洗浄手段、及び粗解体手段の少なくとも1つを有する前処理手段と、
(b)該粗解体物から有害物質を除去するための溶剤による一次洗浄を行う一次洗浄手段と、
(c)該被洗浄処理物を非含浸性部材及び含浸性部材とに分離する解体・分別手段と、
(d)該非含浸性部材から残存する有害物質を除去するために溶剤による二次洗浄を行う二次洗浄手段と、
(e)該含浸性部材および有害物質を同時に分解処理する超臨界水酸化処理手段
とを具備してなることを特徴とする無害化処理システム、
(2)前記有害物質がPCBであることを特徴とする(1)項に記載の無害化処理システム、
(3)前記の一次洗浄手段及び二次洗浄手段で使用する溶剤が炭化水素系溶剤又は有機溶剤であることを特徴とする(1)又は(2)項に記載の無害化処理システム、
(4)前記超臨界水酸化処理手段が回分式第1反応器と連続式第2反応器からなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の無害化処理システム、
(5)前記解体・分別手段において含浸性部材を破砕する破砕手段を具備してなることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の無害化処理システム、
(6)有害物質に汚染された機器類を無害化処理する方法であって、
(a)処理対象物からの有害物質の抜出工程、汚染された機器類の粗洗浄工程、及び粗解体工程の少なくとも1つを有する前処理工程と、
(b)該粗解体物から有害物質を除去するための溶剤による一次洗浄を行う一次洗浄工程と、
(c)該被洗浄処理物を非含浸性部材及び含浸性部材とに分離する解体・分別工程と、
(d)該非含浸性部材から残存する有害物質を除去するために溶剤による二次洗浄を行う二次洗浄工程と、
(e)該含浸性部材および有害物質を同時に分解処理する超臨界水酸化処理工程
とを具備してなることを特徴とする無害化処理方法、
(7)前記有害物質がPCBであることを特徴とする(6)項に記載の無害化処理方法、
(8)前記の一次洗浄工程及び二次洗浄工程で使用する溶剤が炭化水素系溶剤又は有機溶剤であることを特徴とする(6)又は(7)に記載の無害化処理方法、
(9)前記超臨界水酸化処理工程が回分式第1反応器と連続式第2反応器からなることを特徴とする(6)〜(8)のいずれか1項に記載の無害化処理方法、および
(10)前記解体・分別工程において含浸性部材を破砕する破砕工程を具備してなることを特徴とする(6)〜(9)のいずれか1項に記載の無害化処理方法
を提供するものである。
本発明の無害化処理システムは、処理対象物からの有害物質の抜出、粗洗浄、粗解体を行う前処理手段と、前記前処理後の対象物について溶剤による一次洗浄を行う一次洗浄手段と、該被洗浄処理物を非含浸性部材及び含浸性部材とに分離する解体・分別手段と、該非含浸性部材について溶剤による二次洗浄を行う二次洗浄手段とを具備してなる構成により非含浸性部材をリサイクル可能な部材に処理することができ、かつ、処理対象物からの有害物質の抜出、粗洗浄、粗解体を行う前処理手段と、前記前処理後の対象物について溶剤による一次洗浄を行う一次洗浄手段と、該被洗浄処理物を非含浸性部材及び含浸性部材とに解体・分別する解体・分別手段と、該含浸性部材を分解処理する超臨界水酸化処理手段とを具備してなる構成により含浸性部材を完全処理する効率的なシステムを構築でき、二次廃棄物を発生させること無く被処理対象物を無害化処理ができる。
また、本発明の無害化処理システムは、処理対象物について溶剤による一次洗浄を行う一次洗浄手段と、該被洗浄処理物を非含浸性部材及び含浸性部材とに解体・分別する解体・分別手段と、該含浸性部材を分解処理する超臨界水酸化処理手段とを具備してなる構成により、超臨界水酸化処理での処理対象物のPCB濃度を低減しているため反応器にて生成する塩濃度が低減できることから塩析出による閉塞トラブルを未然に防止することができるので、反応器を適正な能力で使用でき、効率的な無害化処理ができる。
さらに、本発明の無害化処理システムは、含浸性部材を分解処理する超臨界水酸化処理手段を具備することにより、従来の洗浄処理システムで必要であった二次洗浄前の細破砕手段が不要となり低コスト化を実現することができる。
本発明の無害化処理方法は、上記無害化処理システムを用いることにより、非含浸性部材をリサイクル可能な部材に処理することができ、かつ、含浸性部材を完全処理することができ、二次廃棄物を発生させること無く被処理対象物を無害化処理ができる。
本発明の無害化処理システムの好ましい一実施態様を図1を参照して以下に説明するが、本発明はこの実施態様に限定されるものではない。
図1は、高圧変圧器を被処理物の具体例とした本発明システムの説明図である。以下、本実施態様では、被処理物の具体例として、例えばPCB絶縁油が充填された高圧変圧器について、その処理システムの内容を説明する。
図1に示すように、本実施態様にかかる有害物質に汚染された機器類の無害化処理システムは、前処理手段11、一次洗浄手段12、解体・分別手段13、二次洗浄手段14、および超臨界水酸化処理手段15を有してなる。
前処理手段11は、PCB絶縁油が充填された被処理物である高圧変圧器100からPCBを抜取る抜取り手段11-1と、PCB絶縁油を抜取った後の高圧変圧器100の中に溶剤を供給、静置、循環、抜取りを行える粗洗浄手段11-2と、粗洗浄後の高圧変圧器100を構成する構成材(容器101、コア102等)に分離する粗解体手段11-3とのいずれか1つ又は複数を有する。
一次洗浄手段12は、前記前処理手段11において粗解体された容器101とコア102に含まれるPCBの大部分をそれぞれ溶剤で除去する。使用する溶剤としては炭化水素系溶剤又は有機溶剤が好ましく、具体的には、ノルマルパラフィン、ヘキサン、トルエン等が挙げられる。
解体・分別手段13は、前記一次洗浄手段12で処理された容器101とコア102をそれぞれ構成する構成材(ケース103、碍子104、パッキン105、金属類106、鉄芯107、コイル108等)に分離する解体・分別手段13-1と、解体・分離手段13-1において分離されたコイル108を構成材(銅109、紙・木110)に分離する破砕・選別手段13-2とのいずれか一方又は両方を有する。解体・分別手段においては、含浸性部材を破砕する破砕手段を具備してなることが好ましい。
二次洗浄手段14は、前記解体・分別手段13において分離された構成材のうち、金属等の非含浸性構成材であるケース103、碍子104、金属類106、鉄芯107、銅109に残存しているPCBをそれぞれ溶剤で除去する。使用する溶剤としては、一次洗浄手段で用いた溶剤と同様である。
超臨界水酸化処理手段15は、上記解体・分別手段13において分離された構成材のうち、有機物からなる含浸性部材である紙・木110、パッキン105とそこに残存しているPCBを分解処理する。超臨界水酸化処理手段は、回分式第1反応器と連続式第2反応器からなることが好ましい。超臨界水酸化処理手段によるPCB分解処理についてはそれ自体公知であり、特開2001−120986号及び同2001−121167号公報の記載を参照することができる。
ここで、本発明で無害化処理する有害物質としては、上記PCB以外に、例えば農薬、塗料、薬品等を挙げることができるが、環境汚染、人的被害を及ぼす有害物質でであればこれらに限定されるものではない。
また、本発明で被処理物としては、例えばPCB絶縁油を充填した高圧変圧器以外に、高圧コンデンサ、安定器等の電気機器、有害物質を保管している容器等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本実施態様における各手段の作用を以下に説明する。
前処理手段11において、抜液手段11-1及び粗洗浄手段11-2を実施して高圧変圧器100内の多くのPCBを除去することができ、次いで行われる粗解体手段11-3を実施して高圧変圧器100を容器101からコア102を取出す際に当該作業を行う作業員がPCBに曝露される危険性を低減化できると共に環境中へのPCB拡散も低減化できる。
上記前処理手段11で容器101とコア102に分割されることにより、一次洗浄手段12においてそれぞれの構成材に合わせた洗浄条件で一次洗浄を効率的に実施することができる。
容器101の一次洗浄では、容器101の構成材のほとんどが非含浸性構成材であることから非含浸性構成材の洗浄条件で一次洗浄することができ、一方コア102は非含浸性構成材と含浸性構成材が複合したものであることから含浸性構成材に合わせた洗浄条件を選択することができる。
解体・分別手段13において、上記一次洗浄手段12で被処理物である容器101とコア102のPCB汚染度合いが低減化されていることにより解体・分別手段13-1により容器101とコア102を構成する構成材毎に分離する作業を実施する際に当該作業を行う作業員がPCBに曝露される危険性を更に低減化できると共に、環境中へのPCB拡散も更に低減化できる。また、コイル108を銅109と紙・木110に破砕・選別手段13-2により分離する際にもコイル108が一次洗浄手段12で乾燥状態になることから破砕物同士の湿潤による付着を防止できるため分離が容易となり、分離精度が向上する。なお、破砕・選別手段13-2の破砕手段はその他の含浸性部材であるパッキン105を破砕することにも使用できる。
二次洗浄手段において、上記解体・分別手段13で高圧変圧器100から非含浸性構成材であるケース103、碍子104、金属類106、鉄芯107、銅109等にそれぞれ分離されることからそれぞれの素材及び形状に適切な洗浄条件で残存するPCBを除去することができるため効率的な無害化処理ができ、有用金属等をリサイクル部材121として回収することができる。
超臨界水酸化処理手段15において、前記一次洗浄手段12及び解体・分別手段13により高圧変圧器100から分離・破砕された含浸性構成材である紙・木110、パッキン105等にはそれぞれ少量のPCBしか残存していないため、PCB分解反応により生成される塩素(Cl)を中和するアルカリ(例えば苛性カリ(KOH))の必要量が低減化できると共に中和塩の析出量も減少することができ、析出による閉塞防止のために一回の処理量に制限を加える必要がなくなり、設備能力を最大限有効利用して効率的な無害化処理ができる。また、超臨界水酸化処理手段15においては、同時に有機物が炭酸ガス131と水132に分解されるため、分解処理後には有機性固形物が残存せず、再処理を必要とする二次廃棄物を発生することがない。
次に、本発明の無害化処理方法の好ましい一実施態様を、図2を参照して説明する。図2は、高圧コンデンサを被処理物の具体例とした本発明方法の説明図である。
図2に示すように、本実施例における有害物質に汚染された機器類の無害化処理システムは、前処理工程21、一次洗浄工程22、解体・分別工程23、二次洗浄工程24、および超臨界水酸化処理工程25を有してなる。
前処理工程21は、PCB絶縁油が充填された被処理物である高圧コンデンサ200からPCBを抜取る抜取り工程21-1と、PCB絶縁油を抜取った後の高圧コンデンサ200の中に溶剤を供給、静置、循環、抜取りを行える粗洗浄工程21-2と、粗洗浄後の高圧コンデンサ200を構成する構成材(容器201、素子等202等)に分離する粗解体工程21-3とのいずれか1つ又は複数を有する。
一次洗浄工程22は、前記前処理工程21において粗解体された容器201と素子等202に含まれるPCBの大部分をそれぞれ溶剤で除去する。
解体・分別工程23は、前記一次洗浄工程22で処理された容器201をそれぞれ構成する構成材(ケース203、碍子204、金属類205等)に分離する解体・分別工程23-1と、前記前処理工程21において分離された素子等202を破砕する破砕工程23-2とのいずれか一方又は両方を有する。
二次洗浄工程24は、前記解体・分別工程23において分離された構成材のうち、金属等の非含浸性構成材であるケース203、碍子204、金属類205に残存しているPCBをそれぞれ溶剤で除去する。
超臨界水酸化処理工程25は、上記解体・分別工程23において分離された構成材のうち、有機物からなる含浸性部材である破砕素子等206とそこに残存しているPCBを分解処理する。
本実施例による有害物質に汚染された機器類の無害化処理システムの実施の形態において、各工程の作用を以下に説明する。
前処理工程21において、抜液工程21-1及び粗洗浄工程21-2を実施して高圧コンデンサ200内の多くのPCBを除去することができ、次いで行われる粗解体工程21-3を実施して高圧コンデンサ200を容器201から素子等202を取出す際に当該作業を行う作業員がPCBに曝露される危険性を低減化できると共に環境中へのPCB拡散も低減化できる。
一次洗浄工程22において、上記前処理工程21で容器201と素子等202に分割されることによりそれぞれの構成材に合わせた洗浄条件で一次洗浄を効率的に実施することができる。
容器201の一次洗浄では、容器201の構成材のほとんどが非含浸性構成材であることから非含浸性構成材の洗浄条件で一次洗浄することができ、一方素子等202はほとんどが含浸性構成材であることから含浸性構成材に合わせた洗浄条件を選択することができる。
また、解体・分別工程23において、上記一次洗浄工程22で被処理物である容器201と素子等202のPCB汚染度合いが低減化されていることにより解体・分別工程23-1により容器201を構成する構成材毎に分離する作業を実施する際に当該作業を行う作業員がPCBに曝露される危険性を更に低減化できると共に、環境中へのPCB拡散も更に低減化できる。
超臨界水酸化処理工程25において、前記一次洗浄工程22及び前処理工程21により高圧コンデンサ200から分離・破砕された含浸性構成材である素子等202には少量のPCBしか残存していないため、PCB分解反応により生成される塩素(Cl)を中和するアルカリ(例えば苛性カリ(KOH))の必要量が低減化できると共に中和塩の析出量も減少することができ、析出による閉塞防止のために一回の処理量に制限を加える必要がなくなり、設備能力を最大限有効利用して効率的な無害化処理ができる。分解処理時の運転結果を下表に示す。
Figure 2005058868
また、超臨界水酸化処理工程25においては、同時に有機物が炭酸ガス221と水222に分解されるため、分解処理後には有機性固形物は残存せず、素子を構成する構成材のアルミ箔がアルミナ207として残存するが、アルミナ207はリサイクル可能であり再処理を必要とする二次廃棄物を発生することはない。
本発明の無害化方法について図3に示された従来技術の溶剤洗浄法と比較すると、含浸性部材においては従来技術の二次洗浄工程321を本発明の超臨界水酸化処理工程とすることにより、従来技術で必要であった細破砕工程320が本発明では不要となる。また、従来技術(図3)で二次廃棄物340として残存していた含浸性部材の無害化処理物が、本発明(図2)では炭酸ガス221と水222に分解されて二次廃棄物が残存しない。
図1は、高圧変圧器を被処理物の具体例とした本発明システムの説明図である。 図2は、高圧コンデンサを被処理物の具体例とした本発明方法の工程図である。 図3は、従来技術の溶剤洗浄法の工程図である。
符号の説明
11 前処理手段
11-1 抜取り手段
11-2 粗洗浄手段
11-3 粗解体手段
12 一次洗浄手段
13 解体・分別手段
13-1 解体・分別手段
13-2 破砕・選別手段
14 二次洗浄手段
15 超臨界水酸化処理手段
21 前処理工程
21-1 抜取り工程
21-2 粗洗浄工程
21-3 粗解体工程
22 一次洗浄工程
23 解体・分別工程
23-1 解体・分別工程
23-2 破砕・選別工程
24 二次洗浄工程
25 超臨界水酸化処理工程

Claims (10)

  1. 有害物質に汚染された機器類を無害化処理するシステムであって、
    (a)処理対象物からの有害物質の抜出手段、汚染された機器類の粗洗浄手段、及び粗解体手段の少なくとも1つを有する前処理手段と、
    (b)該粗解体物から有害物質を除去するための溶剤による一次洗浄を行う一次洗浄手段と、
    (c)該被洗浄処理物を非含浸性部材及び含浸性部材とに分離する解体・分別手段と、
    (d)該非含浸性部材から残存する有害物質を除去するために溶剤による二次洗浄を行う二次洗浄手段と、
    (e)該含浸性部材および有害物質を同時に分解処理する超臨界水酸化処理手段
    とを具備してなることを特徴とする無害化処理システム。
  2. 前記有害物質がPCBであることを特徴とする請求項1記載の無害化処理システム。
  3. 前記の一次洗浄手段及び二次洗浄手段で使用する溶剤が炭化水素系溶剤又は有機溶剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無害化処理システム。
  4. 前記超臨界水酸化処理手段が回分式第1反応器と連続式第2反応器からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無害化処理システム。
  5. 前記解体・分別手段において含浸性部材を破砕する破砕手段を具備してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の無害化処理システム。
  6. 有害物質に汚染された機器類を無害化処理する方法であって、
    (a)処理対象物からの有害物質の抜出工程、汚染された機器類の粗洗浄工程、及び粗解体工程の少なくとも1つを有する前処理工程と、
    (b)該粗解体物から有害物質を除去するための溶剤による一次洗浄を行う一次洗浄工程と、
    (c)該被洗浄処理物を非含浸性部材及び含浸性部材とに分離する解体・分別工程と、
    (d)該非含浸性部材から残存する有害物質を除去するために溶剤による二次洗浄を行う二次洗浄工程と、
    (e)該含浸性部材および有害物質を同時に分解処理する超臨界水酸化処理工程
    とを具備してなることを特徴とする無害化処理方法。
  7. 前記有害物質がPCBであることを特徴とする請求項6記載の無害化処理方法。
  8. 前記の一次洗浄工程及び二次洗浄工程で使用する溶剤が炭化水素系溶剤又は有機溶剤であることを特徴とする請求項6又は7に記載の無害化処理方法。
  9. 前記超臨界水酸化処理工程が回分式第1反応器と連続式第2反応器からなることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の無害化処理方法。
  10. 前記解体・分別工程において含浸性部材を破砕する破砕工程を具備してなることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の無害化処理方法。
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