JP2005055641A - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 ＬＣＤに取り付ける表面保護ガラスを、スペーサーを介在させ、且つその隙間に接着剤を充填させて取り付けることで、温度変化による曇り等を除去した液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 液晶表示装置は、裏ガラスの背面に裏偏光板を備え、この裏ガラスと密接合した表ガラスの表面に表偏光板を備えたＬＣＤに、表偏光板の周囲に少なくとも複数のスペーサーを配置し、この配置したスペーサーの上部に表面保護ガラスを載せると共に、表偏光板と表面保護ガラスの間に気泡が入らないように接着剤を充填して形成したことである。
【選択図】 図１

Description

本発明は、液晶表示装置に関し、詳しくは航空機のコックピットディスプレイに使用される液晶表示装置、又は主に屋外環境用途で使用する、耐環境性を必要とするフラットパネルディスプレイ、例えば、ノート型ＰＣ、ＰＤＡ、カーナビゲーション、屋外設置計器の表示器等に使用される液晶表示器、において、表面保護ガラスをＬＣＤに貼り合わせるときの貼り合わせに工夫を施した液晶表示装置に関する。

従来技術における液晶表示装置は、図３に示すように、裏ガラス１３の背面に設けた裏偏光板１４と、裏ガラス１３よりも小さく且つ表面に表偏光板１５を貼り付けた表ガラス１２とからなるＬＣＤ１１と、このＬＣＤ１１の上部面に一定の隙間を持って配設した表面保護ガラス１７からなる。

このように、ＬＣＤ１１に表面保護ガラス１７を直接接着することはせずに、ＬＣＤ１１の上に表面保護ガラス１７を浮かせて固定した構成になっている。その場合、ＬＣＤ１１と表面保護ガラス１７の間には空気層が介在するので、空気と接する面全てに無反射コーティング１９ａ、１９ｂ、１９ｃ処理を施すことになる。従って、ＬＣＤ１１の表偏光板１５に無反射コーティング１９ｃを施し、その上の表面保護ガラス１７の両面に無反射コーティング１９ａ、１９ｂを施した構成になっている。

特開２００３−１２１８１５号公報（第２頁〜３頁 第１図）

しかし、従来技術で説明した液晶表示装置において、空気と接する面が３箇所も存在するので、反射率低減のための無反射処理コーティングは各部とも幾重にも施さなくてはならず、コスト高の要因であった。更には、機器内部温度と外部温度の差が急激に起きると空気層面に“曇り”が起きる可能性があり、表示に影響することを避ける手段を講じなければならないという問題がある。

又、表面保護ガラスを接着する試みは種々行われてきたが、
（１）ガラス同士の接着が困難。
（２）接着面の経時変化による剥離現象。
（３）ガラスを接着することで生じる歪が表示品質に影響を与える。
等の不具合を誘発させていたことにより、ＬＣＤに直接貼り付けることが敬遠されている。

従って、表示性能を犠牲にせずに、コストを下げる目的で表面保護ガラスを直接ＬＣＤに接着する構造をとり、その上で表面保護ガラスを非常に薄いガラス材とし、貼り合わせ精度（接着厚み）を向上させることに解決しなければならない課題を有する。

このような課題を達成するために、本発明の液晶表示装置は次に示す構成にすることである。

（１）液晶表示装置は、裏ガラスの背面に裏偏光板を備え、該裏ガラスと密接合した表ガラスの表面に表偏光板を備えたＬＣＤに、前記表偏光板の周囲に少なくとも複数のスペーサーを配置し、該配置したスペーサーの上部に表面保護ガラスを載せると共に、前記表偏光板と表面保護ガラスの間に気泡が入らないように接着剤を充填して形成したことである。
（２）前記表面保護ガラスの表面に無反射コーテイングを施したことを特徴とする（１）に記載の液晶表示装置。
（３）前記接着剤は、紫外線硬化タイプの接着剤である（１）または（２）に記載の液晶表示装置。
（４）前記スペーサーは、アクリル樹脂のチップで形成したことを特徴とする（１）乃至（３）のいずれかに記載の液晶表示装置。
（５）前記チップの底面に、接着剤を取り付けたことを特徴とする（４）に記載の液晶表示装置。

以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、
（１）スペーサの働きにより、貼り付けた表面保護ガラスの接着厚みが前面に亘り均一にできるので、表示品位が優れている。
（２）表面保護ガラスがＬＣＤ面に直接貼り付けているので、温度変化等による“曇り”が発生しない。
（３）表面保護ガラスが割れた際に、接着されているので、ガラスが飛び散ることが無い。
（４）無反射コーティング処理は表面保護ガラス表面のみに施せば良いので、コスト低減に寄与する。
（５）簡単な部品で構成されているので、生産設備も特に必要としない。
（６）表面保護ガラスの厚みを薄くすることで、温度変化によるガラスと接着剤の膨張係数の違いによる歪みを吸収することが可能となり、表示ムラの抑制やガラスの剥離を抑えることが可能になる。

以下、本発明の液晶表示装置の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。

本願発明の液晶表示装置は、図１及び図２に示すように、ＬＣＤ１１にスペーサー１６を介在させて表面保護ガラス１７を接着剤１８で貼り付け、表面保護ガラスの表面に無反射コーティング１９を施した構造になっている。ＬＣＤ１１は、２枚のガラス板、表ガラス１２と裏ガラス１３の間に液晶材料を封入して密接合に組合せ、その２枚組み合わされたガラスの表裏に裏偏光板１４、表偏光板１５を貼り付けた構造になっている。この表ガラス１２と裏ガラス１３の内側の面には透明電極が形成され、図示しないＩＣの接続に使用する電極部分は透明電極を露出させる必要があるため、裏ガラス１３が表ガラス１２より突出した構造になっている。

このような構造のＬＣＤ１１に対して、その上面に表面保護ガラス１７を取り付けるわけであるが、その取付はスペーサー１６を介在させ、隙間に気泡が入り込まないようにして接着剤１８を充填させて取り付けた構造となっている。

スペーサー１６は、非常に小さなアクリル樹脂のチップであり、底面に接着剤がついている。このスペーサー１６をＬＣＤ周囲部の非表示部（偏光板の外側）の１辺に数個配置する。このスペーサー１６が表面保護ガラス１７を周囲部で均等に受けることでＬＣＤ周囲は各辺とも均一な厚みを実現できる。

表面保護ガラス１７を受けるのは周囲部のみであるので、接着剤１８は中央部が厚みがあるために表面保護ガラス１７設置直後は中央部が膨らんでいる。その後時間とともに中央部は表面保護ガラス１７が撓み沈み込む。

この表面保護ガラス１７の撓みを制御するために、表面保護ガラス１７の装着から数時間をおき、接着剤が均一化して、表面保護ガラス１７がフラットになった時点で接着剤１８を硬化させる。

次に、表面保護ガラス接着工程のフローについて、以下説明する。尚、接着剤は紫外線硬化タイプを用いる。
（１）前処理としてＬＣＤのガラス周囲に接着剤の付着を防ぐマスキング処理を施す。
（２）表偏光板の保護テープを外し、表面をクリーニングする。
（３）計量した接着剤をＬＣＤ中央部から周囲に向けて均等に垂らす。
（４）表面保護ガラスの一片を軸に倒し込み、気泡が入らないように接着剤を広げてＬＣＤに貼り合わせる。
（５）表面保護ガラスがＬＣＤと貼り合わさった時点で、面内の接着剤が均一化されるまで数時間待つ。
（６）接着剤が均一化し、表面保護ガラスが周囲のスペーサーで受けられた時点で、接着剤に紫外線を照射して硬化させる。

ガラスの貼り合わせ技術としては、非常に簡単な部品で実現できるので、あらゆるガラス同士の貼り合わせに応用可能である。
現在では、液晶ディスプレイを始めとするフラットパネルディスプレイは構成材料にガラスを用いており、低反射処理は何れも必要とされているので、本件の手法は極めて有益である。又、ガラスだけでなく樹脂材料を用いたパネルにも応用可能である。

本願発明の液晶表示装置の構造を示した説明図である。 同、平面図である。 従来技術における液晶表示装置の構造を示した説明図である。

符号の説明

１１ ＬＣＤ
１２ 表ガラス
１３ 裏ガラス
１４ 裏偏光板
１５ 表偏光板
１６ スペーサー
１７ 表面保護ガラス
１８ 接着剤
１９ 無反射コーティング。

Claims (5)

1. 裏ガラスの背面に裏偏光板を備え、該裏ガラスと密接合した表ガラスの表面に表偏光板を備えたＬＣＤに、前記表偏光板の周囲に少なくとも複数のスペーサーを配置し、該配置したスペーサーの上部に表面保護ガラスを載せると共に、前記表偏光板と表面保護ガラスの間に気泡が入らないように接着剤を充填して形成した液晶表示装置。
2. 前記表面保護ガラスの表面に無反射コーテイングを施したことを特徴とする請求項１に記載の液晶表示装置。
3. 前記接着剤は、紫外線硬化タイプの接着剤である請求項１または２に記載の液晶表示装置。
4. 前記スペーサーは、アクリル樹脂のチップで形成したことを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の液晶表示装置。
5. 前記チップの底面に、接着剤を取り付けたことを特徴とする請求項４に記載の液晶表示装置。
   

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